説明

デュアル・モード電話のための方法および装置

音声信号をネットワーク(25)上で送信および受信するための装置および構造。デュアル・モード電話(1)は標準電話モードとインターネット・プロトコル(IP)電話モードの間を切り換えるように適合される。標準電話モードは音声を標準電話ネットワーック(37)上で送信および受信するように適合される標準電話(11)を備える。IP電話モードは、音声信号をIPパケットに変換し、IPパケットを通信リンク(14)上でネットワーク(25)に送信するように適合されるIP電話(15)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ・ネットワーク上で音声信号を送信および受信する装置および関連方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ・ネットワーク上で音声信号を送信および受信するのには一般にコンピュータ・システムを使用する必要がある。コンピュータ・システムはコストがかかり、扱いにくいことがある。したがってコンピュータ・システムを使用せずにコンピュータ・ネットワーク上で音声信号を送信および受信する装置および関連方法が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、標準電話モードとインターネット・プロトコル(IP)電話モードの間で切り換わるように適合される電話を備えるデュアル・モード電話であって、標準電話モードが標準電話ネットッワーク上で音声信号を送信および受信するように適合される標準電話を備え、IP電話モードが、音声信号をIPパケットに変換し、IPパケットを通信リンク上でネットワークに送信するように適合されるIP電話を備える、デュアル・モード電話を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、
標準電話モードおよびインターネット・プロトコル(IP)電話モードを備えるデュアル・モード電話を提供することと、
デュアル・モード電話をIP電話モードに切り換えることと、
IP電話モードによって音声信号をIPパケットに変換することと、
IPパケットを通信リンク上でネットワークに送信することと
を含む方法を提供する。
【0005】
本発明は、
標準電話モードおよびインターネット・プロトコル(IP)電話モードを備えるデュアル・モード電話を提供することと、
デュアル・モード電話を標準電話モードに切り換えることと、
標準電話モードで音声信号を標準電話ネットワーク上で送信および受信することを含む方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、本発明の実施形態による、第2のデュアル・モード電話9と通信するデュアル・モード電話1を備えるシステム2のブロック図である。デュアル・モード電話1は標準電話モードおよびインターネット・プロトコル(IP)電話モードを備える。標準電話モードはデュアル・モード電話1内に標準電話11を備える。標準電話11は当業者に知られた任意の電話とすることができ、特にコード付き電話、コードレス電話、セルラ電話などを含むことができる。標準電話11は当業者に知られた任意の標準電話ネットワーク37(図4参照)上で音声を送信および受信することができる。IP電話モードはデュアル・モード電話1内にIP電話15を備える。IP電話15は音声信号をIPパケットに変換し、IPパケットを通信リンク14上でネットワーク25に送信する。用語「IPパケット」は本明細書では1つまたは複数のIPパケットを指し、音声および/またはテキストを備えることができる。さらに、IP電話15は音声信号をIPパケットに変換する前にデジタル化および圧縮することができる。音声信号は当業者に知られた任意の圧縮技法によって圧縮することができる。音声信号は、4または8ビット/サンプルで、約8000回/秒または125μ秒に約1回などの任意のレートでデジタル化することができる。ネットワーク25は特に伝送制御プロトコル(TCP)/IPネットワーク、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、非同期転送モード(ATM)ネットワークなどとすることができる。さらに、IP電話15はネットワーク25から音声またはテキスト・メッセージを備える第2のIPパケットを受信し、第2のIPパケットを第2の音声信号に変換することができる。IP電話15はテキスト形態のテキスト・メッセージを計算機(computing device)(たとえば、図2の計算機8)から受信するためにモニタをさらに備えることができる。モニタは特に液晶ディスプレイ(LCD)モニタ、陰極線管(CRT)モニタなどの当業者に知られた任意のモニタとすることができる。IP電話15はTCP/IPスタックを備えることができる。
【0007】
ネットワーク25はサーバ4、サーバ6、および通信リンク14、16および20を備えることができる。サーバ4はインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)に関連付けることができる。サーバ6は第2のISPに関連付けることができきる。あるいは、ネットワーク4は1つのISPに関連付けられたただ1つのサーバを備えることができる。通信リンク14、16および20は特に光ファイバ・ケーブル、ツイスト・ペア銅線、同軸ケーブルなどの固体媒体リンクとすることができる。あるいは、通信リンク14、16および20は特に衛星、セルラなどの無線媒体リンクとすることができる。デュアル・モード電話1はサーバへの接続のために電話番号を入力するように適合される。さらに、デュアル・モード電話1は通信のために遠隔装置(たとえば、デュアル・モード電話9)のIPアドレスを直接入力するように適合される。デュアル・モード電話1はいつでも標準電話11とIP電話15の間で切り換えることができる。切換えはハードウェアを使用して手動で行うことができる。あるいは、切換えはハンドシェーキング・プロセス(たとえば、図5、ステップ28参照)を使用して自動的に行うことができる。デュアル・モード電話1は第2のデュアル・モード電話9と通信することができる。第2のデュアル・モード電話9は標準電話72を備え、IP電話74は標準電話11およびIP電話15を備えるデュアル・モード電話1と同等である。
【0008】
図2は、本発明の実施形態による、デュアル・モード電話1を有するシステム5のブロック図を示す図1の変形を示す。図1とは対照的に、デュアル・モード電話1はコンピューティグ・デバイス8と通信する。計算機8は、特にコンピュータ、パーソナル・コンピュータ(PC)、ポータブル・ウェブ・ブラウザ、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)などの当業者に知られた任意の計算機とすることができる。計算機8はネットワーク25上での送信のために音声信号をIPパケットに変換することができる。あるいは、計算機8はデュアル・モード電話1との通信のためにテキストをIPパケットに変換するためにメッセージング(たとえば、インスタント・メッセージング、テキスト・メッセージングなど)を使用することができる。
【0009】
図3は、図1の変形例であり、本発明の実施形態による、ネットワーク31と通信するIPモードのデュアル・モード電話1を有するシステム7のブロック図を示している。図1とは対照的に、IPモードのデュアル・モード電話1は標準電話12と通信する。標準電話11は当業者に知られた任意の電話とすることができ、特にコード付き電話、コードレス電話、セルラ電話などを含むことができる。サーバ4と通信リンク14および18とに加えて、ネットワーク31はIP音声ゲートウェイ10および通信リンク55を備える。IP音声ゲートウェイ10は通信リンク55上での標準電話12への送信のためにIPパケットを音声信号に変換する。通信リンク55は当業者に知られた任意の標準電話線とすることができる。
【0010】
図4は、図3の変形であり、本発明の実施形態による、標準電話12と通信するデュアル・モード電話1を有するシステムのブロック図を示している。図3とは対照的に、デュアル・モード電話1は標準電話11を備える標準電話モードである。さらに、デュアル・モード電話は標準電話ネットワーク37上で図3の標準電話12と通信(音声を送信および受信)している。標準電話ネットワーク37は当業者に知られた任意の標準電話ネットワークとすることができる。IP電話15は標準電話12とともに使用されない。
【0011】
図5は、本発明の実施形態による、様々な装置と通信するためにデュアル・モード電話1に対して図1〜4において使用される通信および切換えプロセスのアルゴリズムを示す流れ図を示す。ステップ26はIP電話1への英数字ユーザ入力を表す。英数字ユーザ入力はインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)への電話番号またはサーバ(たとえば、図1のサーバ4)への電話番号とすることができる。あるいは、英数字ユーザ入力はデバイス(たとえば、図1のデュアル・モード電話9、図2の計算機8など)のIPアドレスとすることができ、プロセスはステップ48で始まることができる。ステップ28において、ハンドシェーキング・プロセスが行われる。ステップ28においてデュアル・モード電話1が標準電話ネットワーク37(図4参照)を検知した場合、デュアル・モードIP電話1はステップ30において標準電話モードに切り換えられる。ステップ32においてIP電話1は図4の標準電話12に接続される。ステップ28においてインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)またはサーバがデュアル・モード電話1によって検知された場合、デュアル・モード電話1はステップ34においてIP電話モードに切り換えられる。ステップ34の後、ユーザはステップ36において意図した相手に電話番号を、またはデュアル・モード電話1に対してステップ48において意図した相手にIPアドレスを入力することができる。ユーザがステップ36において電話番号を入力した場合、電話番号はステップ38においてIP音声ゲートウェイ10(図3参照)へのIPアドレスに変換される。ステップ40において、音声信号(たとえば、ユーザの音声)はIPパケットに変換され、ステップ42においてIPパケットは図3のIP音声ゲートウェイ10に送信される。ステップ44において、IP音声ゲートウェイ10はIPパケットを音声信号に変換する。ステップ46において、IP音声ゲートウェイ10は音声信号を図3の標準電話12に送信する。ユーザがステップ48においてIPアドレスを入力した場合、デュアル・モード電話はステップ50において音声信号をIPパケットに変換することになる。ステップ52において、第2のハンドシェーキング・プロセスを行うことができる。ステップ52において第2のIP電話9(図1参照)が検知された場合、IPパケットはステップ54において第2のIP電話9に送信される。ステップ56においてIPパケットは音声信号に変換し戻される。ステップ52において計算機8(図2参照)が検知された場合、IPパケットはステップ58において計算機に送信される。ステップ60において、通信プロセスが図2の説明において上述したようにコンピューティグ・デバイス・ユーザとともに行われる。
【0012】
本発明の実施形態が説明のために本明細書で説明されたが、多くの改変および変更が当業者には明らかになろう。したがって、添付の特許請求の範囲は本発明の真の精神および範囲に入るすべてのそのような改変および変更を包含するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態による、第2のデュアル・モード電話と通信するインターネット・プロトコル(IP)モードのデュアル・モード電話を有するシステムのブロック図を示す。
【図2】本発明の実施形態による、計算機と通信するIPモードのデュアル・モード電話を有するシステムのブロック図を示す図1の変形を示す。
【図3】本発明の実施形態による、標準電話と通信するIPモードのデュアル・モード電話を有するシステムのブロック図を示す。
【図4】本発明の実施形態による、標準電話と通信する標準電話モードのデュアル・モード電話を有するシステムのブロック図を示す。
【図5】本発明の実施形態による、通信プロセスのアルゴリズムを示す流れ図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標準電話モードとインターネット・プロトコル(IP)電話モードの間で切り換わるように適合される電話を備えるデュアル・モード電話であって、前記標準電話モードが標準電話ネットッワーク上で音声信号を送信および受信するように適合される標準電話を備え、前記IP電話モードが、前記音声信号をIPパケットに変換し、前記IPパケットを通信リンク上でネットワークに送信するように適合されるIP電話を備える、デュアル・モード電話。
【請求項2】
前記IP電話が前記ネットワークから第2のIPパケットを受信し、前記第2のIPパケットを第2の音声信号に変換するように適合される請求項1に記載のデュアル・モード電話。
【請求項3】
前記IP電話を備える前記デュアル・モード電話が前記IPパケットを前記ネットワーク上で第2のIP電話を備える第2のデュアル・モード電話に送信するように適合され、前記第2のIP電話が前記IPパケットを受信し、前記IPパケットを音声信号に変換し、前記第2のIP電話が前記第2の音声信号を前記第2のIPパケットに変換し、前記第2のIPパケットを前記ネットワーク上で送信するように適合される請求項2に記載のデュアル・モード電話。
【請求項4】
前記IP電話を備える前記デュアル・モード電話が前記IPパケットを前記ネットワーク上で計算機に送信するように適合され、前記IP電話が前記計算機から前記第2のIPパケットを受信するように適合される請求項2に記載のデュアル・モード電話。
【請求項5】
前記計算機がコンピュータ、ポータブル・ウェブ・ブラウザ、およびパーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)からなるグループから選択される請求項4に記載のデュアル・モード電話。
【請求項6】
前記IP電話を備える前記デュアル・モード電話が前記IPパケットを前記ネットワーク上で送信するように適合され、前記ネットワークがさらにIP音声ゲートウェイを備え、前記IP音声ゲートウェイが前記IPパケットを前記音声信号に変換し、前記音声信号を標準電話に送信するように適合される請求項1に記載のデュアル・モード電話。
【請求項7】
前記通信リンクが無線通信リンクである請求項1に記載のデュアル・モード電話。
【請求項8】
前記IP電話が英数字入力を受容するように適合される請求項1に記載のデュアル・モード電話。
【請求項9】
前記英数字入力がIPアドレスである請求項8に記載のデュアル・モード電話。
【請求項10】
前記英数字入力が電話番号である請求項8に記載のデュアル・モード電話。
【請求項11】
前記IP電話が伝送制御プロトコル(TCP)/IPスタックを備える請求項1に記載のデュアル・モード電話。
【請求項12】
前記標準電話モードと前記インターネット・プロトコル電話モードの間の切換えがハンドシェーキング・プロセスによって決定される請求項1に記載のデュアル・モード電話。
【請求項13】
標準電話を備える標準電話モードおよびインターネット・プロトコル(IP)電話を備えるIP電話モードを備えるデュアル・モード電話を提供することと、
前記デュアル・モード電話を前記IP電話に切り換えることと、
前記IP電話によって音声信号を前記IPパケットに変換することと、
前記IPパケットを通信リンク上でネットワークに送信することと
を含む方法。
【請求項14】
前記デュアル・モード電話によって前記ネットワークから第2のIPパケットを受信すること、および前記第2のIPパケットを第2の音声信号に変換することをさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記IPパケットが、第2のデュアル・モード電話によって前記ネットワークから受信され、前記第2のデュアル・モード電話によって音声信号に変換されるように適合される請求項13に記載の方法。
【請求項16】
第2の音声信号が前記第2のデュアル・モード電話によって第2のIPパケットに変換されるように適合され、前記第2のIPパケットが前記ネットワークに送信されるように適合される請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記デュアル・モード電話によって前記ネットワークから前記第2のIPパケットを受信すること、および前記第2のIPパケットを前記第2の音声信号に変換することをさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記IPパケットを前記ネットワーク上で送信することをさらに含み、前記ネットワークが、
前記IPパケットを前記音声信号に変換し、
前記音声信号を標準電話に送信する
ように適合されるIP音声ゲートウェイをさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記IPパケットを前記ネットワーク上で計算機に送信することをさらに含む請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記デュアル・モード電話によって前記第2のIPパケットを前記コンピューティグ・デバイスから受信することをさらに含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記計算機がコンピュータ、ポータブル・ウェブ・ブラウザ、およびパーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)からなるグループから選択される請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記切換えをハンドシェーキング・プロセスによって決定することをさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項23】
標準電話を備える標準電話モードおよびインターネット・プロトコル(IP)電話を備えるIP電話モードを備えるデュアル・モード電話を提供することと、
前記デュアル・モード電話を前記標準電話に切り換えることと、
前記標準電話によって音声信号を標準電話ネットワーク上で送信および受信することを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−509408(P2006−509408A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−556655(P2004−556655)
【出願日】平成15年11月26日(2003.11.26)
【国際出願番号】PCT/IB2003/005456
【国際公開番号】WO2004/051969
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】