デジタルデータ受信機、及び、プログラム
【課題】1セグ放送と12セグ放送のサイマル放送か否かを判定し、かつ、サイマル放送である場合には、違和感なく相互の放送に切り換える。
【解決手段】1セグ放送と12セグ放送の字幕データを受信し、同一の字幕データが記載された字幕PESデータを探索する。同一の字幕データが見つかると、サイマル放送と認識し、各字幕PESデータの提示情報、PTSを比較することで、各放送データの提示タイミングの時間差を解析する。放送切換制御部404は、放送受信レベルを監視し、1セグ放送と12セグ放送の放送切換を判定し、切換データとして放送切換部412に出力する。タイミング制御部405は、前記放送切換制御部404で解析した1セグ放送と12セグ放送の放送タイミング差の情報を受けて、バッファに蓄積しているPESデータのデコードを開始するタイミングの制御を行い、時間差を補正する。
【解決手段】1セグ放送と12セグ放送の字幕データを受信し、同一の字幕データが記載された字幕PESデータを探索する。同一の字幕データが見つかると、サイマル放送と認識し、各字幕PESデータの提示情報、PTSを比較することで、各放送データの提示タイミングの時間差を解析する。放送切換制御部404は、放送受信レベルを監視し、1セグ放送と12セグ放送の放送切換を判定し、切換データとして放送切換部412に出力する。タイミング制御部405は、前記放送切換制御部404で解析した1セグ放送と12セグ放送の放送タイミング差の情報を受けて、バッファに蓄積しているPESデータのデコードを開始するタイミングの制御を行い、時間差を補正する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の受信サービスを切り換えて使用することができるデジタル放送受信機等のデジタルデータ受信機、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
日本の地上デジタル放送では、1つのチャンネルを13個のセグメントに分割して伝送している。13セグメントのうち、中心の1セグメントを使用した放送が「1セグ放送」、その他、12セグメントを使用した放送が「12セグ放送」と呼ばれており、日本の地上デジタル放送ではこれらの放送が運用されている。1セグ放送と12セグ放送の2種類の放送で、同一内容の番組の放送(以下、サイマル放送と称す)を実施する場合と、各放送で異なる番組の放送を実施する場合と、がある。
【0003】
1セグ放送は、高品質なデータの伝送はできないが受信安定性が高く、例えば、移動体端末向けの放送として利用されている。一方、12セグ放送は、高品質なデータを伝送できるが受信安定性が低いため、例えば、固定端末向けの放送として利用されている。
【0004】
1セグ放送と12セグ放送とでは、それぞれの信号階層毎に異なる符号化処理が施された上で、放送毎に多重化されアンテナから送信されるため、放送間で数ミリ秒から数秒程度の放送信号の放送タイミング差が発生する。そのため、1セグ放送と12セグ放送とで同じ内容の番組を提供するサイマル放送の同じシーンであっても、1セグ放送と12セグ放送とでは数ミリ秒から数秒程度の視聴するタイミングに時間差が生じることになる。
【0005】
1セグ放送と12セグ放送の各放送間に生じる数ミリ秒から数秒程度の放送信号の時間差(以下、放送タイミング差と称す)を抑制し、相互に放送を切り換えながら視聴する(以下、切換視聴と称す)ことが可能なデジタル放送受信機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
特許文献1に記載のデジタル放送受信機では、相互に放送を切り換える際に、1セグ放送と12セグ放送のそれぞれ映像シーンが切り換わる時刻を測定する。また、測定した各時刻を比較することで放送タイミング差を解析する。そして、1セグ放送、もしくは、12セグ放送のうち、放送タイミングが早い方に視聴を切り換えるときに放送タイミング差に相当する時間遅らせることで、映像のずれを抑制した切換視聴を行う。
【0007】
また、1セグ放送と12セグ放送とが同一の番組であるかを判定することで、各放送の番組が同一であるか(サイマル放送であるか)否かを調べるサイマル放送の判定(以下、サイマル判定と称す)について、実現方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
特許文献2に記載のサイマル判定では、1セグ放送と12セグ放送との音声データを比較し、その相関性を解析する。そして、相関が高い場合はサイマル放送であると判定し、相関が低い場合は非サイマル放送であると判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−92100号公報
【特許文献2】特開2007−295470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
1セグ放送と12セグ放送との放送タイミング差を抑えながらサイマル放送をシームレスに切り換えるため、前記特許文献1と特許文献2とにおいては、映像データや音声データを比較することにより放送タイミング差の解析を行っていた。1セグ放送、または、12セグ放送で放送されるデータは主に映像や音声であるため、これらのデータを受信しているときに放送タイミング差を解析することができる。
【0011】
しかしながら、1セグ放送と12セグ放送との各放送データの中から、同じシーンの映像データや音声データを探索する場合、映像では、解像度やコントラストの比較演算を行う。一方、音声では、音程やテンポなどの比較演算が必要となる。これらの比較演算は機器動作上の大きな負荷を要することが懸念される。
【0012】
本発明は、上記実情を鑑みてなされたもので、1セグ放送と12セグ放送とのサイマル放送か否かを好適に判別し、かつ、サイマル放送である場合には、1セグ放送と12セグ放送とのずれを低減した切換が可能なデジタルデータ受信機、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るデジタルデータ受信機は、
放送波から第1の放送データと第2の放送データとを受信する放送受信手段と、
前記放送受信手段が受信した前記第1の放送データ及び前記第2の放送データから、それぞれの放送データに対応する字幕データを抽出する字幕データ抽出手段と、
前記字幕データ抽出手段が抽出した前記第1の放送データに対応する第1の字幕データと、前記第2の放送データに対応する第2の字幕データと、を比較することにより、前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定する字幕データ解析手段と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
前記字幕データ解析手段は、前記第1の字幕データと前記第2の字幕データとに含まれるテキストデータを用いて同一のシーンを検索し、検索したシーンの各字幕データを提示する時刻を比較することにより、前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定するようにしてもよい。
【0015】
前記字幕データ解析手段は、前記第1の字幕データと前記第2の字幕データとに含まれるテキストデータにおいて、同じ文字を含む割合を算出することで同一のシーンであるか否かを判別するようにしてもよい。
【0016】
前記字幕データ解析手段は、前記第1の字幕データを提示する時間間隔のパターンと、前記第2の字幕データを提示する時間間隔のパターンと、が互いに類似している類似パターン部分を検索し、当該類似パターン部分の時間差を算出することにより、前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定するようにしてもよい。
【0017】
前記字幕データ解析手段は、前記放送受信手段が受信する番組が変わったときに前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定するようにしてもよい。
【0018】
前記第1の放送データをデコードする第1のデコード手段と、
前記第2の放送データをデコードする第2のデコード手段と、
前記各々の放送データのデコード開始のタイミングを制御するタイミング制御手段と、
前記第1の放送データと前記第2の放送データとがサイマル放送の放送データであるか否かを判別するサイマル放送判別手段と、をさらに備え、
前記タイミング制御手段は、前記第1の放送データと前記第2の放送データとが前記サイマル放送の放送データであると判別された場合、前記字幕データ解析手段が測定した前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差に基づいて前記各々の放送データのデコード開始タイミングを制御するようにしてもよい。
【0019】
前記タイミング制御手段は、前記第1の放送データと前記第2の放送データとのうち、受信タイミングが早い方の放送データを前記時間差に相当するデータ量をバッファに蓄積してデコード開始のタイミングを遅らせるようにしてもよい。
【0020】
前記サイマル放送判別手段は、前記字幕データ抽出手段が抽出した前記第1の放送データに対応する第1の字幕データと、前記第2の放送データに対応する第2の字幕データと、を比較することにより、サイマル放送の放送データであるか否かを判別するようにしてもよい。
【0021】
前記字幕データ抽出手段により前記字幕データを抽出できないときに、前記第1の放送データ及び前記第2の放送データに含まれる映像データまたは音声データに基づいて、前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定する時間差測定手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0022】
本発明の第2の観点に係るプログラムは、
放送波から第1の放送データと第2の放送データとを受信する放送受信手段、
前記放送受信手段が受信した前記第1の放送データ及び前記第2の放送データから、それぞれの放送データに対応する字幕データを抽出する字幕データ抽出手段、
前記字幕データ抽出手段が抽出した前記第1の放送データに対応する第1の字幕データと、前記第2の放送データに対応する第2の字幕データと、を比較することにより、前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定する字幕データ解析手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、1セグ放送と12セグ放送との放送タイミングの時間差を抑制したスムーズな切換視聴を実現することができる。また、機器動作の負荷を軽減し、消費電力を抑えて切換視聴をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】映像、音声、字幕などの放送データを作成する送信機のシステムの概要を示す図である。
【図2】放送データの構造を説明する概略図である。
【図3】TSデータを受信して映像、音声、字幕を同期再生する受信機のシステム概要を示す図である。
【図4】実施形態1の放送受信機の機能ブロック図である。
【図5】タイミング制御部の機能ブロック図である。
【図6】放送切換制御部の機能ブロック図である。
【図7】放送タイミング差解析処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】放送切換処理の動作を示すフローチャートである。
【図9】放送切換部の動作例として、放送受信機が1セグ放送を受信している状態から、12セグ放送に放送を切り換えるまでの流れを示すフローチャートである。
【図10】タイミング制御部のバッファからデコード部へのデータの流れを示す図である。
【図11】実施形態2の放送受信機の機能ブロック図である。
【図12】放送切換制御部のブロック図である。
【図13】12セグ放送と1セグ放送の字幕PESデータを同じ時間分保存し、PTSが示す時間情報に沿って時刻上にマッピングしたタイミングチャートである。
【図14】図13に示した字幕PTSのマッピングデータを用いてPTSのパターンマッチングを行うタイミング差解析処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明における放送受信機について、図面を用いて説明する。まずは、放送規格において一般的に実用化されている、映像、音声、字幕などの放送データを受信機で同期再生させる仕組みについて、図1から図3を用いて以下に説明する。
【0026】
図1は、映像、音声、字幕などの放送データを作成する送信機10のシステムの概要を示している。そして、図2は、送信機10が送信する放送データの構造の概要を示している。
【0027】
図1に示すように、送信機10は、映像エンコード部1、音声エンコード部2、字幕エンコード部3、TSエンコード部4、STC(System Time Clock)5、を備える。
【0028】
送信機10が放送データを送信するとき、まず、放送に対応する映像、音声、字幕の各データをそれぞれ映像エンコード部1、音声エンコード部2、字幕エンコード部3でエンコードし、PES(Packetized Elementary Stream)データ21を作成する。各エンコード部1〜3では、PESデータ21を作成する際に、PTS(Presentation Time Stamp)22という映像、音声、字幕データの再生時刻を示す時間情報をPESヘッダ23に記述する。そして、PESヘッダ23とPESデータ21をPESパケット24という一つの可変長パケットにまとめる(図2参照)。
【0029】
PTS22は、各エンコード部1〜3がエンコードを行う際に、STC5から送信機10自らの動作上の基準時刻情報を取得し、その基準時刻に基づいて作成される。同じPTS22が記述されている映像、音声、字幕の各PESデータ21は、同一のシーンのデータに該当する。
【0030】
最後に、TSエンコーダ部4が、PESパケット24をTS(Transport Stream)データ25に多重化した形で放送データとして送信する。
【0031】
TSデータ25を作成する際には、TSデータ25のヘッダ部分であるTSヘッダ26にPCR(Program Clock Reference)27という送信側の時計のリファレンス値を含め多重化する(図2参照)。このようにすることより、TSデータ25を受けた受信機側では、PCR27を参照し、自らのSTCと送信機側のSTCとを同期させることができる。
【0032】
次に、放送データを受ける受信機側の動作について説明する。図3は、TSデータ25を受信して映像、音声、字幕を同期再生する一般的な受信機30のシステム概要を示している。受信機30は、受信部301、TSデコード部302、タイミング制御部307、映像デコード部308、音声デコード部309、字幕デコード部310、STC311、を備える。タイミング制御部307は、バッファ制御部303、映像バッファ304、音声バッファ305、字幕バッファ306、を備える。
【0033】
受信部301は、アンテナを介して受信した放送信号をTSデータ25に復調し、TSデコード部302に出力する。TSデコード部302は、受信したTSデータ25を多重分離し、動画、音声、字幕の各PESデータ21をそれぞれ映像バッファ304、音声バッファ305、字幕バッファ306に一時的に保存する。さらに、TSデコード部302は、受信したTSデータ25からPCR27を分離して、それを用いて受信機30側の基準クロックであるSTC311を送信機10側のSTC5に同期させる。各PESデータ21には、先述のとおり再生時刻を示すPTS22がヘッダに含まれている。
【0034】
バッファ制御部303は、各バッファ304〜306から各デコード部308〜310に各PESデータ21を送るタイミングを制御する。バッファ制御部303は、STC311の時刻情報がPTS22のタイミングになると、各バッファ304〜306から各デコード部308〜310に各PESデータ21を送り、各デコード部308〜310では、映像、音声、字幕のシーンを同期させてデコードを行う。最後に、デコードを行った映像、音声、字幕の各データを、モニタやスピーカーなどの出力機器に表示、再生することで、ユーザが視聴できるようになる。
【0035】
PESパケット24には、提示情報であるPTS22に加え、デコード開始時刻を示すDTS(Decoding Time Stamp)が含まれている場合がある。DTSがPESデータ21に記述されている場合は、その時刻とSTC311を参照してデコード開始のタイミングを決めることもできる。
【0036】
受信機30側では、映像や音声などのデータ量の変動により、データごとのバッファへ一時保存する際、また、バッファからデータの読み出しを行う際にそれぞれ遅延が発生する。これらの遅延を補うために、各データがバッファに一時保存されてから、バッファから読み出しされるまでに発生する遅延時間のうち、最も大きな遅延時間を共通の遅延時間(以下、共通遅延時間と称す)を設ける。そして、PTS22やDTSの時刻から、更に共通遅延時間の分遅くしたタイミングでデコードを行うことで、動画、音声、字幕などのデータをそれぞれ同じように遅延させながら再生を行うことができる。
【0037】
送信側のSTC5は、放送局ごとに設定されているため、放送局ごとに放送時刻が異なる場合がある。また、同じ放送局でも、1セグ放送と12セグ放送とでサイマル放送を行う場合には、1セグ放送と12セグ放送の各データを作成する際に、異なる送信機が使用される。これにより、各々の放送でSTC5も異なる時刻となり、放送タイミング差が生じることがある。
【0038】
(実施形態1)
続いて、本発明の実施形態1における放送受信機について図4〜図10を参照しながら説明する。図4は、本発明における放送受信機40の概要を示すブロック図である。放送受信機40は、受信部401、1セグ用TSデコード部402、12セグ用TSデコード部403、放送切換制御部404、タイミング制御部405、1セグ用映像デコード部406、1セグ用音声デコード部407、1セグ用字幕デコード部408、12セグ用映像デコード部409、12セグ用音声デコード部410、12セグ用字幕デコード部411、放送切換部412、モニタ413、を備える。
【0039】
受信部401は、アンテナを介して受信した放送信号をTSデータに復調する。そして、受信部401は、1セグ放送のTSデータを1セグ用TSデコード部402に出力する。また、受信部401は、12セグ放送のTSデータを12セグ用TSデコード部403に出力する。受信部401は、放送データの受信レベルを示すCNR(Carrier to Noise Ratio)、BER(Bit Error Rate)といった放送受信レベル情報を放送切換制御部404に出力する。
【0040】
1セグ用TSデコード部402は、1セグ放送のTSデータを多重分離し、動画、音声、字幕のPESデータをタイミング制御部405に出力する。同様に、12セグ用TSデコード部403は、12セグ放送のTSデータを多重分離し、タイミング制御部405に各PESデータを出力する。
【0041】
放送切換制御部404は、受信部401から受け取った放送受信レベル情報を監視して、1セグ放送と12セグ放送とのうち、再生する放送を選択する。そして、放送切換制御部404は、選択した放送の情報を切換情報として放送切換部412に出力する。また、放送切換制御部404は、前述の1セグ放送と12セグ放送の放送タイミング差を解析する。
【0042】
図5を用いて、タイミング制御部405の構成を説明する。タイミング制御部405は、1セグ映像バッファ51、1セグ音声バッファ52、1セグ字幕バッファ53と、12セグ映像バッファ54、12セグ音声バッファ55、12セグ字幕バッファ56、バッファ制御部57、を備える。
【0043】
タイミング制御部405では、1セグ放送のTSデータを1セグ用TSデコード部402で多重分離して作成された映像、音声、字幕の各PESデータをそれぞれのバッファ51、52、53に蓄積する。
【0044】
また、タイミング制御部405では、12セグ放送のTSデータを12セグ用TSデコード部403で多重分離し、その結果作成された12放送の映像、音声、字幕の各PESデータをそれぞれのバッファ54、55、56に蓄積する。バッファ制御部57は、各バッファに蓄積されたPESデータをデコードするために、各バッファ部51〜56からの各デコード部406〜411に対するPESデータの出力タイミングを制御する。
【0045】
バッファ制御部57は、放送切換制御部404が解析した1セグ放送と12セグ放送との放送タイミング差の情報を受ける。そして、バッファ制御部57は、各放送間を切り換える際に、放送タイミング差を抑えるため、各放送のうち、放送タイミングが早い方のデコード開始タイミングを、放送タイミング差に相当する時間分、PTSが示す本来の時間よりも遅延させる。
【0046】
映像、音声、字幕の各デコード部406〜411は、各種PESデータをデコードし、放送切換部412に出力する。
【0047】
放送切換部412は、各デコード部406〜411からデコードされた映像、音声、字幕などのデータを受けて、モニタ413に対して各データを表示、再生を行う。放送切換部412は、1セグ放送と12セグ放送との間で、表示再生する放送を切り換える機能を備えており、放送切換制御部404で、選択した切換情報を基に、1セグ放送と12セグ放送とを切り換えてモニタ413に出力する。
【0048】
モニタ413は、映像表示や音声出力機能を備えており、放送切換部412から映像、音声、字幕などの各種データを受けて、表示再生を行う。
【0049】
放送切換制御部404、バッファ制御部57は、各制御部の機能を実現するためのプログラムを格納するROM(Read Only Memory)や、そのプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)や、CPUのワークエリアとなるRAM(Random Access Memory)などから構成される。
【0050】
放送切換制御部404における放送タイミング差の解析方法について、図6及び図7を用いて説明する。図6は、放送切換制御部404の機能ブロックを示している。放送切換制御部404は、字幕データ解析部61、受信状況解析部62、切換判定部63、を備える。放送タイミング差の解析は、字幕データ解析部61にて行う。
【0051】
図7は、放送受信機40が1セグ放送と12セグ放送の各放送データを受信してから字幕データ解析部61において、放送タイミング差を解析するまでのタイミング差解析処理の動作を示すフローチャートである。字幕データ解析部61は、動作システムの基準時刻である前述のSTCを備えている。しかしながら、送信機側の1セグ放送と12セグ放送のSTCがそれぞれ異なる可能性があるため、まずは、字幕データ解析部61は、1セグ放送と12セグ放送のそれぞれのSTCを比較し、基準時刻のタイミング差(以下、基準時間差と称す)を求める(ステップS701)。
【0052】
次に、1セグ放送、及び12セグ放送の各PESデータに含まれるPTSを比較することで、各データをデコードしてモニタ413に提示する時刻の差(以下、提示時刻差と称す)を求める。このとき、同じシーンのPESデータに対応したPTSの比較が必要となる。そこで本発明では、映像及び音声データの代わりに字幕のPESデータ(以下、字幕PESデータと称す)を用いる。このようにすることで、映像や音声を用いた方法より、低い処理負荷で同一となるシーンのPESデータの探索を行うことができる。字幕PESデータは、前述のモニタ413への提示時刻を表すPTSに加え、提示する位置、文字の色、文字サイズなどの提示制御情報と、提示する字幕の本文を示すテキストデータ(以下、字幕本文データと称す)で構成される。
【0053】
同一シーンの字幕PESデータを探索する方法を以下に説明する。字幕データ解析部61は、12セグ用字幕デコード部411から、デコードされた特定の1シーンに相当する字幕本文データである字幕本文データC1を取り出す(ステップS702)。次に、字幕データ解析部61は、1セグ用字幕デコード部408から、12セグ放送と同様に、特定の1シーン分に該当するデコード済みの字幕本文データC2を取り出す(ステップS703)。
【0054】
そして、字幕データ解析部61は、字幕本文データC1とC2を比較し、互いに同一シーンの字幕本文データであるか否かを判別する(ステップS704)。同一シーンの字幕本文データであるか否かの判別方法は、例えば、字幕本文データC1とC2のそれぞれ先頭文字から順に最後まで比較することで実現可能である。しかしながら、放送規格上、一部、1セグ放送と12セグ放送の字幕に使用可能な文字セットが異なっており、12セグ放送の字幕だけ使用可能な文字がある。そのため、全ての文字が同じにはならなくても、互いの本文中に同じ文字が一定の割合で含まれていれば、同一の文と判断して同じシーンのPESと判別するようにしても良い。
【0055】
字幕本文データC1とC2が同一シーンの字幕本文データでない場合(ステップS704;No)、字幕データ解析部61は、比較した1セグ放送用の字幕データの次に受信している字幕データを1セグ用字幕デコード部408から取得して、再度、同一シーンの字幕本文データであるか否かを判別して、同一シーンの字幕本文データが見つかるまでこれを繰り返す(ステップS703〜S705)。
【0056】
ここで、比較する各字幕データを受信したタイミングが、想定される12セグ放送と1セグ放送の放送タイミング差である数秒よりはるかに離れているデータは、サイマル放送ではないと判別し、タイミング差解析処理を中断しても良い。
【0057】
字幕本文データC1とC2が同一の字幕PESデータが見つかった場合(ステップS704;Yes)、字幕データ解析部61は、各字幕PESパケットのPESヘッダに記述されているPTSを比較して、提示時刻差を解析する(ステップS706)。
【0058】
その後、字幕データ解析部61は、解析した基準時刻差と提示時刻差を総計して、12セグ放送と1セグ放送の番組がサイマル放送であるか否かを判別し、各放送間の放送タイミング差を解析する(ステップS707)。字幕データ解析部61は、解析した放送タイミング差の情報は、放送切換部412に通知する。
【0059】
本実施形態では、12セグ放送の特定の字幕本文データと同一の1セグ放送の字幕本文データを探索しているが、その反対に、1セグ放送の特定の字幕本文データと同一の12セグ放送の字幕本文データを探索するようにしても良い。
【0060】
1セグ放送と12セグ放送の放送データに同一の字幕本文データが見つからない場合は、第1と第2の番組が、同一の番組では無い、つまりは、サイマル放送では無いと判別することができる。この結果が得られた場合は、以降に説明する1セグ放送と12セグ放送の受信切換は実施しない。
【0061】
次に、前記字幕データ解析部61にて解析した放送タイミング差を用いて、1セグ放送と12セグ放送の相互の放送切換時に時間差を補正する方法について説明する。
【0062】
図6に示す放送切換制御部404の機能ブロックの中で、受信状況解析部62が1セグ放送と12セグ放送の各受信レベルを解析し、切換判定部63が、放送切換部412に対して、切換の指示を行う。
【0063】
図8は、1セグ放送と12セグ放送の受信レベルに応じた放送切換を行う放送切換処理の動作を示すフローチャートである。まず、受信状況解析部62は、受信部401から1セグ放送と12セグ放送それぞれのCNRとBERを取得する(ステップS801)。このとき、CNRやBERの値から12セグ放送の受信が良好と判断できる場合(ステップS802;Yes)、受信状況解析部62は、12セグ放送の視聴を選択する(ステップS803)。
【0064】
一方、12セグ放送の受信レベルが低く、1セグ放送のみ受信良好な場合(ステップS802;No)、受信状況解析部62は、1セグ放送の視聴を選択する(ステップS804)。12セグ放送と1セグ放送のいずれも受信状況が良くない場合は、共に視聴することができないため、いずれの放送も選択しない。または、この場合、受信安定性が高い1セグ放送を選択している状態にしておき、逐次、受信状況を監視して受信状況が良好になる時を監視するようにしてもよい。
【0065】
切換判定部63は、受信状況解析部62の放送選択結果を受け、放送切換部412に切換の指示をする。
【0066】
図9は、放送切換部412の動作例として、放送受信機が1セグ放送を受信している状態から、12セグ放送に放送を切り換えるまでの流れを示すフローチャートである。放送受信機40は、受信部401で1セグ放送を受信し、PTSに従い受信データをデコードしてモニタ413に出力する(ステップS901)。続いて、放送受信機40は、受信部401で12セグ放送の受信を開始し、受信状況を監視して、1セグ放送と12セグ放送の放送タイミング差の解析をすると同時に、サイマル放送か否かを判別する(ステップS902)。
【0067】
放送タイミング差の解析が完了すると、放送受信機40は、前記解析した放送タイミング差分、タイミングを遅らせながら、12セグ放送の放送データをバッファから映像、音声、字幕の各デコード部409〜411に送信する(ステップS903)。放送切換制御部404は、12セグ放送に放送を切り換えるタイミングを監視し、切換タイミングになると放送切換部412に対して放送切換を指示する(ステップS904)。放送切換部412は、指示された切換タイミングに従って、モニタ413に出力している1セグ放送のデータを、12セグ放送のデータに切り換える(ステップS905)。
【0068】
以上の手順により、前述の放送タイミング差の解析によって得られた放送タイミング差を用いて、12セグ放送のデコード開始を遅らせることで、放送タイミング差を抑制しつつ、1セグ放送の視聴状態から、12セグ放送の視聴を開始することができる。
【0069】
図10は、タイミング制御部405の各バッファ51〜56から各デコード部406〜411へのデータの流れを示している。タイミング制御部405では、デコード前に各PESデータを各バッファ51〜56に保存しておき、放送タイミング差の分だけ12セグ放送のデータのデコード開始時間を遅らせている。
【0070】
本実施形態では、放送タイミング差を補正するための各バッファ51〜56をタイミング制御部405に設けていたが、1セグ放送、12セグ放送の各データをデコードした後に、タイミング調整用のバッファを用意しても良い。1セグ放送と12セグ放送のデータのデコード時間に大きな差があり、そのデコードの時間差が、最終的にモニタに各データを出力するタイミングにずれを与える場合は、予めデコードを行った映像、音声、字幕等の出力データをバッファに蓄積しておき、出力機器に表示、再生を行う際に、前述の放送タイミング差に基づき出力するタイミングを制御することによって、放送タイミング差を抑えた表示、再生ができるようになる。
【0071】
前記放送タイミング差は、放送局の違いや、生放送か録画かといった番組の放送形態により、異なる可能性がある。そのため、受信機側で受信する放送や、視聴している番組に変更が生じたときには、新たに放送タイミング差を調べなおすことで、変更後もスムーズな放送切換ができるようにすればよい。番組の変更は、ストリームと同様、放送データとして送信される番組情報データであるEIT(Event Information Table)から、番組のタイトルなどを取得し、随時チェックすることで、変更の有無を確認する。
【0072】
ただし、解析した放送タイミング差のデータは、一定期間保存しておき、既に放送タイミング差が解析されているチャンネルや番組を視聴しなおす場合は、保存しておいた放送タイミング差のデータを用いることで、再度調べる処理を省くことができる。具体的には、放送タイミング差を解析した時間、解析対象とした番組のチャンネル番号、番組タイトル名、放送タイミング差のデータを1つのデータセットとして保存すればよい。
【0073】
放送タイミング差を解析する番組が、字幕放送に対応していないときに限り、映像や音声のデータを代用して該タイミング差の解析を行う。例えば、映像データを用いる場合は、1セグ放送と12セグ放送の各映像データから輝度ヒストグラムや色ヒストグラムを算出して比較することで、同一シーンの映像データか判別することができる。
【0074】
字幕放送の対応状況を判別する方法は、ある一定時間の放送データの中に字幕データが含まれているか、または、番組の情報を含むEIT(Event Information Table)データのタイトルや番組詳細説明などの項目に、字幕対応か否かの情報が含まれているため、その情報を確認することで字幕対応状況を判別することができる。
【0075】
(実施形態2)
次に、本発明における放送受信機の実施形態2について、図11から図14を用いて説明する。図11は、本実施形態における放送受信機110の機能ブロック構成を示している。放送受信機110は、受信部1101、1セグ用TSデコード部1102、12セグ用TSデコード部1103、放送切換制御部1104、タイミング制御部1105、1セグ用映像デコード部1106、1セグ用音声デコード部1107、1セグ用字幕デコード部1108、12セグ用映像デコード部1109、12セグ用音声デコード部1110、12セグ用字幕デコード部1111、放送切換部1112、モニタ1113を備える。
【0076】
受信部1101は、アンテナを介して受信した放送信号をTSデータに復調する。受信部1101は、1セグ放送のTSデコーダを1セグ用TSデコード部1102に出力する。受信部1101は、12セグ放送のTSデータを12セグ用TSデコード部1103に出力する。また、受信部1101は、前述の放送受信レベル情報を放送切換制御部1104に出力する。
【0077】
1セグ用TSデコード部1102は、1セグ放送のTSデータを多重分離し、動画、音声、字幕のPESデータをタイミング制御部1105に出力する。一方、12セグ用TSデコード部1103は、12セグ放送のTSデータを多重分離し、1セグ用TSデコーダ部1102と同様に、タイミング制御部1105に各PESデータを出力する。また、各TSデコード部1102、1103は、それぞれ一定期間の放送データに含まれる字幕データのPTSを、放送切換制御部1104に出力する。
【0078】
放送切換制御部1104は、受信部1101から受け取った放送受信レベル情報を監視して、1セグ放送と12セグ放送のうち、受信する放送の選択し、選択した放送の情報を切換情報として放送切換部1112に出力する。また、放送切換制御部1104では、1セグ放送と12セグ放送の放送タイミングの時間差を解析する。なお、他の構成は、実施形態1と同様である。
【0079】
図12は、本実施形態の放送切換制御部1104の機能ブロックを示している。放送切換制御部1104は、字幕データ解析部1201、受信状況解析部1202、切換判定部1203、を備える。前述の字幕PESデータのPTSは、字幕データ解析部1201で受信する。そして、字幕データ解析部1201は、放送タイミング差の解析を行う。
【0080】
字幕データ解析部1201における放送タイミング差の解析方法について説明する。実施形態2では、1セグ放送と12セグ放送の字幕PESデータに記述されたPTSを、同時にそれぞれ複数記録しておき、各PTSに記述されている時刻情報の間隔パターンが1セグ放送と12セグ放送とで類似している部分のマッチングを取り、PTSの時間差を示す提示時間差を解析することで、放送タイミング差を調べる方法を用いる。
【0081】
以下に、字幕PTS(字幕PESデータのPTS)のパターンマッチングによる解析方法を説明する。図13は、12セグ放送と1セグ放送の字幕PESデータを同じ時間分保存し、字幕PTSが示す時間情報に沿って時刻上にマッピングした例を示す。12セグ放送のPESに記載された字幕PTSを早いものから順にa1、a2、a3、…とし、同様に1セグ放送の字幕PTSを順にb1、b2、b3、…とする。また、各字幕PTSの間隔をΔa1(a1とa2の間隔)、Δa2(a2とa3の間隔)、…とする。
【0082】
図14は、図13に示した字幕PTSのマッピングデータを用いてPTSのパターンマッチングを行うタイミング差解析処理の動作を示すフローチャートである。まず、字幕データ解析部1201は、12セグ放送と1セグ放送の字幕PTSを、それぞれ特定の数(M個)保存する(ステップS1401)。上述したように、12セグ放送の字幕PTSをa1〜aM、1セグ放送の字幕PTSをb1〜bMとする。
【0083】
次に、字幕データ解析部1201は、各字幕PTSの間隔Δa1〜Δa(M−1)、Δb1〜Δb(M−1)を計算する(ステップS1402)。
【0084】
そして、字幕データ解析部1201は、計算した字幕PTSについて、1セグ放送と12セグ放送の間でパターンマッチングを取る(ステップS1403)。パターンマッチングの例としては、初めに1セグ放送の間隔データΔb1〜ΔbMの中で、Δa1と同じ値になるものを探し、同じ間隔データが見つかれば、マッチングが取れた各データの次の間隔データが同じになるか否かを判別する。このとき、同じ値と判別されれば、更に次の間隔データを比較して、同じになるか否かを判別する。もし、間隔が異なった場合は、Δa1と同じになるものを探し直し、繰り返し連続的にマッチングが取れる組み合わせを見つける。
【0085】
連続的に同じ値となる数が多いほど正確なマッチングを取ることができる。ただし、比較データが多くなり、計算にかかる時間と比較対象とするデータを多く保存する必要がある。前述のマッチングでは、12セグ放送と1セグ放送の字幕PTS間隔が同じ値になるか判定を行っているが、これらの間隔には、放送タイミング差で想定される数百ミリ秒〜数秒より小さい誤差が含まれるため、誤差を含めマッチングを判定する。
【0086】
パターンマッチングの結果、同じシーンが見つかった場合は(ステップS1404;Yes)、字幕データ解析部1201は、1セグ放送と12セグ放送でマッチングが取れたPTSの差を計算し、提示時刻差を求める(ステップS1405)。一方、パターンマッチングが成立せず、同じシーンが見つからなかった場合は(ステップS1404;No)、1セグ放送の番組が、12セグ放送のサイマル放送では無いと判別する(ステップS1406)。
【0087】
実施形態2では、字幕PTSのパターンマッチングにより放送タイミング差の解析を行った。実施形態1で説明した放送タイミング差の解析方法では、字幕本文が1セグ放送と12セグ放送で同じとなる字幕PESデータのPTSを比較することで、提示時刻差を解析する。そのため、字幕PESデータをデコードして字幕本文のデータを取得していたが、実施形態2では、字幕PESデータのデコードは必要なく、PESヘッダに含まれたPTSを用いることで提示時刻差を解析することができる。
【0088】
本実施形態においても、実施形態1に記載の基準時刻差の解析方法を用いることができ、同様の方法により解析した基準時刻差と、本実施形態で説明した提示時刻差の解析方法を用いて求めた提示時刻差を用い、それぞれ総計することにより、1セグ放送との12セグ放送の放送タイミング差を解析することができる。
【0089】
そして、解析した放送タイミング差を用いることで、1セグ放送と12セグ放送のずれを抑えた放送切換が行える。この切換方法については、実施形態1において、放送切換部412の動作例として説明した方法を、実施形態2の放送切換部1112で同様に適用することで実現することができる。
【0090】
なお、上記各実施形態では、CPUが実行するプログラムは、予めROMに格納されているものとして説明した。このプログラムは、外部記憶媒体や通信網を介して所定の記憶領域などに格納されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0091】
1…映像エンコード部、2…音声エンコード部、3…字幕エンコード部、4…TSエンコード部、10…送信機、21…PESデータ、22…PTS、23…PESヘッダ、24…PESパケット、25…TSデータ、26…TSヘッダ、27…PCR、30…受信機、301…受信部、302…TSデコード部、303…バッファ制御部、304…映像バッファ、305…音声バッファ、306…字幕バッファ、307…タイミング制御部、308…映像デコード部、309…音声デコード部、310…字幕デコード部、311…STC、40…放送受信機、401…受信部、402…1セグ用TSデコード部、403…12セグ用TSデコード部、404…放送切換制御部、405…タイミング制御部、406…1セグ用映像デコード部、407…1セグ用音声デコード部、408…1セグ用字幕デコード部、409…12セグ用映像デコード部、410…12セグ用音声デコード部、411…12セグ用字幕デコード部、412…放送切換部、413…モニタ、51…1セグ映像バッファ、52…1セグ音声バッファ、53…1セグ字幕バッファ、54…12セグ映像バッファ、55…12セグ用音声バッファ、56…12セグ字幕バッファ、57…バッファ制御部、61…字幕データ解析部、62…受信状況解析部、63…切換判定部、110…放送受信機、1101…受信部、1102…1セグ用TSデコード部、1103…12セグ用TSデコード部、1104…放送切換制御部、1105…タイミング制御部、1106…1セグ用映像デコード部、1107…1セグ用音声デコード部、1108…1セグ用字幕デコード部、1109…12セグ用映像デコード部、1110…12セグ用音声デコード部、1111…12セグ用字幕デコード部、1112…放送切換部、1113…モニタ、1201…字幕データ解析部、1202…受信状況解析部、1203…切換判定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の受信サービスを切り換えて使用することができるデジタル放送受信機等のデジタルデータ受信機、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
日本の地上デジタル放送では、1つのチャンネルを13個のセグメントに分割して伝送している。13セグメントのうち、中心の1セグメントを使用した放送が「1セグ放送」、その他、12セグメントを使用した放送が「12セグ放送」と呼ばれており、日本の地上デジタル放送ではこれらの放送が運用されている。1セグ放送と12セグ放送の2種類の放送で、同一内容の番組の放送(以下、サイマル放送と称す)を実施する場合と、各放送で異なる番組の放送を実施する場合と、がある。
【0003】
1セグ放送は、高品質なデータの伝送はできないが受信安定性が高く、例えば、移動体端末向けの放送として利用されている。一方、12セグ放送は、高品質なデータを伝送できるが受信安定性が低いため、例えば、固定端末向けの放送として利用されている。
【0004】
1セグ放送と12セグ放送とでは、それぞれの信号階層毎に異なる符号化処理が施された上で、放送毎に多重化されアンテナから送信されるため、放送間で数ミリ秒から数秒程度の放送信号の放送タイミング差が発生する。そのため、1セグ放送と12セグ放送とで同じ内容の番組を提供するサイマル放送の同じシーンであっても、1セグ放送と12セグ放送とでは数ミリ秒から数秒程度の視聴するタイミングに時間差が生じることになる。
【0005】
1セグ放送と12セグ放送の各放送間に生じる数ミリ秒から数秒程度の放送信号の時間差(以下、放送タイミング差と称す)を抑制し、相互に放送を切り換えながら視聴する(以下、切換視聴と称す)ことが可能なデジタル放送受信機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
特許文献1に記載のデジタル放送受信機では、相互に放送を切り換える際に、1セグ放送と12セグ放送のそれぞれ映像シーンが切り換わる時刻を測定する。また、測定した各時刻を比較することで放送タイミング差を解析する。そして、1セグ放送、もしくは、12セグ放送のうち、放送タイミングが早い方に視聴を切り換えるときに放送タイミング差に相当する時間遅らせることで、映像のずれを抑制した切換視聴を行う。
【0007】
また、1セグ放送と12セグ放送とが同一の番組であるかを判定することで、各放送の番組が同一であるか(サイマル放送であるか)否かを調べるサイマル放送の判定(以下、サイマル判定と称す)について、実現方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
特許文献2に記載のサイマル判定では、1セグ放送と12セグ放送との音声データを比較し、その相関性を解析する。そして、相関が高い場合はサイマル放送であると判定し、相関が低い場合は非サイマル放送であると判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−92100号公報
【特許文献2】特開2007−295470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
1セグ放送と12セグ放送との放送タイミング差を抑えながらサイマル放送をシームレスに切り換えるため、前記特許文献1と特許文献2とにおいては、映像データや音声データを比較することにより放送タイミング差の解析を行っていた。1セグ放送、または、12セグ放送で放送されるデータは主に映像や音声であるため、これらのデータを受信しているときに放送タイミング差を解析することができる。
【0011】
しかしながら、1セグ放送と12セグ放送との各放送データの中から、同じシーンの映像データや音声データを探索する場合、映像では、解像度やコントラストの比較演算を行う。一方、音声では、音程やテンポなどの比較演算が必要となる。これらの比較演算は機器動作上の大きな負荷を要することが懸念される。
【0012】
本発明は、上記実情を鑑みてなされたもので、1セグ放送と12セグ放送とのサイマル放送か否かを好適に判別し、かつ、サイマル放送である場合には、1セグ放送と12セグ放送とのずれを低減した切換が可能なデジタルデータ受信機、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るデジタルデータ受信機は、
放送波から第1の放送データと第2の放送データとを受信する放送受信手段と、
前記放送受信手段が受信した前記第1の放送データ及び前記第2の放送データから、それぞれの放送データに対応する字幕データを抽出する字幕データ抽出手段と、
前記字幕データ抽出手段が抽出した前記第1の放送データに対応する第1の字幕データと、前記第2の放送データに対応する第2の字幕データと、を比較することにより、前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定する字幕データ解析手段と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
前記字幕データ解析手段は、前記第1の字幕データと前記第2の字幕データとに含まれるテキストデータを用いて同一のシーンを検索し、検索したシーンの各字幕データを提示する時刻を比較することにより、前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定するようにしてもよい。
【0015】
前記字幕データ解析手段は、前記第1の字幕データと前記第2の字幕データとに含まれるテキストデータにおいて、同じ文字を含む割合を算出することで同一のシーンであるか否かを判別するようにしてもよい。
【0016】
前記字幕データ解析手段は、前記第1の字幕データを提示する時間間隔のパターンと、前記第2の字幕データを提示する時間間隔のパターンと、が互いに類似している類似パターン部分を検索し、当該類似パターン部分の時間差を算出することにより、前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定するようにしてもよい。
【0017】
前記字幕データ解析手段は、前記放送受信手段が受信する番組が変わったときに前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定するようにしてもよい。
【0018】
前記第1の放送データをデコードする第1のデコード手段と、
前記第2の放送データをデコードする第2のデコード手段と、
前記各々の放送データのデコード開始のタイミングを制御するタイミング制御手段と、
前記第1の放送データと前記第2の放送データとがサイマル放送の放送データであるか否かを判別するサイマル放送判別手段と、をさらに備え、
前記タイミング制御手段は、前記第1の放送データと前記第2の放送データとが前記サイマル放送の放送データであると判別された場合、前記字幕データ解析手段が測定した前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差に基づいて前記各々の放送データのデコード開始タイミングを制御するようにしてもよい。
【0019】
前記タイミング制御手段は、前記第1の放送データと前記第2の放送データとのうち、受信タイミングが早い方の放送データを前記時間差に相当するデータ量をバッファに蓄積してデコード開始のタイミングを遅らせるようにしてもよい。
【0020】
前記サイマル放送判別手段は、前記字幕データ抽出手段が抽出した前記第1の放送データに対応する第1の字幕データと、前記第2の放送データに対応する第2の字幕データと、を比較することにより、サイマル放送の放送データであるか否かを判別するようにしてもよい。
【0021】
前記字幕データ抽出手段により前記字幕データを抽出できないときに、前記第1の放送データ及び前記第2の放送データに含まれる映像データまたは音声データに基づいて、前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定する時間差測定手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0022】
本発明の第2の観点に係るプログラムは、
放送波から第1の放送データと第2の放送データとを受信する放送受信手段、
前記放送受信手段が受信した前記第1の放送データ及び前記第2の放送データから、それぞれの放送データに対応する字幕データを抽出する字幕データ抽出手段、
前記字幕データ抽出手段が抽出した前記第1の放送データに対応する第1の字幕データと、前記第2の放送データに対応する第2の字幕データと、を比較することにより、前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定する字幕データ解析手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、1セグ放送と12セグ放送との放送タイミングの時間差を抑制したスムーズな切換視聴を実現することができる。また、機器動作の負荷を軽減し、消費電力を抑えて切換視聴をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】映像、音声、字幕などの放送データを作成する送信機のシステムの概要を示す図である。
【図2】放送データの構造を説明する概略図である。
【図3】TSデータを受信して映像、音声、字幕を同期再生する受信機のシステム概要を示す図である。
【図4】実施形態1の放送受信機の機能ブロック図である。
【図5】タイミング制御部の機能ブロック図である。
【図6】放送切換制御部の機能ブロック図である。
【図7】放送タイミング差解析処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】放送切換処理の動作を示すフローチャートである。
【図9】放送切換部の動作例として、放送受信機が1セグ放送を受信している状態から、12セグ放送に放送を切り換えるまでの流れを示すフローチャートである。
【図10】タイミング制御部のバッファからデコード部へのデータの流れを示す図である。
【図11】実施形態2の放送受信機の機能ブロック図である。
【図12】放送切換制御部のブロック図である。
【図13】12セグ放送と1セグ放送の字幕PESデータを同じ時間分保存し、PTSが示す時間情報に沿って時刻上にマッピングしたタイミングチャートである。
【図14】図13に示した字幕PTSのマッピングデータを用いてPTSのパターンマッチングを行うタイミング差解析処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明における放送受信機について、図面を用いて説明する。まずは、放送規格において一般的に実用化されている、映像、音声、字幕などの放送データを受信機で同期再生させる仕組みについて、図1から図3を用いて以下に説明する。
【0026】
図1は、映像、音声、字幕などの放送データを作成する送信機10のシステムの概要を示している。そして、図2は、送信機10が送信する放送データの構造の概要を示している。
【0027】
図1に示すように、送信機10は、映像エンコード部1、音声エンコード部2、字幕エンコード部3、TSエンコード部4、STC(System Time Clock)5、を備える。
【0028】
送信機10が放送データを送信するとき、まず、放送に対応する映像、音声、字幕の各データをそれぞれ映像エンコード部1、音声エンコード部2、字幕エンコード部3でエンコードし、PES(Packetized Elementary Stream)データ21を作成する。各エンコード部1〜3では、PESデータ21を作成する際に、PTS(Presentation Time Stamp)22という映像、音声、字幕データの再生時刻を示す時間情報をPESヘッダ23に記述する。そして、PESヘッダ23とPESデータ21をPESパケット24という一つの可変長パケットにまとめる(図2参照)。
【0029】
PTS22は、各エンコード部1〜3がエンコードを行う際に、STC5から送信機10自らの動作上の基準時刻情報を取得し、その基準時刻に基づいて作成される。同じPTS22が記述されている映像、音声、字幕の各PESデータ21は、同一のシーンのデータに該当する。
【0030】
最後に、TSエンコーダ部4が、PESパケット24をTS(Transport Stream)データ25に多重化した形で放送データとして送信する。
【0031】
TSデータ25を作成する際には、TSデータ25のヘッダ部分であるTSヘッダ26にPCR(Program Clock Reference)27という送信側の時計のリファレンス値を含め多重化する(図2参照)。このようにすることより、TSデータ25を受けた受信機側では、PCR27を参照し、自らのSTCと送信機側のSTCとを同期させることができる。
【0032】
次に、放送データを受ける受信機側の動作について説明する。図3は、TSデータ25を受信して映像、音声、字幕を同期再生する一般的な受信機30のシステム概要を示している。受信機30は、受信部301、TSデコード部302、タイミング制御部307、映像デコード部308、音声デコード部309、字幕デコード部310、STC311、を備える。タイミング制御部307は、バッファ制御部303、映像バッファ304、音声バッファ305、字幕バッファ306、を備える。
【0033】
受信部301は、アンテナを介して受信した放送信号をTSデータ25に復調し、TSデコード部302に出力する。TSデコード部302は、受信したTSデータ25を多重分離し、動画、音声、字幕の各PESデータ21をそれぞれ映像バッファ304、音声バッファ305、字幕バッファ306に一時的に保存する。さらに、TSデコード部302は、受信したTSデータ25からPCR27を分離して、それを用いて受信機30側の基準クロックであるSTC311を送信機10側のSTC5に同期させる。各PESデータ21には、先述のとおり再生時刻を示すPTS22がヘッダに含まれている。
【0034】
バッファ制御部303は、各バッファ304〜306から各デコード部308〜310に各PESデータ21を送るタイミングを制御する。バッファ制御部303は、STC311の時刻情報がPTS22のタイミングになると、各バッファ304〜306から各デコード部308〜310に各PESデータ21を送り、各デコード部308〜310では、映像、音声、字幕のシーンを同期させてデコードを行う。最後に、デコードを行った映像、音声、字幕の各データを、モニタやスピーカーなどの出力機器に表示、再生することで、ユーザが視聴できるようになる。
【0035】
PESパケット24には、提示情報であるPTS22に加え、デコード開始時刻を示すDTS(Decoding Time Stamp)が含まれている場合がある。DTSがPESデータ21に記述されている場合は、その時刻とSTC311を参照してデコード開始のタイミングを決めることもできる。
【0036】
受信機30側では、映像や音声などのデータ量の変動により、データごとのバッファへ一時保存する際、また、バッファからデータの読み出しを行う際にそれぞれ遅延が発生する。これらの遅延を補うために、各データがバッファに一時保存されてから、バッファから読み出しされるまでに発生する遅延時間のうち、最も大きな遅延時間を共通の遅延時間(以下、共通遅延時間と称す)を設ける。そして、PTS22やDTSの時刻から、更に共通遅延時間の分遅くしたタイミングでデコードを行うことで、動画、音声、字幕などのデータをそれぞれ同じように遅延させながら再生を行うことができる。
【0037】
送信側のSTC5は、放送局ごとに設定されているため、放送局ごとに放送時刻が異なる場合がある。また、同じ放送局でも、1セグ放送と12セグ放送とでサイマル放送を行う場合には、1セグ放送と12セグ放送の各データを作成する際に、異なる送信機が使用される。これにより、各々の放送でSTC5も異なる時刻となり、放送タイミング差が生じることがある。
【0038】
(実施形態1)
続いて、本発明の実施形態1における放送受信機について図4〜図10を参照しながら説明する。図4は、本発明における放送受信機40の概要を示すブロック図である。放送受信機40は、受信部401、1セグ用TSデコード部402、12セグ用TSデコード部403、放送切換制御部404、タイミング制御部405、1セグ用映像デコード部406、1セグ用音声デコード部407、1セグ用字幕デコード部408、12セグ用映像デコード部409、12セグ用音声デコード部410、12セグ用字幕デコード部411、放送切換部412、モニタ413、を備える。
【0039】
受信部401は、アンテナを介して受信した放送信号をTSデータに復調する。そして、受信部401は、1セグ放送のTSデータを1セグ用TSデコード部402に出力する。また、受信部401は、12セグ放送のTSデータを12セグ用TSデコード部403に出力する。受信部401は、放送データの受信レベルを示すCNR(Carrier to Noise Ratio)、BER(Bit Error Rate)といった放送受信レベル情報を放送切換制御部404に出力する。
【0040】
1セグ用TSデコード部402は、1セグ放送のTSデータを多重分離し、動画、音声、字幕のPESデータをタイミング制御部405に出力する。同様に、12セグ用TSデコード部403は、12セグ放送のTSデータを多重分離し、タイミング制御部405に各PESデータを出力する。
【0041】
放送切換制御部404は、受信部401から受け取った放送受信レベル情報を監視して、1セグ放送と12セグ放送とのうち、再生する放送を選択する。そして、放送切換制御部404は、選択した放送の情報を切換情報として放送切換部412に出力する。また、放送切換制御部404は、前述の1セグ放送と12セグ放送の放送タイミング差を解析する。
【0042】
図5を用いて、タイミング制御部405の構成を説明する。タイミング制御部405は、1セグ映像バッファ51、1セグ音声バッファ52、1セグ字幕バッファ53と、12セグ映像バッファ54、12セグ音声バッファ55、12セグ字幕バッファ56、バッファ制御部57、を備える。
【0043】
タイミング制御部405では、1セグ放送のTSデータを1セグ用TSデコード部402で多重分離して作成された映像、音声、字幕の各PESデータをそれぞれのバッファ51、52、53に蓄積する。
【0044】
また、タイミング制御部405では、12セグ放送のTSデータを12セグ用TSデコード部403で多重分離し、その結果作成された12放送の映像、音声、字幕の各PESデータをそれぞれのバッファ54、55、56に蓄積する。バッファ制御部57は、各バッファに蓄積されたPESデータをデコードするために、各バッファ部51〜56からの各デコード部406〜411に対するPESデータの出力タイミングを制御する。
【0045】
バッファ制御部57は、放送切換制御部404が解析した1セグ放送と12セグ放送との放送タイミング差の情報を受ける。そして、バッファ制御部57は、各放送間を切り換える際に、放送タイミング差を抑えるため、各放送のうち、放送タイミングが早い方のデコード開始タイミングを、放送タイミング差に相当する時間分、PTSが示す本来の時間よりも遅延させる。
【0046】
映像、音声、字幕の各デコード部406〜411は、各種PESデータをデコードし、放送切換部412に出力する。
【0047】
放送切換部412は、各デコード部406〜411からデコードされた映像、音声、字幕などのデータを受けて、モニタ413に対して各データを表示、再生を行う。放送切換部412は、1セグ放送と12セグ放送との間で、表示再生する放送を切り換える機能を備えており、放送切換制御部404で、選択した切換情報を基に、1セグ放送と12セグ放送とを切り換えてモニタ413に出力する。
【0048】
モニタ413は、映像表示や音声出力機能を備えており、放送切換部412から映像、音声、字幕などの各種データを受けて、表示再生を行う。
【0049】
放送切換制御部404、バッファ制御部57は、各制御部の機能を実現するためのプログラムを格納するROM(Read Only Memory)や、そのプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)や、CPUのワークエリアとなるRAM(Random Access Memory)などから構成される。
【0050】
放送切換制御部404における放送タイミング差の解析方法について、図6及び図7を用いて説明する。図6は、放送切換制御部404の機能ブロックを示している。放送切換制御部404は、字幕データ解析部61、受信状況解析部62、切換判定部63、を備える。放送タイミング差の解析は、字幕データ解析部61にて行う。
【0051】
図7は、放送受信機40が1セグ放送と12セグ放送の各放送データを受信してから字幕データ解析部61において、放送タイミング差を解析するまでのタイミング差解析処理の動作を示すフローチャートである。字幕データ解析部61は、動作システムの基準時刻である前述のSTCを備えている。しかしながら、送信機側の1セグ放送と12セグ放送のSTCがそれぞれ異なる可能性があるため、まずは、字幕データ解析部61は、1セグ放送と12セグ放送のそれぞれのSTCを比較し、基準時刻のタイミング差(以下、基準時間差と称す)を求める(ステップS701)。
【0052】
次に、1セグ放送、及び12セグ放送の各PESデータに含まれるPTSを比較することで、各データをデコードしてモニタ413に提示する時刻の差(以下、提示時刻差と称す)を求める。このとき、同じシーンのPESデータに対応したPTSの比較が必要となる。そこで本発明では、映像及び音声データの代わりに字幕のPESデータ(以下、字幕PESデータと称す)を用いる。このようにすることで、映像や音声を用いた方法より、低い処理負荷で同一となるシーンのPESデータの探索を行うことができる。字幕PESデータは、前述のモニタ413への提示時刻を表すPTSに加え、提示する位置、文字の色、文字サイズなどの提示制御情報と、提示する字幕の本文を示すテキストデータ(以下、字幕本文データと称す)で構成される。
【0053】
同一シーンの字幕PESデータを探索する方法を以下に説明する。字幕データ解析部61は、12セグ用字幕デコード部411から、デコードされた特定の1シーンに相当する字幕本文データである字幕本文データC1を取り出す(ステップS702)。次に、字幕データ解析部61は、1セグ用字幕デコード部408から、12セグ放送と同様に、特定の1シーン分に該当するデコード済みの字幕本文データC2を取り出す(ステップS703)。
【0054】
そして、字幕データ解析部61は、字幕本文データC1とC2を比較し、互いに同一シーンの字幕本文データであるか否かを判別する(ステップS704)。同一シーンの字幕本文データであるか否かの判別方法は、例えば、字幕本文データC1とC2のそれぞれ先頭文字から順に最後まで比較することで実現可能である。しかしながら、放送規格上、一部、1セグ放送と12セグ放送の字幕に使用可能な文字セットが異なっており、12セグ放送の字幕だけ使用可能な文字がある。そのため、全ての文字が同じにはならなくても、互いの本文中に同じ文字が一定の割合で含まれていれば、同一の文と判断して同じシーンのPESと判別するようにしても良い。
【0055】
字幕本文データC1とC2が同一シーンの字幕本文データでない場合(ステップS704;No)、字幕データ解析部61は、比較した1セグ放送用の字幕データの次に受信している字幕データを1セグ用字幕デコード部408から取得して、再度、同一シーンの字幕本文データであるか否かを判別して、同一シーンの字幕本文データが見つかるまでこれを繰り返す(ステップS703〜S705)。
【0056】
ここで、比較する各字幕データを受信したタイミングが、想定される12セグ放送と1セグ放送の放送タイミング差である数秒よりはるかに離れているデータは、サイマル放送ではないと判別し、タイミング差解析処理を中断しても良い。
【0057】
字幕本文データC1とC2が同一の字幕PESデータが見つかった場合(ステップS704;Yes)、字幕データ解析部61は、各字幕PESパケットのPESヘッダに記述されているPTSを比較して、提示時刻差を解析する(ステップS706)。
【0058】
その後、字幕データ解析部61は、解析した基準時刻差と提示時刻差を総計して、12セグ放送と1セグ放送の番組がサイマル放送であるか否かを判別し、各放送間の放送タイミング差を解析する(ステップS707)。字幕データ解析部61は、解析した放送タイミング差の情報は、放送切換部412に通知する。
【0059】
本実施形態では、12セグ放送の特定の字幕本文データと同一の1セグ放送の字幕本文データを探索しているが、その反対に、1セグ放送の特定の字幕本文データと同一の12セグ放送の字幕本文データを探索するようにしても良い。
【0060】
1セグ放送と12セグ放送の放送データに同一の字幕本文データが見つからない場合は、第1と第2の番組が、同一の番組では無い、つまりは、サイマル放送では無いと判別することができる。この結果が得られた場合は、以降に説明する1セグ放送と12セグ放送の受信切換は実施しない。
【0061】
次に、前記字幕データ解析部61にて解析した放送タイミング差を用いて、1セグ放送と12セグ放送の相互の放送切換時に時間差を補正する方法について説明する。
【0062】
図6に示す放送切換制御部404の機能ブロックの中で、受信状況解析部62が1セグ放送と12セグ放送の各受信レベルを解析し、切換判定部63が、放送切換部412に対して、切換の指示を行う。
【0063】
図8は、1セグ放送と12セグ放送の受信レベルに応じた放送切換を行う放送切換処理の動作を示すフローチャートである。まず、受信状況解析部62は、受信部401から1セグ放送と12セグ放送それぞれのCNRとBERを取得する(ステップS801)。このとき、CNRやBERの値から12セグ放送の受信が良好と判断できる場合(ステップS802;Yes)、受信状況解析部62は、12セグ放送の視聴を選択する(ステップS803)。
【0064】
一方、12セグ放送の受信レベルが低く、1セグ放送のみ受信良好な場合(ステップS802;No)、受信状況解析部62は、1セグ放送の視聴を選択する(ステップS804)。12セグ放送と1セグ放送のいずれも受信状況が良くない場合は、共に視聴することができないため、いずれの放送も選択しない。または、この場合、受信安定性が高い1セグ放送を選択している状態にしておき、逐次、受信状況を監視して受信状況が良好になる時を監視するようにしてもよい。
【0065】
切換判定部63は、受信状況解析部62の放送選択結果を受け、放送切換部412に切換の指示をする。
【0066】
図9は、放送切換部412の動作例として、放送受信機が1セグ放送を受信している状態から、12セグ放送に放送を切り換えるまでの流れを示すフローチャートである。放送受信機40は、受信部401で1セグ放送を受信し、PTSに従い受信データをデコードしてモニタ413に出力する(ステップS901)。続いて、放送受信機40は、受信部401で12セグ放送の受信を開始し、受信状況を監視して、1セグ放送と12セグ放送の放送タイミング差の解析をすると同時に、サイマル放送か否かを判別する(ステップS902)。
【0067】
放送タイミング差の解析が完了すると、放送受信機40は、前記解析した放送タイミング差分、タイミングを遅らせながら、12セグ放送の放送データをバッファから映像、音声、字幕の各デコード部409〜411に送信する(ステップS903)。放送切換制御部404は、12セグ放送に放送を切り換えるタイミングを監視し、切換タイミングになると放送切換部412に対して放送切換を指示する(ステップS904)。放送切換部412は、指示された切換タイミングに従って、モニタ413に出力している1セグ放送のデータを、12セグ放送のデータに切り換える(ステップS905)。
【0068】
以上の手順により、前述の放送タイミング差の解析によって得られた放送タイミング差を用いて、12セグ放送のデコード開始を遅らせることで、放送タイミング差を抑制しつつ、1セグ放送の視聴状態から、12セグ放送の視聴を開始することができる。
【0069】
図10は、タイミング制御部405の各バッファ51〜56から各デコード部406〜411へのデータの流れを示している。タイミング制御部405では、デコード前に各PESデータを各バッファ51〜56に保存しておき、放送タイミング差の分だけ12セグ放送のデータのデコード開始時間を遅らせている。
【0070】
本実施形態では、放送タイミング差を補正するための各バッファ51〜56をタイミング制御部405に設けていたが、1セグ放送、12セグ放送の各データをデコードした後に、タイミング調整用のバッファを用意しても良い。1セグ放送と12セグ放送のデータのデコード時間に大きな差があり、そのデコードの時間差が、最終的にモニタに各データを出力するタイミングにずれを与える場合は、予めデコードを行った映像、音声、字幕等の出力データをバッファに蓄積しておき、出力機器に表示、再生を行う際に、前述の放送タイミング差に基づき出力するタイミングを制御することによって、放送タイミング差を抑えた表示、再生ができるようになる。
【0071】
前記放送タイミング差は、放送局の違いや、生放送か録画かといった番組の放送形態により、異なる可能性がある。そのため、受信機側で受信する放送や、視聴している番組に変更が生じたときには、新たに放送タイミング差を調べなおすことで、変更後もスムーズな放送切換ができるようにすればよい。番組の変更は、ストリームと同様、放送データとして送信される番組情報データであるEIT(Event Information Table)から、番組のタイトルなどを取得し、随時チェックすることで、変更の有無を確認する。
【0072】
ただし、解析した放送タイミング差のデータは、一定期間保存しておき、既に放送タイミング差が解析されているチャンネルや番組を視聴しなおす場合は、保存しておいた放送タイミング差のデータを用いることで、再度調べる処理を省くことができる。具体的には、放送タイミング差を解析した時間、解析対象とした番組のチャンネル番号、番組タイトル名、放送タイミング差のデータを1つのデータセットとして保存すればよい。
【0073】
放送タイミング差を解析する番組が、字幕放送に対応していないときに限り、映像や音声のデータを代用して該タイミング差の解析を行う。例えば、映像データを用いる場合は、1セグ放送と12セグ放送の各映像データから輝度ヒストグラムや色ヒストグラムを算出して比較することで、同一シーンの映像データか判別することができる。
【0074】
字幕放送の対応状況を判別する方法は、ある一定時間の放送データの中に字幕データが含まれているか、または、番組の情報を含むEIT(Event Information Table)データのタイトルや番組詳細説明などの項目に、字幕対応か否かの情報が含まれているため、その情報を確認することで字幕対応状況を判別することができる。
【0075】
(実施形態2)
次に、本発明における放送受信機の実施形態2について、図11から図14を用いて説明する。図11は、本実施形態における放送受信機110の機能ブロック構成を示している。放送受信機110は、受信部1101、1セグ用TSデコード部1102、12セグ用TSデコード部1103、放送切換制御部1104、タイミング制御部1105、1セグ用映像デコード部1106、1セグ用音声デコード部1107、1セグ用字幕デコード部1108、12セグ用映像デコード部1109、12セグ用音声デコード部1110、12セグ用字幕デコード部1111、放送切換部1112、モニタ1113を備える。
【0076】
受信部1101は、アンテナを介して受信した放送信号をTSデータに復調する。受信部1101は、1セグ放送のTSデコーダを1セグ用TSデコード部1102に出力する。受信部1101は、12セグ放送のTSデータを12セグ用TSデコード部1103に出力する。また、受信部1101は、前述の放送受信レベル情報を放送切換制御部1104に出力する。
【0077】
1セグ用TSデコード部1102は、1セグ放送のTSデータを多重分離し、動画、音声、字幕のPESデータをタイミング制御部1105に出力する。一方、12セグ用TSデコード部1103は、12セグ放送のTSデータを多重分離し、1セグ用TSデコーダ部1102と同様に、タイミング制御部1105に各PESデータを出力する。また、各TSデコード部1102、1103は、それぞれ一定期間の放送データに含まれる字幕データのPTSを、放送切換制御部1104に出力する。
【0078】
放送切換制御部1104は、受信部1101から受け取った放送受信レベル情報を監視して、1セグ放送と12セグ放送のうち、受信する放送の選択し、選択した放送の情報を切換情報として放送切換部1112に出力する。また、放送切換制御部1104では、1セグ放送と12セグ放送の放送タイミングの時間差を解析する。なお、他の構成は、実施形態1と同様である。
【0079】
図12は、本実施形態の放送切換制御部1104の機能ブロックを示している。放送切換制御部1104は、字幕データ解析部1201、受信状況解析部1202、切換判定部1203、を備える。前述の字幕PESデータのPTSは、字幕データ解析部1201で受信する。そして、字幕データ解析部1201は、放送タイミング差の解析を行う。
【0080】
字幕データ解析部1201における放送タイミング差の解析方法について説明する。実施形態2では、1セグ放送と12セグ放送の字幕PESデータに記述されたPTSを、同時にそれぞれ複数記録しておき、各PTSに記述されている時刻情報の間隔パターンが1セグ放送と12セグ放送とで類似している部分のマッチングを取り、PTSの時間差を示す提示時間差を解析することで、放送タイミング差を調べる方法を用いる。
【0081】
以下に、字幕PTS(字幕PESデータのPTS)のパターンマッチングによる解析方法を説明する。図13は、12セグ放送と1セグ放送の字幕PESデータを同じ時間分保存し、字幕PTSが示す時間情報に沿って時刻上にマッピングした例を示す。12セグ放送のPESに記載された字幕PTSを早いものから順にa1、a2、a3、…とし、同様に1セグ放送の字幕PTSを順にb1、b2、b3、…とする。また、各字幕PTSの間隔をΔa1(a1とa2の間隔)、Δa2(a2とa3の間隔)、…とする。
【0082】
図14は、図13に示した字幕PTSのマッピングデータを用いてPTSのパターンマッチングを行うタイミング差解析処理の動作を示すフローチャートである。まず、字幕データ解析部1201は、12セグ放送と1セグ放送の字幕PTSを、それぞれ特定の数(M個)保存する(ステップS1401)。上述したように、12セグ放送の字幕PTSをa1〜aM、1セグ放送の字幕PTSをb1〜bMとする。
【0083】
次に、字幕データ解析部1201は、各字幕PTSの間隔Δa1〜Δa(M−1)、Δb1〜Δb(M−1)を計算する(ステップS1402)。
【0084】
そして、字幕データ解析部1201は、計算した字幕PTSについて、1セグ放送と12セグ放送の間でパターンマッチングを取る(ステップS1403)。パターンマッチングの例としては、初めに1セグ放送の間隔データΔb1〜ΔbMの中で、Δa1と同じ値になるものを探し、同じ間隔データが見つかれば、マッチングが取れた各データの次の間隔データが同じになるか否かを判別する。このとき、同じ値と判別されれば、更に次の間隔データを比較して、同じになるか否かを判別する。もし、間隔が異なった場合は、Δa1と同じになるものを探し直し、繰り返し連続的にマッチングが取れる組み合わせを見つける。
【0085】
連続的に同じ値となる数が多いほど正確なマッチングを取ることができる。ただし、比較データが多くなり、計算にかかる時間と比較対象とするデータを多く保存する必要がある。前述のマッチングでは、12セグ放送と1セグ放送の字幕PTS間隔が同じ値になるか判定を行っているが、これらの間隔には、放送タイミング差で想定される数百ミリ秒〜数秒より小さい誤差が含まれるため、誤差を含めマッチングを判定する。
【0086】
パターンマッチングの結果、同じシーンが見つかった場合は(ステップS1404;Yes)、字幕データ解析部1201は、1セグ放送と12セグ放送でマッチングが取れたPTSの差を計算し、提示時刻差を求める(ステップS1405)。一方、パターンマッチングが成立せず、同じシーンが見つからなかった場合は(ステップS1404;No)、1セグ放送の番組が、12セグ放送のサイマル放送では無いと判別する(ステップS1406)。
【0087】
実施形態2では、字幕PTSのパターンマッチングにより放送タイミング差の解析を行った。実施形態1で説明した放送タイミング差の解析方法では、字幕本文が1セグ放送と12セグ放送で同じとなる字幕PESデータのPTSを比較することで、提示時刻差を解析する。そのため、字幕PESデータをデコードして字幕本文のデータを取得していたが、実施形態2では、字幕PESデータのデコードは必要なく、PESヘッダに含まれたPTSを用いることで提示時刻差を解析することができる。
【0088】
本実施形態においても、実施形態1に記載の基準時刻差の解析方法を用いることができ、同様の方法により解析した基準時刻差と、本実施形態で説明した提示時刻差の解析方法を用いて求めた提示時刻差を用い、それぞれ総計することにより、1セグ放送との12セグ放送の放送タイミング差を解析することができる。
【0089】
そして、解析した放送タイミング差を用いることで、1セグ放送と12セグ放送のずれを抑えた放送切換が行える。この切換方法については、実施形態1において、放送切換部412の動作例として説明した方法を、実施形態2の放送切換部1112で同様に適用することで実現することができる。
【0090】
なお、上記各実施形態では、CPUが実行するプログラムは、予めROMに格納されているものとして説明した。このプログラムは、外部記憶媒体や通信網を介して所定の記憶領域などに格納されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0091】
1…映像エンコード部、2…音声エンコード部、3…字幕エンコード部、4…TSエンコード部、10…送信機、21…PESデータ、22…PTS、23…PESヘッダ、24…PESパケット、25…TSデータ、26…TSヘッダ、27…PCR、30…受信機、301…受信部、302…TSデコード部、303…バッファ制御部、304…映像バッファ、305…音声バッファ、306…字幕バッファ、307…タイミング制御部、308…映像デコード部、309…音声デコード部、310…字幕デコード部、311…STC、40…放送受信機、401…受信部、402…1セグ用TSデコード部、403…12セグ用TSデコード部、404…放送切換制御部、405…タイミング制御部、406…1セグ用映像デコード部、407…1セグ用音声デコード部、408…1セグ用字幕デコード部、409…12セグ用映像デコード部、410…12セグ用音声デコード部、411…12セグ用字幕デコード部、412…放送切換部、413…モニタ、51…1セグ映像バッファ、52…1セグ音声バッファ、53…1セグ字幕バッファ、54…12セグ映像バッファ、55…12セグ用音声バッファ、56…12セグ字幕バッファ、57…バッファ制御部、61…字幕データ解析部、62…受信状況解析部、63…切換判定部、110…放送受信機、1101…受信部、1102…1セグ用TSデコード部、1103…12セグ用TSデコード部、1104…放送切換制御部、1105…タイミング制御部、1106…1セグ用映像デコード部、1107…1セグ用音声デコード部、1108…1セグ用字幕デコード部、1109…12セグ用映像デコード部、1110…12セグ用音声デコード部、1111…12セグ用字幕デコード部、1112…放送切換部、1113…モニタ、1201…字幕データ解析部、1202…受信状況解析部、1203…切換判定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送波から第1の放送データと第2の放送データとを受信する放送受信手段と、
前記放送受信手段が受信した前記第1の放送データ及び前記第2の放送データから、それぞれの放送データに対応する字幕データを抽出する字幕データ抽出手段と、
前記字幕データ抽出手段が抽出した前記第1の放送データに対応する第1の字幕データと、前記第2の放送データに対応する第2の字幕データと、を比較することにより、前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定する字幕データ解析手段と、
を備えることを特徴とするデジタルデータ受信機。
【請求項2】
前記字幕データ解析手段は、前記第1の字幕データと前記第2の字幕データとに含まれるテキストデータを用いて同一のシーンを検索し、検索したシーンの各字幕データを提示する時刻を比較することにより、前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定する
ことを特徴とする請求項1に記載のデジタルデータ受信機。
【請求項3】
前記字幕データ解析手段は、前記第1の字幕データと前記第2の字幕データとに含まれるテキストデータにおいて、同じ文字を含む割合を算出することで同一のシーンであるか否かを判別する
ことを特徴とする請求項2に記載のデジタルデータ受信機。
【請求項4】
前記字幕データ解析手段は、前記第1の字幕データを提示する時間間隔のパターンと、前記第2の字幕データを提示する時間間隔のパターンと、が互いに類似している類似パターン部分を検索し、当該類似パターン部分の時間差を算出することにより、前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定する
ことを特徴とする請求項1に記載のデジタルデータ受信機。
【請求項5】
前記字幕データ解析手段は、前記放送受信手段が受信する番組が変わったときに前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のデジタルデータ受信機。
【請求項6】
前記第1の放送データをデコードする第1のデコード手段と、
前記第2の放送データをデコードする第2のデコード手段と、
前記各々の放送データのデコード開始のタイミングを制御するタイミング制御手段と、
前記第1の放送データと前記第2の放送データとがサイマル放送の放送データであるか否かを判別するサイマル放送判別手段と、をさらに備え、
前記タイミング制御手段は、前記第1の放送データと前記第2の放送データとが前記サイマル放送の放送データであると判別された場合、前記字幕データ解析手段が測定した前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差に基づいて前記各々の放送データのデコード開始タイミングを制御する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のデジタルデータ受信機。
【請求項7】
前記タイミング制御手段は、前記第1の放送データと前記第2の放送データとのうち、受信タイミングが早い方の放送データを前記時間差に相当するデータ量をバッファに蓄積してデコード開始のタイミングを遅らせる
ことを特徴とする請求項6に記載のデジタルデータ受信機。
【請求項8】
前記サイマル放送判別手段は、前記字幕データ抽出手段が抽出した前記第1の放送データに対応する第1の字幕データと、前記第2の放送データに対応する第2の字幕データと、を比較することにより、サイマル放送の放送データであるか否かを判別する
ことを特徴とする請求項6または7に記載のデジタルデータ受信機。
【請求項9】
前記字幕データ抽出手段により前記字幕データを抽出できないときに、前記第1の放送データ及び前記第2の放送データに含まれる映像データまたは音声データに基づいて、前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定する時間差測定手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のデジタルデータ受信機。
【請求項10】
コンピュータを、
放送波から第1の放送データと第2の放送データとを受信する放送受信手段、
前記放送受信手段が受信した前記第1の放送データ及び前記第2の放送データから、それぞれの放送データに対応する字幕データを抽出する字幕データ抽出手段、
前記字幕データ抽出手段が抽出した前記第1の放送データに対応する第1の字幕データと、前記第2の放送データに対応する第2の字幕データと、を比較することにより、前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定する字幕データ解析手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
放送波から第1の放送データと第2の放送データとを受信する放送受信手段と、
前記放送受信手段が受信した前記第1の放送データ及び前記第2の放送データから、それぞれの放送データに対応する字幕データを抽出する字幕データ抽出手段と、
前記字幕データ抽出手段が抽出した前記第1の放送データに対応する第1の字幕データと、前記第2の放送データに対応する第2の字幕データと、を比較することにより、前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定する字幕データ解析手段と、
を備えることを特徴とするデジタルデータ受信機。
【請求項2】
前記字幕データ解析手段は、前記第1の字幕データと前記第2の字幕データとに含まれるテキストデータを用いて同一のシーンを検索し、検索したシーンの各字幕データを提示する時刻を比較することにより、前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定する
ことを特徴とする請求項1に記載のデジタルデータ受信機。
【請求項3】
前記字幕データ解析手段は、前記第1の字幕データと前記第2の字幕データとに含まれるテキストデータにおいて、同じ文字を含む割合を算出することで同一のシーンであるか否かを判別する
ことを特徴とする請求項2に記載のデジタルデータ受信機。
【請求項4】
前記字幕データ解析手段は、前記第1の字幕データを提示する時間間隔のパターンと、前記第2の字幕データを提示する時間間隔のパターンと、が互いに類似している類似パターン部分を検索し、当該類似パターン部分の時間差を算出することにより、前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定する
ことを特徴とする請求項1に記載のデジタルデータ受信機。
【請求項5】
前記字幕データ解析手段は、前記放送受信手段が受信する番組が変わったときに前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のデジタルデータ受信機。
【請求項6】
前記第1の放送データをデコードする第1のデコード手段と、
前記第2の放送データをデコードする第2のデコード手段と、
前記各々の放送データのデコード開始のタイミングを制御するタイミング制御手段と、
前記第1の放送データと前記第2の放送データとがサイマル放送の放送データであるか否かを判別するサイマル放送判別手段と、をさらに備え、
前記タイミング制御手段は、前記第1の放送データと前記第2の放送データとが前記サイマル放送の放送データであると判別された場合、前記字幕データ解析手段が測定した前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差に基づいて前記各々の放送データのデコード開始タイミングを制御する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のデジタルデータ受信機。
【請求項7】
前記タイミング制御手段は、前記第1の放送データと前記第2の放送データとのうち、受信タイミングが早い方の放送データを前記時間差に相当するデータ量をバッファに蓄積してデコード開始のタイミングを遅らせる
ことを特徴とする請求項6に記載のデジタルデータ受信機。
【請求項8】
前記サイマル放送判別手段は、前記字幕データ抽出手段が抽出した前記第1の放送データに対応する第1の字幕データと、前記第2の放送データに対応する第2の字幕データと、を比較することにより、サイマル放送の放送データであるか否かを判別する
ことを特徴とする請求項6または7に記載のデジタルデータ受信機。
【請求項9】
前記字幕データ抽出手段により前記字幕データを抽出できないときに、前記第1の放送データ及び前記第2の放送データに含まれる映像データまたは音声データに基づいて、前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定する時間差測定手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のデジタルデータ受信機。
【請求項10】
コンピュータを、
放送波から第1の放送データと第2の放送データとを受信する放送受信手段、
前記放送受信手段が受信した前記第1の放送データ及び前記第2の放送データから、それぞれの放送データに対応する字幕データを抽出する字幕データ抽出手段、
前記字幕データ抽出手段が抽出した前記第1の放送データに対応する第1の字幕データと、前記第2の放送データに対応する第2の字幕データと、を比較することにより、前記第1の放送データと前記第2の放送データとの時間差を測定する字幕データ解析手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−278790(P2010−278790A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−129715(P2009−129715)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
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