説明

データ入力装置、方法、及びプログラム

【課題】データ入力の利便性を向上させる技術を提供する。
【解決手段】データ入力装置10は、ユーザから変換元データの入力を受け付ける入力データ受付部31と、受け付けた変換元データが、変換元データと変換先データとを対応付けて保持した辞書保持部33に登録されているか否かを検索し、登録されていれば、変換元データを対応する変換先データに変換する変換部35と、特定の文字列を受け付けたときに、辞書に登録されている変換先データの一覧を提示する候補提示部34と、を備え、変換部35は、特定の文字列に続いて入力データ受付部31が受け付けたデータを辞書に前方一致で検索し、辞書に変換元データとして登録されていない場合は、変換先データの一覧から削除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ入力技術に関し、特に、ユーザから受け付けたデータを他のデータに変換して入力するデータ入力装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
日本語の文字列を入力する際に、ユーザが入力した読みを漢字に変換して入力するプログラムが広く利用されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−139402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願人は、文章を入力する際の利便性を向上させるために、さまざまな機能の開発を進めてきた。そして、より簡便な操作で容易に所望の変換候補を選択することが可能なユーザインタフェイスの提供を開発するに至った。
【0004】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、データ入力の利便性を向上させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様は、データ入力装置に関する。このデータ入力装置は、変換元データと変換先データとを対応付けて保持した変換データベースと、ユーザから変換元データの入力を受け付ける入力データ受付部と、前記入力データ受付部が、特定のデータの入力を受け付けたときに、前記データベースに登録されている前記変換先データの一覧を提示する候補提示部と、前記変換先データの一覧の中から、前記特定のデータに続いて前記入力データ受付部が受け付けたデータに前方一致しない変換元データに対応する変換先データを一覧から削除する検索部と、前記変換先データの一覧の中からユーザにより選択された変換先データを出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
前記候補提示部は、前記入力データ受付部が特定のデータに続いて所定の長さのデータを受け付けてから前記変換先データの一覧を提示してもよく、前記検索部は、前記候補提示部が前記変換先データの一覧を提示するときに、前記特定のデータに続いて前記入力データ受付部が受け付けたデータに前方一致しない変換元データに対応する変換先データを予め一覧から削除しておいてもよい。
【0007】
前記特定のデータ又は前記所定の長さは、ユーザにより設定可能であってもよい。
【0008】
前記検索部は、前記入力データ受付部が一文字のデータを受け付けるたびに、前記変換先データの一覧の中から、前記特定のデータに続いて前記入力データ受付部がそれまでに受け付けたデータに前方一致しない変換元データに対応する変換先データを一覧から削除してもよい。
【0009】
前記検索部は、前記入力データ受付部が所定の文字数のデータ又は特定のデータの入力を受け付けたとき、又は、所定の時間ユーザからの入力がないときに、前記変換先データの一覧の中から、前記特定のデータに続いて前記入力データ受付部がそれまでに受け付けたデータに前方一致しない変換元データに対応する変換先データを一覧から削除してもよい。
【0010】
本発明の別の態様は、データ入力方法に関する。このデータ入力方法は、ユーザから変換元データの入力を受け付けるステップと、特定のデータの入力を受け付けたときに、変換元データと変換先データとを対応付けて保持した変換データベースに登録されている前記変換先データの一覧を提示するステップと、前記変換先データの一覧の中から、前記特定のデータに続いて受け付けたデータに前方一致しない変換元データに対応する変換先データを一覧から削除するステップと、前記変換先データの一覧の中からユーザにより選択された変換先データを出力するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0011】
本発明の更に別の態様は、データ入力装置に関する。このデータ入力装置は、変換元データと変換先データとを対応付けて保持した変換データベースと、ユーザから変換元データの入力を受け付ける入力データ受付部と、前記入力データ受付部が、特定のデータの入力を受け付けたときに、それまでに受け付けていた未確定のデータに一致する変換元データを前記変換データベースの中から検索する検索部と、前記変換データベースに、前記未確定のデータに一致する前記変換元データが登録されていれば、その変換元データに対応する変換先データを出力し、登録されていなければ、前記変換元データを変換せずにそのまま出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の更に別の態様は、データ入力装置に関する。このデータ入力装置は、変換元データと変換先データとを対応付けて保持した変換データベースと、ユーザから変換元データの入力を受け付ける入力データ受付部と、前記入力データ受付部が、所定長のデータを受け付けるごとに、それまでに受け付けていた未確定のデータに一致又は前方一致する変換元データを前記変換データベースから検索する検索部と、前記変換データベースに、前記未確定のデータに一致する変換元データが登録されていれば、その変換元データに対応する変換先データを出力し、前方一致する変換元データが登録されていれば、前記未確定のデータを未確定のまま残し、いずれも登録されていなければ、前記未確定のデータを変換せずにそのまま出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
データ入力装置は、前記変換データベースに、前記未確定のデータに一致する変換元データが登録されている場合に、その変換元データに対応する変換先データを出力するか、その変換元データを変換せずにそのまま出力するかを選択可能であってもよく、前記入力データ受付部は、変換元データに対応する変換先データを出力するか、変換元データを変換せずにそのまま出力するかが確定するまでは、次の変換元データの入力を受け付けなくてもよい。
【0014】
データ入力装置は、前記変換データベースに、前記未確定のデータに一致する変換元データが登録されている場合に、その変換元データに対応する変換先データが複数登録されているときには、それらの変換先データを提示する候補提示部を更に備えてもよく、前記入力データ受付部は、それらの変換先データのうちいずれを出力するかが確定するまでは、次の変換元データの入力を受け付けなくてもよい。
【0015】
本発明の更に別の態様は、データ入力方法に関する。このデータ入力方法は、ユーザから変換元データの入力を受け付けるステップと、特定のデータの入力を受け付けたときに、それまでに受け付けていた未確定のデータに一致する変換元データを、変換元データと変換先データとを対応付けて保持した変換データベースの中から検索するステップと、前記変換データベースに、前記未確定のデータに一致する前記変換元データが登録されていれば、その変換元データに対応する変換先データを出力し、登録されていなければ、前記変換元データを変換せずにそのまま出力するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0016】
本発明の更に別の態様は、データ入力方法に関する。このデータ入力方法は、ユーザから変換元データの入力を受け付けるステップと、所定長のデータを受け付けるごとに、それまでに受け付けていた未確定のデータに一致又は前方一致する変換元データを、変換元データと変換先データとを対応付けて保持した変換データベースから検索するステップと、前記変換データベースに、前記未確定のデータに一致する変換元データが登録されていれば、その変換元データに対応する変換先データを出力し、前方一致する変換元データが登録されていれば、前記未確定のデータを未確定のまま残し、いずれも登録されていなければ、前記未確定のデータを変換せずにそのまま出力するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0017】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、データ入力の利便性を向上させる技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、実施の形態に係るデータ入力装置10の構成を示す。データ入力装置10は、入力データ受付部31、未確定文字列保持部32、辞書保持部33、候補提示部34、検索部としても機能する変換部35、及び出力部36を含む。これらの構成は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0020】
辞書保持部33は、変換元文字列と変換先文字列とを対応づけた辞書を保持する。変換元文字列は、英数字、各種記号、ひらがななど、キーボードなどの入力装置20により入力可能な任意の文字の組合せであってもよい。変換先文字列は、漢字、ハングル文字などの一つ以上の言語の各種文字からなる文字列であってもよいし、XMLなどのマークアップ言語で記述されたフラグメントなどであってもよい。フラグメントは、例えば、XHTMLの<a>タグで記述されたリンクや、タグで記述された画像などであってもよい。
【0021】
図2は、辞書保持部33に保持された辞書データの例を示す。辞書データは、XMLにより記述されており、変換元文字列と変換先文字列のほかに、データ入力装置10の動作を設定するためのパラメータを含む。要素「preedit」は、未確定文字列の表示態様を設定するパラメータを記述する。図2の例では、下線を付すか否かを設定するための要素「underline」に「true」と記述されているので、下線を付す設定となっている。要素「chooser」は、変換先文字列の候補を提示する候補ウィンドウを提示するトリガとなる文字列を設定するためのパラメータを記述する。要素「suffix」は、後述するように、サフィックス方式において、候補ウィンドウを提示するトリガとなる文字列(サフィックス)を記述する。要素「prefix」は、後述するように、プレフィックス方式において、候補ウィンドウを提示するトリガとなる文字列(プレフィックス)を記述する。属性「delay」は、トリガとなる文字列を受け付けた後、さらに何文字の入力を受け付けてから候補ウィンドウを提示するかを記述する。
【0022】
要素「keywords」は、変換元文字列と変換先文字列とを、それぞれ対応づけて記述する要素「keyword」を含む。要素「keyword」は、属性「key」に変換元文字列を格納し、要素値に変換先文字列を格納する。また、属性「comment」に、候補ウィンドウに変換先文字列を提示する際の説明文を記述することができる。例えば、変換元文字列「Example」の変換先文字列として、ウェブページ例へのリンクを記述したXHTMLの<a>要素が記述されている。
【0023】
入力データ受付部31は、入力装置20から入力された文字データを受け付けると、未確定文字列保持部32に格納するとともに、図2に示した設定を参照して、必要であれば下線を付すなどして未確定文字列を表示する。変換部35は、未確定文字列保持部32に格納されている未確定文字列が、変換元文字列として辞書に登録されているか否かを検索し、辞書に登録されていれば、変換先文字列に変換して出力部36からアプリケーションへ出力し、辞書に登録されていなければ、変換せずに確定文字列として出力部36から出力する。
【0024】
本実施の形態では、データ入力装置10の動作モードとして、サフィックス方式とプレフィックス方式の2つのモードを設ける。
【0025】
まず、サフィックス方式におけるデータ入力装置10の動作について説明する。入力データ受付部31は、図2に示した設定を参照して、サフィックスの入力を受け付けると、変換部35へ通知する。変換部35は、それまでに入力されていた未確定文字列を未確定文字列保持部32から読み出し、その文字列が変換元文字列として辞書に登録されているか否かを完全一致で検索する。辞書に登録されていれば、変換部35は、変換先文字列を出力部36から出力する。辞書に登録されていなければ、変換部35は、未確定文字列を確定文字列として出力部36から出力する。辞書に登録されていない場合、最初の1文字を確定して、残りの文字列で再び辞書を検索し、再帰的に変換を行ってもよい。
【0026】
未確定文字列に対する変換先文字列が辞書に複数登録されている場合には、候補提示部34は、変換先文字列を選択するための候補ウィンドウを提示する。この場合、入力データ受付部31は、ユーザがいずれかの候補を選択して確定キーを押すか、バックスペースキーで未確定文字列を修正するか以外の動作は受け付けない。これにより、高速な打鍵によって意図しない変換先文字列が入力されてしまうのを防ぐことができる。変換部35は、変換先文字列の選択を受け付けると、選択された変換先文字列を出力部36から出力する。変換部35は、確定キー以外のキーであっても、変換先文字列の候補を選択するためのキー、例えばカーソルキー以外のキーが入力されれば、その時点で選択されている候補又は最上位に提示されている候補を確定文字列として出力するようにしてもよい。
【0027】
入力データ受付部31は、確定キー又はエスケープキーの入力を受け付けると、その時点までに未確定文字列保持部32に保持されていた未確定文字列を変換せずに確定文字列として出力部36から出力する。
【0028】
図2に示したように、スペースキーの他にも、「.」や「?」などのキーをサフィックスとして設定することができるので、例えば、各種言語において単語の切れ目となる文字をサフィックスとして設定しておけば、辞書に登録されていない文字列は途切れることなく高速に入力することができるとともに、辞書に登録されている文字列は適宜変換しながら入力することができる。
【0029】
つづいて、プレフィックス方式におけるデータ入力装置10の動作について説明する。未確定文字列保持部32に未確定文字列が格納されていない状態で、図2に示した設定においてプレフィックスとして指定された「;;」(セミコロン2個)の入力を受け付けると、候補提示部34は、辞書に登録されている全ての変換先文字列の一覧を候補ウィンドウに提示する。サフィックス方式の場合とは異なり、入力データ受付部31は、候補ウィンドウを提示している間も、続けて未確定文字列の入力を受け付ける。変換部35は、未確定文字列が入力されるたびに、それに前方一致する候補のみを候補ウィンドウに残し、それ以外の候補を候補ウィンドウから削除するよう候補提示部34に通知する。これにより、ユーザは、変換先文字列の候補を絞り込んでいくことができる。
【0030】
データ入力装置10は、プレフィックス方式の動作を行っている間は、サフィックス方式の動作を行わない。これにより、スペースなどのサフィックスで区切られた複数単語からなる変換先文字列の入力を受け付けて、変換先文字列へ変換することができる。
【0031】
なお、図2に示したように、プレフィックス「;;」では、属性「delay」が「0」と指定されていたので、プレフィックス「;;」の入力を受け付けるとすぐに、候補提示部34が候補ウィンドウを提示したが、プレフィックス「@@」では、属性「delay」が「2」と指定されているので、文字列「@@」の入力を受け付けた後、さらに2文字の入力を受け付けるまで、候補提示部34は候補ウィンドウを提示しない。入力データ受付部31が、文字列「@@」の後に、さらに2文字の入力を受け付けて、未確定文字列保持部32に格納すると、変換部35は、未確定文字列保持部32に格納されている2文字に前方一致する変換元文字列を辞書で検索し、該当する変換元文字列に対応する変換先文字列の候補のみを候補提示部34に提示させる。これにより、候補を絞ってから候補ウィンドウを提示することができるので、処理負荷を低減することができる。また、候補ウィンドウが頻繁に提示されることによる視覚的な煩わしさを低減することができる。ユーザは、プレフィックスとディレイを図2に示した辞書に設定しておくことで、状況に合わせて好適な候補ウィンドウを提示させることができる。
【0032】
図3〜図6は、サフィックス方式における動作を説明するための図である。ユーザが、「Exam」という文字列を入力すると、入力データ受付部31は、これらの文字列を未確定文字列保持部32に格納するとともに、図3に示すように、未確定文字列として画面に表示する。ここで、ユーザがエスケープキー又は確定キーを入力すると、未確定文字列保持部32に格納されていた文字列が確定文字列として出力部36から出力され、図4に示すように、アプリケーションにより確定文字列が表示される。ユーザが、「Example」という文字列を入力してスペースキーを入力すると、変換部35が、変換元文字列「Example」を辞書検索し、変換先文字列である「ウェブページ例」へのリンクを記述したXHTMLの<a>タグが確定文字列として出力部36から出力する。これにより、アプリケーションに<a>タグが入力され、図5に示すように、<a>タグに記述された要素値がリンク付きで表示される。
【0033】
変換元文字列「Example」に対して、複数の変換先文字列が辞書に登録されている場合は、図6に示すように、候補提示部34が変換先文字列を選択するための候補ウィンドウを提示する。候補提示部34は、変換先文字列をテキスト表示してもよいし、図6に示すように、XHTMLブラウザと同じ形式で表示してもよい。このとき、候補提示部34は、候補ウィンドウにおいて、変換先文字列の変更や登録を受け付けてもよい。変換先文字列としてXMLなどのマークアップ言語を入力する場合は、候補提示部34は、そのXMLを処理可能な処理系に変換先文字列の編集を行わせてもよい。
【0034】
図7〜8は、プレフィックス方式における動作を説明するための図である。ユーザが、プレフィックス「;;」を入力すると、図7に示すように、候補提示部34は、辞書に登録されている全ての変換先文字列の一覧を候補ウィンドウに表示する。ユーザが、プレフィックス「@@」を入力すると、候補提示部34は、ディレイとして指定されている2文字がさらに入力されてから、候補ウィンドウを表示する。このとき、図8に示すように、プレフィックスの次に入力された2文字に前方一致する候補のみが候補ウィンドウに表示される。ユーザがさらに入力を続けると、候補ウィンドウに表示された変換先文字列の候補の中から、変換元文字列が入力された文字列に前方一致しない候補が削除されていく。この際に、変換部35は、ユーザが新たに1文字入力するごとに、残っている候補を検索して該当しない候補を削除してもよいし、所定の文字数を入力するごとに検索を行って候補を更新してもよい。また、所定の時間ユーザからの入力がないことや、所定のキーが入力されたことなどをトリガとして、残っている候補を検索して候補を更新してもよい。このような設定を図2に示したファイルにおいてユーザが設定可能としてもよい。
【0035】
データ入力装置10のさらに別の動作モードとして、1文字入力されるごとに辞書を検索するモードについて説明する。変換部35は、ユーザが入力した文字を受け付けると、受け付けた文字を先頭に含む変換元文字列が辞書に登録されているか否かを検索する。辞書に登録されていなければ、その文字から始まる変換元文字列は辞書に存在しないので、その文字を確定文字として出力部36から出力する。辞書に登録されていれば、その文字から始まる変換元文字列が入力される可能性があるので、その文字を未確定文字列のまま未確定文字列保持部32に格納し、次の文字の入力を待機する。
【0036】
変換部35は、ユーザが次に入力した文字を受け付けると、それまでに入力されていた未確定文字列と今回入力された文字を含む変換元文字列が辞書に登録されているか否かを前方一致で検索する。辞書に登録されていなければ、その文字列から始まる変換元文字列は辞書に存在しないので、保持していた未確定文字列を確定文字列として出力する。
【0037】
変換部35は、それまでに入力されていた未確定文字列に完全一致する変換元文字列を辞書から発見すると、候補提示部34に候補ウィンドウを提示させ、変換先文字列に変換するか、変換せずに確定するかをユーザに選択させる。変換先文字列へ変換する選択を受け付けると、変換先文字列を出力部36から出力する。変換せずに確定する選択を受け付けると、その時点での未確定文字列を変換せずに確定文字列として出力部36から出力する。
【0038】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施の形態に係るデータ入力装置の構成を示す図である。
【図2】辞書データの内部データの例を示す図である。
【図3】サフィックス方式における動作を説明するための図である。
【図4】サフィックス方式における動作を説明するための図である。
【図5】サフィックス方式における動作を説明するための図である。
【図6】サフィックス方式における動作を説明するための図である。
【図7】プレフィックス方式における動作を説明するための図である。
【図8】プレフィックス方式における動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0040】
10 データ入力装置、20 入力装置、31 入力データ受付部、32 未確定文字列保持部、33 辞書保持部、34 候補提示部、35 変換部、36 出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変換元データと変換先データとを対応付けて保持した変換データベースと、
ユーザから変換元データの入力を受け付ける入力データ受付部と、
前記入力データ受付部が、特定のデータの入力を受け付けたときに、前記データベースに登録されている前記変換先データの一覧を提示する候補提示部と、
前記変換先データの一覧の中から、前記特定のデータに続いて前記入力データ受付部が受け付けたデータに前方一致しない変換元データに対応する変換先データを一覧から削除する検索部と、
前記変換先データの一覧の中からユーザにより選択された変換先データを出力する出力部と、
を備えることを特徴とするデータ入力装置。
【請求項2】
前記候補提示部は、前記入力データ受付部が特定のデータに続いて所定の長さのデータを受け付けてから前記変換先データの一覧を提示し、
前記検索部は、前記候補提示部が前記変換先データの一覧を提示するときに、前記特定のデータに続いて前記入力データ受付部が受け付けたデータに前方一致しない変換元データに対応する変換先データを予め一覧から削除しておくことを特徴とする請求項1に記載のデータ入力装置。
【請求項3】
前記特定のデータ又は前記所定の長さは、ユーザにより設定可能であることを特徴とする請求項2に記載のデータ入力装置。
【請求項4】
前記検索部は、前記入力データ受付部が一文字のデータを受け付けるたびに、前記変換先データの一覧の中から、前記特定のデータに続いて前記入力データ受付部がそれまでに受け付けたデータに前方一致しない変換元データに対応する変換先データを一覧から削除することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のデータ入力装置。
【請求項5】
前記検索部は、前記入力データ受付部が所定の文字数のデータ又は特定のデータの入力を受け付けたとき、又は、所定の時間ユーザからの入力がないときに、前記変換先データの一覧の中から、前記特定のデータに続いて前記入力データ受付部がそれまでに受け付けたデータに前方一致しない変換元データに対応する変換先データを一覧から削除することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のデータ入力装置。
【請求項6】
ユーザから変換元データの入力を受け付けるステップと、
特定のデータの入力を受け付けたときに、変換元データと変換先データとを対応付けて保持した変換データベースに登録されている前記変換先データの一覧を提示するステップと、
前記変換先データの一覧の中から、前記特定のデータに続いて受け付けたデータに前方一致しない変換元データに対応する変換先データを一覧から削除するステップと、
前記変換先データの一覧の中からユーザにより選択された変換先データを出力するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするデータ入力方法。
【請求項7】
ユーザから変換元データの入力を受け付ける機能と、
特定のデータの入力を受け付けたときに、変換元データと変換先データとを対応付けて保持した変換データベースに登録されている前記変換先データの一覧を提示する機能と、
前記変換先データの一覧の中から、前記特定のデータに続いて受け付けたデータに前方一致しない変換元データに対応する変換先データを一覧から削除する機能と、
前記変換先データの一覧の中からユーザにより選択された変換先データを出力する機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするデータ入力プログラム。
【請求項8】
変換元データと変換先データとを対応付けて保持した変換データベースと、
ユーザから変換元データの入力を受け付ける入力データ受付部と、
前記入力データ受付部が、特定のデータの入力を受け付けたときに、それまでに受け付けていた未確定のデータに一致する変換元データを前記変換データベースの中から検索する検索部と、
前記変換データベースに、前記未確定のデータに一致する前記変換元データが登録されていれば、その変換元データに対応する変換先データを出力し、登録されていなければ、前記変換元データを変換せずにそのまま出力する出力部と、
を備えることを特徴とするデータ入力装置。
【請求項9】
変換元データと変換先データとを対応付けて保持した変換データベースと、
ユーザから変換元データの入力を受け付ける入力データ受付部と、
前記入力データ受付部が、所定長のデータを受け付けるごとに、それまでに受け付けていた未確定のデータに一致又は前方一致する変換元データを前記変換データベースから検索する検索部と、
前記変換データベースに、前記未確定のデータに一致する変換元データが登録されていれば、その変換元データに対応する変換先データを出力し、前方一致する変換元データが登録されていれば、前記未確定のデータを未確定のまま残し、いずれも登録されていなければ、前記未確定のデータを変換せずにそのまま出力する出力部と、
を備えることを特徴とするデータ入力装置。
【請求項10】
前記変換データベースに、前記未確定のデータに一致する変換元データが登録されている場合に、その変換元データに対応する変換先データを出力するか、その変換元データを変換せずにそのまま出力するかを選択可能であり、
前記入力データ受付部は、変換元データに対応する変換先データを出力するか、変換元データを変換せずにそのまま出力するかが確定するまでは、次の変換元データの入力を受け付けないことを特徴とする請求項8又は9に記載のデータ入力装置。
【請求項11】
前記変換データベースに、前記未確定のデータに一致する変換元データが登録されている場合に、その変換元データに対応する変換先データが複数登録されているときには、それらの変換先データを提示する候補提示部を更に備え、
前記入力データ受付部は、それらの変換先データのうちいずれを出力するかが確定するまでは、次の変換元データの入力を受け付けないことを特徴とする請求項8又は9に記載のデータ入力装置。
【請求項12】
ユーザから変換元データの入力を受け付けるステップと、
特定のデータの入力を受け付けたときに、それまでに受け付けていた未確定のデータに一致する変換元データを、変換元データと変換先データとを対応付けて保持した変換データベースの中から検索するステップと、
前記変換データベースに、前記未確定のデータに一致する前記変換元データが登録されていれば、その変換元データに対応する変換先データを出力し、登録されていなければ、前記変換元データを変換せずにそのまま出力するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするデータ入力方法。
【請求項13】
ユーザから変換元データの入力を受け付ける機能と、
特定のデータの入力を受け付けたときに、それまでに受け付けていた未確定のデータに一致する変換元データを、変換元データと変換先データとを対応付けて保持した変換データベースの中から検索する機能と、
前記変換データベースに、前記未確定のデータに一致する前記変換元データが登録されていれば、その変換元データに対応する変換先データを出力し、登録されていなければ、前記変換元データを変換せずにそのまま出力する機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするデータ入力プログラム。
【請求項14】
ユーザから変換元データの入力を受け付けるステップと、
所定長のデータを受け付けるごとに、それまでに受け付けていた未確定のデータに一致又は前方一致する変換元データを、変換元データと変換先データとを対応付けて保持した変換データベースから検索するステップと、
前記変換データベースに、前記未確定のデータに一致する変換元データが登録されていれば、その変換元データに対応する変換先データを出力し、前方一致する変換元データが登録されていれば、前記未確定のデータを未確定のまま残し、いずれも登録されていなければ、前記未確定のデータを変換せずにそのまま出力するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするデータ入力方法。
【請求項15】
ユーザから変換元データの入力を受け付ける機能と、
所定長のデータを受け付けるごとに、それまでに受け付けていた未確定のデータに一致又は前方一致する変換元データを、変換元データと変換先データとを対応付けて保持した変換データベースから検索する機能と、
前記変換データベースに、前記未確定のデータに一致する変換元データが登録されていれば、その変換元データに対応する変換先データを出力し、前方一致する変換元データが登録されていれば、前記未確定のデータを未確定のまま残し、いずれも登録されていなければ、前記未確定のデータを変換せずにそのまま出力する機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするデータ入力プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−93299(P2009−93299A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−261433(P2007−261433)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(390024350)株式会社ジャストシステム (123)
【Fターム(参考)】