説明

デジタルコンテンツを提示する方法

デジタルコンテンツを提示する方法は、一連のコンテンツアイテムを表すデジタルデータを取得するステップと、第1の提示モードで前記一連のコンテンツアイテムを提示するステップとを含む。前記第1の提示モード22において、コンテンツアイテムを表すデータの第1の選択を行うステップ24と、選択された前記データを、知覚可能な形式でデータをレンダリングするシステムに供給するステップ25とが、各コンテンツアイテムに対して連続して自動的に実行される。本方法は、前記レンダリングするシステムでのユーザによる動作を検出するステップと、前記動作の検出に応答して、前記レンダリングするシステムが、前記動作が検出されたときに提示される前記コンテンツアイテムを表すデータのみの、前記第1の選択とは異なる第2の選択をレンダリングするようにもたらされる、第2の提示モードへの遷移をもたらすステップとを更に含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一連のコンテンツアイテムを表すデジタルデータのストリームを取得するステップと、コンテンツアイテムを表すデータの第1の選択を行うステップ、及び、選択されたデータを、知覚可能な形式でデータをレンダリングするシステムに供給するステップが、各コンテンツアイテムに対して連続して自動的に実行される第1の提示モード中に、前記一連のコンテンツアイテムを提示するステップと、前記レンダリングするシステムでユーザによる動作を検出するステップとを含む、デジタルコンテンツを提示する方法に関する。
【0002】
また、本発明は、一連のコンテンツアイテムを表すデジタルデータのストリームを受信するための入力部をもつデータ処理装置と、知覚可能な形式でコンテンツデータをレンダリングするための少なくとも1つのデバイスを含むレンダリングシステムと、ユーザによる動作を検出する検出部とを含み、当該デジタルコンテンツを提示するシステムは、前記データ処理装置が、コンテンツアイテムを表すデータの第1の選択を行うステップ、及び、選択されたデータを前記レンダリングシステムに供給するステップを、各コンテンツアイテムに対して連続して自動的に実行する第1の提示モード中に動作するように構成される、デジタルコンテンツを提示するシステムに関する。
【0003】
また、本発明は、コンピュータプログラムにも関する。
【背景技術】
【0004】
米国特許公開第2002/0024538号明細書は、画像を表示するポータブルデジタルメディアメディアフレーム(DMF;portable digital media frame)を開示している。DMFアーキテクチャの一実施形態は、画像入力ブロック、画像処理ブロック及び画像表示ブロックを含む。画像処理ブロックは、アナログモジュール、デジタルモジュール、処理ブロック、ユーザ入力ユニット、DRAM、不揮発性メモリユニット、ROM及び内部バスを含む。処理ユニットは、コンピュータのような外部入力デバイスから、表示されるべき予め決められた一連の画像を受信可能である。更に、表示されるべき一連の画像は、ユーザ入力ユニットからの中断信号のような、ユーザからの制御信号により変えられ得る。
【0005】
既知のデバイスの問題は、一連の画像のそれぞれが、シーケンスが中断された時点での画像の詳細の要求レベルまで提示されることである。これは、シーケンス中の画像が完全に及び高解像度で表示されるので、シーケンスがゆっくりと表示されるか、又は、シーケンスが中断される時点での画像がかなり粗いかのいずれかであり、望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、一連の比較的詳細なコンテンツアイテムが、ユーザが比較的少ないインタラクションしか伴わない適切な手法でユーザがこれらのうちの一つに引き付けられてそれを体験することができるような手法で提示されることを可能にする、上述したタイプの方法、システム及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、動作の検出に応答して、第2の提示モードへの遷移をもたらし、前記第2の提示モードでは、前記レンダリングするシステムが、前記動作が検出されたときに提示されるコンテンツアイテムを表すデータのみの、前記第1の選択とは異なる第2の選択をレンダリングするようにもたらされる、本発明の方法により達成される。
【0008】
コンテンツアイテムを表すデータの第1の選択を行うステップ、及び、選択されたデータを、知覚可能な形式でデータをレンダリングするシステムに供給するステップが、第1の提示モード中に各コンテンツアイテムに対して連続して自動的に実行されるので、一のコンテンツアイテムから次のコンテンツアイテムへの遷移は、ユーザのインタラクションを必要としない。レンダリングシステムは、ユーザによる動作が検出されたときに提示されるコンテンツアイテムを提示するデータのみの選択をレンダリングするようにもたらされるので、一のコンテンツアイテムから次のコンテンツアイテムへの連続する自動進行は、ユーザ動作により中断される。同一の動作が、第1の提示モードとは異なるデータの選択がレンダリングされるようにもたらされる第2の提示モードへの遷移ももたらすので、各状態、即ち、選択を行うのに十分な範囲の複数のコンテンツアイテムを観察するだけの状態、及び、複数のコンテンツアイテムのうちの一つをより深く体験する状態に対して最も適切な手法でコンテンツアイテムをレンダリングするために、更なるユーザインタラクションは必要とされない。
【0009】
一実施形態において、コンテンツアイテムを表すデジタルデータは、それぞれが関連付けられた態様の知覚可能な形式でレンダリングされる少なくとも2つの異なるタイプのデータを含み、コンテンツアイテムを表すデータは、そのタイプに応じて第1及び第2の選択の少なくとも一方に含まれる。
【0010】
効果は、迅速な概観と掘り下げた体験とを提供するための適切な選択が行われることを可能にすることである。これは、データのタイプがどのように知覚可能な形式でレンダリングするかを決定するからであり、及び、どのようなデータが知覚可能な形式でレンダリングされるかが、どのように知覚されるかに概ね影響を及ぼすからである。
【0011】
一実施形態において、コンテンツアイテムを表すデータは、デジタル画像データ及び文字符号化データを含み、前記デジタル画像データ及び文字符号化データのうち一方は、第1及び第2の選択の一方のみに含まれ、表示デバイスによりスクリーンに表示されるようにもたらされる。
【0012】
この実行は、例えば、第1の提示モードにおいて省略されるような、知覚されそうにないか又は必要とされそうにないデータに対して可能である。これは、画像が詳述されるデジタル画像データ、又は、文字符号化データであり得る。後者は、画像に大量のテキスト又は符号化されたオーディオが添付される場合であろう。
【0013】
一実施形態において、第1及び第2の選択のデータの少なくとも部分は、スクリーンへの表示のための表示デバイスに供給され、表示デバイスは、第1の選択からのデータにより表わされるコンテンツを、第2の選択からのデータにより表わされるコンテンツとしてスクリーンの同一エリアに表示することをもたらす。
【0014】
それ故、この実施形態は、第1の提示モードにおいてユーザに迅速な印象を与え得る第1の選択を表示するために、利用可能なスクリーンエリアを効果的に使用する。より多くの時間が利用可能であるときにコンテンツアイテム内の関心のある情報が完全に知覚されることを可能にする選択が、第2の提示モードで行われ得る。
【0015】
一実施形態において、第2の選択は、第1の選択のデータと追加データとを含む。
【0016】
これは、重いデータ処理要求を伴うことなく、第1のモードにおいてコンテンツアイテムを表すデータを素早く連続してレンダリングすることを可能にする。第1の提示モードで知覚されそうにない詳細が、ユーザ体験を高めるために第2の提示モードに追加される。
【0017】
一実施形態において、第2の提示モードでは、第2の選択の表現は、知覚可能な形式でデータをレンダリングするためのシステムにより第1の選択の表現に取って代わる。
【0018】
この実施形態は、知覚可能な形式でレンダリングされるデータの不必要な冗長性を回避する。
【0019】
一実施形態において、コンテンツアイテムを表すデータは、混合されたコンテンツデジタルデータフィード、好ましくはRSSフォーマットのフィードとして受信される。
【0020】
それ故、第1の提示モードにおいて、一連のコンテンツアイテムの順序は、フィードを供給するサーバにコンテンツが供給される順序で決定される。一のコンテンツアイテムから次のコンテンツアイテムへの遷移の少なくとも相対的なタイミングも、新たなコンテンツが利用可能になる頻度により決定される。混合されたコンテンツは、幾つかの異なるタイプのデータへの予め決められた分割を提供し、異なる選択を比較的容易に行う。
【0021】
一実施形態は、第1の提示モードと第2の提示モードとの間の遷移の間、知覚可能な形式でデータをレンダリングするためのシステムに、アルゴリズムに従って第1の選択に含まれたデータと第2の選択に含まれたデータとの混合をレンダリングさせることを含む。
【0022】
それ故、コンテンツアイテムを連続して例示することと一のコンテンツアイテムだけを提示することとの間の遷移は、ユーザにとってより興味のあるものになる。コンテンツアイテムの一態様のレンダリング態様から、選択されたコンテンツアイテムの他のレンダリングへの間の突然の変化であるので、知覚可能な形式のデータをレンダリングするプロセスの突然の"フリーズ"が回避される。
【0023】
変化において、知覚可能な形式でデータをレンダリングするためのシステムは、遷移の期間中の時間間隔に渡ってデータの時変混合(time-varying blend)をレンダリングするようにもたらされる。
【0024】
この変化は、ユーザ体験を更に高める。
【0025】
本方法の一実施形態は、トリガを受信するステップと、トリガに応答して、第2の提示モードから第1の提示モードへの遷移をもたらすステップとを含む。
【0026】
それ故、特定のコンテンツアイテムが特定の時間間隔に渡って異なる手法で提示された後に、コンテンツアイテムが連続して提示されるモードに戻すことが可能となる。この復帰は、単一のトリガだけを必要とする。
【0027】
一実施形態において、トリガは、第1の提示モードから第2の提示モードへの遷移で開始されるタイミング装置、及び、レンダリングシステムでユーザによる動作を検出する検出器のうちの一方からの信号によりもたらされる。
【0028】
各オプションは、第1の提示モードへの復帰が比較的少ないユーザインタラクションでもたらされることを可能にする。本方法を実行するように構成されたシステムに対するインタフェースは、これにより簡素化される。
【0029】
一実施形態において、ユーザによる動作は、非接触式センサからの信号により検出される。
【0030】
この効果は、本方法が複雑なユーザ制御を伴うことなく装置内で実行され得ることである。ユーザとの直接的な物理的インタラクションが回避される。
【0031】
一実施形態において、知覚可能な形式でデータをレンダリングするためのシステムは、ポータブルデバイスを含み、ユーザによる動作は、ポータブルデバイスの移動を検出するためのセンサからの信号により検出される。
【0032】
この実施形態は、ユーザが一連のコンテンツアイテムの特定の一つへの関心及び/又は無関心を示す比較的簡素で直感的な手法を提示する。例えば、ポータブルデバイスを手に取る動作は、関心を示すのに十分であるのに対し、それを置く動作は、無関心を示すだろう。
【0033】
他の態様によれば、本発明によるデジタルコンテンツを提示するシステムは、検出器によりトリガされるときに第2の提示モードへの遷移を実行するように構成され、前記第2のモードにおいて、トリガの受信で提示されるコンテンツアイテムを表すデータだけの、第1の選択とは異なる第2の選択が、知覚可能な形式でレンダリングされる。
【0034】
本システムの一実施形態は、本発明による方法を実行するように構成される。
【0035】
本発明の他の態様によれば、マシン読み取り可能な媒体に組み込まれた場合に、情報処理能力をもつシステムが、知覚可能な形式でデジタルコンテンツを表すデータをレンダリングするためのシステムと通信して、本発明による方法を実行することが可能な一組の命令を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0036】
本発明は、添付の図面を参照して更に詳細に説明されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】デジタルピクチャフレームのブロック図である。
【図2A】デジタルピクチャフレームの概略的な正面図である。
【図2B】デジタルピクチャフレームの概略的な底面図である。
【図3A】フィードからのデータを提示する第1のモードにおける概略的な画面である。
【図3B】フィードからのデータを提示する第2のモードにおける概略的な画面である。
【図4】デジタルピクチャフレームの動作を示す状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
デジタルピクチャフレーム1が、デジタルコンテンツを提示するシステムを有する装置の一例としてここで用いられる。他の適切な例は、スクリーンセーバを有するパーソナルコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント及びタブレットパーソナルコンピュータを含む。デジタルピクチャフレーム1は、中央処理ユニット(CPU)2及びメインメモリ3を含む。デジタルピクチャフレーム1は、データを恒久的に格納する不揮発性メモリ4及びディスクドライブ5を更に含む。特に、不揮発性メモリ4及び内部ディスクドライブ5の一方又は双方は、CPU2がデジタルピクチャフレーム1での一連のコンテンツアイテムの提示を制御することを可能とするソフトウェアを格納するように構成される。
【0039】
デジタルピクチャフレーム1は、コンテンツアイテムを表すデジタルデータを、外部インタフェースを介して、及び、不揮発性メモリ4又は内部ディスクドライブ5内の格納部からこれらを読み取ることによって取得することができる。斯様な外部インタフェースの例は、ネットワークアダプタ6及び外部データポート7を含む。ネットワークアダプタ6は、例えばIEEE 802.11 standard又はIEEE 802.16に適合する有線又は無線のネットワークアダプタであり得る。これは、Bluetoothのようなパーソナルエリアネットワーク用のアダプタであってもよい。更に他の実施形態において、ネットワークアダプタ6は、モデム及び携帯電話機の送受信部として実装される。外部データポート7は、ポータブル固体メモリデバイス、例えば、USBメモリスティック又はフラッシュメモリカードとデータを交換するためのデータポートとして実装され得る。
【0040】
ここで用いられた例において、各コンテンツアイテムを表すデータは、デジタルピクチャフレーム1に含まれた表示デバイスのスクリーン8に可視的な形式でレンダリングされ得るデータを含む。表示デバイスは、表示コントローラ9及びビデオデータメモリ10を更に含む。本例において、コンテンツアイテムを表すデータは、デジタル画像データと文字符号化データとの双方を含む。各コンテンツアイテムは、少なくともデジタル画像を含み、少なくとも幾つかのコンテンツアイテムは、デジタル画像とともに表示されるべきテキストを追加的に含む。デジタル画像を表すデータがテキストを表すデータへのリンクを備えるようにデータが組織化され得ることが観察される。他の実施形態において、コンテンツアイテムを表すデータは、適切なオーディオデバイス(図示省略)に可聴形式でレンダリングされ得るデータも含み得るか又は代わりに含み得る。この目的を達成するために、コンテンツアイテムを表すデータは、オーディオデータを含み得るか、又は、音声合成ソフトウェアを用いて可聴形式でレンダリングされるテキストを含み得る。画像は文字として符号化されるのではなく、ビットマップ又はベクターグラフィックとして符号化されるので、画像データは、文字符号化データとは異なるタイプのものである。文字符号化データは、表示されるべきテキストと書式制御文字とを含む。
【0041】
ここで最も詳細に述べられた例において、コンテンツアイテムを表すデータは、ファイルに組み込まれた画像データをもつファイルに組織化される。適切なファイルフォーマットは、Hypertext Markup Language(HTML)又はeXtensible Markup Language(XML)である。述べられたように、異なるタイプのデータ、例えばテキスト又はオーディオデータを含むファイルへのリンクをもつ画像ファイルを供給することも可能である。
【0042】
示された実施形態において、デジタルピクチャフレーム1は、非接触式センサ12及び移動検出器13に対するインタフェース11を更に含む。非接触式センサ12及び移動検出器13のそれぞれは、デジタルピクチャフレーム1の周辺環境内のユーザによる動作を検出可能である。ユーザによる動作は、結局のところレンダリングシステムを有するポータブルデバイスであるデジタルピクチャフレーム全体1の操作をもたらす。動作は、デジタルピクチャフレーム1に近付くか又は離れる、ごく近傍における特定のジェスチャを行う、デジタルピクチャフレーム1の隣り合った特定のエリアの入る等のような、デジタルピクチャフレーム1のいずれかの部分の非直接操作をもたらすユーザによる動作も含み得る。非接触式センサ12又は移動検出器13のうちいずれかにより検出された全てのこれらの動作は、ソフトボタンを含む、キー、ボタン又は同種のもののようなデータ入力デバイスの操作以外の動作を有する。代替実施形態において、非接触式センサ12及び移動検出器13のうちの一方又は他方が省略されてもよい。
【0043】
非接触式センサ12は、人の動作及び/又は接近を検出可能であってもよい。示された例において、非接触式センサ12は、スクリーン8を囲む装飾フレーム15の前部に搭載された無線送受信部14(図2A)を有する。無線送受信部14は、例えば、赤外線トランシーバ又は超音波トランシーバであり得る。より詳細な実施形態において、非接触式センサ12は、CPU12で実行される画像認識ソフトウェアに信号を供給するように構成された画像取得デバイスを有し得る。
【0044】
示された移動検出器13は、圧力感知要素又はスイッチを有し、これは、使用中、デジタルピクチャフレーム1が配置される表面と接触するように設けられた支持体16の側部に搭載される。それ故、移動検出器13は、デジタルピクチャフレーム1を支持する表面への配置又は当該表面からの除去を検出可能である。同様の検出部は、デジタルピクチャフレーム1が壁に吊下げられる場合に、デジタルピクチャフレーム1の背後で有線又はフックに取り付けられ得る。移動検出器の代替タイプは、デジタルピクチャフレーム1の運動を検出するように設けられた慣性検出器であるだろう。他の代替案は、デジタルピクチャフレーム1の向きの変化を検出するための振り子又は類似のメカニズムをもたらす検出器であるだろう。
【0045】
一連のコンテンツアイテムをデジタルピクチャフレーム1のスクリーン8上に提示する方法の一実施形態が、図4とともに図3A及び図3Bを参照して説明されるだろう。この例に関し、フィードアグリゲータ(feed aggregator)が、デジタルピクチャフレーム1に導入される。フィードアグリゲータは、デジタルピクチャフレーム1が、混合されたコンテンツデジタルデータのフィードをネットワーク上の特定の位置から検索することを可能にする。例えば、ウェブサイトは、デジタルフォトが提示されて、その後、フィードとしてデジタルピクチャフレーム1に供給されることを可能にするように存在する。同様に、ウェブログ又はニュースのプロバイダは、フォトと添付のテキスト情報とを含む混合されたフィードを加入者端末に提供する。フィードは、例えば、RSS1.*、RSS2*又はアトム形式(Atom format)で供給され得る。フィードアグリゲータは、或る位置のフィードプロバイダが、最後に確認されてからダウンロードのために利用可能な新たなコンテンツからフィードを取得するように構成されたかどうかを定期的に確認する。もしそうであれば、コンテンツアイテムを表すデータは、ネットワークアダプタ6を介してダウンロードされる。
【0046】
ニュースフィードの例がここで用いられるだろう。新たなニュースアイテムは、プロバイダにより追加され、デジタルピクチャフィールド1により検索され、これらは、特定の順序で自動的に取得される。代替実施形態において、デジタルピクチャフレーム1は、特定のアルゴリズムに応じてニュースアイテムを順序付けるように構成されてもよい。
【0047】
各ニュースアイテムがデジタルフォト又は類似の画像と添付テキストとを有するが、全てのニュースアイテムがユーザにとって関心のあるわけではないことが考えられる。このため、デジタルピクチャフレーム1は、図3Aにおける第1のスクリーン画面17で示された提示モードと、図3Bにおける第2のスクリーン画面18で示された提示モードとの間を切り替え可能である。
【0048】
第1のスクリーン画面17は、各ニュースアイテムからの拡大画像19だけを連続して含む。第2のスクリーン画面18は、元のサイズの画像20と添付テキスト21とを含む。第2のスクリーン画面18は、現在のニュースアイテムの知覚可能な表示であり、次のニュースアイテムに変わらない。
【0049】
それ故、図4を参照すると、第1の提示モード22において、デジタルピクチャフレーム1は、現在のニュースアイテムを表すデータをロードするステップと(ステップ23)、現在のニュースアイテムを表すデータに組み込まれたデジタル画像データを抽出するために第1のフィルタを適用ステップと(ステップ24)、第1のスクリーン画面17を取得するために、スクリーン8の全域に渡って表示されるデジタル画像データを表示コントローラ9に供給するステップ(ステップ25)とを自動的に実行する。これらのステップ23,24,25は、新たなニュースアイテムが、利用可能であるとともに次の現在のアイテムであるように自動的に繰り返される。
【0050】
非接触式センサ12又は移動検出器13からの信号によりユーザの動作を検出すると、デジタルピクチャフレーム1は、遷移状態26に入り、それから、第2の提示モード27に入り、現在のニュースアイテムを表示するデータだけが第2のスクリーン画面18により体現されたフォーマットで表示される。
【0051】
詳細には、ユーザによる動作の検出は、動作が検出された時点で現在のニュースアイテムであったニュースアイテムを表すデータへの第2のフィルタの適用を生じさせる(ステップ28)。このステップ28は、第1の提示モード22における対応するステップ24で作られたもの以外のニュースアイテムを表す全てのデータのセットの異なる選択をもたらす。
【0052】
このステップ28で行われた選択は、現在のコンテンツアイテムに含まれるデータのタイプに基づいている。例において、画像データとテキストとの双方が現在のコンテンツアイテムを表すデータに含まれる場合に、第2の選択が双方を含むのに対し、第1の選択が画像データだけを含むことが一般的な場合である。しかしながら、他の実施形態において、第1の提示モード22で行われた選択がデジタル画像データと少なくとも幾つかの文字符号化データとの双方を含むのに対し、第2の提示モード27で表示された選択がデジタル画像データだけを含む。この実施形態において、本実施形態に対する同様の効果が実現され、これは、第1のフィルタを適用するステップ24が、解像度を減少させるために、後続のステップ25で表示されるデジタル画像データのサブセットを選択することを含む。しかしながら、図3A及び3Bを参照して述べられた実施形態において、これは、第2の選択が第1の選択のデータと追加データとを含む場合であるだろう。
【0053】
図4に示されたように、遷移状態は、第1の選択に含まれたデータと第2の選択に含まれたデータとの時変混合がスクリーン8に表示されることをもたらす繰り返しステップ29,30を含む。特に、現在のニュースアイテムの画像は、拡大画像19から元のサイズの画像20にサイズが減少し、図3Bに示された最終的な位置に移動する。遷移状態26は、それ故、スクリーン8上の変化をそれほど急激にさせないという効果をもつ。
【0054】
デジタルピクチャフレーム1は、内部生成されたトリガを受信すると、第2の提示モード27から第1の提示モード22に戻す遷移を行う。一実施形態において、デジタルピクチャフレーム1は、タイミング装置を含み、これは、例えば、ユーザによる動作が検出されるとき、又は、遷移状態26が終わった後に第2の提示モードが開始するときに、第1の提示モード22から第2の提示モード27への遷移で開始される。タイミングメカニズムは、ソフトウェアに実装され、CPU2による指示の実行を制御する内部クロックを用い得る。代替実施形態において、非接触式センサ12及び移動検出器13のうちの一方又は双方は、ユーザによる動作を検出するときのトリガを生成するために用いられる。移動検出器13によるデジタルピクチャフレーム1の持ち上げの検出が、第1の提示モード22から第2の提示モード27への遷移をもたらす一実施形態において、同一の移動検出器13によるデジタルピクチャフレーム1を置くことの検出は、第1の提示モード22に戻る遷移のためのトリガとして機能し得る。非接触式センサ12によるユーザの接近の検出が第1の提示モードから第2の提示モードへの遷移をもたらす一実施形態において、デジタルピクチャフレーム1から離れる運動の検出は、第1の提示モード22に戻る遷移のためのトリガとして機能し得る。
【0055】
この特徴の効果は、第1の提示モード22から第2の提示モード27への遷移をもたらすことにより実現された効果と同様であり、即ち、ユーザにより示された関心のあるレベルに適合するコンテンツアイテムの部分が、最小限のユーザインタラクションで表示されることである。
【0056】
上述された実施形態は、本発明を限定するよりむしろ例示であり、当業者は、特許請求の範囲から逸脱することなく多くの代替実施形態を設計し得ることに留意されたい。特許請求の範囲において、括弧内の如何なる参照符号も、特許請求の範囲を限定するものとして考慮されるべきではない。"有する"という動詞の使用及びその活用は、特許請求の範囲に記載されたもの以外の要素又はステップの存在を除外するものではない。要素の単数表記は、斯様な要素の複数の存在を除外するものではない。本発明は、幾つかの別個の要素を有するハードウェアにより、及び、適切にプログラムされたコンピュータにより実行され得る。幾つかの手段を列挙するデバイスに係る請求項において、これらの手段の幾つかは、1つ及び同一アイテムのハードウェアにより具現されてもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に用いられ得ないことを示すものではない。
【0057】
"手段"は、当業者にとって明らかであるように、分離して又は他の要素と協働して、単独又は他の機能とともに、特定の機能を実行するために、動作中に実行されるか、又は、設計される如何なる(別個の又は一体化された回路又は電子要素のような)ハードウェア又は(プログラム又はプログラムの部分のような)ソフトウェアをも含むことを意味する。"コンピュータプログラム"は、光ディスク、インターネット等のネットワークを介してダウンロード可能なもの、又は、任意の他の態様における商品のような、コンピュータ読み取り可能な媒体に格納された如何なるソフトウェア製品をも意味することが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルコンテンツを提示する方法であって、
一連のコンテンツアイテムを表すデジタルデータを取得するステップと、
コンテンツアイテムを表すデータの第1の選択を行うステップ、及び、選択された前記データを、知覚可能な形式でデータをレンダリングするシステムに供給するステップが、各コンテンツアイテムに対して連続して自動的に実行される第1の提示モード中に、前記一連のコンテンツアイテムを提示するステップと、
前記レンダリングするシステムでのユーザによる動作を検出するステップと、
前記動作の検出に応答して、第2の提示モードへの遷移をもたらすステップであって、前記第2の提示モードでは、前記レンダリングするシステムが、前記動作が検出されたときに提示される前記コンテンツアイテムを表すデータのみの、前記第1の選択とは異なる第2の選択をレンダリングするようにもたらされるステップとを含む、方法。
【請求項2】
コンテンツアイテムを表す前記デジタルデータが、関連する態様において知覚可能な形式でそれぞれレンダリングされる少なくとも2つの異なるタイプのデータを含み、
前記コンテンツアイテムを表すデータは、当該データのタイプに応じて第1の選択及び第2の選択のうち少なくとも一方に含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
コンテンツアイテムを表すデータは、デジタル画像データと文字符号化データとを含み、
前記デジタル画像データ及び前記文字符号化データのうち一方は、前記第1の選択及び前記第2の選択のうち一方だけに含まれ、表示デバイスによりスクリーンに表示される、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の選択及び第2の選択のデータの少なくとも部分は、スクリーンへの表示用の表示デバイスに供給され、
前記表示デバイスは、第1の選択からのデータにより表わされたコンテンツを、第2の選択からのデータにより表わされたコンテンツとして同一エリアのスクリーンに表示するようにもたらされる、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の選択は、前記第1の選択のデータと追加データとを含む、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の提示モードにおいて、前記第2の選択の表現は、知覚可能な形式でデータをレンダリングするための前記システムにより前記第1の選択の表現に取って代わる、請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
一連のコンテンツアイテムを表すデータは、混合されたコンテンツデジタルデータフィード、好ましくはRSSフォーマットのフィードとして受信される、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の提示モードと前記第2の提示モードとの間の遷移の間、知覚可能な形式でデータをレンダリングするための前記システムが、アルゴリズムに従って前記第1の選択に含まれるデータと前記第2の選択に含まれるデータとの混合をレンダリングするステップを含む、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
知覚可能な形式でデータをレンダリングするための前記システムは、前記遷移の間における所定の時間間隔に渡ってデータの時変混合をレンダリングする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
トリガを受信するステップと、
前記トリガに応答して、前記第2の提示モードから前記第1の提示モードへの遷移をもたらすステップとを含む、請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記トリガは、前記第1の提示モードから前記第2の提示モードへの遷移で開始されるタイミング装置、及び、前記レンダリングするシステムでユーザによる動作を検出する検出器のうちの一方からの信号によりもたらされる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ユーザによる動作は、非接触式センサからの信号により検出される、請求項1〜11のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
知覚可能な形式でデータをレンダリングするための前記システムは、ポータブルデバイスを含み、
前記ユーザによる動作は、前記ポータブルデバイスの移動を検出するためのセンサからの信号により検出される、請求項1〜12のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
デジタルコンテンツを提示するシステムであって、
一連のコンテンツアイテムを表すデジタルデータを受信するための入力部をもつデータ処理装置と、
知覚可能な形式でコンテンツデータをレンダリングするための少なくとも1つのデバイスを含むレンダリングシステムと、
ユーザによる動作を検出する検出器とを含み、
当該デジタルコンテンツを提示するシステムは、前記データ処理装置が、コンテンツアイテムを表すデータの第1の選択を行うステップと、選択された前記データを前記レンダリングシステムに供給するステップとを各コンテンツアイテムに対して連続して自動的に実行する第1の提示モードにおいて動作するように構成され、
前記検出部によりトリガされるときに第2の提示モードへの遷移を実行するように構成され、前記第2の提示モードにおいて、前記トリガの受信で提示される前記コンテンツアイテムを表すデータだけの、前記第1の選択とは異なる第2の選択が、知覚可能な形式でレンダリングされる、システム。
【請求項15】
請求項1〜13のうちいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
マシン読み取り可能な媒体に組み込まれた場合に、情報処理能力をもつシステムが、知覚可能な形式でデジタルコンテンツを表すデータをレンダリングするためのシステムと通信して、請求項1〜13のうちいずれか一項に記載の方法を実行することが可能な一組の命令を含む、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−531510(P2010−531510A)
【公表日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514201(P2010−514201)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【国際出願番号】PCT/IB2008/052461
【国際公開番号】WO2009/001271
【国際公開日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】