デジタルカメラ
【課題】リサイクル効率の高いデジタルカメラを提供する。
【解決手段】撮影した画像枚数の確認を実施し(S21)、画像ファイルを1つずつ転送し(S22)、転送が終わるまで前述の確認したファイル数の回数、画像転送を繰り返す(S23)。画像送出が完了し(処理S23のYes)、外部装置側から画像正常受領確認を外部I/Fを介して通知されると、画像データの蓄積されていた第2メモリの内容を消去する(S24)。第2メモリの消去後、第1メモリの消去を行うプログラム部分をRAMにコピーし展開する(S25)。メモリに展開後、CPUはRAMに展開されたプログラムを実行し、第1メモリの消去コマンドを実行、第1メモリを消去する(S26)。
【解決手段】撮影した画像枚数の確認を実施し(S21)、画像ファイルを1つずつ転送し(S22)、転送が終わるまで前述の確認したファイル数の回数、画像転送を繰り返す(S23)。画像送出が完了し(処理S23のYes)、外部装置側から画像正常受領確認を外部I/Fを介して通知されると、画像データの蓄積されていた第2メモリの内容を消去する(S24)。第2メモリの消去後、第1メモリの消去を行うプログラム部分をRAMにコピーし展開する(S25)。メモリに展開後、CPUはRAMに展開されたプログラムを実行し、第1メモリの消去コマンドを実行、第1メモリを消去する(S26)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラに関し、特に、リサイクル率の高い使い捨てデジタルカメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のデジタルカメラにおいては、例えば特許文献1に記載されるように、筐体が分解されたことを検知するフォトセンサを内部に持ち、内部画像データを画像データベースに転送時に分解されたことを通知し、画像閲覧時に警告通知を行うようにして、リサイクル率を上げる提案がされている。また、その実施例にはデジタルカメラの画像を画像データベースに転送し、インターネットを介して画像を見られるビジネスモデルが提案されている。しかしながら、分解されたデジタルカメラ画像を何の支障もなく閲覧可能なサービスを提供する海賊業者が現れた場合、十分なリサイクル率が得られない可能性がある。
【0003】
また、特許文献2ではデジタルカメラ内で暗号化した画像データを保持し、暗号化データの復調機能は店舗のデータ復調機のみとしてリサイクルを図るものが提案されている。しかしながら、暗号化データを保持するため、通常の画像データよりもデータ量が多いため、高価なメモリの容量を増やすかあるいは撮影枚数を減らすなどの処置が必要となる。また枚数が多い場合に、データ転送に時間を要するため、撮影枚数が多い場合には使用者にストレスを感じさせることになってしまう。また、不正使用を目的として違法に使用される可能性がある。
【0004】
また、特許文献3では、デジタルカメラが接続される装置からの暗号入力が適正であれば画像データを消去して、リサイクル効率を上げる提案がされている。しかしながら、暗号データの漏えいや違法解析等により十分なリサイクル率が得られない可能性がある。また、工場等で暗号入力を行わない限り、画像が消去できないため、失敗した撮影画像を使用者が消去できず、デジタルカメラの利点である、その場で確認し、駄目な写真を消すという恩恵を受けることができない。
【特許文献1】特許第3605008号公報
【特許文献2】特開2000−196931号公報
【特許文献3】特開2003−319318号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、いわゆる使い捨てカメラと呼ばれるリサイクルデジタルカメラに関するものであり、前記技術の不具合を解決しながらリサイクル効率の高いデジタルカメラを提供することを目的とする。すなわち、従来例のごとく画像データの容量を増やすことなく、また店舗側の装置に特殊な機能を持たせずに、海賊業者によるリサイクル率の低下を防ぎ、かつ使用者が画像削除することを阻害せずにリサイクル率を上げるデジタルカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載したデジタルカメラは、レンズを含む光学系により集光された被写体像からの反射光を電気信号に変換する固体撮像素子と、固体撮像素子からの信号をデジタル化および画像処理する画像処理部と、各デバイスの動作を制御するCPUと、CPUのプログラムを保持する第1メモリと、画像処理された画像データを保持する第2メモリと、第2メモリに保持された画像データを外部インターフェースを介して送出する送出手段と、画像データを送出後に第1メモリもしくは第1メモリと第2メモリの両方の内容を消去する消去手段とを備えた構成によって、画像送出後は店舗を介して返却することになり、また不正使用を目的として他への流出を防ぐことができる。
【0007】
また、請求項2〜4に記載したデジタルカメラは、請求項1のデジタルカメラにおいて、送出手段の画像データの送出時に、第1メモリもしくは第2メモリの一部に画像送出フラグを書き込むこと、さらに、画像送出フラグにより画像送出の実行を検知した場合に、第1メモリもしくは第1メモリと第2メモリの両方を消去すること、さらに、画像フラグにより画像送出の実行を検知し、かつ第2メモリに画像が残っている場合に、画像送出の実行のみ可能とした構成によって、画像送出後の第1メモリの消去が実施される前に、デジタルカメラのシステムを停止されたとしても、その後の動作で本体プログラムが消去されて機能しないため、不正使用を目的として他への流出を防ぐことができる。
【0008】
また、請求項5,6に記載したデジタルカメラは、請求項1〜4のデジタルカメラにおいて、第1メモリに対して直接書き込みを行う書込手段を備えたこと、また、筐体が開かれたことを検知する検知手段を備え、検知手段が筐体が開かれたことを検知すると、第1メモリに保持するプログラムを消去する構成によって、プログラムを消去した第1メモリに、新しくメモリを交換することなく本体プログラムを書き込みができ、交換によるコストおよび不良発生を防ぎ、また筐体が開かれた場合、本体プログラムを消去して本体プログラムの複製等を含み違法な再利用を回避でき、リサイクル効率を上げることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、外部機器への画像送出後に本体プログラムを消去することでデジタルカメラの機能を停止し、これによりデジタルカメラの不正使用を回避し、かつリサイクル効率を高めることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の実施の形態におけるデジタルカメラの概略構成を示すブロック図である。なお、図1に示すブロック図は一般的なデジタルカメラと同様な構成であり、本発明に特有の構成ではない。
【0012】
以下に、図1のブロック図を参照しながらデジタルカメラの構成について説明する。被写体からの光は光学系1を介して撮像素子2に入射される。なお、光学系は一般的に焦点距離や画角を調整可能するための撮像レンズ1a、絞り機能とシャッター機能を兼ねる絞り兼用シャッター1b、赤外光等を除去する光学フィルタ1cで構成される。撮像レンズ1aや絞り兼用シャッター1bはメカ系駆動回路3によって駆動される。被写体からの反射光は光学系1を介して撮像素子2によって電気信号に変換される。
【0013】
タイミング信号発生回路4(TG)は撮像素子2を動作させるために必要なタイミング信号を発生し、撮像素子2を駆動可能なレベルまで撮像素子駆動回路5で増幅され撮像素子2に供給される。撮像素子2の出力は前置処理回路6に入力され、撮像素子2の出力ノイズ除去のためのCDS(相関二重サンプリング)回路や信号増幅のためのAGC回路によりアナログ処理され、A/D変換器7に入力される。A/D変換によりデジタル化された信号はいったん記憶するためのメモリとその信号を処理する撮像信号処理する回路を有する撮像信号処理回路8に入力される。
【0014】
信号処理されたデータは媒体I/F9を通して、不揮発性メモリである第2メモリ10に保存される。一般的には第2メモリ10としてはSDメモリカード(登録商標)等に広く採用されているNAND型FlashROMが使われる。
【0015】
これらのブロックはシステム制御を行うCPU11によって制御される。CPU11は第1メモリ12に記録された動作プログラムによって動作し、演算処理等はバス上に接続されたRAM13をワーク領域として使用する。また、使用者の操作補助のための表示やデジタルカメラの状態を表す表示部14への書き込みや、デジタルカメラの撮影開始を撮影者が制御するための撮影ボタンであるレリーズスイッチ15を監視する。
【0016】
なおレリーズスイッチ15は、一般的に被写体に焦点を合わせるAF(Auto-Focus)動作を実行させる第1ストロークSW1と本撮影を行う第2ストロークSW2の2段階操作が可能である。第1ストロークSW1が押されるところまでレリーズスイッチ15を押した状態を半押し、第2ストロークSW2が押されるところまでレリーズスイッチ15を押し切った状態を全押しと言ったりする。
【0017】
電源ブロック16はすべてのブロックに電源を供給するブロックで、電源スイッチ(図示せず)のオンにより各ブロックに電源を供給し、電源スイッチのオフまたは非使用状態が続くとCPU11によってオフされたりする。また、測距センサ17は光学系1の焦点調整のために撮像素子2と被写体の明るさを測定する測距のセンサおよび回路で構成される。また、測光センサ18は被写体の明るさを測定するための測光のセンサおよび回路で構成される。
【0018】
第2メモリ10に蓄えられた画像データは、外部I/F19を介して送出手段により外部装置20に送信される。外部I/F19は汎用のインターフェース、例えばUSBインターフェースやシリアルATAインターフェースやRS232Cインターフェースや無線のBlueTooth(登録商標)等の公知のインターフェースで良い。もちろん、各社オリジナルの特殊インターフェースであっても良い。
【0019】
なお、図1では第1メモリ12と第2メモリ10を別個に記載しているが、1つのメモリデバイスのメモリ空間を分割して、第1メモリ12の領域と第2メモリ10の領域を割り当てても良い。
【0020】
また、図2は本発明の実施形態1におけるデジタルカメラの動作を示すフローチャートであり、図1を参照しながら説明する。
【0021】
まず、電源投入時に、CPU11内部のタイマーが初期化される(S1)。このタイマーは非使用状態になった際に電源オフするためのタイマーである。次に、レリーズスイッチ15が押されているかどうかの判定を行う(S2)。押されている場合(処理S2のYes)、後述する撮像処理(S10)を実行する。
【0022】
レリーズスイッチ15が押されていない場合(処理S2のNo)、外部I/F19を介して画像の送出要求があるか否か確認する(S3)。一般的にはPC等の外部装置20からデジタルカメラの外部I/F19に対して、ステータス要求等が送られ、デジタルカメラ側がレディステータス等を外部装置20に返答した場合に、画像要求コマンド等を受け取るが、ここではこの一連動作を画像送出要求という。
【0023】
送出要求がある場合(処理S3のYes)、後述する画像送出と第1メモリ12の消去処理(S20)を実行する。また、送出要求がない場合(処理S3のNo)、最初に初期化したタイマーがタイムアウトになっているか否かを判定する(S4)。タイムアウトになっていない場合(処理S4のNo)、再度レリーズスイッチ15の確認を行う処理S2から実行し、タイムアウトの場合(処理S4のYes)は処理を終了する。なお、この処理の終了直前に電源ブロック16を制御し、電源オフ、あるいは各素子をスタンバイ状態にするスタンバイモードに移行するのが一般的である。
【0024】
また、撮像処理(S10)や画像送出と第1メモリ12の消去処理(S20)への移行は割り込みによって実施しても良い。
【0025】
図3は本実施形態1の図2に示す撮像処理(S10)のフローチャートであり、その動作について図1を参照しながら以下に説明する。なお、図3に示す動作は一般的な処理方法であり本発明に特有の方法ではない。
【0026】
操作者が操作部の撮影開始としてレリーズスイッチ15の第1ストロークSW1を操作することにより本処理が開始される(S11)。まず、測距センサ17が動作を開始し、その出力がシステム制御を行うCPU11に入力される(S12)。CPU11は測距センサ17の出力により焦点レンズの移動量を導出し、メカ系駆動回路3を介して撮像レンズ1aの焦点調整用レンズを移動し合焦状態とする(S13)。レンズの移動が完了したらAFLock状態とし、以降焦点調整レンズは移動しない。
【0027】
その後、第2ストロークSW2が押されたことを検出するまでの間は測光センサ18の出力を、システム制御を行うCPU11に入力する(S14)。第2ストロークSW2が押されたことを検出したら(S15)測光センサ18の出力より被写体の明るさを検出し、その検出値に対する絞り値とシャッタースピードを導出する(S16)。導出された露出条件により絞りとタイミング信号発生回路4の電子シャッタータイミングを設定して(S17)撮像素子2の本露出撮像を行い(S18)、撮像素子2の出力を読み出す(S19)。
【0028】
この読み出した撮像出力に対して前置処理回路6でCDS(相関二重サンプリング)処理やゲインコントロール等の信号処理を行い、A/D変換器7によりデジタル信号に変換されて、撮像信号処理回路8に入力され、撮像信号処理回路8およびシステム制御を行うCPU11により撮像出力から露出条件が再確認され、適正露出との誤差分を検出してシャッタースピードの設定を変更する。そして、変更後の露出条件により再度撮像素子2を露出し出力を読み出す。撮像素子2の出力はデジタル信号に変換され、撮像信号処理回路8によって特定フォーマットへの変換処理がされた後、媒体I/F9を介して第2メモリ10に撮像画像信号が記録される。
【0029】
また、図4は本実施形態1の図2に示す画像送出と第1メモリの消去処理(S20)のフローチャートであり、その動作について図1を参照しながら以下に説明する。本処理では従来の画像送出の実行以外に本発明の特徴である画像転送後に第1メモリ12の消去手段による消去処理が追加されている。
【0030】
図4に示すフローチャートでは、まず画像枚数の確認を実施している(S21)。これは図1の媒体I/F9を介して第2メモリ10のファイル数を確認し、バスを介してシステム制御のCPU11にファイル数を送出することにより行う。
【0031】
次に、画像ファイルを1つずつ転送し(S22)、転送が終わるまで前述の確認したファイル数の回数、画像転送を繰り返す(S23)。これは媒体I/F9からいったんバス上のRAM13に転送し、外部I/F19を介して外部装置20に転送しても良いし、CPU11からの命令により媒体I/F9と外部I/F19をダイレクトにDMA転送により画像を送出させても良い。
【0032】
なお、本実施形態1では最初に画像数を確認し、画像数が完了するまで画像転送を繰り返す構成としたが、一画像送出ごとに残画像確認を実施し、残画像があれば送出を実行し、残画像がなくなった場合に処理を終了するようにしても良い。
【0033】
画像送出が完了し(処理S23のYes)、外部装置20側から画像正常受領確認を外部I/F19を介して通知されると、CPU11の命令により媒体I/F9を介して、画像データの蓄積されていた第2メモリ10の内容を消去する(S24)。
【0034】
なお、本実施形態1では、全ての画像送出後、一括して第2メモリ10を消去する構成としたが、一画像送出毎に送出した画像ファイルの消去を実施しても良い。また、ここでは画像データを送出後に消去するフローチャートとしたが、工場に返却後に画像を消去しても良い。
【0035】
第2メモリ10の消去後、さらに第1メモリ12を消去するために、第1メモリ12の消去を行うプログラム部分をRAM13にコピーし展開させている(S25)。CPU11は一般にベクタアドレスに書かれたアドレスの命令を順次実行していくが、メモリに展開後、ベクタアドレスをRAM13のアドレスにしてやればCPU11はRAM13上に展開されたプログラムを実行していく。RAM13上には第1メモリ12を消去するプログラムが展開されているため、CPU11は第1メモリ12の消去コマンドを実行し、第1メモリ12を消去する(S26)。
【0036】
なお、これを実現するために第1メモリ12はFlashROM等の電気的に消去,書き込みが可能な半導体素子とする。また、第1メモリ12の消去後本処理を終了としているが、電池のリサイクルという観点では終了前に電源をオフまたは各デバイスをスタンバイモードにしても良い。
【0037】
本処理をすることにより画像転送後、実行プログラムが消去されるため、デジタルカメラとして機能しなくなり海賊業者に流出することなく、デジタルカメラはユーザーから店舗を介して工場へと返却される確率が高くなる。
【0038】
また、図5に示すフローチャートは、前述した図4のフローチャートに対して画像枚数の確認後、画像送出フラグを立てる処理S27が追加されている。具体的には図1に示すCPU11が第1メモリ12のフラグ書き込み領域、または第2メモリ10のフラグ書き込み領域にデータ書き込みを行う。最も単純な方法としては出荷時にフラグ書き込み領域を「0」にしておき、フラグ書き込み時は、これを「1」に書き換える。
【0039】
なお、ビット不良等がある場合もあるので1ビットでなく、数ビットを割り当てても良い。なお、第1メモリ12もしくは第2メモリ10にフラグ書き込み領域を設けたが、例えばデジタルカメラの調整データを蓄えておく、EEPROM等の不揮発性メモリを第1,第2メモリ12,10とは別に持っている場合は、その不揮発性メモリにフラグを書き込んでも良い。
【0040】
以上のように、画像送出フラグを不揮発性メモリに保持することにより、不正使用を目的としたユーザーによって第1メモリ12の消去前に電源を切断されても、次回起動時に画像送出が実行されたか否かが判別可能となり、第1メモリ12の消去処理が開始可能となる。
【0041】
図6は本発明の実施形態2におけるデジタルカメラの動作を示すフローチャートであり、図1を参照しながら説明する。また、本実施形態2においては、図6に示すように、前述の図2に示すフローチャートにおいて最初にCPU11は画像フラグ領域から画像フラグの読み込みを実施し(S31)、読み込んだ画像送出フラグから画像送出が実行されたか否かを判定する(S32)。本判定により画像送出が実行されていた場合(処理S32Yes)、直ちに第1メモリ12の消去用のプログラムをRAM13に展開し(S35)、前述と同様にRAM13上に展開したプログラムを実行し、第1メモリ12の消去処理を実施する(S36)。
【0042】
画像送出フラグが立っていない場合(処理S32のNo)、図2に示すフローチャートと同様に通常のレリーズスイッチ15の操作、あるいは画像送出要求の指示をタイムアウトが発生するまで待ちつづけ(処理S1〜処理S4)、レリーズスイッチ15の操作が行われた場合(処理S2のYes)、図3に示す撮像処理を、画像送出要求を受けた場合(処理S3のYes)、図4に示す画像送出と第1メモリ12の消去処理を実行する。
【0043】
このように画像送出後は、不正使用を目的とした操作あるいは異常な動作により第1メモリ12が正常に消去されなかった場合でもシステム制御を行う本体プログラムを消去可能なので、デジタルカメラが工場に返却される確率をより高くすることができる。
【0044】
また、図7に示すフローチャートは、前述した図6のフローチャートにおいて画像送出フラグが立っていた場合(S32のYes)、第1メモリ12の消去処理(S35)を行う前に、以下の処理を追加したものである。すなわち、媒体I/F9を介して第2メモリ10の画像ファイルの有無確認を実施し(S33)、残画像があるか否かを確認し(S34)、残画像がない場合(処理S34のNo)は、第1メモリ12の消去処理を実施する。
【0045】
しかし、残画像がある場合(処理S34のYes)は、画像送出要求の有無を確認する処理を実行する(S37)。画像送出の有無の確認により画像送出要求がある場合(処理S37のYes)、画像送出と第2メモリ10の消去処理を実行して終了すると、第1メモリ12の消去処理を行う(S20)。また、画像送出の要求がない場合(処理S37のNo)、そのまま処理を終了する。したがって、最初の画像送出フラグの判定により画像送出が実施された場合は、撮像処理は実施されない。
【0046】
以上のように、停電や故障等のトラブルで外部装置20への画像送出が途中で終了してしまった場合でも、残画像を送出可能となるので、正規な使用者への被害を防ぐことができる。
【0047】
なお、本実施形態2は、第1メモリ12に保持された、画像送出以外の本体プログラム部分を消去する構成として、海賊業者からの不正な不揮発性メモリの内容読み出しを防ぐ構成としても良い。すなわち、残画像ありと判断された後で画像送出要求の有無判別前に、画像送出以外の本体プログラム部分を消去実行するプログラムをRAM13に展開し、画像送出以外の本体プログラム部分を消去する構成としても良い。
【0048】
図8は本発明の実施形態3におけるデジタルカメラの一部分の概略構成を示すブロック図であり、図8では図1に示したブロック図の撮像関連の構成は省略し、第1メモリ12に直接書き込みを行う書込手段のオンボード書き込みI/F21に関連する部分のみの記述している。
【0049】
図8において、オンボード書き込みI/F21はCPU11や第1メモリ12やRAM13の持つ、アドレスバス幅およびデータバス幅で決定する本数のバス信号ラインとチップセレクト信号,ライト信号,リード信号等の制御信号をオンボードFROM書き込み装置22と接続するためのコネクタまたは端子と、タイミング発生装置23から送出される第1メモリKILL信号と接続するためのコネクタまたは端子と、デジタルカメラの電源投入時システムをリセットするためのリセットIC24から出力されるリセット信号をオンボードFROM書き込み装置22に供給するコネクタまたは端子と、CPU11のポートから出力されるROMセレクト信号をオンボードFROM書き込み装置22に供給するコネクタまたは端子から構成される。
【0050】
以下の説明では第1メモリ12およびオンボードFROM書き込み装置22のマスターROM25はリセット状態でバスラインおよび制御信号がハイインピーダンス(以下、Hi−Zという)状態になるデバイスとする。
【0051】
なお、前述した以外の不揮発性メモリを使用する場合には、不揮発性メモリをバスからHi−Z状態で切り離せるように不揮発性メモリとバスの間に3ステートのバッファを設けて実現しても良い。
【0052】
まず、デジタルカメラの電源投入時、デジタルカメラのリセットIC24から一定期間リセット信号が出力され、全ての図8に示すデバイスはリセット状態となる。電源投入後、数ミリ〜数10ミリ秒経過後にリセット出力は解除される。なお、第1メモリ12およびマスターROM25にはORゲートを介してリセット信号が供給され、リセットIC24のリセット信号またはタイミング発生装置23のROMKILL信号(マスターKILL信号、第1メモリKILL信号)の一方が出力された場合にリセット状態つまりバスラインおよび制御信号はHi−Z状態となり、信号的に接続されていない状態となる。
【0053】
リセットIC24の出力が解除されると、まずタイミング発生装置23は第1メモリKILL信号を出力し第1メモリ12を接続していない状態にする。これによりCPU11はアドレスバス,データバスからHi−Z状態により切り離された第1メモリ12ではなくマスターROM25のプログラムを実行する。
【0054】
マスターROM25には図9に示すフローチャートを実行するプログラムが書かれており、マスターROM25内に保持されている「第1メモリ書き込み用プログラム」が第1メモリ12に書き込まれる。
【0055】
以下に、図9に示すフローチャートについて、図8を参照しながら説明する。マスターROM25内の「第1メモリ書き込み用プログラム」保持領域のプログラムをデジタルカメラ内のRAM13に展開する(S41)。次に、マスターROM25内の「RAM→第1メモリ転送プログラム」保持領域のプログラムをデジタルカメラ内のRAM13に展開する(S42)。この時点で2つのプログラムがRAM13内に展開されている。
【0056】
次に、CPU11が実行するベクタアドレスをRAM13に展開した「RAM→第1メモリ転送プログラム」の開始アドレスに設定し、以降RAM13上に展開されたプログラムが実行される(S43)。次に、ROMセレクト信号をオンにする(S44)。ここまでタイミング発生装置23からは第1メモリKILL信号が出力されているが、ROMセレクト信号をオンにすることでマスターKILL信号が出力され、第1メモリ12はHi−Z状態からバス接続状態へ、またマスターROM25はバス接続状態からHi−Z状態となる。これによりCPU11は第1メモリ12の書き込みが実行できる状態になる。そして、CPU11はRAM13に展開されている「第1メモリ書き込み用のプログラム」を第1メモリ12に書き込み(S45)、この書き込みの完了により処理を終了する。
【0057】
以上のことにより、使用者によって画像が送出され、第1メモリ12の内容が消去されたデジタルカメラが店舗を介して工場へ送付された際、デジタルカメラ内の基板に実装された第1メモリ12を取り外し、プログラム書き込み済みの別の第1メモリ12を再度取り付けることなく、第1メモリ12にプログラムの再書き込みを行って、出荷できるので、リサイクルの経費を少なくし、また取り外し取り付け工程による不良の発生を抑えることができる。
【0058】
図10は本発明の実施形態4におけるデジタルカメラの解体を検知する構成の概略を示す模式図であり、図11は解体を検知する回路例を示す図である。
図10,図11を参照しながら本実施形態4を説明する。
【0059】
図10に示すように、筐体解体検知スイッチ31はデジタルカメラの裏蓋29を閉じると押され、裏蓋29を開くと開放されるように、デジタルカメラ内部に配置されている。本実施形態4では回路基板30上に位置し、かつ裏蓋29で押される位置に配置しているが、筐体が開かれたことが検知できればどこに配置しても良い。
【0060】
また、図11に示す回路例のように、筐体解体検知スイッチ31は抵抗によりプルアップされており、筐体が閉じられ筐体解体検知スイッチ31が押された状態では「Low」レベルがCPU11に入力されている。いったん筐体が開かれるとCPU11の入力はGNDからの接続が切り離されるため、抵抗を介して電源電圧まで引っ張られ、「High」レベルがCPU11に入力される。CPU11の割り込み入力は一般に入力信号のエッジを検出するため、「High」に切り替わると同時に図12に示す筐体解体検知割り込み処理が開始される。
【0061】
なお、本実施形態4では「High」に切り変わる瞬間としたが、「Low」に切り替わる瞬間に動作するCPU11を使用する場合には筐体解体検知スイッチ31の接続された電源とGNDを逆としてやれば良い。
【0062】
また、最近のデジタルカメラは一般的に電源スイッチ操作後、撮影できるまでの時間を高速にするため、電源スイッチでオフしても実際にはIDLEモード(CPU11のシステムクロックを維持または低速にして動作させたまま、それ以外のシステム全体を停止し、電源オン割り込みですぐにシステム全体を復帰させる、高速復帰可能かつ超低消費電力の待機状態)に移行する構成のものがある。本実施形態4では、このようなシステムを想定して、割り込み入力に筐体解体検知スイッチ31を接続しているが、完全に装置の電源をオフしてしまう構成の場合は、本筐体解体検知スイッチ31または電源スイッチでシステム電源をオンする構成とし、本筐体解体検知スイッチ31が押された場合は、図12に示す割り込み処理の内容を実施してやれば良い。また、本実施形態4では筐体解体検知スイッチ31により解体を検出しているが、受光素子を筐体内部に配置し、光を検知した場合に割り込み処理を実行する構成としても良い。
【0063】
次に、図12に示す筐体解体検知割り込み処理について説明する。まず、IDLEモードか否かの判断を実施し(S46)、IDLEモードの場合(処理S46のYes)、通常モード(システムクロックを通常速度に復帰し、かつ停止させていたシステム全体を復帰)に復帰させる(S47)。ここで前述したIDLEモードを使用した装置を例として示しているが、前述したように筐体解体検知スイッチ31によりシステム電源をオンする構成の場合は、本フローチャートの処理S46,処理S47は必要ない。
【0064】
次に、図1に示す第1メモリ12のプログラム領域の第1メモリ消去プログラム部分をRAM13に展開し(S48)、ベクタアドレスをRAM13上に展開したアドレスとし、第1メモリ12の消去を実行し(S49)、終了する。
【0065】
なお、工場での生産時に筐体開放状態において電源を投入する場合は、最初に第1メモリ12の消去プログラムが実行されないように、出荷時まで本割り込みが機能しないように、最初に裏蓋が閉じられた時に、筐体を閉じたことを示す初期フラグを不揮発性メモリに書き込み、本初期フラグが立てられている時のみ、第1メモリ12の消去が行われるように、第1メモリ12の消去処理前に初期フラグの検出を実施し、初期フラグが検出されない場合は割り込み処理を実施しない処理を追加しても良い。
【0066】
以上の構成により、筐体が開かれた場合、本体プログラムを消去して、海賊業者による、不揮発性メモリの取り外しによる本体プログラムの複製、および本体プログラムを消去したデジタルカメラへの複製プログラムの書き込み等による、違法な再利用を回避して、リサイクル効率を上げることができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明に係るデジタルカメラは、外部機器への画像送出後に本体プログラムを消去してデジタルカメラの機能を停止し、これによりデジタルカメラの不正使用を回避し、かつリサイクル効率を高めることができ、リサイクル率の高い使い捨てデジタルカメラとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態におけるデジタルカメラの概略構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施形態1におけるデジタルカメラの動作を示すフローチャート
【図3】本実施形態1の図2に示す撮像処理(S10)のフローチャート
【図4】本実施形態1の図2に示す画像送出と第1メモリの消去処理(S20)のフローチャート
【図5】本実施形態1の図4に示す画像枚数の確認後の画像送出フラグを立てる処理S27を追加したフローチャート
【図6】本発明の実施形態2におけるデジタルカメラの動作を示すフローチャート
【図7】本実施形態2の図6に示す動作に残画像の有無を確認する処理を追加したフローチャート
【図8】本発明の実施形態3におけるデジタルカメラの一部分の概略構成を示すブロック図
【図9】本実施形態3における消去したメモリ書き込み用プログラムの再書き込み処理を示すフローチャート
【図10】本発明の実施形態4におけるデジタルカメラの解体を検知する構成の概略を示す模式図
【図11】本実施形態4におけるデジタルカメラの解体を検知する回路例を示す図
【図12】本実施形態4におけるデジタルカメラの筐体解体検知割り込み処理を示すフローチャート
【符号の説明】
【0069】
1 光学系
2 撮像素子
3 メカ系駆動回路
4 タイミング信号発生回路
5 撮像素子駆動回路
6 前置処理回路
7 A/D変換器
8 撮像信号処理回路
9 媒体I/F
10 第2メモリ
11 CPU
12 第1メモリ
13 RAM
14 表示部
15 レリーズスイッチ
16 電源ブロック
17 測距センサ
18 測光センサ
19 外部I/F
20 外部装置
21 オンボード書き込みI/F
22 オンボードFROM書き込み装置
23 タイミング発生装置
24 リセットIC
25 マスターROM
29 裏蓋
30 回路基板
31 筐体解体検知スイッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラに関し、特に、リサイクル率の高い使い捨てデジタルカメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のデジタルカメラにおいては、例えば特許文献1に記載されるように、筐体が分解されたことを検知するフォトセンサを内部に持ち、内部画像データを画像データベースに転送時に分解されたことを通知し、画像閲覧時に警告通知を行うようにして、リサイクル率を上げる提案がされている。また、その実施例にはデジタルカメラの画像を画像データベースに転送し、インターネットを介して画像を見られるビジネスモデルが提案されている。しかしながら、分解されたデジタルカメラ画像を何の支障もなく閲覧可能なサービスを提供する海賊業者が現れた場合、十分なリサイクル率が得られない可能性がある。
【0003】
また、特許文献2ではデジタルカメラ内で暗号化した画像データを保持し、暗号化データの復調機能は店舗のデータ復調機のみとしてリサイクルを図るものが提案されている。しかしながら、暗号化データを保持するため、通常の画像データよりもデータ量が多いため、高価なメモリの容量を増やすかあるいは撮影枚数を減らすなどの処置が必要となる。また枚数が多い場合に、データ転送に時間を要するため、撮影枚数が多い場合には使用者にストレスを感じさせることになってしまう。また、不正使用を目的として違法に使用される可能性がある。
【0004】
また、特許文献3では、デジタルカメラが接続される装置からの暗号入力が適正であれば画像データを消去して、リサイクル効率を上げる提案がされている。しかしながら、暗号データの漏えいや違法解析等により十分なリサイクル率が得られない可能性がある。また、工場等で暗号入力を行わない限り、画像が消去できないため、失敗した撮影画像を使用者が消去できず、デジタルカメラの利点である、その場で確認し、駄目な写真を消すという恩恵を受けることができない。
【特許文献1】特許第3605008号公報
【特許文献2】特開2000−196931号公報
【特許文献3】特開2003−319318号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、いわゆる使い捨てカメラと呼ばれるリサイクルデジタルカメラに関するものであり、前記技術の不具合を解決しながらリサイクル効率の高いデジタルカメラを提供することを目的とする。すなわち、従来例のごとく画像データの容量を増やすことなく、また店舗側の装置に特殊な機能を持たせずに、海賊業者によるリサイクル率の低下を防ぎ、かつ使用者が画像削除することを阻害せずにリサイクル率を上げるデジタルカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載したデジタルカメラは、レンズを含む光学系により集光された被写体像からの反射光を電気信号に変換する固体撮像素子と、固体撮像素子からの信号をデジタル化および画像処理する画像処理部と、各デバイスの動作を制御するCPUと、CPUのプログラムを保持する第1メモリと、画像処理された画像データを保持する第2メモリと、第2メモリに保持された画像データを外部インターフェースを介して送出する送出手段と、画像データを送出後に第1メモリもしくは第1メモリと第2メモリの両方の内容を消去する消去手段とを備えた構成によって、画像送出後は店舗を介して返却することになり、また不正使用を目的として他への流出を防ぐことができる。
【0007】
また、請求項2〜4に記載したデジタルカメラは、請求項1のデジタルカメラにおいて、送出手段の画像データの送出時に、第1メモリもしくは第2メモリの一部に画像送出フラグを書き込むこと、さらに、画像送出フラグにより画像送出の実行を検知した場合に、第1メモリもしくは第1メモリと第2メモリの両方を消去すること、さらに、画像フラグにより画像送出の実行を検知し、かつ第2メモリに画像が残っている場合に、画像送出の実行のみ可能とした構成によって、画像送出後の第1メモリの消去が実施される前に、デジタルカメラのシステムを停止されたとしても、その後の動作で本体プログラムが消去されて機能しないため、不正使用を目的として他への流出を防ぐことができる。
【0008】
また、請求項5,6に記載したデジタルカメラは、請求項1〜4のデジタルカメラにおいて、第1メモリに対して直接書き込みを行う書込手段を備えたこと、また、筐体が開かれたことを検知する検知手段を備え、検知手段が筐体が開かれたことを検知すると、第1メモリに保持するプログラムを消去する構成によって、プログラムを消去した第1メモリに、新しくメモリを交換することなく本体プログラムを書き込みができ、交換によるコストおよび不良発生を防ぎ、また筐体が開かれた場合、本体プログラムを消去して本体プログラムの複製等を含み違法な再利用を回避でき、リサイクル効率を上げることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、外部機器への画像送出後に本体プログラムを消去することでデジタルカメラの機能を停止し、これによりデジタルカメラの不正使用を回避し、かつリサイクル効率を高めることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の実施の形態におけるデジタルカメラの概略構成を示すブロック図である。なお、図1に示すブロック図は一般的なデジタルカメラと同様な構成であり、本発明に特有の構成ではない。
【0012】
以下に、図1のブロック図を参照しながらデジタルカメラの構成について説明する。被写体からの光は光学系1を介して撮像素子2に入射される。なお、光学系は一般的に焦点距離や画角を調整可能するための撮像レンズ1a、絞り機能とシャッター機能を兼ねる絞り兼用シャッター1b、赤外光等を除去する光学フィルタ1cで構成される。撮像レンズ1aや絞り兼用シャッター1bはメカ系駆動回路3によって駆動される。被写体からの反射光は光学系1を介して撮像素子2によって電気信号に変換される。
【0013】
タイミング信号発生回路4(TG)は撮像素子2を動作させるために必要なタイミング信号を発生し、撮像素子2を駆動可能なレベルまで撮像素子駆動回路5で増幅され撮像素子2に供給される。撮像素子2の出力は前置処理回路6に入力され、撮像素子2の出力ノイズ除去のためのCDS(相関二重サンプリング)回路や信号増幅のためのAGC回路によりアナログ処理され、A/D変換器7に入力される。A/D変換によりデジタル化された信号はいったん記憶するためのメモリとその信号を処理する撮像信号処理する回路を有する撮像信号処理回路8に入力される。
【0014】
信号処理されたデータは媒体I/F9を通して、不揮発性メモリである第2メモリ10に保存される。一般的には第2メモリ10としてはSDメモリカード(登録商標)等に広く採用されているNAND型FlashROMが使われる。
【0015】
これらのブロックはシステム制御を行うCPU11によって制御される。CPU11は第1メモリ12に記録された動作プログラムによって動作し、演算処理等はバス上に接続されたRAM13をワーク領域として使用する。また、使用者の操作補助のための表示やデジタルカメラの状態を表す表示部14への書き込みや、デジタルカメラの撮影開始を撮影者が制御するための撮影ボタンであるレリーズスイッチ15を監視する。
【0016】
なおレリーズスイッチ15は、一般的に被写体に焦点を合わせるAF(Auto-Focus)動作を実行させる第1ストロークSW1と本撮影を行う第2ストロークSW2の2段階操作が可能である。第1ストロークSW1が押されるところまでレリーズスイッチ15を押した状態を半押し、第2ストロークSW2が押されるところまでレリーズスイッチ15を押し切った状態を全押しと言ったりする。
【0017】
電源ブロック16はすべてのブロックに電源を供給するブロックで、電源スイッチ(図示せず)のオンにより各ブロックに電源を供給し、電源スイッチのオフまたは非使用状態が続くとCPU11によってオフされたりする。また、測距センサ17は光学系1の焦点調整のために撮像素子2と被写体の明るさを測定する測距のセンサおよび回路で構成される。また、測光センサ18は被写体の明るさを測定するための測光のセンサおよび回路で構成される。
【0018】
第2メモリ10に蓄えられた画像データは、外部I/F19を介して送出手段により外部装置20に送信される。外部I/F19は汎用のインターフェース、例えばUSBインターフェースやシリアルATAインターフェースやRS232Cインターフェースや無線のBlueTooth(登録商標)等の公知のインターフェースで良い。もちろん、各社オリジナルの特殊インターフェースであっても良い。
【0019】
なお、図1では第1メモリ12と第2メモリ10を別個に記載しているが、1つのメモリデバイスのメモリ空間を分割して、第1メモリ12の領域と第2メモリ10の領域を割り当てても良い。
【0020】
また、図2は本発明の実施形態1におけるデジタルカメラの動作を示すフローチャートであり、図1を参照しながら説明する。
【0021】
まず、電源投入時に、CPU11内部のタイマーが初期化される(S1)。このタイマーは非使用状態になった際に電源オフするためのタイマーである。次に、レリーズスイッチ15が押されているかどうかの判定を行う(S2)。押されている場合(処理S2のYes)、後述する撮像処理(S10)を実行する。
【0022】
レリーズスイッチ15が押されていない場合(処理S2のNo)、外部I/F19を介して画像の送出要求があるか否か確認する(S3)。一般的にはPC等の外部装置20からデジタルカメラの外部I/F19に対して、ステータス要求等が送られ、デジタルカメラ側がレディステータス等を外部装置20に返答した場合に、画像要求コマンド等を受け取るが、ここではこの一連動作を画像送出要求という。
【0023】
送出要求がある場合(処理S3のYes)、後述する画像送出と第1メモリ12の消去処理(S20)を実行する。また、送出要求がない場合(処理S3のNo)、最初に初期化したタイマーがタイムアウトになっているか否かを判定する(S4)。タイムアウトになっていない場合(処理S4のNo)、再度レリーズスイッチ15の確認を行う処理S2から実行し、タイムアウトの場合(処理S4のYes)は処理を終了する。なお、この処理の終了直前に電源ブロック16を制御し、電源オフ、あるいは各素子をスタンバイ状態にするスタンバイモードに移行するのが一般的である。
【0024】
また、撮像処理(S10)や画像送出と第1メモリ12の消去処理(S20)への移行は割り込みによって実施しても良い。
【0025】
図3は本実施形態1の図2に示す撮像処理(S10)のフローチャートであり、その動作について図1を参照しながら以下に説明する。なお、図3に示す動作は一般的な処理方法であり本発明に特有の方法ではない。
【0026】
操作者が操作部の撮影開始としてレリーズスイッチ15の第1ストロークSW1を操作することにより本処理が開始される(S11)。まず、測距センサ17が動作を開始し、その出力がシステム制御を行うCPU11に入力される(S12)。CPU11は測距センサ17の出力により焦点レンズの移動量を導出し、メカ系駆動回路3を介して撮像レンズ1aの焦点調整用レンズを移動し合焦状態とする(S13)。レンズの移動が完了したらAFLock状態とし、以降焦点調整レンズは移動しない。
【0027】
その後、第2ストロークSW2が押されたことを検出するまでの間は測光センサ18の出力を、システム制御を行うCPU11に入力する(S14)。第2ストロークSW2が押されたことを検出したら(S15)測光センサ18の出力より被写体の明るさを検出し、その検出値に対する絞り値とシャッタースピードを導出する(S16)。導出された露出条件により絞りとタイミング信号発生回路4の電子シャッタータイミングを設定して(S17)撮像素子2の本露出撮像を行い(S18)、撮像素子2の出力を読み出す(S19)。
【0028】
この読み出した撮像出力に対して前置処理回路6でCDS(相関二重サンプリング)処理やゲインコントロール等の信号処理を行い、A/D変換器7によりデジタル信号に変換されて、撮像信号処理回路8に入力され、撮像信号処理回路8およびシステム制御を行うCPU11により撮像出力から露出条件が再確認され、適正露出との誤差分を検出してシャッタースピードの設定を変更する。そして、変更後の露出条件により再度撮像素子2を露出し出力を読み出す。撮像素子2の出力はデジタル信号に変換され、撮像信号処理回路8によって特定フォーマットへの変換処理がされた後、媒体I/F9を介して第2メモリ10に撮像画像信号が記録される。
【0029】
また、図4は本実施形態1の図2に示す画像送出と第1メモリの消去処理(S20)のフローチャートであり、その動作について図1を参照しながら以下に説明する。本処理では従来の画像送出の実行以外に本発明の特徴である画像転送後に第1メモリ12の消去手段による消去処理が追加されている。
【0030】
図4に示すフローチャートでは、まず画像枚数の確認を実施している(S21)。これは図1の媒体I/F9を介して第2メモリ10のファイル数を確認し、バスを介してシステム制御のCPU11にファイル数を送出することにより行う。
【0031】
次に、画像ファイルを1つずつ転送し(S22)、転送が終わるまで前述の確認したファイル数の回数、画像転送を繰り返す(S23)。これは媒体I/F9からいったんバス上のRAM13に転送し、外部I/F19を介して外部装置20に転送しても良いし、CPU11からの命令により媒体I/F9と外部I/F19をダイレクトにDMA転送により画像を送出させても良い。
【0032】
なお、本実施形態1では最初に画像数を確認し、画像数が完了するまで画像転送を繰り返す構成としたが、一画像送出ごとに残画像確認を実施し、残画像があれば送出を実行し、残画像がなくなった場合に処理を終了するようにしても良い。
【0033】
画像送出が完了し(処理S23のYes)、外部装置20側から画像正常受領確認を外部I/F19を介して通知されると、CPU11の命令により媒体I/F9を介して、画像データの蓄積されていた第2メモリ10の内容を消去する(S24)。
【0034】
なお、本実施形態1では、全ての画像送出後、一括して第2メモリ10を消去する構成としたが、一画像送出毎に送出した画像ファイルの消去を実施しても良い。また、ここでは画像データを送出後に消去するフローチャートとしたが、工場に返却後に画像を消去しても良い。
【0035】
第2メモリ10の消去後、さらに第1メモリ12を消去するために、第1メモリ12の消去を行うプログラム部分をRAM13にコピーし展開させている(S25)。CPU11は一般にベクタアドレスに書かれたアドレスの命令を順次実行していくが、メモリに展開後、ベクタアドレスをRAM13のアドレスにしてやればCPU11はRAM13上に展開されたプログラムを実行していく。RAM13上には第1メモリ12を消去するプログラムが展開されているため、CPU11は第1メモリ12の消去コマンドを実行し、第1メモリ12を消去する(S26)。
【0036】
なお、これを実現するために第1メモリ12はFlashROM等の電気的に消去,書き込みが可能な半導体素子とする。また、第1メモリ12の消去後本処理を終了としているが、電池のリサイクルという観点では終了前に電源をオフまたは各デバイスをスタンバイモードにしても良い。
【0037】
本処理をすることにより画像転送後、実行プログラムが消去されるため、デジタルカメラとして機能しなくなり海賊業者に流出することなく、デジタルカメラはユーザーから店舗を介して工場へと返却される確率が高くなる。
【0038】
また、図5に示すフローチャートは、前述した図4のフローチャートに対して画像枚数の確認後、画像送出フラグを立てる処理S27が追加されている。具体的には図1に示すCPU11が第1メモリ12のフラグ書き込み領域、または第2メモリ10のフラグ書き込み領域にデータ書き込みを行う。最も単純な方法としては出荷時にフラグ書き込み領域を「0」にしておき、フラグ書き込み時は、これを「1」に書き換える。
【0039】
なお、ビット不良等がある場合もあるので1ビットでなく、数ビットを割り当てても良い。なお、第1メモリ12もしくは第2メモリ10にフラグ書き込み領域を設けたが、例えばデジタルカメラの調整データを蓄えておく、EEPROM等の不揮発性メモリを第1,第2メモリ12,10とは別に持っている場合は、その不揮発性メモリにフラグを書き込んでも良い。
【0040】
以上のように、画像送出フラグを不揮発性メモリに保持することにより、不正使用を目的としたユーザーによって第1メモリ12の消去前に電源を切断されても、次回起動時に画像送出が実行されたか否かが判別可能となり、第1メモリ12の消去処理が開始可能となる。
【0041】
図6は本発明の実施形態2におけるデジタルカメラの動作を示すフローチャートであり、図1を参照しながら説明する。また、本実施形態2においては、図6に示すように、前述の図2に示すフローチャートにおいて最初にCPU11は画像フラグ領域から画像フラグの読み込みを実施し(S31)、読み込んだ画像送出フラグから画像送出が実行されたか否かを判定する(S32)。本判定により画像送出が実行されていた場合(処理S32Yes)、直ちに第1メモリ12の消去用のプログラムをRAM13に展開し(S35)、前述と同様にRAM13上に展開したプログラムを実行し、第1メモリ12の消去処理を実施する(S36)。
【0042】
画像送出フラグが立っていない場合(処理S32のNo)、図2に示すフローチャートと同様に通常のレリーズスイッチ15の操作、あるいは画像送出要求の指示をタイムアウトが発生するまで待ちつづけ(処理S1〜処理S4)、レリーズスイッチ15の操作が行われた場合(処理S2のYes)、図3に示す撮像処理を、画像送出要求を受けた場合(処理S3のYes)、図4に示す画像送出と第1メモリ12の消去処理を実行する。
【0043】
このように画像送出後は、不正使用を目的とした操作あるいは異常な動作により第1メモリ12が正常に消去されなかった場合でもシステム制御を行う本体プログラムを消去可能なので、デジタルカメラが工場に返却される確率をより高くすることができる。
【0044】
また、図7に示すフローチャートは、前述した図6のフローチャートにおいて画像送出フラグが立っていた場合(S32のYes)、第1メモリ12の消去処理(S35)を行う前に、以下の処理を追加したものである。すなわち、媒体I/F9を介して第2メモリ10の画像ファイルの有無確認を実施し(S33)、残画像があるか否かを確認し(S34)、残画像がない場合(処理S34のNo)は、第1メモリ12の消去処理を実施する。
【0045】
しかし、残画像がある場合(処理S34のYes)は、画像送出要求の有無を確認する処理を実行する(S37)。画像送出の有無の確認により画像送出要求がある場合(処理S37のYes)、画像送出と第2メモリ10の消去処理を実行して終了すると、第1メモリ12の消去処理を行う(S20)。また、画像送出の要求がない場合(処理S37のNo)、そのまま処理を終了する。したがって、最初の画像送出フラグの判定により画像送出が実施された場合は、撮像処理は実施されない。
【0046】
以上のように、停電や故障等のトラブルで外部装置20への画像送出が途中で終了してしまった場合でも、残画像を送出可能となるので、正規な使用者への被害を防ぐことができる。
【0047】
なお、本実施形態2は、第1メモリ12に保持された、画像送出以外の本体プログラム部分を消去する構成として、海賊業者からの不正な不揮発性メモリの内容読み出しを防ぐ構成としても良い。すなわち、残画像ありと判断された後で画像送出要求の有無判別前に、画像送出以外の本体プログラム部分を消去実行するプログラムをRAM13に展開し、画像送出以外の本体プログラム部分を消去する構成としても良い。
【0048】
図8は本発明の実施形態3におけるデジタルカメラの一部分の概略構成を示すブロック図であり、図8では図1に示したブロック図の撮像関連の構成は省略し、第1メモリ12に直接書き込みを行う書込手段のオンボード書き込みI/F21に関連する部分のみの記述している。
【0049】
図8において、オンボード書き込みI/F21はCPU11や第1メモリ12やRAM13の持つ、アドレスバス幅およびデータバス幅で決定する本数のバス信号ラインとチップセレクト信号,ライト信号,リード信号等の制御信号をオンボードFROM書き込み装置22と接続するためのコネクタまたは端子と、タイミング発生装置23から送出される第1メモリKILL信号と接続するためのコネクタまたは端子と、デジタルカメラの電源投入時システムをリセットするためのリセットIC24から出力されるリセット信号をオンボードFROM書き込み装置22に供給するコネクタまたは端子と、CPU11のポートから出力されるROMセレクト信号をオンボードFROM書き込み装置22に供給するコネクタまたは端子から構成される。
【0050】
以下の説明では第1メモリ12およびオンボードFROM書き込み装置22のマスターROM25はリセット状態でバスラインおよび制御信号がハイインピーダンス(以下、Hi−Zという)状態になるデバイスとする。
【0051】
なお、前述した以外の不揮発性メモリを使用する場合には、不揮発性メモリをバスからHi−Z状態で切り離せるように不揮発性メモリとバスの間に3ステートのバッファを設けて実現しても良い。
【0052】
まず、デジタルカメラの電源投入時、デジタルカメラのリセットIC24から一定期間リセット信号が出力され、全ての図8に示すデバイスはリセット状態となる。電源投入後、数ミリ〜数10ミリ秒経過後にリセット出力は解除される。なお、第1メモリ12およびマスターROM25にはORゲートを介してリセット信号が供給され、リセットIC24のリセット信号またはタイミング発生装置23のROMKILL信号(マスターKILL信号、第1メモリKILL信号)の一方が出力された場合にリセット状態つまりバスラインおよび制御信号はHi−Z状態となり、信号的に接続されていない状態となる。
【0053】
リセットIC24の出力が解除されると、まずタイミング発生装置23は第1メモリKILL信号を出力し第1メモリ12を接続していない状態にする。これによりCPU11はアドレスバス,データバスからHi−Z状態により切り離された第1メモリ12ではなくマスターROM25のプログラムを実行する。
【0054】
マスターROM25には図9に示すフローチャートを実行するプログラムが書かれており、マスターROM25内に保持されている「第1メモリ書き込み用プログラム」が第1メモリ12に書き込まれる。
【0055】
以下に、図9に示すフローチャートについて、図8を参照しながら説明する。マスターROM25内の「第1メモリ書き込み用プログラム」保持領域のプログラムをデジタルカメラ内のRAM13に展開する(S41)。次に、マスターROM25内の「RAM→第1メモリ転送プログラム」保持領域のプログラムをデジタルカメラ内のRAM13に展開する(S42)。この時点で2つのプログラムがRAM13内に展開されている。
【0056】
次に、CPU11が実行するベクタアドレスをRAM13に展開した「RAM→第1メモリ転送プログラム」の開始アドレスに設定し、以降RAM13上に展開されたプログラムが実行される(S43)。次に、ROMセレクト信号をオンにする(S44)。ここまでタイミング発生装置23からは第1メモリKILL信号が出力されているが、ROMセレクト信号をオンにすることでマスターKILL信号が出力され、第1メモリ12はHi−Z状態からバス接続状態へ、またマスターROM25はバス接続状態からHi−Z状態となる。これによりCPU11は第1メモリ12の書き込みが実行できる状態になる。そして、CPU11はRAM13に展開されている「第1メモリ書き込み用のプログラム」を第1メモリ12に書き込み(S45)、この書き込みの完了により処理を終了する。
【0057】
以上のことにより、使用者によって画像が送出され、第1メモリ12の内容が消去されたデジタルカメラが店舗を介して工場へ送付された際、デジタルカメラ内の基板に実装された第1メモリ12を取り外し、プログラム書き込み済みの別の第1メモリ12を再度取り付けることなく、第1メモリ12にプログラムの再書き込みを行って、出荷できるので、リサイクルの経費を少なくし、また取り外し取り付け工程による不良の発生を抑えることができる。
【0058】
図10は本発明の実施形態4におけるデジタルカメラの解体を検知する構成の概略を示す模式図であり、図11は解体を検知する回路例を示す図である。
図10,図11を参照しながら本実施形態4を説明する。
【0059】
図10に示すように、筐体解体検知スイッチ31はデジタルカメラの裏蓋29を閉じると押され、裏蓋29を開くと開放されるように、デジタルカメラ内部に配置されている。本実施形態4では回路基板30上に位置し、かつ裏蓋29で押される位置に配置しているが、筐体が開かれたことが検知できればどこに配置しても良い。
【0060】
また、図11に示す回路例のように、筐体解体検知スイッチ31は抵抗によりプルアップされており、筐体が閉じられ筐体解体検知スイッチ31が押された状態では「Low」レベルがCPU11に入力されている。いったん筐体が開かれるとCPU11の入力はGNDからの接続が切り離されるため、抵抗を介して電源電圧まで引っ張られ、「High」レベルがCPU11に入力される。CPU11の割り込み入力は一般に入力信号のエッジを検出するため、「High」に切り替わると同時に図12に示す筐体解体検知割り込み処理が開始される。
【0061】
なお、本実施形態4では「High」に切り変わる瞬間としたが、「Low」に切り替わる瞬間に動作するCPU11を使用する場合には筐体解体検知スイッチ31の接続された電源とGNDを逆としてやれば良い。
【0062】
また、最近のデジタルカメラは一般的に電源スイッチ操作後、撮影できるまでの時間を高速にするため、電源スイッチでオフしても実際にはIDLEモード(CPU11のシステムクロックを維持または低速にして動作させたまま、それ以外のシステム全体を停止し、電源オン割り込みですぐにシステム全体を復帰させる、高速復帰可能かつ超低消費電力の待機状態)に移行する構成のものがある。本実施形態4では、このようなシステムを想定して、割り込み入力に筐体解体検知スイッチ31を接続しているが、完全に装置の電源をオフしてしまう構成の場合は、本筐体解体検知スイッチ31または電源スイッチでシステム電源をオンする構成とし、本筐体解体検知スイッチ31が押された場合は、図12に示す割り込み処理の内容を実施してやれば良い。また、本実施形態4では筐体解体検知スイッチ31により解体を検出しているが、受光素子を筐体内部に配置し、光を検知した場合に割り込み処理を実行する構成としても良い。
【0063】
次に、図12に示す筐体解体検知割り込み処理について説明する。まず、IDLEモードか否かの判断を実施し(S46)、IDLEモードの場合(処理S46のYes)、通常モード(システムクロックを通常速度に復帰し、かつ停止させていたシステム全体を復帰)に復帰させる(S47)。ここで前述したIDLEモードを使用した装置を例として示しているが、前述したように筐体解体検知スイッチ31によりシステム電源をオンする構成の場合は、本フローチャートの処理S46,処理S47は必要ない。
【0064】
次に、図1に示す第1メモリ12のプログラム領域の第1メモリ消去プログラム部分をRAM13に展開し(S48)、ベクタアドレスをRAM13上に展開したアドレスとし、第1メモリ12の消去を実行し(S49)、終了する。
【0065】
なお、工場での生産時に筐体開放状態において電源を投入する場合は、最初に第1メモリ12の消去プログラムが実行されないように、出荷時まで本割り込みが機能しないように、最初に裏蓋が閉じられた時に、筐体を閉じたことを示す初期フラグを不揮発性メモリに書き込み、本初期フラグが立てられている時のみ、第1メモリ12の消去が行われるように、第1メモリ12の消去処理前に初期フラグの検出を実施し、初期フラグが検出されない場合は割り込み処理を実施しない処理を追加しても良い。
【0066】
以上の構成により、筐体が開かれた場合、本体プログラムを消去して、海賊業者による、不揮発性メモリの取り外しによる本体プログラムの複製、および本体プログラムを消去したデジタルカメラへの複製プログラムの書き込み等による、違法な再利用を回避して、リサイクル効率を上げることができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明に係るデジタルカメラは、外部機器への画像送出後に本体プログラムを消去してデジタルカメラの機能を停止し、これによりデジタルカメラの不正使用を回避し、かつリサイクル効率を高めることができ、リサイクル率の高い使い捨てデジタルカメラとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態におけるデジタルカメラの概略構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施形態1におけるデジタルカメラの動作を示すフローチャート
【図3】本実施形態1の図2に示す撮像処理(S10)のフローチャート
【図4】本実施形態1の図2に示す画像送出と第1メモリの消去処理(S20)のフローチャート
【図5】本実施形態1の図4に示す画像枚数の確認後の画像送出フラグを立てる処理S27を追加したフローチャート
【図6】本発明の実施形態2におけるデジタルカメラの動作を示すフローチャート
【図7】本実施形態2の図6に示す動作に残画像の有無を確認する処理を追加したフローチャート
【図8】本発明の実施形態3におけるデジタルカメラの一部分の概略構成を示すブロック図
【図9】本実施形態3における消去したメモリ書き込み用プログラムの再書き込み処理を示すフローチャート
【図10】本発明の実施形態4におけるデジタルカメラの解体を検知する構成の概略を示す模式図
【図11】本実施形態4におけるデジタルカメラの解体を検知する回路例を示す図
【図12】本実施形態4におけるデジタルカメラの筐体解体検知割り込み処理を示すフローチャート
【符号の説明】
【0069】
1 光学系
2 撮像素子
3 メカ系駆動回路
4 タイミング信号発生回路
5 撮像素子駆動回路
6 前置処理回路
7 A/D変換器
8 撮像信号処理回路
9 媒体I/F
10 第2メモリ
11 CPU
12 第1メモリ
13 RAM
14 表示部
15 レリーズスイッチ
16 電源ブロック
17 測距センサ
18 測光センサ
19 外部I/F
20 外部装置
21 オンボード書き込みI/F
22 オンボードFROM書き込み装置
23 タイミング発生装置
24 リセットIC
25 マスターROM
29 裏蓋
30 回路基板
31 筐体解体検知スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズを含む光学系により集光された被写体像からの反射光を電気信号に変換する固体撮像素子と、前記固体撮像素子からの信号をデジタル化および画像処理する画像処理部と、各デバイスの動作を制御するCPUと、前記CPUのプログラムを保持する第1メモリと、前記画像処理された画像データを保持する第2メモリと、前記第2メモリに保持された画像データを外部インターフェースを介して送出する送出手段と、前記画像データを送出後に前記第1メモリもしくは前記第1メモリと前記第2メモリの両方の内容を消去する消去手段とを備えたことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
前記送出手段の画像データの送出時に、第1メモリもしくは第2メモリの一部に画像送出フラグを書き込むことを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
前記画像送出フラグにより画像送出の実行を検知した場合に、第1メモリもしくは前記第1メモリと第2メモリの両方を消去することを特徴とする請求項2記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記画像送出フラグにより画像送出の実行を検知し、かつ第2メモリに画像が残っている場合に、前記画像送出の実行のみ可能としたことを特徴とする請求項2記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
前記第1メモリに対して直接書き込みを行う書込手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
筐体が開かれたことを検知する検知手段を備え、前記検知手段が筐体が開かれたことを検知すると、前記第1メモリに保持するプログラムを消去することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のデジタルカメラ。
【請求項1】
レンズを含む光学系により集光された被写体像からの反射光を電気信号に変換する固体撮像素子と、前記固体撮像素子からの信号をデジタル化および画像処理する画像処理部と、各デバイスの動作を制御するCPUと、前記CPUのプログラムを保持する第1メモリと、前記画像処理された画像データを保持する第2メモリと、前記第2メモリに保持された画像データを外部インターフェースを介して送出する送出手段と、前記画像データを送出後に前記第1メモリもしくは前記第1メモリと前記第2メモリの両方の内容を消去する消去手段とを備えたことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
前記送出手段の画像データの送出時に、第1メモリもしくは第2メモリの一部に画像送出フラグを書き込むことを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
前記画像送出フラグにより画像送出の実行を検知した場合に、第1メモリもしくは前記第1メモリと第2メモリの両方を消去することを特徴とする請求項2記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記画像送出フラグにより画像送出の実行を検知し、かつ第2メモリに画像が残っている場合に、前記画像送出の実行のみ可能としたことを特徴とする請求項2記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
前記第1メモリに対して直接書き込みを行う書込手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
筐体が開かれたことを検知する検知手段を備え、前記検知手段が筐体が開かれたことを検知すると、前記第1メモリに保持するプログラムを消去することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のデジタルカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−251316(P2007−251316A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−68725(P2006−68725)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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