説明

データ入力方法

【課題】
現在の係員操作型端末では、入力するものの「ひながた」があり、この「ひながた」の順に従わない入力については、端末の操作者がどの正規化データの項目に入力すればよいのかを判断しなければならない。
また、検索キーワードが複数のデータベースに跨る場合にはこれに対応することができない。
【解決手段】
入力画面の会話入力エリアには旅客との会話内容をそのまま入力し、システム内で自動的にマスタデータベースの検索を行い、システム毎に決められた正規化データが登録する。
マスタデータベースを検索する際には、接頭辞や接尾辞に基づき、どのデータベースを検索対象とするのかの判定を行う。この判定に基づき、検索対象のデータベースを検索する。ここで、判定の結果、対象データが複数のデータベースに存在する可能性がある場合には両方のデータベースを検索対象として検索を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
旅客からの情報を入力し、規定のフォーマットの要件で情報を整理し上位システムに送信する入力型端末におけるデータ入力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
駅窓口でのチケット発券において、チケット発券に必要な情報を駅係員と旅客の会話内容から取得する会話型の入力型端末装置がある。このような入力型端末装置では、入力するものの「ひながた」(鉄道系端末を例に取ると例えば“指定券発売”メニューなど)を最初に選択し、その内容について、駅係員が入力を行う。
【0003】
また、入力された文章を解析する技術として、助詞と組み合わせた漢字変換の技術がある。これは、複数の変換候補がある場合に、助詞と単語のペアを持った用例辞書を用いて、漢字とその直前の助詞の組み合わせを検索キーワードとして検索し、正しい候補を選択する仕組みである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−282316
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在の係員操作型端末では、入力するものの「ひながた」があり、旅客にも「ひながた」に規定されている正規化データの順に沿って内容を伺う必要がある。しかし、「ひながた」の正規化データの順と会話の流れは一致しないことが多い。このような場合、端末の操作者は会話で得たデータをどの正規化データの項目に入力すればよいのかを判断しなければならない。このような判断を、旅客との会話のタイミングで瞬時に行うことは困難であった。そのため、旅客から得た情報を即座に入力することができず、突然の会話の変更に対応することができない。
【0006】
また、特許文献1では、助詞と単語のペアを持った用例辞書を用いて正しい変換候補を選択することが可能であるが、検索キーワードが複数のデータベースに跨る場合にはこれに対応することができない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、旅客との会話の流れを止めることなく、会話の流れに沿った入力を可能とするマンマシンインタフェースを提供するものである。
【0008】
入力画面の会話入力エリアには旅客との会話内容をそのまま入力し、システム内でマスタデータベースの検索を行い、システム毎に決められた正規化データが登録される。
【0009】
マスタデータベースを検索する際には、接頭辞や接尾辞に基づき、どのデータベースを検索対象とするのかの判定を行う。この判定に基づき、検索対象のデータベースを検索する。ここで、判定の結果、対象データが複数のデータベースに存在する可能性がある場合には両方のデータベースを検索対象として検索を行う。
【0010】
検索により得られたデータから正規化データを作成し、上位システムに送信する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、入力を受け付けるシステム毎に決められた「ひながた」に規定された正規化データの順を意識することなく、会話入力から情報をその都度入力することで正規化データを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】機能ブロック構成図の例
【図2】マンマシンインタフェースの例
【図3】マスタデータベースのデータ例
【図4】システム情報領域 格納エリアコードの付与例
【図5】キーワードデータベースのデータ例
【図6】マスタ管理データベースのデータ例
【図7】処理フローチャートの例
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は本実施形態の入出力端末装置(以下端末という)を表すハードウエア構成図及び機能ブロック構成図である。
【0014】
端末は、入出力を行う端末入力部と、入力情報を元にした各種データベースの検索、および検索結果から得られた情報の定義された領域への格納を行う制御処理部と、各種マスタデータを保持する記憶部を備える。なお、端末入出力部の先には、チケット発券装置、予約システム等の上位システムが接続されている。
【0015】
101は端末入出力部からの入力情報であり、入力情報はシステムデータマッピング手段103により処理される。尚、入力方法については特に限定せず、例えば入出力端末装置に接続したキーボードからの入力でも良いし、音声認識による入力としても良い。出力情報102はチケット発券装置等へ送信される、チケット発券等に供するシステム情報であり、システムマッピング手段103により、決定されたエリアへ格納される。
【0016】
103はシステムデータマッピング手段であり、端末からの入力情報を元に、各データベース検索手段(104から106)を用いてシステム情報の検索を行い、検索結果から上位システムへ送信するデータとしてシステム情報および格納エリアの決定を行い、システム情報を格納エリアに格納する機能を有する。
また検索の結果、入力データがヒットしない場合や、格納エリアを係員に選択させる必要がある場合などには、その旨の警告メッセージを端末表示に表示する機能を有する。
【0017】
104はキーワードデータベース検索手段であり、入力内容に含まれる特徴的なキーワード(例えば開始日付や出発場所などに付加される“から”や、終了日付や到着場所などに付加される“まで”など)を抽出し、検索対象となるマスタデータベースと格納エリアコードの候補を絞り込む機能を有する。ここで、入力情報からキーワード部分を除外したデータがシステム情報となる。
【0018】
105はマスタデータベース検索手段であり、入力情報について各マスタデータベースに対する検索機能を有する。尚、キーワードデータベース検索手段104により検索対象となるマスタデータベースの絞込みが行われている場合には、対象のマスタデータベースについてのみ検索を行う。106はマスタ管理データベース検索手段であり、各マスタデータベースが保持する特徴、例えば格納エリアコード候補やデータベースサイズ等についての検索機能を有する。107〜113については各種データベースであり、データ構造の例については後述する。
114は格納エリアコード情報であり、最終的に上位システムへ送信するシステム情報の各項目について付与されたエリアコードを定義したファイルである。
【0019】
図2は端末に表示するマンマシンインタフェースの例である。旅客との会話内容は会話入力領域201に入力される。入力方法については特に限定せず、例えばキーボードからの入力でも良いし、音声認識による入力としても良い。会話入力領域201には区切りを設け、入力された情報はシステムデータマッピング手段103によりシステム情報として処理生成され、システム情報領域202にマッピングされ、上位システムに送信される。
尚、入力内容に含まれる特徴的なキーワード(例えば開始日付や出発場所などに付加される“から”や、終了日付や到着場所などに付加される“まで”など)の例について図中に網掛けを施す。
【0020】
図3は各マスタデータベース(108〜112)のデータ構造例である。日付マスタ(108)は通常のカレンダー情報を保持する。駅マスタ(109)は、駅コードと駅名情報が関連付けされたテーブル情報を保持する。人数マスタ(110)は、人数コードと人数情報が関連付けされたテーブル情報を保持する。列車マスタ(111)は、列車コードと列車情報が関連付けされたテーブル情報を保持する。設備マスタ(112)は、設備コードと設備情報が関連付けされたテーブル情報を保持する。
【0021】
図4は格納エリアコード情報の例であり、202に示すシステム情報領域の各項目について付与されたエリアコードを定義ファイルとして保持する。
【0022】
図5はキーワードデータベース107のデータ構造例である。入力データに含まれるキーワードと検索対象とするマスタデータベース、および関連する格納エリアコードが関連付けされたテーブル情報を保持する。
【0023】
図6はマスタ管理データベース113のデータ構造例である。各マスタデータベース(108〜112)と当マスタに関連する格納エリアコード、および当マスタのデータベースサイズが関連付けされたテーブル情報を保持する。
【0024】
図7は本発明の処理フローチャートの例である。係員は旅客との会話内容を元に端末入出力部の会話入力領域201にデータを入力する(701)。端末入出力部が受け付けた入力データ101はシステムデータマッピング手段103へと受け渡され、キーワードデータベース検索手段104を使用して、入力情報からキーワードを抽出し、キーワードデータベース107に当該キーワードがあるかどうかを検索する(702)。
【0025】
まずはキーワードがヒットした場合(7Y1)の処理について述べる。ヒットしたキーワードについて、キーワードデータベース107のテーブルに記録されている検索対象マスタデータベース、格納エリアコード候補1を、システムデータマッピング手段103のメモリに一時記憶する(703、704)。システムデータマッピング手段103は、一時記憶した検索対象マスタデータベース情報、およびマスタデータベース検索手段105を使用して対象のマスタデータベース(107〜112のうちの対象のデータベース)を検索する(705)。ヒットした場合(7Y2)には、ヒットしたマスタデータベースをシステムデータマッピング手段103のメモリに一時記憶する(706)。ヒットしなかった場合(7Y2)には、例えば「マスターデータ無し」等の警告を端末画面に表示する(715)。システムデータマッピング手段103は、一時記憶したマスタデータベース、およびマスタ管理データベース検索手段106を使用してマスタ管理データベース113の検索を行い(707)、マスタ管理データベース113のテーブル内に定義された格納エリアコード候補2を一時記憶する(708)。システムデータマッピング手段103は、一時記憶した格納エリアコード候補1および格納エリアコード候補2のAND条件から格納エリアコードを決定し(709)、入力データのうち、キーワードを除いたメインワード(システム情報)を決定した格納エリアコードが定義するシステム情報エリアに格納する(710)。
【0026】
次に、システムデータマッピング手段103が、キーワードデータベース検索手段104を使用して、キーワードデータベース107の検索を行った際に、キーワードがヒットしなかった場合(7N1)について述べる。システムデータマッピング手段103は、マスタ管理データベース検索手段106を使用してマスタ管理データベース113の検索を行い(711)、データベースサイズの小さい順にマスタデータベース、および格納エリアコード2を一時記憶する(712、713)。システムデータマッピング手段103は一時記憶した順序に従い、マスタデータベース検索手段105を使用して、サイズの小さい方からマスタデータベース(108〜112)の検索を行う(714)。検索データがヒットした場合(7Y3)、マスタデータベースに付随する格納エリアコード2の数が1つであれば(7Y4)当該の格納エリアコードに入力データを格納する(716)。
【0027】
そして、格納エリアコードに格納された入力データは、入出力部を通して上位システムに送られる。
【0028】
ここで、マスタデータベースに付随する格納エリアコード2の数が複数あれば(7N4)、例えば「格納エリアを選択して下さい」などの選択を促すメッセージを端末画面に表示する(715)。また、システムデータマッピング手段103がサイズの小さい方からマスタデータベース(108〜112)の検索を行った結果、検索データがヒットしなかった場合(7N3)には、例えば「マスタデータ無し」等の警告を端末画面に表示する。
【0029】
本実施例によれば、入力を受け付けるシステム毎に決められた「ひながた」に規定された正規化データの順を意識することなく、会話入力から情報をその都度入力することで正規化データを作成することができる。そのため、会話の流れに沿った入力インタフェースとなり、旅客は会話のリズムを阻害されず、思考を停止することなくスムーズに要求を係員に伝えることが可能となる。係員は旅客との会話の内容をダイレクトにシステムへ入力すればよく、係員の頭の中で旅客の要望事項をシステムに即した情報へ変換するなどの思考が不要となり、係員への負荷を軽減することができる。
【符号の説明】
【0030】
101 入力情報
102 出力情報
103 システムデータマッピング手段
104 キーワードデータベース検索手段
105 マスタデータベース検索手段
106 マスタ管理データベース検索手段
107 キーワードデータベース
108 日付マスタ
109 駅マスタ
110 人数マスタ
111 列車マスタ
112 設備マスタ
113 マスタ管理データベース
114 格納エリアコード情報
201 会話入力領域
202 システム情報領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チケット発券装置へチケット発券情報を出力するデータ入力端末装置におけるデータ入出力方法において、
データ入力端末装置の入出力装置により、入力情報を受け付けるステップと、
当該入力情報にチケット発券情報に関するシステム情報と当該システム情報に付随したキーワード情報とが含まれる場合、データ入力端末装置の制御処理装置により、当該キーワード情報に基づき当該キーワード情報に関連付いたマスタデータベースを識別する情報をキーワードデータベースから抽出するステップと、
当該抽出した識別子のマスタデータベースから前記システム情報を検索するステップと、
前記マスタデータベースの検索の結果、マスタデータベースから前記入力されたシステム情報と同じ情報が検出された場合、前記制御処理装置により、当該システム情報が検出されたマスタデータベースを特定するステップと、
前記制御処理装置により、前記特定したマスタデータベースに関連付けられた格納先情報である格納エリアコードをマスタ管理データベースより抽出するステップと、
前記制御処理装置により、前記抽出された格納エリアコードが示す場所に前記入力されたシステム情報を格納するステップと、
前記入出力装置により、前記格納されたシステム情報を出力するステップと、
を有することを特徴とするデータ入出力方法。
【請求項2】
前記格納エリアコードをマスタ管理データベースより抽出するステップにおいて複数の格納エリアコードが抽出された場合、当該複数の格納エリアコードと、前記キーワードデータベースに含まれる前記入力されたキーワードに対応する格納エリアコードと、から格納エリアコードを特定するステップを更に有することを特徴とする請求項1に記載のデータ入出力方法。
【請求項3】
前記格納エリアコードを特定するステップは、
前記マスタ管理データベースより抽出された前記格納エリアコードと、前記キーワードデータベースに含まれる前記複数の格納エリアコードのうち、重複する格納エリアコードを格納先の格納エリアコードとして抽出することを特徴とする請求項2に記載のデータ入出力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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