説明

デジタルRFメモリ装置

【課題】受信信号レベルを入力減衰器で調整・制御してA/D変換回路の変換可能範囲に収めるまでには、受信信号の振幅値計算時間と減衰器の制御時間に時間を要し、即座に目標とするレベルで受信、再生できないという問題があった。
【解決手段】本発明は、受信信号の振幅値算出、減衰器制御による遅れ時間を無くすために、過去の受信信号振幅値を蓄積しておき、次の受信信号が到来するまでに、受信信号レベルを予測計算し、入力、出力減衰器の制御を行う。これにより、受信信号到来と同時に受信信号レベルをA/D変換回路の変換可能範囲に収めることが可能となる。再生も同様に、目標とする再生信号レベルに設定が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パルスレーダ波などの受信波をデジタル波形信号に変換してメモリに記憶し、そのメモリからの読み出しを制御して、受信パルスレーダ波に対する妨害波等を送出するデジタルRF(Radio Frequency)メモリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アンテナからパルスレーダ波を送出し、その反射波をアンテナで受信して目標物を探索するパルスレーダシステムにおいて、目標物においては受信パルスレーダ波をA/D変換回路によりデジタル波形信号に変換してメモリに記憶し、そのメモリからの読み出しを制御して、読み出したデジタル波形信号をD/A変換回路によりアナログ信号に変換して、受信パルスレーダ波に対する妨害波を送出するようにしたデジタルRFメモリ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−85340号公報
【0003】
またこのようなデジタルRFメモリ装置において、A/D変換回路の前段に入力減衰器を設け、受信系が飽和するような受信信号レベルが高い場合、入力減衰器で受信信号を減衰させ、A/D変換回路の範囲上限に収まるようにレベルダイヤを調整することが行われる。一方、受信信号レベルが低い場合には入力減衰器の減衰量を小さく設定し、A/D変換回路の範囲下限に納まるようにレベルダイヤを調整することが行われる。この入力減衰器のレベル調整は、アナログ信号をデジタル信号に変換後、振幅値を算出して、その結果を元に受信信号のダイナミックレンジが大きく取れるように入力減衰器のレベルダイヤの調整を行う。またD/A変換回路の後段に出力減衰器を設け、メモリから読み出した再生信号が妨害波として目標とする再生レベルで送出できるよう、上記振幅値算出結果を元に、再生信号レベルを変化させるため出力減衰器で再生信号のレベルダイヤ調整をすることが行われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のデジタルRFメモリ装置は、上記のように受信信号が到来してからそれをA/D変換した後に振幅値を算出し、その結果で入力減衰器および出力減衰器のレベルダイヤを調整していたため、振幅値を算出する時間及びその結果を元に減衰器のレベル調整に要する時間を合わせた時間分の遅れが生じる。このため受信信号を検出して入力減衰器の調整が完了するまでの期間に次に到来する受信信号レベルが大きく変化した場合は、A/D変換回路の範囲上限に収まりきれないことがあり、目標とするレベルでの受信が出来ないという問題があった。また再生の場合も受信と同じ振幅値算出結果を元に出力減衰器を調整して再生信号のレベルを変化させているため、目標とするレベルでの再生が出来ないという問題があった。
【0005】
この発明は、上記問題を解決するためになされたもので、過去の受信信号レベルを記憶蓄積しておき、次の信号が到来するまでに、次の信号レベルを予測し、予め減衰器のレベルダイヤを調整しておくことにより、受信信号到来と同時に受信信号をA/D変換回路の変換可能範囲に収めることができ、最適な受信レベルでの受信できるようにすると共に、再生信号を目標とする再生レベルで再生できるデジタルRFメモリ装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係わるデジタルRFメモリ装置は、受信信号のレベルを調整する入力減衰器、この入力減衰器の出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路、このA/D変換回路からのデジタル出力信号を記憶するデータ記憶部、上記受信信号の過去のレベルを蓄積し、次に到来する受信信号のレベルを予測する予測回路を備え、上記予測回路の出力信号で上記入力減衰器を予め調整することにより、受信信号レベルが上記A/D変換回路の変換可能範囲に収まるようにしたものである。
【0007】
またこの発明に係わるデジタルRFメモリ装置は、受信信号をデジタル信号に変換し記憶するデータ記憶部、このデータ記憶部から読み出したデジタル信号のデータをアナログの再生信号に変換するD/A変換回路、このD/A変換回路からの再生信号レベルを調整する出力減衰器、上記受信信号の過去のレベルを蓄積し、次に到来する受信信号のレベルを予測する予測回路を備え、上記予測回路の出力信号で上記出力減衰器を予め調整することにより、受信信号到来時に上記再生信号を目標とする再生レベルに調整できるようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明は、過去の受信信号のレベルを記憶蓄積して、次の受信信号が到来するまでに、次の受信信号レベルを予測して予め減衰器のレベルダイヤの調整をするようにしたから、次の受信信号到来時には即座に、A/D変換回路の範囲内に受信信号レベルを収めることが出来、A/D変換回路の入力可能範囲よりも広いダイナミックレンジを持つ受信信号を確実にメモリすることができる。
また信号再生時、次の受信信号到来時刻から即座に、目標とする再生信号レベルで再生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1に係わるデジタルRFメモリ装置の構成図、図2はこの発明のデジタルRFメモリ装置が適用される一例の電波妨害装置の構成図である。図1のデジタルRFメモリ装置20は、受信信号を低雑音増幅する増幅器1と、A/D変換回路の変換可能範囲に受信信号レベルが収まるようレベル調整する入力減衰器2と、入力減衰器2で減衰された受信信号の受信レベルをデジタル化するA/D変換回路3と、デジタル化された信号を記憶するデータ記憶部のメモリ4と、再生時にメモリ4に記憶されたデジタル信号を別に設けられた制御回路から読み出してアナログ信号に変換するD/A変換回路5と、D/A変換回路5で変換されたアナログの再生信号レベルを調整する出力減衰器6と、出力減衰器6で調整された再生信号を大電力増幅する増幅器7と、A/D変換回路3にてデジタル化された受信信号レベルから振幅値を算出する振幅値計算回路8と、振幅値計算回路8で算出された受信信号振幅値を順次記憶しておく振幅値記憶回路9と、振幅値記憶回路9から出力された過去の受信信号振幅値から次の受信信号レベルを予測計算する予測計算回路10と、予測計算回路10からの出力信号で入力減衰器2を制御する受信レベル制御回路11と、予測計算回路10からの出力信号で出力減衰器6を制御する再生レベル制御回路12を備えている。
なお、振幅値計算回路8と、過去の受信信号振幅値を記憶しておく振幅値記憶回路9と、過去の受信信号振幅値から次の受信信号レベルを予測計算する予測計算回路10とで、次に到来する受信信号のレベルを予測する予測回路が構成される。
【0010】
図2の電波妨害装置において、レーダ装置15(一般には地上に設置されている)から送信されたレーダ信号Srはアンテナ21で受信し、受信機22に入力される。受信機22では受信信号が局部発振器の信号等と混合されてレーダの送信パルス信号に変換され、この発明のデジタルRFメモリ装置20に入力される。一方デジタルRFメモリ装置20に記憶されたデータは適当なタイミングでタイミング制御回路23により読み出され、妨害波のもとになるパルスを再生し、送信機24に入力する。送信機24では再生信号を局部発振器の信号を位相制御した信号で変調し、妨害波Sbとしてアンテナ25から送信する。
なお反射波Seはレーダ信号Srが電波妨害装置を搭載した目標物に反射されてレーダ装置15に到達するレーダエコーで、レーダ装置15はこのレーダエコーを受信して、レーダ信号Srの送信タイミングとの時間差から目標物までの距離を測定する。また送信周波数と受信周波数の差から目標物の速度を知る。
【0011】
ここでデジタルRFメモリ装置20に記憶されたデータを読み出すタイミング制御回路23のタイミングの一例を電波妨害処理する場合について図3により説明する。まず図3のステップ(a)はレーダ装置15からの受信信号を検出して反射波Seのタイミング及びレベルを見ている状態を示している。図3のステップ(b)は反射波Seと同時に妨害波Sbを送信し、相手レーダ装置15に妨害波Sbを認識させている状態を示している。図3のステップ(c)は反射波Seから少し遅らせたタイミングで妨害波Sbを送信し、相手レーダ装置15に妨害波Sbを自己の反射波と誤認識させている状態を示している。また妨害波Sbの信号レベルは実際の反射波の信号レベルよりも大きい信号レベルで送信して、相手レーダ装置15を撹乱させることが必要である。このように妨害波Sbを反射波Seに対してタイミング及び振幅を変化させながら送信することにより、目標物が探知されないよう電波妨害することができる。
なお反射波Seのタイミングおよび振幅はレーダ信号Srを電波妨害装置が受信した受信信号から推測できる。例えば反射波Seの発生タイミングは受信信号の受信とほぼ同じであり、反射波Seの信号レベルは受信信号レベルの数分の一ぐらいである。
ここで妨害波を送信するために、タイミング制御回路23によりメモリ4から読み出すタイミンングは、受信パルス信号の前縁(前エッジ)を検出して即に行ったり、あるいは検出したパルス前縁信号からの遅延時間を調整して行ったりすることで実現できる。
【0012】
実施の形態1に係わるデジタルRFメモリ装置では、受信信号は増幅器1で低雑音増幅された後に、入力減衰器2によりA/D変換回路3の変換範囲内に受信信号レベルが収まるように減衰される。こうして減衰された受信信号はA/D変換回路3によりデジタル化され、デジタル化された信号はメモリ4に記憶される。再生時には、別に設けられた制御回路により適当なタイミングでメモリ4から受信信号レベルに応じたデジタル信号が読み出される。メモリ4から読み出された再生信号はD/A変換回路5でアナログ化されたのち、出力減衰器6で再生信号レベルを調節して、増幅器10で大電力増幅され送出される。
【0013】
ここで受信信号のダイナミックレンジが大きく取れるように入力減衰器2の受信系レベルダイヤの調整について図4に基づき説明する。図4に示すように受信系が飽和するような受信信号レベルが高い場合(Sra)、入力減衰器2の減衰量を大きく設定して受信信号を大きく減衰させ、A/D変換回路3の範囲上限に収まるようにレベルダイヤを調整する。一方、受信信号レベルが低い場合(Srb)には入力減衰器2の減衰量を小さく設定し、A/D変換回路3の範囲下限に収まるようにレベルダイヤを調整する。
また再生において、目標とする再生信号レベルにするために出力減衰器6の再生系レベルダイヤの調整について図5に基づき説明する。図5に示すように受信信号レベルが高い場合、出力減衰器6の減衰量を小さく設定してD/A変換回路5で変換されたアナログ信号のレベルを小さく減衰させ(Ssa)、後段の増幅器7で増幅される再生信号レベルが大きくなるようにする。一方、受信信号レベルが低い場合、出力減衰器6の減衰量を大きく設定してD/A変換回路5で変換されたアナログ信号のレベルを大きく減衰させ(Ssb)、後段の増幅器7で増幅される再生信号レベルが小さくなるようにする。このように再生信号レベルは反射波に対して妨害効果があるレベルになるように調整される。
なおここで増幅器7の前段に出力減衰器6を設ける理由は、信号レベルが大きいところではレベル調整することが困難であるため、この出力減衰器6で出力レベルを予め調整しておくためである。
【0014】
この発明はこの入力減衰器2および出力減衰器6のレベルダイヤの調整・制御を、次の受信信号が到来するまでに次の受信信号レベルを予測して予め行っておくことにより、次の受信信号到来時には受信信号のレベルをA/D変換回路3の変換可能範囲に収めるようにすると共に、目標とする再生信号レベルで再生できるようにしておくものである。
ここで目標とする再生信号レベルとは、相手レーダ装置の妨害波となる再生信号レベルを自分のレーダからの反射波だと誤認識するレベルのことである。
【0015】
次に到来する受信信号と再生信号の予測方法を図1と図6により説明する。まず受信信号をA/D変換回路3でデジタル信号に変換した後に振幅値計算回路8で受信信号の振幅値を算出し、振幅値記憶回路9に順次記憶して蓄積する。次に振幅値記憶回路9から最新の受信信号Sr0とその一つ前の受信信号Sr1、二つ前の受信信号Sr2の合計3つの受信信号の振幅値を読み出し、予測計算回路10に入力する。予測計算回路10では3つの振幅値から、2次近似により、次に到来する受信信号Srxの振幅値を予測計算する。また、再生信号の振幅値は、反射波の振幅値よりも大きくなるよう受信信号の振幅値に対して目標とする再生信号になるようにレベル差を設けて、算出される。即ち、反射波の振幅値は受信信号の振幅値とほぼ一定の関係(例えば受信信号の振幅値の数分の一)にあり、受信信号の振幅値に対して目標とする再生信号になるようにレベル差を設けておけば、反射波とのレベル差を所定の関係にすることができる。
なお、受信信号はレーダ装置の送信波を想定しており、周期的なパルス状の信号で、その振幅値は連続的に滑らかに変化するものである。したがって、次の受信信号の振幅値を予測計算するには、例えば、上記のように過去の3個のパルス状受信信号の振幅値から2次近似を用いた予測計算で精度良く予測できる。
【0016】
図6の場合、最新の受信信号Sr0の振幅値は一つ前の受信信号Sr1の振幅値よりも大きく、また一つ前の受信信号Sr1の振幅値は二つ前の受信信号Sr2の振幅値よりも大きくなっている。これらのことから予測計算回路10は次に到来する受信信号Srxの振幅値は最新の受信信号Sr0の振幅値よりも大きくなると予測し、この予測計算された値に応じた信号を受信レベル制御回路11に送る。受信レベル制御回路11は入力減衰器2の減衰量が大きくなるようレベルダイヤの設定を予め行い、受信信号が大きく減衰するよう調整しておく。
また再生の場合も同様で、予測計算回路10で予測された値に応じた信号が再生レベル制御回路12に送られ、再生レベル制御回路12は受信信号の振幅値に対して目標とする再生信号になるようにレベル差を設けて算出された制御信号で出力減衰器6の減衰量を予め調整する。図6の場合、再生信号は受信信号レベルと所定の関係にあり、最新の再生信号Sb0の振幅値は一つ前の再生信号Sb1の振幅値よりも大きく、また一つ前の再生信号Sb1の振幅値は二つ前の再生信号Sb2の振幅値よりも大きくなっている。次の再生信号Sbxは、次に到来する受信信号Srxの振幅値が最新の受信信号Sr0の振幅値よりも大きくなると予測されているから、最新の再生信号Sb0の振幅値よりも大きくする必要がある。再生レベル制御回路12は出力減衰器6の減衰量が小さくなるようレベルダイヤの設定を予め行い、再生信号が大きくなるよう調整しておく。
【0017】
このように次の受信信号レベルを予測し、予め入力減衰器2のレベルダイヤを調整しておくことにより、受信信号到達時刻から即座にA/D変換回路3の変換可能範囲に受信信号レベルを収めることができる。これにより、従来回路で生じていた振幅値算出、入力減衰器の制御のための時間遅れを削除でき、受信信号到来時から最適な受信レベルでのA/D変換が可能となる。ここで変換可能範囲とは、出力デジタル値の最小値から最大値までに対応する入力アナログ信号レベルの範囲のことである。
一方、次の受信信号レベルを予測し、出力減衰器6のレベルダイヤを予め調整しておくことにより、受信信号到達時には即座に目標とする再生レベルで再生送信が可能となる。
【0018】
実施の形態2
図7はこの発明の実施の形態2に係わるデジタルRFメモリ装置の構成図で、予測回路における予測計算回路13は、最新の受信信号の振幅値は振幅値計算回路8から、一つ前と二つ前の過去の2つの受信信号の振幅値はメモリ4から読み出した生データから振幅値を計算し、これら合計3つの受信信号の振幅値から、2次近似により、次に到来する受信信号の振幅値を予測計算したものである。また、再生信号の振幅値は、受信信号の振幅値に対して目標とする再生信号になるようにレベル差を設けて、算出される。
このように過去のデータはメモリ4に記憶されているから、このデータを利用することにより、実施の形態1における振幅値記憶回路9を省略できる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0019】
この発明のデジタルRFメモリ装置は、到来レーダ信号に対する擬似エコー、模擬クラッタ及び妨害波を発生させる電波送受信装置などに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の実施の形態1の構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1が適用される電波妨害装置の構成図である。
【図3】図2に示す電波妨害装置の電波妨害処理方法を示す概略図である。
【図4】この発明のデジタルRFメモリ装置の受信系レベルダイヤの調整状況を示す図である。
【図5】この発明のデジタルRFメモリ装置の再生系レベルダイヤの調整状況を示す図である。
【図6】この発明のデジタルRFメモリ装置における受信信号レベルの予測方法を示す概略図である。
【図7】この発明の実施の形態2の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0021】
1:増幅器 2:入力減衰器 3:A/D変換回路
4:メモリ 5:D/A変換回路 6:出力減衰器
7:増幅器 8:振幅値計算回路 9:振幅値記憶回路
10:予測計算回路 11:受信レベル制御回路 12:再生レベル制御回路
13:予測計算回路 20:デジタルRFメモリ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信信号のレベルを調整する入力減衰器、この入力減衰器の出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路、このA/D変換回路からのデジタル出力信号を記憶するデータ記憶部、上記受信信号の過去のレベルを蓄積し、次に到来する受信信号のレベルを予測する予測回路を備え、上記予測回路の出力信号で上記入力減衰器を予め調整することにより、受信信号レベルが上記A/D変換回路の変換可能範囲に収まるようにしたデジタルRFメモリ装置。
【請求項2】
受信信号をデジタル信号に変換し記憶するデータ記憶部、このデータ記憶部から読み出したデジタル信号のデータをアナログの再生信号に変換するD/A変換回路、このD/A変換回路からの再生信号レベルを調整する出力減衰器、上記受信信号の過去のレベルを蓄積し、次に到来する受信信号のレベルを予測する予測回路を備え、上記予測回路の出力信号で上記出力減衰器を予め調整することにより、受信信号到来時に上記再生信号を目標とする再生レベルに調整できるようにしたデジタルRFメモリ装置。
【請求項3】
受信信号のレベルを調整する入力減衰器、この入力減衰器の出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路、このA/D変換回路からのデジタル出力信号を記憶するデータ記憶部、このデータ記憶部から読み出したデジタル信号のデータをアナログの再生信号に変換するD/A変換回路、このD/A変換回路からの再生信号レベルを調整する出力減衰器、上記受信信号の過去のレベルを蓄積し、次に到来する受信信号のレベルを予測する予測回路を備え、上記予測回路の出力信号で上記入力減衰器および出力減衰器を予め調整することにより、受信信号レベルが上記A/D変換回路の変換可能範囲に収まるようにすると共に、受信信号到来時に再生信号を目標とする再生レベルに調整できるようにしたデジタルRFメモリ装置。
【請求項4】
予測回路は、A/D変換回路でデジタル化された受信信号レベルから振幅値を算出する振幅値計算回路と、この振幅値計算回路で計算された受信信号振幅値を記憶する振幅値記憶回路と、この振幅値記憶回路から出力される過去の振幅値から次の受信信号レベルを予測する予測計算回路とで構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のデジタルRFメモリ装置。
【請求項5】
予測は、最近の受信信号とその1つ前及び2つ前の受信信号の合計3つの受信信号の振幅値から計算して求めるようにした請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載のデジタルRFメモリ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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