説明

デバイスのコンポーネントの製造方法、及びその結果として得られるコンポーネント及びデバイス

本方法は、デバイスのコンポーネントの少なくとも一部分を形成する可撓性ウェブ基材(例えばポリマー可撓製ウェブ基材)を提供する工程と、その可撓性ウェブ基材がウェブ下流方向に動いている間に、その可撓性ウェブ基材の片面又は両面の主表面の全て又はかなりの部分を、流動性ポリマー材料で浸潤し覆うようにコーティングする工程と、そのポリマー材料を固化して、可撓性ウェブ基材の片面又は両面の主表面上に1層のクリーニング層を形成する工程とを含む。本発明は連続的なインライン製造プロセスに利用することができる。可撓性ウェブ基材がデバイスのコンポーネントを形成しない本発明の用途において、本発明は幅広く、無限の長さの可撓性ウェブからの粒子をクリーニングする方法を提供する。各クリーニング層は主表面への実質的な接着結合を形成し、主表面に破損を起こしたりクリーニング層材料のかなりの残留物を残したりすることなく、主表面から容易に除去することができる。この主表面上にあった粒子のうちかなりの数が、クリーニング層で捕捉され除去可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデバイスを作製するために使用されるコンポーネントの製造に関連し、特に、後続プロセスのための準備において基材の1つ以上の表面をクリーニングかつ保護することに関連し、より具体的には、無限の長さを有する可撓性のウェブ材料であるそのような基材に関連し、いっそう具体的には、基材が長手方向に動いている間に、可撓性ウェブ基材の1つ以上の表面をクリーニングかつ保護すること、並びにそれらから得られるコンポーネント及びデバイスに関連する。
【背景技術】
【0002】
最終製品又は中間製品においてごく微小なくずが損傷を与え得るような無数の製造プロセスがあることはよく知られている。同様に、そのような表面から微粒子物質を除去するための既知の技法が存在する。粒子は単一の直径を備えた球形であることは稀であり、直径という語が粒径を記述するのに広く使用されている。一般に、クリーニング技法には、粘着性のロール、粘着性の裏材又はテープを用いた粒子除去、ウェットクリーニング、及び超音波支援エアナイフシステムが挙げられる。そのような製造プロセスはまた、「クリーンルーム」で実施されており、このクリーンルームでは比較的微粒子混入のない環境が提供される。しかしながらそのようなクリーンルーム設備は、運用及び維持をするのが高価である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
無限の長さを有する可撓性ウェブを使用したロール・ツー・ロールの大量製造において、クリーンな表面のニーズが存在するが、このニーズはほとんど充足されないままである。これらのロール・ツー・ロール製造プロセスは特に課題の多いクリーニング問題を有する。ロール製品は比較的長いため、大きな表面積を生じ、これをクリーニングし又はクリーニング状態を維持しなければならないからである。そのような加工済みウェブは通常、ロールに巻き取られ、ロール形態で保管及び移送が行われ、使用時又は更なる加工の際にロールが展開される。このようなクリーニングされたウェブの巻取り、保管、移送及び展開は、特に比較的汚い場所で行われる場合、微粒子混入の機会を生み出す。例えばコーティング、加工(例えばスリット入れ作業)又はその他の取扱いが連続製造プロセス中になされている中間基材として使用されているウェブであっても、プロセス装置の性質により、時間経過とともに微粒子混入に曝され得る。加えて、そのような連続ウェブ取扱いプロセスは比較的大型であり得る。よって、そのようなウェブ取扱いプロセスをクリーンルーム環境で実施するのは高価になり得る。
【0004】
例えば、もたらし得る可撓性及びさまざまな特性(例えば光学的、機械的及び熱的特性)のため、ポリマー材料がしばしば、ウェブ製造に使用するのに望ましい。しかしながらポリマーウェブ材料はしばしば、クリーニングされる表面(例えばシリコンウエファー)よりも比較的軟らかい表面を有し、このことが微粒子除去を更に複雑にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様において、デバイスのコンポーネントを製造するための方法が提供される。この方法は、デバイスのコンポーネントの少なくとも一部分を形成する可撓性ウェブ基材を提供する工程と、その可撓性ウェブ基材の片面又は両面の主表面の全て又はかなりの部分を、流動性ポリマー材料で浸潤し覆うようにコーティングする工程と、そのポリマー材料を固化して、可撓性ウェブ基材の片面又は両面の主表面上に1層のクリーニング層を形成する工程とを含む。可撓性ウェブ基材は、相対する面、各面上の主表面、長手方向軸、及び無限の長さを有する。本発明は特に、ポリマー可撓性ウェブ基材と共に使用するのに好適である。可撓性ウェブ基材はポリマーウェブ基材を含み得、例えば、可撓性ウェブ基材の片面又は両面にある主表面を形成する少なくとも1層のポリマー層を含み得る。可撓性ウェブ基材は、ウェブの下流方向(すなわちその長手方向軸に全体に平行な方向)へ動く間に、ポリマー材料でコーティングされる。よって、本発明は連続的なインライン製造プロセスに利用することができる。可撓性ウェブ基材がコンポーネント、又はデバイスのその他の部分を形成しないような、本発明の用途が存在する(例えば、可撓性ウェブ基材が剥離ライナーである場合など)。そのような用途において、本発明は幅広く、無限の長さの可撓性ウェブから粒子をクリーニングするための方法を提供するものとして見なされ得る。
【0006】
各クリーニング層は、それ自体が形成されている主表面に対して実質的に接着性の結合を形成する。各クリーニング層はまた、結合している主表面から容易に除去できる(好ましくは1つのピースで)。多くの実施形態において、クリーニング層の除去後、可撓性ウェブ基材の主表面に元々接触していたクリーニング層の表面は粘着性ではなく、これにより、追加の粒子又は屑は、露出しているクリーニング層表面に容易には付着しない。クリーニング層を可撓性ウェブ基材から剥がしたときに、クリーニング層の適用時に主表面上にあった粒子又は屑だけが除去される。
【0007】
クリーニング層の除去は、主表面を破損することなく、又はそれ自体が形成されている主表面上にクリーニング層材料のかなりの残留物を残すことなく、達成される。加えて、各クリーニング層は、クリーニング層が形成される前に、主表面上に配置されていたかなりの数の粒子を捕捉し、各クリーニング層の除去により、クリーン表面が現われる。本クリーニング層の1つにより除去することが必要な粒子の量及びサイズは、例えば、ポリマー材料を適用してクリーニング層を形成する前に、従来のクリーニング技法を使用し、基材表面を初期クリーニングプロセスの対象にすることによって、減少させることができる。可撓性ウェブ基材の主表面両方を、ポリマー材料で同時に又は逐次的にコーティングすることができる。
【0008】
この方法において、粒子は、クリーニング層を単に除去することにより、望ましい任意のときに、又は実施が便利なときに(例えば主表面を更に加工処理する直前)、可撓性ウェブ基材の主表面からクリーニングすることができる。本発明によりクリーニングされる可撓性ウェブ基材に複数の主表面がある場合、その主表面は、1面ずつ、又は両面を同時に、クリーニングすることができる。すなわち、除去するクリーニング層が複数ある場合、クリーニング層は1枚ずつ、又は両方同時に除去することができる。可撓性ウェブ基材からクリーニング層を除去するに従い、各クリーニング層をロールに巻き取ることが好ましい。除去するクリーニング層が複数ある場合、クリーニング層は、1枚ずつ、又は同時に除去してロール(例えば好適なサイズのスプール)に巻き取ることができる。いくつかの実施形態において、除去されたクリーニング層は、輸送用製品の収縮包装又は保護ラップなどの目的の有用性を有するポリマーフィルム材料としての使用のため、リサイクルすることができる。更に、クリーニング層が、接着層のオーバーコートを備えた多層構成体を含む場合、除去されたクリーニング層は接着テープとして使用することができる。
【0009】
クリーニング層を除去した後、基材表面が、粒子がない状態又は少なくとも実質的に粒子がない状態である(この粒子の存在は、基材の特定の使用について、基材表面上に許容されない)。好ましくは、基材表面には、クリーニング層を除去した後に、超微粒子並びにより大きな粒子がない状態又は少なくとも実質的にない状態である。クリーニング層を配置した状態で、下にある基材表面のクリンリネスは、基材が保管されている間、又はその後の取り扱い(例えばクリーニング層を除去し基材表面を更に加工処理する前、又は基材表面を他の方法で更に加工処理する前)の間に、保護及び保持され得る。
【0010】
本方法は更に、クリーニング層の除去の後(例えばインラインで)各クリーン表面を加工処理(例えば金属化、平坦化、マイクロ印刷、又はその他の材料の印刷若しくはコーティング(例えばフォトレジスト材料のパターンなど))することを含み得る。本発明によりクリーニングされる可撓性ウェブ基材上に複数の主表面がある場合(すなわち処理するクリーン表面が複数ある場合)、結果として得られるクリーン表面は、1面ずつ、又は同時に加工処理することができる。
【0011】
本方法はまた、可撓性ウェブ基材上のクリーン表面の少なくとも1つ又はそれぞれを金属化することを含み、これにより実質的にピンホール欠陥を含まない金属表面を有する金属層を形成することができる。そのような金属化作業は、クリーニング層の除去と同じインラインで実施することが望ましい。本明細書で使用される用語「金属」表面とは、1つ以上の元素金属、金属合金、金属含有化合物(例えば金属酸化物)、及びこれらの組み合わせを含むものである。また、本発明によるそのような金属層は、別の流動性ポリマー材料をコーティングすることによってクリーニング及び保護することが望ましいことがある。これにより、可撓性ウェブ基材が下流ウェブ方向(すなわち長手方向軸に全体に平行な方向)に移動している間、可撓性ウェブ基材上にある、少なくとも1つ又はそれぞれの金属表面の全て又はかなりの部分を浸潤して覆う。他のポリマー材料は次に固化され、これにより少なくとも1つ又はそれぞれの金属表面上に別のクリーニング層を形成する。第1クリーニング層を形成するのに使用されるポリマー材料と、第2クリーニング層(金属層上)を形成するのに使用されるポリマー材料は、同じであってもまた違っていてもよい。各クリーニング層は、表面に対して、実質的な接着結合を形成し、表面を破損することなく、クリーニング層材料のかなりの残留物を表面に残すことなく、容易に除去可能であり、表面の上にあるかなりの数の粒子を捕捉し、表面の上に他のクリーニング層を形成し、この他のクリーニング層を除去することにより、金属クリーン表面が現われることが望ましい。本発明に従ってクリーニングする複数の金属表面がある場合は、金属表面は1面ずつ、又は同時にクリーニングすることができる。
【0012】
金属化プロセスに加え、又は別の方法として、そのような後続加工処理はまた、平坦化コーティングでクリーン表面を平坦化して、平坦化表面を形成することが含まれ得る。本明細書で使用される用語「平坦化された」「平坦化」「平坦化する」等は、基材上に平坦かつ低表面粗さ値の表面を形成するため、基材に適用されたポリマーコーティングを指す。平坦化コーティングは、流動性ポリマー材料のコーティングの前に基材上に適用することができ、これにより平坦化コーティングが基材表面を形成する。この方法において、結果として得られた基材表面は、Rq表面粗さが、約0.277mm(例えば459μm×603μm)の領域に対して約10nm以下、10,000μmの領域に対して約1nm以下、約400μmの領域に対して約1nm以下、又は約25μmの領域に対して約1nm以下まで平坦化され得る。本方法は更に、ポリマー平坦化コーティングを適用することを含み、これによりポリマー材料がコーティングされる前に、可撓性ウェブ基材の片面又は両面の主表面が形成される。ポリマー平坦化コーティングによって形成された可撓性ウェブ基材の各主表面は、平坦化された表面である。本発明に従って平坦化表面をクリーニングすることが望ましい場合がある。これは、金属層のクリーニングについて上述したことと同様にして達成できる。
【0013】
平坦化された基材表面は次に、例えば金属化してそれ自体の上に金属層を形成することにより、更に加工処理することができる。金属化又は他の加工処理を行う前に、少なくとも1つの他の層の流動性ポリマー材料でその平坦化された基材表面をコーティングし、次に本発明に従って、この他の流動性ポリマー材料層を固化して別のクリーニング層にすることによって、この平坦化された基材表面をクリーニングすることが望ましいことがある。よって、他のクリーニング層を除去し、下にある平坦化した基材表面を露出した後、結果として得られたクリーンな平坦化表面は、同様に、又は別の方法で、例えば本明細書で記述されるように、加工処理され得る(例えば金属化してその上に金属層を形成するなど)。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態において、コーティングされた可撓性ウェブは、クリーニング層を除去する前に、可撓性ウェブ基材上にコーティングされた少なくとも1層のクリーニング層の露出した表面上に、所望による1層以上のオーバーコート層を適用することによって加工処理することもできる。別の方法として、図4に示すように、二重押し出しコーター(又は多層押し出しコーター)は、クリーニング層とオーバーコート層の両方を、基材の主表面に同時に適用することができる。そのようなオーバーコート層は、例えば、ウェブ移送を促進するような表面特性を付与するため(例えば望ましい摩擦係数を得るなど)、及び、ウェブを顕著に破損することなくロールに巻上げこれを展開する性能(例えば抗ブロック特性)を改善するために、使用することが望ましい場合がある。またそのようなオーバーコート層は、例えば、クリーニング層の引っ張り強さを増大し又は別の方法で強化するため(例えばクリーニング層を基材から除去する間の接着破壊を促進するため)、除去前にクリーニング層を機械的に保護するため、クリーニング層の露出表面の接着特性又は剥離特性を変更するため、望ましい色、製品識別コード、製品ロゴ、又はその他の機能を加えて、可撓性ウェブ基材から除去した際のクリーニング層を有用なものにするためにも、使用することが望ましい場合がある。少なくとも1つのクリーニング層の露出表面に適用された接着層を含むオーバーコートがある状態で、可撓性ウェブ基材をロールに巻くことができ、これにより接着層が、可撓性ウェブ基材のもう一方の面に接着する。これによって、ロールを展開すると、接着結合の強度によっては、可撓性ウェブ基材から少なくとも1つのクリーニング層を除去することができる。接着したクリーニング層は次に、後で除去されるまで、可撓性ウェブ基材のもう一方の側を保護するよう機能することができる。
【0015】
どこかの段階で、コーティングされた可撓性ウェブ(例えばクリーニング層でコーティングされたウェブ)は更に加工処理される。コーティングされた可撓性ウェブは、例えばクリーニング層を除去している間、典型的には長手方向軸に対して平行な方向に、連続的に移動することができる。この方法において、クリーニング層を連続的に除去するに伴って、現われたクリーン表面も連続的に後続加工処理することができる。連続的状態で可撓性ウェブからクリーニング層を除去させるには、クリーニング層が除去される地点で発生する傾向がある静電気を制御することが望ましいことが見出されている。よって、本発明に従ってクリーニング層でコーティングされた可撓性ウェブ基材を連続的に加工処理するためには、特異ウェブが連続的に処理される場合は、クリーニング層がウェブから除去される領域で生じる静電気を制御する何らかの方法(例えば静電気の中和など)を含めることが望ましい場合がある。そのような静電気制御は、(a)クリーニング層と可撓性ウェブが分離される場所、又は(b)下にあるクリーン表面の後続処理が始まる場所、又は(a)と(b)の両方のスペースに隣接した位置で、例えば静電放電装置を使用することにより達成することができる。加えて、又は別の方法として、クリーニング層の除去及び下のクリーン表面の後続加工処理は、クリーニング層除去後のクリーン表面の粒子汚染を低減するため、真空環境で行うことができる。静電荷の蓄積は、そのような除去が実施される場所(例えばクリーニング層が最初に可撓性ウェブから除去される場所)のすぐ近隣で制御されることが望ましい。
【0016】
本発明の別の一態様において、デバイスのコンポーネント又は部分が提供され、コンポーネントは本発明による任意の方法によって部分的又は完全に作製される。本発明の追加の一態様において、デバイスの製造方法が提供され、この方法は本発明の方法によって作製されたデバイスコンポーネントを製造することと、本発明により作製されたコンポーネントを使用してデバイスの構成体又は製造を仕上げることと、が含まれる。
【0017】
本発明の追加の一態様において、可撓性ウェブ基材、及び固化した流動性ポリマー材料の第1クリーニング層を含む、可撓性ウェブが提供される。この可撓性ウェブ基材は相対する側を有し、一方の側には第1主表面、もう一方の側には第2主表面があり、長手方向軸、及び無限の長さを有する。第1クリーニング層は、可撓性ウェブ基材の第1主表面上にコーティングされ、第1主表面に直接接触している。本明細書で使用される句「直接接触」とは、可撓性ウェブ基材の主表面上にコーティングされ、次にその主表面に接触した状態のまま固化している、流動性ポリマー材料を指す。主表面は基材材料の無垢の表面、又は処理済み表面であり得る。この処理済み表面は、例えば、ウェブ基材に前に適用されたコーティング(例えばプライマー層、平坦化層、金属化層、バリア層など)によって画定され得る。第1クリーニング層は第1主表面への実質的な接着結合を形成し、第1主表面に破損を起こしたりクリーニング層材料のかなりの残留物を残したりすることなく、第1主表面から容易に除去することができる。第1クリーニング層は、第1主表面上に第1クリーニング層がコーティングされる前に第1主表面上にあったかなりの数の粒子を捕捉する。第1クリーニング層の除去により、第1主表面は、際立った数の粒子が存在しない第1クリーン表面となる。
【0018】
可撓性ウェブ基材は、ポリマーウェブ基材を含むことが望ましい。可撓性ウェブ基材はまた、可撓性ウェブ基材の第1主表面を画定する第1金属表面を有する第1金属層をも含み、金属層は実質的にピンホール欠陥がない。加えて、可撓性ウェブ基材は、可撓性ウェブ基材の第1主表面を画定する第1平坦化表面を有する第1ポリマー平坦化コーティングを含み得る。別の一実施形態において、可撓性ウェブ基材は、第1金属表面を有する第1金属コーティングで金属化された第1平坦化表面を有する、第1ポリマー平坦化コーティングを含む。この実施形態の第1金属表面は、可撓性ウェブ基材の第1主表面を画定し、第1金属層には実質的にピンホール欠陥がない。
【0019】
可撓性ウェブは、コーティングされて固化した流動性ポリマー材料の第2クリーニング層を更に含み得、これは可撓性ウェブ基材の第2主表面に直接接触している。第1クリーニング層と同様、第2クリーニング層は第2主表面への実質的な接着結合を形成し、第2主表面に破損を起こしたりクリーニング層材料のかなりの残留物を残したりすることなく、第2主表面から容易に除去することができ、第2クリーニング層がコーティングされる前に第2主表面上にあったかなりの数の粒子を捕捉し、第2クリーニング層の除去により、第2主表面は、かなりの数の粒子がない第2クリーン表面となる。第1主表面と同様、可撓性ウェブ基材は、第2主表面を画定する第2金属表面を有する第2金属層を含み得、第2金属層には実質的にピンホール欠陥がない。加えて、可撓性ウェブ基材は、第2主表面を画定する第2平坦化表面を有する第2ポリマー平坦化コーティングを含み得る。更に別の一実施形態において、可撓性ウェブ基材は、第2金属表面を有する第2金属コーティングで金属化された第2平坦化表面を有する第2ポリマー平坦化コーティングを含み得る。この実施形態の第2金属表面は、可撓性ウェブ基材の第2主表面を画定し、第2金属層には実質的にピンホール欠陥がない。
【0020】
可撓性ウェブは更に、可撓性ウェブの実施形態に応じて、可撓性ウェブ基材に相対する第1クリーニング層の側に適用され、可撓性ウェブ基材に相対する第2クリーニング層の側に適用され、又は両方のクリーニング層に適用される、オーバーコートを含み得る。このオーバーコートは接着層(例えばアクリル感圧接着剤など)を含み得、又は、望ましい表面特性(例えばウェブ移送及びロール形成の改善)を提供するよう選択され得る。第1クリーニング層に接着層オーバーコートを有する一実施形態において、可撓性ウェブは、接着層が可撓性ウェブ基材の裏側に接着した状態でロールに巻くことができ、これにより、ロールを展開したとき、接着層は可撓性ウェブ基材のもう一方の側及び第1クリーニング層に結合したままであり、これにより第1クリーニング層が、可撓性ウェブ基材の第1主表面から除去される。この可撓性ウェブ構成体で、第1クリーニング層は、可撓性ウェブの展開されていない長さ部分の裏側を保護する保護層として機能することができる。別の一実施形態において、可撓性ウェブは、可撓性ウェブ基材の裏側に接着した感圧性接着剤層(例えばアクリル感圧接着剤)を更に含み、第1クリーニング層は剥離材料を含む露出表面を有する。可撓性ウェブがロールに巻かれてから展開されるとき、この接着層はクリーニング層の露出表面に接着し、容易に剥離可能である(すなわち、クリーニング層の露出表面が剥離ライナーとして機能する)。
【0021】
好ましくは、各クリーニング層は1つのピースとして除去可能である。加えて、各クリーニング層のポリマー材料は、熱可塑性ポリマー材料、架橋していない熱硬化性ポリマー材料、及び/又はごくわずかだけ架橋している(すなわち大半は架橋していない)熱硬化性ポリマー材料を含み得る。本発明によるクリーニング層における許容可能な架橋の度合は、その架橋が、クリーニング層をウェブ基材から除去する性質にどの程度影響するかに依存する。
【0022】
本発明の更なる一態様において、デバイスの可撓性コンポーネントが提供され、このコンポーネントは本発明による可撓性ウェブを含み、各クリーン表面はデバイスのクリンリネス最小要件を満たす。
【0023】
本発明の更に別の一態様において、本発明により少なくとも部分的に作製されたデバイスが提供される。そのようなデバイスには例えば、電子デバイス(例えば光電子デバイス)が挙げられ得る。特に、このデバイスは、エレクトロルミネセンス(EL)デバイス(例えば光学的発光ダイオード又はOLED)、光電池、及び半導体デバイスのうち少なくとも1つ又はそれより多くあり得る。このデバイスはまた、有機電界効果トランジスタ、薄膜トランジスタ、又は集積回路でもあり得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1a】本発明による方法の代表的な一実施形態の実施における一段階の側面図。
【図1b】本発明による方法の代表的な一実施形態の実施における別の一段階の側面図。
【図1c】本発明による方法の代表的な一実施形態の実施における更なる一段階の側面図。
【図2】図1aに図示された段階を実施するのに便利な構成の側面図。
【図3】図1a、1b、1cに図示された段階を実施するのに便利な構成の側面図。
【図4】クリーニング層及び接着オーバーコート層を同時に適用するのに便利な構成の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明はデバイスのコンポーネントを製造するために使用され得、ないしは別の方法でデバイスのコンポーネントの製造に使用され得る。本発明は可撓性のウェブ基材をクリーニングするのにも使用できる。本方法において、基材の表面(例えば可撓性ウェブ基材)は、少なくとも1層以上の流動性のポリマー材料(例えば液体ポリマー材料)でコーティングされる。この流動性ポリマー材料は次に固化してクリーニング層を形成し、これが可撓性ウェブ基材表面に完全に又は少なくとも実質的な接着結合を形成して、基材表面にあるかなりの数の粒子を捕捉する。この可撓性ウェブ基材はコンポーネントであってよく、又はコンポーネントの一部を形成することができる。加えて、可撓性ウェブ基材は、デバイスの一部を形成する目的以外に使用することができる。代わりに、本発明の可撓性ウェブ基材は、デバイスの製造又はデバイスの使用において使用することができる。例えば、可撓性ウェブ基材は、例えば、ポリマーフィルムを鋳造するのに使用される種類のような、剥離ライナーであり得る。
【0026】
本開示に関連して、用語「クリーニング層」は、クリーニングされる基材(例えば無限の長さの可撓性ウェブ)の望ましい表面積に対して連続的なコーティングを形成する1層以上の層を意味し、このクリーニング層は基材のコーティングされた表面から容易に除去可能であり、クリーニング層を除去した後に、それまでコーティングされていた基材の表面が、クリーン状態又は超クリーン状態で残される。本明細書で使用される「クリーン」な表面とは、特定の基材表面上で存在が許容されない粒子がない状態、又は少なくとも実質的にない状態の表面を指す。クリーン表面の1つのタイプは「超クリーン」表面であり、これは超微粒子及びそれより大きな粒子がない状態、又は少なくとも実質的にない状態の表面を指す。本明細書で使用される用語「粒子」とは、球形、不均一な形状、繊維形状、及びその他の任意の微粒子の混入又はくずを指す。超微粒子は、直径0.1μm以下の粒子である。
【0027】
本発明によるクリーン表面は、クリーニング層を基材表面(例えば可撓性ウェブ基材の表面、特にポリマー可撓性ウェブ基材)から除去すると、3μmサイズ(すなわち直径約3μmの粒子)及びそれより大きい粒子を少なくとも約99.0パーセント除去した場合に、粒子がないと見なすことができ、これら粒子は、クリーニング層でコーティングする前から、コーティングされた基材上にあったものである。本発明は3μm以上のサイズの粒子を少なくとも約99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%及び99.9%、除去する能力があり、1.5μm以上のサイズの粒子を99%を超えて除去する能力があることが見出されている。本発明は、1μmサイズ(すなわち約1μmの直径を有する粒子)、更にはμm未満のサイズ(すなわち少なくとも約0.1μm以下の直径を有する粒子)及びこれより大きな粒子を、そのようなパーセンテージで除去できると考えられる。また、そのような直径(すなわち3μm又は1μm又はμm未満の直径、及びより大きな直径)を有する粒子を、99.9パーセント超(例えば少なくとも99.95%、99.99%、99.995%、又は99.999%)除去することができるとも考えられる。
【0028】
一般に、除去された粒子の数及びサイズが、クリーニングされた基材の意図された使用又は用途の最小クリンリネス要件を満足する場合、本発明によるクリーンな表面は、実質的に粒子がないと見なされる。例えば、クリーニング層でコーティングされる前に、コーティングされた基材表面上にあった、少なくとも約10μm、9μm、8μm、7μm、6μm、5μm、4μm、3μm、2μm、1μm又はμm未満の直径、及びより大きな直径を有する粒子を、基材表面からのクリーニング層の除去によって、少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%除去した場合、本発明のクリーン表面は、実質的に粒子がないと見なすことができる。
【0029】
本発明による超クリーン表面は、クリーニング層を基材表面(例えば可撓性ウェブ基材の表面、特にポリマー可撓性ウェブ基材)から除去すると、超微粒子及びそれより大きい粒子を少なくとも約99.0パーセント除去した場合に生じ、これら粒子は、クリーニング層でコーティングする前から、コーティングされた基材上にあったものである。本発明は超微粒子及びそれより大きい粒子を少なくとも約99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%及び99.9%、除去することができると考えられている。また、本発明は、超微粒子及びそれより大きい粒子を約99.9パーセントを超えて(例えば少なくとも約99.95%、99.99%、99.995%、又は99.999%)除去することができると考えられている。
【0030】
除去される粒子の数及びサイズを測定することに加え、又は別の方法において、クリーン表面が金属層でコーティングできる場合(例えばスパッタコーティング又は気相蒸着などの従来のコーティング技法を用いることによって)、特に厚さ1μm未満の薄い金属層(例えば厚さ100nm〜20nmで、厚さ50nmの桁のOLED層、厚さ20nmの桁のバリアコーティング層などを含む)でコーティングでき、この結果として得られた金属コーティング表面には、光学的に検出可能なピンホール欠陥がないか、又は実質的にない場合、クリーン表面はまた、粒子がない、又は粒子が実質的にないと見なすことができる(例えばJ.Mater.Chem.,2004,14,4〜10及び2002 Society of Vacuum Coaters 505/856−7188 45th Annual Technical conference Proceedingsを参照)。一般に、結果として得られる金属コーティング表面は、ピンホール欠陥の数及びサイズが、金属化された基材の意図された使用又は用途の最小要件を満足するのに十分な程度小さい場合には、ピンホール欠陥が実質的にないと見なされる。
【0031】
本発明の実践の助けとするために、流動性ポリマー材料(すなわちクリーニング層を形成するのに使用される材料)、基材表面材料(すなわち流動性ポリマー材料でコーティングされた基材表面を形成する材料)、及び、コーティングプロセス(すなわち、その流動性ポリマー材料を、基材表面をコーティングするクリーニング層に形成するのに使用する加工処理)を実施する際に使用されるパラメータは、クリーニング層を基材から除去する際に、そのクリーニング層と基材のコーティングされた表面との間の結合が、貼着した状態ではなく、接着を破壊するように選択されることが理解されよう。本明細書で使用される「接着」破壊とは、完全な接着結合破壊と、実質的な接着の結合破壊とを含み得る。実質的な接着の結合破壊は、クリーニング層材料が基材表面上に残されること、又は基材材料がクリーニング層で除去されること、又はこれらの両方のいずれかをもたらすものであるが、商業的に顕著なほどではない。すなわち、クリンリネスの測定(例えば除去及び/又は残留した粒子の数及びサイズの測定、金属コーティングの可視ピンホール内容、湿気蒸気又は気体(酸素など)の透過率など)に使用されるパラメータは、クリーニングされた基材表面の所与の使用に対して許容範囲内となる。
【0032】
このクリーン表面は、約0.277mm(例えば459μm×603μm)の面積で測定した「Ra」及び「Rq」表面粗さ値が約10nm以下であることが望ましい。好ましくは、このクリーン表面は、約10,000μmの面積で測定した「Ra」及び/若しくは「Rq」表面粗さ値が約1nm以下であり、約400μmの面積で測定して約1nm以下であり、又は約25μmの面積で測定して約1nm以下である。本発明はさまざまな基材上(例えばPET及びその他のプラスチックフィルム上)にクリーン表面を生成することができ、例えば、微小な複製表面又はエンボス表面などの模様のある構造表面を有する基材が挙げられる。
【0033】
動いている可撓性ウェブ基材上に流動性ポリマー材料の連続コーティング形成を促進するため、流動性ポリマー材料は、基材表面の表面張力(表面エネルギー)よりも低いコーティング加工処理中の表面エネルギーを呈することが望ましい。クリーニング層は、好ましくは1つのピースとして、基材表面から容易に除去できるように適用される。クリーニング層を除去した後、それまでコーティングされていた基材表面が、粒子がない状態又は少なくとも実質的に粒子がない状態で現われる(この粒子の存在は、デバイスにおける特定の使用、又はデバイスの製造又は使用における特定の使用について、基材表面上に許容されない)。基材の保管時、その後の取扱い時、及び/又は更なる加工処理時には、クリーニング層を配置した状態で、下にある基材表面のクリンリネスが、保護及び維持され得る。クリーニング層の特性(例えば機械的特性、化学的特性、及び/又は光学的特性など)に応じて、このクリーニング層によって提供される保護には、下にある基材表面を物理的損傷(例えば傷、侵食、磨耗など)から保護すること、好ましくない放射線(例えば可視光、紫外線、赤外線、X線など)から保護すること、水分(例えば湿度)又は水分欠如への曝露から保護すること、微生物への曝露(例えば細菌、ウイルスなど)から保護することなどが挙げられる。
【0034】
流動性ポリマー材料の層は、基材の1つの表面又は複数の表面に適用することができる。例えば、一実施形態において、流動性ポリマー材料の1層以上の層は、2つの相対する基材表面の間に配置し、その流動性ポリマー材料を固化することができる。この方法において、クリーニング層1層の除去を使用して、2つの別々の基材表面をクリーニングすることができる。別の一実施形態において、基材表面が比較的平らな場合、そのようなラミネート(すなわち、2つの相対する基材表面を合わせて結合させる流動性ポリマー材料の単一層)であるクリーニング層を繰り返して、任意の数の交互に重なるクリーニング層及び可撓性ウェブ基材の多層ラミネートを形成することができる。
【0035】
ウェブ基材の両面を本発明によってクリーニングし、両方のクリーニング層を同時又はほぼ同時に除去した場合は、結果として得られる両面クリーンのウェブ基材を更にどのように加工処理又は取り扱いできるかについては、たくさんの選択肢がある。例えば、両面クリーン表面の場合は、同時に加工処理することができ、一方のクリーン表面を加工処理してからロールに巻き取ることによって未処理のクリーン表面を汚染から保護することができ、又は、両方の露出したクリーニング層が未処理の状態の可撓性ウェブ基材をロールに巻き取ることができる。この最後の実施形態では、ウェブの隣接する巻きに挟まれたクリーン表面はすべて汚染から保護されているため、このウェブ基材は、ウェブの外側一巻きで露出している表面を除き、その後のロールの取扱中もクリンリネスを維持することができる。そのような構成体は、1つ又は両方のクリーニング層並びに1つ又は両方のクリーン表面のインライン処理を除去するための施設、設備又は傾斜を有していない後続プロセスにとって、有利であり得る。加えて、この方法においてそのようなクリーンウェブ基材のロールを製造することによって、クリーンウェブの後続プロセス中に静電気の問題に遭遇するリスクが減少する。
【0036】
本発明によるクリーニング層は、最小で直径約1μm又はそれ未満の粒子を基材のコーティングされた表面から除去することができ、本発明は、超微粒子でさえもコーティングされた表面から除去する結果が得られると考えられている。そのような粒子は、最初に流動性ポリマー材料のコーティングを適用することにより、基材のコーティングされた表面の表面積を完全又は少なくとも部分的に包み込み、あるいは別の方法で、基材のコーティングされた表面上にあるたくさんの粒子の全て又は少なくともかなりの量を、完全又は少なくとも部分的に捕捉することによって、除去される。コーティングされた流動性ポリマー材料は次に、固化される。米国特許第6,776,171号では、コーティングされた表面から粒子を引き離し、ポリマーコーティング内に粒子を捕捉し、このコーティングを後で除去して廃棄するためには、ポリマーコーティング材料にエネルギー(例えば超音波及びメガソニックエネルギーなど)を適用する必要があることが教示されている。本明細書に記述されている教示の1つ以上の採用することにより、本発明の流動性ポリマー材料では、そのような粒子捕捉を達成するためにそのようなエネルギーを適用する必要がないことが見出されている。代わりに本流動性ポリマー材料は、粒子を引き離すために音波エネルギーを適用する必要なしに、クリーニングされる表面上のかなりの数の粒子を各クリーニング層が捕捉できるように、配合及び/又は加工処理される。例えば、流動性ポリマー材料のレオロジー(例えば粘性)は、コーティングされる基材表面に対して濡れと分配(すなわち浸潤性)を促進するよう選択することができる。流動性ポリマー材料は、コーティングプロセス中に比較的低い粘性を有することが望ましいことがある。加えて、あるいは別の方法として、この流動性ポリマー材料は、コーティングされる基材表面の表面エネルギーより低い表面張力(すなわち表面エネルギー密度)を呈することが望ましいことがある。
【0037】
クリーニング層を形成するのに使用される流動性ポリマー材料は、連続コーティングの形成を可能にするような任意のタイプのコーティングシステムを使用することによって、基材の任意の望ましい表面(例えば可撓性ウェブ基材の主表面の一方又は両方)に適用することができる。そのようなコーティングシステムには例えば、1つ以上の押出成形、スロットフェドナイフ(slot-fed knife)、ホッパー、流体軸受、ノッチバー、ブレード、及びロールコーティングが挙げられる。主表面に加え、基材(特に可撓性ウェブ基材)のエッジを封入するために、ロールコーティング、スプレーコーティング、又はその他の方法も使用することができる。このエッジは次に、スリット加工作業によって、又はクリーニング層を除去する以前の同様の方法によって除去することができる。基材のエッジには、かなりの濃度の微粒子物質を有することがある。よって、このエッジの封入及び除去は、顕著な利点をもたらし得る。例えば、エッジまでコーティングしエッジを封入することによって、基材から加工処理装置及び環境(例えば周囲雰囲気)への屑の移動をなくすか、又は少なくとも最小限に抑えることができる。
【0038】
流動性ポリマー材料は、例えば、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリビニル、ポリエステル、ポリアクリレート、スチレンブロックコポリマー、ポリオレフィン、クレイトンポリマー、及びこれらのコポリマー又は混合物(例えばエチレンアクリルポリマー混合物)のうち少なくとも1つ以上などの、任意の好適なポリマー材料を含み得る。本発明のさまざまな実施形態において、流動性ポリマー材料は、100%固体材料を含み得、又は、特定の固体割合まで希釈した溶液を含み得る。流動性ポリマー材料が希釈される場合は、しばしば、約10%〜約60%の間の固体割合まで希釈される。
【0039】
流動性ポリマー材料が溶液中(すなわち溶媒中に溶解している)又は懸濁液中(すなわち例えば水などの液体中に分散している)にある場合、その固化プロセスには、流動性ポリマー材料を乾燥させることが含まれ得る。本明細書で使用される用語「溶媒」には、例えば有機溶媒及び水が含まれる。流動性ポリマー材料が、熱硬化性ポリマー材料を含む場合、その固化プロセスには、熱硬化性ポリマー材料の架橋を起こすための硬化(例えば熱、又は紫外線若しくは電子ビーム放射などの放射線を用いる)が含まれ得る。そのような流動性熱硬化性ポリマー材料を硬化させて、その熱硬化性ポリマー材料の一部だけ又はわずかな部分に架橋をおこさせることが望ましい場合がある。流動性ポリマー材料が、融解した熱可塑性ポリマー材料を含む場合、その固化プロセスには、融解した熱可塑性ポリマー材料を固化温度又はガラス転移温度より下の温度まで冷却することが含まれ得る。
【0040】
特に、限定する意図はないが、1センチポアズ(cP)以上でかつ約10000cP未満、5000cP未満、2000cP未満、3000cP未満、2000cP未満、又は1000cP未満の粘性を有する流動性ポリマー材料を使用することが望ましいことが見出されている。約900cP、800cP、700cP、600cP、500cP、400cP、300cP、200cP、100cP又は50cP以下の粘性を有する流動性ポリマー材料を使用することが望ましいことが見出されている。例えば連続コーティングプロセス(例えばコーティングニップ通過、ダイコーター下、スプレーコーター下を通過するなど)中に長手方向に動く可撓性ウェブについて、動く基材へ流動性ポリマー材料をコーティングする場合は、約100cP以下の粘性を有する流動性ポリマー材料を使用することが特に望ましい。
【0041】
一般に、動く基材を適切にコーティングしその基材表面上の粒子を捕捉するためには、動く基材の速度が増大するにつれて、流動性ポリマー材料の粘性は低減させる必要がある。加えて、所与の粘性に対して、流動性ポリマー材料のコーティングを適用するのに使用される技法は、コーティング作業中の基材の速度を低減又は制限することがある。例えば、約30cP以下の粘性を有する流動性ポリマー材料は、最高約100フィート/分(30.5m/分)の基材速度で、可撓性ウェブ基材にダイコーティングすることができるが、ロールコーティングでは最高約200〜250フィート/分(61〜76m/分)の基材速度が可能である。可撓性ウェブ基材は、少なくとも約5m/分(17フィート/分)の速度で長手方向に動かすことが望ましく、好ましくは、基材表面が流動性ポリマー材料でコーティングされている間に、この可撓性ウェブ基材は長手方向に少なくとも約15m/分(50フィート/分)で長手方向に移動する。コーティングされる流動性ポリマー材料のコーティングの厚さ、粘性、及び表面張力に応じて、可撓性ウェブ基材は、最高約150m/分(約500フィート/分)又はそれより速い速度で長手方向に移動しながら、本発明による流動性ポリマー材料でコーティングすることができる。よって、コーティング方法、コーティング厚さ及び流動性ポリマー材料の特性(例えば粘性、表面張力、固体割合など)は、望ましいウェブ加工処理速度を達成するよう選択することができる。
【0042】
コーティングする基材表面上を流動性ポリマー材料で浸潤するのを促進するためには、基材表面に対して呈する接触角が90°以下、及び好ましくは90°よりずっと小さな角度(例えば60°、50°、40°、30°、20°、10°、5°又はそれ未満)となるように、基材表面がある表面エネルギーを呈し、流動性ポリマー材料がある表面張力を呈することが望ましい。流動性ポリマー材料と捕捉される微粒子との間の相対的な表面エネルギーも、流動性ポリマー材料が微粒子物質を捕捉する能力に影響を与え得る。よって、流動性ポリマー材料と捕捉される微粒子との間の表面エネルギー差は、所与の基材表面から微粒子をクリーニングするために流動性ポリマー材料を選択する際の要素ともなり得る。
【0043】
本発明に従って、基材表面から除去され得る微粒子汚染物質材料には、無機材料又は有機材料を含む粒子が含まれ得るが、これらに必ずしも限定されない。本発明は、約1μm以上の直径を有するものとして特性付けられたそのような粒子を捕捉することが示されている。本発明は、サイズがμm未満の直径を有する粒子を除去することができると考えられている。
【0044】
本発明の実践の助けとするために、流動性ポリマー材料(すなわちクリーニング層を形成するのに使用される材料)、基材表面材料(すなわち流動性ポリマーでコーティングされる基材表面を形成する材料)、及び、流動性ポリマー材料をコーティングして基材表面上のクリーニング層にする際に使用されるパラメータ(例えばコーティング厚さ、固化時間と温度、硬化レベルなど)は、クリーニング層を基材から除去する際に、そのクリーニング層と基材のコーティングされた表面との間の結合が、貼着した状態ではなく、接着を破壊するように選択されることが理解されよう。これらの要素も、接着結合を破壊するのに必要な力が、許容できないほど高くならないようにするために選択されるべきである。本明細書で使用される「接着」破壊とは、完全な接着結合破壊と、実質的な接着の結合破壊とを含み得る。実質的な接着の結合破壊は、クリーニング層材料が基材表面上に残されること、又は基材材料がクリーニング層で除去されること、又はこれらの両方のいずれかをもたらすものであるが、商業的に顕著なほどではない。すなわち、クリンリネスの測定(例えば除去及び/又は残留した粒子の数及びサイズの測定、基材表面をコーティングする金属層のピンホール内容、湿気蒸気又は酸素の透過率など)に使用されるパラメータは、クリーニングされた基材表面の所与の使用に対して許容範囲内となる。
【0045】
クリーニング層を除去した後、基材表面に残ったクリーニング層の部分が、それまでコーティングされていた基材表面を「クリーン表面」とは見なされない状態にするようなサイズ及び/又は数である場合、基材上にクリーニング層のかなりの部分が残ったと見なされる(すなわち、クリーニング層が、接着破壊する前に貼着的に破壊した場合)。同様に基材は、除去された基材の部分が、それまでコーティングされていた基材の表面を、少なくとも必要な表面粗さ(すなわち平滑度)値又はその他、「クリーン表面」を満たさないようにするようなサイズ及び/又は数である場合、クリーニング層の除去によって除去されたそれ自体のかなりの部分があると見なされる(すなわち、クリーニング層と基材との間の接着力は、基材の貼着結合力よりも大きい)。
【0046】
クリーニング層は、基材のコーティング表面からクリーニング層を除去する間に、破断したり、また、それまでコーティングされていた基材表面上に断片としてかなりの部分を残したりすることのないよう、十分な強さ(例えば十分な厚さ、十分な貼着力、十分に高い引張り強度など)であることが好ましい。クリーニング層のそのような機械的特性は、数多くの用途において特に重要である。例えば、本発明によってクリーニングされる、無限の長さのウェブ基材のロール・ツー・ロール・プロセスにおいては、クリーニング層が、十分な貼着強度を有し、これによりウェブ基材がプロセスを通って動くにつれ、1つの連続したピースとして除去することができるのが望ましい。そのようなウェブ基材が比較的高速で動く、及び/又は抗張力である場合、クリーニング層の強度は特に重要である。クリーニング層の本質的強度を強化するため、かなりの強さの補助材料(例えば裏が接着剤のテープ、ウェブなど)をクリーニング層にラミネートすることにより、除去プロセス中の補強を提供することができる。このようにして、クリーニング層は厚さ約1μm〜約10,000μmの範囲、又は更に厚くなり得る。使用される補助材料が何であれ、クリーニング層とクリーニングされる基材表面との間の界面は引き続き接着破壊しなければならず、これにより、前述のように許容可能なクリーン表面を生み出すことができる。
【0047】
同様に、流動性ポリマー材料、基材(例えば基材表面材料、機械的特性など)並びにコーティング及び固化プロセスの実施に使用するパラメータを選択することにより、クリーニング層の除去によって、許容できない度合まで基材を曲げたり、歪ませたり、裂いたり、又は他の様相で破損したりすることがないようにすることが望ましい。そのような破損が起こるのを避けるために、基材を商業的に顕著に曲げたり、歪ませたり、裂いたり、又は他の様相で破損したりするのを防ぐのに十分な程度、クリーニング層の除去に必要な力(例えば剥離力)を低くすることが望ましい。例えば、比較的厚い無機基材(例えばシリコーンウエファーなど)からクリーニング層を除去するのに使用される除去力は、ポリマーフィルム基材で使用される除去力よりもはるかに高くなる傾向があり得る。流動性ポリマー材料内の架橋度合と、コーティングされた基材表面とクリーニング層の間の結合強度との間には、相関関係が観察されている。流動性ポリマー材料内に架橋剤を追加すると、基質表面と一部のクリーニング層との間の結合強度が許容できない高さになっている。
【0048】
クリーニング層除去の際に、クリーニング層とコーティングされた基質表面との間の結合が、十分に低レベルの力で接着破壊するようにするには、コーティングされた基材表面と、クリーニング層又は流動性ポリマー材料との間の分子レベルでの拡散及び/又は化学的相互作用(例えば架橋)を、防止するか、又は少なくとも実質的に制限する(すなわち、一切起こらないか限定量しか起こらないようにする)ことが望ましい可能性がある。すなわち、クリーニング層の分子構造、及び、コーティングされた基材表面の分子構造が、その界面で実質的に不変のままであることが望ましい可能性がある。上述のように、基材からクリーニング層を除去する際に比較的弱い力をかけてクリーニング層とコーティングされた基質表面との間の結合が接着破壊するとき、過剰な拡散及び/又は化学的相互作用は実質的に制限されていると考えられる。そのような拡散及び/又は化学的相互作用は、コーティングされた基材表面と流動性ポリマー材料の1つ以上の構成要素との間の顕著な溶解度及び/又は化学的反応性(例えば架橋又はその他の結合)の結果で起こり得、及び、固化してクリーニング層になる際の流動性ポリマー材料の顕著な架橋の結果でも起こり得る。
【0049】
そのような、コーティングされた基材表面と流動性ポリマー材料及び/又はクリーニング層との間の拡散及び/又は化学的相互作用は、例えば、流動性ポリマー材料が固化してクリーニング層を形成する際に、流動性ポリマー材料の架橋がほとんど又はまったく起こらないようにすることによって、防止又は少なくとも実質的に制限することができる。流動性ポリマー材料のそのような架橋は、例えば次の方法で防止又は少なくとも実質的に制限することができる:(a)流動性ポリマー材料の固化(すなわち固化プロセス)中に架橋をほとんど又はまったく示さない流動性ポリマー材料を選択すること、(b)流動性ポリマー材料に構成成分を添加して、架橋を防止又は少なくとも阻害すること、(c)流動性ポリマー材料の固化をもたらすが、架橋をほとんど起こさない(すなわち結合はまだ実質的に接着性)又はまったく起こさない固化プロセス(例えば温度、温度時間、固化速度など)を使用すること、あるいは(d)(a)、(b)及び(c)の任意の組み合わせ。
【0050】
例えば、熱可塑性ポリマー材料又はわずかだけ架橋可能なポリマー材料を、この流動性ポリマー材料に選択することができる。熱可塑性材料を使用した場合であっても、過剰な拡散及び/又は基材表面との化学的相互作用を防止又は阻害するために、熱可塑性ポリマー材料を流動性にする際には低い温度(すなわち融点に近い温度)を使用することが望ましい場合がある。加えて、硬化プロセスは、熱硬化する流動性ポリマー材料を部分的にのみ硬化させるよう選択又は改変することができる(例えば、低い硬化温度、及び/又は短い温度時間を使用することができる)。そのような過剰な拡散及び/又は化学的相互作用を効果的に防止又は阻害する追加又は別の方法はまた、コーティングされる基材表面をより反応性にするような表面活性化プロセスの対象にしないようにすることも挙げられ得る。そのような表面活性化プロセスには、1つ以上の従来のコロナ処理、プライマー層の適用などが挙げられ得る。
【0051】
本発明により使用される任意の流動性ポリマー材料について、その流動性ポリマー材料が基材表面を浸潤してコーティングするのに必要な最低温度より顕著に上の高温に、流動性ポリマー材料のコーティング(すなわち、固化する前のクリーニング層)をさらすのは避けることが望ましいことがある。必要な最低温度より上の高温は、基材表面とクリーニング層との間の結合が接着結合とならない場合、顕著であると見なされる。顕著な高温に流動性ポリマー材料のコーティングをさらすのを避けることに加えて、又は別の方法として、クリーニング層が基材表面を更に浸潤するような高温に、固化したクリーニング層をさらすのは避けることが望ましいことがある。特に、例えば、流動性ポリマー材料を形成するポリマーが流動し始める温度を顕著に超える温度、又は、クリーニング層を形成するポリマーの軟化温度に近いか若しくはそれを超える温度は、コーティングされたポリマーが分子レベルで流動し、基材表面の分子と相互作用ことが可能になり得る。この相互作用は基材表面に対するコーティングポリマーの分子浸潤を改善し、クリーニング層と基材表面との間の結合強度を増大させることができる。この結合強度の増大は、基材表面からのクリーニング層の接着剥離作用を効果的に低減させるのに十分であり得る。よって、流動性ポリマー材料のコーティングプロセス中、流動性ポリマー材料が基材表面を浸潤してコーティングするのに必要な最低温度を顕著に超える温度に、流動性ポリマー材料をさらすことは避けるのが望ましい可能性がある。同様に、クリーニング層ポリマーの軟化点近く又は軟化点を超える温度(軟化点がある場合)に、あるいは、そのクリーニング層ポリマーが熱硬化性樹脂である場合、クリーニング層ポリマーの更なる架橋を起こすような温度に、固化したクリーニング層をさらすのも、避けるのが望ましい可能性がある。そのような過剰な温度にさらさないようにすることにより、クリーニング層とコーティングされた基材表面との間の拡散及び化学的相互作用、並びにこれによるクリーニング層の剥離作用を、制御することが可能になる。よって、最低のコーティング温度及び固化温度を使用し、かつ、許容可能なクリーニング層を製造するのに依然として使用することができるようなその温度での最短時間を使用することが、望ましい。
【0052】
本発明の実践により、クリーニング層の除去後、クリーンな基材表面を製造することができ、この表面には、直径約3μm、約1.5μm、又は1μmもの小ささ以上の粒子が実質的に存在しない。本発明によるクリーン表面にはまた、直径約1μm未満の粒子が実質的に存在せず、又は直径約0.1μmを有する超微粒子、又は更に小さい粒子が、これより大きい粒子も含めて、実質的に存在しない。除去された粒子の数及びサイズを測定することに加えて、又は別の方法として、このクリーン表面を金属層でコーティングし(例えばスパッタコーティングプロセス、気相蒸着プロセスなど)、この得られた金属コーティング表面を調べて、光学的に検出可能なピンホール欠陥の検出がないか又は実質的にないかどうかを見ることにより、クリーン表面に粒子がないか又は実質的にない状態であるかどうかを判定することが望ましい。基材表面がクリーン表面であるかどうかを判定する際は、厚さ1μm未満、及び好ましくは厚さ100nm以下の金属コーティングで基材表面をコーティングすることが望ましい。ピンホール欠陥には、コーティングされる基材表面上で(a)金属コーティングの連続性を中断しているような、及び/又は(b)金属コーティングがそのコーティングされた基材表面と緊密に接触するのを妨げているような、汚染物質(例えば微粒子)に由来する、金属コーティング中の中断又は不連続性が含まれ得る。
【0053】
金属層中のピンホール欠陥を検出する1つの方法は、金属コーティングされた表面を視覚的に調べて、ピンホール欠陥の数とサイズを判定することである。例えば、金属コーティングに含まれるピンホール欠陥が10個/cm、5個/cm、2個/cm、1個/cm、0.05個/cm、0.02個/cm、0.01個/cm、0.005個/cm、又は0.001個/cm以下であり、かつ、各ピンホール欠陥が光学顕微鏡によって検出可能なサイズ(例えば約1μm以下)を有し、少なくとも約1μm、少なくとも約2μm、少なくとも約3μm、少なくとも約4μm、少なくとも約5μm、少なくとも約6μm、少なくとも約7μm、少なくとも約8μm、少なくとも約9μm、少なくとも約10μmのサイズを有する場合、その金属コーティングは実質的にピンホール欠陥がないと見なすことができる。
【0054】
基材のクリーン表面はこの後に、処理ないしは別の方法で望ましいように加工処理することができる。例えば、クリーン表面はコロナ処理、ないしは別の方法で表面処理を行い、クリーン表面の更なる加工処理に望ましい特性を生成することができる。さまざまなタイプの製品用途向けの機能層も、このクリーン表面上にコーティングすることができる。微粒子汚染に敏感な材料で、このクリーン表面をコーティングすることが望ましいことがある。例えば、そのような加工処理には、クリーン表面を金属化すること(例えば金属コーティングの適用により)が含まれ得、これにより1つ以上の元素金属又は金属合金層をクリーン表面の上に形成することができる。そのような金属層は例えば、薄い金属コーティングの複雑な模様を有するフレキシブル回路を作製するのに使用することができる。クリーン表面は、最終用途に応じて、厚さを変えて金属化(すなわちコーティング)することができる。最終用途に応じて、厚さ最大約300nm、及び約3nm〜約200nmの範囲、及び約10nm〜約100nmの範囲の金属コーティングを適用するのが一般的である。例えば、約200nmの銀のコーティング蒸着が、光学的鏡面を製造するのに使用されている。加えて、パッケージ業界では通常、厚さ範囲約30nm(装飾用途)〜約50nm(酸素又は水蒸気バリア用途)のアルミニウムでコーティングしたプラスチックフィルムを利用している。
【0055】
そのような金属化したプラスチックフィルムは典型的に、ロール・ツー・ロールのバッチプロセスで金属コーティングされ、真空中で実施される。幅最大約4m、長さ最大約60,000m超のウェブをコーティングするための機械が利用できる。金属コーティング速度は、コーティング厚さによって異なり、最高1000m/分にすることができ、全ロールをコーティングするサイクル時間はは、3時間未満で完了することができる。例えば、「Vacuum Web Coating−State of the Art and Potential for Electronics」、Rainer Ludweg、Reiner Kukla及びElizabeth Josephson、Proceedings of the IEEE,Volume 93,Issue 8,Date:Aug.2005,pp.1483〜1490,Digital Object Identifier 10.1109/JPROC.2005.851489を参照のこと。金属コーティングは、従来の金属コーティング技法又は装置の任意のものを使用して、本発明によるクリーン表面に適用することができる。クリーン層を金属化するためのそのようなシステムの1つは、KDF Electronics(Rockleigh,NJ)が製造しKDF 603 Model IIIシステムとして販売されている金属スパッタコーティング装置を採用している。
【0056】
さまざまなセラミック基材のコーティング(例えば、米国特許第6,071,597号に開示されているようなダイヤモンド様カーボンコーティングなど)が、厚さ範囲約1nm〜約300nmで適用されている。
【0057】
可撓性ウェブ基材は、良好なバリア特性を有するべきであり、すなわち、気体及び溶媒浸透に対して高い抵抗を有するべきである。本発明により適用された金属コーティングは、基材表面にバリア層を形成することができる。本明細書で使用される用語「バリア層」は、無機材料(例えば金属材料、セラミック材料、その他の無機材料、及びこれらの組み合わせ)、又は無機材料と有機材料の組み合わせ(例えば無機層と有機層のダイアド)の1つ以上の層であり、ポリマー基材にコーティングすることにより、コーティングを浸透する気体及び溶媒(例えば水)に対して高い抵抗性をもたらす。そのようなバリアコーティングは、50℃及び相対湿度100%(Mocon Testerを使用)において湿気透過速度(MVTR)が約0.1g/m/日未満を呈することが望ましい。いくつかの用途について、バリアコーティングは、約0.01g/m/日未満、約0.001g/m/日未満、約10−4g/m/日未満、約10−5g/m/日未満のMVTRを呈することが望ましい。例えば電子ディスプレイ用途に使用するための基材は、湿気透過速度が10−6g/m/日未満、酸素透過速度が10−5/mL/m/日未満を呈することが必要な場合がある。
【0058】
そのような金属化プロセスの前に、又は金属化プロセスの代わりに、かつクリーニングを行う前又は後に、コーティングによる平坦化プロセスを基材表面に適用することが望ましい場合がある。これは、滑らか(すなわち表面粗さ値が低い)かつ平坦な、平坦化基材表面を形成するために、十分な量の平坦化ポリマー材料で基材表面をコーティングするものである。この平坦化基材表面は次に、その基材についての基材表面として機能することができる。このようにして、必要ならば、基材表面は非常に滑らかかつ平坦に製造することができる。この基材表面は、約0.277mm(例えば459μm×603μm)の面積で測定した「Ra」及び「Rq」表面粗さ値が約10nm以下であることが望ましい。好ましくはこの基材表面は、約10,000μmの面積で測定した「Ra」及び/若しくは「Rq」表面粗さ値が約1nm以下であり、約400μmの面積で測定して約1nm以下であり、又は約25μmの面積で測定して約1nm以下である。
【0059】
基材の平坦化、ないしは別の表面平滑化の技法は既知である。そのような技法の例は例えば米国特許出願公開第US 2005/0238871号、米国特許第7,018,713号、及び文献「Use of Evaporated Acrylate Coatings to Smooth the Surface of Polyester and Polypropylene Film Substrates」、D.G.Shawら、RadTech(1996),pp.701〜707に見出すことができ、これらは全体が参考として本明細書に組み込まれる。本発明の基材表面は、上述のように、望ましい表面粗さ値を呈するように平坦化されている。そのような平坦化コーティング組成物の1つが、同時係属中かつ同一出願人の米国特許仮出願第61/141849号、「SUBSTRATE WITH PLANARIZING COATING AND METHOD OF MAKING SAME」(2008年12月31日出願)に本出願と共に開示されており、これは全体が参考として本明細書に組み込まれる。
【0060】
平坦化した基材表面は更に、例えば、本発明によるクリーニング層を使用してクリーニングすることにより、又は金属化して金属層(例えば金、銀、アルミニウム、チタン、酸化インジウムスズなど)をその上に形成することにより、又はバリアコーティングでコーティングすることにより、加工処理することができる。金属化又は他の加工処理を行う前に、少なくとも1つの層の低粘性流動性ポリマー材料でその平坦化された基材表面をコーティングし、次に本発明に従って、この流動性ポリマー材料層を固化して別のクリーニング層にすることによって、この平坦化された基材表面をクリーニングすることが望ましいことがある。よって、このクリーニング層が除去された後、結果として得られたクリーンな平坦化された表面が現われ、同様に、処理又は他の加工処理を行うことができる。
【0061】
本発明は、無限の長さの可撓性ウェブ基材、特にポリマー可撓性ウェブ基材に使用するのに好適である。本発明は、無限の長さを有するさまざまな種類の可撓性ウェブ材料をクリーニングし、所望により、保護に使用することができる。可撓性ウェブは、クリーニング層を除去して下のクリーン表面を露出することができるよう、それ自体で、又は追加の強化物により、十分な機械的一体性を有する。可撓性ポリマーウェブは、例えば、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンナフタレート(PEN))、セルロース(例えばトリアセチルセルロース(TAC))、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン(例えばポリプロピレン)、シリコーン樹脂、硬化アクリレート、コポリマー及び同様物などの材料で構築することができる。可撓性ポリマーウェブは、単層又は多層ウェブであり得る。例えば、多層光学フィルムを本発明に従って使用することができ、この多層光学フィルムは例えば、米国特許第3,711,176号、同第5,103,337号、及び同第5,540,978号、並びにPCT国際公開特許出願WO 96/19347号及び同第WO 95/17303号に開示されており、これらの全体が参考として本明細書に組み込まれる。ポリマーコーティングされた紙ウェブ基材も、本発明を使用する候補として可能性があり得る。ミクロ研磨コーティングされた可撓性ウェブ基材、例えばコンピュータ産業で使用されているものも、本発明によりクリーニングされたミクロ研磨表面を有することで利益を得られる場合がある。金、銀、鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、スズ、又はその他の金属の可撓性金属ウェブ又はホイルも、本発明を使用してクリーニングし、次に加工処理を行うことができる。
【0062】
本発明を用い、可撓性ウェブ基材は、例えば流動性ポリマー材料でコーティングされている間に、長手方向軸に平行な方向(例えばウェブ取扱いプロセスの上流方向又は下流方向)に動かすことができる。よって、本発明は連続的なインライン製造プロセスに利用することができる。連続的インラインプロセスとは、可撓性ウェブの全長、又は少なくとも全長のかなりの部分が、同じ生産ライン中で連続的に加工処理される(すなわち連続的に通過する)ものである。そのようなプロセスは、可撓性ウェブ(例えばポリマーフィルム)を提供する工程と、その可撓性ウェブの相対する主表面の少なくとも一方又は両方を流動性ポリマー材料の層でコーティングすることによりコーティングされたウェブを形成する工程と、その流動性ポリマー材料の層を固化して、可撓性ウェブから容易に除去可能なクリーニング層にし、可撓性ウェブの主表面上にあるかなりの数の粒子がその流動性ポリマー材料の層によって捕捉される工程とを含み得る。流動性ポリマー材料の層は、可撓性ウェブがウェブの長手方向軸に平行な方向(例えばウェブ取扱い装置の上流方向又は下流方向)に動いている間にコーティングされる。クリーニング層を配置した状態で、このクリーン表面は、可撓性ウェブが保管されている間、又はその後の取り扱い(例えばクリーニング層を除去し基材表面を更に加工処理する前、又は可撓性ウェブを他の方法で更に加工処理する前)の間に、保護及び保持され得る。クリーニング層を除去した後、可撓性ウェブの主表面がクリーン表面として現われる。
【0063】
一実施形態において、流動性ポリマー材料の単一層が、2つの可撓性ウェブ基材の2面の相対する主表面の間に配置することができ、その流動性ポリマー材料を固化させることができる。この方法において、単一のクリーニング層の除去を使用して、2つの異なる基材(例えば2つの異なる可撓性ウェブ基材)の主表面をクリーニングすることができる。この基本的なラミネートを、クリーニング層及び基材を任意の数だけ交互に重ねて繰り返し、多層ラミネートを形成することができる。このようにして、本発明に従い、順次又は同時に、各可撓性ウェブ基材の両面をコーティングしてからクリーニングすることができる。別の一実施形態において、可撓性ウェブ基材は、本発明に従って単一クリーニング層を使用して両面をクリーニングすることができる。この実施形態において、クリーニング層はウェブ基材の一方の面に適用され、クリーニング層が固化する前に、このコーティングされたウェブをロールに巻く。ウェブ基材がロール形状になった後、単一クリーニング層が固化する。この方法において、単一クリーニング層が、クリーニングされるウェブの2つの相対する主表面に圧縮又は挟まれ、両方に接触した状態であり、クリーニング層の固化によって、両方のウェブ表面(すなわちクリーニング層の両方の面)にある粒子が捕捉される。結果として得られるクリーンなウェブ基材のロールを、所望により更に加工処理することができる。
【0064】
可撓性ウェブ基材は、本発明に従って、少なくとも約15m/分(50フィート/分)の速度、及び最高約75m/分(250フィート/分)の速度で移動しながら、流動性ポリマー材料でコーティングすることができる。流動性ポリマー材料を適用している間は、少なくとも約30m/分の速度で可撓性ウェブ基材を動かすようにすることが望ましい場合がある。本明細書で使用される用語「ウェブ」は、本発明に従って粒子をクリーニングすることができるポリマーフィルム又は層から成り、又は少なくともこれを含む。このウェブは更に、ポリマーフィルム又は層のための補強裏材(例えば繊維補強フィルム、織布又は不織布スクリム、布地など)を含み得る。「可撓性」であるウェブとは、ロールに巻くことができるものを指す。「無限の長さ」のウェブとは、幅をはるかに超える長さのウェブを指す。
【0065】
後続の加工処理中、コーティングされた可撓性ウェブ(すなわちクリーニング層でコーティングされたウェブ)は、クリーニング層を除去する間、通常は長手方向軸に平行な方向に連続的に移動することが望ましいことがある。この方法において、クリーニング層を連続的に除去する際、現われたクリーン表面も連続的に後続加工処理することができる。クリーニング層は、従来のウェブ取扱い技法を使用して(例えば、張力をかけてクリーニング層を可撓性ウェブから剥がすことにより)可撓性ウェブから除去することができる。クリーニング層を除去した後、下にある可撓性ウェブ表面は、直径3μm以上の粒子、又はサイズが1μm以上の粒子でさえも、約99.7パーセント、99.9パーセント、更にはそれ以上の程度の粒子除去が行われ得る。クリーニング層を可撓性ウェブから剥がすか又は他の方法で除去し、特に連続的に除去することにより、クリーニング層を除去した場所に静電場が生成されることがあり、粒子を引き付ける一定の帯電を生じる可能性が高い。
【0066】
よって、本発明に従ってクリーニング層でコーティングされた可撓性ウェブの連続的加工処理には、好ましくは、特にウェブが連続的に加工処理される場合に、クリーニング層がウェブから除去される領域で生じる、静電場(すなわち静電荷の蓄積)及びそれから生じる静電放電を制御することが含まれる。チェックしないままにしておくと、クリーニング層が最初に除去される場所に隣接して実施される、ウェブのクリーン表面に対する任意の後続加工処理の場所まで、静電場が広がることがある。クリーニング層を除去した後、ウェブのクリーン表面がどの程度すぐに加工処理されるかは、例えばそのような静電場の制御レベル、並びに、クリーニング層が除去されクリーン表面が加工処理される空間にある局所化された粒子によってウェブのクリーン表面がどの程度迅速に再汚染される傾向にあるか、などの要因に依存し得る。そのようなクリーン表面の後続加工処理は、クリーニング層の除去の後すぐに実施することが望ましい。
【0067】
ウェブ基材の移動速度及び加工処理環境のクリンリネスに依存して、そのような後続加工処理は、例えば、クリーン表面が現われるところから最長6〜20フィート(2〜6m)、又はそこから10〜30秒のところで実施することができる。静電気制御装置の効果及び加工処理環境のクリンリネスに依存して、後続加工処理は、クリーニング層を除去してから最高60秒又はそれ以上、遅らせることが可能であり得る。そのような静電気制御は、(a)クリーニング層と可撓性ウェブが分離されるスペース、又は(b)下にあるクリーン表面の後続処理が始まるスペース、又は(a)と(b)の両方のスペースに隣接した位置で、例えば静電放電装置、例えばNRD NuclestatモデルP2001ニュークリアバーなど、を使用することにより達成することができる。加えて、又は別の方法として、静電気制御は、例えば米国特許第6,071,597号(この全体が参考として本明細書に組み込まれる)に示されているような装置を使用して、真空環境中でクリーニング層の除去及び下のクリーン表面の後続加工処理を実施することにより達成することもできる。また、ウェブ基材への粒子誘引をなくすか少なくとも最小限に抑えるために、ウェブ基材が加工処理される間、ウェブ帯電を低く抑えることが望ましい。ウェブは、ローラー上を移動している際、静電帯電することがある。
【0068】
保管又は移送を容易にするために、コーティングされた可撓性ウェブ基材(すなわちクリーニング層でコーティングされたウェブ)をロール上に巻き取ることが望ましい可能性がある。コーティングされたウェブがロール形態のとき、可撓性ウェブ基材の組成物又はクリーニング層の組成物には、例えば、ウェブ移送を促進する表面特性を付与するため(例えば望ましい摩擦係数を得るなど)、及び、ウェブを顕著に破損することなくロールに巻上げこれを展開するウェブの性能(例えば抗ブロック特性)を改善するために、1つ以上の添加剤が含まれ得る。例えば、抗ブロック剤を、固形物の約0.01%〜約10%の範囲の量、添加することができる。この抗ブロック剤は、クリーニング層が可撓性ウェブと結合又はブロック形成するのを防止することができ、これにより展開可能なロールを生成する(さもないと、展開の際にクリーニング層が早まって可撓性ウェブの裏側に移ってしまう)。例えば色を変えるための色素添加など、クリーニング層の特性を変えるために、追加の従来型フィルム添加剤も使用することができる。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態において、コーティングされた可撓性ウェブは、さまざまな望ましい1つ以上の機能を提供するため、クリーニング層を除去する前に、可撓性基材上にコーティングされたクリーニング層の露出した表面上に、所望による1層以上のオーバーコート層を適用することによって加工処理することもできる。そのようなオーバーコート層は、例えば、クリーニング層上にオーバーコート層を、コーティング、印刷、ラミネート、共押し出し、又はその他の方法で提供することによって適用され得る。クリーニング層の露出表面の剥離特性を変更するため、例えばウェブをロールに巻いたときのブロック化を低減するために1つ以上の抗接着性又は剥離層の形状のオーバーコート層を使用することにより、そのようなオーバーコート層を使用するのが望ましい可能性がある。そのようなオーバーコートは、例えば、ウェブ移送を促進する表面特性を付与するため(例えば望ましい摩擦係数を得るなど)、及び、ウェブを顕著に破損することなくロールに巻上げこれを展開する性能(例えば抗ブロック特性)を改善するために、使用され得る。そのようなオーバーコートは、例えばクリーニング層の露出表面上に接着層をコーティング又は他の方法で適用することにより、クリーニング層の露出表面の接着特性を変更するのに使用することもできる。結果として得られたコーティング済み可撓性ウェブは、ロールに巻くことにより、クリーニング層上の接着剤がウェブの裏側に接着するようにできる。この方法において、ロールを展開すると、クリーニング層は可撓性ウェブの裏側に接着したままで、ウェブのクリーン表面が露出する。加えて、オーバーコート層は、クリーニング層の引張り強度を高めるため(例えば、クリーニング層の接着剤除去を促進するため)に加えられた支持層の形態であり得る。そのような支持層は、フィルム、不織布スクリム、織布、連続繊維、又は同様物の形態であり得る。更に、オーバーコート層は、除去前のクリーニング層を機械的に保護するために、可撓性ウェブ基材から除去する際に有用なクリーニング層にするため望ましい色、識別オード、製品ロゴ又はその他の機能を加えるために、使用することもできる。
【0070】
クリーン表面の連続加工処理には更に、クリーン表面上にバリア層(例えば1つ以上の金属層、セラミック層、その他の無機層、有機層と無機層との複合体、又はこれらの組み合わせ)を適用することも含まれ得る。第2の流動性ポリマー材料層をこのバリア層上に適用することもでき、この流動性ポリマー材料の第2層が固化して第2クリーニング層を形成する。第2クリーニング層は次に、例えば可撓性ウェブが長手方向軸に平行な方向に動いている間に、バリア層から除去することができる。
【0071】
本発明の一般的な使用は、微粒子汚染に敏感な材料で、クリーニングされた可撓性ウェブ表面をコーティングすることである。そのような敏感な材料には、最終用途において観察者が見る層の一部を形成する光学的コーティングが含まれ得る(LCDパネル又はテレビ画面に使用されている層など)。加えて、本発明に従って加工処理された基材は、例えば電子回路(例えば可撓性回路又はフレックス回路)又は光学電子デバイスの一部などの電子デバイスの一部を構成するのに好適であり得る。特に、本基材はエレクトロルミネセンス(EL)デバイス(例えば光学的発光ダイオード又はOLED)、光電池、及び半導体デバイスのうち少なくとも1つ以上の部分を構成するのに好適であり得る。本基材はまた、電界効果トランジスタ(例えば有機電界効果トランジスタ)、薄膜トランジスタ及び集積回路のうち少なくとも1つ以上の部分を構成するのに好適であり得る。
【0072】
図1aを参照して、本発明による方法の代表的な一実施形態の実施において、無限の長さの可撓性ウェブ基材20が表面21を有して提供されており、この表面上が、許容できない数及びサイズの粒子22で汚染されている。ウェブ20は「D」の方向に動いており、この方向はウェブ20の長手方向軸に全体として平行である。ウェブ20は、本発明に従って、ウェブ20が動いている間に、コーティングダイ26によって流動性ポリマー材料24の層でコーティングされている。ダイコーティングの使用は便利ではあるが、スプレー、カーテンコーティング、ロールコーティング、及びナイフコーティングなどの他のコーティング方法も有用であり得る。
【0073】
図1bを参照して、流動性ポリマー材料24のコーティングされた層が固化してクリーニング層24bとなり、これによりウェブ表面21を汚染している粒子22の全て又はかなりの量が捕捉される。この流動性ポリマー材料24は、一般的に、捕捉された粒子22bそれぞれの少なくとも一部を物理的に包み込むことによって、表面21上の粒子22を捕捉する。コーティングされた材料24が固化して層24bとなるとき、粒子22bが捕捉される。流動性ポリマー材料24の正確な組成物に応じて、材料24の固化は、乾燥、冷却、熱硬化、放射線硬化、反応前駆体からの重合、又は同様の方法によって達成され得る。通常は、ウェブが「D」の方向の連続的な動きで移送されている間に固化を実施するのが便利である。
【0074】
図1cを参照して、ウェブ20が「D」の方向に連続的に移送されている間、クリーニング層24bは、「D1」の方向にウェブ20から剥がすか又は引き離すことができる。この除去段階中に、捕捉された微粒子22bはクリーニング層24bの中に残り、クリーンな表面28が生じてこれを更なる加工処理に利用できる。
【0075】
図2を参照して、図1aに示されたコーティング段階は、流動性ポリマー材料24をコーティングダイ26から吐出させながら、バックアップローラー30に回り込む「D」方向にウェブ20を移送することによって実施することができる。この構成において、流動性ポリマー材料は圧力をかけて配置されるため、コーティングダイ26を通り、コーティングダイ開口部を出て、ウェブ20の表面21上に流れる。これは、例えば圧力ポット32によって便利に達成され得る。本発明に関連して、ダイ26を通る流動性ポリマー材料の流量を正確に計測すると便利な場合があるため、所望によるフローメーター34が図示されている。加えて、本発明に関連して、流動性ポリマー材料内にすでに存在する微粒子汚染を除去することが便利な場合があるため、所望によるフィルター36が図示されている。
【実施例】
【0076】
(実施例1)
図2に全体的に示されている実験的セットアップが準備された。幅9インチ(22.9cm)、厚さ0.002インチ(0.05mm)のポリエチレンテレフタレート(PET)(3M Company(St.Paul,MN)から市販されている597197 Scotchpar(登録商標)フィルム)からなる無限の長さのウェブ20が、ステンレス鋼バックアップローラー30を回り込んでライン速度25フィート/分(7.6m/分)で移送された。スロットダイコーター26は、スロット高さ0.010インチ(0.25mm)及びスロット幅8インチ(20.3cm)に設定されたダイ開口部を含んで提供された。ダイコーター26は、コーティングギャップ0.010インチ(0.25mm)で運用された。上流ビードで、水柱1.5インチ(0.0038kg/cm)(372.7Pa)に減圧を行った。
【0077】
水中40%固体として溶解した脂肪族ポリエステルポリウレタン(Alberdingk Boley,Inc.(Greensboro,NC)から市販されているALBERDINGK(登録商標)U 801)を含む流動性ポリマー液体材料を、圧力ポット32から吐出させた。この流量を、フローメーター34(Emerson Electric Co.(St.Louis,MO)から市販されているCMF10)でモニターし、79g/分の流量に維持された。この流れが、Tokyo Roki(日本・横浜)から市販されているタイプHC200フィルター36を通過した。これらのパラメーターにより、湿状態厚さ1.81mil(0.046mm)のコーティングがウェブ20上に形成された。
【0078】
結果として得られた流動性ポリマー材料24のコーティングは次に、3つの連続ゾーン(それぞれ長さ10フィート(3.05m))を有する乾燥炉に、コーティングされたウェブを通過させることによって固化させた。第1ゾーンでは温度は200°F(93℃)に維持された。第2ゾーンでは温度は200°F(93℃)に維持された。第3ゾーンでは温度も200°F(93℃)に維持された。完全に乾燥したとき、これにより形成されたクリーニング層は0.00072インチ(18.4μm)の厚さを有した。
【0079】
(実施例2)
実施例1のコーティングされたウェブ20のクリーン表面28(図1c)が、HEPA(高性能)クリーンルーム条件下で固化したクリーニング層を剥がすことにより、表面微粒子を調べた。フィルム20のクリーン表面28の対応する領域を露出させて調べた。露出したクリーン表面領域を、同じPETフィルムウェブ20のクリーニングされていない部分と比較した。露出した表面28を調べたところ、溶解性粒子が少なくとも98%減少したことが示された。
【0080】
(実施例3)
実施例1のコーティングされたウェブを、一時的にプレマスクライナーをコーティングされたウェブの間に挟んでスプールに巻き取り、これによりウェブの裏側(すなわちウェブのコーティングされていない側)を保護した。Tredegar(Richmond,VA)からUltramask 3930として市販されている厚さ0.002インチ(0.05mm)のポリエチレン保護フィルムライナーをこの目的で使用したが、数多くの異なるライナーが好適であると考えられる。
【0081】
図3を参照して、本発明の方法におけるさまざまな段階(例えば、図1bに図示した固化段階、図1cに図示したクリーニング層除去段階など)を実施するため、多段階装置70の一実施形態の概要が図示されている。実施例3のような構成体(すなわち、一方の主表面にクリーニング層24bを有し、所望により裏側主表面を保護するプレマスクライナー74を有する、ウェブ20)のために無限の長さウェブを加工処理するのに装置70が使用されている場合、このウェブ構成体20はロール展開スタンド72に取り付けられたロールから展開され、プレマスク保護ライナー74が一方向に分離され、中間ライナーアイドラーローラー76及びライナー巻取り張力ローラー78を回り込んで移送され、最後にワインダーステーション80のライナー巻取りスプールに巻き取られる。ウェブ20及び層24bは別の方向「D」へと分離され、ローラーのウェブ経路を通って、ストリッピングローラー94の直前に位置する張力検出ローラー92へと移送される。このローラーのウェブ経路には、インフィードプルローラー84の上流張力制御のために提供されている展開ダンサー82があり、所望による表面処理(例えばコロナ処理)ステーション86及び/又は所望によるウェブステアリングステーション88を備え、これら所望によるステーション86及び/又は88は両方とも、メインペーサーローラー90の前に配置されている。張力検出ローラー87は、装置のこの部分のウェブの制御に使用するため、インフィードプルローラー84とメインペーサーローラー90との間の経路にウェブ張力を出力することができる。この図示されている実施形態において、クリーニング層24bは、ローラー94を通過する際にウェブ20から分離される。剥がされた層24bは巻取りスタンド96でロールに回収される。
【0082】
ウェブ20及びクリーニング層24bに選択されている材料によっては、ストリッピングローラー94でクリーニング層24bを除去する間にかなりの静電気が発生することがあり得る。この場合、静電気低減ステーション98及び100(例えばニュークリアバー)を、クリーニングしたウェブ20のいずれかの主表面又は両主表面に向けて使用し、この電荷を除去することができる。ウェブ20は次に、コーティングステーション102を通って移送される。剥がされた層24bから静電気を除去することが望ましい場合は、追加の静電気低減ステーション98a及び100aを、ストリッピングローラー94と巻取りスタンド96との間で層24bに対して同様に配置することができる。
【0083】
図示されている実施例において、ウェブ20の新たに露出したクリーン表面28には、コーティングステーション102で別の有用なコーティング110(例えば平坦化コーティング、保護コーティングなど)が提供され、これは例えばバックアップローラー30及びコーティングダイ26を含み得る(図2を参照)。所望によるニップローラー104をローラー30とともに含めて、クリーニング層24bの剥離によって生じたウェブ20に存在し得るびびりを低減することができる。図示されている位置にあるニップローラー104は、必ずしも望ましい位置ではない可能性があることが理解されよう。例えば、ローラー104はそれ自体が、新しいクリーン表面28に汚染を導入することがあり得る。よって、ここで想到されるいくつかの実施形態において、ストリッピングローラー94及び巻取りスタンド96は、クリーニング層24bのウェブ20からの剥離がニップローラー104の後に起こるように配置することができる。
【0084】
いくつかの有用なコーティング110では、ギャップ乾燥装置112内での予備的乾燥工程を実施することが便利な場合がある。そのような装置に関する情報は、例えば米国特許第6,553,689号、同第7,100,302号、及び同第7,143,528号に見出すことができ、これらは全体が参考として本明細書に組み込まれる。加えて、又は別の方法として、いくつかの有用なコーティング110では、プロセスのある時点で主要乾燥工程を実施すると便利な場合がある。使用されるコーティングによっては、従来型の乾燥炉114がこの点で有用である場合がある。代表的な乾燥炉114は第1ゾーン114a、第2ゾーン114b、及び第3ゾーン114cに分けられ、各ゾーンは長さ10フィート(3.05m)である。乾燥炉114に加えて、又はこれの代わりに、有用なコーティング110を(例えば有用なコーティング110を硬化するための紫外線(UV)又はその他の放射線によって)処理するための硬化ステーション116を置くことができる。ステアリングステーション118は、ウェブ20が巻取り機構120に近づく際に、巻取りのためにウェブを配置するため所望により置くことができる。いくつかの実施形態において、巻取り機構120の前に、所望により検査ステーション122を置くことが便利な場合がある。張力検出ローラー124はアウトフィードプルローラー126の直前に便利に配置される。別の張力検出ローラー128は、ワインダーローラー130の直前に便利に配置される。有用なコーティング110を備えたウェブ20を保護ライナー131と織り合わせることが便利な場合は、その供給のために展開スタンド132が提供され得る。
【0085】
(実施例4)
コーティングされたウェブを実施例1と同様に、ただし以下の詳細を除いて調製された。無限の長さのウェブは厚さ0.005インチ(1.27mm)のPETフィルムであり、一方の面に接着促進プライマーをコーティングした。そのようなプライミングしたPETウェブは、DuPont(Wilmington,DE)からST504フィルムとして市販されている。この流動性ポリマー材料は、Michelman(Cincinnati,OH)からMichem(登録商標)Prime 4983Rとして市販されているエチレンアクリル酸の分散液であった。Michem(登録商標)Prime 4983Rは、原液の25%固形量から、脱イオン水で固形量22.5%になるように希釈した。これに、Sekisui Plastic,Ltd.(日本・大阪)からMB 30X−8として市販されている直径8μmのPMMAビーズを、0.1重量%の濃度で加えた。このビーズは、無限の長さのウェブがロールに巻き取られたときの、互いに接触する相対するウェブ表面の滑り特性を改善する。ビーズはまた、ウェブ取扱い装置(例えばローラー)を介してウェブ基材のウェブ移送特性も改善することができる。この混合物を、フィルムのプライムされた面上に、湿潤厚さ0.00267インチ(67μm)で塗布した。完全に乾いたとき、このコーティングは厚さ0.0006インチ(15μm)のクリーニング層24bを形成した。
【0086】
Michem(登録商標)Prime 4983R材料24を適用するために指定された加工処理条件は通常、材料24に対し、PETフィルム上のプライマーコーティングと非常に強い結合を形成させる。しかしながら、Michem(登録商標)Prime 4983Rは、そのような結合強度を阻害するように加工処理された。特に、流動性Michem(登録商標)Prime 4983R材料24の適用コーティングは、3つの連続ゾーン(それぞれ長さ10フィート(3.05m))を有する乾燥炉に、コーティング速度(すなわちライン速度)約8m/分で、コーティングされたウェブを通過させることによって固化させ、クリーニング層24bとした。これは、通常指定されている速度より速く、通常指定されているより低い温度である。特に、第1ゾーンにおいて、温度は200°F(93℃)に維持された。第2ゾーンでは温度は200°F(93℃)に維持された。第3ゾーンでは温度は225°F(107℃)に維持された。
【0087】
(実施例5)
図3に全体的に示されている実験的セットアップが、実施例4のコーティングされたウェブの加工処理を行うために準備され、ただし要素76、78及び80の使用は、実施例4のウェブ構成体にはライナー74が含まれないため実施例4とは異なっていた。コーティングされたウェブ20のロールを展開スタンド72に取り付け、ウェブ20がライン速度30フィート/分(9.1m/分)で「D」の方向に展開された。ストリッピングローラー94で、クリーニング層24bが除去され、これによりウェブ20上に約15〜20kVの静電気が生じたため、4本のP2001ニュークリア空気イオン化バー(NRC LLC(Grand Island,NY)から市販)を静電気低減ステーション98及び100として配置し、2本のバーをウェブ20の上、2本のバーをウェブ20の下に配置した。除去したクリーニング層24b上には、同程度で符号が反対の電圧が生じたため、あと4本のP2001ニュークリア空気イオン化バーを、静電気低減ステーション98a及び100aとして配置し、クリーニング層24bの相対する面の上に同様に配置した。
【0088】
コーティングステーション102では、ウェブ20がステンレス鋼バックアップローラー30を回り込んで移送された。このステーションでダイコーター26を使用して材料を適用し、平坦化層110をウェブ20上に形成した。より具体的には、平坦化層を生成するために使用された材料は、シリカ系ハードコートに光開始剤が組み込まれた、3M Company(St.Paul,MN)から市販されている906ハードコートの40%固形物を、イソプロピルアルコールとグリコールエーテル(Dow Chemical(Midland,MI)からDowanol(商標)として市販)の重量比2:1の中に溶かした溶液であった。この材料を、表面がストリッピングローラー94でクリーニング層24bを除去することによって露出された、ウェブ20のクリーン表面28上にコーティングした。
【0089】
湿潤平坦化層110を備えたウェブ20を、各ゾーンが5フィート(1.525m)の、2つのゾーンのギャップ乾燥装置112に通過させた。第1乾燥ゾーンは温度120°F(49℃)であり、第2乾燥ゾーンは温度140°F(60℃)であった。乾燥後、ウェブ20及び層110を、各ゾーンの長さが10フィート(3.05m)である、3つのゾーンの乾燥炉114に通した。第1の炉ゾーンは140°F(60℃)に設定され、第2の炉ゾーンは160°F(71℃)に設定され、第3の炉ゾーンは160°F(71℃)に設定された。硬化ステーション116において、紫外線を使用して、重合を開始させることにより平坦化コーティング110を処理した。この硬化ステーション116は、Fusion UV Systems,Inc.(Gaithersburg,Maryland)から市販されているVPS/I600可変電源システムとそれによって駆動されている「H」タイプのバルブを使用し、定格容量の約80〜100%の間のレベルで作動させた。硬化ステーション116を通過後、厚さ4〜6μmを有する固化した平坦化コーティング110が形成された。この平坦化コーティングを備えたウェブを次にワインダーローラー130に巻き取った。
【0090】
(実施例5a)
この実施例は異なる平坦化コーティング組成物を使用したことを除けば、実施例5と同じであった。この平坦化材料には、3種類の異なるアクリレートモノマーの混合物が含まれ、これらはすべてSartomer Co.(Exton,PA)から市販されている。この混合物はSartomerモノマーSR−444、SR−238及びSR−506のそれぞれが40:40:20の混合物であった。SR−444は約103℃に等しいTgを有するペンタエリスリトールトリアクリレートであり、SR−238は約43℃に等しいTgを有する1,6−ヘキサンジオールジアクリレートであり、及び、SR−506は約88℃〜約94℃の範囲のTgを有するイソボルニルアクリレートである。このアクリレートモノマーの混合物は、コーティング材料の合計組成物の58重量%であった。別の、合計組成物の1重量%が、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィネート光開始剤であり、これはBASF(Ludwigshafen,Germany)からLucirin(登録商標)TPO−Lとして市販されている。コーティング組成物の約41重量%が、Nalco Chemical Co.(Naperville,Illinois)から市販されているNalco 2327シリカゾルであった。Nalco 2327シリカ粒子は表面処理され、平均粒径が20nmであり、固体内容が15重量%である。コーティング時点の粘性調整のために、この組成物を1−メトキシ2−プロパノールで50:50の重量比で希釈した。
【0091】
図4を参照して、クリーニング層と接着オーバーコート層(224と総称)を同時に適用するための装置200の一実施形態において、流動性ポリマー材料24(すなわちクリーニング層材料)及び接着性オーバーコート層材料がデュアルスロットコーティングダイ226から吐出されている間、可撓性ウェブ基材20は、バックアップホイール又はローラー230を回り込んで「D」の方向に移送される。この流動性ポリマー材料24は圧力ポット32内で加圧され、コーティングダイ226の下のスロットに向かって流される。前述の実施例1に関連して検討したように、所望によるフローメーター34及び所望によるフィルター36を提供することもできる。
【0092】
圧力ポット232は、コーティングダイ226の上のスロットに向かって接着性オーバーコート基材を流すために提供される。所望によるフローメーター234及び所望によるフィルター236も、接着性オーバーコート基材のために提供され得る。システムが作動しているとき、流動性ポリマー材料と接着性基材の両方がウェブ20上に吐出される。
【0093】
(実施例6)
実施例5で形成された材料、すなわち、露出した表面上に実施例5の906 Hardcoat平坦化層を有する無限の長さである材料のウェブを、実施例4の方法に従って処理し、これにより平坦化層の上に新しいクリーニング層を形成した。
【0094】
(実施例6a)
実施例5aで形成された平坦化材料、すなわちクリーニングされた表面28上にコーティングされた平坦化層110を有する無限の長さ材料のウェブを、実施例4の方法に従って処理し、これにより平坦化層110の上に新しい(すなわち第2の)クリーニング層24bを形成した。
【0095】
(実施例7)
上述の検討では、無限の長さ材料にどのようにしてスパッタ層を適用することができるかについて説明しており、数多くの好ましい実施形態ではスパッタリングの連続プロセスを含んでいるが、この実施例ではバッチプロセスについて記述する。より具体的には、実施例6aで形成されたウェブ構成体(すなわち、露出したクリーン表面28上にコーティングされた平坦化層110を有し、新しいクリーニング層24bをこの平坦化層110の上にコーティングした、無限の長さ材料のウェブ20)を、別個のシートに切断した。これらシートの幾枚かを、アルミニウムシートを含むパレットに接着した。これには剥離可能なアクリレート感圧接着剤(PSA)を両面に有する両面接着テープを使用した。ウェブ構成体の別個のシートを有するパレットを、KDF Co.(Rockleigh,NJ)から購入したModel MRC 603真空スパッタリング装置の中に配置した。次に、各シート上の平坦化層110を保護している新しいクリーニング層24bを、注意深く剥がした。この作業中、携帯型のポロニウム静電防止バーを使用して、対応する平坦化層110の新たに露出したクリーン表面28の上にダストが付着するのを防止した。作業はクリーンルームクラス1000内で実施した。SiOターゲットを定位置に置き、スパッタリング装置を密封し、10−6Torr(0.00013Pa)より低い圧力まで減圧した。
【0096】
混合気、具体的にはアルゴンを97sccm(標準立方cm/分)の速度、Oを3sccmの速度でチャンバに導入した。SiOターゲットを含む、周波数13.56MHzを有するRF電位差を設定し、これによりエネルギー0.5kWが消費された。パレットを撤去してから1分間おいて、表面汚染のターゲットをクリーニングし、それから20cm/分の速度でターゲット下でパレットを移送した。これにより、SiO層が平坦化層110の露出したクリーン表面28上にスパッタ蒸着し、厚さ約20nmとなった。
【0097】
(実施例8)
実施例6aで生成された材料、すなわち、露出表面上に平坦化層を有し、その平坦化層の上に第2のクリーニング層を有する無限の長さ材料のウェブを、米国特許第6,071,597号(この全体が参考として本明細書に組み込まれる)の図10に概要が示されているカーボンフィルム蒸着装置内に通した。下記の山カッコに入っている参照番号は、米国特許第6,071,597号の図10からのものである。より具体的には、無限の長さのウェブ材料はリール機構<128C>に取り付けられた。2つの追加のアイドラーローラーは、リール機構<128A>の上にあってこれに隣接し、クリーニング層の除去と、ウェブのアイドラーローラー<132>への移送を促進している。第2の保護的クリーニング層を、平坦化層を備えた無限の長さ材料のウェブから分離するのは、2つの追加のアイドラーローラーの位置で起こり、第2の保護的クリーニング層がリール<128E>に巻き取られ、平坦化層を備えた無限の長さ材料のウェブがドラム<126>の回りに導かれている。これらは、平坦化層上にダイヤモンド様のカーボンコーティングのバリア層を付着することを目的としている。ドラム<126>回りを通過した後、このウェブは第2のアイドラーローラー<132>を回り込み、巻取りリール<128B>上に導かれる。具体的には、ドラム<126>はアルミニウムで構成され、直径22インチ(56cm)及び幅18インチ(46cm)を有していた。
【0098】
ウェブをカーボンフィルム蒸着装置<110>内に通し、装置<110>を密封して、1mTorr(0.13Pa)より低い圧力まで減圧した。次にウェブを5フィート/分(152cm/分)の速度で前進させた。テトラメチルシランガスを速度360sccmでチャンバ内に導入し、これにより装置<110>を圧力14mTorr(1.9Pa)を獲得した。周波数13.56MHzでのRFエネルギーを、直流−460Vバイアスを有するドラム<126>で、ドラム<126>及びシールド電極<180>の間に印加し、これにより1500ワットが消費された。これにより0.2μmの非晶質水素化シリコンカーバイド層が、平坦化層の上に蒸着された。その後、ウェブの水蒸気バリア特性を、Mocon MVT検出システムを使用して50℃及び相対湿度100%で試験し、0.005g/m/日未満であることが見出された。
【0099】
本発明について、それらの様々な実施形態に関連して示し説明してきたが、当業者であれば、形状及び細部における様々な他の変更が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、その分野においてなされ得ることが理解されよう。例えば、本発明は可撓性ウェブ基材以外の基材(例えばプレート状基材、シートなど)にも等しく適用できると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスのコンポーネントを製造する方法であって、前記方法は、
相対する面、各面上の主表面、及び無限の長さを有し、デバイスのコンポーネントの少なくとも一部を形成する、可撓性ウェブ基材を提供する工程と、
前記可撓性ウェブ基材がウェブ下流方向に移動している間に、前記可撓性ウェブ基材の片面又は両面の主表面をポリマー材料で浸潤して覆うようコーティングする工程と、
前記ポリマー材料を固化することにより、前記可撓性ウェブ基材の片面又は両面の主表面上に1層のクリーニング層を形成する工程と、
を含み、各クリーニング層は、前記主表面に対し実質的な接着結合を形成し、前記主表面を破損することなく、クリーニング層材料のかなりの残留物を前記主表面に残すことなく、容易に除去可能であり、前記主表面の上にあるかなりの数の粒子を捕捉し、前記主表面の上に形成された各クリーニング層を除去することにより、1つのクリーン表面が現われる、方法。
【請求項2】
無限の長さの可撓性ウェブ基材の主表面にある粒子をクリーニングする方法であって、前記方法は、
相対する面、各面上の主表面、及び無限の長さを有する、可撓性ウェブ基材を提供する工程と、
前記可撓性ウェブ基材がウェブ下流方向に移動している間に、前記可撓性ウェブ基材の片面又は両面の主表面をポリマー材料で浸潤して覆うようコーティングする工程と、
前記ポリマー材料を固化することにより、前記可撓性ウェブ基材の片面又は両面の主表面に1層のクリーニング層を形成する工程と、
を含み、各クリーニング層は、前記主表面に対し実質的な接着結合を形成し、前記主表面を破損することなく、クリーニング層材料のかなりの残留物を前記主表面に残すことなく、容易に除去可能であり、前記主表面の上にあるかなりの数の粒子を捕捉し、前記主表面の上に形成された各クリーニング層を除去することにより、1つのクリーン表面が現われる、方法。
【請求項3】
前記可撓性ウェブ基材が、ポリマーウェブ基材を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記可撓性ウェブ基材が、前記コーティング中に、少なくとも約5m/分の速度で移動する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリマー材料が、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリビニル、ポリエステル、ポリアクリレート、スチレンブロックコポリマー、ポリオレフィン、クレイトンポリマー、及びこれらのコポリマー又は混合物のうち少なくとも1つ以上を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリマー材料が、溶液又は懸濁液であり、前記固化が、前記ポリマー材料の乾燥を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリマー材料が、熱硬化性ポリマー材料を含み、前記固化が、前記熱硬化性ポリマー材料に架橋を起こさせる硬化を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリマー材料が、熱硬化性ポリマー材料を含み、前記固化が、前記熱硬化性ポリマー材料に架橋を部分的にのみ起こさせる硬化を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリマー材料が、融解した熱可塑性ポリマー材料を含み、前記固化が、前記融解した熱可塑性ポリマー材料を、前記熱可塑性ポリマー材料の固化温度又はガラス転移温度より低い温度に冷却する工程を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリマー材料が、前記コーティング中に1000cP未満の粘性を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
各クリーニング層を除去することにより、その下にある1つのクリーン表面を露出させる工程を更に含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
各クリーン表面に、直径約3μm以上の大きさの粒子が実質的に存在しない、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
各クリーン表面に、少なくとも直径約0.1μmを有する超微粒子及びそれより大きい粒子が実質的に存在しない、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
各クリーニング層の除去により、対応する主表面から粒子の少なくとも約99.7%が除去される、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記可撓性ウェブ基材から、対応するクリーニング層を除去するに従い、各クリーニング層をロールに巻き取る工程を更に含む、請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記除去の後に、各クリーン表面を加工処理する工程を更に含む、請求項11〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記可撓性ウェブ基材上のクリーン表面の少なくとも1つを金属化し、これにより実質的にピンホール欠陥を含まない金属表面を有する金属性層を形成する工程を更に含み、前記金属化は前記除去と同じインラインで行われる、請求項11〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記可撓性ウェブ基材がウェブ下流方向に移動している間に、前記可撓性ウェブ基材上の少なくとも1つの金属表面を別のポリマー材料で浸潤して覆うようコーティングする工程と、
前記別のポリマー材料を固化することにより、少なくとも1つの金属表面上に別のクリーニング層を形成する工程と、
を更に含み、前記もう片方のクリーニング層の形成に使用される前記ポリマー材料と、前記別のクリーニング層の形成に使用される前記ポリマー材料は、同じであるか又は異なっており、各クリーニング層は、金属表面に対し実質的な接着結合を形成し、金属表面を破損することなく、クリーニング層材料のかなりの残留物を表面に残すことなく、容易に除去可能であり、表面の上にあるかなりの数の粒子を捕捉し、表面の上に他のクリーニング層を形成し、他の各クリーニング層を除去することにより、金属クリーン表面が現われる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
他の各クリーニング層を除去することにより、その下にある金属クリーン表面を露出させる工程を更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ポリマー平坦化コーティングを適用することにより、ポリマー材料をコーティングする前記工程の前に、前記可撓性ウェブ基材の片面又は両面の主表面を形成する工程を更に含み、
前記ポリマー平坦化コーティングによって形成された前記可撓性ウェブ基材の各主表面が、平坦化された表面である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記可撓性ウェブ基材上の少なくとも1つのクリーン表面を、ポリマー平坦化コーティングで平坦化することにより、平坦化表面をその上に形成する工程を更に含む、請求項11〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記可撓性ウェブ基材がウェブ下流方向に移動している間に、少なくとも1つの平坦化表面を別のポリマー材料でコーティングすることにより、前記少なくとも1つの平坦化表面を浸潤して覆うようコーティングする工程と、
前記別のポリマー材料を固化することにより、少なくとも1つの平坦化表面上に別のクリーニング層を形成する工程と、
を更に含み、前記1つのクリーニング層の形成に使用される前記ポリマー材料と、前記別のクリーニング層の形成に使用される前記ポリマー材料は、同じであるか又は異なっており、他の各クリーニング層は、平坦化表面に対し実質的な接着結合を形成し、平坦化表面を破損することなく、クリーニング層材料のかなりの残留物を表面に残すことなく、容易に除去可能であり、表面の上にあるかなりの数の粒子を捕捉し、表面の上に他のクリーニング層を形成し、他の各クリーニング層を除去することにより平坦化クリーン表面が現われる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
他の各クリーニング層を除去することにより、その下にある平坦化クリーン表面を露出させる工程を更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
各平坦化クリーン表面を加工処理する工程を更に含み、前記加工処理が他の各クリーニング層の前記除去の後に行われる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記可撓性ウェブ基材上の少なくとも1つの平坦化クリーン表面を金属化することにより、実質的にピンホール欠陥を含まない金属表面を有する金属性層を形成する工程を更に含み、前記金属化は他の各クリーニング層の前記除去の後に行われる、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記可撓性ウェブ基材の両主表面が、同時又は逐次的にポリマー材料でコーティングされる、請求項1〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記可撓性ウェブ基材の両主表面が、同時にポリマー材料でコーティングされる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記可撓性ウェブ基材から粒子を引き離すために音波エネルギーを印加する必要なしに、クリーニングされる前記表面上のかなりの数の粒子が各クリーニング層によって捕捉される、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
少なくとも1つのクリーニング層上にオーバーコートを適用する工程を更に含む、請求項1〜10及び18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記オーバーコートが、前記少なくとも1つのクリーニング層の露出表面上に適用された接着剤層を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記可撓性ウェブ基材をロールに巻くことにより、前記接着剤層を前記可撓性ウェブ基材の裏側に接着させる工程と、
ロールを展開して前記少なくとも1つのクリーニング層を前記可撓性ウェブ基材から除去する工程と、を更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記除去中の静電荷蓄積を制御する工程を更に含む、請求項11〜19及び21〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記静電荷の蓄積が、前記除去が実施される場所に隣接して制御される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
請求項1及び4〜33のいずれか一項に記載の方法によるデバイスのコンポーネントを製造する工程と、
前記コンポーネントを含むデバイスを作製する工程と、を含む、デバイスの作製方法。
【請求項35】
相対する面を有し、一方の面には第1主表面、もう一方の面には第2主表面があり、無限の長さを有する可撓性ウェブ基材と、
前記第1主表面上にコーティングされ、直接接触している、固化したポリマー材料の第1クリーニング層と、
を含む可撓性ウェブであって、前記第1クリーニング層は前記第1主表面への実質的な接着結合を形成し、前記第1主表面に破損を起こしたりクリーニング層材料のかなりの残留物を残したりすることなく、前記第1主表面から容易に除去することができ、前記第1クリーニング層がコーティングされる前に前記第1主表面上にあったかなりの数の粒子を捕捉し、前記第1クリーニング層の除去により、前記第1主表面は、かなりの数の粒子がない第1クリーン表面となる、可撓性ウェブ。
【請求項36】
前記可撓性ウェブ基材が、ポリマーウェブ基材を含む、請求項35に記載の可撓性ウェブ。
【請求項37】
前記可撓性ウェブ基材が、前記第1主表面を画定する第1金属表面を有する第1金属層を含み、前記金属層には実質的にピンホール欠陥がない、請求項35又は36に記載の可撓性ウェブ。
【請求項38】
前記可撓性ウェブが、前記第1主表面を画定する第1平坦化表面を有する第1ポリマー平坦化コーティングを含む、請求項35又は36に記載の可撓性ウェブ。
【請求項39】
前記可撓性ウェブ基材が、第1金属表面を有する第1金属コーティングで金属化された第1平坦化表面を有する第1ポリマー平坦化コーティングを含み、前記第1金属表面は前記第1主表面を画定し、前記第1金属層には実質的にピンホール欠陥が含まれない、請求項35又は36に記載の可撓性ウェブ。
【請求項40】
前記第1クリーニング層が前記第1主表面から除去され、前記第1クリーン表面には、直径約3μm以上の大きさの粒子が実質的に存在しない、請求項35〜39のいずれか一項に記載の可撓性ウェブ。
【請求項41】
前記第1クリーニング層が前記第1主表面から除去され、前記第1クリーン表面には、直径が少なくとも約0.1μm及びそれ以上である粒子が実質的に存在しない、請求項35〜39のいずれか一項に記載の可撓性ウェブ。
【請求項42】
前記第1クリーニング層が、前記第1クリーニング層でコーティングされる前の前記第1主表面上にあった粒子のうち少なくとも約25%を捕捉する、請求項40又は41に記載の可撓性ウェブ。
【請求項43】
前記第1クリーニング層が、前記第1クリーニング層でコーティングされる前の前記第1主表面上にあった粒子のうち少なくとも約50%を捕捉する、請求項40又は41に記載の可撓性ウェブ。
【請求項44】
前記第1クリーニング層が、前記第1クリーニング層でコーティングされる前の前記第1主表面上にあった粒子のうち少なくとも約99.0%を捕捉する、請求項40又は41に記載の可撓性ウェブ。
【請求項45】
前記第2主表面上にコーティングされ、直接接触している、固化したポリマー材料の第2クリーニング層を更に含む可撓性ウェブであって、
前記第2クリーニング層は前記第2主表面への実質的な接着結合を形成し、前記第2主表面に破損を起こしたりクリーニング層材料のかなりの残留物を残したりすることなく、前記第2主表面から容易に除去することができ、前記第2クリーニング層がコーティングされる前に前記第2主表面上にあったかなりの数の粒子を捕捉し、前記第2クリーニング層の除去により、前記第2主表面は、かなりの数の粒子が存在しない第2クリーン表面となる、請求項35〜44のいずれか一項に記載の可撓性ウェブ。
【請求項46】
前記可撓性ウェブ基材が、前記第2主表面を画定する第2金属表面を有する第2金属層を含み、前記金属層には実質的にピンホール欠陥がない、請求項45に記載の可撓性ウェブ。
【請求項47】
前記可撓性ウェブが、前記第2主表面を画定する第2平坦化表面を有する第2ポリマー平坦化コーティングを含む、請求項45に記載の可撓性ウェブ。
【請求項48】
前記可撓性ウェブ基材が、第2金属表面を有する第金属コーティングで金属化された第2平坦化表面を有する第2ポリマー平坦化コーティングを含み、前記第2金属表面は前記第2主表面を画定し、前記第2金属層には実質的にピンホール欠陥が含まれない、請求項45に記載の可撓性ウェブ。
【請求項49】
前記第2クリーニング層が前記第2主表面から除去され、前記第2クリーン表面には、直径約3μm以上の大きさの粒子が実質的に存在しない、請求項45に記載の可撓性ウェブ。
【請求項50】
前記第2クリーニング層が前記第2主表面から除去され、前記第2クリーン表面には、直径が少なくとも約0.1μm及びそれ以上である粒子が実質的に存在しない、請求項45〜48のいずれか一項に記載の可撓性ウェブ。
【請求項51】
前記第2クリーニング層が、前記第2クリーニング層でコーティングされる前の前記第2主表面上にあった粒子のうち少なくとも約25%を捕捉する、請求項49又は50に記載の可撓性ウェブ。
【請求項52】
前記第2クリーニング層が、前記第2クリーニング層でコーティングされる前の前記第2主表面上にあった粒子のうち少なくとも約50%を捕捉する、請求項49又は50に記載の可撓性ウェブ。
【請求項53】
前記第2クリーニング層が、前記第2クリーニング層でコーティングされる前の前記第2主表面上にあった粒子のうち少なくとも約99.0%を捕捉する、請求項49又は50に記載の可撓性ウェブ。
【請求項54】
前記可撓性ウェブ基材に相対する前記第1クリーニング層の面に適用されたオーバーコートを更に含む、請求項35〜53のいずれか一項に記載の可撓性ウェブ。
【請求項55】
前記オーバーコートが接着剤層を含む、請求項54に記載の可撓性ウェブ。
【請求項56】
前記可撓性ウェブがロールに巻かれ、前記接着剤層が前記可撓性ウェブ基材の裏側に接着した状態であり、前記ロールを展開したときに、前記接着剤層は前記可撓性ウェブ基材の裏面及び前記第1クリーニング層に結合したままであり、前記第1クリーニング層が、前記可撓性ウェブ基材の前記第1主表面から除去される、請求項55に記載の可撓性ウェブ。
【請求項57】
前記可撓性ウェブ基材の裏面に接着した感圧性接着剤層を更に含み、前記第1クリーニング層が剥離材料を含む露出表面を有し、前記接着剤層は、前記可撓性ウェブがロールに巻き取られ展開する際に、前記露出表面に接着しかつ容易に剥離可能である、請求項35〜53のいずれか一項に記載の可撓性ウェブ。
【請求項58】
各クリーニング層が1つのピースで除去される、請求項40〜44及び49〜53のいずれか一項に記載の可撓性ウェブ。
【請求項59】
各クリーニング層の前記ポリマー材料が、熱可塑性ポリマー材料を含む、請求項35〜58のいずれか一項に記載の可撓性ウェブ。
【請求項60】
前記各クリーニング層の前記ポリマー材料が、架橋していない熱硬化性ポリマー材料を含む、請求項35〜58のいずれか一項に記載の可撓性ウェブ。
【請求項61】
各クリーニング層の前記ポリマー材料が、わずかだけ架橋している熱硬化性ポリマー材料を含む、請求項35〜58のいずれか一項に記載の可撓性ウェブ。
【請求項62】
電子デバイスの可撓性コンポーネントであって、前記コンポーネントが請求項35〜61のいずれか一項に記載の前記可撓性ウェブを含み、前記各クリーン表面が、前記電子デバイスのクリンリネス最低要件を満たす、可撓性コンポーネント。
【請求項63】
請求項62に記載の前記可撓性コンポーネントを含む電子デバイス。
【請求項64】
前記デバイスが、エレクトロルミネセンス(EL)デバイス、光電池、半導体デバイス、有機電界効果トランジスタ、薄膜トランジスタ、及び集積回路からなる群から選択される、請求項63に記載の電子デバイス。
【請求項65】
前記第1主表面が構造表面を含む、請求項35に記載の可撓性ウェブ。
【請求項66】
前記構造表面が微小な複製表面又はエンボス表面である、請求項65に記載の可撓性ウェブ。
【請求項67】
前記クリーニング層が、放射性によって硬化可能な熱硬化性ポリマーを含む、請求項35に記載の可撓性ウェブ。
【請求項68】
前記クリーニング層が、除去後に、ポリマーフィルム材料として使用可能な、請求項35に記載の可撓性ウェブ。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−513899(P2012−513899A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544602(P2011−544602)
【出願日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/069803
【国際公開番号】WO2010/078414
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】