説明

デジタルビデオカメラ装置およびモード変更方法

【課題】 非テープ状の記録媒体を用いるデジタルビデオカメラ装置において、一定期間内を1つのファイルとして動画を記録可能とする方法およびそれを実現可能とする装置、を提供する。
【解決手段】 この発明によれば、非テープ状の記録媒体を用いるデジタルビデオカメラ装置1において、動画録画時に、動画ファイルを分割保存するか、1ファイルにまとめて保存するかを、RECボタン42の機能分担の変更により、ユーザが選択できる。また、1つの動画ファイルが分割して保存されている場合には、再生しようとする動画ファイルを容易に検索可能であり、目的のチャプター(分割サブファイル)からすばやく動画を再生できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば携帯可能な映像録画装置、特に容量の大きな非テープ状の記録媒体を用いるデジタルビデオカメラ装置およびモード変更方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリカード(半導体メモリ)や、記録容量のより大きなハードディスク装置等の、非テープ状の記録媒体に動画を記録するデジタル方式のビデオカメラが、既に広く普及している。
【0003】
非テープ状の記録媒体に動画を記録する方式のビデオカメラにおいては、テープ状記録媒体に動画を記録するデジタルビデオカメラに比較して、録画(REC)ボタンのオン/オフ毎に、1つのファイルができあがる点が大きな特徴である。
【0004】
このことは、再生時のファイルアクセスにおいて、高速の頭出し等が可能になる利点がある。
【0005】
なお、特許文献1には、光ディスクもしくはハードディスクに映像を録画する録画装置において、録画中に一時停止され、その後録画が再開された位置をチャプターの境界とする記録再生装置が開示されている。
【特許文献1】特開2004−364325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、非テープ状の記録媒体を用いるデジタルビデオカメラにおいては、録画(REC)ボタンのオン/オフ毎に1つのファイルができあがるため、一定期間内に撮影した動画であっても、録画(REC)ボタンをオン/オフした回数分のファイルに区分されてしまう。
【0007】
このことは、例えば一定期間内の撮影した動画を1つのファイルとして管理するためには、不向きである。
【0008】
なお、特許文献1においても、上述した問題点については、考慮されていない。
【0009】
この発明の目的は、上記問題点を解決するために、携帯可能な映像録画装置、特に容量の大きな非テープ状の記録媒体を用いるデジタルビデオカメラ装置において、一定期間内を1つのファイルとして動画を記録可能とする方法およびそれを実現可能とする装置を、提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、上記問題点に基づきなされたもので、対象物の動画の画像情報を光学的に取り込み、動画の電気信号に変換して出力する撮像装置と、前記撮像装置から出力される前記動画の電気信号を、デジタル信号に変換する画像処理回路と、非テープ状の記録媒体であって、前記画像処理回路においてデジタル信号に変換された動画データをファイル形式で保持するするデータ記録媒体と、前記データ記録媒体に記録すべき前記動画データを単一画像ファイルとして記録させるための信号を出力する第1の信号入力装置と、前記データ記録媒体に記録すべき前記動画データを、前記単一画像ファイル内で任意に与えられる区切り情報とともに記録させるための信号を出力する第2の信号入力装置と、を有することを特徴とするデジタルビデオカメラ装置、を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、動画録画時に、動画ファイルを分割保存するか、1ファイルにまとめて保存するかを選択でき、動画のファイル整理に役立つデジタルビデオカメラ装置が得られる。また、動画ファイルが分割保存されている場合においては、再生しようとする動画ファイルを容易に検索可能であり、目的のチャプターからすばやく動画を再生できる。これに伴って、携帯可能なデジタルビデオカメラにとって特に有益な消費電力の低減も可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態は、非テープ状の記録媒体、例えばメモリカード(半導体メモリ)および記録容量の大きなハードディスク装置を有するデジタルビデオカメラ装置を例に、説明する。
【0013】
図1に示すデジタルカメラ装置1においては、レンズ11から取り込まれた被写体像、すなわち動画(または静止画)は、例えばCCDセンサである撮像素子31の受光面に結像され、光の明暗に基づく電気信号であるアナログ信号に変換される。撮像素子(以下、CCDセンサと呼称する)31によりアナログ信号に変換された被写体像は、アナログ−デジタル(A/D)変換部101においてデジタル信号に変換され、信号処理部102に入力される。
【0014】
信号処理部102では、A/D変換部101において、被写体像がデジタル信号に変換された撮像画像データに、例えばガンマ補正、色信号分離あるいはホワイトバランス調整等の処理が施される。
【0015】
信号処理部102から出力された撮像画像データは、メモリコントローラ103を経由して画像表示処理部104に供給される。画像表示処理部104は、詳述しないが、例えばビデオインタフェース(Video I/F)部,OSD(On Screen Display)処理部およびビデオデコーダ(Video Decoder)部等を含み、表示出力のための画像信号すなわちビデオ信号を生成する。画像表示処理部104の出力は、例えばLCDパネルである表示装置21に、詳述しない液晶パネル駆動回路を介して、表示される。なお、画像表示処理部104の出力は、外部装置向けに、ビデオ出力(端)に出力されてもよい。
【0016】
信号処理部102からの撮像画像データは、記録時には、(メモリコントローラ103から)画像圧縮・伸長処理部(エンコーダ・デコーダ)105により圧縮されて、主制御装置(CPU)111による制御に従って所定の記録装置/記録媒体の記録領域に記録される。なお、画像圧縮・伸長処理部105においては、静止画は、例えばJPEG規格等の、動画(非静止画)は、MPEG規格等の、周知の圧縮方式により圧縮される。
【0017】
主制御装置(CPU)111には、記録メディアコントローラ121を介して、例えば1万枚程度の静止画像あるいは記録時の圧縮率(画質)により支配されるが最大で数時間程度の動画を保持可能な大きさの記録容量のハードディスク(図示せず)が組み込まれているハードディスク装置(以下、HDDと略称する)122が接続されている。
【0018】
主制御装置(CPU)111にはまた、記録メディアコントローラ121を経由して、取り出し可能な(脱着式の)記録媒体、例えば不揮発性の半導体メモリであるカード媒体Mとの間で画像データの受け渡しを可能とするメモリカードスロット123が接続されている。なお、カード媒体Mとしては、例えばSDカード(登録商標)やmini−SD(登録商標)と呼ばれる半導体メモリや類似した規格/記録方式のさまざまな媒体が利用可能である。
【0019】
主制御装置(CPU)111にはさらに、音声入出力処理部131が接続され、CCD31により撮像された画像に対応する音声や音(非音声)である画像データ以外のデータもデジタル信号として処理可能である。なお、撮像画像と同時に(あるいは詳述しないが編集時に付加されて)取り込まれた音声/非音声は、例えばWAV,AC−3あるいは、リニアPCM等に代表される周知の記録方式により、画像データと関連付けられて所定の記録領域に保持される。
【0020】
画像の再生時、すなわちHDD122に内装されているハードディスクあるいはカード媒体Mに保持されている画像データを表示する際には、HDD122内またはカード媒体Mから読み出された画像データが画像圧縮・伸長処理部105において伸長され、メモリコントローラ103を通じて、画像表示処理部104に供給され、例えば表示装置21に表示される。
【0021】
なお、HDD122内もしくはカード媒体Mに記録されている画像データを再生する際には、縮小された画像を複数表示することにより検索性(操作性)を向上させた周知の、サムネイル表示等が可能である。
【0022】
また、再生および録画のそれぞれの機能を組み合わせた機能として、周知の編集や再生順序の入れ替え等も可能である。
【0023】
サムネイル画像の作成や編集モードにおける編集、画像ファイルの順番の入れ替え等においては、詳述しないが、メモリコントローラ103に接続されたメインメモリ(メモリ回路例えばSDRAM)106あるいはバッファ(ワーク)メモリ107とメモリコントローラ103との間で画像データが転送され、例えば縮小画像が作成される。
【0024】
なお、バッファメモリ107は、少なくとも1画面分の画像データを一時的に保持することができる。また、バッファメモリ107は、例えばHDD122に記録されている画像データの一部または全部をカード媒体(メモリカード)Mへ複製あるいは転送する際の転送速度の整合等にも利用される。また、バッファメモリ107に保存されている画像データ、すなわち作成された縮小画像あるいは、編集中の画像等は、画像表示処理部104を介して、表示装置21に表示されるので、逐次、モニタ可能である(画像編集時の状態を確認できる)。
【0025】
カメラ装置1はまた、編集時または撮影時には、音声入出力処理部131に接続されたマイク132あるいはオーディオ入力端(Audio In)により、音声/オーディオデータを取り込むことができる。音声/オーディオデータは、撮影された画像データすなわち画像ファイルと関連付けられ、HDD122内またはカード媒体Mの領域に記録される。
【0026】
画像ファイルと関連付けられて記録されている音声/オーディオデータは、画像(動画および静止画)の再生時においては、撮像した画像データに関連付けられて読み出され、音声/オーディオ出力として、スピーカ133またはオーディオ出力端(Audio Out)に出力される。もちろん、スピーカ133から出力される音声/オーディオは、消音(出力レベルを「0」と)することも可能である。
【0027】
なお、カメラ装置1の装置本体(ボディ)には、図2(a)および図2(b)に、その外観を示すが、上述した表示装置21に加えて、動作モードの選択、再生/編集時の画像およびモードの選択あるいは記録(録画)の開始(オン)/停止(オフ)等に代表される制御信号を、ユーザによる操作に対応させて主制御部111に指示(入力)可能な操作部41が設けられている。
【0028】
操作部41には、例えば録画時の録画開始および停止を指示する制御信号を入力可能なREC(録画)ボタン42、録画時あるいは再生時において、録画/再生/編集時の動作モードの選択や、編集時のモードの選択等への移行に用いられるMENU(メニュー)画面を表示するための制御コマンドの入力に利用されるMENUボタン43、再生/編集時の画像の選択や編集時のモードの選択等に利用されるジョグダイアル44、ジョグダイアル44により選択可能に規定されたモードあるいは表示切替等に対して、そのモードあるいは表示切替を確定するための制御信号を入力可能なOK(決定)ボタン45、およびレンズ11により取り込まれる画像の倍率を連続的に切り換えるための制御信号を入力可能なズームキー46等が設けられている。
【0029】
ジョグダイアル44とOKボタン45により、多くの画像やタイトルの選択やさまざまなモードの設定がストレスなく処理可能である(多くの画像やタイトルを連続してサーチして特定する際に、ジョグダイアル44のような操作性の高いスイッチが有益である)。また、ジョグダイアル44により入力される内容(ユーザによる操作)、あるいはカメラ装置1の動作状態、もしくはMENUボタン43によるMENU画面の表示等は、主制御部すなわちCPU111、メモリ回路106、画像表示処理部104(および図示しないがビデオインタフェースおよびOSD処理部)等を介して合成され、LCD(表示装置)21に、表示される。CPU111は、その情報(OKボタン45のオン)に基づいて、例えばジョグダイアル44により選択されている画像やタイトルあるいはモードを確定し、再生あるいはモードの設定等の処理を実行する。
【0030】
また、多くの場合、OKボタン45によりCPU111に入力される信号は、ボタンが押された情報(オン信号)であるが、その回数(通常は「1」)および現在の動作状態に基づくCPU111の判定により、例えば図示しないメインスイッチにより主電源がオンされた状態である待機状態において、OKボタン45がオンされることで録画(動画の撮影)が開始され、もう一度OKボタン45がオンされることで、録画(撮影)が中止される。
【0031】
OKボタン45はまた、例えば表示装置21にMENU画面が表示されている状態で、ジョグダイアル44の操作により反転表示されているアイコンまたは表示バー等のGUI(Graphical User Interface)により規定される動作あるいはモードを確定するための決定信号の入力にも利用される。ジョグダイアル44は、CPU111に、その回転角と回転スピードの情報を与える。CPU111は、それらの情報から、次の画像あるいはGUIを表示するスピード等を制御することが可能である。
【0032】
なお、OKボタン45は、例えばジョグダイアル44の回転中心に同軸(同心)状に、位置される。また、OKボタン45は、概ね中心(軸方向)に向けて(ユーザから)力がかけられた(押された)場合は、上述のオン信号を入力可能で、円周上の円周を概ね4等分した4方向(一般に「上下左右」と呼称される)のいずれかに力が加えられることで、例えば表示装置21に表示されている画像を、力が加えられている(ユーザが移動を希望する4方向のうちのいずれかの)方向に、スクロールさせる制御コマンド(指示)を入力させることができる。
【0033】
また、RECボタン42およびOKボタン45は、CPU111にそれぞれのボタンが押された情報を(1回押される毎にオン信号を)与える。なお、RECボタン42およびOKボタン45は、図5ないし図7を用いて以下に説明する手順に従って、その役割分担を変更可能である。
【0034】
ところで、OKボタン45は、オンされる毎に僅かではあるが「クリック(操作)音」が発生するよう、形成されている。このことは、ジョグダイアル44と同心円状に、且つその中心に位置されているOKボタン45の操作性を高めるために有益である。これに対し、RECボタン42には、操作音(クリック音)が発生しない構造が与えられている。
【0035】
このため、1つの動画ファイル内に、時間的に非連続に区切られた区切り(セクタもしくはチャプターと呼ばれることもある)を含ませる『一時停止モード』により、動画を撮影する場合においては、RECボタン42に『一時停止(PAUSE)/REC(解除)』のための制御信号の入力を割り当て、OKボタン45に『ファイルクローズ(1つのファイルとしての録画終了)』のための制御信号の入力を割り当てることで、『一時停止』時に、ボタンの操作音(クリック音)が録音されることを防止できる。なお、『一時停止/一時停止モード』は、テープ状の記録媒体を用いるデジタルビデオカメラにおいては(そのデータ(ファイル)の構造上一般的であるが、非テープ状の記録媒体を用いるデジタルビデオカメラにおいては、これまでに報告されていない(発明者らによる確認では、先例が確認できていない)。
【0036】
次に、『一時停止モード』について、説明する。
【0037】
よく知られているように、テープ状の記録媒体を用いるデジタルビデオカメラにおいては、多くの場合、録画動作中にもう一度REC(録画ボタン)がオンされることで、一時停止モードが設定され、再びRECボタンがオンされることで、直前の録画データが記録された(テープ上での)位置から引き続いて画像が記録される(録画が継続される)。
【0038】
これに対し、ハードディスクやカードメモリ等の非テープ状の記録媒体を用いるデジタルビデオカメラにおいては、通常は、録画動作中にもう一度REC(録画ボタン)がオンされることで、ファイルクローズ(録画終了)となり、1つのファイルが形成される。
【0039】
このため、本実施の形態においては、RECボタン42に、『一時停止モード』を設定可能とし、『一時停止モード』が設定された場合には、録画動作中にRECボタン42がオンされた場合に、録画の『一時停止(ファイルクローズしない)』を可能とし、RECボタン42が再びオンされることで、直前に記録された録画データに引き続いて再生可能に、動画を記録としている(動画録画中に『一時停止(PAUSE)』を可能とする、以下、本実施の形態では、『録画一時停止(REC PAUSE)』と呼称する)。
【0040】
なお、ファイルクローズしない一時停止状態の録画(直前に記録された録画データに引き続いて再生可能に録画データを記録する方法)は任意であり、ハードディスク装置(HDD)122内のハードディスクへの動画の記録もしくはカードメモリへの動画の記録において現在利用されているさまざまな方法が適用可能であることはいうまでもない。
【0041】
また、『一時停止モード』が設定されている場合に、録画一時停止すなわちRECボタン42がオンされて『録画一時停止(REC PAUSE)』が実行された場合、1つの動画ファイルとして管理するために、時間的に非連続となるその瞬間には、当然制御信号またはフラグもしくは時刻情報が挿入され、あるいはファイル内において(データ管理上必要な)サブ(小)ファイルが規定される。このため、その制御信号またはフラグもしくは時刻情報、あるいはサブ(小)ファイルの書き出し位置(録画開始位置のアドレス情報等)を用いて区切り(セクタもしくはチャプターと呼ばれることもある)を記録する。この区切り(以下チャプターと呼称する)を用いることで、既に記録されている動画を再生する際には、一時停止毎のアドレスに従って、頭だし(個々のチャプターの先頭のデータを、所定時間毎に、もしくは一定のデータ量を単位として)再生することが可能となる。
【0042】
図3は、上述の『録画一時停止(REC PAUSE)』を用いた動画撮影により記録装置内の画像データの配列を概念的に示す。
【0043】
図3から明らかなように、『録画一時停止(REC PAUSE)』を用いることで、1つのファイル内に時間的に非連続な複数の区切り(チャプター)が形成される。なお、図3において、『録画一時停止』1,・・・,『録画一時停止』nは、『録画一時停止モード』が設定されている場合に、RECボタン42が(1回)オンされて)録画が一時的に中断された状態を示し、RECボタン42がもう一度オンされた時点で、それまでに記録されている画像データに連続して再生可能に、引き続く画像データが記録されることをしめす。また、図3において、時間軸上で最も遅い(右端の)録画停止は、一連の録画を、1つのファイルとしてファイルクローズすること(録画終了)を示す。
【0044】
図3に示したようにファイルが形成されることにより、再生時には、図12および図13により後段に説明するが、任意のチャプター(区切り)を特定して、その位置(チャプター/区切り)から再生可能である。
【0045】
次に、図4ないし図7により、『録画一時停止(REC PAUSE)モード』を設定する方法を説明する。なお、図4は、ビデオカメラ装置1の図示しない主電源スイッチがオンされ、詳述しないモードスイッチが「再生」にセットされることで、再生待機状態にある状態を示す表示画面(待機画面)の表示装置21への表示例である。また、図5は、図4に示した再生待機状態において、MENUボタン43がオンされることで、MENU画面が表示装置21に表示され、ユーザによるジョグダイアル44の操作により、『録画一時停止(REC PAUSE)』の設定が可能な状態が選択された例を示している。
【0046】
図5に示すように、MENU画面が表示された状態で(ユーザによる)ジョグダイアル44の操作により『REC PAUSE(録画一時停止)』に、カーソル表示21−5が移動され(実際にはジョグダイアル44が回転されることで表示される項目が上下方向に移動されることで反転表示されている部分がカーソル21−5に相当)、OKボタン45が(ユーザにより)オンされると、『REC PAUSE』モードの「設定/解除(非設定)」が可能となる。なお、図5に示す表示例は、『REC PAUSE』モードが「非設定」である場合(製品出荷時またはユーザによる解除後)を示している。また、『REC PAUSE』モードの設定/解除は、『REC PAUSE』モードが設定されている場合において、RECボタン42を『PAUSE(一時停止)』ボタンとして取り扱い可能とするための設定入力(ボタンの役割分担の変更)としても機能する。
【0047】
図5に示すMENU画面により『REC PAUSE(録画一時停止)』が選択されると、図6に示すように、表示装置21に表示されている表示例において、表示領域21−3に、「オフ」が表示される。この場合、反転されているカーソル表示21−5の表示領域21−3との間の円弧状のダイアルリング表示21−6に「オン」の制御コマンドの入力に利用される「REC PAUSE ON」アイコン21−7と「オフ」の制御コマンドの入力に利用される「REC PAUSE OFF」アイコン21−8が表示される(図6では、OFFアイコン21−8が押されている(「非設定」が選択されている)状態が示されている)。なお、『REC PAUSE』が設定されていない場合における録画時の表示画面は、図8に示すように、予め決められた位置(図8では左下)21−1に、次にOKボタン45を押した場合の動作を示すアイコン(マークあるいは画像)すなわちSTOPマークが表示される。このとき、現在の動作状態を表示する表示領域(図8では中央上)21−2には、録画中であることを示す「○・・・赤表示」が表示される。
【0048】
図6に示す状態で、OKボタン45がオンされることで、図7に示されるように、「REC PAUSE ON」アイコン21−7が押された状態(「REC PAUSE OFF」アイコン21−8が戻された状態)が表示されるとともに、主制御部111(図1参照)の制御により、RECボタン42に、『REC PAUSE』ボタンの機能が設定される。また、表示装置21の表示領域21−3に表示される表示も、「オン」に変化される。なお、『REC PAUSE』が設定されている場合の録画時の表示画面は、図9に示すように、図8で次にOKボタン45が押された(オンされた)場合における動作を示すアイコン(画像/マーク)が表示されている位置21−1に、次にOKボタン45を押した場合の動作を示すアイコン(マーク)としてPAUSEマークが表示される。このとき、現在の動作状態を表示する表示領域21−2には、録画中であることを示す「○・・・赤表示」が表示される。
【0049】
図10は、図5ないし図7により説明した『REC PAUSE』モードが設定されている状態における録画中に、RECボタン(ここではPAUSEボタンとして機能する)42がオンされた場合に、表示装置21に表示される表示例を示す。
【0050】
図10に示すように、『REC PAUSE』モードが設定されている状態において、録画動作中にRECボタン42がオンされると、現在の動作状態を表示する表示領域21−2には、PAUSE(一時停止)中であることを示すマーク、例えば「細長い2本線・・・緑あるいは黄表示」が表示される。また、次にOKボタン45が押された(オンされた)場合における動作を示すアイコン(画像/マーク)が表示される領域21−1には、RECマークが表示される。さらに、『REC PAUSE』モードが設定されている状態における録画動作中の表示の特徴として、例えば表示領域21−1の右側(中央下部)に、録画停止のために次に操作すべきボタン、すなわちOKボタン45をオンすることでファイルクローズによる録画停止となることを報知する停止表示マーク21−4が、表示される。なお、ファイルクローズによる録画停止を示す表示としては、例えば図11に示すような「待機(WAIT)」を意味する表示が用いられる。
【0051】
なお、図5ないし図7により説明したRECボタン42を『PAUSE(一時停止)』ボタンとして取り扱い可能とするための設定入力は、製品出荷時またはユーザにより解除された場合には、『REC PAUSE』モードとともに無効であるから、『REC PAUSE』を必要としないユーザについては、特別に制限を与えることもない(従来通りの操作方法を希望するユーザの操作性に影響をあたえない)。
【0052】
図12は、図3に示したデータ(ファイル)構造により記録された動画を再生する際の表示装置の表示例を示す。
【0053】
図4により既に説明したが、デジタルビデオカメラ装置1の詳述しないモードスイッチが「再生」にセットされ、再生待機状態にある状態を示す表示画面(待機画面)が表示されている状態で、ズームキー46が操作される(キー46(スイッチ)がT側へスライドされる)と、表示装置21に表示されている待機画面が、図12に示すように、チャプター表示枠221−A、チャプター番号(NO.)が表示されるチャプター番号表示領域221−B、および再生時間(チャプターで区切られたファイル中の連続時間)が表示される再生時間表示領域221−Cが、表示される。なお、ズームキー46の操作に換えて、例えば表示装置21に表示されている待機画面(図4)中の右側の矢印21−11のジョグダイアル44による選択およびOKボタン45のオンによる入力指示によっても、チャプター表示が可能である。
【0054】
表示装置21の表示がチャプター表示に切替られた場合、例えば図3に示したデータ(ファイル)構造に従って、チャプター1の先頭の画像すなわち「録画開始」の位置(通常は時刻0分00秒)の画像、チャプター2の先頭の画像すなわち「『録画一時停止』(1)」の位置(図13に示す時刻01分56秒)の画像、チャプター3の先頭の画像すなわち「『録画一時停止』(2)」の位置の画像、チャプター4の先頭の画像すなわち「『録画一時停止』(3)」の位置の画像のそれぞれのサムネイル画像が、メインメモリ106(図1参照)またはバッファメモリ107(図1参照)に用意され、チャプター表示枠221−Aに、チャプター番号の順に表示される。
【0055】
例えば、図13に例示するように、ジョグダイアル44の操作によりチャプター2の画像が選択されて、OKボタン45がオンされると、チャプター2の先頭の画像すなわち「『録画一時停止』(1)」の画像データ(時刻01分56秒からの動画)が再生される。
【0056】
なお、サムネイル画像を表示する方法およびそのための構成は、任意であり、ハードディスク12やカードメモリMに記録されている動画の再生方法として現在利用されているさまざまな方法が適用可能であることはいうまでもない。
【0057】
以上説明したように、この発明の非テープ状の記録媒体を用いるデジタルビデオカメラ装置によれば、録画中に、録画一時停止機能に割り当てられているボタンが押されると、録画を停止して録画一時停止画面に移行する(録画一時停止が実行される)。この状態では、ファイルは、まだクローズされていないため、再び録画を開始すると前回の録画から引き続いて1つのファイルとして記録される。なお、録画一時停止中の画面には、録画が一時停止中であることを知らせる「録画一時停止マーク」が表示される。すなわち、非テープ状の記録媒体を用いるデジタルビデオカメラにおいて、これまでにあまり報告されていない「一時停止を含む動画の録画(1つのファイル内で、時間的に連続しない任意数の区切り(セクタもしくはチャプターと呼ばれることもある)を含む画像データの記録)」が可能である。
【0058】
また、この発明の非テープ状の記録媒体を用いるデジタルビデオカメラ装置によれば、録画中および録画一時停止中に録画停止機能に割り当てられているボタンが押されると、録画を停止して、ファイルクローズメッセージを表示させながら動画ファイルをクローズし、モニタリング画面に移行する(1つのファイルとして時間的に非連続な任意数のサブ(小)ファイルを含む画像データの記録が終了する)。
【0059】
なお、録画停止機能に割り当てられるボタンに、操作性を高める目的等によりクリック音(操作音)を生じるボタンが採用されているような場合においても、録画一時停止機能が割り当てられるボタンに、クリック音(操作音)を生じることのない「静音設計されたボタン」を(ユーザ設定により、任意に)割り当て可能としたことにより、録画一時停止の際に、クリック音が録音されることが防止される。
【0060】
また、この発明の非テープ状の記録媒体を用いるデジタルビデオカメラ装置によれば、録画一時停止機能そのものを、ユーザ設定により「設定/解除(非設定)」とすることができ、録画一時停止を必要としないユーザについては、従来通りの操作方法が提供可能である。
【0061】
なお、録画一時停止モードにおいては、録画一時停止すなわちRECボタンがオンされて『REC PAUSE(録画一時停止)』が実行された場合に、時間的に非連続となるその瞬間に、制御信号またはフラグもしくは時刻情報等を挿入し、あるいはファイル内において(データ管理上必要な)サブ(小)ファイルを作成することにより、共通のシーンが多数の動画ファイルにバラバラに分割されることを抑止し、1つの動画ファイルとして管理することができるため、ファイル整理や再生時の頭だし、あるいは一覧表示に有益である。
【0062】
すなわち、録画一時停止モードにより『REC PAUSE』が実行された時間(全体のデータ中の任意の位置)毎に、区切り(セクタまたはチャプターと呼ばれることもある)が記録されることにより、1つの動画ファイル中にサムネイル画像を用意するための時刻(ポイント)が規定されるとともに、任意のサムネイル画像を再生開始位置として動画の再生が可能である。
【0063】
なお、この発明は、前記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形もしくは変更が可能である。また、各実施の形態は、可能な限り適宜組み合わせて、もしくは一部を削除して実施されてもよく、その場合は、組み合わせもしくは削除に起因したさまざまな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】この発明の実施の形態が適用可能な非テープ状の記録媒体を用いるデジタルビデオカメラ装置の構成の一例を示す概略ブロック図。
【図2】図1に示したカメラ装置の操作部および表示部(表示装置)を説明する概略図。
【図3】図1に示したカメラ装置において作成される画像ファイルのデータ(ファイル)構造の一例を示す概略図。
【図4】図2に示した表示装置に表示される表示例を示す概略図(再生待機画面)。
【図5】図2に示した表示装置に表示される表示例を示す概略図(REC PAUSEボタン機能割り当てMENU画面)。
【図6】図2に示した表示装置に表示される表示例を示す概略図(REC PAUSEボタン機能「非設定(解除)」状態画面)。
【図7】図2に示した表示装置に表示される表示例を示す概略図(REC PAUSEボタン機能「設定」状態画面)。
【図8】図2に示した表示装置に表示される表示例を示す概略図(「REC PAUSE」モード「非設定(解除)」時、録画状態画面)。
【図9】図2に示した表示装置に表示される表示例を示す概略図(「REC PAUSE」モード「設定」時、録画状態画面)。
【図10】図2に示した表示装置に表示される表示例を示す概略図(「REC PAUSE」モード「設定」時、録画一時停止状態画面)。
【図11】図2に示した表示装置に表示される表示例を示す概略図(「REC PAUSE」モード「設定」時、録画停止(ファイルクローズ)中画面)。
【図12】図2に示した表示装置に表示される表示例を示す概略図(「REC PAUSE」モード「設定」時に録画された画像データのチャプター再生入力画面)。
【図13】図2に示した表示装置に表示される表示例を示す概略図(「REC PAUSE」モード「設定」時に録画された画像データのチャプター再生時、チャプター選択画面)。
【符号の説明】
【0065】
1…カメラ装置(閲覧装置)、11…レンズ、21…表示装置、21−1…「次の動作表示」表示領域、21−2…「現在の動作表示」表示領域、21−3…「REC PAUSE表示」表示領域、21−4…「停止表示マーク表示」表示領域、21−5…「カーソル表示」表示領域、21−6…「ダイアルリング表示」表示領域、21−7…「『REC PAUSE ON』アイコン表示」表示領域、21−8…「『REC PAUSE OFF』アイコン表示」表示領域、41…操作部、42…RECボタン、43…MENUボタン、44…ジョグダイアル、45…0Kボタン、46…ズームキー、103…メモリコントローラ、104…画像表示処理部、105…画像圧縮・伸長処理部、106…メインメモリ、107…バッファメモリ、111…主制御部(制御装置)、121…記録メディアインタフェース、122…HDD(ハードディスク装置)、123…カードスロット、M…メモリカード(半導体メモリ)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の動画の画像情報を光学的に取り込み、動画の電気信号に変換して出力する撮像装置と、
前記撮像装置から出力される前記動画の電気信号を、デジタル信号に変換する画像処理回路と、
非テープ状の記録媒体であって、前記画像処理回路においてデジタル信号に変換された動画データをファイル形式で保持するするデータ記録媒体と、
前記データ記録媒体に記録すべき前記動画データを単一画像ファイルとして記録させるための信号を出力する第1の信号入力装置と、
前記データ記録媒体に記録すべき前記動画データを、前記単一画像ファイル内で任意に与えられる区切り情報とともに記録させるための信号を出力する第2の信号入力装置と、
を有することを特徴とするデジタルビデオカメラ装置。
【請求項2】
前記第2の信号入力装置は、前記データ記録媒体に前記動画データを記録させる際に、前記第1の信号入力装置からの信号による前記単一画像ファイルとしての記録のための信号を出力可能に、切替可能であることを特徴とする請求項1記載のデジタルビデオカメラ装置。
【請求項3】
前記データ記録媒体に記録されている動画データを再生して得られる映像を表示可能な映像表示装置と、
前記映像表示装置に、前記記録媒体に前記単一画像ファイルとして保持されている前記単一画像ファイル内で任意に与えられた前記区切り情報に基づいて前記動画データを再生した映像を表示させる出力画像制御装置と、
をさらに有することを特徴とする請求項1記載のデジタルビデオカメラ装置。
【請求項4】
前記出力画像制御装置は、前記映像表示装置に、前記単一画像ファイル内で任意に与えられている前記区切り情報に基づいて前記動画データを再生した縮小画像を、表示させることができることを特徴とする請求項3記載のデジタルビデオカメラ装置。
【請求項5】
前記第1の信号入力装置は、前記映像表示装置に表示された前記縮小画像による、前記単一画像ファイル内で任意に与えられている前記区切り情報に基づいて前記動画データの再生の開始信号を入力可能であることを特徴とする請求項4記載のデジタルビデオカメラ装置。
【請求項6】
前記映像表示装置に表示された前記縮小画像による、前記単一画像ファイル内で任意に与えられている前記区切り情報に基づいて前記動画データを再生すべき縮小画像を、選択指示可能な第3の信号入力装置、
をさらに有することを特徴とする請求項5記載のデジタルビデオカメラ装置。
【請求項7】
対象物の動画の画像情報を光学的に取り込み、動画の電気信号に変換して出力する撮像装置と、撮像装置から出力される動画の電気信号を、デジタル信号に変換する画像処理回路と、非テープ状の記録媒体であって、画像処理回路においてデジタル信号に変換された動画データをファイル形式で保持するするデータ記録媒体と、データ記録媒体に記録すべき動画データを単一画像ファイルとして記録させるための信号を出力する第1の信号入力装置と、データ記録媒体に記録すべき動画データを、単一画像ファイル内で任意に与えられる区切り情報とともに記録させるための信号を出力する第2の信号入力装置と、を有するデジタルビデオカメラ装置における信号入力装置が出力する信号の変更方法において、
モード変更が指示された時点で、表示装置に、モード変更受け付け画面を表示し、
モード変更受け付け画面において選択されたモードについて、変更/解除を入力可能な変更入力画面を表示し、
変更入力画面において、選択されたモードの変更が入力された時点で、第2の信号入力装置から出力される信号を、データ記録媒体に動画データを記録させる際に、第1の信号入力装置からの信号による単一画像ファイルとしての記録のための信号を出力可能に切り替得ることを特徴とするデジタルビデオカメラ装置における信号入力装置が出力する信号の変更方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−82136(P2007−82136A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−270758(P2005−270758)
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】