説明

データ入力装置及びデータ入力方法

【課題】データ入力の操作性を向上する。
【解決手段】複数の車種名を表示する車種データエリア102と入力エリア103と使用が最多の車種名を表示するための最多車種表示エリア105とを操作画面として表示する表示部と、データテーブル部に選択された車種名であることを示す判定フラグ及び選択された回数を表すカウンタを有して入力エリア103への入力文字に基づいた車種名の候補を格納するデータテーブル部とを備え、任意のタイミングにおいて、制御部が、前記判定フラグがオフである車種を車種データエリア102から消去すると共に、前記カウンタの選択回数が最も多い順に車種データエリア102の車種名表示順を変更するデータ入力装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膨大なデータ一覧の中から必要なデータを容易に指定して入力することができるデータ入力装置及びデータ入力方法に係り、特にデータ一覧の中から該当するデータを探し出すためのデータテーブル部を有し、このデータテーブル部内のデータを必要なものに絞り込むことによってデータ入力の操作性を向上することができるデータ入力装置及びデータ入力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、警察機関における警察通報用電話は、通報を受けた受理台のオペレータが、通報のあった現場の住所や車種等の情報を正確且つ迅速にコンピュータへデータ入力することが望まれており、このデータ入力に関する技術が記載された文献としては、下記の特許文献1が挙げられる。この特許文献1には、変換したい漢字文字列の読みを片仮名でカナ文字列入力し、次に、検索テーブルの読みの中から入力されたカナ文字列と一致する文字列の存在を2分木探索等で検索し、検索テーブルの読みの中に入力された文字列と一致する文字列が無いときには、変換候補無を出力して漢字変換処理を終了し、検索テーブルの読みの中に入力された文字列と一致する文字列が有るときは、この読みに対応する文字列テーブル先頭アドレスと登録されている単語のデータ数とを検索テーブルから得、ここで得た漢字文字列群を文字列テーブルから取り出し、この取り出した漢字文字列群を変換結果として出力することによって、変換対象の漢字文字列の候補を速やかに揃え、変換の応答速度を高速化することができる漢字変換辞書検索方式が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−187690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の特許文献1に記載された技術は、片仮名で入力されたカナ文字列を漢字文字列または漢字カナ混じり文字列に変換するため、頻繁にデータを入力する際、毎回文字を入力し変換する作業が煩雑であるという課題があった。
【0005】
本発明の目的は、前述の従来技術による課題を解決しようとするものであり、入力文字を基にしたデータテーブル部内の候補文字を絞り込むことによってデータ入力の操作性を向上するデータ入力装置及びデータ入力方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために請求項1記載の本発明は、複数の車種名を表示する車種データエリアと操作者が車種名をペン入力によって入力するための入力エリアと直前に入力された車種名を表示する直前車種表示エリアと最多入力の車種名を表示するための最多車種表示エリアとを操作画面を表示する表示部と、前記入力エリアに入力された文字に基づいた車種名の候補を格納するデータテーブル部と、前記操作画面の表示を制御する制御部を備えるデータ入力装置であって、前記データテーブル部が、車種の名称を表す車種名の欄と、前記車種名の読みを表すふりがなの欄と、前記車種名が選択された否かを判定するための判定値の判定フラグの欄と、前記選択された回数を表すカウンタの欄と、前記車種名を表示するか否かを表す表示フラグの欄との各情報を車種名毎の複数レコードとして格納し、前記制御部が、前記操作画面の車種データ欄から任意の車種名が選択されたとき、前記選択されたデータテーブル部の判定フラグをオンに設定すると共に前記カウンタの回数に値「1」を加算し、任意のタイミングにおいて前記データテーブル部の判定フラグがオンでないレコードを検出し、前記判定フラグがオンでないレコードの車種名を前記操作画面の車種データエリアから消去し、任意のタイミングにおいて前記データテーブル部のカウンタの回数値が多い順に前記操作画面の車種データエリアに表示した車種名の順番を変更することを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、複数の車種名を表示する車種データエリアと操作者が車種名をペン入力によって入力するための入力エリアと直前に入力された車種名を表示する直前車種表示エリアと最多入力の車種名を表示するための最多車種表示エリアとを操作画面を表示する表示部と、車種の名称を表す車種名の欄と、前記車種名の読みを表すふりがなの欄と、前記車種名が選択された否かを判定するための判定値の判定フラグの欄と、前記選択された回数を表すカウンタの欄と、前記車種名を表示するか否かを表す表示フラグの欄との各情報を車種名毎の複数レコードとして格納し、前記入力エリアに入力された文字に基づいた車種名の候補を格納するデータテーブル部と、前記操作画面の表示を制御する制御部を備えるデータ入力装置のデータ入力方法であって、前記制御部が、前記操作画面の車種データ欄から任意の車種名が選択されたとき、前記選択されたデータテーブル部の判定フラグをオンに設定すると共に前記カウンタの回数に値「1」を加算し、任意のタイミングにおいて前記データテーブル部の判定フラグがオンでないレコードを検出し、前記判定フラグがオンでないレコードの車種名を前記操作画面の車種データエリアから消去し、任意のタイミングにおいて前記データテーブル部のカウンタの回数値が多い順に前記操作画面の車種データエリアに表示した車種名の順番を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によるデータ入力装置及びデータ入力方法は、データテーブル部に選択された車種名であることを示す判定フラグと選択された回数を表すカウンタを設け、任意のタイミングにおいて、制御部が、前記判定フラグがオフである車種を車種データエリアから消去すると共に、前記カウンタの選択回数が最も多い順に車種名の表示順を変更することによって、操作者に対してデータテーブル部内の候補文字を絞り込んでデータ入力の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態によるデータ選択を行うための操作画面を示す図
【図2】本発明の実施形態によるデータテーブル部を示す図
【図3】本発明の実施形態によるデータ比較処理を示すフロー図
【図4】本発明の実施形態によるデータ一覧の再配置処理を示すフロー図
【図5】本発明の実施形態による車種データの非表示処理を示すフロー図
【図6】本発明の実施形態による車種データの再配置処理を示すフロー図
【図7】本発明の実施形態による車種データ再配置後の操作画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明によるデータ入力方法を適用したデータ入力装置の一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。本実施形態によるデータ入力装置は、ネットワークを介して警察機関のホストコンピュータと接続されるクランアント端末であって、このクライアント端末は、一般のコンピュータ同様に、CPU(Central Processing Unit、制御部とも記載する。)、データテーブル部やカウンタやフラグを記憶するメモリ、磁気ディスク装置等の記憶手段、表示部、キーボード等の入出力機器、各種インタフェース機器、基本ソフトウェア(オペレーティングシステム)及び本実施形態によるデータ入力方法を実現するソフトウェアを含むものであって、本発明におけるハードウェア構成は一般のコンピュータと同一のため、これらハードウェアの図示を省略して説明する。
【0011】
本実施形態によるデータ入力装置は、例えば、警察通報用電話によって通報を受けた自動車の車種名をデータ入力するものであって、クライアント端末の表示部に車種データの選択を行うために表示される操作画面101は、図1に示す如く、予め選択された出現回数が多い複数の車種名の一覧である車種データエリア102と、操作者が車種名をペン入力によって入力するための入力エリア103と、直前に入力された車種名を表示する直前車種表示エリア104と、使用が最多の車種名を表示するための最多車種表示エリア105と、車種データを切替えるための次ページボタン106とを備える。なお、本実施形態における車種データエリア102には、複数の車種名データが表示されている。
【0012】
本実施形態によるデータ入力装置のメモリに格納されるデータテーブル部201は、図2に示す如く、車種の名称である車種名202と、車種名の読み(ふりがな)を示すふりがな項目203と、後述する処理に使用される判定フラグ204と、同様に計数値を示すカウンタ205と、車種データの表示の順番を表す表示順エリア206とを備え、前記した車種名毎に前記各欄の情報が登録され、車種名の読み(ふりがな)を示すふりがな項目203のデータの最後にNULL文字(空白文字)を付与することで文字の最終を表し、データテーブル部201の一番最後の行には最終行を示す特殊な文字「※」を付与している。
【0013】
さて、このように構成されたデータ入力装置は、例えば、通報によって入力エリア103に文字が入力され、図1の操作画面101の入力エリア103に入力された文字とデータテーブル部201内のデータを比較するとき、制御部が、図3に示す如く、入力エリア103に文字「て」が入力されるステップ301と、この入力エリア103に入力されたデータを基にデータテーブル部201(図2)を読み込むステップ302と、データテーブル部201のふりがな項目203の先頭行データ「でみお」と入力エリア103に入力した文字「て」とを比較するステップ303と、このステップ303において文字が一致したか否かを判定するステップ304と、このステップ304において一致すると判定したとき、データテーブル部201の判定フラグ204を「1」(オン)に設定(判定する値に「0」を設定)し、後述するステップ309に移行するステップ306と、前記ステップステップ304において一致しないと判定したとき、次の文字にNULL文字がないか否かを判定し、NULL文字がないと判定したときに前記ステップ302に戻るステップ305と、このステップ305においてNULLである(文字列終了)と判定したとき、データテーブル部201の判定フラグ204を「0」(オフ)に設定(判定する値に「1」を設定)するステップ305と、前記ステップ306又は305に続き、データテーブル部201の最終行か否かを文字「※」の有無によって判定するステップ307と、このステップ307において最終行でないと判定したとき、データテーブル部201の次行のふりがな項目203のデータを読み込み、前記ステップ302に戻るステップ308と、前記ステップ307において最終行と判定したとき、データテーブル部201に登録した車種名との比較が完了したと判定して処理を終了するステップ309とを順次実行することによって、予めデータテーブル部201に登録した車種名との比較を行うことができる。
【0014】
次に本実施形態によるデータ入力装置は、前記した入力文字とデータテーブル部201に登録した車種名との比較処理が終了した後、図1に示した車種データエリア102の表示順序を任意のタイミングにおいて再配置するものであって、この再配置処理の手順は、図1、図2、図4に示す如く、制御部が、データテーブル部201の任意の車種レコードの判定フラグ204の値が「0」(オフ)か否かを判定するステップ401と、このステップ401において値が「0」(オフ)でないと判定(車種が選択されたと判定)したとき、車種名の表示順を後述する図6の処理手順によって再配置するステップ403と、前記ステップ401において値が「0」(オフ)であると判定(車名が選択されていないと判定)したとき、該当の車種名を後述する図5の処理に従って非表示にするステップ402と、このステップ402又はステップ403に続き、データテーブル部201の最終行か否かを文字「※」の有無によって判定し、最終行でないと判定したときに前記ステップ401に戻るステップ404と、このステップ404において最終行と判定したとき、データテーブル部201内の車種名データと入力された車種名との比較が完了したと判定するステップ405と、次に、再配置された車種データエリア102内の車種を通報に基づく操作者の操作によって選択するステップ406と、このステップ406によって選択された車種名のカウンタ205のカウンタ値に値「1」を加算し、データ一覧画面101の直前車種表示エリア104に当該車種名を表示するステップ407と、カウンタ値が予め定めた最大値か否かを判定し、最大値でないと判定したときに処理を終了するステップ408と、このステップ408において最大値と判定したとき、データ一覧画面101の最多車種表示エリア105に該当の車種名を表示して処理を終了するステップ409とを順次実行することによって、データ一覧画面101の車種データエリア102に表示する車種名及び表示順序の更新と、直前車種表示エリア104及び最多車種表示エリア105の表示を更新することができる。
【0015】
前記図4のステップ402における車種名を非表示にする処理は、データ入力装置の制御部が、図5に示す如く、任意のタイミングにおいて、データテーブル部201を読み込むステップ501と、この読み込んだデータ中の判定フラグ値が「0」のレコードの表示フラグ206(図2)の値を「0」に設定して該当する車種名を非表示に変更するステップ502とを実行することによって、前述の比較処理以降に選択されてない車種名を車種データエリア102から消去することができる。
【0016】
前記図4のステップ403における車種名を再配置する処理は、図6に示す如く、データ入力装置の制御部が、任意のタイミングにおいて、データテーブル部201を読み込むステップ601と、読み込んだデータ中の表示フラグ206(図2)の値を判定するステップ602と。このステップ602において値が「0」と判定したとき、車種名が非表示のために再配置を行わないステップ603と、前記ステップ602において値が「0」以外と判定したとき、データテーブル部201を1行目のレコードから読み込むステップ604と、この読み込んだデータテーブル部201の表示フラグ206の値を通し番号1から順番に値を再設定するステップ605と、このステップ605又はステップ603に続き、データテーブル部201の最終行か否かを判定し、最終行でないと判定したときに前記ステップ601に戻り、最終行と判定したときに処理を終了するステップ606とを順次実行することによって、図7に示す如く、車種名の再配置を行うことができる。
【0017】
なお、前述の実施形態においては、警察機関における自動車の車種名を入力するデータ入力装置を例にとって説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、住所表示等の予め文字列が固定された固有名詞の文字データを入力するデータ入力装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0018】
101 操作画面、102 車種データエリア、103 入力エリア、
104 直前車種表示エリア、105 最多車種表示エリア、
106 次ページボタン、201 データテーブル部、202 車種名、
203 ふりがな項目、204 判定フラグ、205 カウンタ、
206 表示順エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車種名を表示する車種データエリアと操作者が車種名をペン入力によって入力するための入力エリアと直前に入力された車種名を表示する直前車種表示エリアと最多入力の車種名を表示する最多車種表示エリアとを操作画面を表示する表示部と、前記入力エリアに入力された文字に基づいた車種名の候補を格納するデータテーブル部と、前記操作画面の表示を制御する制御部を備えるデータ入力装置であって、前記データテーブル部が、車種の名称を表す車種名の欄と、前記車種名の読みを表すふりがなの欄と、前記車種名が選択された否かを判定するための判定値の判定フラグの欄と、前記選択された回数を表すカウンタの欄と、前記車種名を表示するか否かを表す表示フラグの欄との各情報を車種名毎の複数レコードとして格納し、前記制御部が、前記操作画面の車種データ欄から任意の車種名が選択されたとき、前記選択されたデータテーブル部の判定フラグをオンに設定すると共に前記カウンタの回数に値「1」を加算し、任意のタイミングにおいて前記データテーブル部の判定フラグがオンでないレコードを検出し、前記判定フラグがオンでないレコードの車種名を前記操作画面の車種データエリアから消去し、任意のタイミングにおいて前記データテーブル部のカウンタの回数値が多い順に前記操作画面の車種データエリアに表示した車種名の順番を変更するデータ入力装置。
【請求項2】
複数の車種名を表示する車種データエリアと操作者が車種名をペン入力によって入力するための入力エリアと直前に入力された車種名を表示する直前車種表示エリアと最多入力の車種名を表示するための最多車種表示エリアとを操作画面を表示する表示部と、車種の名称を表す車種名の欄と、前記車種名の読みを表すふりがなの欄と、前記車種名が選択された否かを判定するための判定値の判定フラグの欄と、前記選択された回数を表すカウンタの欄と、前記車種名を表示するか否かを表す表示フラグの欄との各情報を車種名毎の複数レコードとして格納し、前記入力エリアに入力された文字に基づいた車種名の候補を格納するデータテーブル部と、前記操作画面の表示を制御する制御部を備えるデータ入力装置のデータ入力方法であって、前記制御部が、前記操作画面の車種データ欄から任意の車種名が選択されたとき、前記選択されたデータテーブル部の判定フラグをオンに設定すると共に前記カウンタの回数に値「1」を加算し、任意のタイミングにおいて前記データテーブル部の判定フラグがオンでないレコードを検出し、前記判定フラグがオンでないレコードの車種名を前記操作画面の車種データエリアから消去し、任意のタイミングにおいて前記データテーブル部のカウンタの回数値が多い順に前記操作画面の車種データエリアに表示した車種名の順番を変更するデータ入力方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−98910(P2012−98910A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−246020(P2010−246020)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(000152985)株式会社日立情報システムズ (409)
【Fターム(参考)】