説明

データ処理装置、データ処理方法およびプログラム

【課題】テキスト文字列のコピーアンドペーストを的確に実行するとともに、誤操作を防止する。
【解決手段】改行コードを含むテキスト文字列のコピー処理を実行し、コピー処理をした改行コードを含むテキスト文字列のペーストの実行処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、コピー処理の対象となるテキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する。そして、編集用ウインドウ上に表示されているコマンドを選択して、編集用ウインドウに表示されたテキスト文字列のペーストの実行処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピーアンドペーストを実行するデータ処理装置、データ処理方法およびプログラムに関し、特に、テキスト文字列のコピーアンドペーストを的確に実行できるデータ処理装置、データ処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、マウスにより、改行コードを含むテキスト文字列をコピーし、ペースト操作を行うことは可能であったが、コピーバッファ内の改行コードがリターンキーと解釈され、そのために、意図しない複数のコマンドが実行されてしまうケースがあり、誤操作の原因となっていた。
【0003】
そのため、コピー&ペースト操作を、間違いなく、かつ非常に簡易に実行できるようにするために、1回の特定操作で、過去に選択指示(コピー指示)したデータがコンテキスト依存メニュー内で表示されるようにし、ユーザがそのときの画面上の作業領域の近辺で過去のコピー内容を確認できるようにする。また、そのデータを選択することで貼付操作(ペースト)が実行できるようにすることで、非常に簡易に、かつ間違いなくペーストできるようにする。記憶部に順次記憶されたデータのうちで、最新のコピーデータを、コンテキスト依存メニュー内の先頭項目として表示させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、文字列のペースト能力を格段に高めることができ、さらに、コピーした文字列データを過去に溯って確認することを目的として、文字列データの一時記憶領域を有する第1のメモリと、複数の文字列データを格納し得るメモリ領域を有する第2のメモリと、第2のメモリの文字列データを文字列として表示する表示手段と、文字列のコピー指令を出力するとともに、表示手段の表示画面を利用してペースト指令を出力する処理指令手段と、処理指令手段のコピー指令に応じて、コピー対象の文字列データを、第1のメモリを作業領域として、第2のメモリに格納するとともに共に、処理指令手段のペースト指令に応じて、第1のメモリに一時記憶された文字列データおよび第2のメモリに格納された文字列データのいずれか一方又は両方を随時選択してペースト文字列を連続的に出力する入出力制御手段とを備えるデータ処理装置が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
さらに、1度文字列をカットすると、後は所望のカ所へのペースト操作だけで、文字列をペーストできるように、カットした文字列を記憶し、ペーストが指示されると記憶されている文字列を指定されたペースト部分にペーストする技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−338458号公報
【特許文献2】特開平10−143506号公報
【特許文献3】特開平2−59857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、過去にコピーをしたテキスト文字列については、効果があるものの、今、まさに、コピーアンドペーストを行おうとしているテキスト文字列には、適用できないという問題がある。また、特許文献2に記載の技術についても、過去にコピーアンドペーストしたテキスト文字列のペースト能力を高めることは可能であるが、今、まさに、コピーアンドペーストを行おうとしているテキスト文字列が適切なテキスト文字列であるか否かについては、対応することができないという問題がある。さらに、特許文献3に記載の技術についても、過去にコピーした文字列において、1度文字列をカットすると、後は所望のカ所へのペースト操作だけで、ペースト処理を行うことができる効果があるものの、今、まさに、コピーアンドペーストを行おうとしているテキスト文字列が適切なテキスト文字列であるか否かについては、対応することができないという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、テキスト文字列のコピーアンドペーストを的確に実行するとともに、誤操作を防止するデータ処理装置、データ処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0010】
(1)本発明は、テキスト文字列のコピー処理およびペースト処理が可能なデータ処理装置であって、改行コードを含む前記テキスト文字列のコピー処理を実行し、コピー処理をした前記改行コードを含むテキスト文字列のペースト処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、前記コピー処理の対象となる前記テキスト文字列のすべてを編集用ウインドウに表示する編集用ウインドウ表示手段を備えたことを特徴とするデータ処理装置を提案している。
【0011】
この発明によれば、編集用ウインドウ表示手段は、改行コードを含むテキスト文字列のコピー処理を実行し、コピー処理をした改行コードを含むテキスト文字列のペースト処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、コピー処理の対象となるテキスト文字列のすべてを編集用ウインドウに表示する。したがって、ユーザは、編集用ウインドウ内のテキスト文字列を確認することにより、誤ったコピーアンドペースト処理を未然に防止することができる。
【0012】
(2)本発明は、(1)のデータ処理装置について、ペーストの実行処理を行う前記テキスト文字列の実行単位を選択して実行するペースト処理実行手段を備え、前記ユーザからのペースト処理の実行指示があったときに、前記選択された実行単位で、前記編集用ウインドウに表示された前記テキスト文字列の前記ペーストの実行処理を行うことを特徴とするデータ処理装置を提案している。
【0013】
この発明によれば、ペースト処理実行手段は、ペースト処理を行うテキスト文字列の実行単位を選択して実行し、ユーザからのペースト処理の実行指示があったときに、選択された実行単位で、編集用ウインドウに表示されたテキスト文字列のペーストの実行処理を行う。したがって、ペースト処理実行手段を用いることにより、例えば、1行ごとなど、ユーザが選択した実行単位でペーストを実行するため、さらに、誤ったコピーアンドペースト処理を未然に防止することができる。
【0014】
(3)本発明は、(1)のデータ処理装置について、前記ペースト処理実行手段が、前記編集用ウインドウ上にコマンド表示されていることを特徴とするデータ処理装置を提案している。
【0015】
この発明によれば、ペースト処理実行手段は、編集用ウインドウ上にコマンド表示されている。つまり、ペースト処理実行は、編集用ウインドウ上に、例えば、「全部実行」、「1行実行」と表示されたコマンドをクリックするだけでよいため、簡単に所望の実行単位でペースト処理を実行することができる。
【0016】
(4)本発明は、(3)のデータ処理装置について、前記ペースト処理実行手段に、ペースト処理を中止するコマンド表示を含むことを特徴とするデータ処理装置を提案している。
【0017】
この発明によれば、ペースト処理実行手段に、ペースト処理を中止するコマンド表示を含む。したがって、誤ったテキスト文字列をコピーした場合には、中止コマンドをクリックすることにより、即座に、ペースト処理を中止することができる。
【0018】
(5)本発明は、(1)のデータ処理装置について、前記編集用ウインドウに表示されたテキスト文字列を編集する編集手段を備え、前記ユーザからのペースト処理の実行指示があったときに、前記編集された前記テキスト文字列の前記ペーストの実行処理を行うことを特徴とするデータ処理装置を提案している。
【0019】
この発明によれば、編集手段は、編集用ウインドウに表示されたテキスト文字列を編集し、ユーザからのペースト処理の実行指示があったときに、編集されたテキスト文字列のペーストの実行処理を行う。したがって、ペースト処理の実行の前に、編集用ウインドウ上で、テキスト文字列の編集を行うことができ、しかも、その編集されたテキスト文字列をペーストすることができる。
【0020】
(6)本発明は、(5)のデータ処理装置について、前記編集手段により編集された前記テキスト文字列を識別可能に表示することを特徴とするデータ処理装置を提案している。
【0021】
この発明によれば、編集手段により編集された前記テキスト文字列を識別可能に表示する。したがって、ユーザが編集箇所を明確に認識して、作業を行うことができる。
【0022】
(7)本発明は、テキスト文字列のコピー処理およびペースト処理が可能なデータ処理装置におけるデータ処理方法であって、改行コードを含む前記テキスト文字列のコピー処理を実行する第1のステップと、コピー処理をした前記改行コードを含むテキスト文字列のペースト処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、前記コピー処理の対象となる前記テキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する第2のステップと、前記編集用ウインドウ上に表示されているコマンドを選択して、該選択された実行単位で、前記編集用ウインドウに表示された前記テキスト文字列の前記ペーストの実行処理を行う第3のステップと、を備えたことを特徴とするデータ処理方法を提案している。
【0023】
この発明によれば、改行コードを含むテキスト文字列のコピー処理を実行し、コピー処理をした改行コードを含むテキスト文字列のペーストの実行処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、コピー処理の対象となるテキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する。そして、編集用ウインドウ上に表示されているコマンドを選択して、選択された実行単位で、編集用ウインドウに表示されたテキスト文字列のペーストの実行処理を行う。したがって、ユーザは、編集用ウインドウ内のテキスト文字列を確認することにより、誤ったコピーアンドペースト処理を未然に防止することができる。また、例えば、1行ごとなど、ユーザが選択した実行単位でペーストを実行するため、さらに、誤ったコピーアンドペースト処理を未然に防止することができる。
【0024】
(8)本発明は、テキスト文字列のコピー処理およびペースト処理が可能なデータ処理装置におけるデータ処理方法であって、改行コードを含む前記テキスト文字列のコピー処理を実行する第1のステップと、コピー処理をした前記改行コードを含むテキスト文字列のペースト処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、前記コピー処理の対象となる前記テキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する第2のステップと、前記編集用ウインドウに表示されたテキスト文字列を編集する第3のステップと、前記編集用ウインドウ上に表示されているコマンドを選択して、該選択された実行単位で、前記編集用ウインドウに表示された前記テキスト文字列の前記ペーストの実行処理を行う第4のステップと、を備えたことを特徴とするデータ処理方法を提案している。
【0025】
この発明によれば、改行コードを含むテキスト文字列のコピー処理を実行し、コピー処理をした改行コードを含むテキスト文字列のペーストの実行処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、コピー処理の対象となるテキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する。そして、編集用ウインドウに表示されたテキスト文字列を編集し、編集用ウインドウ上に表示されているコマンドを選択して、選択された実行単位で、編集用ウインドウに表示されたテキスト文字列のペーストの実行処理を行う。したがって、ペースト処理の実行の前に、編集用ウインドウ上で、テキスト文字列の編集を行うことができ、しかも、その編集されたテキスト文字列をペーストすることができる。
【0026】
(9)本発明は、テキスト文字列のコピー処理およびペースト処理が可能なデータ処理装置におけるデータ処理方法であって、改行コードを含む前記テキスト文字列のコピー処理を実行する第1のステップと、コピー処理をした前記改行コードを含むテキスト文字列のペースト処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、前記コピー処理の対象となる前記テキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する第2のステップと、前記編集用ウインドウ上に表示されているコマンドのうち中止コマンドを選択された場合、前記編集用ウインドウに表示された前記テキスト文字列の前記ペーストの実行処理を中止する第3のステップと、を備えたことを特徴とするデータ処理方法を提案している。
【0027】
この発明によれば、改行コードを含むテキスト文字列のコピー処理を実行し、コピー処理をした改行コードを含むテキスト文字列のペーストの実行処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、コピー処理の対象となるテキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する。そして、編集用ウインドウ上に表示されているコマンドのうち中止コマンドを選択された場合、編集用ウインドウに表示されたテキスト文字列のペーストの実行処理を中止する。したがって、誤ったテキスト文字列をコピーした場合には、中止コマンドをクリックすることにより、即座に、ペーストの実行処理を中止することができる。
【0028】
(10)本発明は、テキスト文字列のコピー処理およびペースト処理が可能なデータ処理装置におけるデータ処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、改行コードを含む前記テキスト文字列のコピー処理を実行する第1のステップと、コピー処理をした前記改行コードを含むテキスト文字列のペースト処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、前記コピー処理の対象となる前記テキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する第2のステップと、前記編集用ウインドウ上に表示されているコマンドを選択して、該選択された実行単位で、前記編集用ウインドウに表示された前記テキスト文字列の前記ペーストの実行処理を行う第3のステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【0029】
この発明によれば、改行コードを含むテキスト文字列のコピー処理を実行し、コピー処理をした改行コードを含むテキスト文字列のペーストの実行処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、コピー処理の対象となるテキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する。そして、編集用ウインドウ上に表示されているコマンドを選択して、選択された実行単位で、編集用ウインドウに表示されたテキスト文字列のペーストの実行処理を行う。したがって、ユーザは、編集用ウインドウ内のテキスト文字列を確認することにより、誤ったコピーアンドペースト処理を未然に防止することができる。また、例えば、1行ごとなど、ユーザが選択した実行単位でペーストを実行するため、さらに、誤ったコピーアンドペースト処理を未然に防止することができる。
【0030】
(11)本発明は、テキスト文字列のコピー処理およびペースト処理が可能なデータ処理装置におけるデータ処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、改行コードを含む前記テキスト文字列のコピー処理を実行する第1のステップと、コピー処理をした前記改行コードを含むテキスト文字列のペースト処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、前記コピー処理の対象となる前記テキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する第2のステップと、前記編集用ウインドウに表示されたテキスト文字列を編集する第3のステップと、前記編集用ウインドウ上に表示されているコマンドを選択して、該選択された実行単位で、前記編集用ウインドウに表示された前記テキスト文字列の前記ペーストの実行処理を行う第4のステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【0031】
この発明によれば、改行コードを含むテキスト文字列のコピー処理を実行し、コピー処理をした改行コードを含むテキスト文字列のペーストの実行処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、コピー処理の対象となるテキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する。そして、編集用ウインドウに表示されたテキスト文字列を編集し、編集用ウインドウ上に表示されているコマンドを選択して、選択された実行単位で、編集用ウインドウに表示されたテキスト文字列のペーストの実行処理を行う。したがって、ペースト処理の実行の前に、編集用ウインドウ上で、テキスト文字列の編集を行うことができ、しかも、その編集されたテキスト文字列をペーストすることができる。
【0032】
(12)本発明は、テキスト文字列のコピー処理およびペースト処理が可能なデータ処理装置におけるデータ処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、改行コードを含む前記テキスト文字列のコピー処理を実行する第1のステップと、コピー処理をした前記改行コードを含むテキスト文字列のペースト処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、前記コピー処理の対象となる前記テキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する第2のステップと、前記編集用ウインドウ上に表示されているコマンドのうち中止コマンドを選択された場合、前記編集用ウインドウに表示された前記テキスト文字列の前記ペーストの実行処理を中止する第3のステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【0033】
この発明によれば、改行コードを含むテキスト文字列のコピー処理を実行し、コピー処理をした改行コードを含むテキスト文字列のペーストの実行処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、コピー処理の対象となるテキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する。そして、編集用ウインドウ上に表示されているコマンドのうち中止コマンドを選択された場合、編集用ウインドウに表示されたテキスト文字列のペースト処理を中止する。したがって、誤ったテキスト文字列をコピーした場合には、中止コマンドをクリックすることにより、即座に、ペーストの実行処理を中止することができる。
【発明の効果】
【0034】
従来は、マウスでのコピーアンドペースト操作において、改行コードを含むテキスト文字列をコピーし、ペースト操作を行うと、コピーバッファ内の改行コードがリターンキーと解釈され、意図しない複数のコマンドが実行されてしまうケースがあったが、本発明によれば、ペーストするコマンドを実行単位ごとに確認しながら実行することが可能となるため、意図しないコマンド実行による操作ミスを防止することが可能となるという効果がある。また、ペースト内容を修正出来るため、コピーアンドペーストした内容が誤っていても、正しいコマンドを実行することが可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施形態に係るデータ処理装置の構成図である。
【図2】本実施形態に係る編集用ウインドウを示した図である。
【図3】本実施形態に係るデータ処理装置の通常時の処理フローである。
【図4】本実施形態に係るデータ処理装置の編集作業を伴う処理フローである。
【図5】本実施形態に係るデータ処理装置の中止時の処理フローである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて、詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0037】
<データ処理装置の構成>
図1を用いて、本実施形態に係るデータ処理装置の構成について説明する。
本実施形態に係るデータ処理装置100は、図1に示すように、コマンド入力部101と、制御部102と、編集用ウインドウ生成部103と、テキスト文字列入力部104と、テキスト文字列編集部105と、表示制御部106とから構成されている。
【0038】
コマンド入力部101は、コピーコマンドやペーストコマンドおよびペースト処理に関して、例えば、図2に示すような「全部実行」、「1行実行」、「キャンセル」等のコマンドを受け付け、受け付けたコマンドを制御部102に渡す。
【0039】
制御部102は、図示しない格納部に格納された制御プログラムにしたがって装置全体を制御する。また、本実施形態においては、コマンド入力部101からコマンドを受け取り、その実行を制御するほか、編集用ウインドウの生成指示やテキスト文字列の編集があった場合に、その内容を表示データに変換して、表示制御部106に表示する。さらに、テキスト文字列の編集があった場合には、編集されたテキスト文字列を識別可能な形態に変換する。
【0040】
編集用ウインドウ生成部103は、コマンド入力部101がペーストコマンドを入力したときに、制御部102の指示により、表示画面上にコピー処理の対象となるテキスト文字列のすべてを表示した図2に示すような編集用ウインドウを生成し、表示する。
【0041】
テキスト文字列入力部104は、コピー処理の対象のテキスト文字列に編集を行うときに、編集したいテキスト文字列を編集用ウインドウ上で入力する。
【0042】
テキスト文字列編集部105は、テキスト文字列入力部104から入力されたテキスト文字列により編集を行う。そして、編集した情報を制御部102に出力する。
【0043】
表示制御部106は、制御部102から入力した表示データにしたがって、編集用ウインドウにおける表示を制御する。
【0044】
<データ処理装置の通常時の処理動作>
次に、図3を用いて、本実施形態に係るデータ処理装置の通常時の処理動作について説明する。
まず、改行コードを含むテキスト文字列のコピー処理を実行する(ステップS101)。次に、コピー処理をした改行コードを含むテキスト文字列のペースト処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、コピー処理の対象となるテキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する(ステップS102)。
【0045】
そして、編集用ウインドウ上に表示されているコマンドを選択して、その選択された実行単位で、編集用ウインドウにペースト処理対象のテキスト文字列を表示し、そのペースト実行処理を行う(ステップS103)。
【0046】
したがって、本実施形態に係るデータ処理装置の通常時の処理動作では、ユーザが、編集用ウインドウ内のテキスト文字列を確認することにより、誤ったコピーアンドペースト処理を未然に防止することができる。また、例えば、1行ごとなど、ユーザが選択した実行単位でペーストを実行するため、さらに、誤ったコピーアンドペースト処理を未然に防止することができる。
【0047】
<データ処理装置の編集作業を伴う処理動作>
次に、図4を用いて、本実施形態に係るデータ処理装置の編集作業を伴う処理動作について説明する。
まず、改行コードを含むテキスト文字列のコピー処理を実行する(ステップS201)。次に、コピー処理をした改行コードを含むテキスト文字列のペースト処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、コピー処理の対象となるテキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する(ステップS202)。
【0048】
そして、編集用ウインドウに表示されたテキスト文字列を編集し(ステップS203)、編集用ウインドウ上に表示されているコマンドを選択して、その選択された実行単位で、編集用ウインドウにペースト処理対象のテキスト文字列を表示し、そのペースト実行処理を行う(ステップS204)。
【0049】
したがって、本実施形態に係るデータ処理装置の編集作業を伴う処理動作では、ペースト処理の実行の前に、編集用ウインドウ上で、テキスト文字列の編集を行うことができ、しかも、その編集されたテキスト文字列をペーストすることができる。
【0050】
<データ処理装置の中止時の処理動作>
次に、図5を用いて、本実施形態に係るデータ処理装置の中止時の処理動作について説明する。
まず、改行コードを含むテキスト文字列のコピー処理を実行する(ステップS301)。次に、コピー処理をした改行コードを含むテキスト文字列のペースト処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、コピー処理の対象となるテキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する(ステップS302)。
【0051】
そして、編集用ウインドウ上に表示されているコマンドのうち中止コマンドを選択された場合、編集用ウインドウにペースト処理対象のテキスト文字列を表示し、そのペースト実行処理を中止する(ステップS303)。
【0052】
したがって、本実施形態に係るデータ処理装置の中止時の処理動作では、誤ったテキスト文字列をコピーした場合には、中止コマンドをクリックすることにより、即座に、ペースト処理を中止することができる。
【0053】
なお、データ処理装置の処理をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをデータ処理装置に読み込ませ、実行することによって本発明のデータ処理装置を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0054】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されても良い。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0055】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0056】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0057】
100;データ処理装置
101;コマンド入力部
102;制御部
103;編集用ウインドウ生成部
104;テキスト文字列入力部
105;テキスト文字列編集部
106;表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テキスト文字列のコピー処理およびペースト処理が可能なデータ処理装置であって、
改行コードを含む前記テキスト文字列のコピー処理を実行し、コピー処理をした前記改行コードを含むテキスト文字列のペースト処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、前記コピー処理の対象となる前記テキスト文字列のすべてを編集用ウインドウに表示する編集用ウインドウ表示手段を備えたことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
ペーストの実行処理を行う前記テキスト文字列の実行単位を選択して実行するペースト処理実行手段を備え、
前記ユーザからのペースト処理の実行指示があったときに、前記選択された実行単位で、前記編集用ウインドウに表示された前記テキスト文字列の前記ペーストの実行処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記ペースト処理実行手段が、前記編集用ウインドウ上にコマンド表示されていることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記ペースト処理実行手段に、ペースト処理を中止するコマンド表示を含むことを特徴とする請求項3に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記編集用ウインドウに表示されたテキスト文字列を編集する編集手段を備え、
前記ユーザからのペースト処理の実行指示があったときに、前記編集された前記テキスト文字列の前記ペーストの実行処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記編集手段により編集された前記テキスト文字列を識別可能に表示することを特徴とする請求項5に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
テキスト文字列のコピー処理およびペースト処理が可能なデータ処理装置におけるデータ処理方法であって、
改行コードを含む前記テキスト文字列のコピー処理を実行する第1のステップと、
コピー処理をした前記改行コードを含むテキスト文字列のペースト処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、前記コピー処理の対象となる前記テキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する第2のステップと、
前記編集用ウインドウ上に表示されているコマンドを選択して、該選択された実行単位で、前記編集用ウインドウに表示された前記テキスト文字列の前記ペーストの実行処理を行う第3のステップと、
を備えたことを特徴とするデータ処理方法。
【請求項8】
テキスト文字列のコピー処理およびペースト処理が可能なデータ処理装置におけるデータ処理方法であって、
改行コードを含む前記テキスト文字列のコピー処理を実行する第1のステップと、
コピー処理をした前記改行コードを含むテキスト文字列のペースト処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、前記コピー処理の対象となる前記テキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する第2のステップと、
前記編集用ウインドウに表示されたテキスト文字列を編集する第3のステップと、
前記編集用ウインドウ上に表示されているコマンドを選択して、該選択された実行単位で、前記編集用ウインドウに表示された前記テキスト文字列の前記ペーストの実行処理を行う第4のステップと、
を備えたことを特徴とするデータ処理方法。
【請求項9】
テキスト文字列のコピー処理およびペースト処理が可能なデータ処理装置におけるデータ処理方法であって、
改行コードを含む前記テキスト文字列のコピー処理を実行する第1のステップと、
コピー処理をした前記改行コードを含むテキスト文字列のペースト処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、前記コピー処理の対象となる前記テキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する第2のステップと、
前記編集用ウインドウ上に表示されているコマンドのうち中止コマンドを選択された場合、前記編集用ウインドウに表示された前記テキスト文字列の前記ペーストの実行処理を中止する第3のステップと、
を備えたことを特徴とするデータ処理方法。
【請求項10】
テキスト文字列のコピー処理およびペースト処理が可能なデータ処理装置におけるデータ処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
改行コードを含む前記テキスト文字列のコピー処理を実行する第1のステップと、
コピー処理をした前記改行コードを含むテキスト文字列のペースト処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、前記コピー処理の対象となる前記テキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する第2のステップと、
前記編集用ウインドウ上に表示されているコマンドを選択して、該選択された実行単位で、前記編集用ウインドウに表示された前記テキスト文字列の前記ペーストの実行処理を行う第3のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
テキスト文字列のコピー処理およびペースト処理が可能なデータ処理装置におけるデータ処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
改行コードを含む前記テキスト文字列のコピー処理を実行する第1のステップと、
コピー処理をした前記改行コードを含むテキスト文字列のペースト処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、前記コピー処理の対象となる前記テキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する第2のステップと、
前記編集用ウインドウに表示されたテキスト文字列を編集する第3のステップと、
前記編集用ウインドウ上に表示されているコマンドを選択して、該選択された実行単位で、前記編集用ウインドウに表示された前記テキスト文字列の前記ペーストの実行処理を行う第4のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
テキスト文字列のコピー処理およびペースト処理が可能なデータ処理装置におけるデータ処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
改行コードを含む前記テキスト文字列のコピー処理を実行する第1のステップと、
コピー処理をした前記改行コードを含むテキスト文字列のペースト処理をユーザが指示したときに、一時バッファとなる編集用ウインドウを画面内に形成し、前記コピー処理の対象となる前記テキスト文字列をすべて編集用ウインドウに表示する第2のステップと、
前記編集用ウインドウ上に表示されているコマンドのうち中止コマンドを選択された場合、前記編集用ウインドウに表示された前記テキスト文字列の前記ペーストの実行処理を中止する第3のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−128864(P2011−128864A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286413(P2009−286413)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】