説明

データ伝送ブロックの送信方法、並びに、データ伝送ブロックの伝送方法、およびデータ伝送ブロックを伝送するためのシステム

本発明は、データ伝送ブロックの送信方法であって、その際、データ伝送ブロックは、有効性が示されることを特徴とする1つまたは複数の所定数のデータユニットを有する、少なくとも1つのデータセグメントと、ヘッダセグメントと、を有する送信方法において、a)出力レジスタの、データセグメントための所定の第1領域へと、データユニットを書き込む工程であって、第1領域より、一時格納されたデータ伝送ブロックは、所定の送信時点に時分割多重方式によりバスシステムを介して送信される、書き込み工程と、b)出力レジスタの、ヘッダセグメントのための所定の第2領域へと、トグルビットまたはNビットカウンタとして構成されている有効性検証データを書き込む工程であって、その際、各有効性検証データは、対応する書き込まれたデータユニットの有効性を示す、書き込み工程と、c)各データユニットと、対応する有効性検証データとが出力レジスタに書き込まれた後に、出力レジスタに一時格納されたデータ伝送ブロックを送信可能とする工程と、d)所定数のデータユニットと、対応する有効性検証データとが書き込まれるまで、または、所定の時点に達するまで、工程(a)〜(c)を繰り返す工程と、e)送信可能となった、出力レジスタに一時格納されたデータ伝送ブロック、を送信時点に送信する工程とを含む、データ伝送ブロックの送信方法、を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にFlexRayバスを用いた、データ伝送ブロックの送信方法、並びに、データ伝送ブロックの伝送方法、およびデータ伝送ブロックを伝送するためのシステム、に関する。
【背景技術】
【0002】
FlexRayバスおよび付属するFlexRayプロトコルは、例えば、欧州特許出願公開第1355456号明細書で記載されている。
【0003】
時分割多重方式により機能するFlexRayプロトコルに基づいて、フレームまたはデータ伝送ブロックが静的なセグメントおよび/または動的なセグメントを有する通信周期において伝送される。
【0004】
本願において、フレーム、データフレーム、データ伝送ブロック、およびメッセージという表現は同義的に利用され、同じものを指している。
【0005】
その際、データ伝送ブロックは、ヘッダセグメント(Header)と、データセグメント(Payload)と、チェックサム・セグメント(CRC Data)とを含んでいる。データセグメントは、1つのデータユニット、または、容量が異なりうる複数のデータユニットを含んでいる。
【0006】
データ伝送ブロックは、第1送受信装置から、またはFlexRayバスと結合されているノードから、第2送受信装置へと、または同様にFlexRayバスと結合されているノードへと、伝送される。
【0007】
各データユニットが現時点のものであるか、または、古いデータが、データ伝送ブロック内の対応するデータユニットの場所で伝送されるのか、について示すために、有効性検証ビットをそれぞれ設けることが可能である。
【0008】
1に設定された有効性ビットは、対応するデータユニットが有効であることを示している。それに対して、0に設定された有効性ビットは、対応するデータユニットが無効であることを示している。
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1355456号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
いずれにせよ、対応する有効性ビットが未だに1である無効なデータユニット、が送信されることを防止するために、再書き込みおよび後続の送信の前に、データ伝送ブロックの全有効性ビットを削除する必要がある。
【0011】
送信の前に適時に、削除する必要がある有効性ビットを削除し得なかった場合には、特に、受信側で問題が発生する可能性がある。この場合、受信側で、検出不可能なエラーが生じうる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
特許請求の範囲に記載の請求項1の特徴を有する、データ伝送ブロックを送信するための本発明にかかる方法、および、特許請求の範囲に記載の請求項8の特徴を有する、データ伝送ブロックを伝送するための本発明にかかる方法、または、請求項10の特徴を有する、データ伝送ブロックを伝送するための本発明にかかるシステムは、各従来の有効性ビットの削除を行なわないことが可能である、という利点を有している。
【0013】
本発明によれば、コストが掛かる、有効性ビットの削除の検証も実行される必要がない。
【0014】
さらに、本発明によれば、受信されたデータ伝送ブロックのデータユニットが、有効なデータを有するのか、または無効なデータを有するのかについてのより確実な立証が、常に受信側で行なわれうる。
【0015】
本発明の基礎を成す構想は、基本的には、所定のデータユニットのために有効性検証データをそれぞれ設けることにある。所定のデータユニットは、その意味、信頼性への関連性等に基づいて、有効性が示される。その際、有効性検証データは、特に対応するデータユニットの再書き込み工程の後の有効性検証データの変更、を示す履歴情報を含んでいる。
【0016】
本発明によれば、有効性検証データの実施形態として、トグルビットまたはNビットカウンタが提示される。双方は、対応するデータユニットの有効性情報の他に、履歴情報も提供することに適している。
【0017】
これに基づいて、データ伝送ブロックの送信方法が提案される。その際、前記伝送ブロックは、有効性が示されることを特徴とする1つまたは複数の所定数のデータユニット、を有する、少なくとも1つのデータセグメントと、ヘッダセグメントと、を有し、その際、送信方法は、
a)出力レジスタの、データセグメントのための所定の第1領域へと、データユニットを書き込む工程であって、第1領域より、一時格納されたデータ伝送ブロックは、所定の送信時点に時分割多重方式によってバスシステムを介して送信される、書き込み工程と、
b)出力レジスタの、ヘッダセグメントのための所定の第2領域へと、トグルビットまたはNビットカウンタとして構成されている有効性検証データを書き込む工程であって、その際、各有効性検証データは、対応する書き込まれたデータユニットの有効性を示し、その際、ヘッダセグメントは、例えば、FlexRayフレームのペイロード領域および/またはヘッダ領域に配置されうる、書き込み工程と、
c)各データユニットと、対応する有効性検証データとが出力レジスタに書き込まれた後に、出力レジスタに一時格納されたデータ伝送ブロックを送信可能とする工程と、
d)所定数のデータユニットと、対応する有効性検証データとが書き込まれるまで、または、所定の時点に達するまで、工程(a)〜(c)を繰り返す工程と、
e)送信可能となった、出力レジスタに一時格納されたデータ伝送ブロック、を送信時点に送信する工程と、を含む。
【0018】
さらに、データ伝送ブロックの送信方法であって、
−データ伝送ブロックを送信するための上記の方法に基づいて、第1送受信装置を用いて伝送ブロックを送信する工程と、
−送信されたデータ伝送ブロックを第2送受信装置によって受信する工程であって、第2送受信装置は、バスシステムにより第1送受信装置と結合されている、送信されたデータ伝送ブロックを第2送受信装置によって受信する工程と、
−受信されたデータ伝送ブロックに含まれる有効性検証データを検証する工程と、
−第2送受信装置によって、付属する有効性検証データが有効なデータユニットを抽出し、格納し、かつ、付属する有効性検証データが無効なデータユニットを破棄する工程と、
を含む、データ伝送ブロックの送信方法、が提案される。
【0019】
特許請求の範囲に記載の請求項1または請求項8に示される方法、および、特許請求の範囲に記載の請求項10に示される、データ伝送ブロックを送信するまたは伝送するためのシステムの好適な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0020】
本発明の好適な実施形態によれば、データ伝送ブロックは、チェックサム・セグメントを有し、その際、チェックサムは、データセグメントおよび/またはヘッダセグメントの少なくとも1つの所定の構成要素を介して計算され、計算されたチェックサムは、出力一時記憶装置の、チェックサム・セグメントのための所定の第3領域に格納される。チェックサムは、例えば、CRCチェックサム(CRC:Cyclic Redundancy Check)に相当する。CRCチェックサムは、特にエラー検出の際に使用される。理論的には、エラー訂正のためにも役立つ。いずれにせよ、FlexRayプロトコルの場合、ハミング距離が、そのためには通常十分ではなく、それに掛かるコストも非常に高い。
【0021】
本発明の好適な実施形態に基づいて、バスシステムはFlexRayバスシステムとして構成されている。
【0022】
更なる別の好適な実施形態によれば、有効性検証データは、トグルビットとして構成されており、その際、各トグルビットは、対応するデータユニットの書き込みごとに切り替えられる。トグルビットは、すなわち、各書き込み工程の後に、値0へ、その後値1へと交互に設定される。従って、値0および値1も、交互に有効であるとして解釈される。結果的に、トグルビットの意味は、周期的に反転される。有利に、トグルビットの実施形態によって、書き込まれた対応するデータユニットに依存せず比較的長い期間の間有効性検証データが所定の値をとるようなエラー、が検出されうる。
【0023】
更なる別の好適な実施形態によれば、有効性検証データは、Nビットカウンタとして構成されており、その際、各Nビットカウンタは、対応するデータユニットの書き込みごとに所定のカウンタ領域ずつ増分される、または減分される。Nビットによって生じるリダンダンシーの結果、信頼性がより高められる。例えば、8ビットカウンタの場合、信頼性が約250倍高められる。特に、各Nビットカウンタは、対応するデータユニットの書き込みごとに1つずつ増分される、または減分される。
【0024】
更なる別の好適な実施形態によれば、異なるデータユニットのためのNビットカウンタは、異なる初期値によりそれぞれ初期化される。従って、異なるNビットカウンタは、良好に互いに区別可能である。
【0025】
更なる別の好適な実施形態によれば、有効性検証データは、Nビットカウンタとして構成されており、各Nビットカウンタは、対応するデータユニットの書き込みごとに、第1送受信装置により、所定のカウンタ領域ずつ増分され、または減分され、Nビットカウンタの各カウンタ値が、第2送受信装置の記憶装置によって格納される。従って、有利に、第1送受信装置により送信されたデータブロックを受信する第2送受信装置が、Nビットカウンタの各実際の値と、Nビットカウンタの以前の値とを比較し、Nビットカウンタの潜在的な変更を確認する。
【0026】
更なる別の好適な実施形態によれば、第2送受信装置は記憶装置を有し、記憶装置は、Nビットカウンタとして構成された有効性検証データの各カウンタ値を格納することに適している。
【0027】
更なる別の好適な実施形態によれば、システムは、FlexRayバスとして構成され、第1送受信装置および/または第2送受信装置は、FlexRay通信制御装置を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図では、同一の構成要素、または機能的に同一の構成要素に、同一の符号を付す。
【0029】
図1において、データ伝送ブロックDBを送信するための本発明にかかる方法の第1実施形態のフローチャートが示されている。データ伝送ブロックDBは、有効性が示されることを特徴とする1つまたは複数の所定数のデータユニットDE1〜DEnを有する、少なくとも1つのデータセグメントDSと、ヘッダセグメントKSと、を有している(図2参照)。
【0030】
以下では、本発明に基づく方法が、図1の構成図を用いて、図2に基づきデータ伝送ブロックDBのフォーマットの構成図を参照しながら、および、図4に基づきシステムの構成図を参照しながら記載される。図1に基づく本発明にかかる方法の第1実施形態は、以下の工程段階S1〜S5を含んでいる。
【0031】
工程段階S1:
データユニットDE1〜DEnは、出力一時記憶装置Aの、データセグメントDSのための所定の第1領域A1へと書き込まれる。第一領域A1から、一時格納された伝送ブロックDBが、時分割多重方式によって、所定の時点にバスシステム1を介して送信される。データ伝送ブロックDBは、有効性が示されることを特徴とする1つまたは複数の所定数のデータユニットの他に、防護されていない他のデータユニットも含んでいる。特に、バスシステム1は、FlexRayバスシステムに相当する。
【0032】
工程段階S2:
トグルビットまたはNビットカウンタとして構成されている有効性検証データG1〜Gnが、出力一時記憶装置Aの、ヘッダセグメントKSのための所定の第2領域A2へと書き込まれる。その際、各有効性検証データG1〜Gnは、対応する書き込まれたデータユニットDE1〜DEnの有効性を示している。
【0033】
本発明の第1の代替例によれば、有効性検証データG1〜Gnは、トグルビットとして構成されうる。その際、各トグルビットは、対応するデータユニットDE1〜DEnが書き込まれるごとに切り替えられる。本発明の第2の選択例として、有効性検証データG1〜Gnは、Nビットカウンタとして構成されうる。その際、各Nビットカウンタは、対応するデータユニットDE1〜DEnが書き込まれるごとに、所定のカウンタ領域ずつ増分される、または減分される。
【0034】
特に、異なるデータユニットDE1〜DEnのためのNビットカウンタは、区別出来るように異なる初期値で初期化される。特に、各Nビットカウンタは、対応するデータユニットDE1〜DEnが書き込まれるごとに1つずつ増分される、または減分される。
【0035】
工程段階S3:
各データユニットDE1〜DEn、および対応する有効性検証データG1〜Gnが出力一時記憶装置Aに書き込まれた後に、出力一時記憶装置Aに一時格納されたデータ伝送ブロックDBは、送信可能となる。
【0036】
工程段階S4:
所定数のデータユニットDE1〜DEnと、対応する有効性検証データG1〜Gnとが書き込まれるまで、または、時分割多重方式により定義されている所定の時点に達するまで、工程段階S1〜S3が繰り返される。
【0037】
工程段階S5:
送信可能となった、出力一時記憶装置Aに一時格納されたデータ伝送ブロックDBは、送信時点にバスシステム1を介して送信される。
【0038】
図3では、本発明にかかる方法の第2実施形態のフローチャートが示されている。図3による第2実施形態は、工程段階S1〜S8を有する。その際、図3に基づく工程段階S1〜S5は、図1に基づく工程段階S1〜S5に対応する。理解し易くするために、それの(図1による工程段階S1〜S5の)新たな記載は行なわない。図3に基づく本発明にかかる方法の第2実施形態は、すなわち、図1に関連して既に詳細に解説されている工程段階S1〜S5を有し、さらに、以下の工程段階S6〜S7を有している。
【0039】
工程段階S6:
第1送受信装置2により送信されるデータ伝送ブロックDBは、第2送受信装置3によって受信される。そのために、第1送受信装置2は、バスシステム1によって第2送受信装置3と結合されている。
【0040】
工程段階S7:
受信されたデータ伝送ブロックDBを含む有効性検証データG1〜Gn、の有効性が検証される。
【0041】
工程段階S8:
付属する有効性検証データG1〜Gnが有効なデータユニットDE1〜DEnが抽出され、格納される。付属する有効性検証データG1〜Gnが無効なデータユニットDE1〜DEnは、特に破棄される。
【0042】
特に、有効性検証データG1〜GnがNビットカウンタとして構成されている場合に、各Nビットカウンタは、対応するデータユニットDE1〜DEnが書き込まれるごとに、第1送受信装置2によって所定のカウンタ領域ずつ増分される、または代替的に減分される。さらに、Nビットカウンタの各カウンタ値は、第2送受信装置3の記憶装置4によって格納される。
【0043】
図4は、有効性が示されることを特徴とする1つまたは複数の所定数のデータユニットDE1〜DEnを有する、少なくとも1つのデータセグメントDSnと、ヘッダセグメントKSと、を有するデータ伝送ブロックDB、を伝送するためのシステムの好適な実施形態の構成図を示している。図4に基づくシステムは、バスシステム1を介して互いに結合されている所定数の送受信装置2、3を有する。一般性を限定することなく、図4には、第1送受信装置2、および第2送受信装置3が図示されている。
【0044】
第1送受信装置2は、図1に対して記載されたように、データ伝送ブロックの送信方法を実行することに適している。
【0045】
第2送受信装置3は、少なくとも、第1手段、第2手段、および、第3手段を有している。第1手段は、第1送受信装置2より送信されたデータ伝送ブロックDBを受信することに適している。第2手段は、受信されたデータ伝送ブロックDBに含まれる有効性検証データG1〜Gnを検証することに適している。さらに、第3手段は、付属する有効性検証データG1〜Dnが有効なデータユニットDE1〜DEn、を抽出し、格納し、かつ特に、付属する有効性検証データが無効なデータユニットDE1〜DEnを破棄することに適している。
【0046】
特に、第2送受信装置3は、記憶装置4を有している。記憶装置4は、Nビットカウンタとして構成されている有効性検証データG1〜Gnのカウンタ値Z1〜Znを格納することに適している。従って、第2送受信装置3は、目下受信されたデータユニットDE1〜DEnの、各Nビットカウンタの各カウンタ値Z1〜Znと、以前に受信されたデータユニットDE1〜DEnのNビットカウンタとを比較することが可能になる。
【0047】
特に、第1送受信装置2および第2送受信装置3は、FlexRay通信制御装置5、6を有する。第1FlexRay通信制御装置5は、特に、出力一時記憶装置Aと、特に各カウンタ値Z1〜Znを一時格納する第2記憶装置7とを制御することに適している。第2FlexRay通信制御装置6は、特に、入力一時記憶装置Bと、記憶装置4とを制御することに適している。
【0048】
本発明は上述のとおり好適な実施形態により記載されたが、本発明はそれ(好適な実施形態)に限定されず、多様な形態で修正可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
本発明の実施形態は、添付の図に示されており、以下の明細書でより詳細に記述される。
【図1】本発明にかかる方法の第1実施形態のフローチャートを示す。
【図2】本発明にかかるデータ伝送ブロックのフォーマットの好適な実施形態の構成図を示す。
【図3】本発明にかかる方法の第2実施形態のフローチャートを示す。
【図4】本発明にかかるデータ伝送ブロックを伝送するためのシステムの好適な実施形態の構成図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ伝送ブロック(DB)の送信方法であって、前記伝送ブロック(DS)は、有効性が示されることを特徴とする1つのまたは複数の所定数のデータユニット(DE1〜DEn)を有する、少なくとも1つのデータセグメント(DS)と、ヘッダセグメント(KS)と、を有する、送信方法において、
a)出力レジスタ(A)の、前記データセグメント(DS)のための所定の第1領域(A1)へと、データユニット(DE1〜DEn)を書き込む工程であって、前記第1領域(A1)より、一時格納された前記データ伝送ブロック(DB)が、所定の送信時点に時分割多重方式によってバスシステム(1)を介して送信される、書き込み工程と、
b)前記出力レジスタ(A)の、前記ヘッダセグメント(KS)のための所定の第2領域(A2)へと、トグルビットまたはNビットカウンタとして構成されている有効性検証データ(G1〜Gn)を書き込む工程であって、その際、前記各有効性検証データ(G1〜Gn)は、対応する書き込まれたデータユニット(DE1〜DEn)の有効性を示す、書き込み工程と、
c)各前記データユニット(DE1〜DEn)と、対応する前記有効性検証データ(G1〜Gn)とが前記出力レジスタ(A)に書き込まれた後に、前記出力レジスタ(A)に一時格納されたデータ伝送ブロック(DB)を送信可能とする工程と、
d)所定数の前記データユニット(DE1〜DEn)と、対応する前記有効性検証データ(G1〜Gn)とが書き込まれるまで、または、所定の時点に達するまで、工程(a)〜(c)を繰り返す工程と、
e)送信可能となった、前記出力レジスタ(A)に一時格納されたデータ伝送ブロック(DB)、を送信時点に送信する工程と、
を含む、データ伝送ブロック(DB)の送信方法。
【請求項2】
前記データ伝送ブロック(DB)は、チェックサム・セグメント(PS)を有し、その際、チェックサム(PS1〜PS3)は、前記データセグメント(DS)および/または前記ヘッダセグメント(KS)の少なくとも1つの所定の構成要素を介して計算され、計算されたチェックサム(PS1〜PS3)は、前記出力レジスタ(A)の、前記チェックサム・セグメント(PS)のための所定の第3領域(A3)に格納される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バスシステム(1)は、FlexRayバスシステムとして構成されている、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記有効性検証データ(G1〜Gn)は、前記トグルビットとして構成されており、その際、各前記トグルビットは、対応する前記データユニット(DE1〜DEn)の書き込みごとに切り替えられる、請求項1に記載の方法、または、請求項2もしくは請求項3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記有効性検証データ(G1〜Gn)は、前記Nビットカウンタとして構成されており、その際、各前記Nビットカウンタは、対応する前記データユニット(DE1〜DEn)の書き込みごとに所定のカウンタ範囲ずつ増分される、または減分される、請求項1に記載の方法、または、請求項2もしくは請求項3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
異なるデータユニット(DE1〜DEn)のための複数の前記Nビットカウンタは、異なる初期値によりそれぞれ初期化される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
各前記Nビットカウンタは、対応する前記データユニット(DE1〜DEn)の書き込みごとに1ずつ増分される、または減分される、請求項5または請求項6に記載の方法。
【請求項8】
データ伝送ブロック(DB)の伝送方法であって、
a)請求項1に記載の方法、または、請求項2〜7のいずれか、もしくは、請求項2〜7のいくつかに記載の方法に基づいて、第1送受信装置(2)により伝送ブロック(DB)を送信する工程と、
b)送信された前記データ伝送ブロック(DB)を第2送受信装置(3)によって受信する工程であって、前記第2送受信装置(3)は、前記バスシステム(1)により前記第1送受信装置(2)と結合されている、送信されたデータ伝送ブロック(DB)を第2送受信装置(3)によって受信する工程と、
c)受信された前記データ伝送ブロック(DB)に含まれる有効性検証データ(G1〜Gn)を検証する工程と、
d)前記第2送受信装置(3)によって、付属する前記有効性検証データ(G1〜Gn)が有効な前記データユニット(DE1〜DEn)を抽出し、格納し、かつ、付属する前記有効性検証データ(G1〜Gn)が無効なデータユニット(DE1〜DEn)を破棄する工程と、
を含む、データ伝送ブロック(DB)の伝送方法。
【請求項9】
前記有効性検証データ(G1〜Gn)は、前記Nビットカウンタとして構成されており、その際、各前記Nビットカウンタは、対応する前記データユニット(DE1〜DEn)の書き込みごとに、前記第1送受信装置(2)によって、所定のカウンタ領域ずつ増分され、または減分され、前記Nビットカウンタの各カウンタ値が、前記第2送受信装置(3)の記憶装置(4)によって格納される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
データ伝送ブロック(DB)を伝送するシステムであって、前記データブロック(DB)は、有効性が示されることを特徴とする1つまたは複数の所定数のデータユニット(DE1〜DEn)を有する、少なくとも1つのデータセグメント(DS)と、ヘッダセグメント(KS)と、を有する、システムにおいて、
a)請求項1、または、請求項2〜7のいずれか、もしくは、請求項2〜7のいくつかに記載の、データ伝送ブロック(DB)の送信方法を実行することに適している、第1送受信装置(2)と、
b)前記第1送受信装置(2)と前記第2送受信装置(3)とを結合するバスシステム(1)と、
c)前記第2送受信装置(3)であって、
(c1)前記第1送受信装置(2)により送信されたデータ伝送ブロック(DB)を受信する第1手段と、
(c2)受信されたデータ伝送ブロック(DB)に含まれる有効性検証データ(G1〜Gn)を検証する第2手段と、
(c3)付属する有効性検証データ(G1〜Gn)が有効な前記データユニット(DE1〜DEn)、を抽出し、格納し、かつ、付属する前記有効性検証データ(G1〜Gn)が無効なデータユニット(DE1〜DEn)、を破棄するために適した第3手段と、
を有する、第2送受信装置(3)と、
を備えるシステム。
【請求項11】
前記第2送受信装置(3)は、記憶装置(4)を有し、前記記憶装置(4)は、Nビットカウンタとして構成された有効性検証データ(G1〜Gn)の各カウンタ値(Z1−Zn)を格納することに適している、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記バスシステム(1)は、FlexRayバスとして構成され、前記第1送受信装置(2)および/または第2送受信装置(3)は、FlexRay通信制御装置(5、6)を有する、請求項10または請求項11に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−508683(P2010−508683A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533771(P2009−533771)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【国際出願番号】PCT/EP2007/060144
【国際公開番号】WO2008/052849
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(501125231)ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (329)
【Fターム(参考)】