説明

データの臨界性

データロガーの一使用は、人間に関する生理的条件データを収集するためである。人は動作中であっても、データロガー及び任意の関連センサを持ち運びすることができる。データロガーによって記録されたデータは、解析されるためにサードパーティにアップロードされる。データロガーの記録された生理的情報は様々な用途がある。例えば、それらは、治療コースに対する患者の反応をモニタしたり、又は医者が健康に生活する上での助言を可能にする人のライフスタイルについての背景要因をモニタしたりするという治療目的のために、そしてアスリートの実績をモニタするというスポーツ目的として使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータロギングに関するものである。
【背景技術】
【0002】
データロガーとは、送信されたデータを記録する装置であり、そしてデータがそのロギング装置上で処理されることや、副次的な解析のために別の装置にアップロードすることを可能にする。そのデータは、データロガーのセンサから、或いは有線若しくは無線プロトコルを通したデータロガーと通信する外部センサから収集されるものである。
【0003】
データロガーの一使用例は、人に関する物理条件データを集めることである。人は、動きながら、データロガー及び任意の関連するセンサを運搬することができる。次に、データロガーによって記録されたデータは、解析用のサードパーティシステムにアップロードされる。物理的情報を記録するデータロガーは様々な用途を有する。例えば、それらは、治療コースに対する患者の反応をモニタしたり、又は医者が健康に生活する上での助言を可能にする人のライフスタイルについての背景要因をモニタしたりするという治療目的のために(例えば、米国特許No.5,778,882参照)、そしてアスリートの実績をモニタするというスポーツ目的として使用される。
【0004】
エネルギー消費は、データロガーの設計において重要な関心事である。データロガーにとって、バッテリーなどの内蔵型エネルギー源により、小型且つ軽量であるとともに、できるだけ長時間動作可能であることが望ましい。
【0005】
データロガーによって収集されるデータは、離散した時間又は連続的に集められる。データサンプリング間の期間は、アプリケーションによって異なる。離散時間でロギングされるデータの一例は、患者の体重である。それは一日に一回取られたり、要求にあわせてもっと頻繁に取られたりする。例としては、熱レート(ECG曲線)、血圧、及びSpO2を含む。これらは連続して収集されるので、参照されつつ、実際には離散時間(典型的には、ECG曲線の場合は、2秒に数回)でサンプルされる。
【0006】
連続的にデータを収集することは、膨大な量のデータが生成されることとなる。データロガーと無線で通信するセンサが問題となっている場合、センサからデータロガーへデータを転送するのに要求される相当な量のエネルギーが必要となる。これは、データを記憶するのに必要とされるメモリ量とともに、装置がECG曲線などの連続データを収集することが可能な時間量を制限することになってしまう。
【0007】
このタイプの最新装置は、ECGデータを一気に収集することを制限する。ECG(又は他の)データの増加量を、装置のサイズを大きくすることなく収集できることが望ましい。これに対する一つの動機付けは、診断目的のために臨床医が利用できるデータ量を増加させることである。別の動機付けは、薬物試験などをモニタリングするのに必要なレベルに対するデータの完全性を向上させることである。
【0008】
ロギングされたデータをアップロードする2つのルートが利用できる。幾つかの装置がドッキングステーションに物理的に接合されているとき、それらの装置はロギングされたデータをアップロードする。ドッキングステーションは、リモートコンピュータにデータを渡すことができる手段によって、通信設備(イーサネット(R)コネクション、モデムポート、別の形式のネットワークコネクション)を有する。付属装置として携帯電話システムに統合できる他の装置は、データをアップロードするために携帯電話ネットワークを使用する。この方法で無線アップロードすることは、データロガーのユーザが彼の家にいないときにデータをアップロードすることができるという利点を持つが、大量のエネルギーを使用してしまうという欠点も有する。
【0009】
ユーザにより複雑な機能をうまく処理することができる場合、医療のデータロガーはこれらの機能を申し出ることが望ましい。しかしながら、医療のデータロガーは、体が弱い等の理由から、複雑なユーザインタフェースを操作できないとか、データロガーから利用可能なデータに対して完全な注意を払うことができないという人々によって使用されるのが望ましい。それゆえ、装置を用いる方法をできるだけ簡略化し、そして、そのユーザのために当該ロギングされたデータを解析することによって、或いはデータが適切であることを示す場合にはそのユーザに手助けを提供することによって、他の個人がロギングされるデータから利益を得ることにおいてそのユーザを手助けすることができるようにすることが望ましい。
【0010】
上述したような1以上の領域において改善されるデータロガーについて、そしてデータロガーからのデータを集め、処理し、分配する関連システムについてのニーズがある。
【0011】
本発明の一態様によれば、複数の知覚装置と、装置を介してデータをマーシャリング(整列)する知覚装置の中央(及び集中管理方式サーバー上)にあるデータロガーとの間で、ダイナミックなデータ交換を可能にしながら、構造化し順序付けられた方法で、複数の知覚装置からデータをアップロードするための手段が提供される。
【0012】
プロファイル形式の制御をサーバからのデータロガーに対して適用することによって、データロガーは、知覚装置からのデータを処理しモニタリングしながら制御に関する或るレベルの自立性を提供するのみならず、サーバに対して取得データのアップロード制御を行なうことができる。
【0013】
イネーブルされた有線及び無線による通信インタフェースの利用可能なバンド幅のダイナミックな制御は、仮に複数の知覚装置及びデータロガーが恒久的に動作する最中にあっても、徐々になされるサービス低下に対して最善の努力を考慮に入れるものである。
【0014】
本発明は、添付の図面を参照しながら例示の方法によって記載される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、データロガーと関連データの収集、記憶装置、及び解析設備の全体構成図である。
【図2】図2は、適応可能なダイナミック装置の臨界性(重大性)、及びバンド幅の制御メカニズムの全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1はデータロガー1を示す。データロガーは他の構成要素を含むハウジング2を備えたポータブル装置である。データロガーは、プロセッサ3、不揮発性メモリ4、タッチセンサ表示装置5、一組の無線インタフェースモジュール6、7、8、9、そして他の構成要素に電力供給する再充電可能なバッテリー10を含む。プロセッサは、メモリ4内でファームウェア11として記憶されるプログラムコードを実行する。このコードは、プロセッサの機能、したがって装置を定義することになる。表示装置5はプロセッサによって制御され、プログラムコードの制御の下でイメージ(画像)を表示する。ユーザが表示装置をタッチするとき、表示装置はプロセッサに働きかける信号を出し、プロセッサはこの信号を入力として使用することができる。タッチセンサ表示装置の代わりに、この表示装置はユーザインタフェースを提供する簡略化した手段を備えることもある。例えば、分離型のディスプレイ及びキーパッド、又は一連の各シグナリングLED(発光ダイオード)である。
【0017】
各無線インタフェースモジュールは、プロセッサと結合してそれぞれの無線プロトコルのために機能し、無線チャンネルを介して受信されたデータをプロセッサに渡し、かつ、無線チャンネルを介して送信されるはずのデータをこのプロセッサから受信する。この例の場合、モジュール6及び7は、センサと通信するために用いられる短距離無線プロトコルのために機能する。モジュール8及び9は、データサーバと通信するために用いられる長距離無線プロトコルのために機能する。同一のプロトコルが、両目的のために用いられることもある。或いはまた、この装置は、一方の目的のために有線リンクによって結合されることもある。
【0018】
好都合なことに、各無線モジュールは、(例えば、セッション層以下の)低層のプロトコルを用いて通信に関する処理をする。センサと通信するのに適したプロトコル例として、ANT、Bluetooth、IRDA(赤外線通信規格)、Zigbee(登録商標)、Wibree、UWB(Ultra Wide Band)、802.11A/B/G/N、及び(GSFK、OFDM、FHSS、DSSS、CSDMなどの多重化アルゴリズムが利用されることを含み、ISM又は登録済の周波数幅通信を用いたデータ通信固有の手段を含む。アップリンク通信に適切なプロトコルの例として、802.11A/B/G/Nなどの無線LANプロトコル、及び、GSM、GPRS、UMTS(3G)EDGE、BGANなどの携帯電話ネットワークを介したデータキャリーに適したプロトコルを含む。
【0019】
センサモジュールのシリーズは、データロガー1のオペレーションに利用可能である。図1に示すセンサは、ECGセンサモジュール20、SpO2センサモジュール30、血圧センサモジュール40、加速度計モジュール50、重み計モジュール60、血糖センサモジュール70である。センサモジュール20、30、40、50は、データロガーの連続したオペレーションを可能にする。これらのモジュールは、着用可能であったりユーザの体にくっつけられたりすることが望ましい。例えば、それらは、ベルトやカフスやインプラントや粘着パッドに埋め込まれたり接合されたりする。センサモジュール60、70はデータロガーの周期的なオペレーションを可能にする。
【0020】
データロガー自体、及び可能性として存在する或るセンサは、人によって容易に持ち運ばれるように完全にポータブルである。
【0021】
センサは、センサ自らの独自の手段、又は規定された若しくは独自のデータフォーマットによりデータロガーに各データを提示する規定プロトコルにおける選択を通じて、データロガーへデータを提供する。主電源供給とは関係なく無線センサの大部分は、搭載メモリ能力、バッテリー寿命、及びサンプリング周期の間の確立されたバランスを通じて管理されるパフォーマンス限界を有する。
【0022】
ベースユニット80(図1参照)は、データロガー及びセンサモジュールと動作する。このベースユニットは、適切なパワー変換/制限装置を介して主電源供給に接続され、低電圧出力を提供する端末である受け台(クレードル)84を備える。これは、データロガー及び可能性として存在するセンサモジュールの交換可能なバッテリーをチャージするため接続時に用いられる。好都合なことに、データロガー及びセンサモジュールは、共通の充電コネクタをもち、その結果、ベースユニット上で同一のチャージポント81又は類似のチャージポントに接続することが可能となる。或いは又、データロガー及びセンサモジュールは、ベースユニット上の誘導電荷配置(インダクティブ・チャージング・アレンジメント)によって、又は、共鳴誘導カップリング等の結合媒体に基づき、フィールド行動コンセプトに近い電磁気を介してチャージされることもできる。また、ベースユニットは、データロガーからのログされたデータをアップロードするデータロガーと通信することができるプロトコルに従って動作する無線インタフェースモジュール82を備える。適切なプロトコルの例として、無線LANプロトコル(例えば、802.11A/B/G/N)、Bluetooth、UWBを含む。また、このベースユニット80は、ログされたデータをリモートサーバに渡すために、インターネットなどの広範囲なネットワークにシステムに接続するメカニズムを有する。この目的のために、ベースユニットは有線コネクション83(例えば、イーサネット(R)コネクション)を持ってもよい。
【0023】
90により全体的に示したサーバのインフラ構造は、データロガーによってログされたデータを記憶し且つ処理することができる。サーバのインフラ構造は、インターネット91などのパブリックにアクセス可能なネットワークを介して、又は携帯電話ネットワーク93などのプライベートネットワークを介して、データロガーからデータを受信することができる。プライベートネットワークは、APNコネクション92によってサーバインフラ構造に接続される。インタフェース94は、通信サーバ96と、データロガーからデータを受信するコネクション92,95との間をインタフェースする。通信サーバ96は、データロガー1との通信を管理する。データがデータロガーからアップロードされるべき時に、通信サーバ96はそのデータを要求するか、データはデータロガーによってプッシュされる。データが通信サーバによって受信されるとき、通信サーバは適切にデータをフォーマットし、そしてそのデータをログデータベース97に記憶する。次にデータは、報告サーバ98によりアクセスされ、この報告サーバはそのデータに関する報告及び解析処理を自動的に実行する。また、データは、クライアントインタフェース99や、医者などのシステムユーザによるデータアクセス手段によってもアクセスされる。クライントインタフェース99を介して抽出された情報は、適切なインタフェース(例えば、ウェブサイト100)を介して、又は外部データベース110に対するAPI101を介して提示される。クライアントインタフェースのユーザを認証する認証情報はセキュリティデータベース102に記憶されている。
【0024】
コンフィグレーションデータベース103は、システムで使われる各データロガーのコンフィグレーションを定義するデータを記憶する。コンフィグレーションは、データロガーにインストールされたファームウェアのバージョン、データロガーと組になる各センサモジュールのタイプと識別、各センサにインストールされたファームウェアのバージョンを含む。コンフィグレーションサーバは、そのコンフィグレーション情報を使用し、データロガーをコントロールすることができる。詳細については後述する。
【0025】
本システムの基本的な機能は、(a)データを収集すること、(b)センサからデータロガーへデータを移すこと、(c)データのデータロガー・アップロード、(d)データの解析と見直し(レビュー)、(e)データロガーのコンフィグレーションである。
【0026】
データの収集
データを収集するとき、データロガーのユーザは、彼の身体上で(例えば、ポケットや、ベルトやアームバンドに付着する)データロガーを運ぶことができる。ユーザは、一日中すなわち24時間、又はデータを収集する要求をする間のいつ何時でも、データを収集する。使用されるべきセンサは、測定をするために必要とされる要求どおりに開発される。
【0027】
無線センサは、確立された無線データ通信プロトコル、固有の無線、又はデータロガーとの通信ケーブル手段のいずれかを用いる。通信経路が存在するとき、センサ装置はデータがその終了ポイントに至るルートを選ぶ。通信経路が利用できないとき、センサ装置は、内蔵のメモリにローカルでデータを記憶することを求める。オプションとして、循環清浄化システムを用いて、最新のデータのみがメモリに維持されるようにしてもよい。
【0028】
一実施例において、センサモジュールは、その無線モジュールにアクセスする閾値パワーレベルを記憶する。無線モジュールが、予め記憶された閾値送信パワーレベルよりも低い状態でデータロガーと通信することができる場合、センサモジュールは無線モジュール手段によってサンプルされたデータをデータロガーに迅速に送信する。センサモジュールの無線モジュールが閾値送信パワーレベルよりも低くデータロガーと通信することができない場合、センサモジュールはセンシングしたデータをローカルメモリにキャッシュする。閾値送信パワーレベルよりも低い状態でデータロガーと通信することが再確立されたとき、メモリからのデータはデータロガーに送信され、そして周期的にメモリから削除される。これは、センサモジュールとデータロガーの両方で意味あるパワー節約ができることを意味する。なぜなら、充分に低いパワーでデータロガーにデータを送信することができるまで、センサモジュールでデータが保持されているからである。
【0029】
伝送装置でのパワー使用量は、データロガーによって管理される。データロガーは装置の重大なファクターを用いて、デバイスのラウンド・ロビン・ポーリング順序を決定する。順々に通信スロットを配置した各センサ装置に代わり、より重大なファクターを持つ装置は比較的多くのスロットを配置するであろう。センサ装置の重大なファクターが当該装置の定常的なモニタリングを保証するならば、閾値(例えば、タイムアウト)がきて、残りの付属装置のデータがアップロードされるまで、データロガーはより高い重大なファクター装置と継続した通信を保持することができる。この点で、より高い重大なファクター装置がメモリ内にデータを保持し、一方でラウンド・ロビン・ポーリングスキームがあまり重大でないファクターの装置に適用されるということが収集装置により保証されるであろう。
【0030】
データロガーが、早すぎる方法或いは順序から外れた方法の何れかで受信したデータを使用することができるようにするために、センサ装置によってデータが獲得された日時がデータロガーにより確立される手法によってセンシングデータが記憶されるべきである。これを実現するため、センサ装置はデータにタイムスタンプするローカル時間を保持する。引き続き、サンプル値及び時刻値が、例えば一組になってデータロガーに送信される。このような方法において、データロガーは各サンプルが取られた日時を決定することができる。或るケースでは、データロガーはセンサ装置と同期した心拍(ハートビート)を保持することが可能であり、上記センサ装置は、データロガーの内部時刻と、データロガーに接続されたセンサ装置の内部時刻との間のオフセットを確立する。その結果、センサ装置は、データがセンシングされたとき、或いは、センサで或る時間キャッシュされていて一気に、そのセンシングされたデータをデータロガーに連続して送信することができる。
【0031】
赤外線、無線周波数、電磁気に近い分野又は他の手段で無線通信を利用するセンサのために、センサがエネルギーを記憶するためであれば最も都合良くバッテリーに電源供給されなければならないことに留意しながら、電源は鍵となる問題である。センサ装置に利用できる送信パワーのレベルは、各地域によって異なる法律(立法)によってコントロールされる。EIRP(等価等方放射電力)が法律制限内にあるようにアンテナによるゲイン又は配線を通じたロスを考慮しながら、送信機に対して利用可能な最大の送信パワー(Pmax)を用いることによってセンサ装置が開始すると仮定する場合、センサ装置とデータロガー間の通信が確立され、次に、時間サンプリング方式が順序付けられたデータ配布を保証するということを利用しながら、センサのユニットデータがほぼリアルタイムでアップロードされる。センサ装置の伝送パワーが低パワー(Pmax-x)にダウンスケールされ、これによりその地域に関する許可された最大のEIRPが任意のポイントを超えない場合、それがバッテリー寿命を浪費しないのであれば、センサユニットは伝送パワーをスケールダウンすべきである。データロガーとセンサ装置間の通信が失われたり弱くなったりする場合、センサ装置はデータをローカルメモリに記憶することができる。センサ装置はその後、必要であればセンサ装置に利用可能な最大パワー量(Pmax)を用いることによって通信を再確立することができる。
【0032】
TCP通信の場合に、データロガー及びセンサ装置は、送受信されタイムスタンプされたデータの肯定応答を送信することができるように構成されている。センサ装置はデータロガーが送信した肯定応答から、タイムリー且つロバストな方法で送信されたデータを解読することができるようにするべきである。その結果、肯定応答がもはやそのような方法で受信されなくなるまで、送信パワーレベルを小さくすることができるようにすべきである。その段階で、センサ装置は、利用可能なパワーの適したバッファレベルも認めながら、センサ装置からデータロガーまでの通信を効率的にできるようにするのに適した閾値レベル((Pmax-x)+y)まで、送信パワーを上げることができる。
【0033】
データのサンプリングレートは、ダイナミックな方式でセンサ装置によって選択されるべきである。センサ装置が作り出すデータは、レートを変える範囲で獲得され、その装置のユーザによって決定され、センサ装置に予めプログラミングされ、或いはリモートで構成される。コネクションが存在し且つデータロガーのバンド幅(Bd)ダウンストリームが充分であるか、又はセンサ装置が一時期(Tb)データをバッファし、そしてそのバッファされたデータを1つのストリームの中に送信することができるということを仮定するならば、センサ装置が0.1秒のサンプリング間隔(Ts)でセンサデータを収集する場合は、このセンサ装置はサンプリングされたデータを同じレートでデータロガーに廻すというオプションを有する。
【0034】
データロガーに接続したセンサ装置からのデータの臨界性(重大性)は、システム管理者によって決定される。実際には、人間の生理的なモニタリング経験において、無線で結合されたECGから来るデータは、最も重要なタイプのデータであり、そしてSpO2モニタからのデータ、血糖モニタからデータが続く。したがって、付属のセンサ装置の臨界性(重大性)はその臨界要因(Cf)によって示される。臨界要因は、必須の装置に関するCf1で開始し、次に大きな臨界性(重大性)のある装置に関するCf2等へと減少する。
【0035】
バンド幅Bdが時間のどのポイントにおいても有限の値であるということを仮定すると、その臨界性(重大性)及びサンプリングレートに従ってセンサ装置のデータを送ることは可能である。その結果、バンド幅Bdは正確なスケーリング要因で比率化され、サンプリングされたデータの最小量をセンサ装置の記憶バッファTbに送りながら、最も臨界性(重大性)のあるセンサ装置が所望のサンプリングレートTsでデータを送ることができるようにする。その結果、バンド幅Bdが高いサンプリングレートTsをサポートするのに充分に高いとき、バッファストアTbの低い使用があるだろう。それゆえ、Bdは、Tbに逆比例するTsをサポートする。
【0036】
バンド幅Bdが、同じ程度に高い臨界的要因CF1の2つのセンサ装置(Dev1及びDev2)をサポートするのに充分に高い場合、等しいバンド幅Bd/2は装置Dev1又はDev2の一方に適用されるであろう。しかしながら、バンド幅BがDev1及びDev2の両方をサポートするのに要求されるバンド幅(Bdreq)の50%に過ぎなければ、Dev1及びDev2はバッファを用いて、バンド幅が利用可能になったときに送信することができる。Dev1がまずバンド幅(BdDev1)の全てをとり、次にDev2がすべての利用可能なバンド幅(BdDev2)を使い切る。このシナリオにおいて、ハッシュ関数、圧縮、暗号化の少なくとも1つを用いることで、データのスループットを小さくし、そして送信比率であるデータに対して格納されたデータが膨大に大きくなることを避けるようにする。
【0037】
暗号化は、任意の適した暗号アルゴリズムを用いて実行される。データロガーで実行される暗号化のメカニズムは、データロガーによって記憶されたエネルギーレベルを含む要因に影響される。例えば、データロガーはエネルギー閾値を記憶する。データロガーにより蓄えられたエネルギー(例えば、バッテリー内に残っている充電レベル)がその閾値を超えるとき、データロガーによって受信されたセンサ装置からのデータは、第1のアルゴリズム手段によりデータロガーによって暗号化され、そしてサーバに転送される。データロガーにより蓄えられたエネルギーが上記閾値よりも少ないとき、データロガーによって受信されたセンサ装置からのデータは、第2のアルゴリズム手段によりデータロガーによって暗号化され、そしてサーバに転送される。第2のアルゴリズムは、データロガーが第1のアルゴリズムよりも少ないエネルギーで使用するという実行がされるというアルゴリズムである。例えば、第1のアルゴリズムは、第2のアルゴリズムよりも長い暗号キーを使用するというようにできるであろう。あるいはまた、蓄えられたエネルギーが閾値よりも低い場合、データロガーはデータをサーバに送る前に暗号化することを省略することができるであろう。これらのメカニズムは、エネルギーが容易に利用可能であるとき完全なオペレーション性能を維持しながら、データロガーの操作時間を長引かせるという利点をもつ。このようにして、エネルギーが使い切っていなければ、臨界データを損失させ遅延させてしまうことを回避することができる。
【0038】
装置間の切り替えは任意の適した方法で実行される。一例としては、Bluetooth piconetに類似した装置間のデータ切り替えにラウンドロビン(round robin)方式を用いるものがある。
【0039】
データロガーが、同様のプロトコルをサポートするマルチ無線インタフェースモジュールを備えている場合、付属装置の臨界的要因に従い、プロトコルが類似する装置の異なるサブグループを形成する可能性がある。その結果、構成されるデータロガーの処理が最大サイクル及び高いCfの装置を割り当てて管理するための処理スレッドをもつことができ、一方で、高い臨界(重大性のある)の装置と低い臨界(重大性のない)の装置の数に関してスケーリング比率を指定して、低いCfの装置のためのスレッドや処理サイクルを許容する。
【0040】
データロガーに結合されるセンサ装置群が異なる臨界性(重大性)及びプロトコルをもつ場合、データロガーは資源(リソース)の割合を指定することができる。Dev1がCf1のANTプロトコルであり、Dev2がCf2のBluetooth装置である場合、これらの装置は異なるTXパワー量を用いて、同じ周波数バンドで異なる強度であらわれるであろう。好都合なことに、データロガーは、センサ装置の情報を送るプロトコルという意味において、装置群の臨界性(重大性)を計算し管理することが充分にできる程度のダイナミックさがある。幾つかのケースで、別のプロトコルからより高い臨界(重大性のある)のパケットを送受信するために、あるプロトコルの有効性を制限する又は切り捨てる必要があるかもしれない。このような場合、中断された伝送プロトコルをもつ装置は、送信時でないときにセンサデータをローカルメモリにキャプチャーするよう戻ることができる。
【0041】
データロガーは、有線及び無線の付属センサ装置の範囲からほぼリアルタイムのデータを好都合に受信することができる。無線データ伝送制限のおかげで、データロガーは、利用可能なバンド幅の割合を容易にするために配置された利用可能なバンド幅を制御及び分配することができる。これにより、生情報や、センサ装置によってそのメモリ内にバッファ及び記憶されている履歴データは、無線リンクを介して送信される。
【0042】
生データとポスト生データのバンド幅間のバランスは、Bandwidth Timeliness関数(Bd−tf)として知られている。このシナリオは、中断がセンサ装置の利用可能なアップリンクバンド幅に対して行えるということを予想している。Bandwidth Bdは、ほぼ生データ(Bd−nl)及びポスト生データ(Bd−pl)のためのバンド幅にサブ分割され、そのサブ分割はデータロガーによってダイナミックに制御される。このような方法で、データロガーは、生データ及びポスト生データの両方の利用性をコントロールすることができる。好ましくは、高い臨界性(重大性のある)をもつセンサ装置にとって、Bandwidth Timeliness関数は、センサ装置から時系列データの受領が中断されるまで、Bandwidth Timeliness関数の生データ割合がポスト生データ割合を遙かに超えるという100%のほぼ生データ(Bnl)を好む。データの受領中断がわかったとき、データロガーはバンド幅時間関数(Bd−tf)を調整し、通信が再確立されたり又は利用可能なバンド幅(Bd)が調整されたりするときに、比率化される利用可能なバンド幅の一部がポスト生データ(Bd−pl)を受信できるようにする。
【0043】
データのアップロード
サーバにするバンド幅(Bu)を用いながらデータアップストリームをわたす伝送プロトコルは、センサ装置からデータロガーへの、及びその逆のデータ伝送の中断を上手く中断し、その結果、アップストリーム(Bu)及びダウンストリーム(Bd)の両方のバンド幅を縮小することを念頭に置きながら、データロガーは、様々なプロトコルを扱うための処理及び伝送リソースをダイナミックにコントロールし且つ配置することもできる。
【0044】
したがって、センサ装置から受信されたデータを処理することと、受信されたデータのアップストリームを送信することの間のトレードオフがある。データロガーは、受信及び送信処理パワーの最適なバランスを上手く維持することができる。この最適バランスはマーシャリング関数(M)として知られている。
【0045】
データロガーは、ログされたデータをアップロードするファームウェアにプログラムされる戦略を、サーバインフラに対して採用する。この戦略は、例えば、携帯電話コネクションを介するというよりも無線LANコネクションを介した通信などの、少ないパワーを使用する通信の方法を好む。伝送の間隔は、低電源コネクションの能力に影響される。しかしながら、この間隔も、サーバインフラからのコマンドの下で二つの方法に変更されるような能力があることが望ましい。
【0046】
センサ装置データがある値に基づく閾値に適合していることをデータロガーが検出したとき(好ましくは、バンド幅Bu/Bdがこれを許可し、他のセンサ装置の臨界性(重大性)に影響を及ぼさないならば直ちに行なうことが好ましい)、サーバインフラは、より迅速にデータを送信するためデータロガーを指令することができる。このような方法において、データロガーは、対象者に結合されたセンサ装置ネットワークの生理的変化をモニタし且つ反応するようプログラムされることができる。
【0047】
これは、データロガーの対象者が或る生理的な条件に適合する場合には、データロガーがサーバインフラのユーザを直ちに警告することができるようにする。例えば、この条件は、対象者の血圧が設定値よりも大きい、若しくは対象者の脈拍が設定値よりも低いということが挙げられるであろう。
【0048】
あるいはまた、サーバインフラのユーザは、データロガーのユーザが程度の差はあれども集中的にモニタされる場合には、送信されたデータの内容に関係なく程度の差はあれども頻繁にデータを伝送するためにデータロガーを指令することができる。モニタリングの強度は、サーバユーザによって行なわれる臨床的決定に基づいているか、又はこの処理は報告サーバ98を通じて自動化される。
【0049】
サーバは、データに関する肯定応答を、当該データを受信するデータロガーに送信する。データロガーがサーバインフラへのデータ更新を成功させたとき、データロガーはメモリからそのデータを消去する。Bandwidth Timeliness関数(Bd−tf)がセンサ装置とデータロガー間のバンド幅に作用するのと同様の方法で、Bandwidth Timeliness関数(Bd−tf)はアップストリームバンド幅に関して作用する。このシナリオは、データロガーの利用可能なアップリンクのバンド幅に対する中断を可能にさせるということを予測させる。バンド幅Buは、ほぼ生データ(Bd−nl)及びポスト生データ(Bd−pl)のためのバンド幅にサブ分割され、そのサブ分割はデータロガーによってダイナミックに制御される。例えば、処理パワーは、データロガーのプロセッサをオーバーロードしないようデータロガーで制限され、更なるスケーラブルなダウンロードバンド幅が、サーバのバックダウンストリームからデータロガーへの通信のために定義される。このバンド幅は(Bu−dl)として定義され、サーバがプロセッサのアップストリーム送信関数を制御できるように定義される。これにより、新たなファームウェア、ソフトウェア、メモリイメージ、又はインストラクションは、最もタイムリーな方法で装置に送信される。
【0050】
このような方法で、データロガーは、生データ及びポスト生データの両方の利用性をコントロールすることができる。好ましくは、高い臨界性(重大性のある)をもつセンサ装置にとって、データロガーから時系列データの受領が中断されるまで、Bandwidth Timeliness関数の生データ割合がポスト生データ割合を遙かに超えるであろうということを仮定する。データの受領中断がわかったとき、データロガーはバンド幅時間関数(Bd−tf)を調整して、通信が再確立されたり又は利用可能なバンド幅(Bu)が調整されたりするときに、比率化される利用可能なバンド幅の一部がポスト生データ(Bd−pl)を受信する。
【0051】
センサ装置データが予め定義された制限内にないことがデータロガーにより検出された場合、データロガーのプロセッサは、時間サンプリングレート(Ts)又はバッファリング(Tb)の両方を同時に増減しながら、センサ装置の臨界性(重大性)レベル(Cf)をダイナミックに増減することができる。これは、データロガーがセンサ装置により検出されるような人間の生理的条件変化に適用するのに充分な自律性を有するように行なわれるということである。
【0052】
同様の方法で、データロガーは、入って来る生データに何があっても強調が置かれる解析に基づき、Bandwidth Timeliness関数(Bu−tf及びBd−tf)を適用する能力を有する。このシナリオは、データロガーによってとらえられる特定の生理学的行動又は反応を説明するために記載されており、システムの所定の行動は、送信される多くの生データを、破棄されるポスト生データと共に有効にする。入って来る最新の生データは、ギャップを埋めることを試みるポスト生データによって絞られるバンド幅よりも一層重要である。
【0053】
同様にして、センサ装置データが予め定義された制限内にないことがサーバにより検出された場合、そのサーバは、時間サンプリングレート(Ts)又はバッファリング(Tb)の両方を同時に増減しながら、データロガーのリレーによって、センサ装置の臨界性(重大性)レベル(Cf)をダイナミックに増減することができる。これは、サーバがセンサ装置により検出されるような人間の生理的条件変化に適用するのに充分な自律性を有して行なわれるということである。
【0054】
繰り返しになるが、サーバは、入って来る生データに何があっても強調が置かれる解析に基づき、Bandwidth Timeliness関数(Bu−tf及びBd−tf)を適用する能力を有する。このシナリオは、サーバによってとらえられる特定の生理学的行動又は反応を説明するために記載されており、システムの所定の行動は、送信される多くの生データを、破棄されるポスト生データと共に有効にする。入って来る最新の生データは、ギャップを埋めることを試みるポスト生データによって絞られるバンド幅よりも一層重要である。
【0055】
データの解析又はレビュー
サーバのインフラは、各対象者に関してログされたデータを保持し、そのデータはデータロガーを介して照合される。次に、サーバインフラに格納されたデータは、サードパーティによってアクセスされる。サードパーティは、各対象者のデータを解析することができる。最終的に、サードパーティは、正しい行動方針で各対象者に助言することができる。データは、集積された研究目的のためにサーバ上に残される。
【0056】
報告サーバ98は、データベース97内に記憶されている選択対象者からのデータを実行する解析ルーチンで予めプログラムされている。この解析ルーチンは、対象者のデータの特徴を検知し、そしてこの特徴の検知結果に或るフラグを立てるよう設計されている。一例として、この解析ルーチンは、心臓疾患の要因を示す特徴を検知するために、対象者のECGデータの幾つか又は全てを解析する。もしそのような特徴が対象者のデータ内から検知される場合には、自動的に警告がトリガーされる。この警告は多くの方法で行なわれる。それは、あるユーザと働くように指名されている人へのメッセージとして送ることもできる。あるいはまた、メッセージをユーザに表示するためにデータロガーをトリガーする方法で、対象者のデータロガーへメッセージを渡すようにしてもよい。あるいはまた、その対象者と働くように指名されている別の個人のデータロガー又は他の通信端末(例えば、携帯電話)に送信してもよい。ネットワーク接続されたスタッフへの警告は、インタフェース100又は101を介して行なわれる。対象者又は別の個人への警告は、ネットワーク91又は93を介して行なわれるようにしてもよい。
【0057】
対象者のデータがシステム内で匿名であると仮定する。システムは、単に、データロガーからシステムに入って来るデータに付属する対象者参照番号を知る必要があるにすぎない。このような方法で、システムは、システムユーザによって識別される興味深い比較器として特定されるパラメータに基づき、対象者と全体システム間の自動化された相対解析を実行することができる。システムは、拡張されたサーと及び比較解析を提供するため、記憶された人間の生理的データを他のシステム(患者記録などの特定の対象者から獲得される以前のデータを保持する他のシステムに対してサーチすることを含む)に提示する。
【0058】
データロガーのコンフィグレーション
データロガーは不揮発性メモリ4にファームウェア11を記憶する。ファームウェアは、プロセッサ3によって、及び、パラメータ、画像、又は実行中にプロセッサが使用しうるレイアウト定義を記憶するコンフィグレーションファイル或いはイメージファイルなどのメタコードによって、実行可能なプログラムコードを作り上げる。センサモジュールのファームウェアは同様の方法で合成される。
【0059】
コンフィグレーションデータベース103は、システム内のデータロガー、及びこれらに目下関連するセンサ装置それぞれのコンフィグレーションを示すデータを記憶する。例えば、それは、ソフトウェアバージョン及び各データロガーに存在することが意味されたコンフィグレーションファイルを含む。
【0060】
各データロガーのファームウェアは、サーバのインフラから更新されうる。これは、リプレースメント・ファームウェアを、新たなファームウェアをインストールし使用するデータロガーに関する指令と一緒にデータロガーに対して送信するサーバインフラによって行なわれる。データロガーは、新たなファームウェアをインストールした後で自分自身をリブートする必要があるかもしれない。同様の方法で、サーバインフラはデータロガーの新たなファームウェアがインストールに関するセンサモジュールに送信するためであることを、その新たなファームウェアに送信することもできる。ファームウェアを更新することのメカニズムは、データロガーが特段の技術スキルで人々によって使用されることを容易にさせながら、データロガーのユーザから如何なる干渉もされないことを要求するものである。
【0061】
ファームウェアは、各センサ装置のサンプリング間隔(Ts)、データロガー関係に対するセンサ装置のためのstarting Bandwidth Timeliness関数(Bd−tf)、そして同様にサーバ関係に対するデータロガーのためのstarting Bandwidth Timeliness関数(Bu−tf)に関連する各センサ装置の臨界性要因(Cf)などで機能を構成する。高いレベルの見方から、ファームウェアは、特定のセンサ装置及び特定のデータロガーとの論理的な関連を形成するために、センサ装置のタイプ及び装置の唯一の識別子を特定する。また、ファームウェアはデータロガーのユーザインタフェース、及び人手で入力されたデータを集めるデータロガーの機能を制御する。そのような方法で、サーバのアルゴリズムは、サーバに入って来る生理的データに反映させるために、センサ装置データがどのようにしてダイナミック且つリアルタイムに変更されるかを決定する。
【0062】
作動中のシステムは、ユーザのニーズが新たなタイプのセンサモジュールにより出されるかを決定することができる。センサモジュールはユーザに送信され、一方で、データロガーがセンサモジュールと通信し且つセンサモジュールからのデータを使用することができるようにするファームウェアコードは、データロガーにダウンロードされる。MACアドレスなどの或るアイデンティティ、或るタイプ、又は或る唯一の識別子を有するセンサ装置と通信するにすぎないように、データロガーをロックすることができる。そのようなシナリオにおいて、新たなセンサモジュールのアイデンティティは、データロガーにダウンロードされる。データロガーが失われたとして報告される場合、サーバのインフラは、データロガーがそのデータロガーに関連する全てのセンサ装置を消去することに応じて所定のフォーマットの信号を送信するであろう。
【0063】
データロガーは、ユーザに情報を提供できるディスプレイを備える。そのディスプレイは、ファームウェアによって構成される。ディスプレイがタッチセンサ式である場合、ディスプレイの構成上一つの重要な面とは、ディスプレイによってあらわされるユーザインタフェースの要素のサイズ及びレイアウトが特定のユーザのためにカスタマイズできるということである。
【0064】
タッチセンサ式ディスプレイの場合、表示領域のそれぞれの箇所によってボタンが表示される。プロセッサは、その領域に表示された情報に関連する機能を実行するために、ディスプレイ上のどこかの領域の押下に反応するよう構成されている。ユーザインタフェースは、このような押下に反応する領域のサイズ、及びタッチスクリーン上のボタンのサイズを効果的に変更する対応する表示帯域(ゾーン)を変更するためのファームウェアを介して再構成される。ユーザインタフェースは、他の方法でカスタマイズされうる。例えば、ディスプレイ上の任意のテキストの言語はファームウェアによって構成される。
【0065】
データロガーは、サーバインフラから受信される警告を表示することができる。そのようなメッセージを受信することに応じて、データロガーは、メッセージに含まれている警告を自動的に表示する。例えば、その警告は、或る薬物治療をとるため、又は或る治療をするための催促であろう。警告は、対象者が上記行動に取り組むことを保証するために同様の方法でサードパーティに催促することもできる。サーバはこのような警告を自動的に送信するように構成される。
【0066】
出願人は、ここで記載した各特徴を単独に、及び、そのような2以上の特徴を組み合わせることを意図して開示するものである。そして、そのような特徴及び組み合わせは、ここに記載した解決課題を解決するかどうかとは関係なく、特許請求の範囲に制限を付すことなく、当業者の共通した一般的知識を鑑み、本願明細書の全体に基づき実行される範囲に至るものである。本出願人は、本願発明の実施態様が個々の特徴又はそれら特徴の組み合わせに一致していることを示している。上述した記載からみて、当業者であれば本発明の範囲内で様々な変形が行なわれることは明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データロガー及び複数のセンサ装置を備えたデータロギングシステムであって、
前記データロガーは複数のプライオリティを記憶したメモリを含み、各プライオリティは前記各センサ装置に関連しており、
前記データロガーは、記憶された前記プライオリティに従い、前記センサ装置からのデータが処理されるようにする、前記データロギングシステム。
【請求項2】
前記データロガーは、前記センサ装置が、記憶された前記プライオリティに従い、送信されたデータを前記データロガーに転送するようにし、これにより、相対的に高いプライオリティに関連するセンサ装置からのデータ転送を、低いプライオリティに関連するセンサ装置からのデータ転送よりも優先させる、請求項1に記載のデータロギングシステム。
【請求項3】
前記データロガーは、記憶された前記プライオリティに従い、前記センサ装置から受信したセンサデータを記憶し、これにより、相対的に高いプライオリティに関連するセンサ装置からのデータ記憶を、低いプライオリティに関連するセンサ装置からのデータ記憶よりも優先させる、請求項1又は2に記載のデータロギングシステム。
【請求項4】
前記データロガーは、記憶された前記プライオリティに従い、前記センサ装置から受信したセンサデータを圧縮又は暗号化の少なくとも1つを行ない、これにより、相対的に高いプライオリティに関連するセンサ装置からのデータの圧縮又は暗号化の少なくとも1つを、低いプライオリティに関連するセンサ装置からのデータの圧縮よりも優先させる、請求項1〜3の何れか1項に記載のデータロギングシステム。
【請求項5】
前記データロギングシステムは前記データロガーから離れた遠隔サーバを備え、前記データロガーは、記憶された前記プライオリティに従い、前記センサ装置から受信したデータを前記サーバに転送し、これにより、相対的に高いプライオリティに関連するセンサ装置からのデータの前記サーバへの転送を、低いプライオリティに関連するセンサ装置からのデータの前記サーバへの転送よりも優先させる、請求項1〜4の何れか1項に記載のデータロギングシステム。
【請求項6】
前記センサ装置は、データをサンプリングすること及びサンプルされたデータをバッファリングする機能を有し、
前記データロガーは、前記各センサ装置がそれぞれのセンサ装置に関連するプライオリティに基づきデータをサンプルすること又はバッファリングすることの少なくとも1つを行なう方法を適応的又は動的に制御する、請求項1〜5の何れか1項に記載のデータロギングシステム。
【請求項7】
前記データロガーは、1以上の無線チャンネルを介して前記センサ装置と通信する1以上の無線通信インタフェースを備え、
前記データロガーは、相対的に高いプライオリティに関連するセンサ装置からのデータの前記データロガーに対する配信を優遇されるように、各センサ装置による使用のための前記無線チャンネルのバンド幅を動的に割り当てる、請求項1〜6の何れか1項に記載のデータロギングシステム。
【請求項8】
前記データロガーは、リアルタイムの生データ(B−nl)の量がポスト生データ(B−pl)のデータ転送に対して釣り合うように前記無線チャンネルのバンド幅を割り当て、これによりデータの連続した配信が実現され、全時間にわたるデータ記録が、重要データのタイムリー性を損なうことなく、処理の終わりで利用できるようになる、請求項6に記載のデータロギングシステム。
【請求項9】
前記データロガーは、1以上の無線チャンネルを介して前記センサ装置と通信する1以上の無線通信インタフェースを備え、
前記データロガーは、前記データロガーがセンサデータを処理するよりも早く、前記センサ装置がセンサデータを前記データロガーに転送しないように、各センサ装置による使用のための前記無線チャンネルのバンド幅を動的に割り当てる、請求項1〜8の何れか1項に記載のデータロギングシステム。
【請求項10】
前記データロギングシステムは前記データロガーから離れた遠隔サーバを備え、
前記データロガーはパワー管理計画に従いデータを前記サーバに転送し、
前記データロガーは最大EIRP(Pmax)を記憶し、そして、前記データロガーは、前記サーバからデータ転送肯定応答パケットを受信すると、前記サーバに対する転送のパワーレベルを予めセットした量によるPmaxレベルから減少させ、或いはまた予めセットされた時間内にどんなデータ転送肯定応答パケットも受信しなかった場合には、その伝送パワー論理ボリュームを増加させる、請求項1〜9の何れか1項に記載のデータロギングシステム。
【請求項11】
前記データロガーは、1以上の無線チャンネルを介して前記センサ装置と通信するための1以上の無線通信インタフェースを備え、
前記データロガーは、各センサ装置に割り当てられた前記バンド幅を効率的に管理するために、各センサ装置が使用する無線チャンネルのバンド幅を割り当てる、請求項1〜10の何れか1項に記載のデータロギングシステム。
【請求項12】
前記1以上のデータロガーは、2以上の無線チャンネルを介して前記センサ装置と通信するための2以上の無線通信インタフェースを備え、
前記データロガーは、1以上の関連バンド幅の共有化、分離化、単独化、効率的な通信管理により、前記センサ装置が前記チャンネルの使用を管理する、請求項1〜11の何れか1項に記載のデータロギングシステム。
【請求項13】
前記データロガーは、データロガーデータ処理スタック及び各無線通信インタフェースのセッション層の何れか又は両方との効率的なオペレーションを伴うセンサ装置の通信により影響を制限する戦略手段を用いて、前記センサ装置によるバンド幅の使用を管理する、請求項11に記載のデータロギングシステム。
【請求項14】
前記システムは、前記データロガーから離れた遠隔サーバを備え、
前記データロガーは1以上の無線チャンネルを介して前記サーバと通信するための1以上の無線通信インタフェースを備え、
前記データロガーは、前記サーバとの効率的な通信を同時に行なう最も高いプライオリティのインタフェースを介して前記サーバと通信するために、前記無線通信インタフェースの手段により、所定のプライオリティに従い、前記データロガーから前記サーバへのデータの配信を制御する、請求項1〜13の何れか1項に記載のデータロギングシステム。
【請求項15】
記憶された前記プライオリティは動的に変更され、前記サーバが前記センサ装置の臨界性(重大性)及びサンプリングレートを、入って来る特定のデータの閾値に基づき制御することが可能な請求項13に記載のデータロギングシステム。
【請求項16】
前記データロガーは、センサ装置に関する装置固有の識別子の定義、センサ装置のプライオリティ、センサ装置の期待サンプリングレート(Ts)、センサ装置のバッファレート(Tb)、前記データロガーと装置間の通信に関する無線又は有線プロトコル仕様を含むデータセットを各センサ装置のために記憶することができ、
前記データロガーは、前記センサ装置のために記憶された前記データセットに従い、各センサ装置から前記データロガーへのセンサデータの通信を制御する、請求項1〜15の何れか1項に記載のデータロギングシステム。
【請求項17】
前記システムは、前記データロガーから離れたサーバを備え、
前記サーバは、前記データロガーへの新たなファームウェアのタイムリーなダウンロードのためのバンド幅を割り当てるために、前記サーバ及び前記データロガー間でチャンネルを介したバンド幅を割り当てる、請求項1〜16の何れか1項に記載のデータロギングシステム。
【請求項18】
前記システムは、複数のデータロガー及び前記データロガーから離れたサーバを備え、
前記サーバは、前記データロガーから受信したデータを解析し、かつ、前記受信したデータを予め定義されたルール集合に従い解析する、請求項1〜17の何れか1項に記載のデータロギングシステム。
【請求項19】
前記システムは、前記データロガーから離れたサーバを備え、
前記サーバは、前記データロガーに関連する1以上のセンサ装置のサンプリングレート(Ts)、バッファレート(Tb)、又はプライオリティ(Cf)を構成するため、前記データロガーにデータを送信する、請求項1〜18の何れか1項に記載のデータロギングシステム。
【請求項20】
前記データロガーは、所定のルール集合を記憶し、
前記データロガーは、前記ルールに従い、1以上の前記センサ装置から受信したデータを解析する、請求項1〜19の何れか1項に記載のデータロギングシステム。
【請求項21】
前記データロガーは、前記ルールに従い、1以上の前記センサ装置のサンプリングレート(Ts)、バッファレート(Tb)、又はプライオリティ(Cf)の一つ以上を管理するように構成されている、請求項19に記載のデータロギングシステム。
【請求項22】
前記データロガーは、前記データロガー上の新たなファームウェアのインストールに応じて、遠隔受信者にレポートを送信する、請求項1〜21に記載のデータロギングシステム。
【請求項23】
前記データロガーは、前記データロガーに関連する1以上のセンサ装置のサンプリングレート(Ts)、バッファレート(Tb)、又はプライオリティ(Cf)の一つ以上のサーバコンフィグレーションに応じて、遠隔受信者にレポートを送信する、請求項1〜22に記載のデータロギングシステム。
【請求項24】
前記システムは、前記データロガーから離れたサーバを備え、
前記データロガーは、前記センサ装置の通信プロトコル、プライオリティ(Cf)、サンプリングレート(Ts)、及びバッファレート(Tb)をサポートした1以上のタイプを定義するデータを受領する付加的なセンサ装置と通信するサーバによって構成されている、請求項1〜23に記載のデータロギングシステム。
【請求項25】
前記システムは、前記データロガーから離れたサーバを備え、
前記データロガーは、グラフィカルユーザインタフェースを実装し、
前記データロガーは、前記グラフィカルユーザインタフェースの再コンフィグレーションのために前記サーバにより構成されている、請求項1〜24に記載のデータロギングシステム。
【請求項26】
1以上の前記センサ装置から受信したデータの影響で所定のルールが除外される場合、前記グラフィカルユーザインタフェースの再コンフィグレーションは、サーバ側プッシュ、又はクライアント側プルに応答する、請求項24に記載のデータロギングシステム。
【請求項27】
前記システムは、前記データロガーから離れたサーバを備え、
前記データロガーは、前記サーバによりプログラムされるイベントの日記を記憶することができ、或るイベントに対してユーザに警告するためのメッセージを提示する、請求項1〜26の何れか1項に記載のデータロギングシステム。
【請求項28】
前記データロガーは、前記イベントの日記により前記ユーザのコンプライアンスをモニタリングすることができ、前記サーバに対するユーザのコンプライアンスを示すデータを前記サーバに送信する、請求項25に記載のデータロギングシステム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−510675(P2012−510675A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539016(P2011−539016)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066226
【国際公開番号】WO2010/063758
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(511136072)トライサム リミテッド (1)
【Fターム(参考)】