説明

デジタル放送システム、端末、およびサーバ

【課題】視聴者の要求に応じた番組を視聴者の要求に応じた表現方法により放送する。
【解決手段】視聴者からの視聴予約を集計し、予約数の多い番組には多くの、予約数の少ない番組には少ない数のセグメントを割りあてる。このようにして1つの番組に対しては1または2以上のセグメントを割り当てるとともに、割り当てられたセグメントを利用して視聴者からの要求に応じた放送データを放送することで、異なる表現手法で放送することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送システム、端末、およびサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なテレビ放送では、放送事業者が放送する番組の内容とそのスケジュールを決定し、このスケジュールに従って番組を放送している。このため、視聴者が見たいと思っている番組がスケジュールに組み込まれているか不明である。
そこで、視聴者からの投票結果を番組編成スケジュールに反映させるものがある(例えば、特許文献1参照)。これは、放送事業者ごとに、投票結果に基づき、各番組の放送スケジュールを編成するものである。
【0003】
また、予め登録されている視聴者の嗜好にあわせて、1つの番組について異なる表現方法の複数の放送データを用意しておき、異なる表現方法の放送データを放送するものがある(例えば、特許文献2参照)。例えば、野球中継の番組では、対戦する各チームのファンに向けた放送データを用意しておき、当該チームのファンである視聴者に対しては、当該チームのファン向けの放送データを放送することができるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−009715号公報
【特許文献2】特開2003−348032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、番組を提供する放送局が多数ある場合や、高画質な画像を放送するために多数のセグメントを必要とする場合には、使用される周波数帯域に限界があるため、用意した全ての放送データを放送することができない。この場合、放送事業者が、放送する放送データを選択し、番組編成を行うため、番組編成や、選択される放送データの表現方法に対して視聴者からの要求が反映されない問題があった。
【0006】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、視聴者の要求に応じた番組を視聴者の要求に応じた表現方法により放送することができるデジタル放送システム、端末、およびサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様によるデジタル放送システムは、放送事業者のサーバと複数の視聴者の端末とを含む放送システムであって、前記端末は、番組表を示す番組表データを前記サーバから受信し、前記番組表データ内の番組を予約したことを示す予約データを前記サーバに送信する端末通信部と、前記視聴者によって操作され、当該視聴者からの予約と、当該視聴者からの要求とを受け付ける操作部と、前記操作部から入力する視聴者の指示に従って、予約された番組を示す情報と当該予約された番組に対する視聴者からの要求を示す情報とを対応付けて前記予約データを作成する予約部と、を備え、前記サーバは、前記複数の端末から前記予約データを受信するサーバ通信部と、前記複数の端末からの前記予約データに基づき、予定されている放送時間帯ごとに各番組の予約数を集計する予約集計部と、前記集計部の集計結果に基づき、同一時間帯に放送される予定の全ての番組の予約数に対する、当該全ての番組に含まれる一の番組の予約数の割合である予約割合を算出し、当該算出された予約割合に応じて、各番組に割り当てられる周波数帯域の1単位であるセグメントの数を決定するセグメント数決定部と、前記セグメント数決定部によって決定されたセグメント数が複数であった場合、前記予約データに含まれる前記視聴者からの要求を示す情報に基づき、異なる手法で同一番組を表現する複数の放送データのうち当該視聴者の要求に応じた手法で表現する放送データを選択し、当該選択した放送データを放送することを決定する放送データ決定部とを備える。
【0008】
また、上述のデジタル放送システムにおいて、前記予約集計部は、前記予約データに含まれる視聴者からの要求を示す情報に基づき、視聴者からの要求を示す単語である要求キーワードを抽出し、当該要求キーワードの出現頻度に応じて順位付けした情報を作成し、前記放送データ決定部は、前記要求キーワードの出現頻度に応じて順位付けした情報に基づき、異なる手法で同一番組を表現する複数の放送データの中から、当該視聴者の要求に応じた手法で表現する放送データを選択する。
【0009】
また、上述のデジタル放送システムにおいて、前記セグメント数決定部は、前記予約割合に応じて予め決められた複数の割当パターンに従って、前記予約割合の高い番組ほど割り当てられるセグメント数が多くなるように前記セグメント数を決定する。
【0010】
また、上述のデジタル放送システムにおいて、前記セグメント数決定部は、前記予約割合に応じて予め決められた複数の割当パターンに従って、前記予約割合の高い番組ほど予定されている放送時間帯に放送するためのセグメントを割り当て、前記予約割合の低い番組ほど予定されている放送時間帯に放送して前記端末に記録するためのセグメントを割り当てる。
【0011】
また、上述のデジタル放送システムにおいて、前記セグメント数決定部は、前記予約割合に応じて予め決められた複数の割当パターンに従って、前記予約割合の低い番組であって、当該番組対して割り当てるためのセグメントが残っていない場合、当該番組に対してはセグメントを割り当てず、前記放送データ決定部は、前記セグメントが割り当てられなかった番組に対して、インターネットでの配信を決定する。
【0012】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による端末は、放送事業者のサーバからの放送波を受信して放送内容を出力する視聴者の端末であって、番組表を示す番組表データを前記サーバから受信し、前記番組表データ内の番組を予約したことを示す予約データを前記サーバに送信する端末通信部と、前記視聴者によって操作され、当該視聴者からの予約と、当該視聴者からの要求とを受け付ける操作部と、前記操作部から入力する視聴者の指示に従って、予約された番組を示す情報と当該予約された番組に対する視聴者からの要求を示す情報とを対応付けて前記予約データを作成する予約部と、を備える。
【0013】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様によるサーバは、複数の視聴者の端末に対して放送波を送信する放送事業者のサーバであって、前記複数の端末から予約データを受信するサーバ通信部と、前記複数の端末からの前記予約データに基づき、予定されている放送時間帯ごとに各番組の予約数を集計する予約集計部と、前記集計部の集計結果に基づき、同一時間帯に放送される予定の全ての番組の予約数に対する、当該全ての番組に含まれる一の番組の予約数の割合である予約割合を算出し、当該算出された予約割合に応じて、各番組に割り当てられるセグメント数を決定するセグメント数決定部と、前記セグメント数決定部によって決定されたセグメント数が複数であった場合、前記予約データに含まれる前記視聴者からの要求を示す情報に基づき、異なる手法で同一番組を表現する複数の放送データのうち当該視聴者の要求に応じた手法で表現する放送データを選択し、当該選択した放送データを放送することを決定する放送データ決定部とを備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、視聴者の要求に応じた番組を視聴者の要求に応じた表現方法により放送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係るデジタル放送システムの概要を示す図である
【図2】本発明の一実施形態に係るサーバと端末の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る番組表の一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る番組テーブルの一例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る放送データテーブルの一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る集計テーブルの一例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るセグメントの割り当ての概念について説明するための図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る割当テーブルの一例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るセグメント数対応表の一例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る放送時間帯における番組の編成の一例を示す図である。
【図11】図10に示す通りセグメントが割り当てられた場合の番組表の一例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るデジタル放送システムの処理方法の一例を示すシーケンス図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る約内容を示す画面の一例を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る視聴者の要求が指定された予約内容を示す画面の一例を示す図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る予約された番組を示す番組表の一例を示す図である。
【図16】本発明の一実施形態に係るデジタル放送システムの処理方法の一例を示すシーケンス図である。
【図17】本発明の一実施形態に係る各番組の予約割合の一例を示す図である。
【図18】本発明の一実施形態に係る割当パターンの判定方法の一例について説明する。
【図19】本発明の一実施形態に係る放送データ決定部による放送割振処理の一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るデジタル放送システムの概要を示す図である。
図1に示す通り、本実施形態に係るデジタル放送システムは、サーバ11と、複数の端末12(12_1、12_2・・・12_n)と、アンテナ塔13とを備える。サーバ11は、放送事業者から提供される放送データをアンテナ塔13を介して視聴者に配信するサーバである。複数の端末12_1、12_2・・・12_nは、放送事業者のサーバ11から配信される放送データを受信して表示部に表示させる視聴者の端末である。
【0017】
本実施形態に係るデジタル放送システムは、例えば、ISDB−Tmm方式のデジタル放送の受信を実現するシステムである。このISDB−Tmm方式は、デジタル放送に利用される周波数帯域(207.5〜222.0Mhz)である14.5Mhz周波数幅を、同一の周波数幅に分割した33のセグメントの各周波数帯域を利用して放送データを放送する方式である。なお、各セグメントの周波数幅は、429kHzである。
各セグメントにおいて放送される放送データとは、放送される番組の映像や音声のデータであって、番組ごとに1又は2以上の放送データが用意されている。2以上の放送データは、同一の番組の内容をそれぞれ異なる手法で表現するものであって、例えば、画質が異なる表現方法により表現された放送データや、撮影された位置を変えて視聴者の視点が異なる表現方法により表現された放送データ等を含む。
【0018】
具体的に説明すると、サッカーや野球の番組について、1つの番組に対して2以上の異なる放送データ、例えば、通常画質で表現される放送データと、高画質で表現される放送データと、一方のチーム側の観客席から撮影された映像を含む放送データと、他方のチーム側の観客席から撮影された映像を含む放送データと、等の複数の放送データが予め用意されている。
本実施形態に係るデジタル放送システムは、視聴者からの視聴予約の状況に応じて、1つの番組に対して1または2以上のセグメントを割り当てるとともに、割り当てられたセグメントを利用して視聴者からの要求に応じた放送データを放送する。言い換えると、本実施形態に係るデジタル放送システムは、視聴者からの視聴予約の状況に応じて選択された各番組について、視聴者からの要求に応じた表現方法で表現される映像等を放送することができるものである。
【0019】
また、本実施形態に係るデジタル放送システムは、放送が予定されている番組の内容を視聴者が確認し、視聴したいと思った番組を視聴者が視聴を予約することができる。放送を予約することにより、視聴者は、予約した番組についての意見をサーバ11に送信することができる。また、視聴者は、蓄積型の放送が行われる番組について予約した場合、当該視聴者の端末12に自動的に放送時間内の番組を録画することができる。このように、蓄積型の放送が行われる番組であれば、視聴者は、予約をすることにより放送時間帯以外の時間帯で放送された番組を視聴することができる。ただし、端末12の記憶容量にも限りがあるため、蓄積型の番組を予約する場合には、番組のデータ容量に応じた記憶容量が確保されていることが必要である。
【0020】
次に、図2を参照して、サーバ11と端末12の構成例について説明する。図2は、サーバ11と端末12の構成の一例を示すブロック図である。なお、複数の端末12(12_1、12_2・・・12_n)は、それぞれ同一の構成を有している。
図2に示す通り、端末12は、操作部121と、端末制御部122と、予約部123と、端末通信部124と、表示部125と、アンテナ126と、チューナー127と、記憶部128とを含む。
【0021】
操作部121は、端末12を操作するユーザ、例えばデジタル放送の視聴者が指示する操作内容を受け付け、当該操作内容を示す操作情報を端末制御部122と予約部123とに出力する。
端末制御部122は、端末12を統括的に制御する。この端末制御部122は、例えば、放送制御処理を実行する。
この端末制御部122は、放送制御処理において、例えば、デジタル放送の放送内容を表示部125に表示させるためのアプリケーションを起動し、アンテナ塔13を介して放送事業者により放送される放送波をアンテナ126に受信させる。また、端末制御部122は、チューナー127に対して、アンテナ126が受信した放送波から放送データを作成させる。さらに、端末制御部122は、チューナー127によって作成された放送データに基づきデジタル放送の放送内容を表示部125に表示させる。なお、放送データに音声が含まれている場合、端末制御部122は、表示部125に内蔵されているスピーカーから音声を出力させる。
【0022】
また、端末制御部122は、予約された番組について問い合わせ設定機能がセットされている場合、設定された時刻に、予約された番組の放送時間が近いことを視聴者に通知する。この問い合わせ設定機能とは、予約した番組の放送時間前に、放送時間に近いことを視聴者に通知する機能である。例えば、端末制御部122は、設定された時刻に到達した場合、アラームやバイブレーションにより、あるいは、画面にその旨を表示して、視聴者に通知する。これにより、視聴者は、予約した番組の放送を受信するためのアプリケーションを起動させ、放送を受信することができる。
さらに、端末制御部122は、蓄積型放送の番組が予約されている場合、当該番組の放送時間帯において、放送される当該番組の放送データを受信し、記憶部128に記録する。
【0023】
予約部123は、操作部121から入力する操作情報に基づき、予約制御処理を実行して、予約データを作成する。この予約データとは、予約された番組を示す情報と当該予約された番組に対する視聴者からの要求を示す情報とを対応付けた情報である。
この予約された番組を示す情報とは、予約可能な放送時間帯の番組表、例えば、数日後に放送予定の番組表に示される番組のうち、視聴者により操作部121を介して予約が指示された番組を示す情報である。例えば、予約された番組を示す情報は、予約が指示された番組の放送日時を示す情報と、番組タイトルを示す情報と、番組内容を示す情報とが含まれる。なお、予約可能な放送時間帯の番組表とは、サーバ11による予約集計処理に要する時間やセグメントの割当処理に要する時間を確保した上で、予定されている放送時間に間に合う番組を示す番組表である。この予約部123は、例えば、視聴者から指定された番組の視聴予約を示す操作情報を入力した場合、予約された番組を示す情報を作成する。
【0024】
予約された番組に対する視聴者からの要求を示す情報とは、例えば、高画質で見たい、○○の視点で見たい、ハイビジョンで見たい・・・などの視聴者の要求を示す情報である。この情報は、以下に説明する「視聴者からのコメント」に対応する情報である。また、視聴者からの要求を示す情報には、問い合わせ設定機能の利用の有無を示す情報を含む。予約部123は、予約された番組について、視聴者からの要求を受け付ける画面を表示部125に表示させ、この画面を介して視聴者からの要求を操作部121が受け付けた場合、視聴者からの要求を示す情報を作成する。
【0025】
ここで、図3を参照して、番組表の一例について説明する。図3は、番組表の一例を示す図である。なお、この番組表に示す番組タイトルと放送時間とは、放送が予定されている仮のスケジュールである。
図3に示す通り、この番組表は、同一時間帯に放送が予定されている番組タイトルを放送局ごとに表わす表である。図示の例では、2011年6月11日の19時〜22時の時間帯に、A放送局、B放送局、およびC放送局で放送される番組の放送スケジュールについて示す。A放送局では、19時〜21時の間で番組1010「サッカー(日本VSオランダ)」が、21時〜22時の間で番組1012「バラエティー」がそれぞれ放送される予定である。B放送局では、19時〜20時の間で番組1020「野球」が、20時〜21時の間で番組1021「音楽番組」が、21時〜22時の間で番組1022「ニュース」がそれぞれ放送される予定である。C放送局では、19時〜20時の間で番組1030「音楽番組」が、20時〜22時の間で番組1031「映画」がそれぞれ放送される予定である。
予約部123による予約制御処理は、この番組表が表示部125に表示され、視聴者によって入力される予約指示に基づき実行される。
【0026】
端末通信部124は、ネットワークを介してサーバ11とデータ通信する。
表示部125は、例えば、液晶パネル等であって、端末制御部122によって制御され、デジタル放送システムにより放送される映像や、番組表等を表示する。
アンテナ126は、アンテナ塔13から送信される放送波を受信し、チューナー127に出力する。
チューナー127は、アンテナ126から入力する放送波に基づき、設定されているチャンネルの放送データと、予約可能な放送時間帯の番組表を示す番組表データとを生成し、端末制御部122に出力する。
記憶部128は、端末12が動作するために利用するプログラムやデータ等を記憶するとともに、予約部123による予約制御処理において取得した情報を一時的に保存する。
【0027】
サーバ11は、サーバ制御部111と、サーバ通信部112と、記憶部113と、予約集計部114と、セグメント数決定部115と、放送データ決定部116とを含む。
サーバ制御部111は、サーバ11を統括的に制御する。
サーバ通信部112は、ネットワークを介して端末12とデータ通信する。
【0028】
記憶部113は、端末12が動作するために利用するプログラムやデータ等を記憶する。この記憶部113は、例えば、各放送局で放送される番組のスケジュールを示す番組表データと、各放送局が放送する放送データとを記憶する。
また、記憶部113は、放送される番組に関する情報をそれぞれ対応付ける番組テーブル410と、放送データをそれぞれ対応付ける放送データテーブル420と、端末12から受信した予約データについて予約集計処理した集計結果をそれぞれ対応付ける集計テーブル430と、を記憶する。
さらに、記憶部113は、端末12から受信した予約データを記憶する。この記憶部113は、例えば、予約データに含まれる情報(放送日時、番組タイトル、番組内容、視聴者からのコメント、問い合わせ設定等)をそれぞれ対応付けて記憶する。
【0029】
番組表データは、この番組表に示す通り放送が予定されている番組に関する情報を含む。この番組表データは、例えば、番組表に含まれる番組の放送日時を示す情報と、番組タイトルを示す情報と、番組内容を示す情報とを含む。この番組表データに含まれる情報は、それぞれ、図4に示すような番組テーブル410において対応付けられている。図4は、番組テーブル410の一例を示す図である。
図4に示す通り、番組テーブル410は、番組の放送日時と、番組タイトルと、番組内容とを、それぞれ番組ごとに対応付けるテーブルである。図示の例では、番組1010の放送日時「2011/6/11 19:00〜21:00」と、番組タイトル「サッカー(日本VSオランダ)」と、番組内容「W杯でのリベンジなるか!!」とがそれぞれ対応付けられている。
【0030】
また、各放送局が放送する放送データは、1つの番組に対して1又は2以上の放送データが用意されている。この放送データの関する情報を対応付ける放送データテーブル420の一例を図5に示す。
図5に示す通り、放送データテーブル420は、放送局と、番組タイトルと、放送データと、放送データのカテゴリーと、必要セグメント数とを、それぞれ対応付けるテーブルである。この放送データテーブル420は、2011年6月11日の19時〜20時の時間帯において各放送局A〜Jにより放送される番組の放送データが対応付けられている。
図示の通り、例えば、放送局Aでは、番組1010「サッカー(日本VSオランダ)」については、放送データA−1と、放送データA−2と、放送データA−3と、放送データA−4とが、それぞれ対応付けられている。この放送データA−1は、番組1010の映像を標準画質で表現する映像データを含むデータである。放送データA−2は、番組1010の映像を高画質で表現する映像データを含むデータである。放送データA−3は、日本代表のベンチ側から撮影された映像データや、日本代表のサポーターを撮影した映像データ等を含むデータである。放送データA−4は、オランダ代表のベンチ側から撮影された映像データや、オランダ代表のサポーターを撮影した映像データ等を含むデータである。つまり、放送データテーブル420において示される放送データのカテゴリーは、各放送データの内容や表現方法を示す情報である。
放送データA−1、A−3、A−4には、必要セグメント数として“1”が対応付けられている。一方、放送データA−2には、必要セグメント数として“5”が対応付けられている。これは、放送データA−1、A−3、A−4を放送するためには、少なくとも1のセグメントを割り当てる必要があり、一方、放送データA−2を放送するためには、少なくとも5のセグメントを割り当てる必要があることを意味する。
【0031】
集計テーブル430は、図6に示す通り、放送局と、番組タイトルと、予約数と、予約割合と、セグメント数とをそれぞれ対応付けるテーブルである。図6は、集計テーブル430の一例を示す図である。図6に示す例では、この集計テーブル430において、2011年6月11日の19時〜20時の時間帯において各放送局A〜Jにより放送される番組についての予約集計処理の集計結果と、セグメント数の割り当て処理の割当結果とが、それぞれ番組ごとに対応付けられている。
この集計テーブルにおいて、放送局を示す情報と、番組タイトルを示す情報とは、予め書き込まれている。一方、予約数を示す情報と、予約割合を示す情報と、セグメント数を示す情報とは、後述する予約集計処理とセグメントの割り当て処理において、書き込まれる情報である。
【0032】
予約集計部114は、予約集計処理において、対象の予約データに基づき、同一の放送時間帯に放送予定の複数の番組ごとに、視聴者により予約された予約数を集計して、各番組の予約数を集計テーブル430の予約数に書き込む。
この予約集計部114は、例えば、内蔵するタイマーによって計時される時刻に基づき、放送時間帯に応じて予め決められた集計時刻に到達したか否かを判定し、集計時刻に到達した場合、予約集計処理を実行する。この集計時刻とは、予約数の集計やセグメントの割り当てに要する時間を考慮して放送時間に間に合うように設定される時刻であって、例えば、放送開始時刻の48時間前と予め設定されている。
【0033】
また、予約集計部114は、予約集計処理において、対象の予約データに基づき、同一の放送時間帯に放送予定の複数の番組のそれぞれについて、視聴者により予約された番組に対する要求内容を集計して、放送時間帯ごとに各番組に対する視聴者からの要求の集計結果を集計テーブル430の視聴者からのコメントの欄に書き込む。この予約集計部114は、例えば、予約データの視聴者からのコメントに含まれる文字列から予め決められた要求キーワードを抽出し、予約集計処理の対象である全ての予約データから抽出された要求キーワードの個数を集計する。予約集計部114は、集計した要求キーワードの個数が多かった順に順位付けして、例えば、1〜10位までの要求キーワードを集計結果として、集計テーブル430の視聴者からのコメントの欄に書き込む。なお、要求キーワードとは、放送データの表現方法を示す単語であって、例えば、放送データのカテゴリーを表わす単語等である。言い換えると、予約集計部11は、抽出した要求キーワードの出現頻度に応じて順位付けした情報を集計結果として、集計テーブル430の視聴者からのコメントの欄に書き込む。
【0034】
セグメント数決定部115は、予約集計部114の集計結果に基づき、セグメント数の割り当て処理を実行する。ここで、図7を参照して、セグメント数の割り当て処理の概念について説明する。図7は、セグメントの割り当ての概念について説明するための図である。
図7(a)に示す通り、セグメントの割り当て処理前に放送を予定している番組は、放送リスト901に含まれる6つの番組(サッカー、ドラマ、料理、バラエティー、将棋、アニメ)である。これら6つの番組の予約集計処理がなされ、予約割合が算出された場合、セグメント数決定部115は、この予約割合に応じて、例えば、図7(b)に示す通り、各番組の提供形態を決定する。図7(b)に示す通り、各番組の提供形態902は、リアルタイム型放送、蓄積型放送、インターネット配信、放送しないという4つの選択肢が用意されている。
ここで、リアルタイム型放送とは、セグメント数の割り当て処理前の番組表において予定されている放送時間帯に番組内容を放送する提供形態である。また、蓄積型放送とは、セグメント数の割り当て処理前の番組表において予定されている放送時間帯に端末12に記録するために放送する提供形態である。なお、蓄積型放送の際に、放送された番組を録画すると同時に、端末12に表示させるものであってもよい。
インターネット配信は、デジタル放送ではなく、専用のホームページ等でストリーミングやダウンロードにより番組内容を提供する形態である。このインターネット配信では、配信時間は放送予定時間帯に提供されることが好ましく、また、放送予定時間帯以外であってもよい。なお、放送しない場合、デジタル放送でも放送されず、インターネットでも配信されない。
【0035】
このセグメント数の割り当て処理は、リアルタイム型放送と蓄積型放送の提供形態において、デジタル放送で利用する33のセグメントを利用する。本実施形態に係る当該処理においては、予定されている番組のうち、予約割合の高い番組について、視聴者が要求する表現方法で表現されている番組内容を放送することが第一優先である。そして、予約割合の高い番組についてのセグメント数の割り当て後、セグメント数に余裕がある場合、予約割合の高い順に、その他の番組を放送するためのセグメントを割り当てる。さらに、デジタル放送のための33のセグメントの範囲内で放送できない番組や、予約割合が極めて低かった番組等は、インターネット配信で配信したり、あるいは、放送を中止したりする。
【0036】
図2に戻って、セグメント数決定部115のセグメント数の割り当て処理について、具体的に説明する。セグメント数決定部115は、同一時間帯に放送される全ての番組の予約数に対する、同一時間帯に放送される各番組の予約数の割合(この割合を予約割合という)を算出し、当該算出された予約割合に応じて、各番組に割り当てられるセグメント数を決定する。この予約割合を算出するための演算式の一例を以下に示す。
<予約割合の演算式>
一の番組の予約割合=当該番組の予約数/全番組の予約数

セグメント数決定部115は、算出した予約割合を各番組に対応付けて集計テーブル430の予約割合の欄に書き込む。
【0037】
このセグメント数決定部115は、集計テーブル430に書き込まれた予約割合に基づき、割当テーブル440を参照して、予約割合に応じて予め決められている割当パターンを判定する。また、セグメント数決定部115は、判定した割当パターンに応じて予約割合に応じたセグメント数を決定する場合、セグメント数対応表450を参照して、予約割合に応じたセグメント数を判定する。なお、割当テーブル440とセグメント数対応表450とは、記憶部113に保存されている。
【0038】
ここで、図8を参照して、割当テーブル440の一例について説明する。図8は、割当テーブル440の一例を示す図である。
図8に示す通り、割当テーブル440は、セグメント割当範囲と、リアルタイム型放送と、蓄積型放送とをそれぞれ対応付けるテーブルである。
セグメント割当範囲は、予約割合に応じて予め決められている割当パターンP1〜P4を示す情報である。この割当パターンP1は、予約割合20%以上の場合に適応される割当パターンである。また、割当パターンP2は予約割合5%以上かつ20%未満の場合に、割当パターンP3は予約割合1%以上かつ5%未満の場合に、割当パターンP4は予約割合1%未満の場合に、それぞれ適応される割当パターンである。
リアルタイム型放送は、番組表において予定されている放送時間帯(リアルタイム)に放送するためのセグメント数と当該セグメントの割り当て方法を示す情報である。蓄積型放送は、番組表において予定されている放送時間帯において端末12に記憶させるための放送データを送信するためのセグメント数と当該セグメントの割り当て方法を示す情報である。本実施形態において、各割当パターンP1〜P4は、それぞれ、リアルタイム型放送、あるいは、蓄積型放送のいずれか一方において規定されているセグメント数および割り当て方法を用いて、セグメント数を割り当てることが予め決められている。ここでは、予約割合が5%以上であった場合、リアルタイム型放送の規定に基づきセグメント数の割り当てを行い、予約割合が5%未満であった場合、蓄積型放送の規定に基づきセグメント数の割り当てを行うことが予め決められている。
これら割当パターンP1〜P4は、予約割合の高い番組ほど割り当てられるセグメント数が多くなるようにセグメント数を決定するように規定されている。また、割当パターンP1〜P4は、予約割合の高い番組ほど予定されている放送時間帯に放送するためのセグメント(リアルタイム型放送用のセグメント)を割り当て、予約割合の低い番組ほど予定されている放送時間帯に放送して端末12に記録するためのセグメント(蓄積型放送用のセグメント)を割り当てるように規定されている。
【0039】
例えば、割当パターンP1の場合、セグメント数決定部115は、リアルタイム型放送の規定に従い、予約割合に応じたセグメント数を割り当てる。ここで、セグメント数決定部115は、図9に示すセグメント数対応表450を参照して、予約割合に応じたセグメント数を割り当てる。また、割当パターンP1の場合、セグメント数決定部115は、蓄積型放送の規定に従い、放送予定時間とずらして放送するセグメント数“1”を割り当てる。ここで、セグメント数決定部115は、視聴者が視聴や録画をしやすい時間帯に放送するセグメント数“1”を割り当てることが好ましい。
また、割当パターンP2の場合、セグメント数決定部115は、リアルタイム型放送の規定に従い、予約割合に応じたセグメント数を割り当てる。ここで、セグメント数決定部115は、図9に示すセグメント数対応表450を参照して、予約割合に応じたセグメント数を割り当てる。また、割当パターンP2の場合、セグメント数決定部115は、蓄積型放送の規定に従い、放送予定時間とずらして放送するセグメント数“1”を割り当てる。ここで、セグメント数決定部115がセグメント数“1”を割り当てる時間帯については問わない。
なお、セグメント数対応表450は、予約割合の高い番組ほど予定されている放送時間帯に放送するためのセグメントとして割り当てるセグメント数が多くなるように各数字が規定されている。
【0040】
さらに、割当パターンP3の場合、セグメント数決定部115は、リアルタイム型放送の規定に従い、セグメント数“1”を割り当てる。また、割当パターンP3の場合、セグメント数決定部115は、蓄積型放送の規定に従い、放送するセグメント数を割り当てない。つまり、セグメント数決定部115は、蓄積型放送の規定に従い、セグメント数“0”を割り当てる。
また、割当パターンP4の場合、セグメント数決定部115は、リアルタイム型放送の規定に従い、放送予定時間とずらして蓄積型放送により放送するセグメント数“1”を割り当てる。つまり、セグメント数決定部115は、リアルタイム型で放送するためのセグメントについては割り当てを行わず、かつ、放送予定時間帯以外の時間帯の蓄積型で放送するためのセグメントについて割り当てを行う。また、割当パターンP4の場合、セグメント数決定部115は、蓄積型放送の規定に従い、放送予定時間とずらしてIP放送する。つまり、セグメント数決定部115は、蓄積型で放送するためのセグメントについて割り当てを行わず、セグメント数“0”を割り当てる。
【0041】
放送データ決定部116は、セグメント数決定部115によって決定されたセグメント数が複数であった場合、予約データに含まれる視聴者からの要求を示す情報に基づき、異なる手法で同一番組を表現する複数の放送データのうち当該視聴者の要求に応じた手法で表現する放送データを選択し、当該選択した放送データを放送することを決定する。つまり、放送データ決定部116は、セグメント数決定部115によって割り当てられたセグメント数と、当該セグメント数が割り当てられた番組について用意されている全ての放送データの放送に必要なセグメント数とを比較する。当該番組に割り当てられたセグメント数が当該番組の全ての放送データの放送に必要なセグメント数以上である場合、放送データ決定部116は、当該番組について用意された全ての放送データを放送することを決定する。一方、当該番組に割り当てられたセグメント数が当該番組の全ての放送データの放送に必要なセグメント数未満である場合、放送データ決定部116は、集計テーブル430の視聴者からのコメントに含まれる要求キーワードのうち、上位の要求キーワードと関連付けられている放送データを優先的に選択して、当該放送データの放送に必要なセグメント数が割り当てられたセグメント数以下となるように放送データを選択する。
【0042】
ここで、図10、11を参照して、サーバ11による予約集計処理とセグメント割当処理によって変更される番組表の一例について説明する。
図10は、放送時間帯における番組の編成の一例を示す図である。図10(a)は、セグメント割当処理前の番組編成の一例を示す図である。図10(b)は、セグメント割当処理後の番組編成の一例を示す図である。
図10(a)に示す通り、19:00〜20:00の時間帯において、デジタル放送に使用される周波数帯域を半分に分割して、一方の周波数帯域にリアルタイム型の放送のための周波数帯域を割り当て、他方の周波数帯域に蓄積型の放送のための周波数帯域を割り当てる。例えば、リアルタイム型の放送においては、6つの番組(サッカー、野球、音楽1、美容、ニュース、バラエティー)が割り当てられている。蓄積型の放送においては、6つの番組(料理、健康、旅、ドキュメント、ゲーム、将棋)が割り当てられている。なお、これら計12の番組は、それぞれ異なる放送局において放送される番組である。
【0043】
この図10(a)に示す19:00〜20:00の時間帯の番組編成を、本実施形態に係るセグメント割当処理により割り当てられたセグメント数に応じて番組編成を変更した場合、例えば、図10(b)に示すようになる。
図10(b)に示す通り、20:00〜21:00の時間帯において、例えば、デジタル放送に使用される周波数帯域のうち2/3の周波数帯域にリアルタイム型の放送のための周波数帯域を割り当て、残りの1/3の周波数帯域に蓄積型の放送のための周波数帯域を割り当てる。例えば、リアルタイム型の放送においては、図10(a)に示すセグメント数割り当て処理前の6つの番組(サッカー、野球、音楽1、美容、ニュース、バラエティー)が割り当てられている。一方、蓄積型の放送においては、図10(b)に示す通り4つの番組(料理、健康、旅、ドキュメント)が割り当てられている。つまり、図10(a)に示すセグメント数割り当て処理前の6つの番組のうち2つの番組(ゲーム、将棋)が放送予定から外されている。なお、この外された2つの番組のうち、将棋の番組は、放送時間帯をずらして、20:00〜21:00の時間帯において、蓄積型の放送のための周波数帯域に割り当てられている。
また、図10(b)に示す通り、サッカーや野球の番組を示す円の大きさが、他の番組を示す円に比べて大きい。この円の大きさは、デジタル放送において使用できる周波数帯域において使用する周波数帯域の幅を示すものである。つまり、より多数のセグメント数が割り当てられた番組、例えば、サッカーや野球の番組は、その円の大きさが大きく、デジタル放送において使用できる周波数帯域において使用する周波数帯域の占める割合が大きいことを示している。このように1つの番組に対して複数のセグメントが割り当てられている場合、予約数に応じて決定される割当パターンに従い異なる手法で同一の番組を表現する複数の放送データを放送する。
【0044】
次に、図11を参照して、図10に示す通りセグメントが割り当てられた場合の番組表の一例について説明する。
図11(a)は、セグメント割当処理前の番組表の一例を示す図である。図11(b)は、セグメント割当処理後の番組表の一例を示す図である。
図11(a)に示す通り、セグメント割当処理前の番組表では、各放送局で放送が予定されている番組タイトルとその放送時間帯が示されている。
図11(b)に示す通り、セグメント割当処理後の番組表では、予約割合に応じて複数のセグメントが割り当てられて番組に対しては、複数の放送データのうち、視聴者が視聴したい放送データを選択できるように放送データのカテゴリーを表示している。例えば、19:00〜20:00内で複数のセグメントが割り当てられている番組(例えば、サッカー、野球)では、放送される映像の画質が異なる映像のうち、普通の画質である放送を視聴するか、あるいは、高画質の画質である放送を視聴するかを選択できる。また、19:00〜20:00内で複数のセグメントが割り当てられている番組(例えば、音楽1)では、放送される映像の撮影したカメラの設定位置(視点:view)が異なる映像のうち、コンサートホールの最前列から見える映像を視聴するか、あるいは、コンサートホールのセンター位置から見える映像を視聴するかを選択できる。
なお、図11において、太い実線により囲まれている番組は、リアルタイム型放送用のセグメントが割り当てられた番組であって、番組表内に“(蓄積)”と記載されている番組は、蓄積型放送用のセグメントが割り当てられている番組である。
【0045】
さらに、図11に示す通り、セグメントの割り当て前の番組表では、放送が予定されていた番組(例えば、19:00〜20:00の時間帯に放送予定のゲーム番組、20:00〜21:00の時間帯に放送予定のアニメ番組、20:00〜21:00の時間帯に放送予定の囲碁番組)が、セグメントの割り当て後の番組表では、放送予定が削除されている。また、セグメントの割り当て前の番組表では、19:00〜20:00の時間帯に放送が予定されていた将棋番組が、セグメントの割り当て後の番組表では、20:00〜21:00の時間帯に変更されている。なお、図11に示す番組表では放送が予定されていない番組であっても、図示しないが、当該放送時間以外の時間で放送されるものであってもよい。
このように、予約割合が1%未満である場合(割当パターンP4)、放送時間帯をずらして放送される。また、放送時間帯をずらしても割り当てるセグメントがない場合は、放送されない場合もある。
【0046】
このように、本実施形態に係るデジタル放送システムは、予約割合に応じて各番組に割り当てるセグメント数を決定して、セグメント数を割り振る前に決定されている番組編成を変更することができる。これにより、視聴者が希望している番組に対しては、視聴者の要求に応じた放送データを複数用意して、視聴者に選択肢を与えることができる。よって、視聴者は、視聴したい番組について、視聴したい表現方法の放送データを選択することができる。従って、視聴者からの人気が高い番組については、視聴者が求めている表現方法で放送することができる。
【0047】
次に、図12を参照して、本実施形態に係るデジタル放送システムの処理方法の一例について説明する。図12は、本実施形態に係るデジタル放送システムの処理方法の一例を示すシーケンス図である。なお、放送データに含まれる音声データについては、説明を省略する。
(ステップST1)
はじめに、操作部121を介して端末11の電源が投入され、次いで、デジタル放送の受信が指示されると、デジタル放送用のアプリケーションが起動される。ここで、サーバ11は、例えば、現在放送されている番組の映像を示す放送データと、例えば予約可能な放送時間帯の番組表を示す番組データとを含む放送波を継続的に送信している。
(ステップST2)
デジタル放送用のアプリケーションが起動されると、端末12のアンテナ126は、アンテナ塔13から送信される放送波を受信し、チューナー127に出力する。このチューナー127は、受信した放送波に基づき、設定されているチャンネルの放送データと、予約可能な放送時間帯の番組表を示す番組表データとを生成し、端末制御部122に出力する。
【0048】
(ステップST3)
端末制御部122は、入力する放送データに基づき、現在放送されている番組の映像を表示部125に表示させる。
(ステップST4)
ここで、ユーザが番組表を表示する指示を操作部121を介して入力した場合、操作部121は、番組表の表示を指示する操作情報を端末制御部122に出力する(ステップST4−YES)。そして、端末制御部122は、チューナー127から出力される番組表データに基づき、予約可能な放送時間帯の番組表を表示部125に表示させる。そして、表示部125は、例えば、上述した図3に示すような番組表を表示する。
【0049】
(ステップST5)
次いで、視聴者が、表示部125に表示されている番組表内の番組1010、1011、1020〜1022、1030、1031のうち、例えば、操作部121を介して番組1010を指定し、視聴予約を指示する。これにより、操作部121は、番組1010の視聴予約を示す操作情報を予約部123に出力する。そして、予約部123は、入力する操作情報に基づき、番組1010の予約内容を示す画面のデータ(例えば、番組テーブル410において対応付けられている放送日時、番組タイトル、番組内容を示す情報等)を記憶部128から読み出し、番組1010の予約内容を示す画面を表示部125に表示させる。この表示部125は、例えば、図13に示すような予約内容を示す画面を表示する。この予約内容を示す画面は、予約された視聴者からの要求を受け受け付けるための画面でもある。
【0050】
図13を参照して、予約内容を示す画面の一例について説明する。図13は、予約内容を示す画面の一例を示す図である。なお、図13には、番組1010が予約された場合の画面の一例を示す。
図13に示す通り、この予約内容を示す画面510は、予約された番組1010の放送日時511「2011/6/11 19:00〜21:00」と、番組タイトル512「サッカー(日本VSオランダ)」と、番組内容513「W杯でのリベンジなるか!!」と、視聴者からの意見514と、お知らせ設定515とを示す画面である。ここで、放送日時511と、番組タイトル512と、番組内容513は、番組テーブル410においてそれぞれ対応付けられている情報であり、番組表データに含まれる情報である。視聴者からの意見514と、お知らせ設定515とは、視聴者によって情報が指定される欄である。
【0051】
(ステップST6)
次いで、操作部121を介して、視聴者が、表示部125に表示されている予約した番組1010について、例えば、「高画質の映像で見たい」と指定するとともに、お知らせ機能を設定する。これにより、操作部121は、「高画質の映像で見たい」との要求と、お知らせ機能の設定の要求を示す操作情報を予約部123に出力する。なお、視聴者からの意見514「高画質の映像で見たい」は、視聴者が操作部121を介して文字入力するものであってもよく、視聴者が操作部121を介して予め決められた選択肢の中から選択するものであってもよい。また、お知らせ機能の設定は、視聴者が操作部121を介して設定時間を文字入力するものであってもよく、視聴者が操作部121を介して設定をONにすることにより予め決められたアラーム時間が設定されるものであってもよい。
【0052】
(ステップST7)
予約部123は、入力する操作情報に基づき、番組1010に対する視聴者からのこれら要求(「高画質の映像で見たい」との要求と、お知らせ機能の設定の要求)を示す情報を、番組1010の予約内容を示す画面510に追加して表示部125に表示させる。そして、表示部125は、例えば、図14に示すような予約された番組と視聴者の要求を示す画面520を表示する。
【0053】
ここで、図14を参照して、視聴者の要求が指定された予約内容を示す画面520の一例について説明する。図14は、視聴者の要求が指定された予約内容を示す画面520の一例を示す図である。なお、図14には、予約された番組1010に対する視聴者からの要求を示す画面520の一例を示す。
図14に示す通り、視聴者の要求が指定された予約内容を示す画面520は、予約された番組の放送日時511と、番組タイトル512と、番組内容513と、視聴者からの意見514「高画質の映像で見たい」と、お知らせ設定515「2011/6/11 18:55」とを示す画面である。このお知らせ設定515「2011/6/11 18:55」は、視聴予約した番組の放送時間の5分前に、番組放送がはじまることをアラーム等で視聴者に通知する機能が設定されていることを示す。なお、放送日時511と、番組タイトル512と、番組内容513は、上述の予約内容を示す画面の内容と同様であり、番組表データに含まれる情報である。
【0054】
(ステップST8)
そして、予約した番組1010に対する視聴者の要求の入力が完了した場合、予約部123は、番組表において予約された番組を区別して表示する番組表を表示部125に表示させる。この予約された番組を区別して表示する番組表の一例を図15に示す。図15は、予約された番組を示す番組表の一例を示す図である。
図15に示す番組表では、番組501が予約されており、番組タイトルの上部に“◆予約中”と表示されている。
【0055】
(ステップST9)
次いで、視聴者が、操作部121を介して、予約内容を確定し、確定した予約内容をサーバ11に送信する指示を入力する。予約部123は、予約された番組1010を示す情報と、予約された番組1010に対する視聴者からの要求(「高画質の映像で見たい」との要求と、お知らせ機能を設定する要求)を示す情報とを対応付けた予約データを作成して、端末制御部122に出力する。端末制御部122は、予約部123から入力する予約データを端末通信部124に出力する。そして、端末通信部124は、ネットワークを介して、予約データをサーバ11に送信する。
【0056】
(ステップST9)
そして、サーバ11は、端末12から送信される予約データをネットワークを介して受信する。
【0057】
次に、図16を参照して、図12に示す本実施形態に係るデジタル放送システムの処理方法の続きについて説明する。図16は、本実施形態に係るデジタル放送システムの処理方法の一例を示すシーケンス図である。
(ステップST11)
サーバ11のサーバ通信部112は、端末12からネットワークを介して送信される予約データを受信すると、受信した予約データを記憶部113に格納する。なお、予約データには、上述の通り、予約された番組の放送日時511と、番組タイトル512と、番組内容513と、視聴者からの意見514と、お知らせ設定515と、をそれぞれ示す情報が含まれている。記憶部113は、これら情報をそれぞれ対応付けて受信する予約データを記憶する。
【0058】
(ステップST12)
次いで、予約集計部114は、内蔵するタイマーによって計時される時刻に基づき、放送時間帯に応じて予め決められた集計時刻に到達したか否かを判定する。この集計時刻とは、予約数の集計やセグメントの割り当てに要する時間を考慮して放送時間に間に合うように設定される時刻であって、例えば、放送開始時刻の28時間前と予め設定されている。
【0059】
(ステップST13)
集計時刻に到達した場合、予約集計部114は、予約集計処理を実行する。つまり、予約集計部114は、記憶部113に記憶されている予約データのうち集計時刻に到達した予約データを読み出す。そして、予約集計部114は、読み出した予約データに基づき、放送時間帯ごとに各番組の予約数を集計し、集計数を集計テーブル430(図6参照)に書き込む。予約集計部114は、これら放送局A〜Lが放送する各番組の予約数を集計し、集計テーブル430の予約数の欄に書き込み、セグメント数決定部115に対してセグメント数の割り当て処理を実行するよう指示する。
また、予約集計部114は、対象の予約データに基づき、同一の放送時間帯に放送予定の複数の番組A〜Lのそれぞれについて、視聴者により予約された番組に対する要求内容を集計して、放送時間帯ごとに各番組に対する視聴者からの要求の集計結果を集計テーブル430の視聴者からのコメントの欄に書き込む。この予約集計部114は、例えば、予約データの視聴者からのコメントに含まれる文字列から予め決められた要求キーワードを抽出し、予約集計処理の対象である全ての予約データから抽出された要求キーワードの個数を集計する。予約集計部114は、集計した要求キーワードの個数が多かった順に順位付けして、例えば、1〜10位までの要求キーワードを集計結果として、集計テーブル430の視聴者からのコメントの欄に書き込む。例えば、予約集計部114は、番組1010の視聴者からの要求の集計結果として、1位が高画質、2位が日本代表、3位がオランダ代表を取得し、集テーブル430の視聴者からのコメントの欄に書き込む。
【0060】
(ステップST14)
そして、セグメント数決定部115は、放送局A〜Lが放送する各番組の予約数の全体に対する予約割合を算出する。そして、セグメント数決定部115は、算出した予約割合を各番組に対応付けて集計テーブル430の予約割合の欄に書き込む。本実施形態において、各番組1010、1020、・・・、1100の予約割合は、図17に示す通りである。つまり、番組1010「サッカー」の予約割合が35%でもっとも高く、次いで、番組1020「野球」の予約割合が20%、番組1030「音楽」の予約割合が15%、番組1050「バラエティー」の予約割合が8%、番組1090「ドキュメント」の予約割合が6%、・・・である。
【0061】
次いで、セグメント数決定部115は、集計テーブル430に書き込まれた予約割合に基づき、割当テーブル440を参照して、予約割合に応じて予め決められている割当パターンを判定する。なお、この割当パターンを判定するための処理について、図18を参照して詳細に説明する。図18は、本実施形態に係る割当パターンの判定方法の一例について説明する。
(ステップST141)
図18に示す通り、セグメント数決定部115は、集計テーブル430に書き込まれた番組のうち、予約割合が20%以上の番組があるか否かを判定する。
(ステップST142)
そして、セグメント数決定部115は、番組1010「サッカー」と、番組1020「野球」との予約割合が20%以上であると判定し、それぞれの割当パターンが割当パターンP1であると判定する。
【0062】
(ステップST143)
次いで、セグメント数決定部115は、予約割合が20%以上であると判定された番組を除き、予約割合が5%以上の番組あるか否かを判定する。つまり、セグメント数決定部115は、集計テーブル430に書き込まれた番組のうち、予約割合が5%以上かつ20%未満の番組があるか否かを判定する。
(ステップST144)
そして、セグメント数決定部115は、番組1030「音楽」と、番組1050「バラエティー」と、番組1060「美容」と、番組1090「ドキュメント」との予約割合が5%以上かつ20%未満であると判定し、それぞれの割当パターンが割当パターンP2であると判定する。
【0063】
(ステップST145)
次いで、セグメント数決定部115は、予約割合が5%以上であると判定された番組を除き、予約割合が1%以上の番組あるか否かを判定する。つまり、セグメント数決定部115は、集計テーブル430に書き込まれた番組のうち、予約割合が1%以上かつ5%未満の番組があるか否か、また、予約割合が1%未満の番組があるか否かを判定する。
(ステップST146)
そして、セグメント数決定部115は、番組1040「ニュース」と、番組1070「料理」と、番組1080「将棋」との予約割合が1%以上かつ5%未満であると判定し、それぞれの割当パターンが割当パターンP3であると判定する。
(ステップST147)
一方、セグメント数決定部115は、番組1100「ゲーム」の予約割合が1%未満であると判定し、この割当パターンが割当パターンP4であると判定する。
【0064】
そして、図16に戻って説明の続きをする。
また、セグメント数決定部115は、割当テーブル440を参照して、判定した割当パターンに応じたセグメント数を決定する。なお、本実施形態において、セグメント数決定部115は、予約割合が1%以上である番組については、リアルタイム型で放送するためのセグメントを割り当て、予約割合が1%未満である番組については、蓄積型で放送するためのセグメントを割り当てることが、予め決められている。
例えば、セグメント数決定部115は、割当パターンP1である番組1010「サッカー」と、番組1020「野球」に対しては、セグメント数対応表450を参照して、予約割合に応じたセグメント数を、それぞれ割り当てる。ここでは、番組1010「サッカー」の予約割合が35%であるため、セグメント数決定部115は、セグメント数“10”を割り当てる。また、番組1020「野球」の予約割合が20%であるため、セグメント数決定部115は、セグメント数“7”を割り当てる。なお、これら割り当てられるセグメントは、リアルタイム型で放送するためのセグメントである。
【0065】
また、セグメント数決定部115は、割当パターンP2である番組1030「音楽」と、番組1050「バラエティー」と、番組1060「美容」と、番組1090「ドキュメント」に対しては、セグメント数対応表450を参照して、予約割合に応じたセグメント数を、それぞれ割り当てる。つまり、セグメント数決定部115は、番組1030「音楽」(15%)に対してセグメント数“5”、番組1050「バラエティー」(8%)に対してセグメント数“3”、番組1060「美容」(5%)に対してセグメント数“2”、番組1090「ドキュメント」(6%)に対してセグメント数“2”を、それぞれ割り当てる。なお、これら割り当てられるセグメントは、リアルタイム型で放送するためのセグメントである。
【0066】
さらに、セグメント数決定部115は、割当パターンP3である番組1040「ニュース」と、番組1070「料理」と、番組1080「将棋」に対しては、割当テーブル440に規定されている通り、セグメント数“1”を、それぞれ割り当てる。なお、これら割り当てられるセグメントは、リアルタイム型で放送するためのセグメントである。
また、セグメント数決定部115は、割当パターンP4である番組1100「ゲーム」に対しては、割当テーブル440に規定されている通り、セグメント数“1”を割り当てる。なお、割り当てられるセグメントは、蓄積型で放送するためのセグメントである。
【0067】
そして、セグメント数決定部115は、セグメント割当処理において割り当てた各番組のセグメント数を示す情報を放送データ決定部116に出力する。
【0068】
(ステップST15)
そして、放送データ決定部116は、セグメント数決定部115から入力する各番組のセグメント数を示す情報に基づき、放送割振処理を実行する。この放送割振処理は、同一時間帯に放送する番組を割り振る処理と、割り振られた番組において放送される放送データを割り振る処理とを含む。放送データ決定部116は、利用可能な33セグメントにおいて予約割合が多い番組に対して優先的に視聴者の要求を反映した割り振り処理を行う。
【0069】
ここで、図19を参照して、放送データ決定部116による放送割振処理の一例について説明する。図19は、放送データ決定部116による放送割振処理の一例について説明するための図である。
例えば、放送データ決定部116は、セグメント数決定部115から入力する各番組のセグメント数を示す情報に基づき、各番組に対して、予約割合が高い順にセグメントを割り当てる。このようにして割り当てられた結果を図19(a)に示す。図19(a)に示す通り、番組1010「サッカー」には10セグメントが、番組1020「野球」には7セグメントが、番組1030「音楽」には5セグメントが、番組1050「バラエティー」には3セグメントが、番組1060「美容」および番組1090「ドキュメント」には2セグメントが、番組1040「ニュース」と番組1070「料理」と番組1080「将棋」とには1セグメントが、それぞれ割り当てられている。なお、これらに割り当てられるセグメントは、リアルタイム型の放送のためのセグメントである。一方、番組1100「ゲーム」には、蓄積型の放送のための1セグメントが割り当てられている。
【0070】
放送データ決定部116は、この図19(a)に示すセグメントの割り当てに基づき、放送データテーブル420を参照して、各番組内の放送データの調整を行う。
例えば、放送データ決定部116は、10セグメントが割り当てられている番組「サッカー」について、用意されている放送データA−1〜A−4の必要セグメント数の総和を算出する。この放送データA−1〜A−4の必要セグメント数の総和は“8”であり、割り当てられているセグメント数“10”以下である。よって、放送データ決定部116は、図19(b)に示す通り、番組「サッカー」の放送データA−1〜A−4の放送を決定し、8セグメントを割り振る。
また、放送データ決定部116は、7セグメントが割り当てられている番組「野球」について、用意されている放送データB−1〜B−4の必要セグメント数の総和を算出する。この放送データB−1〜B−4の必要セグメント数の総和は“8”であり、割り当てられているセグメント数“7”以上である。よって、放送データ決定部116は、とりあえず、放送データB−1〜B−4のうち、必要セグメントの総和が“7”以下となるように、視聴者からの要求に応じた放送データを選択する。つまり、放送データ決定部116は、集計テーブル430を参照して、番組「野球」と対応付けられている視聴者からのコメントの欄に記載されている要求キーワードを読み出す。そして、放送データ決定部116は、この要求キーワードと対応する放送データを選択する。本実施形態において、要求キーワードとして、1位が高画質、2位がAチーム、3位がBチームであることを示す情報が、集計テーブル430の視聴者からのコメントの欄に書き込まれているとする。この場合、放送データ決定部116は、放送データB−1〜B−3を選択する。そして、放送データ決定部116は、とりあえず、番組「野球」の放送データB−1〜B−3の放送を決定し、7セグメントを割り振る。
ここで、放送データ決定部116は、放送データB−4については、セグメントが余った場合の調整時に割り振られる放送データとして、記憶部113に一時的に保存しておく。例えば、調整時の優先順位1位を示す情報を放送B−4に対応付けて記憶部113に保存する。
【0071】
同様にして、送割振部116は、番組ごとに、セグメント数決定部115によって割り当てられたセグメント数が必要セグメント数の総和以下であるかを判断し、以下であれば、用意されている全ての放送データの放送を決定し、必要セグメント数の総和を当該番組に割り当てる。
一方、セグメント数決定部115によって割り当てられたセグメント数が必要セグメント数の総和以下でない場合、セグメント数決定部115は、集計テーブル430を参照して、各番組と対応付けられている視聴者からのコメントの欄に記載されている要求キーワードを読み出し、この要求キーワードと対応する放送データを選択する。そして、放送データ決定部116は、とりあえず、当該番組に対しては、セグメント数決定部115によって割り当てられたセグメント数以下で放送可能な放送データの放送を決定し、決定した放送データの放送に必要なセグメントを割り振る。
このようにして、一時的に割り当てられたセグメントを図19(b)に示す。図19(B9)に示す通り、この場合、8個のセグメントが余っている。
【0072】
そこで、放送データ決定部116は、余っているセグメントに対して、記憶部113に一時的に保存されている放送データを読み出して、割り当ての調整を行う。例えば、記憶部113には、調整時の優先順位1位を示す情報を放送データB−4とを対応付けた情報と、調整時の優先順位2位を示す情報を放送データC−2とを対応付けた情報と、調整時の優先順位3を示す情報を放送データC−3とを対応付けた情報と、調整時の優先順位4位を示す情報を放送データE−4とを対応付けた情報と、調整時の優先順位5位を示す情報を放送データG−2とを対応付けた情報と、が格納されている。
この場合、放送データ決定部116は、優先順位の順番に従って、図19(b)に示すように余っているセグメントに対して、放送データを割り当てる。ここで、上述の優先順位1〜4位までの放送データの必要セグメント数の総和が“8”であるため、放送データ決定部116は、これら優先順位1〜4を示す情報と対応付けられている放送データの放送を決定し、セグメントを割り当てる。
このようにして、視聴者からの要求に応じて、余ったセグメントに対して割り当てられたセグメントを図19(c)に示す。図19(c)に示す通り、全てのセグメントに対して放送データが割り当てられている。この図19(c)に示すセグメントの割り当てが放送データ決定部116による最終的な割り当て結果である。
【0073】
(ステップST16、17)
そして、サーバ制御部111は、放送データ決定部116により最終的な割り当て結果に従って、放送時間に到達した場合、記憶部113に記憶されている放送データを、割り当てられたセグメントの周波数帯域の周波数(放送波)に変換して送信する。
これにより、端末12は、チャンネルを合わせることにより、放送データ決定部116によって決定された放送データを受信して、表示部125に出力させることができる。
【0074】
上述の通り、本実施形態に係るデジタル放送システムは、視聴者からの視聴予約の要求数が多い番組に対してはより多数のセグメントを割り当てて、異なる表現手法の内容で放送することができる。また、用意した放送データの全てを放送できない場合、予約の要求数が多い番組の優先順位を高くするとともに、用意された放送データのうち視聴者からの要求コメントに対応する放送データの優先順位を高くする。これにより、視聴者の要求に応じた番組を、視聴者の要求に応じた表現方法により、放送することができる。
【0075】
また、本実施形態に係るデジタル放送システムは、同一の番組を異なる表現方法で表現した複数の放送データを用意し、サーバ11の記憶部13に格納しておく。視聴者からの予約割合が高く人気のある番組に対しては、さまざまな表現方法により表現される放送データを用意しておくことにより、視聴者の選択肢の幅を広げることができる。例えば、同じコンサートホールでの演奏を放送する番組であっても、アリーナ席の最前列で見ているような感覚で楽しめる放送や、アーティストが良く見えるセンターの席でステージ全体を見渡してコンサートホールに参加しているような感覚で楽しめる放送等を行い、これら表現方法が異なる放送データから、視聴者が好む方を選択することができる。
【符号の説明】
【0076】
11・・・サーバ、12・・・端末、121・・・操作部、122・・・端末制御部、123・・・予約部、124・・・端末通信部、125・・・表示部、126・・・アンテナ、127・・・チューナー、128・・・記憶部、111・・・サーバ制御部、112・・・サーバ通信部、113・・・記憶部、114・・・予約集計部、115・・・セグメント数決定部、116・・・放送データ決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送事業者のサーバと複数の視聴者の端末とを含むデジタル放送システムであって、
前記端末は、
番組表を示す番組表データを前記サーバから受信し、前記番組表データ内の番組を予約したことを示す予約データを前記サーバに送信する端末通信部と、
前記視聴者によって操作され、当該視聴者からの予約と、当該視聴者からの要求とを受け付ける操作部と、
前記操作部から入力する視聴者の指示に従って、予約された番組を示す情報と当該予約された番組に対する視聴者からの要求を示す情報とを対応付けて前記予約データを作成する予約部と、を備え、
前記サーバは、
前記複数の端末から前記予約データを受信するサーバ通信部と、
前記複数の端末からの前記予約データに基づき、予定されている放送時間帯ごとに各番組の予約数を集計する予約集計部と、
前記集計部の集計結果に基づき、同一時間帯に放送される予定の全ての番組の予約数に対する、当該全ての番組に含まれる一の番組の予約数の割合である予約割合を算出し、当該算出された予約割合に応じて、各番組に割り当てられる周波数帯域の1単位であるセグメントの数を決定するセグメント数決定部と、
前記セグメント数決定部によって決定されたセグメント数が複数であった場合、前記予約データに含まれる前記視聴者からの要求を示す情報に基づき、異なる手法で同一番組を表現する複数の放送データのうち当該視聴者の要求に応じた手法で表現する放送データを選択し、当該選択した放送データを放送することを決定する放送データ決定部と
を備えることを特徴とするデジタル放送システム。
【請求項2】
前記予約集計部は、
前記予約データに含まれる視聴者からの要求を示す情報に基づき、視聴者からの要求を示す単語である要求キーワードを抽出し、当該要求キーワードの出現頻度に応じて順位付けした情報を作成し、
前記放送データ決定部は、
前記要求キーワードの出現頻度に応じて順位付けした情報に基づき、異なる手法で同一番組を表現する複数の放送データの中から、当該視聴者の要求に応じた手法で表現する放送データを選択することを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送システム。
【請求項3】
前記セグメント数決定部は、
前記予約割合に応じて予め決められた複数の割当パターンに従って、前記予約割合の高い番組ほど割り当てられるセグメント数が多くなるように前記セグメント数を決定することを特徴とする請求項1あるいは2に記載のデジタル放送システム。
【請求項4】
前記セグメント数決定部は、
前記予約割合に応じて予め決められた複数の割当パターンに従って、前記予約割合の高い番組ほど予定されている放送時間帯に放送するためのセグメントを割り当て、前記予約割合の低い番組ほど予定されている放送時間帯に放送して前記端末に記録するためのセグメントを割り当てることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載のデジタル放送システム。
【請求項5】
前記セグメント数決定部は、
前記予約割合に応じて予め決められた複数の割当パターンに従って、前記予約割合の低い番組であって、当該番組対して割り当てるためのセグメントが残っていない場合、当該番組に対してはセグメントを割り当てず、
前記放送データ決定部は、
前記セグメントが割り当てられなかった番組に対して、インターネットでの配信を決定することを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載のデジタル放送システム。
【請求項6】
放送事業者のサーバからの放送波を受信して放送内容を出力する視聴者の端末であって、
番組表を示す番組表データを前記サーバから受信し、前記番組表データ内の番組を予約したことを示す予約データを前記サーバに送信する端末通信部と、
前記視聴者によって操作され、当該視聴者からの予約と、当該視聴者からの要求とを受け付ける操作部と、
前記操作部から入力する視聴者の指示に従って、予約された番組を示す情報と当該予約された番組に対する視聴者からの要求を示す情報とを対応付けて前記予約データを作成する予約部と、を備えることを特徴とする端末。
【請求項7】
複数の視聴者の端末に対して放送波を送信する放送事業者のサーバであって、
前記複数の端末から予約データを受信するサーバ通信部と、
前記複数の端末からの前記予約データに基づき、予定されている放送時間帯ごとに各番組の予約数を集計する予約集計部と、
前記集計部の集計結果に基づき、同一時間帯に放送される予定の全ての番組の予約数に対する、当該全ての番組に含まれる一の番組の予約数の割合である予約割合を算出し、当該算出された予約割合に応じて、各番組に割り当てられるセグメント数を決定するセグメント数決定部と、
前記セグメント数決定部によって決定されたセグメント数が複数であった場合、前記予約データに含まれる前記視聴者からの要求を示す情報に基づき、異なる手法で同一番組を表現する複数の放送データのうち当該視聴者の要求に応じた手法で表現する放送データを選択し、当該選択した放送データを放送することを決定する放送データ決定部と
を備えることを特徴とするサーバ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2013−5311(P2013−5311A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136085(P2011−136085)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】