説明

デジタル伝送システムに対する暗号化方法及び復号方法

デジタルデータストリームがトレーニングシーケンス及びデータシンボルの交互のシーケンスを有し、前記トレーニングシーケンスが動的に符号化される、デジタル伝送システムに対する暗号化方法及び復号方法が開示される。受信側において、暗号化鍵(200)に応じて符号生成器により復号符号(Vn)が生成される。この復号符号は、相関器に送られ、前記デジタルデータストリームから抽出された暗号化符号Vnと混合される。前記相関器は、送信器と受信器との間の時間又は周波数に関するオフセットを補償する補正変数を生成する。暗号化は、送信中に使用される符号の変更により達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送が要望に応じて無線又は有線のいずれでもあり得る、送信器及び受信器を有するデジタル伝送システムに対する暗号化方法及び復号方法の両方に関する。デジタル通信システムにおいて、受信器は、最適な復調を達成するために、変調された形式で到着するシンボルと同期されなければならない。周波数同期は、マルチキャリア変調システム、特にOFMD(直交周波数分割多重)マルチキャリア方式に対して重要である。タイミングの誤差又は周波数の不一致(周波数オフセット)は、伝送システムにキャリア間干渉(ICI)及びシンボル間干渉(ISI)を持ち込み、この結果、シンボルの変調はもはや可能ではない。
【背景技術】
【0002】
既知の同期方法は、データ補助同期(Data Aided Synchronization)のものである。この同期方法の原理は、前記送信器及び前記受信器の両方に記憶される参照シンボルを持つトレーニングシーケンス又はパイロットサブキャリアの使用である。第一に、前記トレーニングシーケンスは、走査された入力信号から抽出され、相関器に送信され、第二に、前記受信器に記憶された参照シーケンスが呼び出され、これも前記相関器に送信される。前記相関器により見つけられた最大値に基づいて、スキャナは、前記入力信号の時間ラスタライズされた問い合わせの間、制御され、前記送信器及び受信器が可能な限り同期することを達成する。前記記憶された参照シーケンスとの前記受信されたトレーニングシーケンスの相関は、シンボルタイミング及び周波数オフセットの推定を可能にする。
【0003】
先行技術を図示する図1は、データシンボルs及びトレーニングシーケンスcからの参照シンボルの交互のシーケンスを有するデジタルデータストリームrを概略的に示す。トレーニングシーケンスcは、前記送信器及び前記受信器の両方に記憶された参照シンボルを示し、例えば、一定長の連続したビットのシーケンスであってもよい。乱数生成器により生成された符号は、通常は前記トレーニングシーケンスに使用される。
【0004】
同期の基本的な方法は、先行技術を図示する図2a)及び2b)に示される。図2a)は、一定の符号cに対するデータシンボルsの挿入を示す。送信されるべきデジタルデータストリームrはこれから得られる。
【0005】
図2b)において、前記トレーニングシーケンスは、ベクトルcを持つ受信されたデータストリームrから抽出される。これは、前記受信器に記憶された又は生成された参照シーケンスcと比較される。最大値が見つけられた場合、シンボルクロックの制御及び前記受信器のシンボルのタイミングは、前記送信器のものと適合され、周波数オフセットはこれにより可能な限り補償される。前記参照シーケンス、又はトレーニングシーケンスcは、複数Pの参照シンボルを持つベクトルを有する。前記ベクトルはこれにより以下の式(1)により記載される。
c=[c01 C c(P-1)]T (1)
【0006】
この方法は、シンボルタイミングに対する時間領域及び周波数推定に対する周波数領域の両方で使用されることができる。これは、データ支持同期(data-supported synchronization)を使用するシステムの典型例としてここに記載される。
【0007】
ベクトルcは、接続の間、一定のままである。これは、許可されていない第三者が、例えば異なる符合を試すことにより、存在する接続に対して装置を同期することを可能にする。許可されていない第三者は、したがって、適切な手段を使用して前記接続を傍受することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、同じ汎用的なタイプのデジタル伝送システムに対してデータストリームの傍受に対する安全性を増強する暗号化方法を示すことである。更に、本発明の目的は、暗号化された形式で伝送されたデジタルデータストリームを復号する方法を示すことである。本発明の目的は、この種の方法を実施する装置を示すことでもある。更に、本発明の目的は、傍受に対して増強された安全性を持つデジタル伝送システムを示すことである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
デジタル伝送システムに対する暗号化方法に関して、前記目的は、デジタルデータストリームが、トレーニングシーケンス又はパイロットキャリア(以下では単に指定されたトレーニングシーケンス)及びデータシンボルの交互のシーケンスを有し、前記トレーニングシーケンスが、前記トレーニングシーケンスの符号化が動的暗号化符号を用いて行われるような符号化形式で伝送される方法により達成される。これに関して、動的とは、特定長のベクトルにより形成される前記トレーニングシーケンスが、時間の経過により異なるコンテンツを持つことを意味する。これは、伝送中に、前記トレーニングシーケンスのコンテンツが変化し、この結果として傍受に対する安全性が増強され、ある暗号化レベルが達成されることを意味する。
【0010】
本発明の一実施例によると、前記動的暗号化符号は、乱数生成器により生成される。
【0011】
本発明の他の実施例は、前記暗号化方法のために暗号化符号の所定のセットから個々の要素を連続して使用する。この暗号化符号の所定のセットは、例えば、前記乱数生成器により事前に生成されていてもよく、又は対応する装置が生成されたときにプログラムされていてもよい。
【0012】
本発明の他の実施例によると、動的トレーニングシーケンスは、トレーニングシーケンスのセットからの個々の要素であり、連続して使用される。このトレーニングシーケンスのセットはこれにより、
前記送信器から前記受信器に送信され、後者により(中間の)記憶部に入れられるか、又は
所定のパターンにより前記受信器により生成され、ここでこれが後に続く中間の記憶部を用いて事前に又はジャストインタイム(just in time)でのいずれかで行われるか、
のいずれかであることができる。
【0013】
他の実施例によると、前記動的トレーニングシーケンスのセットは、初めから終わりまで、次いで再び最初から始まるループの形式で実施される。これは、各個々のトレーニングシーケンスが特定の時間のみ使用され、データ送信がこれより長くなる場合には、前記トレーニングシーケンスの最後の要素が連続的に使用されている結果として、前記符号化の半静止状態が到達されないことを保証する。これらの実施例により、前記トレーニングシーケンスは、送信終了時及び受信終了時に同時に変更される。前記トレーニングシーケンスが変更される瞬間が、前記送信器及び受信器に既知であり、接続セットアップ中に前記送信器と前記受信器との間で一致されている。
【0014】
前記復号方法に関して、前記目的は、スキャナにより確立され、トレーニングシーケンス及びデータシンボルの交互のシーケンスを有するデジタルデータストリームに対する方法により達成され、ここで前記トレーニングシーケンスは、符号化され、受信されたデジタルデータストリームの走査に続いて、前記受信されたデジタルデータストリームから抽出され、相関器に送信され、受信側の復号符号も前記相関器に送信され、この2つの信号に基づいて、前記相関器が、前記スキャナの時間及び周波数補正のために補正変数として使用される最大値を見つけ、前記復号符号が動的であり、符号生成器が、暗号化鍵に応じて前記動的復号符号を生成する。前記復号符号は時間に関して変化し、即ち動的であるので、傍受に対する安全性は増強される。前記符号生成器は、データ送信の開始時に送信され、前記動的符号の生成に必要な情報を含む暗号化鍵のコンテンツに応じて前記動的復号符号を生成する。相関の結果は、前記送信器と前記受信器との間の時間及び周波数オフセットの測定値を表す。
【0015】
本発明の一実施例によると、パーミュテーション関数(permutation function)が、復号符号のセットのコンテンツを規定する。1つのセットは、擬似乱数に基づいてパーミュテーション関数によりコンパイルされた複数の復号符号を含み、前記パーミュテーション関数は、復号符号の特定の量(プール)を使用する。前記プール内の個々の復号符号は、反復して異なる順序でコンパイルされることができるので、比較的小さなメモリ容量要件に対して比較的多数の復号符号の可能なコンパイルセットが存在する。
【0016】
本発明の更に他の実施例によると、前記復号方法は、以下のステップ、即ち
暗号化鍵を送信するステップと、これにより
パーミュテーション関数を規定するステップと、
復号符号のセットを規定するステップと、
ホップ間隔を規定するステップと、
を有し、ここで、最後の3つのステップは任意の順序で実行されることができる。前記パーミュテーション関数は、特定の復号符号がプールから抽出され復号符号のセットに記憶される順序を規定する。前記ホップ間隔は、次の復号符号への変更が行われるまでの時間期間又はデータパケットの数を示す。
【0017】
本発明の変形例によると、以下のステップ、即ち
間隔を1にセットするステップと、
所定のホップ間隔の終了を待つステップと、
前記間隔を1の値だけ増加するステップと、
前記間隔の現在の値が、前記デジタルデータストリームの復号に使用されるべき前記動的符号の位置を示すパーミュテーション関数内の要素の総数より大きいかどうかの比較を行い、
前記比較の結果が肯定である場合には、
前記間隔を1の値にリセットし、
又は前記比較の結果が否定である場合には、
前記現在の復号符号を前記パーミュテーション関数により指定された位置に対する符号に対応する復号符号と等しくするステップと、
を有するループを含むパーミュテーション手順が実施される。
【0018】
このパーミュテーション関数は、間隔の時間期間に使用され、次いで異なる復号符号により置き換えられるべき個々の復号符号を規定する。
【0019】
要約すると、傍受に対する安全性は、前記符号を時間に対して変化させることにより増強され、異なる暗号化レベルは、本発明の変形例に応じて達成される。以下の手段、
1)異なる暗号化符号のセットの使用、
2)パーミュテーション関数の使用、及び/又は
3)異なる接続に対して長さが異なるホップ間隔の使用、
は、これにより個々に又は互いに連動して使用されてもよい。多くの手段が実現されるほど、複雑さ、したがって暗号化レベルは高くなる。前記複雑さは、より大きなコンテンツの因子の使用、及びこれによるより大きな多様性により更に増大される。
【0020】
本発明は、OSI7層モデルの物理層で使用される。
【0021】
前記装置に関して、前記目的は、受信されたデジタルデータストリームと受信器を同期する装置により達成され、ここで、前記同期の実施のために、トレーニングシーケンスは、前記受信されたデータストリームから抽出され、相関器に送信され、スキャナに対する補正変数として使用される最大値を見つけるために、復号符号、参照符号と混合され、前記同期装置は、動的符号生成器を備える。前記動的符号生成器は、二者択一的に、現在必要とされる復号符号を生成するか、又は復号符号の完全なセットを生成し、メモリに記憶する。
【0022】
装置、例えば携帯電話内で、前記動的生成器は、送信中に暗号化のために及び受信中に復号のために使用されることができる。
【0023】
本発明の一実施例によると、前記同期装置は、前記暗号化鍵を記憶する手段、例えばRAM(ランダムアクセスメモリ)を備える。
【0024】
前記伝送システムに関して、本発明の目的は、受信されたデジタルデータストリームと受信器を同期する装置を有するデジタル伝送システムにより達成され、ここで前記受信器は、
トレーニングシーケンスを抽出する手段と、
スキャナに対する補正変数を決定する手段と、
動的符号を生成する手段と、
を備える。
【0025】
前記スキャナに対する補正変数は、例えば相関器により決定される。これは、前記スキャナに影響を与え、前記送信器と前記受信器との間のタイミング又は周波数オフセットが減少されることを達成する。前記動的符号を生成する手段は、例えば、暗号化鍵により各接続に対して使用されるべき前記複数の復号符号を生成する符号生成器であってもよい。
【0026】
電気通信網又は無線LAN(ローカルエリアネットワーク)のような有線又は無線ネットワークにおいて、デジタルデータストリームがトレーニングシーケンス及びデータシンボルの交互のシーケンスを有し、前記トレーニングシーケンスが動的に符号化される、暗号化方法及び/又は復号方法の使用が記載される。
【0027】
本発明は、図面に示された実施例を参照して更に記載されるが、しかしながら本発明はこれらに限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図3は、動的に変更されるトレーニングシーケンスvn、vn+1とデータシンボルuとの交互のシーケンスを有するデジタルデータストリームx(t)を概略的に示す。トレーニングシーケンスvn又はvn+1は、符号化された形式で送信される。符号が前記送信の間に変更されるので、第1の暗号化レベルが達成される。これに関して、符号化は、前記送信の期間中同一の符号が使用されることを意味する。これに関して、暗号化は、前記送信の期間中少なくとも2つの異なる符号が使用されることを意味する。
【0029】
前記データシンボルの持続時間より短いホップ間隔を持つ本実施例を用いて、vn及びvn+1により示される少なくとも2つの連続したトレーニングシーケンスに対して異なる符号が使用される。符号vn及びvn+1の両方が、同期に使用される同数Pの参照シンボルを有する。各符号vn,...vn+1は、同数Pの参照シンボルを示すが、前記参照シンボル自体は異なる。他の変形例は、より高い数のデータシンボルの後に、又は所定時間の終了後に前記符号を変化する。
【0030】
図4a)は、時間に対して変更される暗号化符号v(t)と、前記送信器において生成されたデータシンボルuとの混合を示す。結果はデジタルデータストリームx(t)である。
【0031】
図4b)は、受信されたデータストリームx(t)との前記受信器の同期のフローチャートを示す。受信されたデータストリームx(t)の走査は時間に依存する。最適な結果を得るために、前記送信器のローカルクロックと前記受信器のローカルクロックとの間のタイミング又は周波数オフセットが小さいことが重要である。トレーニングシーケンスvnの抽出に続いて、トレーニングシーケンスvnは相関器に送られ、受信器の参照信号vnと比較される。相関の結果は、前記スキャナを調整する補正変数として使用される最大値のために検査される。前記トレーニングシーケンスの暗号化に対する符号は時間に対して変化するので、ここに記載される同期方法は、動的として記載されることができる。動的符号生成器は、暗号化鍵により受信側の比較のトレーニングシーケンスvn、即ち前記参照信号を生成する。変数(t)は、暗号化符号v(t)が時間に対して変化する、即ち動的であることを明確にする。下付き添え字nは、次の瞬間の暗号化符号vn+1により置き換えられる特定の瞬間の暗号化符号vnを表す。
【0032】
図5は、デジタル伝送システムの受信器を受信されたデジタルデータストリームx(t)と同期する本発明による方法を概略的にフローチャートで表す。100における接続セットアップに続いて、前記暗号化鍵がステップ200において送信され、以下のパラメータ、即ち、
パーミュテーション関数Fi210と、
復号パターンのセットGi220と、
ホップ間隔Ihop230と、
の規定を任意の順序で開始する。
【0033】
暗号化鍵200は、送信ユニットにより生成され、送信するデータ信号の復号及び同期に必要とされるパラメータを含む。
【0034】
パーミュテーション関数Fi={p_1,p_2...p_M}は、暗号化パターンのセットGiからの個々の符号g1,g2...gHが使用される順序を示し、ここでp_1,p_2...p_Mは、任意の整数1,2...Hである。例えば、特定のパーミュテーション関数がF={2,H}である場合、これは、p_1=2及びp_2=Hであり、復号中に、暗号化鍵g2がまず使用され、暗号化符号gHが後に続くことを意味する。接続が依然として完了されていない場合、前記復号は、p_1、即ちg2、次いでp_2、即ちgHを用いてループの形式で続行される。現在の送信に対して有効なパーミュテーション関数の210における規定は、
a)特定のパーミュテーションシーケンス{p_1,p_2...p_M}を含むベクトルFiの送信、又は
b)個々のパーミュテーション関数Fiの名前のみの送信、
のいずれか一方を用いて行われることができる。
【0035】
選択肢a)は、許可されていない第三者が前記パーミュテーションシーケンスを傍受することを可能にし、したがって前記送信されたデジタルデータストリームの前記トレーニングシーケンスを復号する補助を含む。しかしながら、現在の送信に対して有効なパーミュテーション関数は、中間記憶部に入れられる必要があるだけであり、前記送信の完了時に削除されることができるので、この方法は、送信側及び受信側の両方でメモリ容量が節約されるという利点を持つ。
【0036】
選択肢b)は、送信に対して有効なパーミュテーション関数Fiが呼び出されることができるために、送信側及び受信側の両方において、全ての可能なパーミュテーション関数F1,F2...FL(L:整数)が、永久に記憶されなければならないことを前提とする。この変形例の利点は、符号のシーケンスGiが送信されないので、許可されていない第三者が、使用されたパーミュテーション関数Fiにより暗示される符号のシーケンスGiを決定することができないことである。
【0037】
復号パターンのセットGiは、前記トレーニングシーケンスを変更することができるHの直交符号g1,g2...gHを含む。前記Hの直交符号の各個々の1つvは、これによりPの要素を持つベクトルとして構築される。定数H及びPは整数である。220における暗号化符号のセットGiを規定するステップは、
c)ベクトルの形式で特定の個々の直交符号g1,g...の送信、又は
d)使用されるべき直交符号の名前の送信、
のいずれか一方を用いて行われることができる。
【0038】
選択肢c)及びd)の利点及び不利点は、パーミュテーション関数Fiを規定する選択肢a)及びb)のように、特定の情報の送信が傍受に対する安全性を低下し、所定の符号の記憶及び呼び出しが、送信側及び受信側の両方でメモリ容量を取ることである。
【0039】
ホップ間隔Ihopを規定するステップ230は、
e)サイクル期間Ihop、即ち時間に対する有効期間を、例えば5msecに規定するか、又は
f)データパケットの数Qを、例えばデータシンボルuの数の3倍に規定するか、
のいずれかを意味する。
【0040】
前記暗号化鍵の送信に続いて、動的復号が300において始まる。第1のパーミュテーション手順400は以下のとおりである。ステップ410において、間隔nが“1”にセットされ、パーミュテーション関数Fiの点p_1に位置するセットGiからの符号が使用される。ステップ420において、ホップ間隔Ihopの終了に対する待機がある。前記送信されたデータパケットのカウント、又は前記サイクル間隔の終了を決定する時間の測定は、カウンタ又はフリップフロップのような適切な装置を用いて行われる。ホップ間隔Ihopの終了が到達された場合、間隔nはステップ430において1の値だけ増加される。ステップ440において、間隔nの現在の値が、パーミュテーションベクトルの要素の総数Mより大きいかどうかの比較が行われる。前記比較の結果が“イエス”である場合、前記ループは、再びステップ410において開始し、間隔nは“1”の値にリセットされる。前記比較の結果が“ノー”である場合、ステップ450は、パーミュテーション関数Fiのn番目の位置p_nに位置する瞬間的な復号符号vnを呼び出し、即ちvn=g(p_n)であり、これは、ループの間にステップ420においてホップ間隔Ihopの終了が到達されるまで連続的に使用され、この後に間隔nがステップ430において“1”の値だけ増加される。
【0041】
図6は、p_1の暗号化符号のプールを示す。点線で描かれた第1のサブセットは、一例として、2つの可能なセットGiを形成するように組み合わされた4つの要素を有する。各要素が正確に一回生じると仮定される場合、合計で24のオプションが存在する。破線で描かれた第2のサブセットは、5つの要素を有する。個々の符号が複数回生じることができる変形例を用いて、再び2つのオプションが暗号化符号に対して示されている。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】先行技術におけるデータシンボルs及びトレーニングシーケンスcからの参照シンボルの交互のシーケンスを有するデジタルデータストリームrを概略的に示す。
【図2a】先行技術の同期の基本的方法における一定の符号cに対するデータシンボルsの挿入を示す。
【図2b】先行技術の同期の基本的方法におけるベクトルcを持つ受信されたデータストリームrからのトレーニングシーケンスの抽出を示す。
【図3】動的に変更されるトレーニングシーケンスを持つデジタルデータストリームを概略的に示す。
【図4a】受信された動的に暗号化されたデータストリームと受信器を同期するフローチャートを概略的に示す。
【図4b】受信された動的に暗号化されたデータストリームと受信器を同期するフローチャートを概略的に示す。
【図5】復号方法のフローチャートを示す。
【図6】個々の符号のプールを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルデータストリームがトレーニングシーケンス又はパイロットキャリアとデータシンボルとの交互のシーケンスを有し、前記トレーニングシーケンスが符号化された形式で送信されるデジタル伝送システムに対する暗号化方法において、前記トレーニングシーケンスの符号化が動的暗号化符号を用いて行われることを特徴とする暗号化方法。
【請求項2】
前記動的暗号化符号が、乱数生成器により生成されることを特徴とする、請求項1に記載の暗号化方法。
【請求項3】
前記暗号化方法が、暗号化符号の所定のセットからの個々の要素を連続して使用することを特徴とする、請求項1又は2に記載の暗号化方法。
【請求項4】
動的トレーニングシーケンスのセットが、初めから終わりまで、次いで再び初めから開始するループの形式で実施されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
スキャナにより確立され、トレーニングシーケンスとデータシンボルとの交互のシーケンスを有するデジタルデータストリームに対する復号方法であって、前記トレーニングシーケンス又はパイロットキャリアが、符号化され、受信されたデジタルデータストリームの走査に続いて、前記受信されたデジタルデータストリームから抽出され、相関器に送られ、受信側の復号符号も前記相関器に送られ、前記相関器が、これら2つの信号に基づいて、前記スキャナの時間及び周波数補正に対する補正変数として使用される最大値を見つける復号方法において、前記復号符号が動的であり、符号生成器が暗号化鍵に応じて前記動的な復号符号を生成することを特徴とする復号方法。
【請求項6】
パーミュテーション関数が、復号符号のセットのコンテンツを規定することを特徴とする、請求項5に記載の復号方法。
【請求項7】
暗号化鍵を送信するステップと、これにより、
パーミュテーション関数を規定するステップと、
復号符号のセットを規定するステップと、
ホップ間隔を規定するステップと、
を有し、最後の3つのステップが任意の順序で実行されることができることを特徴とする、請求項5又は6に記載の復号方法。
【請求項8】
間隔を1にセットするステップと、
所定のホップ間隔の終了を待つステップと、
前記間隔を1の値だけ増加するステップと、
前記間隔の現在の値が、前記デジタルデータストリームの復号に使用されるべき前記動的符号の位置を示すパーミュテーション関数内の要素の総数より大きいかどうかの比較を行い、
前記比較の結果が肯定である場合に、
前記間隔を1の値にリセットし、
又は前記比較の結果が否定である場合に、
現在の復号符号を前記パーミュテーション関数により指定された位置に位置する復号符号と等しくするステップと、
を有するループを含むパーミュテーション手順の実施を特徴とする、請求項5ないし7のいずれか一項に記載の復号方法。
【請求項9】
受信されたデジタルデータストリームに対して受信器を同期する装置であって、同期の実現のために、トレーニングシーケンス又はパイロットキャリアが、前記受信されたデータストリームから抽出され、かつ復号符号と相関がある、同期装置において、前記同期装置が動的符号生成器を備えることを特徴とする同期装置。
【請求項10】
暗号化鍵を記憶する手段を備えることを特徴とする、請求項9に記載の同期装置。
【請求項11】
受信されたデジタルデータストリームと受信器を同期する装置を有するデジタル伝送システムにおいて、前記受信器が、
トレーニングシーケンスを抽出する手段と、
スキャナに対する補正変数を決定する手段と、
動的符号を生成する手段と、
を備えることを特徴とするデジタル伝送システム。
【請求項12】
無線又は有線ネットワークにおいて、デジタルデータストリームが、トレーニングシーケンス又はパイロットキャリアとデータシンボルとの交互のシーケンスを有し、前記トレーニングシーケンス又は前記パイロットキャリアが動的に符号化される暗号化方法及び/又は復号方法の使用。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−502568(P2007−502568A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523096(P2006−523096)
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051378
【国際公開番号】WO2005/018185
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】