説明

デジタル放送用受信装置

【課題】デジタル放送用受信装置において、ベースバンド信号(I信号とQ信号)に振幅差が生じた場合でも、復調動作における誤り発生を抑え、受信特性の向上を図ること。
【解決手段】乗算回路6は、入力された高周波信号に対して2つの局部発振信号を乗算し、互いに位相が90度異なるの2つのベースバンド信号(I信号とQ信号)を生成する。第1、第2の可変利得増幅回路12,13は、I信号とQ信号をそれぞれ増幅する。制御回路16は、復調部19に入力するI信号とQ信号の振幅を検出し、I信号とQ信号の振幅が等しくなるように、第1、第2の制御信号を生成し、可変利得増幅回路12,13の利得をそれぞれ個別に制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上波デジタル放送やBSデジタル放送などのデジタル放送を受信する装置に関し、特に、チューナ部分における受信特性の向上を図ったデジタル放送用受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送受信装置では、受信した高周波信号は、2系統のダウンコンバータにて、互いに位相が90度異なる直交ベースバンド信号(I信号とQ信号)に変換される。その後デジタル復調し、誤り訂正処理等を施し、トランスポートストリーム信号として出力する。ここで、ベースバンド信号の振幅が最適値からずれた場合、デジタル復調動作に不具合が生じ、その後の復号データに誤りが生じるようになる。誤り量が少ないうちは誤り訂正回路での処理が可能であるが、誤り量が多いと、トランスポートストリーム出力信号に誤りが含まれてしまう。その結果、例えばテレビジョン装置であれば映像におけるブロックノイズの発生や音声への雑音の混入が生じることになる。
【0003】
特許文献1では、このような問題を解決するため、ベースバンド信号のレベル調整を行う増幅器に対し、受信信号条件(信号レベルの平坦性)に応じた制御信号を生成し、該増幅器の利得を制御する構成としている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−253955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、ベースバンド信号の2つの増幅器は同一の制御信号によって制御される構成である。そのため、直交ベースバンド信号のI信号とQ信号との間に振幅の差が生じた場合、この差を吸収することができない。I信号とQ信号の間に振幅差があると、デジタル復調動作において振幅判定、位相判定に誤りが生じる。その結果、復号データにおける誤りを増加させることになる。
【0006】
本発明の目的は、ベースバンド信号(I信号とQ信号)に振幅差が生じた場合でもこれを解消し、復号データにおける誤り発生を抑え、受信特性の向上を図ったデジタル放送用受信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、入力される高周波信号から所望の周波数チャネルを選局するチューナ部と、チューナ部からの信号に対してデジタル復調を行う復調部と備えたデジタル放送用受信装置において、入力された高周波信号に対して互いに位相が90度異なる2つの局部発振信号を乗算することで、互いに位相が90度異なるI信号とQ信号の2つのベースバンド信号を生成する乗算回路と、I信号とQ信号の2つのベースバンド信号をそれぞれ増幅する第1、第2の可変利得増幅回路と、復調部に入力するI信号とQ信号の2つのベースバンド信号の振幅に応じて、第1、第2の可変利得増幅回路の利得を個別に制御する制御回路とを備える。
【0008】
ここに制御回路は、復調部に入力するI信号とQ信号の振幅を検出し、該I信号とQ信号の振幅が等しくなるように、第1、第2の制御信号を生成し、第1、第2の可変利得増幅回路の利得をそれぞれ制御する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、映像音声データにおける誤り発生を抑え、受信特性の優れたデジタル放送用受信装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の最良の形態について図面を用いて具体的に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明によるデジタル放送用受信装置の一実施例を示すブロック図である。デジタル放送用受信装置1は、チューナユニット2を含み、チューナユニット2は、チューナ部18と復調部19を有する。
【0012】
高周波信号入力端子3から入力された高周波信号(RF信号)は、RF信号増幅回路4で増幅される。RF信号増幅回路4は、チューナユニット2全体の雑音特性を劣化させないように低雑音かつ高利得のものを使用する。増幅されたRF信号は、RF信号利得制御回路5に供給される。RF信号利得制御回路5は復調部19から供給される制御信号によって制御され、RF信号の電力を最適な電力として周波数変換用乗算回路6に出力する。なお、チューナ部18のRF回路部では、さらにフィルタ(図示せず)を設け、受信装置に対する妨害信号を除去しても良い。
【0013】
周波数変換用乗算回路6は、このRF信号と局部発振信号とを乗算することにより、ユーザが所望する周波数チャネルを選局し、ベースバンド信号に周波数変換する。ここで乗算回路6は乗算器を2系統備え、I(In−phase)信号とQ(Quadrature−phase)信号のベースバンド信号を生成する。そのため局部発振回路8は、ユーザが所望する周波数チャネルに対応した局部発振信号を発生する。その発振周波数はPLL回路9によって制御され、PLL回路9はマイクロコンピュータ(図示せず)により制御される。90度移相回路7には局部発振信号が供給され、互いに位相が90度異なる2つの局部発振信号を生成して周波数変換用乗算回路6に供給する。
【0014】
第1のLPF9と第2のLPF10は、各ベースバンド信号(I信号、Q信号)に含まれる不要波成分を除去する。第1のベースバンド信号増幅回路12と第2のベースバンド信号増幅回路13は、各LPF9,10から出力される各ベースバンド信号を増幅し、復調部19に供給する。各ベースバンド信号増幅回路12,13の利得は、復調部19からの制御信号により制御する構成とし、復調部19に入力されるベースバンド信号の振幅が最適となるように制御する。
【0015】
復調部19に入力されたベースバンド信号は、A/D変換回路14においてI信号とQ信号のそれぞれが個別にデジタル信号に変換される。このデジタル変換されたI信号とQ信号を元に、前述のRF信号利得制御回路5の利得を制御する制御信号と、ベースバンド信号増幅回路12,13の利得を制御する制御信号を生成して、該回路に対しフィードバック制御する。信号処理回路15は、I信号とQ信号をデジタル復調し、さらに誤り訂正処理を施して、トランスポートストリーム信号としてデータ信号出力端子17から出力する。出力されたトランスポートストリーム信号は、その後、デマルチプレクサ手段、デジタル伸長手段、映像処理手段、音声処理手段などに供給される。
【0016】
ここで、上記周波数変換用乗算回路6はI信号生成用の乗算器とQ信号生成用の乗算器を別個に有しており、これら2つの乗算器の間で出力振幅レベルが異なる場合、復調部19に入力する直交ベースバンド信号のI信号とQ信号は、それらの振幅が異なることになる。また、乗算回路6の出力するI信号とQ信号の振幅が等しい場合でも、その後のI信号用の第1のLPF10とQ信号用の第2のLPF11との間で通過特性が異なると、復調部19に入力するI信号とQ信号の振幅が異なる。あるいは、I信号用の第1のベースバンド信号増幅回路12とQ信号用の第2のベースバンド信号増幅回路13の特性が異なる場合にも、復調部19に入力するI信号とQ信号の振幅が異なることになる。
【0017】
そこで、本実施例では、復調部19の中に、さらに制御信号生成回路16を設けた。制御信号生成回路16は、A/D変換回路14が出力するデジタル化されたベースバンド信号(I信号とQ信号)の振幅をそれぞれ個別に検出する。検出した結果に応じて、I信号の振幅に対応した第1の制御信号を生成し、チューナ部18における第1のベースバンド信号増幅回路12に対してフィードバック制御をかけ、また、Q信号の振幅に対応した第2の制御信号を生成し、第2のベースバンド信号増幅回路13に対してフィードバック制御をかける。このように、第1、第2のベースバンド信号増幅回路12,13に対して、個別にその利得を制御するようにした。
【0018】
図4は、フィードバック制御の一例について説明する図である。制御信号生成回路16は、I信号およびQ信号の目標の振幅値を示すしきい値をもっており、検出したI信号およびQ信号の振幅をこのしきい値とを比較する。検出結果がしきい値より大きい場合は正の制御信号を、検出結果がしきい値より小さい場合は負の制御信号を出力する。各ベースバンド信号増幅回路12,13においてはそれぞれ第1、第2の制御信号を受けて、正の場合は利得を減らす方向に、負の場合は利得を増加させる方向に調整する。この動作を繰り返すことで、I信号とQ信号の振幅はともに共通の目標値に収束していく。この結果、I信号とQ信号の振幅の差を解消することができる。前記特許文献1のように、ベースバンド信号増幅回路12,13が同一の制御信号で制御される場合は、I信号とQ信号との間に振幅差があった場合、振幅差は解消されることはない。
【0019】
図5は、フィードバック制御の他の例について説明する図である。制御信号生成回路16は、I信号とQ信号の振幅の検出結果を比較する。I信号の振幅がQ信号の振幅より大きい場合は正の制御信号を、I信号の振幅がQ信号の振幅より小さい場合は負の制御信号を出力する。第1のベースバンド信号増幅回路12はこの制御信号を受けて、正の場合は利得を減らす方向に、負の場合は利得を増加させる方向に調整する。この動作を繰り返すことで、I信号の振幅はQ信号の振幅に等しくなり、その差を解消することができる。もちろん、I信号の振幅はそのままで、Q信号の振幅について、第2のベースバンド信号増幅回路13を制御するようにしても良い。
【0020】
ここで制御信号の形態は各種可能である。上述の説明ではI信号とQ信号の振幅、しきい値との差に基づき、正負の制御信号で表すことを述べた。その際の制御信号は、最も簡単には、例えば+1と−1の2値の制御とすればよい(このときの制御電圧は、例えば制御信号+1の場合には制御電圧0V、信号−1の場合には電圧4Vを対応させて供給する)。これをさらに、振幅差に応じて多値の制御としても良い。例えば、制御信号として+2,+1,0,−1,−2の5値で表す(制御電圧として0V,1V,2V,3V,4Vを対応させる)。ベースバンド信号増幅回路12,13は、制御信号5値の各レベルに応じて利得の調整幅を変えることで、I信号、Q信号の振幅が収束するまでの時間を短縮することができる。多値制御をさらに連続的に制御するようにすれば、より高精度の制御を行うことができる。
【0021】
以上説明したように、制御信号生成回路16において、第1、第2の制御信号を生成し、第1、第2のベースバンド信号増幅回路12,13の利得を個別に制御することにより、直交ベースバンド信号のI信号とQ信号との間に振幅差があった場合もこの振幅差を解消することが可能となる。この振幅差に起因するデジタル復調動作における不具合を回避し、さらには復号データにおける誤り発生を抑え、優れた受信特性の実現を可能とする。
【実施例2】
【0022】
図2は、本発明によるデジタル放送用受信装置の他の実施例を示すブロック図である。図1と共通のブロックについては同一の符号を付し、その説明は省略する。本実施例では、復調部19の内部に記憶部20を設け、I信号とQ信号の各振幅値に対するコード、および制御信号のコードをデータベースとして記憶している。制御信号生成回路16はA/D変換回路14の出力するデジタル化されたI信号とQ信号の振幅を検出し、検出結果を記憶部20のデータベースを参照し、対応するコードを第1、第2の制御信号として第1、第2のベースバンド信号増幅回路12,13に出力しフィードバック制御を行う。
【0023】
この場合の制御動作の一例について、図6を用いて説明する。検出したI信号とQ信号の各振幅値について、データベース内の振幅コード表を参照し、対応する振幅コードを取得する。その振幅コードをしきい値のコード値と比較する。比較結果に応じて、ベースバンド信号増幅回路の利得制御信号を生成する。その際の制御信号として、データベース内の制御コード表を参照し、対応する制御コードを取得する。ベースバンド信号増幅回路は、この制御コードに応じて利得を調整する。データベース内のある振幅値をしきい値として使用することもできる。
【0024】
ここで復調部19を構成する半導体集積回路は、デジタル放送用受信装置1内における図示しないマイクロコンピュータの制御を受けて動作しており、上記記憶部20をマイクロコンピュータから制御することが可能である。実施例1で示したしきい値を任意に選ぶことにより、I信号とQ信号の目標の振幅値をずらしてフィードバック制御を動作させることが可能となる。例えば、環境温度や受信状態などさまざまな状態に応じてI信号とQ信号の適正値が異なるような場合でも、記憶部20の設定を変えることによって、I信号とQ信号の各振幅値の収束値をそれぞれ所望の値に設定することが可能となり、環境の変化に対応し、常に好適な受信特性を維持することが可能となる。
【0025】
なお実施例2の変形例として、上記記憶部20を復調部19の外部に設ける構成も可能である。その場合も記憶部は、I信号とQ信号の各振幅値に対するコードをデータベースとして記憶し、制御信号生成回路16はこのデータベースを参照し、対応するコードを制御信号としてベースバンド信号増幅回路12,13に出力しフィードバック制御を行う。また、記憶部をマイクロコンピュータから制御することが可能であり、I信号とQ信号のしきい値を任意に選ぶことにより、I信号とQ信号の各振幅値の収束値をそれぞれ所望の値に設定することが可能となる。よって、環境が変化した場合でも常に好適な受信特性を維持することが可能となる。この変形例の構成では、復調部19に記憶部を有していないので、復調部19を簡易な構成で実現することができる。
【実施例3】
【0026】
図3は、本発明によるデジタル放送用受信装置の他の実施例を示すブロック図である。図1と共通のブロックについては同一の符号を付し、その説明は省略する。本実施例では、復調部19の制御信号生成回路16の出力部に汎用ポート21を使用し、さらに信号変換回路22,23を介してベースバンド信号増幅回路12,13へ制御信号を出力する。一般に汎用ポートは、High/Lowの2値の電圧を出力可能なので、制御信号が2値の信号なら、そのままベースバンド信号増幅回路12,13に供給できる。しかし、制御信号が多値(5値)の信号の場合には、信号を変換する必要がある。本実施例では、5値の制御信号を伝送するため汎用ポートを3本使用し、信号変換回路22,23は、汎用ポート21からのHigh/Lowの組み合わせを5値の電圧に変換するものである。信号変換回路22,23は、例えば3ビット入力のD/A変換器で構成できるが、これに限定されない。汎用ポートからの信号を、論理回路の組み合わせによっても制御信号に変換できる。
【0027】
ここでは、複数の汎用ポートを用いた例で説明したが、汎用ポートからの信号がPWM(Pulse Width Modulation)変調信号の場合は、信号変換回路は抵抗とコンデンサを組み合わせた簡易なLPFにて構成できる。
【0028】
また、汎用ポートから連続的に可変する電圧(例えば0〜3V)を出力可能であって、その電圧がベースバンド信号増幅回路12,13の利得を制御するために必要な電圧(例えば0〜5V)と異なる場合には、上記信号変換回路22,23は直流電圧を変換する回路としても機能する。
【0029】
また本実施例において、前記実施例2のように、復調部19の内部あるいは外部にさらに記憶部を設けても良い。記憶部には、I信号とQ信号の各振幅値に対するコード、および制御信号のコードをデータベースとして記憶し、これを参照することで制御信号を生成しフィードバック制御を行うことができる。
【0030】
このように本実施例では、通常の半導体集積回路が有する汎用ポートを利用して信号を伝送するので、実用的な構成を提供できる。そして、汎用ポートの出力信号を、ベースバンド信号増幅回路12,13の利得制御に適した形の制御信号に変換するので、前記実施例と同様に、I信号とQ信号との間の振幅差を解消し、優れた受信特性を実現できる。
【0031】
なお実施例3の変形例として、信号変換回路20,21をチューナ部18内に設けた構成とすることができる。信号変換回路23,24を含むチューナ部18を集積化することで、チューナ部18外に設ける場合よりも、チューナユニット2の小型化に貢献する。チューナユニット2の小型化は、テレビ放送を移動しながら視聴する車載機器や携帯機器用のデジタル放送受信装置にとって、特に有効である。
【0032】
上記各実施例では、復調部19の中に制御信号生成回路16を設け、これより制御信号を生成する構成とした。本発明はこれに限らず、制御信号生成回路を他のブロック、例えばチューナ部18内に設け、復調部19からは直交ベースバンド信号(I信号とQ信号)の振幅の検出結果情報のみを伝送するようにしても良い。
【実施例4】
【0033】
図7は、本発明によるデジタル放送用受信装置の他の実施例を示すブロック図である。本実施例では、前記各実施例で述べたチューナユニット2を搭載したテレビジョン信号受信機を示している。
【0034】
チューナユニット2はマイクロコンピュータ30の制御を受けて動作し、ユーザが視聴を所望する番組のトランスポートストリーム信号を出力する。第2の信号処理回路31はこのトランスポートストリーム信号を受けて必要な信号処理を行う。すなわち、トランスポートストリームに複数の番組が多重されている場合には、多重化された番組から視聴所望される番組をデマルチプレクサ手段において抜き取り、受信信号に施されているデジタル圧縮処理に応じたデジタル伸長手段によって映像信号、音声信号を出力する。さらに第2の信号処理回路31が出力する映像信号は、映像信号処理回路32において必要な処理を受け、モニタ34で表示される。また、第2の信号処理回路31が出力する音声信号は、音声信号処理回路33において必要な処理を受け、スピーカ35から音声として出力される。なお、モニタ34とスピーカ35は、外部に接続する構成でも良い。
【0035】
本実施例では、前記各実施例によるチューナユニット2を搭載することにより、映像音声データにおける誤り発生を抑え、優れた受信特性を実現したテレビジョン受信装置を実現することができる。さらに図示しないが、テレビジョン受信装置に限ることなく、ビデオ録画再生装置などのデジタル放送用受信装置であっても同様の効果を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明によるデジタル放送用受信装置の一実施例を示すブロック図。
【図2】本発明によるデジタル放送用受信装置の他の実施例を示すブロック図。
【図3】本発明によるデジタル放送用受信装置の他の実施例を示すブロック図。
【図4】フィードバック制御の一例について説明する図。
【図5】フィードバック制御の他の例について説明する図。
【図6】フィードバック制御の他の例について説明する図。
【図7】本発明によるデジタル放送用受信装置の他の実施例を示すブロック図。
【符号の説明】
【0037】
1…デジタル放送用受信装置、2…チューナユニット、3…高周波信号入力端子、4…RF信号増幅回路、5…RF信号利得制御回路、6…周波数変換用乗算回路、7…90度移相回路、8…局部発振回路、9…PLL回路、10,11…LPF、12,13…ベースバンド信号増幅回路、14…A/D変換回路、15…信号処理回路、16…制御信号生成回路、17…データ信号出力端子、18…チューナ部、19…復調部、20…記憶部、21…汎用ポート、22,23…信号変換回路、30…マイクロコンピュータ、31…第2の信号処理回路、32…映像信号処理回路、33…音声信号処理回路、34…モニタ、35…スピーカ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される高周波信号から所望の周波数チャネルを選局するチューナ部と、該チューナ部からの信号に対してデジタル復調を行う復調部と備えたデジタル放送用受信装置において、
入力された高周波信号に対して互いに位相が90度異なる2つの局部発振信号を乗算することで、互いに位相が90度異なるI信号とQ信号の2つのベースバンド信号を生成する乗算回路と、
該I信号とQ信号の2つのベースバンド信号をそれぞれ増幅する第1、第2の可変利得増幅回路と、
上記復調部に入力するI信号とQ信号の2つのベースバンド信号の振幅に応じて、該第1、第2の可変利得増幅回路の利得を個別に制御する制御回路と、
を備えることを特徴とするデジタル放送用受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタル放送用受信装置において、
前記制御回路は、前記復調部に入力するI信号とQ信号の振幅を検出し、該I信号とQ信号の振幅が等しくなるように、該第1、第2の可変利得増幅回路の利得をそれぞれ制御する第1、第2の制御信号を生成することを特徴とするデジタル放送用受信装置。
【請求項3】
請求項2に記載のデジタル放送用受信装置において、
前記検出されるI信号とQ信号の各振幅に対する前記第1、第2の制御信号の制御コードをデータベースとして記憶する記憶部を備え、
前記制御回路は、該記憶部のデータベースを参照して、前記第1、第2の制御信号の制御コードを生成することを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項4】
請求項2に記載のデジタル放送用受信装置において、
前記I信号とQ信号に対して目標の振幅値であるしきい値をデータベースとして記憶する記憶部を備え、
前記制御回路は、検出したI信号とQ信号の振幅を該しきい値と比較することにより、前記第1、第2の制御信号を生成することを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項5】
請求項2に記載のデジタル放送用受信装置において、
前記復調部には、前記第1、第2の制御信号を複数ビットのパラレル信号にて出力する複数の汎用ポートを有し、
該汎用ポートからのパラレル信号を前記第1、第2の可変利得増幅回路の制御信号に変換する信号変換回路を備えることを特徴とするデジタル放送用受信装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項記載のデジタル放送用受信装置において、
前記復調部にて復調されたデジタル信号を復号化するとともに、映像および音声信号の処理を行い、モニタおよびスピーカに供給する信号処理回路を備えることを特徴とするデジタル放送用受信装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−173714(P2006−173714A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−359554(P2004−359554)
【出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【出願人】(000153535)株式会社日立メディアエレクトロニクス (452)
【Fターム(参考)】