データ仲介システム
【課題】需要家が契約する電力会社の変更、及び、需要家の使用電力量等データの提供を容易に行う。
【解決手段】使用電力量等データ送受信システム1において、データ仲介システム2は、スマートメータ5から送信先コード、送信すべきデータ名及び計測データを受信し、データ名の示すデータを計測データから抽出し、送信先コードの示す電力会社サーバ3、データ活用会社サーバ4に送信する。電力会社サーバ3は、電力使用契約をした需要家宅のスマートメータ5が送信したデータのうち、必要な計測データをデータ仲介システム2から受信する。データ活用会社サーバ4は、データ提供契約をした需要家のスマートメータ5が送信したデータのうち、必要な計測データをデータ仲介システム2から受信する。スマートメータ5は、需要家宅ごとに設置され、カード6から電力会社やデータ活用会社との契約データを取り込み、計測データ等をデータ仲介システム2に送信する。
【解決手段】使用電力量等データ送受信システム1において、データ仲介システム2は、スマートメータ5から送信先コード、送信すべきデータ名及び計測データを受信し、データ名の示すデータを計測データから抽出し、送信先コードの示す電力会社サーバ3、データ活用会社サーバ4に送信する。電力会社サーバ3は、電力使用契約をした需要家宅のスマートメータ5が送信したデータのうち、必要な計測データをデータ仲介システム2から受信する。データ活用会社サーバ4は、データ提供契約をした需要家のスマートメータ5が送信したデータのうち、必要な計測データをデータ仲介システム2から受信する。スマートメータ5は、需要家宅ごとに設置され、カード6から電力会社やデータ活用会社との契約データを取り込み、計測データ等をデータ仲介システム2に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、需要家宅に設置された電力量計と、電力会社やデータ活用会社のサーバとの間におけるデータ転送を仲介するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
新規参入の特定規模電気事業者(PPS:Power Producer&Supplier)を含めて、電力会社間においては、今後、より多くの顧客を獲得するために、料金メニューや各種サービスに関する競争が激しくなることが予想される。また、顧客宅に設置されるスマートメータの普及が見込まれており、スマートメータが計測した使用電力量等のデータを、顧客が電力使用契約を交わしている電力会社だけでなく、他の会社にも提供することについて議論されている。これらの動向により、既存のサービスの向上や新たなサービスの提供が期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−107389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような動向に対して、顧客側では、自分にとって有利な料金メニューを選択し、各種サービスを享受するために、契約先会社の変更が容易に可能になることへのニーズが高まるとともに、コンサルティング会社等では、新たなサービスを創出するために、使用電力量等のデータが提供されることへのニーズが出て来ると考えられる。
【0005】
また、高圧以上の顧客に関しては、現時点で既に電力会社との契約が自由化されており、契約先会社の変更が可能であるが、顧客宅の電力量計を変更する際に、旧電力量計の撤去から新電力量計の設置までの間は、当該顧客宅が停電になるという問題がある。実際に高圧の電力量計を変更するには、高電圧や大電流を測定可能な値に低下させる電力需給計器用変成器(VCT:Voltage Current Transformer)を含めて交換する必要があり、工事が大掛りになり、停電時間が長くなる。
【0006】
なお、特許文献1には、現在の需要家の電力使用状況に最も適した方法を選択する手助けとなる各種の電力料金計算方法が開示されているが、需要家が電力使用契約を交わす電力会社を変更するものではない。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、需要家が契約する電力会社の変更、及び、需要家の使用電力量等データの提供を容易に行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、電力を使用する需要家に設けられた電力量計と、当該電力量計による計測データを利用する会社のコンピュータとの間におけるデータの転送を仲介するシステム(データ仲介システム)であって、前記需要家の電力量計から、前記計測データと、当該計測データの送信先となるコンピュータの識別情報とを受信する手段と、前記受信した計測データを、前記受信した識別情報で識別される前記コンピュータに送信する手段と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、需要家の電力量計に設定された計測データ及びその計測データの送信先となる会社のコンピュータの識別情報を受信し、当該計測データを当該コンピュータに送信する。このとき、需要家又は会社により、電力量計において、電力会社を送信先会社として設定すれば、電力使用契約を実施する電力会社を容易に変更することができ、また、データ活用会社を送信先会社として設定すれば、データ提供契約を実施するデータ活用会社を容易に決定することができる。そして、需要家及び会社以外の第三者機関のシステムとしてデータ仲介システムが介在することにより、実際のデータの転送元及び転送先が明らかになるので、データ転送の公平性及び透明性を担保することができる。
【0009】
また、本発明の上記データ仲介システムにおいて、前記需要家の電力量計から、前記コンピュータに送信すべき前記計測データの種類を受信する手段と、前記受信した計測データから前記種類の示すデータを抽出し、当該データを前記コンピュータに送信する手段と、をさらに備えることとしてもよい。
この構成によれば、需要家の電力量計に設定された計測データを受信し、その受信した計測データのうち、指定されたデータを送信先会社のコンピュータに送信する。これによれば、例えば、契約により指定された計測データを、契約先の電力会社やデータ活用会社のコンピュータに送信することができる。
【0010】
また、本発明の上記データ仲介システムにおいて、前記コンピュータから、前記電力量計の識別情報と、前記送信先会社を変更する日時と、新たな送信先会社のコンピュータの識別情報と、前記計測データの種類とを含む送信先変更データを受信し、記憶する手段と、前記受信した送信先変更データのうち、前記日時が到来した時に、前記電力量計の識別情報で識別される前記電力量計に対して、前記コンピュータの識別情報と、前記計測データの種類とを送信する手段と、をさらに備えることとしてもよい。
この構成によれば、事前に設定された日時になった時に、データ仲介システムは、送信先コンピュータ及び計測データの種類を電力量計に送信する。電力量計は、データ仲介システムから受信したデータに基づいて、計測データをデータ仲介システムに送信する。これによれば、計画的に送信先会社を変更する際の処理をデータ仲介システムが行うので、会社のコンピュータや需要家の電力量計における処理負担を軽減することができる。
【0011】
また、本発明は、電力を使用する需要家に設けられた電力量計と、当該電力量計による計測データを利用する会社のコンピュータとの間におけるデータの転送を仲介するシステム(データ仲介システム)であって、前記コンピュータから、前記需要家の電力量計の識別情報と、前記会社のコンピュータの識別情報とを対応付けたテーブルを受信し、記憶する手段と、前記電力量計から、当該電力量計の識別情報及び前記計測データを受信する手段と、前記テーブルに基づいて、前記受信した電力量計の識別情報に対応付けられた前記コンピュータの識別情報を特定し、当該コンピュータの識別情報で識別される前記コンピュータに前記計測データを送信する手段と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、需要家の電力量計の識別情報と、その電力量計から計測データを送信すべき会社のコンピュータの識別情報との対応関係を示すテーブルをコンピュータから受信し、記憶する。そして、電力量計から計測データを受信し、テーブルに基づいて、計測データを送信先会社のコンピュータに送信する。このとき、電力会社を送信先会社として設定すれば、電力使用契約を実施する電力会社を容易に変更することができ、また、データ活用会社を送信先会社として設定すれば、データ提供契約を実施するデータ活用会社を容易に決定することができる。そして、需要家及び会社以外の第三者機関のシステムとしてデータ仲介システムが介在することにより、実際のデータの転送元及び転送先が明らかになるので、データ転送の公平性及び透明性を担保することができる。
【0012】
また、本発明の上記データ仲介システムにおいて、前記テーブルは、前記電力量計の識別情報及び前記コンピュータの識別情報と、前記電力量計から前記コンピュータに送信すべき前記計測データの種類とをさらに対応付けており、前記テーブルに基づいて、前記受信した電力量計の識別情報及び前記コンピュータの識別情報に対応付けられた前記種類を特定し、前記受信した計測データから前記種類の示すデータを抽出する手段と、前記抽出したデータを、前記コンピュータの識別情報で識別される前記コンピュータに送信する手段と、をさらに備えることとしてもよい。
この構成によれば、需要家の電力量計に設定された計測データを受信し、その受信した計測データのうち、指定されたデータを送信先会社のコンピュータに送信する。これによれば、例えば、契約により指定された計測データを、契約先の電力会社やデータ活用会社のコンピュータに送信することができる。
【0013】
その他、本願が開示する課題及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、需要家が契約する電力会社の変更、及び、需要家の使用電力量等データの提供を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】使用電力量等データ送受信システム(データ送受信システム)1の構成を示す図である。
【図2】使用電力量等データ仲介システム(データ仲介システム)2のハードウェア構成を示す図である。
【図3】電力会社サーバ3のハードウェア構成を示す図である。
【図4】データ活用会社サーバ4のハードウェア構成を示す図である。
【図5】スマートメータ5のハードウェア構成を示す図である。
【図6】カード6のハードウェア構成を示す図である。
【図7】データ送受信システム1の各装置の記憶部に記憶されるデータの構成を示す図であり、(a)はデータ仲介システム2の記憶部25に記憶されるアドレス変換テーブル25Aの構成を示し、(b)は電力会社サーバ3の記憶部35に記憶されるデータの構成を示し、(c)はデータ活用会社サーバ4の記憶部45に記憶されるデータの構成を示す。
【図8】スマートメータ5の記憶部6に記憶されるデータの構成を示す図であり、(a)は使用電力量等データ56Aの構成を示し、(b)は契約変更データ56Bの構成を示し、(c)はデータ提供変更データ56Cの構成を示す。
【図9】カード6の記憶部63に記憶されるデータの構成を示す図であり、(a)は契約変更データ63Aの構成を示し、(b)はデータ提供変更データ63Bの構成を示す。
【図10】データ仲介システム2の処理を示すフローチャートである。
【図11】データ仲介システム2の記憶部25に記憶されるデータの構成を示す図であり、(a)は送信管理テーブル25Bの構成を示し、(b)は契約変更データ25Cの構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を説明する。本発明の実施の形態に係るデータ仲介システムは、スマートメータが計測した使用電力量等のデータを、第三者機関の管理するシステムが一旦受信し、受信したデータのうち、契約により指定されたデータを、契約先の電力会社やデータ活用会社のサーバに送信するものである。
これによれば、需要家又は電力会社により電力使用契約を頻繁に変更すること、及び、データ活用会社に計測データ(使用電力量等データ)を提供することが容易に可能となる。なお、各電力会社の電力線はつながっているので、需要家宅の負荷は、最寄の電力線に連系していても、その時点の電力使用契約に基づく電力会社の変電所から給電を受けていると見なすことができる。
【0017】
≪第1の実施の形態≫
<システムの構成と概要>
図1は、使用電力量等データ送受信システム(以下、「データ送受信システム」という)1の構成を示す図である。データ送受信システム1は、使用電力量等データ仲介システム(以下、「データ仲介システム」という)2と、電力会社サーバ3(3A、3B、・・・)、データ活用会社サーバ4(4A、4B、・・・)及びスマートメータ5(5A、5B、5C、・・・)とが相互に通信可能に構成される。実際には、インターネットやLAN(Local Area Network)を通じてデータの送受信が行われる。電力会社サーバ3及びデータ活用会社サーバ4と、スマートメータ5とは、データ仲介システム2を介してデータを送受信する。
【0018】
データ仲介システム2は、第三者機関に設置されるサーバ用コンピュータ又は専用装置であり、電力会社サーバ3及びデータ活用会社サーバ4から受信したデータをスマートメータ5に転送し、一方、スマートメータ5から受信したデータを電力会社サーバ3及びデータ活用会社4に転送する。サーバ3、4からのデータには、送信先及び送信データが含まれているので、その送信先のスマートメータ5へ、送信データが送信される。また、スマートメータ5からのデータには、送信先及び送信すべきデータ名が指定されているので、その指定された送信先の会社のサーバへ、データ名の示すデータが送信される。
【0019】
電力会社サーバ3は、電力会社に設置されるサーバ用コンピュータであり、電力使用の契約をしている需要家宅のスマートメータ5からデータ仲介システム2経由でデータを受信し、そのデータに基づいて電力に関する料金計算や需給調整を行う。
【0020】
データ活用会社サーバ4は、データ活用会社に設置されるサーバ用コンピュータであり、データ提供の契約をしている需要家のスマートメータ5からデータ仲介システム2経由でデータを受信し、そのデータに基づいて電力使用に関する分析やコンサルティングに関するデータ作成等を行う。
【0021】
スマートメータ5は、需要家宅ごとに設置され、演算・制御機能と、通信モジュールとを内蔵した次世代の電子式電力メータであり、計測した電力量等のデータをデータ仲介システム2経由でサーバ3、4に送信し、一方、サーバ3、4から送信されたデータをデータ仲介システム2経由で受信する。また、電力会社やデータ活用会社との契約に関するデータを記憶したカード6(6A、6B、・・・)が挿入可能になっていて、挿入されたカード6からそれらのデータを取り込み、記憶する。これによれば、需要家は、主体的に契約電力会社やデータ提供会社を選択し、変更することができる。なお、契約が変わっても、スマートメータ5は変えないことを前提とする。
【0022】
図1によれば、例えば、需要家5aは、電力会社3aと電力使用の契約を行い、データ活用会社4a、4bにデータ提供を行う。このとき、スマートメータ5Aは、データ仲介システム2を介して、電力会社サーバ3A、データ活用会社サーバ4A及び4Bにデータを送信することになる。
【0023】
図2は、データ仲介システム2のハードウェア構成を示す図である。データ仲介システム2は、通信部21、表示部22、入力部23、処理部24及び記憶部25を備え、各部がバス26を介してデータを送受信可能なように構成される。通信部21は、ネットワークを介してサーバ3、4やスマートメータ5とIP(Internet Protocol)通信等を行う部分であり、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。表示部22は、処理部24からの指示によりデータを表示する部分であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。入力部23は、オペレータがデータ(例えば、アドレス変換テーブルの修正データ)を入力する部分であり、例えば、キーボードやマウス等によって実現される。処理部24は、所定のメモリを介して各部間のデータの受け渡しを行うととともに、データ仲介システム2全体の制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部25は、処理部24からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするものであり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性記憶装置によって実現される。
【0024】
図3は、電力会社サーバ3のハードウェア構成を示す図である。電力会社サーバ3は、通信部31、表示部32、入力部33、処理部34及び記憶部35を備え、各部がバス36を介してデータを送受信可能なように構成される。通信部31は、ネットワークを介してデータ仲介システム2とIP通信等を行う部分であり、例えば、NIC等によって実現される。表示部32は、処理部34からの指示によりデータを表示する部分であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現される。入力部33は、オペレータがデータ(例えば、計量器コードを示すデータ)を入力する部分であり、例えば、キーボードやマウス等によって実現される。処理部34は、所定のメモリを介して各部間のデータの受け渡しを行うととともに、電力会社サーバ3全体の制御を行うものであり、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部35は、処理部34からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするものであり、例えば、HDDやSSD等の不揮発性記憶装置によって実現される。
【0025】
図4は、データ活用会社サーバ4のハードウェア構成を示す図である。データ活用会社サーバ4は、通信部41、表示部42、入力部43、処理部44及び記憶部45を備え、各部がバス46を介してデータを送受信可能なように構成される。通信部41は、ネットワークを介してデータ仲介システム2とIP通信等を行う部分であり、例えば、NIC等によって実現される。表示部42は、処理部44からの指示によりデータを表示する部分であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現される。入力部43は、オペレータがデータ(例えば、計量器コードを示すデータ)を入力する部分であり、例えば、キーボードやマウス等によって実現される。処理部44は、所定のメモリを介して各部間のデータの受け渡しを行うととともに、データ活用会社サーバ4全体の制御を行うものであり、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部45は、処理部44からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするものであり、例えば、HDDやSSD等の不揮発性記憶装置によって実現される。
【0026】
図5は、スマートメータ5のハードウェア構成を示す図である。スマートメータ5は、通信部51、表示部52、計測部53、読取部54、処理部55及び記憶部56を備え、各部がバス57を介してデータを送受信可能なように構成される。通信部51は、ネットワークを介してデータ仲介システム2とIP通信等を行う部分であり、例えば、NIC等によって実現される。表示部52は、処理部55からの指示によりデータを表示する部分であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。計測部53は、需要家宅の使用電力量等を計測する部分であり、例えば、電力量計等によって実現される。読取部54は、スマートメータ5に挿入され、又は、所定の箇所に接触したカード6の記憶データを読み取る部分であり、例えば、非接触型ICカードのリーダ等によって実現される。処理部55は、所定のメモリを介して各部間のデータの受け渡しを行うととともに、スマートメータ5全体の制御を行うものであり、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部56は、処理部55からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするものであり、例えば、HDDやSSD等の不揮発性記憶装置によって実現される。
【0027】
図6は、カード6のハードウェア構成を示す図である。カード6は、通信部61、処理部62及び記憶部63を備え、各部がバス64を介してデータを送受信可能なように構成される。通信部61は、スマートメータ5とデータ通信を行う部分であり、例えば、非接触型ICカードのインタフェース等によって実現される。処理部62は、所定のメモリを介して各部間のデータの受け渡しを行うととともに、カード6全体の制御を行うものであり、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部63は、処理部62からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするものであり、例えば、HDDやSSD等の不揮発性記憶装置によって実現される。
【0028】
<データの構成>
図7は、データ送受信システム1の各装置の記憶部に記憶されるデータの構成を示す図である。図7(a)は、データ仲介システム2の記憶部25に記憶されるアドレス変換テーブル25Aの構成を示す。アドレス変換テーブル25Aは、サーバ3、4及びスマートメータ5のコードからデータ送信先のアドレスを特定するための変換テーブルであり、コード25A1及びノードアドレス25A2を含む、ノードごとのレコードからなる。コード25A1は、サーバ3、4の会社コード又はスマートメータ5の計量器コードが設定される。ノードアドレス25A2は、サーバ3、4又はスマートメータ5のネットワークアドレス(例えば、IPアドレス等)が設定される。
【0029】
図7(b)は、電力会社サーバ3の記憶部35に記憶されるデータの構成を示す。記憶部35には、計量器コード351、送信元会社コード352及び送信データ353が記憶される。計量器コード351は、データの送信先となるスマートメータ5のコードである。送信元会社コード352は、電力会社サーバ3の会社コードである。送信データ353は、電力会社サーバ3からスマートメータ5へ送信すべきデータである。
【0030】
図7(c)は、データ活用会社サーバ4の記憶部45に記憶されるデータの構成を示す。記憶部45には、計量器コード451、送信元会社コード452及び送信データ453が記憶される。計量器コード451は、データの送信先となるスマートメータ5のコードである。送信元会社コード452は、データ活用会社サーバ4の会社コードである。送信データ453は、データ活用会社サーバ4からスマートメータ5へ送信すべきデータである。
【0031】
図8は、スマートメータ5の記憶部56に記憶されるデータの構成を示す図である。図8(a)は、使用電力量等データ56Aの構成を示す。使用電力量等データ56Aは、スマートメータ5からデータ仲介システム2へ送信されるデータであり、計量器コード56A1、契約会社データ56A2、データ提供会社データ56A3、時刻情報56A4、電力56A5及び電力量56A6を含む。計量器コード56A1は、スマートメータ5に固有のコードである。契約会社データ56A2は、当該スマートメータ5の設置されている需要家宅が電力使用契約をしている電力会社に関するデータであり、詳細には、データの送信先となる会社コード、及び、事前の契約により送信すべきデータ名(例えば、時刻情報と電力量)を示すデータ種類である。データ種類には、データ名だけでなく、送信先会社との電力使用契約の停止を連絡する旨を示すデータ等が設定されることもある。データ提供会社データ56A3は、当該スマートメータ5の設置されている需要家宅がデータを提供しているデータ活用会社に関するデータであり、詳細には、データの送信先となる会社コード、及び、事前の契約により送信すべきデータ名(例えば、時刻情報と電力量)を示すデータ種類である。なお、データ提供会社データ56A3は、複数のデータ活用会社に関するデータがあってもよい。
【0032】
時刻情報56A4は、電力56A5及び電力量56A6を計測した時刻や時間帯である。電力56A5は、所定の時刻における当該需要家宅の使用電力である。電力量56A6は、所定の時間帯における当該需要家宅の使用電力量である。
【0033】
図8(b)は、契約変更データ56Bの構成を示す。契約変更データ56Bは、電力使用の契約先である電力会社を所定の日時に変更するために設定されるデータであり、使用契約切換日時56B1及び新契約会社データ56B2を含む、1以上のレコードからなる。使用契約切換日時56B1は、通常は電力使用契約を旧契約から新契約に切り換える日時が設定されるが、即時切換が指定されることもある。新契約会社データ56B2は、電力使用契約を変更した後の新たな契約会社データであり、その記憶内容は、契約会社データ56A2と同様である。
【0034】
図8(c)は、データ提供変更データ56Cの構成を示す。データ提供変更データ56Cは、データ提供先のデータ活用会社を所定の日時に変更するために設定されるデータであり、データ提供切換日時56C1及び新データ提供会社データ56C2を含む、1以上のレコードからなる。データ提供切換日時56C1は、通常は旧データ提供から新データ提供に切り換える日時が設定されるが、即時切換が指定されることもある。新データ提供会社データ56C2は、データ提供変更後の新たなデータ提供会社データであり、その記憶内容は、データ提供会社データ56A3と同様である。
【0035】
図9は、カード6の記憶部63に記憶されるデータの構成を示す図である。図9(a)は、契約変更データ63Aの構成を示す。契約変更データ63Aは、スマートメータ5の契約変更データ56Bと同様である。図9(b)は、データ提供変更データ63Bの構成を示す。データ提供変更データ63Bは、スマートメータ5のデータ提供変更データ56Cと同様である。
【0036】
<システムの処理>
図10は、データ仲介システム2の処理を示すフローチャートである。本処理は、データ仲介システム2において、主として処理部24が、通信部21によりネットワーク経由でデータを送受信し、記憶部25のデータを参照、更新しながら、サーバ3、4と、スマートメータ5との間におけるデータ送受信を中継するものである。例えば、各需要家宅の使用電力量等データは、スマートメータ5から第三者の管理機関のサーバであるデータ仲介システム2に送信され、データ仲介システム2から電力会社サーバ3やデータ活用会社サーバ4へ配信される。すなわち、データ仲介システム2の処理は、データの振り分けを行うものである。
【0037】
まず、データ仲介システム2は、通信部21がネットワークからデータを受信したか否かをチェックする(S1001)。データを受信していなければ(S1001のNO)、受信チェックを繰り返す(S1001)。
【0038】
データを受信していれば(S1001のYES)、データ仲介システム2は、受信したデータが、スマートメータ5からの使用電力量等データであり、契約会社データが有効か否かを判定する(S1002)。詳細には、使用電力量等データ56Aの形式になっていること、例えば、先頭のデータが計量器コード56A1の形式になっており、2番目のデータが契約会社データ56A2の形式であることをチェックする。契約会社データが有効であれば(S1002のYES)、契約会社データに基づいて電力会社サーバ3にデータを送信する(S1003)。詳細には、契約会社データのうち、会社コードをアドレス変換テーブル25Aによりノードアドレスに変換し、時刻情報、電力及び電力量からデータ種類が示す電力関連データ(計測データ)を抽出する。そして、通信部21を通じて当該ノードアドレスが示す電力会社サーバ3へ当該電力関連データ及び計量器コード(送信データ)を送信する。契約会社データが有効でなければ(S1002のNO)、S1003の処理をスキップする。
【0039】
電力会社サーバ3は、データ仲介システム2から電力関連データ及び計量器コードを受信し、それらのデータに基づいて、当該需要家宅の電力料金の計算や電力の需給調整等を行う。
【0040】
次に、データ仲介システム2は、受信したデータが、スマートメータ5からの使用電力量等データであり、データ提供会社データが有効か否かを判定する(S1004)。詳細には、使用電力量等データ56Aの形式になっていること、例えば、先頭のデータが計量器コード56A1の形式になっており、3番目のデータがデータ提供会社データ56A3の形式であることをチェックする。データ提供会社データが有効であれば(S1004のYES)、データ提供会社データに基づいてデータ活用会社サーバ4にデータを送信する(S1005)。詳細には、データ提供会社データのうち、当該需要家がデータ収集を了承した会社コードをアドレス変換テーブル25Aによりノードアドレスに変換し、時刻情報、電力及び電力量からデータ種類が示す電力関連データを抽出する。そして、通信部21を通じて当該ノードアドレスが示すデータ活用会社サーバ4へ当該電力関連データ及び計量器コード(送信データ)を送信する。データ提供会社データが有効でなければ(S1004のNO)、S1005の処理をスキップする。
【0041】
データ活用会社サーバ4は、データ仲介システム2から電力関連データ及び計量器コードを受信し、それらのデータに基づいて、当該需要家宅の電力使用に関する分析やコンサルティングに関するデータ作成等を行う。
【0042】
続いて、データ仲介システム2は、受信したデータがサーバ3、4からスマートメータ5へのデータか否かを判定する(S1006)。詳細には、図7に示す記憶部35又は45のデータ形式になっていることをチェックする。スマートメータ5へのデータであれば(S1006のYES)、計量器コードに基づいてスマートメータ5にデータを送信する(S1007)。詳細には、受信したデータのうち、計量器コードをアドレス変換テーブル25Aによりノードアドレスに変換し、当該ノードアドレスが示すスマートメータ5へ送信元会社コード及び送信データを送信する。スマートメータ5へのデータでなければ(S1006のNO)、S1007の処理をスキップする。その後、S1001のデータ受信チェックに戻る。
【0043】
スマートメータ5は、データ仲介システム2から送信元会社コード及び送信データを受信し、送信データの内容に応じて処理を行う。
【0044】
<事前に予約契約している場合に、使用契約を変更する方法について>
以下、需要家が複数の電力会社と事前に予約契約を交わしている場合について説明する。予約契約は、必ずしもすぐに電力を使用するわけではないが、実際に電力使用契約を切り換える前に、例えば、需要家が電力会社に提供する電力関連データの種類や、電力料金のメニュー等を事前に決めておくものである。なお、事前の予約契約は、店頭や郵便で行ってもよいし、インターネット等を活用してもよいし、専用端末を用いてもよい。
【0045】
[1.予め使用契約の切換日時を決める場合]
需要家は、新しく電力使用契約をしたい電力会社と、いつから(何月何日の何時から)、その会社の電力を使用するかについて予め契約し、その契約変更データをスマートメータ5に取り込むためのカード6を受領する。そして、需要家は、そのカード6をスマートメータ5の所定部分に挿入したり、かざしたりする。
そのとき、スマートメータ5では、読取部54がカード6から契約変更データ63Aを読み取り、契約変更データ56B(使用契約切換日時56B1、新契約会社データ56B2)として記憶部56に記憶する。そして、使用契約切換日時56B1になると、記憶部56において、使用電力量等データ56Aのうち、契約会社データ56A2を新契約会社データ56B2により更新し、その更新した使用電力量等データ56Aをデータ仲介システム2に送信する。
【0046】
データ仲介システム2は、使用電力量等データを受信し、その使用電力量等データの契約会社データに基づいて、新たに契約した電力会社サーバ3に、指定された電力関連データを送信する。
例えば、スマートメータ5が1分ごとにデータをデータ仲介システム2に送信するとすれば、1分前のデータは旧契約の電力会社サーバ3に転送され、今回のデータは切り換わった新契約の電力会社サーバ3に転送されることになる。
【0047】
スマートメータ5からデータ活用会社サーバ4へ使用電力量等データを送信する際も、同様の手順となる。また、需要家が電力会社やデータ活用会社との契約を停止する際も、同様に契約停止の連絡の旨を示すデータの入ったカード6を受領し、スマートメータ5に取り込ませることで実施する。これによれば、契約切換の日時や予定日時が確定した時に、契約停止の旨及びその日時を示す情報を現契約の電力会社サーバ3に送信することにより、電力会社サーバ3は、契約停止予定を今後の電力の需給予測に反映させることができる。さらに、記憶部56への契約変更データ56Bやデータ提供変更データ56Cの設定は、インターネット等、IT技術を活用して、遠方から実施できるようにしてもよい。
【0048】
なお、同じ電力会社のままで、電力使用の料金メニューを変更する際には、電力会社サーバ3が、事前に設定した切換日時になったときに、料金算定方法等のデータを切り換えることにより対応する。
【0049】
[2.任意のタイミングで使用契約を切り換える場合(その1)]
スマートメータ5は、1枚のカード6だけが差し込み可能な挿入口を備えるものとする。需要家は、複数の電力会社と事前に予約契約をしており、それぞれの会社情報を記憶した複数のカード6を保持する。そして、実際に電力を使用し、電力料金を支払う電力会社(電力使用契約を交わす電力会社)を変更したい場合には、その都度、スマートメータ5の挿入口にあるカード6を差し換える。なお、契約会社データの更新ができれば、カードという媒体に限らない。
カード6が抜かれてから、次のカード6が差し込まれるまでの間、スマートメータ5は、元のカード6に設定されている電力会社や料金メニューのコードを契約会社データ56A2として記憶しているので、それらを含む使用電力量等データ56Aをデータ仲介システム2に送信する。
そして、次のカード6が差し込まれた時に、スマートメータ5は、そのカード6の使用契約切換日時63A1が即時切換を示していれば、新契約会社データ63A2を契約会社データ56A2として記憶部56に記憶する。その後、記憶された契約会社データ56A2を含む使用電力量等データ56Aを、定期的にデータ仲介システム2に送信する。
なお、データ活用会社へのデータ提供についても同様の手順である。
【0050】
[3.任意のタイミングで使用契約を切り換える場合(その2)]
スマートメータ5は、複数のカード6が差し込み可能な複数の挿入口及びそのうち1のカード6を指定する切換スイッチを備えるものとする。需要家は、複数の電力会社と事前に予約契約をしており、それぞれの会社情報を記憶した複数のカード6を保持し、複数のカード6をスマートメータ5の挿入口に差し込む。そして、需要家は、スマートメータ5の切換スイッチにより、任意のタイミングでどのカード6の情報(どの電力会社)による電力使用契約を実施するかを切り換える。切換スイッチは、手動で切り換わるスイッチやボタンでもよいし、タッチパネルでもよい。
【0051】
スマートメータ5は、切換スイッチが指示するカード6を読み取り、そのカード6の使用契約切換日時63A1が即時切換を示していれば、新契約会社データ63A2を契約会社データ56A2として記憶部56に記憶する。その後、記憶された契約会社データ56A2を含む使用電力量等データ56Aを、定期的にデータ仲介システム2に送信する。スマートメータ5において適用すべきカード6の切換は、インターネット等、IT技術を活用して、遠方から実施できるようにしてもよい。
【0052】
なお、スマートメータ5は、複数のカード6の情報を、1又は複数の挿入口を通じて取り込み、複数の契約変更データ56Bとして記憶部56に記憶した後、切換スイッチを用いて、どの契約変更データ56Bを適用するか(どの電力会社と使用契約をするか)を切り換えるようにしてもよい。また、データ活用会社へのデータ送付手順も同様である。
【0053】
<事前の予約契約なしで、任意のタイミングで使用契約を変更する方法について>
需要家は、インターネット等で使用契約したい電力会社等の契約画面に接続する。契約画面への接続は、専用端末でもよいし、店頭での端末でもよい。そして、契約画面から、契約したい電力料金メニューに対して契約関係データ(スマートメータ5の計量器コード等)を入力する。
【0054】
[すぐに契約を変更する場合]
電力会社では、変更するスマートメータ5へ新規契約メニューデータ(契約変更データ)を送信してよいか否かを需要家に問い合わせる。需要家が「OK」の指示を出すと、電力会社サーバ3は、該当する計量器コード及び新規契約に伴うスマートメータ5への契約変更データをデータ仲介システム2に送信する。
【0055】
データ仲介システム2は、計量器コード及び契約変更データを受信し、受信した計量器コードを持つスマートメータ5に契約変更データを送信する。
スマートメータ5は、契約変更データを受信し、記憶部56の使用電力量等データ56Aのうち、契約会社データ56A2を契約変更データにより書き換え、その結果を計量器コードや契約電力会社コード等と共に、データ仲介システム2に送信する。なお、契約会社データ56A2の書き換え等に失敗したときは、その旨を表すデータを送信する。
【0056】
データ仲介システム2は、スマートメータ5から書き換え結果データを受け取り、該当する電力会社サーバ3に送信する。
電力会社サーバ3は、書き換えデータ結果を受信し、例えば、メール等により需要家あてに通知する。需要家は、その結果を確認し、よければ、了承の旨を電力会社サーバ3に返信する。その時点から新しい契約内容に切り換わる。
【0057】
[電力会社サーバ3に切り換え日時を設定する方法]
これは、電力会社サーバ3が、予め設定された更新日時になると、スマートメータ5のデータを書き換える方法である。
まず、更新日時になると、電力会社サーバ3は、スマートメータ5に該当する計量器コードと、新規契約に伴う契約変更データをデータ仲介システム2に送信する。これ以降は、上記の[すぐに契約を変更する場合]と同様である。なお、スマートメータ5におけるデータ書き換えに失敗した場合には、再トライするように設定してもよい。
【0058】
[スマートメータ5に切り換え日時を設定する方法]
これは、切り換え後のデータ(契約変更データ)をスマートメータ5に登録しておき、予め設定された日時になると、スマートメータ5が使用電力量等データ56Aを契約変更データにより書き換える方法である。
需要家は、インターネット等による契約画面で、切換日時も含めた登録を行った後、スマートメータ5に切換日時を含めたデータが登録されたことを確認する。
スマートメータ5は、切換日時になると、使用電力量等データ56Aを新しい契約内容に切り換え、データ仲介システム2に送信する。
データ仲介システム2は、新規の使用電力量等データを受信し、それに基づいてデータを電力会社サーバ3に送信する。
【0059】
なお、スマートメータ5に予め、複数の契約をある時間ごとや曜日ごと等、任意のタイミングで自動的に切り換えるように設定してもよい。これは、例えば、記憶部56の契約変更データ56Bとして、使用契約切換日時56B1及び新契約会社データ56B2を含むレコードを複数記憶しておくことにより、実現可能である。これにより、需要家にとってより一層便利なシステムとなる。
【0060】
≪第2の実施の形態≫
第1の実施の形態では、データ仲介システム2の基本機能をデータの振り分けのみとしたが、データ仲介システム2によりデータの送信先や種類、切換日時等を管理する形態が考えられる。
【0061】
図11(a)は、データ仲介システム2の記憶部25に記憶される送信管理テーブル25Bの構成を示す。送信管理テーブル25Bは、各スマートメータ5から受信したデータのうち、どのデータをどのサーバに送信するかを管理するテーブルであり、電力会社サーバ3及びデータ活用会社サーバ4から受信した契約データの内容が反映され、計量器コード25B1、会社コード25B2及びデータ種類25B3を含む、データ仲介システム2が通信可能なスマートメータ5の台数分のレコードからなる。計量器コード25B1は、スマートメータ5に固有のコードである。会社コード25B2は、電力会社やデータ活用会社に固有のコードであり、計量器コード25B1のスマートメータ5から受信したデータを送信すべき会社のコードである。データ種類25B3は、時刻情報、電力、電力量等の電力関連データ(計測データ)の種類を示し、スマートメータ5から受信したデータのうち、会社コード25B2が示す会社のサーバに送信すべきデータの種類である。
【0062】
送信管理テーブル25Bにおいては、1の計量器コード25B1に対して1以上の会社コード25B2が設定され、会社コード25B2と、データ種類25B3とが1対1に対応して設定される。
【0063】
データ仲介システム2の処理としては、まず、各電力会社サーバ3やデータ活用会社サーバ4から、各計量器コードが付された使用電力量等データのうち、どの電力関連データをどの会社に送るかを示すデータを受信し、記憶部25に送信管理テーブル25Bとして記憶する。そして、スマートメータ5から使用電力量等データを受信したときに、事前に記憶された送信管理テーブル25Bに基づいて、指定された電力会社サーバ3及びデータ活用会社サーバ4に必要なデータを送信する。すなわち、送信管理テーブル25Bを参照して、受信した使用電力量等データのうち、当該計量器コード25B1に対応する会社コード25B2の各サーバに対して、会社コード25B2に対応するデータ種類25B3のデータ(送信データ)を送信する。
【0064】
これによれば、スマートメータ5からのデータ転送量を、契約会社データ及びデータ提供会社データの分だけ軽減することができる。また、需要家による電力使用契約の頻繁な変更に対しても、スマートメータ5の契約会社データを変更することなく、電力会社サーバ3及びデータ活用会社サーバ4からデータ仲介システム2に契約データを送信するだけで対応可能となる。
【0065】
図11(b)は、データ仲介システム2の記憶部25に記憶される契約変更データ25Cの構成を示す。契約変更データ25Cは、電力会社サーバ3から受信したデータが設定され、更新日時になるとスマートメータ5に送信され、記憶部56の契約会社データ56A2が更新される契約会社データであり、計量器コード25C1、使用契約切換日時25C2及び新契約会社データ25C3を含む。計量器コード25C1は、スマートメータ5に固有のコードであり、新契約会社データ25C3の送信先を示す。使用契約切換日時25C2は、スマートメータ5の契約会社データ56A2を更新すべき日時である。新契約会社データ25C3は、スマートメータ5で更新すべき新たな契約会社データである。
【0066】
データ仲介システム2の処理としては、まず、電力会社サーバ3から事前に、新たにどの需要家といつ、どのような契約を実施するかを示すデータを受信し、記憶部25に契約変更データ25Cとして記憶する。そして、契約変更データ25Cを参照して、使用契約切換日時25C2になった時に、当該計量器コード25C1に対応するスマートメータ5に対して、新契約会社データ25C3を送信する。
【0067】
以上によれば、スマートメータ5の契約変更データを、電力会社サーバ3から送信する代わりに、事前にデータ仲介システム2に登録し、データ仲介システム2からスマートメータ5に送信する。これによれば、契約変更に際しての電力会社サーバ3の処理負担を軽減するとともに、契約更新時におけるデータの送受信が一回で済むので、より正確な日時に契約変更を行うことができる。
【0068】
≪第3の実施の形態≫
契約変更のセキュリティを高める方法として、スマートメータ5において需要家により設定された契約会社データと、各電力会社サーバ3に保持される契約会社データとが一致したときに初めて電力使用契約を更新する。これによれば、第三者のなりすましによる不正な契約変更を阻止することができる。
【0069】
詳細には、まず、需要家は、上記のいずれかの方法で、スマートメータ5に契約変更データ56Bを設定する。そして、使用契約切換日時になった時に、電力会社サーバ3又はデータ仲介システム2から、スマートメータ5に使用電力量等データの提出を促す信号及び新規の契約会社データを送信する。スマートメータ5は、電力会社サーバ3又はデータ仲介システム2から受信した契約会社データと、契約変更データ56Bの新契約会社データ56B2(又は、既に更新された契約会社データ56A2)とを比較し、一致したときに初めて、契約会社データ56A2を確定し、使用電力量等データ56Aの送信を開始する。一致しないときには、使用電力量等データ56Aを送信せずに、エラー信号を関係箇所(例えば、需要家の携帯電話や電力会社サーバ3等)に送信する。
なお、データ活用会社サーバ4へのデータ提供の切換についても同様である。
【0070】
上記実施の形態では、図1に示すデータ送受信システム1内の各装置を機能させるために、処理部(CPU)で実行されるプログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録し、その記録したプログラムをコンピュータに読み込ませ、実行させることにより、本発明の実施の形態に係るデータ送受信システム1が実現されるものとする。この場合、プログラムをインターネット等のネットワーク経由でコンピュータに提供してもよいし、プログラムが書き込まれた半導体チップ等をコンピュータに組み込んでもよい。
【0071】
以上説明した本発明の実施の形態によれば、需要家が電力使用契約をする電力会社、すなわち、その契約に基づいてスマートメータ5からデータ仲介システム2経由で計測データを受信する電力会社サーバ3を容易に変更することができる。また、需要家がデータ提供契約をするデータ活用会社、すなわち、その契約に基づいてスマートメータ5からデータ仲介システム2経由で計測データを受信するデータ活用会社サーバ4を容易に変更することができる。
【0072】
詳細には、図10のS1003及びS1005に示すように、データ仲介システム2が、スマートメータ5から受信した契約会社データ及びデータ提供会社データのうち、会社コードをアドレス変換テーブル25Aによりノードアドレスに変換し、データ種類が示す電力関連データを抽出し、通信部21を通じて当該ノードアドレスが示す電力会社サーバ3及びデータ活用会社サーバ4へ当該電力関連データ及び計量器コードを送信するので、需要家がスマートメータ5に契約会社データ及びデータ提供会社データを設定することにより、計測データの送信先サーバを頻繁に、かつ、簡単に変更することができる。
【0073】
また、図11(a)に示す送信管理テーブル25Bを、データ仲介システム2が電力会社サーバ3やデータ活用会社サーバ4から受信し、記憶し、スマートメータ5からのデータのサーバ3、4への配信に用いるので、電力会社やデータ活用会社が送信管理テーブル25Bのデータをデータ仲介システム2に設定することにより、計測データの送信先サーバを頻繁に、かつ、簡単に変更することができる。
【0074】
そして、図11(b)に示す契約変更データ25Cをデータ仲介システム2が電力会社サーバ3から受信し、記憶し、使用契約切換日時25C2になった時に、計量器コード25C1の示すスマートメータ5に新契約会社データ25C3を送信するので、電力会社サーバ3やスマートメータ5の処理負担がなく、切換予定に応じて各需要家の電力使用契約を変更することができる。
【0075】
以上によれば、簡易な手続きにより任意に契約先の会社を変更したいという需要家の要望に応えることができる。また、今後、スマートメータ5が普及し、スマートメータ5による使用電力量等のデータが電力会社以外にも提供されるようになった場合に、その1つの形態を提示することができ、今後の制度設計に貢献することができる。
【0076】
≪その他の実施の形態≫
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。例えば、以下のような実施の形態が考えられる。
【0077】
(1)上記実施の形態では、電力料金メニューの変更は、電力会社サーバ3で行うように記載したが、スマートメータ5から行うようにしてもよい。そのとき、スマートメータ5は、例えば、記憶部56の契約会社データ56A2に、データ種類として料金メニューを特定可能なコードや料金メニューデータそのものを記憶しておき、使用電力量等データ56Aとしてデータ仲介システム2に送信する。データ仲介システム2は、使用電力量等データ56Aを受信し、料金メニューのコード又はデータを当該電力会社サーバ3に送信する。電力会社サーバ3は、データ仲介システム2から料金メニューのコード又はデータを受信し、当該スマートメータ5に対応する料金メニューを更新する。
【0078】
(2)上記実施の形態では、契約変更データ63A及びデータ提供変更データ63Bを記憶したカード6を用いて、スマートメータ5の契約変更データ56B及びデータ提供変更データ56Cを更新するように記載したが、データの更新が可能であれば、カード6という形態に限られることなく、例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)タグ等であってもよい。
【符号の説明】
【0079】
2 データ仲介システム
24 処理部
25 記憶部
25B 送信管理テーブル(テーブル)
25B1 計量器コード(電力量計の識別情報)
25B2 会社コード(コンピュータの識別情報)
25B3 データ種類(計測データの種類)
25C 契約変更データ(送信先変更データ)
25C1 計量器コード(電力量計の識別情報)
25C2 使用契約切換日時(契約を変更する日時)
25C3 新契約会社データ(コンピュータの識別情報、計測データの種類)
3 電力会社サーバ(コンピュータ)
4 データ活用会社サーバ(コンピュータ)
5 スマートメータ(電力量計)
55 処理部
56 記憶部
56A2 契約会社データ(コンピュータの識別情報、計測データの種類)
56A3 データ提供会社データ(コンピュータの識別情報、計測データの種類)
56A4 時刻情報(計測データ)
56A5 電力(計測データ)
56A6 電力量(計測データ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、需要家宅に設置された電力量計と、電力会社やデータ活用会社のサーバとの間におけるデータ転送を仲介するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
新規参入の特定規模電気事業者(PPS:Power Producer&Supplier)を含めて、電力会社間においては、今後、より多くの顧客を獲得するために、料金メニューや各種サービスに関する競争が激しくなることが予想される。また、顧客宅に設置されるスマートメータの普及が見込まれており、スマートメータが計測した使用電力量等のデータを、顧客が電力使用契約を交わしている電力会社だけでなく、他の会社にも提供することについて議論されている。これらの動向により、既存のサービスの向上や新たなサービスの提供が期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−107389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような動向に対して、顧客側では、自分にとって有利な料金メニューを選択し、各種サービスを享受するために、契約先会社の変更が容易に可能になることへのニーズが高まるとともに、コンサルティング会社等では、新たなサービスを創出するために、使用電力量等のデータが提供されることへのニーズが出て来ると考えられる。
【0005】
また、高圧以上の顧客に関しては、現時点で既に電力会社との契約が自由化されており、契約先会社の変更が可能であるが、顧客宅の電力量計を変更する際に、旧電力量計の撤去から新電力量計の設置までの間は、当該顧客宅が停電になるという問題がある。実際に高圧の電力量計を変更するには、高電圧や大電流を測定可能な値に低下させる電力需給計器用変成器(VCT:Voltage Current Transformer)を含めて交換する必要があり、工事が大掛りになり、停電時間が長くなる。
【0006】
なお、特許文献1には、現在の需要家の電力使用状況に最も適した方法を選択する手助けとなる各種の電力料金計算方法が開示されているが、需要家が電力使用契約を交わす電力会社を変更するものではない。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、需要家が契約する電力会社の変更、及び、需要家の使用電力量等データの提供を容易に行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、電力を使用する需要家に設けられた電力量計と、当該電力量計による計測データを利用する会社のコンピュータとの間におけるデータの転送を仲介するシステム(データ仲介システム)であって、前記需要家の電力量計から、前記計測データと、当該計測データの送信先となるコンピュータの識別情報とを受信する手段と、前記受信した計測データを、前記受信した識別情報で識別される前記コンピュータに送信する手段と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、需要家の電力量計に設定された計測データ及びその計測データの送信先となる会社のコンピュータの識別情報を受信し、当該計測データを当該コンピュータに送信する。このとき、需要家又は会社により、電力量計において、電力会社を送信先会社として設定すれば、電力使用契約を実施する電力会社を容易に変更することができ、また、データ活用会社を送信先会社として設定すれば、データ提供契約を実施するデータ活用会社を容易に決定することができる。そして、需要家及び会社以外の第三者機関のシステムとしてデータ仲介システムが介在することにより、実際のデータの転送元及び転送先が明らかになるので、データ転送の公平性及び透明性を担保することができる。
【0009】
また、本発明の上記データ仲介システムにおいて、前記需要家の電力量計から、前記コンピュータに送信すべき前記計測データの種類を受信する手段と、前記受信した計測データから前記種類の示すデータを抽出し、当該データを前記コンピュータに送信する手段と、をさらに備えることとしてもよい。
この構成によれば、需要家の電力量計に設定された計測データを受信し、その受信した計測データのうち、指定されたデータを送信先会社のコンピュータに送信する。これによれば、例えば、契約により指定された計測データを、契約先の電力会社やデータ活用会社のコンピュータに送信することができる。
【0010】
また、本発明の上記データ仲介システムにおいて、前記コンピュータから、前記電力量計の識別情報と、前記送信先会社を変更する日時と、新たな送信先会社のコンピュータの識別情報と、前記計測データの種類とを含む送信先変更データを受信し、記憶する手段と、前記受信した送信先変更データのうち、前記日時が到来した時に、前記電力量計の識別情報で識別される前記電力量計に対して、前記コンピュータの識別情報と、前記計測データの種類とを送信する手段と、をさらに備えることとしてもよい。
この構成によれば、事前に設定された日時になった時に、データ仲介システムは、送信先コンピュータ及び計測データの種類を電力量計に送信する。電力量計は、データ仲介システムから受信したデータに基づいて、計測データをデータ仲介システムに送信する。これによれば、計画的に送信先会社を変更する際の処理をデータ仲介システムが行うので、会社のコンピュータや需要家の電力量計における処理負担を軽減することができる。
【0011】
また、本発明は、電力を使用する需要家に設けられた電力量計と、当該電力量計による計測データを利用する会社のコンピュータとの間におけるデータの転送を仲介するシステム(データ仲介システム)であって、前記コンピュータから、前記需要家の電力量計の識別情報と、前記会社のコンピュータの識別情報とを対応付けたテーブルを受信し、記憶する手段と、前記電力量計から、当該電力量計の識別情報及び前記計測データを受信する手段と、前記テーブルに基づいて、前記受信した電力量計の識別情報に対応付けられた前記コンピュータの識別情報を特定し、当該コンピュータの識別情報で識別される前記コンピュータに前記計測データを送信する手段と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、需要家の電力量計の識別情報と、その電力量計から計測データを送信すべき会社のコンピュータの識別情報との対応関係を示すテーブルをコンピュータから受信し、記憶する。そして、電力量計から計測データを受信し、テーブルに基づいて、計測データを送信先会社のコンピュータに送信する。このとき、電力会社を送信先会社として設定すれば、電力使用契約を実施する電力会社を容易に変更することができ、また、データ活用会社を送信先会社として設定すれば、データ提供契約を実施するデータ活用会社を容易に決定することができる。そして、需要家及び会社以外の第三者機関のシステムとしてデータ仲介システムが介在することにより、実際のデータの転送元及び転送先が明らかになるので、データ転送の公平性及び透明性を担保することができる。
【0012】
また、本発明の上記データ仲介システムにおいて、前記テーブルは、前記電力量計の識別情報及び前記コンピュータの識別情報と、前記電力量計から前記コンピュータに送信すべき前記計測データの種類とをさらに対応付けており、前記テーブルに基づいて、前記受信した電力量計の識別情報及び前記コンピュータの識別情報に対応付けられた前記種類を特定し、前記受信した計測データから前記種類の示すデータを抽出する手段と、前記抽出したデータを、前記コンピュータの識別情報で識別される前記コンピュータに送信する手段と、をさらに備えることとしてもよい。
この構成によれば、需要家の電力量計に設定された計測データを受信し、その受信した計測データのうち、指定されたデータを送信先会社のコンピュータに送信する。これによれば、例えば、契約により指定された計測データを、契約先の電力会社やデータ活用会社のコンピュータに送信することができる。
【0013】
その他、本願が開示する課題及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、需要家が契約する電力会社の変更、及び、需要家の使用電力量等データの提供を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】使用電力量等データ送受信システム(データ送受信システム)1の構成を示す図である。
【図2】使用電力量等データ仲介システム(データ仲介システム)2のハードウェア構成を示す図である。
【図3】電力会社サーバ3のハードウェア構成を示す図である。
【図4】データ活用会社サーバ4のハードウェア構成を示す図である。
【図5】スマートメータ5のハードウェア構成を示す図である。
【図6】カード6のハードウェア構成を示す図である。
【図7】データ送受信システム1の各装置の記憶部に記憶されるデータの構成を示す図であり、(a)はデータ仲介システム2の記憶部25に記憶されるアドレス変換テーブル25Aの構成を示し、(b)は電力会社サーバ3の記憶部35に記憶されるデータの構成を示し、(c)はデータ活用会社サーバ4の記憶部45に記憶されるデータの構成を示す。
【図8】スマートメータ5の記憶部6に記憶されるデータの構成を示す図であり、(a)は使用電力量等データ56Aの構成を示し、(b)は契約変更データ56Bの構成を示し、(c)はデータ提供変更データ56Cの構成を示す。
【図9】カード6の記憶部63に記憶されるデータの構成を示す図であり、(a)は契約変更データ63Aの構成を示し、(b)はデータ提供変更データ63Bの構成を示す。
【図10】データ仲介システム2の処理を示すフローチャートである。
【図11】データ仲介システム2の記憶部25に記憶されるデータの構成を示す図であり、(a)は送信管理テーブル25Bの構成を示し、(b)は契約変更データ25Cの構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を説明する。本発明の実施の形態に係るデータ仲介システムは、スマートメータが計測した使用電力量等のデータを、第三者機関の管理するシステムが一旦受信し、受信したデータのうち、契約により指定されたデータを、契約先の電力会社やデータ活用会社のサーバに送信するものである。
これによれば、需要家又は電力会社により電力使用契約を頻繁に変更すること、及び、データ活用会社に計測データ(使用電力量等データ)を提供することが容易に可能となる。なお、各電力会社の電力線はつながっているので、需要家宅の負荷は、最寄の電力線に連系していても、その時点の電力使用契約に基づく電力会社の変電所から給電を受けていると見なすことができる。
【0017】
≪第1の実施の形態≫
<システムの構成と概要>
図1は、使用電力量等データ送受信システム(以下、「データ送受信システム」という)1の構成を示す図である。データ送受信システム1は、使用電力量等データ仲介システム(以下、「データ仲介システム」という)2と、電力会社サーバ3(3A、3B、・・・)、データ活用会社サーバ4(4A、4B、・・・)及びスマートメータ5(5A、5B、5C、・・・)とが相互に通信可能に構成される。実際には、インターネットやLAN(Local Area Network)を通じてデータの送受信が行われる。電力会社サーバ3及びデータ活用会社サーバ4と、スマートメータ5とは、データ仲介システム2を介してデータを送受信する。
【0018】
データ仲介システム2は、第三者機関に設置されるサーバ用コンピュータ又は専用装置であり、電力会社サーバ3及びデータ活用会社サーバ4から受信したデータをスマートメータ5に転送し、一方、スマートメータ5から受信したデータを電力会社サーバ3及びデータ活用会社4に転送する。サーバ3、4からのデータには、送信先及び送信データが含まれているので、その送信先のスマートメータ5へ、送信データが送信される。また、スマートメータ5からのデータには、送信先及び送信すべきデータ名が指定されているので、その指定された送信先の会社のサーバへ、データ名の示すデータが送信される。
【0019】
電力会社サーバ3は、電力会社に設置されるサーバ用コンピュータであり、電力使用の契約をしている需要家宅のスマートメータ5からデータ仲介システム2経由でデータを受信し、そのデータに基づいて電力に関する料金計算や需給調整を行う。
【0020】
データ活用会社サーバ4は、データ活用会社に設置されるサーバ用コンピュータであり、データ提供の契約をしている需要家のスマートメータ5からデータ仲介システム2経由でデータを受信し、そのデータに基づいて電力使用に関する分析やコンサルティングに関するデータ作成等を行う。
【0021】
スマートメータ5は、需要家宅ごとに設置され、演算・制御機能と、通信モジュールとを内蔵した次世代の電子式電力メータであり、計測した電力量等のデータをデータ仲介システム2経由でサーバ3、4に送信し、一方、サーバ3、4から送信されたデータをデータ仲介システム2経由で受信する。また、電力会社やデータ活用会社との契約に関するデータを記憶したカード6(6A、6B、・・・)が挿入可能になっていて、挿入されたカード6からそれらのデータを取り込み、記憶する。これによれば、需要家は、主体的に契約電力会社やデータ提供会社を選択し、変更することができる。なお、契約が変わっても、スマートメータ5は変えないことを前提とする。
【0022】
図1によれば、例えば、需要家5aは、電力会社3aと電力使用の契約を行い、データ活用会社4a、4bにデータ提供を行う。このとき、スマートメータ5Aは、データ仲介システム2を介して、電力会社サーバ3A、データ活用会社サーバ4A及び4Bにデータを送信することになる。
【0023】
図2は、データ仲介システム2のハードウェア構成を示す図である。データ仲介システム2は、通信部21、表示部22、入力部23、処理部24及び記憶部25を備え、各部がバス26を介してデータを送受信可能なように構成される。通信部21は、ネットワークを介してサーバ3、4やスマートメータ5とIP(Internet Protocol)通信等を行う部分であり、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。表示部22は、処理部24からの指示によりデータを表示する部分であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。入力部23は、オペレータがデータ(例えば、アドレス変換テーブルの修正データ)を入力する部分であり、例えば、キーボードやマウス等によって実現される。処理部24は、所定のメモリを介して各部間のデータの受け渡しを行うととともに、データ仲介システム2全体の制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部25は、処理部24からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするものであり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性記憶装置によって実現される。
【0024】
図3は、電力会社サーバ3のハードウェア構成を示す図である。電力会社サーバ3は、通信部31、表示部32、入力部33、処理部34及び記憶部35を備え、各部がバス36を介してデータを送受信可能なように構成される。通信部31は、ネットワークを介してデータ仲介システム2とIP通信等を行う部分であり、例えば、NIC等によって実現される。表示部32は、処理部34からの指示によりデータを表示する部分であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現される。入力部33は、オペレータがデータ(例えば、計量器コードを示すデータ)を入力する部分であり、例えば、キーボードやマウス等によって実現される。処理部34は、所定のメモリを介して各部間のデータの受け渡しを行うととともに、電力会社サーバ3全体の制御を行うものであり、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部35は、処理部34からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするものであり、例えば、HDDやSSD等の不揮発性記憶装置によって実現される。
【0025】
図4は、データ活用会社サーバ4のハードウェア構成を示す図である。データ活用会社サーバ4は、通信部41、表示部42、入力部43、処理部44及び記憶部45を備え、各部がバス46を介してデータを送受信可能なように構成される。通信部41は、ネットワークを介してデータ仲介システム2とIP通信等を行う部分であり、例えば、NIC等によって実現される。表示部42は、処理部44からの指示によりデータを表示する部分であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現される。入力部43は、オペレータがデータ(例えば、計量器コードを示すデータ)を入力する部分であり、例えば、キーボードやマウス等によって実現される。処理部44は、所定のメモリを介して各部間のデータの受け渡しを行うととともに、データ活用会社サーバ4全体の制御を行うものであり、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部45は、処理部44からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするものであり、例えば、HDDやSSD等の不揮発性記憶装置によって実現される。
【0026】
図5は、スマートメータ5のハードウェア構成を示す図である。スマートメータ5は、通信部51、表示部52、計測部53、読取部54、処理部55及び記憶部56を備え、各部がバス57を介してデータを送受信可能なように構成される。通信部51は、ネットワークを介してデータ仲介システム2とIP通信等を行う部分であり、例えば、NIC等によって実現される。表示部52は、処理部55からの指示によりデータを表示する部分であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。計測部53は、需要家宅の使用電力量等を計測する部分であり、例えば、電力量計等によって実現される。読取部54は、スマートメータ5に挿入され、又は、所定の箇所に接触したカード6の記憶データを読み取る部分であり、例えば、非接触型ICカードのリーダ等によって実現される。処理部55は、所定のメモリを介して各部間のデータの受け渡しを行うととともに、スマートメータ5全体の制御を行うものであり、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部56は、処理部55からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするものであり、例えば、HDDやSSD等の不揮発性記憶装置によって実現される。
【0027】
図6は、カード6のハードウェア構成を示す図である。カード6は、通信部61、処理部62及び記憶部63を備え、各部がバス64を介してデータを送受信可能なように構成される。通信部61は、スマートメータ5とデータ通信を行う部分であり、例えば、非接触型ICカードのインタフェース等によって実現される。処理部62は、所定のメモリを介して各部間のデータの受け渡しを行うととともに、カード6全体の制御を行うものであり、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部63は、処理部62からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするものであり、例えば、HDDやSSD等の不揮発性記憶装置によって実現される。
【0028】
<データの構成>
図7は、データ送受信システム1の各装置の記憶部に記憶されるデータの構成を示す図である。図7(a)は、データ仲介システム2の記憶部25に記憶されるアドレス変換テーブル25Aの構成を示す。アドレス変換テーブル25Aは、サーバ3、4及びスマートメータ5のコードからデータ送信先のアドレスを特定するための変換テーブルであり、コード25A1及びノードアドレス25A2を含む、ノードごとのレコードからなる。コード25A1は、サーバ3、4の会社コード又はスマートメータ5の計量器コードが設定される。ノードアドレス25A2は、サーバ3、4又はスマートメータ5のネットワークアドレス(例えば、IPアドレス等)が設定される。
【0029】
図7(b)は、電力会社サーバ3の記憶部35に記憶されるデータの構成を示す。記憶部35には、計量器コード351、送信元会社コード352及び送信データ353が記憶される。計量器コード351は、データの送信先となるスマートメータ5のコードである。送信元会社コード352は、電力会社サーバ3の会社コードである。送信データ353は、電力会社サーバ3からスマートメータ5へ送信すべきデータである。
【0030】
図7(c)は、データ活用会社サーバ4の記憶部45に記憶されるデータの構成を示す。記憶部45には、計量器コード451、送信元会社コード452及び送信データ453が記憶される。計量器コード451は、データの送信先となるスマートメータ5のコードである。送信元会社コード452は、データ活用会社サーバ4の会社コードである。送信データ453は、データ活用会社サーバ4からスマートメータ5へ送信すべきデータである。
【0031】
図8は、スマートメータ5の記憶部56に記憶されるデータの構成を示す図である。図8(a)は、使用電力量等データ56Aの構成を示す。使用電力量等データ56Aは、スマートメータ5からデータ仲介システム2へ送信されるデータであり、計量器コード56A1、契約会社データ56A2、データ提供会社データ56A3、時刻情報56A4、電力56A5及び電力量56A6を含む。計量器コード56A1は、スマートメータ5に固有のコードである。契約会社データ56A2は、当該スマートメータ5の設置されている需要家宅が電力使用契約をしている電力会社に関するデータであり、詳細には、データの送信先となる会社コード、及び、事前の契約により送信すべきデータ名(例えば、時刻情報と電力量)を示すデータ種類である。データ種類には、データ名だけでなく、送信先会社との電力使用契約の停止を連絡する旨を示すデータ等が設定されることもある。データ提供会社データ56A3は、当該スマートメータ5の設置されている需要家宅がデータを提供しているデータ活用会社に関するデータであり、詳細には、データの送信先となる会社コード、及び、事前の契約により送信すべきデータ名(例えば、時刻情報と電力量)を示すデータ種類である。なお、データ提供会社データ56A3は、複数のデータ活用会社に関するデータがあってもよい。
【0032】
時刻情報56A4は、電力56A5及び電力量56A6を計測した時刻や時間帯である。電力56A5は、所定の時刻における当該需要家宅の使用電力である。電力量56A6は、所定の時間帯における当該需要家宅の使用電力量である。
【0033】
図8(b)は、契約変更データ56Bの構成を示す。契約変更データ56Bは、電力使用の契約先である電力会社を所定の日時に変更するために設定されるデータであり、使用契約切換日時56B1及び新契約会社データ56B2を含む、1以上のレコードからなる。使用契約切換日時56B1は、通常は電力使用契約を旧契約から新契約に切り換える日時が設定されるが、即時切換が指定されることもある。新契約会社データ56B2は、電力使用契約を変更した後の新たな契約会社データであり、その記憶内容は、契約会社データ56A2と同様である。
【0034】
図8(c)は、データ提供変更データ56Cの構成を示す。データ提供変更データ56Cは、データ提供先のデータ活用会社を所定の日時に変更するために設定されるデータであり、データ提供切換日時56C1及び新データ提供会社データ56C2を含む、1以上のレコードからなる。データ提供切換日時56C1は、通常は旧データ提供から新データ提供に切り換える日時が設定されるが、即時切換が指定されることもある。新データ提供会社データ56C2は、データ提供変更後の新たなデータ提供会社データであり、その記憶内容は、データ提供会社データ56A3と同様である。
【0035】
図9は、カード6の記憶部63に記憶されるデータの構成を示す図である。図9(a)は、契約変更データ63Aの構成を示す。契約変更データ63Aは、スマートメータ5の契約変更データ56Bと同様である。図9(b)は、データ提供変更データ63Bの構成を示す。データ提供変更データ63Bは、スマートメータ5のデータ提供変更データ56Cと同様である。
【0036】
<システムの処理>
図10は、データ仲介システム2の処理を示すフローチャートである。本処理は、データ仲介システム2において、主として処理部24が、通信部21によりネットワーク経由でデータを送受信し、記憶部25のデータを参照、更新しながら、サーバ3、4と、スマートメータ5との間におけるデータ送受信を中継するものである。例えば、各需要家宅の使用電力量等データは、スマートメータ5から第三者の管理機関のサーバであるデータ仲介システム2に送信され、データ仲介システム2から電力会社サーバ3やデータ活用会社サーバ4へ配信される。すなわち、データ仲介システム2の処理は、データの振り分けを行うものである。
【0037】
まず、データ仲介システム2は、通信部21がネットワークからデータを受信したか否かをチェックする(S1001)。データを受信していなければ(S1001のNO)、受信チェックを繰り返す(S1001)。
【0038】
データを受信していれば(S1001のYES)、データ仲介システム2は、受信したデータが、スマートメータ5からの使用電力量等データであり、契約会社データが有効か否かを判定する(S1002)。詳細には、使用電力量等データ56Aの形式になっていること、例えば、先頭のデータが計量器コード56A1の形式になっており、2番目のデータが契約会社データ56A2の形式であることをチェックする。契約会社データが有効であれば(S1002のYES)、契約会社データに基づいて電力会社サーバ3にデータを送信する(S1003)。詳細には、契約会社データのうち、会社コードをアドレス変換テーブル25Aによりノードアドレスに変換し、時刻情報、電力及び電力量からデータ種類が示す電力関連データ(計測データ)を抽出する。そして、通信部21を通じて当該ノードアドレスが示す電力会社サーバ3へ当該電力関連データ及び計量器コード(送信データ)を送信する。契約会社データが有効でなければ(S1002のNO)、S1003の処理をスキップする。
【0039】
電力会社サーバ3は、データ仲介システム2から電力関連データ及び計量器コードを受信し、それらのデータに基づいて、当該需要家宅の電力料金の計算や電力の需給調整等を行う。
【0040】
次に、データ仲介システム2は、受信したデータが、スマートメータ5からの使用電力量等データであり、データ提供会社データが有効か否かを判定する(S1004)。詳細には、使用電力量等データ56Aの形式になっていること、例えば、先頭のデータが計量器コード56A1の形式になっており、3番目のデータがデータ提供会社データ56A3の形式であることをチェックする。データ提供会社データが有効であれば(S1004のYES)、データ提供会社データに基づいてデータ活用会社サーバ4にデータを送信する(S1005)。詳細には、データ提供会社データのうち、当該需要家がデータ収集を了承した会社コードをアドレス変換テーブル25Aによりノードアドレスに変換し、時刻情報、電力及び電力量からデータ種類が示す電力関連データを抽出する。そして、通信部21を通じて当該ノードアドレスが示すデータ活用会社サーバ4へ当該電力関連データ及び計量器コード(送信データ)を送信する。データ提供会社データが有効でなければ(S1004のNO)、S1005の処理をスキップする。
【0041】
データ活用会社サーバ4は、データ仲介システム2から電力関連データ及び計量器コードを受信し、それらのデータに基づいて、当該需要家宅の電力使用に関する分析やコンサルティングに関するデータ作成等を行う。
【0042】
続いて、データ仲介システム2は、受信したデータがサーバ3、4からスマートメータ5へのデータか否かを判定する(S1006)。詳細には、図7に示す記憶部35又は45のデータ形式になっていることをチェックする。スマートメータ5へのデータであれば(S1006のYES)、計量器コードに基づいてスマートメータ5にデータを送信する(S1007)。詳細には、受信したデータのうち、計量器コードをアドレス変換テーブル25Aによりノードアドレスに変換し、当該ノードアドレスが示すスマートメータ5へ送信元会社コード及び送信データを送信する。スマートメータ5へのデータでなければ(S1006のNO)、S1007の処理をスキップする。その後、S1001のデータ受信チェックに戻る。
【0043】
スマートメータ5は、データ仲介システム2から送信元会社コード及び送信データを受信し、送信データの内容に応じて処理を行う。
【0044】
<事前に予約契約している場合に、使用契約を変更する方法について>
以下、需要家が複数の電力会社と事前に予約契約を交わしている場合について説明する。予約契約は、必ずしもすぐに電力を使用するわけではないが、実際に電力使用契約を切り換える前に、例えば、需要家が電力会社に提供する電力関連データの種類や、電力料金のメニュー等を事前に決めておくものである。なお、事前の予約契約は、店頭や郵便で行ってもよいし、インターネット等を活用してもよいし、専用端末を用いてもよい。
【0045】
[1.予め使用契約の切換日時を決める場合]
需要家は、新しく電力使用契約をしたい電力会社と、いつから(何月何日の何時から)、その会社の電力を使用するかについて予め契約し、その契約変更データをスマートメータ5に取り込むためのカード6を受領する。そして、需要家は、そのカード6をスマートメータ5の所定部分に挿入したり、かざしたりする。
そのとき、スマートメータ5では、読取部54がカード6から契約変更データ63Aを読み取り、契約変更データ56B(使用契約切換日時56B1、新契約会社データ56B2)として記憶部56に記憶する。そして、使用契約切換日時56B1になると、記憶部56において、使用電力量等データ56Aのうち、契約会社データ56A2を新契約会社データ56B2により更新し、その更新した使用電力量等データ56Aをデータ仲介システム2に送信する。
【0046】
データ仲介システム2は、使用電力量等データを受信し、その使用電力量等データの契約会社データに基づいて、新たに契約した電力会社サーバ3に、指定された電力関連データを送信する。
例えば、スマートメータ5が1分ごとにデータをデータ仲介システム2に送信するとすれば、1分前のデータは旧契約の電力会社サーバ3に転送され、今回のデータは切り換わった新契約の電力会社サーバ3に転送されることになる。
【0047】
スマートメータ5からデータ活用会社サーバ4へ使用電力量等データを送信する際も、同様の手順となる。また、需要家が電力会社やデータ活用会社との契約を停止する際も、同様に契約停止の連絡の旨を示すデータの入ったカード6を受領し、スマートメータ5に取り込ませることで実施する。これによれば、契約切換の日時や予定日時が確定した時に、契約停止の旨及びその日時を示す情報を現契約の電力会社サーバ3に送信することにより、電力会社サーバ3は、契約停止予定を今後の電力の需給予測に反映させることができる。さらに、記憶部56への契約変更データ56Bやデータ提供変更データ56Cの設定は、インターネット等、IT技術を活用して、遠方から実施できるようにしてもよい。
【0048】
なお、同じ電力会社のままで、電力使用の料金メニューを変更する際には、電力会社サーバ3が、事前に設定した切換日時になったときに、料金算定方法等のデータを切り換えることにより対応する。
【0049】
[2.任意のタイミングで使用契約を切り換える場合(その1)]
スマートメータ5は、1枚のカード6だけが差し込み可能な挿入口を備えるものとする。需要家は、複数の電力会社と事前に予約契約をしており、それぞれの会社情報を記憶した複数のカード6を保持する。そして、実際に電力を使用し、電力料金を支払う電力会社(電力使用契約を交わす電力会社)を変更したい場合には、その都度、スマートメータ5の挿入口にあるカード6を差し換える。なお、契約会社データの更新ができれば、カードという媒体に限らない。
カード6が抜かれてから、次のカード6が差し込まれるまでの間、スマートメータ5は、元のカード6に設定されている電力会社や料金メニューのコードを契約会社データ56A2として記憶しているので、それらを含む使用電力量等データ56Aをデータ仲介システム2に送信する。
そして、次のカード6が差し込まれた時に、スマートメータ5は、そのカード6の使用契約切換日時63A1が即時切換を示していれば、新契約会社データ63A2を契約会社データ56A2として記憶部56に記憶する。その後、記憶された契約会社データ56A2を含む使用電力量等データ56Aを、定期的にデータ仲介システム2に送信する。
なお、データ活用会社へのデータ提供についても同様の手順である。
【0050】
[3.任意のタイミングで使用契約を切り換える場合(その2)]
スマートメータ5は、複数のカード6が差し込み可能な複数の挿入口及びそのうち1のカード6を指定する切換スイッチを備えるものとする。需要家は、複数の電力会社と事前に予約契約をしており、それぞれの会社情報を記憶した複数のカード6を保持し、複数のカード6をスマートメータ5の挿入口に差し込む。そして、需要家は、スマートメータ5の切換スイッチにより、任意のタイミングでどのカード6の情報(どの電力会社)による電力使用契約を実施するかを切り換える。切換スイッチは、手動で切り換わるスイッチやボタンでもよいし、タッチパネルでもよい。
【0051】
スマートメータ5は、切換スイッチが指示するカード6を読み取り、そのカード6の使用契約切換日時63A1が即時切換を示していれば、新契約会社データ63A2を契約会社データ56A2として記憶部56に記憶する。その後、記憶された契約会社データ56A2を含む使用電力量等データ56Aを、定期的にデータ仲介システム2に送信する。スマートメータ5において適用すべきカード6の切換は、インターネット等、IT技術を活用して、遠方から実施できるようにしてもよい。
【0052】
なお、スマートメータ5は、複数のカード6の情報を、1又は複数の挿入口を通じて取り込み、複数の契約変更データ56Bとして記憶部56に記憶した後、切換スイッチを用いて、どの契約変更データ56Bを適用するか(どの電力会社と使用契約をするか)を切り換えるようにしてもよい。また、データ活用会社へのデータ送付手順も同様である。
【0053】
<事前の予約契約なしで、任意のタイミングで使用契約を変更する方法について>
需要家は、インターネット等で使用契約したい電力会社等の契約画面に接続する。契約画面への接続は、専用端末でもよいし、店頭での端末でもよい。そして、契約画面から、契約したい電力料金メニューに対して契約関係データ(スマートメータ5の計量器コード等)を入力する。
【0054】
[すぐに契約を変更する場合]
電力会社では、変更するスマートメータ5へ新規契約メニューデータ(契約変更データ)を送信してよいか否かを需要家に問い合わせる。需要家が「OK」の指示を出すと、電力会社サーバ3は、該当する計量器コード及び新規契約に伴うスマートメータ5への契約変更データをデータ仲介システム2に送信する。
【0055】
データ仲介システム2は、計量器コード及び契約変更データを受信し、受信した計量器コードを持つスマートメータ5に契約変更データを送信する。
スマートメータ5は、契約変更データを受信し、記憶部56の使用電力量等データ56Aのうち、契約会社データ56A2を契約変更データにより書き換え、その結果を計量器コードや契約電力会社コード等と共に、データ仲介システム2に送信する。なお、契約会社データ56A2の書き換え等に失敗したときは、その旨を表すデータを送信する。
【0056】
データ仲介システム2は、スマートメータ5から書き換え結果データを受け取り、該当する電力会社サーバ3に送信する。
電力会社サーバ3は、書き換えデータ結果を受信し、例えば、メール等により需要家あてに通知する。需要家は、その結果を確認し、よければ、了承の旨を電力会社サーバ3に返信する。その時点から新しい契約内容に切り換わる。
【0057】
[電力会社サーバ3に切り換え日時を設定する方法]
これは、電力会社サーバ3が、予め設定された更新日時になると、スマートメータ5のデータを書き換える方法である。
まず、更新日時になると、電力会社サーバ3は、スマートメータ5に該当する計量器コードと、新規契約に伴う契約変更データをデータ仲介システム2に送信する。これ以降は、上記の[すぐに契約を変更する場合]と同様である。なお、スマートメータ5におけるデータ書き換えに失敗した場合には、再トライするように設定してもよい。
【0058】
[スマートメータ5に切り換え日時を設定する方法]
これは、切り換え後のデータ(契約変更データ)をスマートメータ5に登録しておき、予め設定された日時になると、スマートメータ5が使用電力量等データ56Aを契約変更データにより書き換える方法である。
需要家は、インターネット等による契約画面で、切換日時も含めた登録を行った後、スマートメータ5に切換日時を含めたデータが登録されたことを確認する。
スマートメータ5は、切換日時になると、使用電力量等データ56Aを新しい契約内容に切り換え、データ仲介システム2に送信する。
データ仲介システム2は、新規の使用電力量等データを受信し、それに基づいてデータを電力会社サーバ3に送信する。
【0059】
なお、スマートメータ5に予め、複数の契約をある時間ごとや曜日ごと等、任意のタイミングで自動的に切り換えるように設定してもよい。これは、例えば、記憶部56の契約変更データ56Bとして、使用契約切換日時56B1及び新契約会社データ56B2を含むレコードを複数記憶しておくことにより、実現可能である。これにより、需要家にとってより一層便利なシステムとなる。
【0060】
≪第2の実施の形態≫
第1の実施の形態では、データ仲介システム2の基本機能をデータの振り分けのみとしたが、データ仲介システム2によりデータの送信先や種類、切換日時等を管理する形態が考えられる。
【0061】
図11(a)は、データ仲介システム2の記憶部25に記憶される送信管理テーブル25Bの構成を示す。送信管理テーブル25Bは、各スマートメータ5から受信したデータのうち、どのデータをどのサーバに送信するかを管理するテーブルであり、電力会社サーバ3及びデータ活用会社サーバ4から受信した契約データの内容が反映され、計量器コード25B1、会社コード25B2及びデータ種類25B3を含む、データ仲介システム2が通信可能なスマートメータ5の台数分のレコードからなる。計量器コード25B1は、スマートメータ5に固有のコードである。会社コード25B2は、電力会社やデータ活用会社に固有のコードであり、計量器コード25B1のスマートメータ5から受信したデータを送信すべき会社のコードである。データ種類25B3は、時刻情報、電力、電力量等の電力関連データ(計測データ)の種類を示し、スマートメータ5から受信したデータのうち、会社コード25B2が示す会社のサーバに送信すべきデータの種類である。
【0062】
送信管理テーブル25Bにおいては、1の計量器コード25B1に対して1以上の会社コード25B2が設定され、会社コード25B2と、データ種類25B3とが1対1に対応して設定される。
【0063】
データ仲介システム2の処理としては、まず、各電力会社サーバ3やデータ活用会社サーバ4から、各計量器コードが付された使用電力量等データのうち、どの電力関連データをどの会社に送るかを示すデータを受信し、記憶部25に送信管理テーブル25Bとして記憶する。そして、スマートメータ5から使用電力量等データを受信したときに、事前に記憶された送信管理テーブル25Bに基づいて、指定された電力会社サーバ3及びデータ活用会社サーバ4に必要なデータを送信する。すなわち、送信管理テーブル25Bを参照して、受信した使用電力量等データのうち、当該計量器コード25B1に対応する会社コード25B2の各サーバに対して、会社コード25B2に対応するデータ種類25B3のデータ(送信データ)を送信する。
【0064】
これによれば、スマートメータ5からのデータ転送量を、契約会社データ及びデータ提供会社データの分だけ軽減することができる。また、需要家による電力使用契約の頻繁な変更に対しても、スマートメータ5の契約会社データを変更することなく、電力会社サーバ3及びデータ活用会社サーバ4からデータ仲介システム2に契約データを送信するだけで対応可能となる。
【0065】
図11(b)は、データ仲介システム2の記憶部25に記憶される契約変更データ25Cの構成を示す。契約変更データ25Cは、電力会社サーバ3から受信したデータが設定され、更新日時になるとスマートメータ5に送信され、記憶部56の契約会社データ56A2が更新される契約会社データであり、計量器コード25C1、使用契約切換日時25C2及び新契約会社データ25C3を含む。計量器コード25C1は、スマートメータ5に固有のコードであり、新契約会社データ25C3の送信先を示す。使用契約切換日時25C2は、スマートメータ5の契約会社データ56A2を更新すべき日時である。新契約会社データ25C3は、スマートメータ5で更新すべき新たな契約会社データである。
【0066】
データ仲介システム2の処理としては、まず、電力会社サーバ3から事前に、新たにどの需要家といつ、どのような契約を実施するかを示すデータを受信し、記憶部25に契約変更データ25Cとして記憶する。そして、契約変更データ25Cを参照して、使用契約切換日時25C2になった時に、当該計量器コード25C1に対応するスマートメータ5に対して、新契約会社データ25C3を送信する。
【0067】
以上によれば、スマートメータ5の契約変更データを、電力会社サーバ3から送信する代わりに、事前にデータ仲介システム2に登録し、データ仲介システム2からスマートメータ5に送信する。これによれば、契約変更に際しての電力会社サーバ3の処理負担を軽減するとともに、契約更新時におけるデータの送受信が一回で済むので、より正確な日時に契約変更を行うことができる。
【0068】
≪第3の実施の形態≫
契約変更のセキュリティを高める方法として、スマートメータ5において需要家により設定された契約会社データと、各電力会社サーバ3に保持される契約会社データとが一致したときに初めて電力使用契約を更新する。これによれば、第三者のなりすましによる不正な契約変更を阻止することができる。
【0069】
詳細には、まず、需要家は、上記のいずれかの方法で、スマートメータ5に契約変更データ56Bを設定する。そして、使用契約切換日時になった時に、電力会社サーバ3又はデータ仲介システム2から、スマートメータ5に使用電力量等データの提出を促す信号及び新規の契約会社データを送信する。スマートメータ5は、電力会社サーバ3又はデータ仲介システム2から受信した契約会社データと、契約変更データ56Bの新契約会社データ56B2(又は、既に更新された契約会社データ56A2)とを比較し、一致したときに初めて、契約会社データ56A2を確定し、使用電力量等データ56Aの送信を開始する。一致しないときには、使用電力量等データ56Aを送信せずに、エラー信号を関係箇所(例えば、需要家の携帯電話や電力会社サーバ3等)に送信する。
なお、データ活用会社サーバ4へのデータ提供の切換についても同様である。
【0070】
上記実施の形態では、図1に示すデータ送受信システム1内の各装置を機能させるために、処理部(CPU)で実行されるプログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録し、その記録したプログラムをコンピュータに読み込ませ、実行させることにより、本発明の実施の形態に係るデータ送受信システム1が実現されるものとする。この場合、プログラムをインターネット等のネットワーク経由でコンピュータに提供してもよいし、プログラムが書き込まれた半導体チップ等をコンピュータに組み込んでもよい。
【0071】
以上説明した本発明の実施の形態によれば、需要家が電力使用契約をする電力会社、すなわち、その契約に基づいてスマートメータ5からデータ仲介システム2経由で計測データを受信する電力会社サーバ3を容易に変更することができる。また、需要家がデータ提供契約をするデータ活用会社、すなわち、その契約に基づいてスマートメータ5からデータ仲介システム2経由で計測データを受信するデータ活用会社サーバ4を容易に変更することができる。
【0072】
詳細には、図10のS1003及びS1005に示すように、データ仲介システム2が、スマートメータ5から受信した契約会社データ及びデータ提供会社データのうち、会社コードをアドレス変換テーブル25Aによりノードアドレスに変換し、データ種類が示す電力関連データを抽出し、通信部21を通じて当該ノードアドレスが示す電力会社サーバ3及びデータ活用会社サーバ4へ当該電力関連データ及び計量器コードを送信するので、需要家がスマートメータ5に契約会社データ及びデータ提供会社データを設定することにより、計測データの送信先サーバを頻繁に、かつ、簡単に変更することができる。
【0073】
また、図11(a)に示す送信管理テーブル25Bを、データ仲介システム2が電力会社サーバ3やデータ活用会社サーバ4から受信し、記憶し、スマートメータ5からのデータのサーバ3、4への配信に用いるので、電力会社やデータ活用会社が送信管理テーブル25Bのデータをデータ仲介システム2に設定することにより、計測データの送信先サーバを頻繁に、かつ、簡単に変更することができる。
【0074】
そして、図11(b)に示す契約変更データ25Cをデータ仲介システム2が電力会社サーバ3から受信し、記憶し、使用契約切換日時25C2になった時に、計量器コード25C1の示すスマートメータ5に新契約会社データ25C3を送信するので、電力会社サーバ3やスマートメータ5の処理負担がなく、切換予定に応じて各需要家の電力使用契約を変更することができる。
【0075】
以上によれば、簡易な手続きにより任意に契約先の会社を変更したいという需要家の要望に応えることができる。また、今後、スマートメータ5が普及し、スマートメータ5による使用電力量等のデータが電力会社以外にも提供されるようになった場合に、その1つの形態を提示することができ、今後の制度設計に貢献することができる。
【0076】
≪その他の実施の形態≫
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。例えば、以下のような実施の形態が考えられる。
【0077】
(1)上記実施の形態では、電力料金メニューの変更は、電力会社サーバ3で行うように記載したが、スマートメータ5から行うようにしてもよい。そのとき、スマートメータ5は、例えば、記憶部56の契約会社データ56A2に、データ種類として料金メニューを特定可能なコードや料金メニューデータそのものを記憶しておき、使用電力量等データ56Aとしてデータ仲介システム2に送信する。データ仲介システム2は、使用電力量等データ56Aを受信し、料金メニューのコード又はデータを当該電力会社サーバ3に送信する。電力会社サーバ3は、データ仲介システム2から料金メニューのコード又はデータを受信し、当該スマートメータ5に対応する料金メニューを更新する。
【0078】
(2)上記実施の形態では、契約変更データ63A及びデータ提供変更データ63Bを記憶したカード6を用いて、スマートメータ5の契約変更データ56B及びデータ提供変更データ56Cを更新するように記載したが、データの更新が可能であれば、カード6という形態に限られることなく、例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)タグ等であってもよい。
【符号の説明】
【0079】
2 データ仲介システム
24 処理部
25 記憶部
25B 送信管理テーブル(テーブル)
25B1 計量器コード(電力量計の識別情報)
25B2 会社コード(コンピュータの識別情報)
25B3 データ種類(計測データの種類)
25C 契約変更データ(送信先変更データ)
25C1 計量器コード(電力量計の識別情報)
25C2 使用契約切換日時(契約を変更する日時)
25C3 新契約会社データ(コンピュータの識別情報、計測データの種類)
3 電力会社サーバ(コンピュータ)
4 データ活用会社サーバ(コンピュータ)
5 スマートメータ(電力量計)
55 処理部
56 記憶部
56A2 契約会社データ(コンピュータの識別情報、計測データの種類)
56A3 データ提供会社データ(コンピュータの識別情報、計測データの種類)
56A4 時刻情報(計測データ)
56A5 電力(計測データ)
56A6 電力量(計測データ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を使用する需要家に設けられた電力量計と、当該電力量計による計測データを利用する会社のコンピュータとの間におけるデータの転送を仲介するシステムであって、
前記需要家の電力量計から、前記計測データと、当該計測データの送信先となるコンピュータの識別情報とを受信する手段と、
前記受信した計測データを、前記受信した識別情報で識別される前記コンピュータに送信する手段と、
を備えることを特徴とするデータ仲介システム。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ仲介システムであって、
前記需要家の電力量計から、前記コンピュータに送信すべき前記計測データの種類を受信する手段と、
前記受信した計測データから前記種類の示すデータを抽出し、当該データを前記コンピュータに送信する手段と、
をさらに備えることを特徴とするデータ仲介システム。
【請求項3】
請求項2に記載のデータ仲介システムであって、
前記コンピュータから、前記電力量計の識別情報と、前記送信先会社を変更する日時と、新たな送信先会社のコンピュータの識別情報と、前記計測データの種類とを含む送信先変更データを受信し、記憶する手段と、
前記受信した送信先変更データのうち、前記日時が到来した時に、前記電力量計の識別情報で識別される前記電力量計に対して、前記コンピュータの識別情報と、前記計測データの種類とを送信する手段と、
をさらに備えることを特徴とするデータ仲介システム。
【請求項4】
電力を使用する需要家に設けられた電力量計と、当該電力量計による計測データを利用する会社のコンピュータとの間におけるデータの転送を仲介するシステムであって、
前記コンピュータから、前記需要家の電力量計の識別情報と、前記会社のコンピュータの識別情報とを対応付けたテーブルを受信し、記憶する手段と、
前記電力量計から、当該電力量計の識別情報及び前記計測データを受信する手段と、
前記テーブルに基づいて、前記受信した電力量計の識別情報に対応付けられた前記コンピュータの識別情報を特定し、当該コンピュータの識別情報で識別される前記コンピュータに前記計測データを送信する手段と、
を備えることを特徴とするデータ仲介システム。
【請求項5】
請求項4に記載のデータ仲介システムであって、
前記テーブルは、前記電力量計の識別情報及び前記コンピュータの識別情報と、前記電力量計から前記コンピュータに送信すべき前記計測データの種類とをさらに対応付けており、
前記テーブルに基づいて、前記受信した電力量計の識別情報及び前記コンピュータの識別情報に対応付けられた前記種類を特定し、前記受信した計測データから前記種類の示すデータを抽出する手段と、
前記抽出したデータを、前記コンピュータの識別情報で識別される前記コンピュータに送信する手段と、
をさらに備えることを特徴とするデータ仲介システム。
【請求項1】
電力を使用する需要家に設けられた電力量計と、当該電力量計による計測データを利用する会社のコンピュータとの間におけるデータの転送を仲介するシステムであって、
前記需要家の電力量計から、前記計測データと、当該計測データの送信先となるコンピュータの識別情報とを受信する手段と、
前記受信した計測データを、前記受信した識別情報で識別される前記コンピュータに送信する手段と、
を備えることを特徴とするデータ仲介システム。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ仲介システムであって、
前記需要家の電力量計から、前記コンピュータに送信すべき前記計測データの種類を受信する手段と、
前記受信した計測データから前記種類の示すデータを抽出し、当該データを前記コンピュータに送信する手段と、
をさらに備えることを特徴とするデータ仲介システム。
【請求項3】
請求項2に記載のデータ仲介システムであって、
前記コンピュータから、前記電力量計の識別情報と、前記送信先会社を変更する日時と、新たな送信先会社のコンピュータの識別情報と、前記計測データの種類とを含む送信先変更データを受信し、記憶する手段と、
前記受信した送信先変更データのうち、前記日時が到来した時に、前記電力量計の識別情報で識別される前記電力量計に対して、前記コンピュータの識別情報と、前記計測データの種類とを送信する手段と、
をさらに備えることを特徴とするデータ仲介システム。
【請求項4】
電力を使用する需要家に設けられた電力量計と、当該電力量計による計測データを利用する会社のコンピュータとの間におけるデータの転送を仲介するシステムであって、
前記コンピュータから、前記需要家の電力量計の識別情報と、前記会社のコンピュータの識別情報とを対応付けたテーブルを受信し、記憶する手段と、
前記電力量計から、当該電力量計の識別情報及び前記計測データを受信する手段と、
前記テーブルに基づいて、前記受信した電力量計の識別情報に対応付けられた前記コンピュータの識別情報を特定し、当該コンピュータの識別情報で識別される前記コンピュータに前記計測データを送信する手段と、
を備えることを特徴とするデータ仲介システム。
【請求項5】
請求項4に記載のデータ仲介システムであって、
前記テーブルは、前記電力量計の識別情報及び前記コンピュータの識別情報と、前記電力量計から前記コンピュータに送信すべき前記計測データの種類とをさらに対応付けており、
前記テーブルに基づいて、前記受信した電力量計の識別情報及び前記コンピュータの識別情報に対応付けられた前記種類を特定し、前記受信した計測データから前記種類の示すデータを抽出する手段と、
前記抽出したデータを、前記コンピュータの識別情報で識別される前記コンピュータに送信する手段と、
をさらに備えることを特徴とするデータ仲介システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−113425(P2012−113425A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260345(P2010−260345)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】
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