データ処理装置及び半導体装置
【課題】共通のレーンを介して複数のペリフェラルをホスト装置に結合した場合に、ペリフェラル毎の受信性能に応じたデータ転送を可能にする。
【解決手段】データ処理装置(1)は、インタフェースを備えたホスト装置(10)と、複数のデータレーンを介して上記インタフェースに結合された第1装置(12)と、上記複数のデータレーンにおける一部のデータレーンを介して上記インタフェースに結合された第2装置(13)とを含む。上記インタフェースは、実データにダミーデータを付加して上記複数のデータレーンに振り分けて送信し、上記第1装置及び上記第2装置の一方に上記実データが取り込まれるとき、他方には上記実データを無意味なデータと認識させる。それにより、上記第1装置及び上記第2装置に対して受信性能に応じたデータ転送を行えるようになる。
【解決手段】データ処理装置(1)は、インタフェースを備えたホスト装置(10)と、複数のデータレーンを介して上記インタフェースに結合された第1装置(12)と、上記複数のデータレーンにおける一部のデータレーンを介して上記インタフェースに結合された第2装置(13)とを含む。上記インタフェースは、実データにダミーデータを付加して上記複数のデータレーンに振り分けて送信し、上記第1装置及び上記第2装置の一方に上記実データが取り込まれるとき、他方には上記実データを無意味なデータと認識させる。それにより、上記第1装置及び上記第2装置に対して受信性能に応じたデータ転送を行えるようになる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、差動シリアル通信におけるデータ転送技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、サブディスプレイ用液晶ドライバや周辺デバイスとホスト装置とを接続する専用信号配線を削減する技術が記載されている。それによれば、サブディスプレイ用液晶ドライバに対するストローブ制御、カメラフラッシュライト、イルミネーション表示のためのLED(発光ダイオード)など周辺デバイスに対する制御のように、論理レベルが決まったレベル信号による制御を受ける回路に対する信号分配機能を液晶駆動制御装置で担うことができる。
【0003】
特許文献2には、液晶駆動制御装置としての半導体集積回路においてサブ液晶標示制御装置に対するパラレルインタフェース制御のためのインタフェース制御信号の出力端子数増大を抑制するための技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−330551号公報
【特許文献2】特開2008−070715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
モバイル機器のカメラとディスプレイのインタフェース規格として、モバイル・インダストリー・プロセッサ・インタフェース(MIPI:Mobile Industry Processor Interface)が知られている。MIPIにおけるDSI(Display Serial Interface)では、画像データを出力するデバイス(ホスト装置)と液晶ディスプレイなどの装置(ペリフェラル)とは、同期信号を伝達するためのクロックレーン及び表示データや制御信号を伝達するためのデータレーンを介して結合される。ここで、クロックレーンやデータレーンは、それぞれ2線式の差動シリアル通信路とされる。クロックレーンは一つであるが、データレーン数は必要とされる帯域幅によりシステム設計時に決定される。MIPI−DSIでは、バーチャルチャネル(Virtual Channel)により外部に複数のメインLCD、サブLCDを接続し、それぞれを識別することが可能となる。
【0006】
ホスト装置において、メインLCD専用のインタフェースと、サブLCD専用のインタフェースとを別個に設けることにより、メインLCD(液晶ディスプレイ)と、サブLCDとを、それぞれ必要とされる帯域幅に応じたデータレーン数でホスト装置に接続することができる。
【0007】
しかし、メインLCD専用のインタフェースと、サブLCD専用のインタフェースとを別個に設ける場合には、メインLCD専用のインタフェースに結合されるレーンと、サブLCD専用のインタフェースに結合されるレーンとを別個に設ける必要があり、製造コストの上昇や消費電力の増大を招く。
【0008】
サブLCDは、メインLCDに比べて解像度が低い。全てのペリフェラルが共通のインタフェースに接続することを考慮した場合、同一のデータレーン数で構成される必要がある。その場合、ホスト装置に接続するサブLCDよりも大きな帯域幅を必要とするメインLCDに合わせてデータレーン数が決定される。
【0009】
しかし、同一レーン数にするには、サブLCD側におけるレーン形成のための配線数は、サブLCDを専用のインタフェースを利用して単独でホスト装置に接続する場合に比べて多くなってしまう。また、サブLCDは、メインLCDと同等の受信性能、すなわち自身が必要とする帯域幅よりも大きな帯域幅のデータを受信するための性能が必要になり、製造コストの上昇を招く。
【0010】
尚、特許文献1に示されるように、ホスト装置からの信号を液晶駆動制御装置で受けて、そこからサブディスプレイ用の回路等に駆動信号を供給する構成を採用すると、サブ側を制御するための回路をメイン側に搭載する必要がある。
【0011】
本発明の目的は、共通のレーンを介して複数のペリフェラルをホスト装置に結合した場合に、ペリフェラル毎の受信性能に応じたデータ転送を可能にするための技術を提供することにある。
【0012】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0014】
すなわち、データ処理装置は、差動シリアル通信における複数のデータレーンに結合可能なインタフェースを備えたホスト装置と、上記複数のデータレーンを介して上記インタフェースに結合された第1装置と、上記複数のデータレーンにおける一部のデータレーンを介して上記インタフェースに結合された第2装置とを含む。上記インタフェースは、実データにダミーデータを付加して上記複数のデータレーンに振り分けて送信し、上記第1装置及び上記第2装置の一方に上記実データが取り込まれるとき、他方には上記実データを無意味なデータと認識させる。
【発明の効果】
【0015】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0016】
すなわち、共通のレーンを介して複数のペリフェラルをホスト装置に結合した場合に、ペリフェラル毎の受信性能に応じたデータ転送を可能にするための技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るデータ処理装置の構成例ブロック図である。
【図2】図1に示されるデータ処理装置に含まれるプロセッサの構成例ブロック図である。
【図3】MIPI−DSIから出力されるパケットの構造説明図である。
【図4】MIPI−DSIからパケットが連続して送信される場合の説明図である。
【図5】送信データとデータレーンとの関係説明図である。
【図6】データレーンと、メインLCD及びサブLCDでの受信データとの関係説明図である。
【図7】メインLCDで表示される画像データをプロセッサから送信する場合の説明図である。
【図8】サブLCDで表示される画像データをプロセッサから送信する場合の説明図である。
【図9】メインLCDに画像データを送信する場合の実データパケットの前に付加されるNullパケットにおけるダミーデータの生成についての説明図である。
【図10】メインLCDに画像データを送信する場合の実データパケットの後に付加されるNullパケットにおけるダミーデータの生成についての説明図である。
【図11】サブLCDに画像データを送信する場合の実データパケットの前に付加されるNullパケットにおけるダミーデータの生成についての説明図である。
【図12】メインLCD及びサブLCDに交互に実データを送信する場合のデータ配列についての説明図である。
【図13】メインLCDとサブLCDとで、同時に画像表示を行う場合のデータ出力タイミングの説明図である。
【図14】本発明に係るデータ処理装置の別の構成例ブロック図である。
【図15】図14に示されるデータ処理装置において、メインLCDで表示される画像データをプロセッサから送信する場合の説明図である。
【図16】図14に示されるデータ処理装置において、サブLCDで表示される画像データをプロセッサから送信する場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0019】
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係るデータ処理装置(1)は、差動シリアル通信における複数のデータレーンに結合可能なインタフェースを備えたホスト装置(10)と、上記複数のデータレーンを介して上記インタフェースに結合された第1装置(12)と、上記複数のデータレーンにおける一部のデータレーンを介して上記インタフェースに結合された第2装置(13)とを含む。上記インタフェースは、実データにダミーデータを付加して上記複数のデータレーンに振り分けて送信し、上記第1装置及び上記第2装置の一方に上記実データが取り込まれるとき、他方には上記実データを無意味なデータと認識させる。
【0020】
ここで、例えばモバイル機器において、第1装置(例えばメインLCD)と第2装置(例えばサブLCD)とを互いに同一のデータレーン数でホスト装置に接続すると、第2装置よりも大きな帯域幅を必要とする第1装置に合わせてデータレーン数を決定する必要がある。このため、第2装置側におけるレーン形成のための配線数は、第2装置を単独でホスト装置に接続する場合に比べて多くなってしまう。また、第2装置は、第1装置と同等の受信性能、すなわち自身が必要とする帯域幅よりも大きな帯域幅のデータを受信するための性能が必要になり、製造コストの上昇を招くことが考えられる。
【0021】
これに対して本発明の代表的な実施の形態に係るデータ処理装置によれば、上記第1装置は、上記複数のデータレーンを介して上記インタフェースに結合され、上記第2装置は、上記複数のデータレーンにおける一部のデータレーンを介して上記インタフェースに結合されており、上記第2装置が、上記複数のデータレーンにおける全てのデータレーンを介して上記インタフェースに結合されるものではない。このため、第2装置側におけるレーン形成のための配線数は、第2装置に必要とされる帯域幅を得るために最低限の数とすることができる。また、複数のデータレーンのうちの一部を上記第1装置と上記第2装置とで共有することにより、データレーン数の低減を図ることができる。
【0022】
さらに、上記第1装置及び上記第2装置の一方に上記実データが取り込まれるとき、他方には上記実データを無意味なデータと認識させることにより、上記第1装置及び上記第2装置に対して、それぞれの受信性能に応じたデータ転送を行うことができる。これにより、第2装置は、第1装置と同等の受信性能、すなわち自身が必要とする帯域幅よりも大きな帯域幅のデータを受信するための性能が不要であるので、製造コストの上昇を招くこともない。しかも、第2装置側を制御するための回路を第1装置側に搭載する必要もないので、特許文献1に示されるように、ホスト装置からの信号を液晶駆動制御装置で受けて、そこからサブディスプレイ用の回路等に駆動信号を供給する構成を採用する場合に比べて有利となる。
【0023】
〔2〕上記〔1〕において、上記複数のデータレーンには、レーン番号(L0〜L3)が付され、上記第1装置への送信データは、レーン番号の最も小さなデータレーン(L0)から順に振り分けられ、レーン番号の最も大きなデータレーン(L3)で終了するように形成することができる。
【0024】
〔3〕上記〔2〕において、上記第2装置への実データの送信は、最小レーン番号のデータレーン(L0)から開始されるように構成することができる。
【0025】
〔4〕上記〔3〕において、上記インタフェースは、上記第1装置に対して、ダミーデータ、実データ、ダミーデータの順にデータ出力を行うように構成することができる。
【0026】
〔5〕上記〔4〕において、データレーン数の設定変更の容易化を図るため、上記インタフェースには、上記第2装置に対応するデータレーンの数を設定可能なレジスタ(23)を設けることができる。
【0027】
〔6〕上記〔5〕において、上記第1装置は、第1液晶ディスプレイとし、上記第2装置は、上記第1液晶ディスプレイよりも解像度が低い第2液晶ディスプレイとすることができる。
【0028】
〔7〕上記〔6〕において、上記インタフェースは、データ出力を時分割で行うことにより、上記第1液晶ディスプレイと上記第2液晶ディスプレイとの双方に表示用の画像データを時分割で供給するように構成することができる。
【0029】
〔8〕本発明の代表的な実施の形態に係る半導体装置(10)は、差動シリアル通信における複数のデータレーンに結合可能なインタフェース(21)を備える。上記インタフェースは、上記複数のデータレーンを介してデータを送信するための送信回路(22)と、上記送信回路の動作を制御可能な送信制御回路(24)とを含む。上記送信回路は、上記複数のデータレーンを介して第1装置(12)が結合され、且つ、上記複数のデータレーンにおける一部のデータレーンを介して第2装置(13)が結合された状態で、実データにダミーデータを付加して上記複数のデータレーンに振り分けて送信する。また、上記送信回路は、上記第1装置及び上記第2装置の一方に上記実データが取り込まれるとき、他方には上記実データを無意味なデータと認識させる。
【0030】
〔9〕上記〔8〕において、上記インタフェースには、上記第2装置に対応するデータレーンの数を設定可能なレジスタ(23)を設けることができる。上記送信制御回路は、上記レジスタの設定情報に基づいて、上記送信回路の動作を制御する。
【0031】
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
【0032】
《実施の形態1》
図1には、本発明に係るデータ処理装置の構成例が示される。図1に示されるデータ処理装置1は、マイクロプロセッサ(「プロセッサ」という)10、SDRAM(シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)11、メインLCD12、及びサブLCD13を含んで成り、例えば携帯端末システムなどのモバイル機器に搭載される。サブLCD13は、メインLCD12に比べて解像度が低い。メインLCD12がモバイル機器における筐体の表面に設けられるとき、サブLCD13は上記モバイル機器における筐体の裏面に設けられる。
【0033】
プロセッサ10は、特に制限されないが、公知の半導体製造技術により、例えば単結晶シリコン基板などの一つの半導体基板に形成される。このプロセッサ10には、クロックレーンCL、及びデータレーンL0,L1,L2,L3を介してメインLCD12が結合され、クロックレーンCL及びデータレーンL0を介してサブLCD13が結合されている。クロックレーンCL及びデータレーンL0は、メインLCD12とサブLCD13とで共有される。メインLCD12は、バーチャルチャネルにおけるID=0とされ、サブLCDは、バーチャルチャネルにおけるID=1とされる。ここで、クロックレーンCL、及びデータレーンL0,L1,L2,L3は、それぞれ2線式の差動シリアル通信路とされる。クロックレーンCLを介して通信用クロック信号の伝達が行われる。データレーンL0,L1,L2,L3を介してデータの伝達が行われる。また、プロセッサ10には、SDRAM11が結合されており、プロセッサ10によって処理・生成された画像データが格納されている。SDRAM11内の画像データはプロセッサ11によって読出され、それがメインLCD12やサブLCD13に表示されるようになっている。
【0034】
図2には、上記プロセッサ10の構成例が示される。
【0035】
上記プロセッサ10は、CPU(中央処理装置)20と、MIPI−DSI(「インタフェース」、「画像用インタフェース」、「差動シリアルインタフェース」、「差動通信制御回路」などと称される場合もある)21とを含んで成る。CPU20は、所定のプログラムを実行することによってMIPI−DSI21の動作を制御する。MIPI−DSI21は、SDRAM11と、メインLCD12及びサブLCD13との間でデータのやり取りを仲介する。MIPI−DSI21は、特に制限されないが、送信回路22、設定レジスタ23、及び送信制御回路24を含む。送信回路22は、クロックレーンCL及びデータレーンL0,L1,L2,L3を介してデータの送信を行う。設定レジスタ23には、CPU20によってレーン数やデータサイズなどの各種制御情報が設定される。送信制御回路24は、上記設定レジスタ23の設定情報に従って、送信回路22によるデータ送信を制御する。
【0036】
上記送信回路22は、送信データ生成部221、ダミーデータ生成部222、クロック制御部223、レーン振り分け部224、及び物理層225を含む。送信データ生成部221は、SDRAM11から伝達されたデータに基づいて所定構造の送信データを形成する。ダミーデータ生成部222は、後述するNULパケットにおけるダミーデータを生成する。クロック制御部223は、クロックレーンCLを介して送信されるクロック信号の周波数等を制御する。レーン振り分け部224は、上記送信データ生成部221で生成された送信データや、上記ダミーデータ生成部222で生成されたダミーデータを、データレーンL0,L1,L2,L3に振り分ける。このデータの振り分けはバイト単位で行われ、レーン番号の最も小さなデータレーン(本例ではL0)から昇順に行われる。レーン番号の最も大きなデータレーン(ここではL3)にデータが割り振られた時点で、未だデータが残っている場合には、再びレーン番号の最も小さなデータレーン(ここではL0)から昇順にデータが割り振られる。尚、このデータの振り分けは、レーン番号の最も大きなデータレーン(本例ではL3)で終了するようにパケットのデータ長が調整される。上記クロック制御部223で制御されたクロック信号や、上記レーン振り分け部224で振り分けられた送信データは、物理層225を介して、それぞれ対応するレーンに出力される。このとき、物理層225では、クロックレーンCL及びデータレーンL0,L1,L2,L3に出力される差動信号における電圧レベルの調整などが行われる。
【0037】
図3には、上記MIPI−DSI21から出力されるパケットの構造が示される。
【0038】
パケットには、ロングパケットとショートパケットとが含まれる。
【0039】
ロングパケットは、図3の(A)に示されるように、パケットヘッダ、パケットデータ部、パケットフッタを含んで成る。パケットヘッダは、4バイト構成とされ、「Data ID」、「Word Count」、「ECC」を含む。「Data ID」は、1バイト構成とされ、図3の(B)に示されるように、バーチャルチャネル識別子(VC)と、データタイプ(DT)とを含む。「Word Count」は、2バイト構成とされ、パケットデータ部のワード数を表す。「ECC」は、1バイト構成の誤り訂正符号とされる。パケットデータ部は、アプリケーション固有のペイロードとされ、そのサイズは、「Word Count」で示される。パケットフッタは、誤り検出符号の一種であるチェックサムとされる。ここでチェックサムは2バイト構成のCRCとされる。
【0040】
ショートパケットは、図3の(C)に示されるように、4バイト構成のパケットヘッダを含む。このパケットフッダは、それぞれ1バイト構成の「Data ID」、「Data0」、「Data1」、「ECC」を含む。「Data ID」は、1バイト構成とされ、図3の(B)に示されるように、バーチャルチャネル識別子(VC)と、データタイプ(DT)とを含む。「Data0」、「Data1」は2バイト構成のデータ部である。「ECC」は、1バイト構成の誤り訂正符号とされる。
【0041】
図4には、上記パケットが連続して送信する例が示される。バーチャルチャネルのID(VC ID=0,VC ID=1)により、異なる転送先に連続してデータ(「16−Bit RGB」,「DCS Wr Cmd」,「DCS Rd Req」)を送信することができる。「PH」はパケットヘッダを示し、「PF」はパケットフッタを示している。
【0042】
MIPI−DSIでは、データ転送方法として、HS(ハイスピード)転送と、LP(ローパワー)転送が利用可能とされる。HS転送では、全てのデータレーンが使用され、LP転送ではひとつのデータレーンのみが使用される。プロセッサからペリフェラルへのデータ転送(順方向のデータ転送)では、HS転送又はLP転送が使用され、ペリフェラルからプロセッサへのデータ転送(逆方向のデータ転送)ではLP転送が使用される。HS転送時は、LP転送時に比べて出力信号の振幅が小さい。例えばHS転送時の信号振幅は100〜300mVとされ、LP転送時の信号振幅は0〜1.2Vとされる。
【0043】
ここでMIPI−DSIによる基本的なデータ送信について説明する。
【0044】
図5に示されるように、送信データがByte0,Byte1,Byte2,Byte3,Byte4,Byte5,…とされるとき、HS転送時には、この送信データが、データレーンL0,L1,L2,L3に振り分けられて出力されることにより、ペリフェラルに伝達される。データの振り分けは、レーン番号の最も小さなデータレーン(ここではL0)から昇順に行われる。レーン番号の最も大きなデータレーン(ここではL3)にデータが割り振られた時点で、未だデータが残っている場合には、再びレーン番号の最も小さなデータレーン(ここではL0)から昇順にデータが割り振られる。このようなデータ送信が行われた場合、図6に示されるように、メインLCD12では、Byte0,Byte1,Byte2,Byte3,Byte4,Byte5の順に、データを正しく受信することができる。これに対して、サブLCD13では、基本的にデータレーンL0を介して伝達されたデータ以外は受信することができないため、受信データは、Byte0,Byte4,Byte8,…というように、メインLCD12での受信データとは異なる。
【0045】
上記複数のデータレーンに振り分けて送信した場合に上記メインLCD12と上記サブLCD13とで受信されるデータの違いを利用して、上記メインLCD12及び上記サブLCD13の一方に上記実データが取り込まれるとき、他方には上記実データを無意味なデータと認識させることにより、以下のように上記メインLCD12と上記サブLCD13とに画像データを正しく伝達することができる。
【0046】
図7には、図1に示されるデータ処理装置1において、メインLCD(ID=0)12で表示される画像データをプロセッサ10から送信する場合の例が示される。
【0047】
プロセッサ10内の送信データ生成部221によって実データパケットが形成され、プロセッサ内のダミーデータ生成部222によってNull(ヌル)パケットが形成される。Nullパケットは、データタイプ(DT)が「09」とされ、有効なデータを含まないパケットとされる。実データパケット及びNullパケットは、レーン振り分け部224によりデータレーンL0,L1,L2,L3に振り分けられる。メインLCD12から見た場合、データレーンL0,L1,L2,L3を介して伝達される実データパケットの前後にはNullパケットが配置されている。実データパケットは、データタイプ(DT)が「3E」とされる。パケットデータ部73の大きさは、「Word Count」で示される。ここでは、「Word Count」が「D0,02」(720)とされる。「XX」はECC又はCRCにより算出された値とされる。
【0048】
実データパケットの前に配置されるNullパケットにおけるパケットデータ部の大きさは、「Word Count」で示される。ここでは、「Word Count」が「0C,00」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部71には、ダミーデータが埋め込まれており、このダミーデータはメインLCD12において無視される。尚、「XX」はECC又はCRCにより算出された値とされる。
【0049】
実データパケットの後に配置されるNullパケットは、「Word Count」が「06,00」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部72にはダミーデータが埋め込まれており、このダミーデータはメインLCD12において無視される。尚、「XX」はECC又はCRCにより算出された値とされる。
【0050】
メインLCD12では、データレーンL0,L1,L2,L3を介してメインLCD12に伝達された実データパケットにおけるパケットデータ部73に基づいて画像表示が行われる。
【0051】
また、上記データレーンL0,L1,L2,L3を介してメインLCD12に伝達されるデータのうち、データレーンL0のデータは、サブLCD13にも伝達される。データレーンL0を介してサブLCD13に伝達されたパケットは、データタイプ(DT)が「09」とされ、有効なデータを含まないパケットとされる。ここでは、「Word Count」が「B7,00」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部74は、サブLCD13において無視される。尚、「YY」はECC又はCRCにより算出された値とされる。
【0052】
このように、メインLCD(ID=0)12で表示される画像データをプロセッサ10から送信する場合には、データレーンL0,L1,L2,L3を介してメインLCD12に伝達されるデータのうち、データレーンL0のデータがサブLCD13にも伝達される。しかし、このときサブLCD13では、データレーンL0のデータがNullパケットであり、それが無視されてしまうから、データレーンL0のデータに基づく画像表示は行われない。
【0053】
図8には、図1に示されるデータ処理装置1において、サブLCD(ID=1)13で表示される画像データをプロセッサ10から送信する場合の例が示される。
【0054】
サブLCD13から見た場合、データレーンL0を介して伝達される実データパケットの前にはNullパケットが配置されている。実データパケットは、データタイプ(DT)が「7E」とされる。パケットデータ部82の大きさは、「Word Count」で示される。ここでは、「Word Count」が「60,00」(96)とされる。「YY」はECC又はCRCにより算出された値とされる。実データパケットの前に配置されたNullパケットパケットデータ部の大きさは、「Word Count」で示される。ここでは、「Word Count」が「00,00」とされ、データパケット部は存在しない。サブLCD13では、実データパケットにおけるパケットデータ部82に基づいて画像表示が行われる。
【0055】
データレーンL0を介してサブLCD13へのデータ送信が行われているとき、メインLCD12には、データレーンL0,L1,L2,L3を介して、Nullパケットが伝達される。つまり、メインLCD12から見た場合、データレーンL0,L1,L2,L3を介して伝達されるデータは、データタイプ(DT)が「09」とされるNullパケットとされる。このNullパケットの大きさは、「Word Count」が「AA,01」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部81には、ダミーデータが埋め込まれており、このダミーデータはメインLCD12において無視される。尚、「XX」はECC又はCRCにより算出された値とされる。
【0056】
次に、ダミーデータ生成部222でのダミーデータ生成について説明する。
【0057】
図9には、メインLCD12に画像データを送信する場合の実データパケットの前に付加されるNullパケットにおけるダミーデータの生成例が示される。尚、データレーンL0,L1,L2,L3によるデータ送信先を4レーン側とし、データレーンL0によるデータ送信先を1レーン側とする。
【0058】
「n」を実データパケット(パケットヘッダ及びパケットフッタを含む)のバイト数とするとき、次式により、「k」を求める。ただし、〔〕内の小数点以下は切り捨てるものとする。これにより、「k」は、実データのバイト数「n」を4(レーン数)で割った場合の余りを示す。
【0059】
【数1】
【0060】
そして、4レーン側に送信するパットヘッダからECC1を計算し(91参照)、次式により、「Word Count」の値「WC」を算出する(92参照)。ただし、2バイト構成の「Word Count」は、下位8ビット、上位8ビットの順に配置する。
【0061】
【数2】
【0062】
次に、1レーン側に送信するパケットヘッダからECC2を算出し(93参照)、4レーン側に送信するパケットデータからチェックサムのためのCRC1を算出する(94参照)。
【0063】
このようにして、メインLCD12に画像データを送信する場合の実データパケットの前に付加されるNullパケット(ダミーデータ)が生成される。ダミーデータは、数1による「k」の値によって異なる。つまり、実データのバイト数「n」を4(レーン数)で割った場合の余りである「k」の値に応じて、適切なダミーデータ長が決定される。これにより、実データパケットの送信は、例えば図7に示されるように、レーン番号の最も大きなデータレーン(本例ではL3)で終了させることができる。この結果、レーン振り分け部224での送信データの振り分けにおいて、レーン番号の最も大きなデータレーン(本例ではL3)で終了させるのが容易になる。
【0064】
図10には、メインLCD12に画像データを送信する場合の実データパケットの後に付加されるNullパケットにおけるダミーデータの生成例が示される。
【0065】
先ず、4レーン側に送信するパケットヘッダからECC3を算出する(105参照)。そして、1レーン側に送信するパケットデータからCRC2を算出し(106参照)、4レーン側に送信するパケットデータからチェックサムのためのCRC3を算出する(107参照)。
【0066】
このようにして、メインLCD12に画像データを送信する場合の実データパケットの後に付加されるNullパケットにおけるダミーデータが生成される。
【0067】
図11には、サブLCD13に画像データを送信する場合の実データパケットの前に付加されるNullパケットにおけるダミーデータの生成例が示される。
【0068】
「n」を実データパケット(パケットヘッダ及びパケットフッタを含む)のバイト数とするとき、次式により、「Word Count」の値「WC」を算出する(111参照)。ただし、2バイト構成の「Word Count」は、下位8ビット、上位8ビットの順に配置する。
【0069】
【数3】
【0070】
次に、4レーン側に送信するパケットヘッダからECC1を算出し(112参照)、1レーン側に送信するパケットヘッダからECC2を算出する(113参照)。そして、チェックサムのためのCRC1を算出する(114参照)。このとき、CRC1は、「FFFFh」とされる。
【0071】
尚、サブLCD13に画像データを送信する場合の実データパケットの後にダミーデータが付加される。このダミーデータは、レーンL0にて実データの最後のバイトを送信する際に、4レーン側に送信するパケットデータから算出したCRCがパケットヘッダとして、データレーンL2、L3を介して送信される。
【0072】
図12には、メインLCD12及びサブLCD13に交互に実データを送信する場合のデータ配列が示される。
【0073】
HS(ハイスピード)転送が行われる毎に、LP転送モードに遷移する場合には、図12の(A)に示されるように、HS転送毎にLPS(ローパワーステート)が設けられる。LPSは、HS転送モードからLP転送モードに遷移して、データの出力を停止した状態とされる。プロセッサからメインLCD12に表示用の画像データをHS転送するモードでは、メインLCD12での表示に用いられる実データと、当該実データの前後に付加されたダミーデータが送信される。プロセッサからサブLCD13に表示用の画像データをHS転送するモードでは、サブLCD13での表示に用いられる実データと、当該実データの前後に付加されたダミーデータが送信される。
【0074】
HS転送モードでメインLCD12とサブLCD13とにデータを連続して送信する場合には、例えば図12の(B)に示されるように、LPSを省略することができる。この場合、モード切り替えに伴うオーバーヘッドは生じない。
【0075】
図13には、メインLCD12とサブLCD13とで、同時に画像表示を行う場合のデータ出力タイミングが示される。
【0076】
「HSS(Main)」はメインLCD12の水平同期信号、「HSS(Sub)」はサブLCD13の水平同期信号である。「RGB(Main)」は、メインLCD12で表示される画像データ、「RGB(Sub)」は、サブLCD13で表示される画像データである。「tL」はライン時間、「tHFP(Main)」はメインLCD12の水平フロントポーチ期間、「tHFP(Sub)」はサブLCD13の水平フロントポーチ期間である。「tHBP(Main)」はメインLCD12の水平バックポーチ期間、「tHBP(Sub)」はサブLCD13の水平バックポーチ期間である。「tHACT(Main)」は、メインLCD12の画像データ期間、「tHACT(Sub)」は、サブLCD13の画像データ期間である。
【0077】
メインLCD12とサブLCD13とで、同時に画像表示を行う場合には、ライン時間tL内に、メインLCD12の水平同期信号HSS(Main)、メインLCD12で表示される画像データRGB(Main)、サブLCD13の水平同期信号HSS(Sub)、サブLCD13で表示される画像データRGB(Sub)の順に送信される。
【0078】
メインLCD12の水平同期信号HSS(Main)、メインLCD12で表示される画像データRGB(Main)、サブLCD13の水平同期信号HSS(Sub)、サブLCD13で表示される画像データRGB(Sub)の前後にはダミーデータが配置されている。また、メインLCD12で表示される画像データRGB(Main)、サブLCD13の水平同期信号HSS(Sub)、サブLCD13で表示される画像データRGB(Sub)間には、LPSが設けられる。メインLCD12で表示される画像データRGB(Main)は、メインLCD12の画像データ期間tHACT(Main)に伝達される。サブLCD13で表示される画像データRGB(Sub)は、サブLCD13の画像データ期間tHACT(Sub)に伝達される。LPSは、水平フロントポーチ期間tHFP(Main),tHFP(Sub)や、水平バックポーチ期間tHBP(Main),tHBP(Sub)に割り当てられる。
【0079】
《実施の形態2》
図14には、本発明に係るデータ処理装置の別の構成例が示される。
【0080】
図14に示されるデータ処理装置が、図1に示されるのと大きく相違するのは、データレーンL0,L1を介してサブLCD13へのデータ転送が行われる点である。
【0081】
図15には、図14に示されるデータ処理装置1において、メインLCD(ID=0)12で表示される画像データをプロセッサ10から送信する場合の例が示される。図15に示される例では、実データパケットの前に、二つのNullパケットが送信される。
【0082】
二つのNullパケットは、それぞれデータタイプ(DT)が「09」とされ、有効なデータを含まないパケットとされる。実データパケット及びNullパケットは、レーン振り分け部224によりデータレーンL0,L1,L2,L3に振り分けられる。実データパケットは、データタイプ(DT)が「3E」とされる。パケットデータ部144の大きさは、「Word Count」で示され、ここでは、「Word Count」が「D0,02」(720)とされる。「XX」はECC又はCRCにより算出された値とされる。
【0083】
実データパケットの前に配置される二つのNullパケットにおけるパケットデータ部の大きさは、それぞれ「Word Count」で示される。一つ目のNullパケットの「Word Count」は「02,00」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部141のダミーデータはメインLCD12において無視される。同様に二つ目のNullパケットの「Word Count」は「0C,00」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部142のダミーデータはメインLCD12において無視される。尚、「XX」はECC又はCRCにより算出された値とされる。
【0084】
実データパケットの後に配置されるNullパケットは、「Word Count」が「04,00」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部143のダミーデータはメインLCD12において無視される。尚、「XX」はECC又はCRCにより算出された値とされる。
【0085】
メインLCD12では、データレーンL0,L1,L2,L3を介してメインLCD12に伝達された実データパケットにおけるパケットデータ部144に基づいて画像表示が行われる。
【0086】
また、上記データレーンL0,L1,L2,L3を介してメインLCD12に伝達されるデータのうち、データレーンL0,L1のデータは、サブLCD13にも伝達される。データレーンL0を介してサブLCD13に伝達されたパケットは、それぞれデータタイプ(DT)が「09」とされる二つのNullパケットとされる。一つ目のNullパケットは、「Word Count」が「02,00」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部145は、サブLCD13において無視される。同様に二つ目のNullパケットは、「Word Count」が「6E,01」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部146が、サブLCD13において無視される。尚、「YY」はECC又はCRCにより算出された値とされる。
【0087】
このように、メインLCD(ID=0)12で表示される画像データをプロセッサ10から送信する場合には、データレーンL0,L1,L2,L3を介してメインLCD12に伝達されるデータのうち、データレーンL0,L1のデータがサブLCD13にも伝達される。しかし、このときサブLCD13では、データレーンL0,L1のデータがNullパケットであり、それが無視されてしまうから、データレーンL0,L1のデータに基づく画像表示は行われない。
【0088】
図16には、図14に示されるデータ処理装置1において、サブLCD(ID=1)13で表示される画像データをプロセッサ10から送信する場合の例が示される。
【0089】
サブLCD13から見た場合、データレーンL0,L1を介して伝達される実データパケットの前にはNullパケットが配置されている。実データパケットは、データタイプ(DT)が「7E」とされる。パケットデータ部162の大きさは、「Word Count」で示される。ここでは、「Word Count」が「60,00」(96)とされる。「YY」はECC又はCRCにより算出された値とされる。実データパケットの前に配置されたNullパケットパケットデータ部の大きさは、「Word Count」で示される。ここでは、「Word Count」が「02,00」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部163は、サブLCD13において無視される。サブLCD13では、実データパケットにおけるパケットデータ部163に基づいて画像表示が行われる。
【0090】
データレーンL0,L1を介してサブLCD13へのデータ送信が行われているとき、メインLCD12には、データレーンL0,L1,L2,L3を介して、二つのNullパケットが伝達される。つまり、メインLCD12から見た場合、データレーンL0,L1,L2,L3を介して伝達されるデータは、データタイプ(DT)が「09」とされる二つのNullパケットとされる。一つ目のNullパケットの大きさは、「Word Count」が「02,00」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部164には、ダミーデータが埋め込まれており、このダミーデータはメインLCD12において無視される。同様に、二つ目のNullパケットの大きさは、「Word Count」が「CE,00」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部161には、ダミーデータが埋め込まれており、このダミーデータはメインLCD12において無視される。尚、「XX」はECC又はCRCにより算出された値とされる。
【0091】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0092】
例えば、プロセッサ10と、メインLCD12及びサブLCD13とを結合するデータレーンの数は任意に設定することができる。
【0093】
メインLCD12やサブLCD13に代えて、他の周辺装置を用いることができる。
【符号の説明】
【0094】
1 データ処理装置
10 プロセッサ
11 SDRAM
12 メインLCD
13 サブLCD
20 CPU
21 MIPI−DSI
22 送信回路
23 設定レジスタ
24 送信制御回路
221 送信データ制御部
222 ダミーデータ生成部
223 クロック制御部
224 レーン振り分け部
225 物理層
CL クロックレーン
L0,L1,L2,L3 データレーン
【技術分野】
【0001】
本発明は、差動シリアル通信におけるデータ転送技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、サブディスプレイ用液晶ドライバや周辺デバイスとホスト装置とを接続する専用信号配線を削減する技術が記載されている。それによれば、サブディスプレイ用液晶ドライバに対するストローブ制御、カメラフラッシュライト、イルミネーション表示のためのLED(発光ダイオード)など周辺デバイスに対する制御のように、論理レベルが決まったレベル信号による制御を受ける回路に対する信号分配機能を液晶駆動制御装置で担うことができる。
【0003】
特許文献2には、液晶駆動制御装置としての半導体集積回路においてサブ液晶標示制御装置に対するパラレルインタフェース制御のためのインタフェース制御信号の出力端子数増大を抑制するための技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−330551号公報
【特許文献2】特開2008−070715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
モバイル機器のカメラとディスプレイのインタフェース規格として、モバイル・インダストリー・プロセッサ・インタフェース(MIPI:Mobile Industry Processor Interface)が知られている。MIPIにおけるDSI(Display Serial Interface)では、画像データを出力するデバイス(ホスト装置)と液晶ディスプレイなどの装置(ペリフェラル)とは、同期信号を伝達するためのクロックレーン及び表示データや制御信号を伝達するためのデータレーンを介して結合される。ここで、クロックレーンやデータレーンは、それぞれ2線式の差動シリアル通信路とされる。クロックレーンは一つであるが、データレーン数は必要とされる帯域幅によりシステム設計時に決定される。MIPI−DSIでは、バーチャルチャネル(Virtual Channel)により外部に複数のメインLCD、サブLCDを接続し、それぞれを識別することが可能となる。
【0006】
ホスト装置において、メインLCD専用のインタフェースと、サブLCD専用のインタフェースとを別個に設けることにより、メインLCD(液晶ディスプレイ)と、サブLCDとを、それぞれ必要とされる帯域幅に応じたデータレーン数でホスト装置に接続することができる。
【0007】
しかし、メインLCD専用のインタフェースと、サブLCD専用のインタフェースとを別個に設ける場合には、メインLCD専用のインタフェースに結合されるレーンと、サブLCD専用のインタフェースに結合されるレーンとを別個に設ける必要があり、製造コストの上昇や消費電力の増大を招く。
【0008】
サブLCDは、メインLCDに比べて解像度が低い。全てのペリフェラルが共通のインタフェースに接続することを考慮した場合、同一のデータレーン数で構成される必要がある。その場合、ホスト装置に接続するサブLCDよりも大きな帯域幅を必要とするメインLCDに合わせてデータレーン数が決定される。
【0009】
しかし、同一レーン数にするには、サブLCD側におけるレーン形成のための配線数は、サブLCDを専用のインタフェースを利用して単独でホスト装置に接続する場合に比べて多くなってしまう。また、サブLCDは、メインLCDと同等の受信性能、すなわち自身が必要とする帯域幅よりも大きな帯域幅のデータを受信するための性能が必要になり、製造コストの上昇を招く。
【0010】
尚、特許文献1に示されるように、ホスト装置からの信号を液晶駆動制御装置で受けて、そこからサブディスプレイ用の回路等に駆動信号を供給する構成を採用すると、サブ側を制御するための回路をメイン側に搭載する必要がある。
【0011】
本発明の目的は、共通のレーンを介して複数のペリフェラルをホスト装置に結合した場合に、ペリフェラル毎の受信性能に応じたデータ転送を可能にするための技術を提供することにある。
【0012】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0014】
すなわち、データ処理装置は、差動シリアル通信における複数のデータレーンに結合可能なインタフェースを備えたホスト装置と、上記複数のデータレーンを介して上記インタフェースに結合された第1装置と、上記複数のデータレーンにおける一部のデータレーンを介して上記インタフェースに結合された第2装置とを含む。上記インタフェースは、実データにダミーデータを付加して上記複数のデータレーンに振り分けて送信し、上記第1装置及び上記第2装置の一方に上記実データが取り込まれるとき、他方には上記実データを無意味なデータと認識させる。
【発明の効果】
【0015】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0016】
すなわち、共通のレーンを介して複数のペリフェラルをホスト装置に結合した場合に、ペリフェラル毎の受信性能に応じたデータ転送を可能にするための技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るデータ処理装置の構成例ブロック図である。
【図2】図1に示されるデータ処理装置に含まれるプロセッサの構成例ブロック図である。
【図3】MIPI−DSIから出力されるパケットの構造説明図である。
【図4】MIPI−DSIからパケットが連続して送信される場合の説明図である。
【図5】送信データとデータレーンとの関係説明図である。
【図6】データレーンと、メインLCD及びサブLCDでの受信データとの関係説明図である。
【図7】メインLCDで表示される画像データをプロセッサから送信する場合の説明図である。
【図8】サブLCDで表示される画像データをプロセッサから送信する場合の説明図である。
【図9】メインLCDに画像データを送信する場合の実データパケットの前に付加されるNullパケットにおけるダミーデータの生成についての説明図である。
【図10】メインLCDに画像データを送信する場合の実データパケットの後に付加されるNullパケットにおけるダミーデータの生成についての説明図である。
【図11】サブLCDに画像データを送信する場合の実データパケットの前に付加されるNullパケットにおけるダミーデータの生成についての説明図である。
【図12】メインLCD及びサブLCDに交互に実データを送信する場合のデータ配列についての説明図である。
【図13】メインLCDとサブLCDとで、同時に画像表示を行う場合のデータ出力タイミングの説明図である。
【図14】本発明に係るデータ処理装置の別の構成例ブロック図である。
【図15】図14に示されるデータ処理装置において、メインLCDで表示される画像データをプロセッサから送信する場合の説明図である。
【図16】図14に示されるデータ処理装置において、サブLCDで表示される画像データをプロセッサから送信する場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0019】
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係るデータ処理装置(1)は、差動シリアル通信における複数のデータレーンに結合可能なインタフェースを備えたホスト装置(10)と、上記複数のデータレーンを介して上記インタフェースに結合された第1装置(12)と、上記複数のデータレーンにおける一部のデータレーンを介して上記インタフェースに結合された第2装置(13)とを含む。上記インタフェースは、実データにダミーデータを付加して上記複数のデータレーンに振り分けて送信し、上記第1装置及び上記第2装置の一方に上記実データが取り込まれるとき、他方には上記実データを無意味なデータと認識させる。
【0020】
ここで、例えばモバイル機器において、第1装置(例えばメインLCD)と第2装置(例えばサブLCD)とを互いに同一のデータレーン数でホスト装置に接続すると、第2装置よりも大きな帯域幅を必要とする第1装置に合わせてデータレーン数を決定する必要がある。このため、第2装置側におけるレーン形成のための配線数は、第2装置を単独でホスト装置に接続する場合に比べて多くなってしまう。また、第2装置は、第1装置と同等の受信性能、すなわち自身が必要とする帯域幅よりも大きな帯域幅のデータを受信するための性能が必要になり、製造コストの上昇を招くことが考えられる。
【0021】
これに対して本発明の代表的な実施の形態に係るデータ処理装置によれば、上記第1装置は、上記複数のデータレーンを介して上記インタフェースに結合され、上記第2装置は、上記複数のデータレーンにおける一部のデータレーンを介して上記インタフェースに結合されており、上記第2装置が、上記複数のデータレーンにおける全てのデータレーンを介して上記インタフェースに結合されるものではない。このため、第2装置側におけるレーン形成のための配線数は、第2装置に必要とされる帯域幅を得るために最低限の数とすることができる。また、複数のデータレーンのうちの一部を上記第1装置と上記第2装置とで共有することにより、データレーン数の低減を図ることができる。
【0022】
さらに、上記第1装置及び上記第2装置の一方に上記実データが取り込まれるとき、他方には上記実データを無意味なデータと認識させることにより、上記第1装置及び上記第2装置に対して、それぞれの受信性能に応じたデータ転送を行うことができる。これにより、第2装置は、第1装置と同等の受信性能、すなわち自身が必要とする帯域幅よりも大きな帯域幅のデータを受信するための性能が不要であるので、製造コストの上昇を招くこともない。しかも、第2装置側を制御するための回路を第1装置側に搭載する必要もないので、特許文献1に示されるように、ホスト装置からの信号を液晶駆動制御装置で受けて、そこからサブディスプレイ用の回路等に駆動信号を供給する構成を採用する場合に比べて有利となる。
【0023】
〔2〕上記〔1〕において、上記複数のデータレーンには、レーン番号(L0〜L3)が付され、上記第1装置への送信データは、レーン番号の最も小さなデータレーン(L0)から順に振り分けられ、レーン番号の最も大きなデータレーン(L3)で終了するように形成することができる。
【0024】
〔3〕上記〔2〕において、上記第2装置への実データの送信は、最小レーン番号のデータレーン(L0)から開始されるように構成することができる。
【0025】
〔4〕上記〔3〕において、上記インタフェースは、上記第1装置に対して、ダミーデータ、実データ、ダミーデータの順にデータ出力を行うように構成することができる。
【0026】
〔5〕上記〔4〕において、データレーン数の設定変更の容易化を図るため、上記インタフェースには、上記第2装置に対応するデータレーンの数を設定可能なレジスタ(23)を設けることができる。
【0027】
〔6〕上記〔5〕において、上記第1装置は、第1液晶ディスプレイとし、上記第2装置は、上記第1液晶ディスプレイよりも解像度が低い第2液晶ディスプレイとすることができる。
【0028】
〔7〕上記〔6〕において、上記インタフェースは、データ出力を時分割で行うことにより、上記第1液晶ディスプレイと上記第2液晶ディスプレイとの双方に表示用の画像データを時分割で供給するように構成することができる。
【0029】
〔8〕本発明の代表的な実施の形態に係る半導体装置(10)は、差動シリアル通信における複数のデータレーンに結合可能なインタフェース(21)を備える。上記インタフェースは、上記複数のデータレーンを介してデータを送信するための送信回路(22)と、上記送信回路の動作を制御可能な送信制御回路(24)とを含む。上記送信回路は、上記複数のデータレーンを介して第1装置(12)が結合され、且つ、上記複数のデータレーンにおける一部のデータレーンを介して第2装置(13)が結合された状態で、実データにダミーデータを付加して上記複数のデータレーンに振り分けて送信する。また、上記送信回路は、上記第1装置及び上記第2装置の一方に上記実データが取り込まれるとき、他方には上記実データを無意味なデータと認識させる。
【0030】
〔9〕上記〔8〕において、上記インタフェースには、上記第2装置に対応するデータレーンの数を設定可能なレジスタ(23)を設けることができる。上記送信制御回路は、上記レジスタの設定情報に基づいて、上記送信回路の動作を制御する。
【0031】
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
【0032】
《実施の形態1》
図1には、本発明に係るデータ処理装置の構成例が示される。図1に示されるデータ処理装置1は、マイクロプロセッサ(「プロセッサ」という)10、SDRAM(シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)11、メインLCD12、及びサブLCD13を含んで成り、例えば携帯端末システムなどのモバイル機器に搭載される。サブLCD13は、メインLCD12に比べて解像度が低い。メインLCD12がモバイル機器における筐体の表面に設けられるとき、サブLCD13は上記モバイル機器における筐体の裏面に設けられる。
【0033】
プロセッサ10は、特に制限されないが、公知の半導体製造技術により、例えば単結晶シリコン基板などの一つの半導体基板に形成される。このプロセッサ10には、クロックレーンCL、及びデータレーンL0,L1,L2,L3を介してメインLCD12が結合され、クロックレーンCL及びデータレーンL0を介してサブLCD13が結合されている。クロックレーンCL及びデータレーンL0は、メインLCD12とサブLCD13とで共有される。メインLCD12は、バーチャルチャネルにおけるID=0とされ、サブLCDは、バーチャルチャネルにおけるID=1とされる。ここで、クロックレーンCL、及びデータレーンL0,L1,L2,L3は、それぞれ2線式の差動シリアル通信路とされる。クロックレーンCLを介して通信用クロック信号の伝達が行われる。データレーンL0,L1,L2,L3を介してデータの伝達が行われる。また、プロセッサ10には、SDRAM11が結合されており、プロセッサ10によって処理・生成された画像データが格納されている。SDRAM11内の画像データはプロセッサ11によって読出され、それがメインLCD12やサブLCD13に表示されるようになっている。
【0034】
図2には、上記プロセッサ10の構成例が示される。
【0035】
上記プロセッサ10は、CPU(中央処理装置)20と、MIPI−DSI(「インタフェース」、「画像用インタフェース」、「差動シリアルインタフェース」、「差動通信制御回路」などと称される場合もある)21とを含んで成る。CPU20は、所定のプログラムを実行することによってMIPI−DSI21の動作を制御する。MIPI−DSI21は、SDRAM11と、メインLCD12及びサブLCD13との間でデータのやり取りを仲介する。MIPI−DSI21は、特に制限されないが、送信回路22、設定レジスタ23、及び送信制御回路24を含む。送信回路22は、クロックレーンCL及びデータレーンL0,L1,L2,L3を介してデータの送信を行う。設定レジスタ23には、CPU20によってレーン数やデータサイズなどの各種制御情報が設定される。送信制御回路24は、上記設定レジスタ23の設定情報に従って、送信回路22によるデータ送信を制御する。
【0036】
上記送信回路22は、送信データ生成部221、ダミーデータ生成部222、クロック制御部223、レーン振り分け部224、及び物理層225を含む。送信データ生成部221は、SDRAM11から伝達されたデータに基づいて所定構造の送信データを形成する。ダミーデータ生成部222は、後述するNULパケットにおけるダミーデータを生成する。クロック制御部223は、クロックレーンCLを介して送信されるクロック信号の周波数等を制御する。レーン振り分け部224は、上記送信データ生成部221で生成された送信データや、上記ダミーデータ生成部222で生成されたダミーデータを、データレーンL0,L1,L2,L3に振り分ける。このデータの振り分けはバイト単位で行われ、レーン番号の最も小さなデータレーン(本例ではL0)から昇順に行われる。レーン番号の最も大きなデータレーン(ここではL3)にデータが割り振られた時点で、未だデータが残っている場合には、再びレーン番号の最も小さなデータレーン(ここではL0)から昇順にデータが割り振られる。尚、このデータの振り分けは、レーン番号の最も大きなデータレーン(本例ではL3)で終了するようにパケットのデータ長が調整される。上記クロック制御部223で制御されたクロック信号や、上記レーン振り分け部224で振り分けられた送信データは、物理層225を介して、それぞれ対応するレーンに出力される。このとき、物理層225では、クロックレーンCL及びデータレーンL0,L1,L2,L3に出力される差動信号における電圧レベルの調整などが行われる。
【0037】
図3には、上記MIPI−DSI21から出力されるパケットの構造が示される。
【0038】
パケットには、ロングパケットとショートパケットとが含まれる。
【0039】
ロングパケットは、図3の(A)に示されるように、パケットヘッダ、パケットデータ部、パケットフッタを含んで成る。パケットヘッダは、4バイト構成とされ、「Data ID」、「Word Count」、「ECC」を含む。「Data ID」は、1バイト構成とされ、図3の(B)に示されるように、バーチャルチャネル識別子(VC)と、データタイプ(DT)とを含む。「Word Count」は、2バイト構成とされ、パケットデータ部のワード数を表す。「ECC」は、1バイト構成の誤り訂正符号とされる。パケットデータ部は、アプリケーション固有のペイロードとされ、そのサイズは、「Word Count」で示される。パケットフッタは、誤り検出符号の一種であるチェックサムとされる。ここでチェックサムは2バイト構成のCRCとされる。
【0040】
ショートパケットは、図3の(C)に示されるように、4バイト構成のパケットヘッダを含む。このパケットフッダは、それぞれ1バイト構成の「Data ID」、「Data0」、「Data1」、「ECC」を含む。「Data ID」は、1バイト構成とされ、図3の(B)に示されるように、バーチャルチャネル識別子(VC)と、データタイプ(DT)とを含む。「Data0」、「Data1」は2バイト構成のデータ部である。「ECC」は、1バイト構成の誤り訂正符号とされる。
【0041】
図4には、上記パケットが連続して送信する例が示される。バーチャルチャネルのID(VC ID=0,VC ID=1)により、異なる転送先に連続してデータ(「16−Bit RGB」,「DCS Wr Cmd」,「DCS Rd Req」)を送信することができる。「PH」はパケットヘッダを示し、「PF」はパケットフッタを示している。
【0042】
MIPI−DSIでは、データ転送方法として、HS(ハイスピード)転送と、LP(ローパワー)転送が利用可能とされる。HS転送では、全てのデータレーンが使用され、LP転送ではひとつのデータレーンのみが使用される。プロセッサからペリフェラルへのデータ転送(順方向のデータ転送)では、HS転送又はLP転送が使用され、ペリフェラルからプロセッサへのデータ転送(逆方向のデータ転送)ではLP転送が使用される。HS転送時は、LP転送時に比べて出力信号の振幅が小さい。例えばHS転送時の信号振幅は100〜300mVとされ、LP転送時の信号振幅は0〜1.2Vとされる。
【0043】
ここでMIPI−DSIによる基本的なデータ送信について説明する。
【0044】
図5に示されるように、送信データがByte0,Byte1,Byte2,Byte3,Byte4,Byte5,…とされるとき、HS転送時には、この送信データが、データレーンL0,L1,L2,L3に振り分けられて出力されることにより、ペリフェラルに伝達される。データの振り分けは、レーン番号の最も小さなデータレーン(ここではL0)から昇順に行われる。レーン番号の最も大きなデータレーン(ここではL3)にデータが割り振られた時点で、未だデータが残っている場合には、再びレーン番号の最も小さなデータレーン(ここではL0)から昇順にデータが割り振られる。このようなデータ送信が行われた場合、図6に示されるように、メインLCD12では、Byte0,Byte1,Byte2,Byte3,Byte4,Byte5の順に、データを正しく受信することができる。これに対して、サブLCD13では、基本的にデータレーンL0を介して伝達されたデータ以外は受信することができないため、受信データは、Byte0,Byte4,Byte8,…というように、メインLCD12での受信データとは異なる。
【0045】
上記複数のデータレーンに振り分けて送信した場合に上記メインLCD12と上記サブLCD13とで受信されるデータの違いを利用して、上記メインLCD12及び上記サブLCD13の一方に上記実データが取り込まれるとき、他方には上記実データを無意味なデータと認識させることにより、以下のように上記メインLCD12と上記サブLCD13とに画像データを正しく伝達することができる。
【0046】
図7には、図1に示されるデータ処理装置1において、メインLCD(ID=0)12で表示される画像データをプロセッサ10から送信する場合の例が示される。
【0047】
プロセッサ10内の送信データ生成部221によって実データパケットが形成され、プロセッサ内のダミーデータ生成部222によってNull(ヌル)パケットが形成される。Nullパケットは、データタイプ(DT)が「09」とされ、有効なデータを含まないパケットとされる。実データパケット及びNullパケットは、レーン振り分け部224によりデータレーンL0,L1,L2,L3に振り分けられる。メインLCD12から見た場合、データレーンL0,L1,L2,L3を介して伝達される実データパケットの前後にはNullパケットが配置されている。実データパケットは、データタイプ(DT)が「3E」とされる。パケットデータ部73の大きさは、「Word Count」で示される。ここでは、「Word Count」が「D0,02」(720)とされる。「XX」はECC又はCRCにより算出された値とされる。
【0048】
実データパケットの前に配置されるNullパケットにおけるパケットデータ部の大きさは、「Word Count」で示される。ここでは、「Word Count」が「0C,00」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部71には、ダミーデータが埋め込まれており、このダミーデータはメインLCD12において無視される。尚、「XX」はECC又はCRCにより算出された値とされる。
【0049】
実データパケットの後に配置されるNullパケットは、「Word Count」が「06,00」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部72にはダミーデータが埋め込まれており、このダミーデータはメインLCD12において無視される。尚、「XX」はECC又はCRCにより算出された値とされる。
【0050】
メインLCD12では、データレーンL0,L1,L2,L3を介してメインLCD12に伝達された実データパケットにおけるパケットデータ部73に基づいて画像表示が行われる。
【0051】
また、上記データレーンL0,L1,L2,L3を介してメインLCD12に伝達されるデータのうち、データレーンL0のデータは、サブLCD13にも伝達される。データレーンL0を介してサブLCD13に伝達されたパケットは、データタイプ(DT)が「09」とされ、有効なデータを含まないパケットとされる。ここでは、「Word Count」が「B7,00」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部74は、サブLCD13において無視される。尚、「YY」はECC又はCRCにより算出された値とされる。
【0052】
このように、メインLCD(ID=0)12で表示される画像データをプロセッサ10から送信する場合には、データレーンL0,L1,L2,L3を介してメインLCD12に伝達されるデータのうち、データレーンL0のデータがサブLCD13にも伝達される。しかし、このときサブLCD13では、データレーンL0のデータがNullパケットであり、それが無視されてしまうから、データレーンL0のデータに基づく画像表示は行われない。
【0053】
図8には、図1に示されるデータ処理装置1において、サブLCD(ID=1)13で表示される画像データをプロセッサ10から送信する場合の例が示される。
【0054】
サブLCD13から見た場合、データレーンL0を介して伝達される実データパケットの前にはNullパケットが配置されている。実データパケットは、データタイプ(DT)が「7E」とされる。パケットデータ部82の大きさは、「Word Count」で示される。ここでは、「Word Count」が「60,00」(96)とされる。「YY」はECC又はCRCにより算出された値とされる。実データパケットの前に配置されたNullパケットパケットデータ部の大きさは、「Word Count」で示される。ここでは、「Word Count」が「00,00」とされ、データパケット部は存在しない。サブLCD13では、実データパケットにおけるパケットデータ部82に基づいて画像表示が行われる。
【0055】
データレーンL0を介してサブLCD13へのデータ送信が行われているとき、メインLCD12には、データレーンL0,L1,L2,L3を介して、Nullパケットが伝達される。つまり、メインLCD12から見た場合、データレーンL0,L1,L2,L3を介して伝達されるデータは、データタイプ(DT)が「09」とされるNullパケットとされる。このNullパケットの大きさは、「Word Count」が「AA,01」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部81には、ダミーデータが埋め込まれており、このダミーデータはメインLCD12において無視される。尚、「XX」はECC又はCRCにより算出された値とされる。
【0056】
次に、ダミーデータ生成部222でのダミーデータ生成について説明する。
【0057】
図9には、メインLCD12に画像データを送信する場合の実データパケットの前に付加されるNullパケットにおけるダミーデータの生成例が示される。尚、データレーンL0,L1,L2,L3によるデータ送信先を4レーン側とし、データレーンL0によるデータ送信先を1レーン側とする。
【0058】
「n」を実データパケット(パケットヘッダ及びパケットフッタを含む)のバイト数とするとき、次式により、「k」を求める。ただし、〔〕内の小数点以下は切り捨てるものとする。これにより、「k」は、実データのバイト数「n」を4(レーン数)で割った場合の余りを示す。
【0059】
【数1】
【0060】
そして、4レーン側に送信するパットヘッダからECC1を計算し(91参照)、次式により、「Word Count」の値「WC」を算出する(92参照)。ただし、2バイト構成の「Word Count」は、下位8ビット、上位8ビットの順に配置する。
【0061】
【数2】
【0062】
次に、1レーン側に送信するパケットヘッダからECC2を算出し(93参照)、4レーン側に送信するパケットデータからチェックサムのためのCRC1を算出する(94参照)。
【0063】
このようにして、メインLCD12に画像データを送信する場合の実データパケットの前に付加されるNullパケット(ダミーデータ)が生成される。ダミーデータは、数1による「k」の値によって異なる。つまり、実データのバイト数「n」を4(レーン数)で割った場合の余りである「k」の値に応じて、適切なダミーデータ長が決定される。これにより、実データパケットの送信は、例えば図7に示されるように、レーン番号の最も大きなデータレーン(本例ではL3)で終了させることができる。この結果、レーン振り分け部224での送信データの振り分けにおいて、レーン番号の最も大きなデータレーン(本例ではL3)で終了させるのが容易になる。
【0064】
図10には、メインLCD12に画像データを送信する場合の実データパケットの後に付加されるNullパケットにおけるダミーデータの生成例が示される。
【0065】
先ず、4レーン側に送信するパケットヘッダからECC3を算出する(105参照)。そして、1レーン側に送信するパケットデータからCRC2を算出し(106参照)、4レーン側に送信するパケットデータからチェックサムのためのCRC3を算出する(107参照)。
【0066】
このようにして、メインLCD12に画像データを送信する場合の実データパケットの後に付加されるNullパケットにおけるダミーデータが生成される。
【0067】
図11には、サブLCD13に画像データを送信する場合の実データパケットの前に付加されるNullパケットにおけるダミーデータの生成例が示される。
【0068】
「n」を実データパケット(パケットヘッダ及びパケットフッタを含む)のバイト数とするとき、次式により、「Word Count」の値「WC」を算出する(111参照)。ただし、2バイト構成の「Word Count」は、下位8ビット、上位8ビットの順に配置する。
【0069】
【数3】
【0070】
次に、4レーン側に送信するパケットヘッダからECC1を算出し(112参照)、1レーン側に送信するパケットヘッダからECC2を算出する(113参照)。そして、チェックサムのためのCRC1を算出する(114参照)。このとき、CRC1は、「FFFFh」とされる。
【0071】
尚、サブLCD13に画像データを送信する場合の実データパケットの後にダミーデータが付加される。このダミーデータは、レーンL0にて実データの最後のバイトを送信する際に、4レーン側に送信するパケットデータから算出したCRCがパケットヘッダとして、データレーンL2、L3を介して送信される。
【0072】
図12には、メインLCD12及びサブLCD13に交互に実データを送信する場合のデータ配列が示される。
【0073】
HS(ハイスピード)転送が行われる毎に、LP転送モードに遷移する場合には、図12の(A)に示されるように、HS転送毎にLPS(ローパワーステート)が設けられる。LPSは、HS転送モードからLP転送モードに遷移して、データの出力を停止した状態とされる。プロセッサからメインLCD12に表示用の画像データをHS転送するモードでは、メインLCD12での表示に用いられる実データと、当該実データの前後に付加されたダミーデータが送信される。プロセッサからサブLCD13に表示用の画像データをHS転送するモードでは、サブLCD13での表示に用いられる実データと、当該実データの前後に付加されたダミーデータが送信される。
【0074】
HS転送モードでメインLCD12とサブLCD13とにデータを連続して送信する場合には、例えば図12の(B)に示されるように、LPSを省略することができる。この場合、モード切り替えに伴うオーバーヘッドは生じない。
【0075】
図13には、メインLCD12とサブLCD13とで、同時に画像表示を行う場合のデータ出力タイミングが示される。
【0076】
「HSS(Main)」はメインLCD12の水平同期信号、「HSS(Sub)」はサブLCD13の水平同期信号である。「RGB(Main)」は、メインLCD12で表示される画像データ、「RGB(Sub)」は、サブLCD13で表示される画像データである。「tL」はライン時間、「tHFP(Main)」はメインLCD12の水平フロントポーチ期間、「tHFP(Sub)」はサブLCD13の水平フロントポーチ期間である。「tHBP(Main)」はメインLCD12の水平バックポーチ期間、「tHBP(Sub)」はサブLCD13の水平バックポーチ期間である。「tHACT(Main)」は、メインLCD12の画像データ期間、「tHACT(Sub)」は、サブLCD13の画像データ期間である。
【0077】
メインLCD12とサブLCD13とで、同時に画像表示を行う場合には、ライン時間tL内に、メインLCD12の水平同期信号HSS(Main)、メインLCD12で表示される画像データRGB(Main)、サブLCD13の水平同期信号HSS(Sub)、サブLCD13で表示される画像データRGB(Sub)の順に送信される。
【0078】
メインLCD12の水平同期信号HSS(Main)、メインLCD12で表示される画像データRGB(Main)、サブLCD13の水平同期信号HSS(Sub)、サブLCD13で表示される画像データRGB(Sub)の前後にはダミーデータが配置されている。また、メインLCD12で表示される画像データRGB(Main)、サブLCD13の水平同期信号HSS(Sub)、サブLCD13で表示される画像データRGB(Sub)間には、LPSが設けられる。メインLCD12で表示される画像データRGB(Main)は、メインLCD12の画像データ期間tHACT(Main)に伝達される。サブLCD13で表示される画像データRGB(Sub)は、サブLCD13の画像データ期間tHACT(Sub)に伝達される。LPSは、水平フロントポーチ期間tHFP(Main),tHFP(Sub)や、水平バックポーチ期間tHBP(Main),tHBP(Sub)に割り当てられる。
【0079】
《実施の形態2》
図14には、本発明に係るデータ処理装置の別の構成例が示される。
【0080】
図14に示されるデータ処理装置が、図1に示されるのと大きく相違するのは、データレーンL0,L1を介してサブLCD13へのデータ転送が行われる点である。
【0081】
図15には、図14に示されるデータ処理装置1において、メインLCD(ID=0)12で表示される画像データをプロセッサ10から送信する場合の例が示される。図15に示される例では、実データパケットの前に、二つのNullパケットが送信される。
【0082】
二つのNullパケットは、それぞれデータタイプ(DT)が「09」とされ、有効なデータを含まないパケットとされる。実データパケット及びNullパケットは、レーン振り分け部224によりデータレーンL0,L1,L2,L3に振り分けられる。実データパケットは、データタイプ(DT)が「3E」とされる。パケットデータ部144の大きさは、「Word Count」で示され、ここでは、「Word Count」が「D0,02」(720)とされる。「XX」はECC又はCRCにより算出された値とされる。
【0083】
実データパケットの前に配置される二つのNullパケットにおけるパケットデータ部の大きさは、それぞれ「Word Count」で示される。一つ目のNullパケットの「Word Count」は「02,00」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部141のダミーデータはメインLCD12において無視される。同様に二つ目のNullパケットの「Word Count」は「0C,00」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部142のダミーデータはメインLCD12において無視される。尚、「XX」はECC又はCRCにより算出された値とされる。
【0084】
実データパケットの後に配置されるNullパケットは、「Word Count」が「04,00」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部143のダミーデータはメインLCD12において無視される。尚、「XX」はECC又はCRCにより算出された値とされる。
【0085】
メインLCD12では、データレーンL0,L1,L2,L3を介してメインLCD12に伝達された実データパケットにおけるパケットデータ部144に基づいて画像表示が行われる。
【0086】
また、上記データレーンL0,L1,L2,L3を介してメインLCD12に伝達されるデータのうち、データレーンL0,L1のデータは、サブLCD13にも伝達される。データレーンL0を介してサブLCD13に伝達されたパケットは、それぞれデータタイプ(DT)が「09」とされる二つのNullパケットとされる。一つ目のNullパケットは、「Word Count」が「02,00」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部145は、サブLCD13において無視される。同様に二つ目のNullパケットは、「Word Count」が「6E,01」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部146が、サブLCD13において無視される。尚、「YY」はECC又はCRCにより算出された値とされる。
【0087】
このように、メインLCD(ID=0)12で表示される画像データをプロセッサ10から送信する場合には、データレーンL0,L1,L2,L3を介してメインLCD12に伝達されるデータのうち、データレーンL0,L1のデータがサブLCD13にも伝達される。しかし、このときサブLCD13では、データレーンL0,L1のデータがNullパケットであり、それが無視されてしまうから、データレーンL0,L1のデータに基づく画像表示は行われない。
【0088】
図16には、図14に示されるデータ処理装置1において、サブLCD(ID=1)13で表示される画像データをプロセッサ10から送信する場合の例が示される。
【0089】
サブLCD13から見た場合、データレーンL0,L1を介して伝達される実データパケットの前にはNullパケットが配置されている。実データパケットは、データタイプ(DT)が「7E」とされる。パケットデータ部162の大きさは、「Word Count」で示される。ここでは、「Word Count」が「60,00」(96)とされる。「YY」はECC又はCRCにより算出された値とされる。実データパケットの前に配置されたNullパケットパケットデータ部の大きさは、「Word Count」で示される。ここでは、「Word Count」が「02,00」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部163は、サブLCD13において無視される。サブLCD13では、実データパケットにおけるパケットデータ部163に基づいて画像表示が行われる。
【0090】
データレーンL0,L1を介してサブLCD13へのデータ送信が行われているとき、メインLCD12には、データレーンL0,L1,L2,L3を介して、二つのNullパケットが伝達される。つまり、メインLCD12から見た場合、データレーンL0,L1,L2,L3を介して伝達されるデータは、データタイプ(DT)が「09」とされる二つのNullパケットとされる。一つ目のNullパケットの大きさは、「Word Count」が「02,00」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部164には、ダミーデータが埋め込まれており、このダミーデータはメインLCD12において無視される。同様に、二つ目のNullパケットの大きさは、「Word Count」が「CE,00」とされ、ハッチングが付されているパケットデータ部161には、ダミーデータが埋め込まれており、このダミーデータはメインLCD12において無視される。尚、「XX」はECC又はCRCにより算出された値とされる。
【0091】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0092】
例えば、プロセッサ10と、メインLCD12及びサブLCD13とを結合するデータレーンの数は任意に設定することができる。
【0093】
メインLCD12やサブLCD13に代えて、他の周辺装置を用いることができる。
【符号の説明】
【0094】
1 データ処理装置
10 プロセッサ
11 SDRAM
12 メインLCD
13 サブLCD
20 CPU
21 MIPI−DSI
22 送信回路
23 設定レジスタ
24 送信制御回路
221 送信データ制御部
222 ダミーデータ生成部
223 クロック制御部
224 レーン振り分け部
225 物理層
CL クロックレーン
L0,L1,L2,L3 データレーン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
差動シリアル通信における複数のデータレーンに結合可能なインタフェースを備えたホスト装置と、
上記複数のデータレーンを介して上記インタフェースに結合された第1装置と、
上記複数のデータレーンにおける一部のデータレーンを介して上記インタフェースに結合された第2装置と、を含み、
上記インタフェースは、実データにダミーデータを付加して上記複数のデータレーンに振り分けて送信し、上記第1装置及び上記第2装置の一方に上記実データが取り込まれるとき、他方には上記実データを無意味なデータと認識させることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
上記第1装置への送信データは、レーン番号の最も小さなデータレーンから順に振り分けられ、レーン番号の最も大きなデータレーンで終了するように形成される請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項3】
上記第2装置への実データの送信は、最小レーン番号のデータレーンから開始される請求項2記載のデータ処理装置。
【請求項4】
上記インタフェースは、上記第1装置に対して、ダミーデータ、実データ、ダミーデータの順にデータ出力を行う請求項3記載のデータ処理装置。
【請求項5】
上記インタフェースは、上記第2装置に対応するデータレーンの数を設定可能なレジスタを含む請求項4記載のデータ処理装置。
【請求項6】
上記第1装置は、第1液晶ディスプレイとされ、上記第2装置は、上記第1液晶ディスプレイよりも解像度が低い第2液晶ディスプレイとされる請求項5記載のデータ処理装置。
【請求項7】
上記インタフェースは、データ出力を時分割で行うことにより、上記第1液晶ディスプレイと上記第2液晶ディスプレイとの双方に表示用の画像データを時分割で供給する請求項6記載のデータ処理装置。
【請求項8】
差動シリアル通信における複数のデータレーンに結合可能なインタフェースを備えた半導体装置であって、
上記インタフェースは、上記複数のデータレーンを介してデータを送信するための送信回路と、
上記送信回路の動作を制御可能な送信制御回路と、を含み、
上記送信回路は、上記複数のデータレーンを介して第1装置が結合され、且つ、上記複数のデータレーンにおける一部のデータレーンを介して第2装置が結合された状態で、実データにダミーデータを付加して上記複数のデータレーンに振り分けて送信し、
上記送信回路は、上記第1装置及び上記第2装置の一方に上記実データが取り込まれるとき、他方には上記実データを無意味なデータと認識させることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
上記インタフェースは、上記第2装置に対応するデータレーンの数を設定可能なレジスタを含み、
上記送信制御回路は、上記レジスタの設定情報に基づいて、上記送信回路の動作を制御する請求項8記載の半導体装置。
【請求項1】
差動シリアル通信における複数のデータレーンに結合可能なインタフェースを備えたホスト装置と、
上記複数のデータレーンを介して上記インタフェースに結合された第1装置と、
上記複数のデータレーンにおける一部のデータレーンを介して上記インタフェースに結合された第2装置と、を含み、
上記インタフェースは、実データにダミーデータを付加して上記複数のデータレーンに振り分けて送信し、上記第1装置及び上記第2装置の一方に上記実データが取り込まれるとき、他方には上記実データを無意味なデータと認識させることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
上記第1装置への送信データは、レーン番号の最も小さなデータレーンから順に振り分けられ、レーン番号の最も大きなデータレーンで終了するように形成される請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項3】
上記第2装置への実データの送信は、最小レーン番号のデータレーンから開始される請求項2記載のデータ処理装置。
【請求項4】
上記インタフェースは、上記第1装置に対して、ダミーデータ、実データ、ダミーデータの順にデータ出力を行う請求項3記載のデータ処理装置。
【請求項5】
上記インタフェースは、上記第2装置に対応するデータレーンの数を設定可能なレジスタを含む請求項4記載のデータ処理装置。
【請求項6】
上記第1装置は、第1液晶ディスプレイとされ、上記第2装置は、上記第1液晶ディスプレイよりも解像度が低い第2液晶ディスプレイとされる請求項5記載のデータ処理装置。
【請求項7】
上記インタフェースは、データ出力を時分割で行うことにより、上記第1液晶ディスプレイと上記第2液晶ディスプレイとの双方に表示用の画像データを時分割で供給する請求項6記載のデータ処理装置。
【請求項8】
差動シリアル通信における複数のデータレーンに結合可能なインタフェースを備えた半導体装置であって、
上記インタフェースは、上記複数のデータレーンを介してデータを送信するための送信回路と、
上記送信回路の動作を制御可能な送信制御回路と、を含み、
上記送信回路は、上記複数のデータレーンを介して第1装置が結合され、且つ、上記複数のデータレーンにおける一部のデータレーンを介して第2装置が結合された状態で、実データにダミーデータを付加して上記複数のデータレーンに振り分けて送信し、
上記送信回路は、上記第1装置及び上記第2装置の一方に上記実データが取り込まれるとき、他方には上記実データを無意味なデータと認識させることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
上記インタフェースは、上記第2装置に対応するデータレーンの数を設定可能なレジスタを含み、
上記送信制御回路は、上記レジスタの設定情報に基づいて、上記送信回路の動作を制御する請求項8記載の半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−150152(P2012−150152A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6782(P2011−6782)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
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