説明

デスクシステム

【課題】自由なレイアウトが可能で、床面積を有効利用することが可能な、使用性に優れたデスクシステムを提案する。
【解決手段】床上に立設される規格化されたパーティション1と、パーティション1に着脱自在に固定される凹形状の天板2と、床上に立設されて天板2を支持する少なくとも1本の脚材3と、を備えるデスクシステムDであって、パーティション1は、少なくとも主パネル10と該主パネル10と直角方向に接合された副パネル11とからなり、天板2は、主パネル10と副パネル11にて形成されるスペースに二枚一組で配置され、かつ天板2の辺のうち、少なくとも1辺が主パネル10または副パネル11のいずれかの所定の位置に固定されることで、変更自在な着座スペースを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーティションと机とが一体に構成されたデスクシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスなどでは、パーティションを配置することにより、室内のレイアウトを簡易的に設定する場合がある。そして、このパーティションに、天板を一体に固定することにより、別途机を配置することを省略して、省スペース化を図る場合がある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の発明には、図4に示すように、ブラケット104を介してパーティション101に天板102を固定することにより、パーティション101に沿って机が形成された机付パーティションD’が開示されている。
【0004】
この机付パーティションD’は、各天板102をその両端において、パーティションパネル101に固定されたブラケット104により支持することで、パーティションパネル101の一面から天板102が突出するように固定されている。なお、図4における符号103は、パーティション101(机)の転倒を防止することを目的として設けられた脚材103である。
【特許文献1】特開2001−128753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来の机付パーティションD’は、天板102がパーティション101に沿って固定されるように構成されているため、レイアウトの自由度が制限されてしまうという問題点を有していた。
【0006】
本発明は、前記の問題点を解決するものであり、自由なレイアウトが可能で、床面積を有効利用することが可能な、使用性に優れたデスクシステムを提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明は、床上に立設される規格化されたパーティションと、前記パーティションに着脱自在に固定される凹形状の天板と、床上に立設されて前記天板を支持する少なくとも1本の脚材と、を備えるデスクシステムであって、前記パーティションは、少なくとも主パネルと該主パネルと直角方向に接合された副パネルとからなり、前記天板は、前記主パネルと前記副パネルにて形成されるスペースに二枚一組で配置され、かつ前記天板の辺のうち、少なくとも1辺が前記主パネルまたは前記副パネルのいずれかの所定の位置に固定されることで、変更自在な着座スペースを形成することを特徴としている。
【0008】
かかるデスクシステムは、床上に立設されたパーティションに対して、着脱自在な天板について、自由に位置や向きを変更させることが可能なため、レイアウト設計の自由度が増し、好適である。つまり、パーティションの配置を変更することなく、天板を移動させるのみで机のレイアウトとともに着座スペースの広さ、向き、開放性等を変更することができる。そのため、用途や利用者の要望に容易に対応することが可能となる。また、複数の机を配置すると、各机の脚材が机の使用時等に邪魔になる場合があるが、このデスクシステムによれば、最小限(少なくとも1本)の脚材により支持されるため、脚材が邪魔となることがない。また、天板は、少なくとも1本の脚材により支持されているため、パーティションと脚材を有した天板とが互いに支持しあって、転倒することが防止されている。
ここで、着座スペースとは、天板とパーティションとの配置により規定される空間をいう。また凹形状とは、所望の着座スペースを形成する部分を切り欠いた形で、矩形が一般的な天板の角や辺に窪みを設けることで、使用者が脇(袖)を使いやすくするための形状(例えば、平面視L字状やコの字状等)をいう。
【0009】
前記デスクシステムについて、前記天板が線対称に配置されていてもよい。この構成によれば、パーティションと2枚の天板とにより形成される着座スペースが、閉鎖型、中庸型、開放型の3種類のいずれかに形成されるため、利用者は用途等に応じて、この3種類の着座スペースから選択した向きに天板の配置を行う。
【0010】
ここで、閉鎖型着座スペースは、2名の利用者が背中合わせに座り、着座スペースへの出入り口を狭めた個室感覚に近い着座スペースをいう。この着座スペースによれば、外部から干渉され難く、自分の仕事に専念しやすい。
また、開放型着座スペースは、複数の利用者が同じ方向を向いて並んで着座し、執務スペースを互いに共有することで、相談しながらの共同作業もできる着座スペースをいう。また、この開放型着座スペースによれば、一人で広い机上を使いたい場合にも便利である。
さらに、中庸型着座スペースは、2名の利用者が背中合わせに座るが、出入りはし易い閉鎖型と開放型の中間タイプの着座スペースである。
【0011】
また、前記デスクシステムについて、前記着座スペースが、複数の利用者で共有されていてもよい。この構成によれば、オフィスの限られた床面積を有効利用することが可能となり、好適である。
【0012】
また、前記デスクシステムについて、前記天板が、平面形状が長方形の一部を切り欠いたL字状を呈していて、少なくとも該天板の切り欠いていない側の長辺が、前記主パネルまたは前記副パネルのいずれかに固定されていてもよい。
さらに、このデスクシステムにおいて、前記天板の長辺は前記主パネル、該長辺と直角をなす一方の短辺は前記副パネルに各々固定されていてもよい。
【0013】
かかるデスクシステムによれば、天板が切り欠かれて略L字を呈しているため、広い机の面積を確保するとともに、省スペース化が可能となり好適である。つまり、天板の長辺が平行となるように、複数の天板を配置した場合であっても、切り欠き部分にイス(利用者)の配置スペースが確保されて、天板同士の間隔を狭めることが可能となる。また、長辺が、パーティションに固定されているため、バランスがよく、脚材の本数を極力減らすことで、さらに、机の利便性が向上する。
【0014】
また、前記デスクシステムにおいて、前記脚材が、前記天板の前記主パネルと反対側に位置する先端部近傍に位置されていてもよい。
この構成によれば、デスクシステムが、脚材が1本のみのため、デスクシステムの使用時に脚材が邪魔にならならい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のデスクシステムによれば、ユニット化したパーティションと天板とを適切に組み合わせることにより、組織やグループ編成の変更に対応できる自由なレイアウトが可能になる。また、利用者が専有できる着座スペースが規定されるとともに、席の後ろや通路も共有空間として利用できるので、限られた室内を広く使うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
図1は本実施の形態に係るデスクシステムを示す平面図である。図2はデスクシステムを下方から望む斜視図である。図3は図2のデスクシステムの分解斜視図である。
【0017】
本実施形態に係るデスクシステムDは、図1に示すように、床上に立設された規格化されたパーティション1と、このパーティション1に着脱自在に固定される凹形状の天板2と、床上に立設されて天板2を支持する脚材3とを備えている。
天板2のパーティション1への固定は、図2に示すように、複数のブラケット4,4,…を介して行うものとする。
【0018】
パーティション1は、主パネル10とこの主パネル10に対して直角に接合された複数の副パネル11,11,…とを一体に固定することにより自立している。パーティション1の形状寸法は、その目的に応じて適宜設定すればよく、限定されるものではないが、本実施形態ではパーティション1の高さを約130cmとする。
【0019】
本実施形態に係るパーティション1は、天板2の長辺22の略4倍程度の長さを有する主パネル10の両端と中間において、副パネル11,11,…が固定されており、平面視で略王の字を呈している。つまり、主パネル10と2枚の副パネル11,11との組み合わせにより、平面視略コの字状に形成された空間が4箇所形成されている。
なお、パーティション1の形状は、前記の形状に限定されないことはいうまでもなく、適宜設定することが可能である。
【0020】
副パネル11は、天板2の長辺22と略同じ長さを有しており、その先端が主パネル10の側面に当接するように配置することで、主パネル10に直交した状態で固定されている。なお、副パネル11の構成は限定されるものではなく、例えば、副パネル11aのように、長辺22の2倍程度の長さを有しており、主パネル10の先端が側面に当接するように、固定されていてもよい。また、主パネル10と副パネル11との固定方法は限定されるものではなく、適宜公知の手段から選定して行えばよい。また、本実施形態では、主パネル10と副パネル11との組み合わせにより、パーティション1が自立するように構成しているが、脚材等の転倒防止手段を介して、パーティション1を立設させてもよいことはいうまでもない。
【0021】
主パネル10および副パネル11には、図3に示すように、それぞれ、ブラケット4に対応する箇所に、ブラケット4を固定するためのネジ受部12,12,…が形成されており、固定ネジsによるブラケット4の固定によりパーティション1に破損が生じることが防止されている。このネジ受部12,12,…は、固定ネジsに対応して形成されたネジ穴の周囲を金属板で補強することにより形成されている。なお、本実施形態では、ネジ受部12として、ブラケット4を固定するために必要な固定ネジsの本数に応じて、ネジ孔を2個所形成するものとしたが、ネジ受部12として、縦に多数のネジ孔を備える構成として、天板2の高さを調整可能に構成してもよい。また、パーティション1がブラケット4(天板2)の固定に対して十分な強度を有している場合には、ネジ受部12を形成することなく、ネジ孔のみを形成してもよいことはいうまでもない。
【0022】
天板2は、木製の板材であって、図1に示すように、平面形状が長方形の一部を切り欠いたL字状を呈している。つまり、切り欠き部21は、長方形の一方の長辺と一方の短辺とにより形成される角を含んだ状態で切り欠くこと(角窪み)により、天板本体20がL字状(凹形状)を呈するように形成されている。なお、天板2を構成する材料は限定されるものではなく、無垢材、集成材、合板材等、適宜公知の材料から選定して使用すればよい。また、天板2は、木製の板材に限定されないことはいうまでもなく、硝子板、金属板、樹脂板等、あらゆる公知の板材が採用可能である。
【0023】
そして、天板2は、少なくとも天板2の切り欠いていない側の長辺22が、主パネル10または副パネル11のいずれかに固定されている。また、天板2は、その下面に固定された少なくとも1本の脚材3により支持されている。さらに、天板2の長辺と短辺とがなす各角部は円弧状に面取りされている。なお、角部の面取りは必ずしも行う必要がないことはいうまでもない。
【0024】
本実施形態では、天板2の上面が床面から約70cmの位置になるようにデスクシステムDを構成しているが、天板2の高さは、適宜設定すればよいことはいうまでもない。
【0025】
本実施形態に係る天板2の切り欠き部21は、L字状の曲線を呈しているものとするが、天板2の形状は限定されるものではなく、例えば、略直角に切り欠くことによりL字状に形成してもよい。また、天板2の形状はL字状に限定されるものではなく、所望の着座スペースを形成する窪みがあればよい。
【0026】
天板2は、図2に示すように、複数(本実施形態では3個)のブラケット4,4,…を介してパーティション1に固定されているとともに、先端部において下面に固定された脚材3により支持されている。
【0027】
図3に示すように、天板2の下面には、長辺22、短辺23,24に沿って、所定のピッチによるネジ受部25,25,…が形成されており、固定ネジs,s,…を介してブラケット4を固定することが可能に構成されている。なお、長辺22、短辺23,24のそれぞれに沿って形成されたネジ受部25,25,…のピッチは、パーティション1に形成されたネジ受部12,12,…に対応しており、天板2の向きを変更させても、ブラケット4による天板2のパーティション1への固定が可能に構成されている。
【0028】
ネジ受部25,25,…は、固定ネジsに対応して形成されたネジ穴の周囲を金属板により補強することにより形成されている。なお、本実施形態では、ネジ受部25として、ブラケット4を固定するために必要な固定ネジsの本数に応じて、ネジ孔を2個所形成するものとしたが、ネジ孔の数は限定されるものではない。また、天板2がブラケット4の固定に対して十分な強度を有している場合には、ネジ受部25を形成することなく、ネジ孔のみを形成してもよいことはいうまでもない。
【0029】
また、天板2の下面両先端部近傍には、脚材3を固定するためのネジ孔26,26,…が形成されている。ここで、天板2の先端部とは、L字状に形成された天板2の切り欠き部21側の長辺と切り欠かれていない短辺23との角部付近(先端部27)と、切り欠き部21側の短辺24と切り欠かれていない長辺22との角部付近(先端部28)をいう。ネジ孔26,26,…の数量は限定されるものではないが、本実施形態では、それぞれ4箇所形成するものとする。
【0030】
脚材3は、図2または図3に示すように、円柱状の本体部30と、本体部30の上端に固定された正方形の金属板からなる固定板31と、本体部の下端に固定された正方形の金属板からなる底板32と、から構成されている。そして、脚材3は、天板2の水平性を保つように、天板の下面から床面までの高さを有している。
【0031】
本体部30は、例えば金属製のパイプ材からなり、固定板31および底板32がそれぞれ上端および下端に溶接接合されている。なお、本体部30を構成する部材は限定されるものではなく、適宜公知の材料から選定して使用すればよい。また、本体部30の形状も限定されるものではなく、例えば四角柱や三角柱に形成されていてもよい。
【0032】
固定板31は、図3に示すように、本体部30の上端に一体に固定されており、固定ネジsを挿通するためのネジ穴33,33,…が4箇所形成されている。そして、図2に示すように、脚材3は、固定板31を固定ネジs,s,…により天板2に締着させることで、天板2に固定される。なお、固定板31の形状は、例えば、円形、楕円形、長方形、その他の多角形等でもよく、正方形に限定されないことはいうまでもない。また、固定板31を構成する材料も限定されるものではない。
【0033】
底板32は、本体部30の下端に一体に固定されており、脚材3の支持面積を広くすることで安定性を向上させている。なお、底板32の形状は、例えば、円形、楕円形、長方形、その他の多角形等でもよく、正方形に限定されないことはいうまでもない。また、底板32を構成する材料も限定されるものではない。
【0034】
なお、本実施形態では、脚材3として、上端と下端にそれぞれ固定板31と底板32が形成されたものを使用するものとしたが、例えば、底板32を省略するなど、脚材3の構成は限定されるものではないことはいうまでもない。
また、固定板31を介して脚材3を天板2に固定するものとしたが、脚材3の固定方法は限定されるものではなく、適宜公知の手段により行えばよい。
さらに、脚材3を構成する材料等も限定されないことはいうまでもない。
【0035】
ブラケット4は、鋼製の部材であって、図2に示すように、所定の間隔によりパーティションに固定されて、天板2を下面から支持するように構成されている。
本実施形態に係るブラケット4は、L字状の部材であって、各片にそれぞれ2箇所ずつ、計4箇所のネジ孔41が形成されている。そして、このネジ孔41,41,…に固定ネジsを挿通させた状態で、一方の片をパーティション1に、他方の片を天板2に締着させることで、パーティション1と天板2とを一体に固定する。
なお、本実施形態では、ブラケット4を介して天板2をパーティション1に固定するものとしたが、パーティション1への天板2の固定手段は、ブラケット4に限定されるものではなく、適宜公知の固定手段の中から選定して採用すればよい。ブラケット4を構成する材料は、天板2の支持が可能であれば、限定されるものではなく、適宜公知のものから選定して使用すればよい。また、ブラケット4の形状も限定されないことはいうまでもない。
【0036】
本実施形態に係るデスクシステムDは、主パネル10と副パネル11により形成される空間に天板2を二枚一組で配置して、かつ、天板2の辺のうち、少なくとも切り欠いていない側の長辺22が主パネル10または副パネル11のいずれかの所定の位置に固定されることで、変更自在な着座スペースを形成している。この時、二枚一組で配置された天板2,2は、線対称に配置されており、これにより形成された着座スペースは、複数の利用者で共有されている。
【0037】
本実施形態では、図1に示すように、着座スペースが利用者の用途に応じて、閉鎖型着座スペースA1、中庸型着座スペースA2、開放型着座スペースA3の3種類のいずれかに形成されている。
【0038】
閉鎖型着座スペースA1では、2名の利用者が背中合わせに座るように、主パネル10と副パネル11,11とによりコの字状に形成された空間に、天板2,2の長辺22,22がそれぞれ副パネル11,11に固定されているとともに、切り欠かれた側の短辺24,24がそれぞれ主パネル10に固定された状態で、主パネル10側と反対側に位置された一方の先端部27,27近傍においてそれぞれ1本の脚材により支持されることで形成されている。
【0039】
この閉鎖型着座スペースA1は、出入口が天板2,2により狭められているため、通路からの出入が制限されて個室感覚に近い独立性が保たれる。そのため、外部から干渉され難く、利用者には自分の仕事に専念しやすい環境が提供される。
【0040】
中庸型着座スペースA2は、2名の利用者が背中合わせに座るように、主パネル10と副パネル11,11とによりコの字状に形成された空間に、各天板2の長辺22,22がそれぞれ副パネル11に固定されているとともに、切り欠かれていない短辺23,23がそれぞれ主パネル10に固定された状態で、主パネル10側と反対側に位置された他方の先端部28,28近傍においてそれぞれ1本の脚材により支持されることで形成されている。
【0041】
この中庸型着座スペースA2によれば、利用者が個々の作業スペースを確保するとともに、出入し易い、開放空間を得ることが可能となる。このため、図1に示すように、この中庸型着座スペースA2を互いに対向するように二つ形成することで、この中庸型着座スペースA2,A2を組み合わせて、利用者の打合せスペースとして、利用することが可能となる。
【0042】
開放型着座スペースA3は、コの字状に形成されたパーティション1の空間内において、2枚の天板2,2のそれぞれの長辺22,22が主パネル10に固定されるとともに、互いの切り欠いた側の短辺24,24が突き合わされた状態で配置されることで形成されている。2枚の天板2,2は、組み合わせた状態で平面視がコの字を呈している。
【0043】
この開放型着座スペースA3によれば、複数の利用者が同じ方向を向いて並んで着座し、互いに執務スペースを共有することで、相談しながらの共同作業が可能となる。また、この開放型着座スペースA3を互いに対向するように二つ形成すれることで、この開放型着座スペースA3,A3を組み合わせて、打合せ(会議)スペースとして利用することが可能となる。この構成により、中庸型着座スペースよりも、広い共有スペースを確保することが可能となる。
なお、開放型着座スペースA3を構成する場合において、2枚の天板2,2の短辺24,24の間に長方形状の天板を配置して連結することにより、机(執務スペース)を長くしてもよい。これにより、より多くの利用者により共有することが可能となる。
【0044】
本実施形態に係るデスクシステムDは、パーティション1と天板2とが、ブラケット4を介して締着されることにより固定されているため、着脱が可能であり、配置換え等を容易に行うことができる。そのため、レイアウトの自由度が増し、好適である。
【0045】
また、各天板2は、パーティション1に固定されていることにより、1本の脚材3のみで支持することが可能なため、デスクシステムDの利用者の移動やイス5や引き出し(図示せず)等の配置等において脚材3が妨げとなること、デスクシステムDの利便性やレイアウトの自由度等が向上する。また、視界に入る脚材3の本数が少ない分、意匠の面においても優れている。
【0046】
なお、天板2の配置は、パーティション1により囲まれた空間のみではなく、外側に配置してもよい。また、天板2を1枚のみとパーティションとを組み合わせて使用すれば、通常の机と同様の利用が可能である。
【0047】
以上、本発明について、好適な実施形態の一例を説明した。しかし、本発明は、前記実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、2枚の天板を、パーティションにより形成された空間内において線対称に配置するものとしたが、天板は、必ずしも線対称に配置される必要はないことはいうまでもない。例えば、一方の天板の長辺が主パネルと平行の向き、他方の長辺が副パネルと平行の向きとなるように配置されていたり、2枚の天板が同じ方向を向いて一列に並んだ状態で配置されていてもよい。
【0048】
また、パーティションの配置や天板の数や配置等は、前記実施形態に示したものに限定されないことはいうまでもなく、用途に応じて適宜変更することが可能である。
また、天板の両面(上面および下面)を表面として使用可能に構成すれば、一種類の天板を利用して、前記各レイアウトを構成することが可能となる。これにより、天板の製造に要する手間と費用を削減することが可能となる。
【0049】
また、前記実施形態では、ブラケット等の固定手段を介して天板をパーティションに固定するものとしたが、固定方法は限定されるものではなく、例えば、天板とパーティションとが互いに嵌合するように構成されていてもよい。
【0050】
また、前記実施形態では、天板のパーティションへの固定について、少なくとも切り欠いていない側の長辺が固定されるものとしたが、短辺のみが固定されていてもよいことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施の形態に係るデスクシステムを示す平面図である。
【図2】デスクシステムを下方から望む斜視図である。
【図3】図2に示すデスクシステムの分解斜視図である。
【図4】従来の机付きパーティションを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
1 パーティション
10 主パネル
11 副パネル
2 天板
21 切り欠き部
22 長辺
23,24 短辺
3 脚材
D デスクシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床上に立設される規格化されたパーティションと、
前記パーティションに着脱自在に固定される凹形状の天板と、
床上に立設されて前記天板を支持する少なくとも1本の脚材と、を備えるデスクシステムであって、
前記パーティションは、少なくとも主パネルと該主パネルと直角方向に接合された副パネルとからなり、
前記天板は、前記主パネルと前記副パネルにて形成されるスペースに二枚一組で配置され、かつ前記天板の辺のうち、少なくとも1辺が前記主パネルまたは前記副パネルのいずれかの所定の位置に固定されることで、変更自在な着座スペースを形成することを特徴とする、デスクシステム。
【請求項2】
前記天板は線対称に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のデスクシステム。
【請求項3】
前記着座スペースは、複数の利用者で共有されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のデスクシステム。
【請求項4】
前記天板は、平面形状が長方形の一部を切り欠いたL字状で、少なくとも該天板の切り欠いていない側の長辺が、前記副パネルに固定されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項3に記載のデスクシステム。
【請求項5】
前記天板の長辺は前記主パネル、該長辺と直角をなす一方の短辺は前記副パネルに各々固定されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項4に記載のデスクシステム。
【請求項6】
前記脚材は、前記天板の前記主パネルと反対側に位置する先端部近傍に位置することを特徴とする、請求項1乃至請求項5に記載のデスクシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−330428(P2007−330428A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−164578(P2006−164578)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【出願人】(391048429)株式会社秀光 (13)
【Fターム(参考)】