説明

データ処理装置

【課題】センサの検出結果に基づいて、より正確なデータを得ることができる撮像装置の提供を目的とする。
【解決手段】デジタルカメラ100は、自機環境の気圧情報を検出する気圧センサ161と、気圧センサ161の検出結果に対して所定の処理を行い、高度情報を出力するコントローラ130と、高度情報を出力するために、気圧センサ161の検出結果が基準とする海抜ゼロメートルにおける気圧情報を更新するコントローラ130と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ処理装置に関し、特にセンサを搭載したデータ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
温度センサや、気圧センサ等の各種センサを搭載したカメラが知られている。例えば、特許文献1に開示のカメラは、気圧センサからの気圧データと、予め設定されている高度と気圧との相関関係式から高度を演算して高度データを求める。これにより、特許文献1に開示のカメラは、撮影時に撮影環境情報のメモを取る煩わしさが解消するとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−115861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のカメラのように、各種センサの検出結果と相関のあるデータを取得したい場合、該データが、センサ出力結果に対して絶対的に求まる性質のものではなく、相対的に求まる性質のものであるとき、該データの演算には基準となる値が必要となる。しかしながら、特許文献1に開示のカメラは、相対的に求まるデータの性質を考慮したものではないため、正確なデータが得られないことがあった。
【0005】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、センサの検出結果に基づいて、より正確なデータを得ることができるデータ処理装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明のデータ処理装置は、自機の環境又は状態に関する情報を検出するセンサと、センサの検出結果に対して所定の処理を行い、処理結果を出力する検出結果処理部と、処理結果を出力するために、センサの検出結果が基準とする対応関係情報を更新する更新制御部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、センサの検出結果に基づいて、より正確なデータを得ることができるデータ処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】デジタルカメラ100の前面構成図
【図2】デジタルカメラ100の背面構成図
【図3】デジタルカメラ100の電気的構成図
【図4】調整対象のセンサを選択する画面のイメージ図
【図5】センサの設定をユーザに確認する画面のイメージ図
【図6】センサの設定を報告する画面のイメージ図
【図7】デジタルカメラ100に係る気圧センサ161の調整動作フローチャート
【図8】ビーチモード設定時にセンサ調整をユーザに促す画面のイメージ図
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施の形態1〕
実施の形態1のデジタルカメラ100は、自機環境の気圧情報を検出する気圧センサ161と、気圧センサ161の検出結果に対して所定の処理を行い、高度情報を出力するコントローラ130と、高度情報を出力するために、気圧センサ161の検出結果が基準とする海抜ゼロメートルにおける気圧情報を更新するコントローラ130と、を備える。デジタルカメラ100によれば、気圧センサ161の検出結果に基づいて、より正確な高度情報を得ることができる。以下、デジタルカメラ100の構成および動作を説明する。
【0010】
〔1.構成〕
以下図を用いてデジタルカメラ100の構成を説明する。
【0011】
〔1−1.デジタルカメラ100の構成〕
図1は、デジタルカメラ100の前面構成図である。デジタルカメラ100は前面に光学系110を納める鏡筒や、フラッシュ160を備える。また、デジタルカメラ100は上面にレリーズ釦201やズームレバー202、電源203などの操作釦を備える。
【0012】
図2は、デジタルカメラ100の背面構成図である。デジタルカメラ100は背面に液晶モニタ123や、中央釦204や十字釦205などの操作釦を備える。
【0013】
図3は、デジタルカメラ100の電気的構成図である。デジタルカメラ100は、光学系110を介して形成された被写体像をCCDイメージセンサ120で撮像する。CCDイメージセンサ120は撮像した被写体像に基づく画像情報を生成する。撮像により生成された画像情報は、AFE(アナログ・フロント・エンド)121や画像処理部122において各種処理が施される。生成された画像情報はフラッシュメモリ142やメモリカード140に記録される。フラッシュメモリ142やメモリカード140に記録された画像情報は、使用者による操作部150の操作を受け付けて液晶モニタ123上に表示される。以下で、図1から図3に示す各構成の詳細を説明する。
【0014】
光学系110は、フォーカスレンズ111やズームレンズ112、絞り113、シャッタ114等により構成される。図示していないが、光学系110は、光学式手ぶれ補正レンズOIS(Optical Image Stabilizer)を含んでいてもよい。なお、光学系110を構成する各種レンズは何枚から構成されるものでも、何群から構成されるものでもよい。
【0015】
フォーカスレンズ111は被写体のフォーカス状態の調節に用いられる。ズームレンズ112は被写体の画角の調節に用いられる。絞り113は、CCDイメージセンサ120に入射する光量の調節に用いられる。シャッタ114は、CCDイメージセンサ120に入射する光の露出時間を調節する。フォーカスレンズ111、ズームレンズ112、絞り113、シャッタ114は、それぞれに対応したDCモータやステッピングモータ等の駆動手段により、コントローラ130から通知された制御信号に従って駆動される。
【0016】
CCDイメージセンサ120は、光学系110を通して形成された被写体像を撮像して画像情報を生成する。CCDイメージセンサ120は、所定のフレームレート(例えば、30フレーム/秒)で新しいフレームの画像情報を生成する。CCDイメージセンサ120の画像データ生成タイミングおよび電子シャッタ動作は、コントローラ130によって制御される。この画像データをスルー画像として逐一液晶モニタ123に表示することにより、使用者はリアルタイムに被写体の状況を液晶モニタ123で確認できる。
【0017】
AFE121では、CCDイメージセンサ120から読み出された画像情報に対して相関二重サンプリングによる雑音抑圧、アナログゲインコントローラによるISO感度値に基づくゲインの乗算、ADコンバータによるAD変換が施される。その後、AFE121は画像情報を画像処理部122に出力する。
【0018】
画像処理部122は、AFE121から出力された画像情報に対して各種の処理を施す。各種処理としては、BM(ブロックメモリ)積算、スミア補正、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、YC変換処理、電子ズーム処理、圧縮処理、伸張処理等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。画像処理部122は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、プログラムを用いたマイクロコンピュータなどで構成してもよい。またコントローラ130などとともに1つの半導体チップで構成してもよい。
【0019】
気圧センサ161は、デジタルカメラ100を取り巻く環境の気圧を測定する。そして、気圧センサ161は、気圧の測定結果をコントローラ130に通知する。なお、図示していないが、デジタルカメラ100は、気圧センサ161の他にセンサとして、方位センサや、ジャイロセンサや、GPSセンサ等を備えている。これらのセンサも同様に、検出結果をコントローラ130に通知する。これにより、コントローラ130は、センサの検出結果を把握することができる。なお、各センサは、常時ONの状態でもよいが、消費電力低減のために必要なときにだけON状態(検出結果を出力可能なアクティブな状態)にすることが好ましい。各センサは、ユーザによる操作を受け付けてON状態(検出結果を出力可能なアクティブな状態)にしてもよい。または、各センサは、所定の条件を満たすかを判断して、コントローラ130が自動でON状態(検出結果を出力可能なアクティブな状態)にしてもよい。
【0020】
また、各センサは、用途に応じて調整が必要となる。例えば、デジタルカメラ100は、気圧センサ161の検出結果に基づいて、デジタルカメラ100の位置する高度を判断し、ユーザに提示する。すなわち、気圧センサ161には、デジタルカメラ100の位置する高度を把握するという用途がある。しかしながら、気圧と高度との対応関係は、デジタルカメラ100を取り巻く環境の天気等により変化する。例えば、一般に、高度ゼロメートルにおける気圧は、約1013hPa(ヘクトパスカル)であるとされているが、実際には天気等により気圧変化が生じ、1013hPaから増減する。そのため、気圧センサ161の用途のために、基準となる高度(上記の例におけるゼロメートル)と、該高度に位置するときの気圧値とを対応付ける調整が必要となる。例えば、高度ゼロメートルにおける気圧センサ161の検出結果が1015hPaであった場合、コントローラ130は、気圧値1015hPaと高度ゼロメートルとを対応付ける。気圧値と高度値は、ほぼ比例関係にある。従って、コントローラ130は、調整後の気圧値と高度値との対応関係に基づいて、現在の気圧センサ161の検出結果である気圧値がどれくらいの高度に対応するかを把握することができる。
【0021】
液晶モニタ123は、デジタルカメラ100の背面に備わる。液晶モニタ123は、画像処理部122にて処理された画像情報に基づく画像を表示する。液晶モニタ123が表示する画像には、スルー画像や記録画像がある。スルー画像は、CCDイメージセンサ120により一定時間ごとに生成される新しいフレームの画像を連続して表示する画像である。通常は、デジタルカメラ100が撮影モードにあるときに、画像処理部122がCCDイメージセンサ120の生成した画像情報からスルー画像を生成する。使用者は、液晶モニタ123に表示されるスルー画像を参照することにより、被写体の構図を確認しながら撮影できる。記録画像は、デジタルカメラ100が再生モードにあるときに、メモリカード140等に記録された高画素の動画像や静止画像を液晶モニタ123に表示するために低画素に縮小した画像である。
【0022】
コントローラ130は、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御する。コントローラ130は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、マイクロコンピュータなどで構成してもよい。また、画像処理部122などと共に1つの半導体チップで構成してもよい。
【0023】
コントローラ130は、デジタルカメラ100の撮影モードを設定することができる。撮影モードには、撮影シーンに合わせて人物撮影モード、風景撮影モード、夜景撮影モード、ビーチ撮影モード、屋内撮影モード等がある。各撮影モードには、撮影シーンに相応しいフォーカス条件、露光条件、画像処理条件等が設定されている。人物撮影モードは、人物が良好に撮影されるように条件が設定されている。風景撮影モードは、風景が良好に撮影されるように条件が設定されている。夜景撮影モードは、夜景が良好に撮影されるように条件が設定されている。ビーチ撮影モードは、天気良い砂浜の景色が良好に撮影されるように条件が設定されている。屋内撮影モードは、照度の低く被写体距離が近い場合に良好に撮影されるように条件が設定されている。デジタルカメラ100の撮影モードの設定は、ユーザ操作を受け付けて行ってもよいし、コントローラ130がフォーカス状況や画像判定等により自動で判断し、設定するようにしてもよい。
【0024】
フラッシュメモリ142は、画像情報等を記録するための内部メモリとして機能する。また、フラッシュメモリ142は、オートフォーカス制御(AF制御)や自動露出制御(AE制御)、フラッシュ160の発光制御に関するプログラムの他、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御するためのプログラムを格納している。
【0025】
バッファメモリ124は、画像処理部122やコントローラ130のワークメモリとして機能する記憶手段である。バッファメモリ124はDRAM(Dynamic Random Access Memory)などで実現できる。
【0026】
カードスロット141は、メモリカード140を着脱可能な接続手段である。カードスロット141は、メモリカード140を電気的及び機械的に接続可能である。また、カードスロット141は、メモリカード120を制御する機能を備えてもよい。
【0027】
メモリカード140は、内部にフラッシュメモリ等の記録部を備えた外部メモリである。メモリカード140は、画像処理部122で処理される画像情報などのデータを記録可能である。
【0028】
操作部150は、デジタルカメラ100の外装に備わっている操作釦や操作レバーの総称であり、使用者による操作を受け付ける。例えば図1や図2に示したレリーズ釦201や、ズームレバー202、電源釦203、中央釦204、十字釦205、などがこれにあたる。操作部150は使用者による操作を受け付けると、コントローラ130に種々の動作指示信号を通知する。
【0029】
レリーズ釦201は、半押し状態と全押し状態の二段階押下式釦である。レリーズ釦201が使用者により半押しされると、コントローラ130は、AF(Auto Focus)制御や、AE(Auto Exposure)制御を実行し撮影条件を決定する。続いて、レリーズ釦201が、使用者により全押しされると、コントローラ130は、全押しのタイミングに撮像された画像情報を静止画像としてメモリカード140等に記録する。
【0030】
ズームレバー202は画角調節についての広角端と望遠端を有する中央位置自己復帰式のレバーである。ズームレバー202は、使用者により操作されるとコントローラ130にズームレンズ112を駆動するための動作指示信号を通知する。すわなち、ズームレバー202が広角端に操作されると、コントローラ130は、被写体を広角で捉えられるようにズームレンズ112を駆動する。同様に、ズームレバー201が望遠端に操作されると、コントローラ130は、被写体を望遠で捉えられるようにズームレンズ112を駆動する。
【0031】
電源釦203は、デジタルカメラ100を構成する各部への電力供給をON/OFFするための押下式釦である。電源OFF時に電源釦203が使用者により押下されると、コントローラ130はデジタルカメラ100を構成する各部に電力を供給し、起動させる。また、電源ON時に電源釦203が使用者により押下されると、コントローラ130は各部への電力供給を停止する。
【0032】
中央釦204は、押下式釦である。デジタルカメラ100が撮影モードあるいは再生モードにあるときに、中央釦204が使用者により押下されると、コントローラ130は液晶モニタ123にメニュー画面を表示する。メニュー画面は、撮影/再生のための各種条件を設定するための画面である。各種条件の設定項目が選択されているときに押下されると、中央釦204は決定釦としても機能する。
【0033】
十字釦205は、上下左右方向に設けられた押下式釦である。使用者は、十字釦205のいずれかの方向を押下することにより、液晶モニタ123に表示される各種条件項目を選択することができる。
【0034】
〔1−2.本発明との対応関係〕
気圧センサ161は、本発明のセンサの一例である。コントローラ130は、本発明の検出結果処理部の一例である。コントローラ130は、本発明の更新制御部の一例である。コントローラ130は、本発明の撮影モード設定部の一例である。液晶モニタ123は、本発明の表示部の一例である。コントローラ130は、本発明の表示制御部の一例である。デジタルカメラ100は、本発明のデータ処理装置の一例である。
【0035】
〔2.動作〕
ユーザ操作によるセンサ調整動作について、図4から図6を用いて説明する。図4は、調整対象のセンサを選択する画面のイメージ図である。図5は、センサの設定をユーザに確認する画面のイメージ図である。図6は、センサの設定を報告する画面のイメージ図である。ユーザは、操作釦を操作することにより、各種センサの調整を行うことができる。以下の説明では一実施例として気圧センサ161の場合を説明する。
【0036】
撮影待機状態において、コントローラ130は、ユーザによる操作を受け付けて、液晶モニタ123に、調整対象のセンサを選択する画面(図4)を表示する。ユーザは、液晶モニタ123に表示されたこの画面を見ながら、操作釦を操作することにより、調整対象のセンサを選択することができる。ここでは、ユーザは気圧センサ161の調整を選択したとする。
【0037】
ユーザが調整対象のセンサを選択すると、コントローラ130は、液晶モニタ123に、センサ設定をユーザに確認する画面(図5)を表示する。図5に示すように、液晶モニタ123は、海抜ゼロメートルを設定する旨を表示する。まず、ユーザは、現在位置が海抜ゼロメートル地点か否かを判断する。例えば、ユーザは、船上や浜辺等の海抜ゼロメートルと想定される場所に位置しているかを判断する。続いて、ユーザは、液晶モニタ123に表示されたこの画面を見ながら、操作釦を操作することにより、気圧センサ161を設定するか否かを決定することができる。ユーザが気圧センサ161を設定しないと決定すると、デジタルカメラ100は、撮影待機状態に戻る。
【0038】
ユーザが気圧センサ161を設定すると決定すると、コントローラ130は、気圧センサ161をON状態(検出結果を出力可能なアクティブな状態)にする。そして、コントローラ130は、現在気圧センサ161が検出している気圧値と、高度ゼロメートルとを対応付ける。対応付けが完了すると、コントローラ130は、液晶モニタ123にセンサの設定を報告する画面(図6)を表示する。ユーザが所定の操作釦を押下するか、一定時間経過すると、デジタルカメラ100は、撮影待機状態に戻る。
【0039】
以上のように、デジタルカメラ100において、ユーザは、センサの調整(現在の気圧センサ出力気圧値と、対応させるべき高度基準値との対応付け)を行うことができる。これにより、コントローラ130は、現在の気圧センサ161の出力値に基づいて、より正確な現在の高度値を把握することができる。すなわち、デジタルカメラ100によれば、ユーザは、より正確な現在の高度値を知ることができる。また、コントローラ130は、センサ調整するタイミングにて、調整対象のセンサをON状態(検出結果を出力可能なアクティブな状態)にする。これにより、コントローラ130は、センサ動作が必要なときにセンサをON状態(検出結果を出力可能なアクティブな状態)にすることができる。従って、デジタルカメラ100の消費電力を低減させることができる。
【0040】
続いて、特定の撮影モードに設定したときに、気圧センサ161の調整を行う動作について説明する。図7は、デジタルカメラ100に係る気圧センサ161の調整動作フローチャートである。
【0041】
コントローラ130は、撮影待機状態において、ユーザにより撮影モードが選択(又は変更)されたか否かを監視している。又は、コントローラ130は、フォーカス状況や画像判定等により撮影モードを選択(又は変更)すべきかを判断している。ユーザにより撮影モードが選択されたり、コントローラ130自身が撮影モードを選択したりすると、コントローラ130は撮影モード選択したとして処理を進める(S301)。
【0042】
このとき、コントローラ130は、選択した撮影モードが特定の撮影モードであるか否かを判断する(S302)。ここでは、一実施例として、ビーチ撮影モードが選択された場合を説明する。すなわち、コントローラ130は、選択した撮影モードがビーチ撮影モードであるか否かを判断する。
【0043】
選択された撮影モードがビーチ撮影モードではないと判断されたとき(S302におけるNo)、コントローラ130は、選択された撮影モードに対応する通常の撮影モードにて動作処理を進める(S308)。選択された撮影モードがビーチ撮影モードであるとき(S302におけるYes)、現在デジタルカメラ100はビーチ(浜辺)又はビーチに相当する場所(船上等)にいると推定できる。デジタルカメラ100がビーチにあるとすれば、デジタルカメラ100は海抜ゼロメートル付近にいると推定できる。すなわち、ビーチ撮影モードが選択されたタイミングを、気圧センサ161を調整する好適なタイミングであると推定できる。従って、コントローラ130は、撮影モードとしてビーチ撮影モードが選択されたタイミングにて、気圧センサ161の調整を行うための動作を開始する。
【0044】
選択された撮影モードがビーチ撮影モードである判断されると、コントローラ130は、現在気圧センサ161がON状態(検出結果を出力可能なアクティブな状態)であるか否かを判断する(S303)。気圧センサ161がON状態(検出結果を出力可能なアクティブな状態)ではない場合は(S303におけるNo)、気圧センサ161の調整開始準備を進めるために気圧センサ161をON状態(検出結果を出力可能なアクティブな状態)にする(S309)。気圧センサ161がすでにON状態(検出結果を出力可能なアクティブな状態)である場合は(S303におけるYes)、コントローラ130の動作は、ステップS304に移行する。
【0045】
続いて、コントローラ130は、液晶モニタ123にセンサ調整をユーザに促す画面(図8)を表示する(S304)。図8は、ビーチモード設定時に気圧センサ調整をユーザに促す画面のイメージ図である。これにより、ユーザは、今が気圧センサ161を調整すべきタイミングであることを把握することができる。また、図8に示すように、液晶モニタ123は、スルー画像に重畳させて、ユーザにセンサ調整を促す文章と、高度調整を行うためのアイコン151を表示する。ユーザがアイコン151を押下すると、コントローラ130は、現在気圧センサ161が検出している気圧値と、高度ゼロメートルとを対応付ける(S306)。対応付けが完了すると、コントローラ130は、液晶モニタ123に気圧センサ161の設定を報告する画面(図6)を表示する。ユーザが所定の操作釦を押下するか、一定時間経過すると、デジタルカメラ100は、ビーチ撮影モードによる撮影待機状態に戻る(S307)。
【0046】
以上のように、デジタルカメラ100において、コントローラ130は、特定の撮影モードであるビーチ撮影モードが選択(又は変更)されると、気圧センサ161の調整動作するための動作を開始する。これにより、気圧センサ161の調整をすべきタイミングであると推定されるタイミングにて、ユーザは、気圧センサ161の調整をすることができる。従って、これにより、コントローラ130は、現在の気圧センサ161の出力値に基づいて、より正確な現在の高度値を把握することができる。すなわち、デジタルカメラ100によれば、ユーザは、より正確な現在の高度値を知ることができる。
【0047】
〔3.他の実施の形態〕
本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の実施形態が考えられる。以下、本発明の他の実施の形態についてまとめて記載する。
【0048】
上記実施の形態において、気圧センサ161の検出結果を用いてデジタルカメラ100の高度情報を計測する方法について説明を行ったが、本発明は必ずしもこれに限定されない。例えば、デジタルカメラ100は、水深が深くなると気圧が高くなることを利用して、水中撮影を行った場合の水深を測定することも可能である。
【0049】
上記実施の形態において、デジタルカメラ100は、ビーチ撮影モードが選択されたタイミングを、気圧センサ161を調整する好適なタイミングであると推定し、気圧センサ161をONにするとの説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。例えば、ビーチ撮影モードが設定された場合、ユーザがそのまま水中撮影を行うことが想定される。そのため、ビーチ撮影モードが設定された場合、コントローラ130は、自動で気圧センサ161をONにすることにより、気圧センサ161をユーザがONし忘れてしまうことを防止することができる。これは、調整対象のセンサとして、例えばジャイロセンサを用いた場合でも同じである。すなわち、屋内モードに設定された時に、コントローラ130は、自動的にジャイロセンサをONにすることで、屋内に入ったときにジャイロセンサをユーザがONし忘れてしまうことを防止することができる。上記実施の形態において、気圧センサ161の検出結果と対応付ける高度として海抜ゼロメートルとしたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、気圧センサ161の調整動作を行うときに、ユーザに任意の高度基準値を入力させるようにしてもよい。例えば、登山をしているユーザが、海抜2,000メートルの地点を示す指標の前にいるとしたら、現在の気圧センサ161の出力値を、海抜2,000メートルと対応付けるという動作も、本発明の範囲内である。
【0050】
図7を用いて説明した上記実施の形態の動作において、コントローラ130は、ユーザに気圧センサ161の調整を促してから、気圧センサ161の調整動作を行うようにしたが、本発明はこれに限定されない。また、コントローラ130は、ユーザによるアイコン151の押下を受け付けてから、気圧センサ161の調整動作を行うようにしたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、コントローラ130は、特定の撮影モードであるビーチ撮影モードが選択されたら、自動的に気圧センサ161の調整動作を開始するようにしてもよい。
【0051】
図7を用いて説明した上記実施の形態の動作において、コントローラ130は、ビーチ撮影モードが選択されたと判断されたときに、気圧センサ161をON状態(検出結果を出力可能なアクティブな状態)にするか否かを判断するようにしたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、ステップS305において、ユーザがアイコン151を押下した後に、気圧センサ161をON状態(検出結果を出力可能なアクティブな状態)にするようにしてもよい。
【0052】
上記実施の形態においては、センサの一例として気圧センサ161の場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。他のセンサの調整動作においても、本発明を適用可能である。例えば、他には調整対象のセンサとして、ジャイロセンサであってもよい。ジャイロセンサは、デジタルカメラ100の位置の速度変化を検出することができる。すなわち、ジャイロセンサの出力値を積分処理することにより、コントローラ130は、デジタルカメラ100の移動量を把握することができる。これによりデジタルカメラ100の移動量を把握することはできるが、このままでは移動の基準となる地点が不明である。そのため、調整対象のセンサがジャイロセンサの場合、調整動作として、移動の基準となる地点の対応付けをおこなうようにする。このとき、例えば、移動の基準となる地点において取得したGPS情報を対応付けるようにする。また、屋内等でGPS情報が取得困難な場合は、最後にGPS情報を取得した地点からの補正動作を行えるようにしておけばよい。特に、ジャイロセンサを活用してデジタルカメラ100の現在位置を把握する状況は、GPS情報の取得が困難な屋内である場合が多い。そのため、コントローラ130は、特定の撮影モードとして、屋内撮影モードが選択されたときに、ジャイロセンサの調整動作を行うよう。これにより、ジャイロセンサの調整をすべきタイミングであると推定されるタイミングにて、ユーザは、ジャイロセンサの調整することができる。従って、これにより、コントローラ130は、現在のジャイロセンサの出力値に基づいて、屋内においても、より正確な現在の位置情報を把握することができる。すなわち、デジタルカメラ100によれば、ユーザは、屋内においてもより正確な現在の位置情報を知ることができる。
【0053】
なお、本発明は、レンズ一体型のカメラであっても、レンズ着脱式のカメラであっても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明はデジタルカメラ100への実施に限定されない。センサを搭載し、該センサ出力に基づいて所定の処理を行い、データを出力できるデータ処理装置に本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0055】
100 デジタルカメラ
111 フォーカスレンズ
112 ズームレンズ
113 絞り
114 シャッタ
120 CCDイメージセンサ
121 AFE(アナログ・フロント・エンド)
122 画像処理部
123 液晶モニタ
124 バッファメモリ
130 コントローラ
140 メモリカード
141 カードスロット
142 フラッシュメモリ
150 操作部
160 フラッシュ
161 気圧センサ
201 レリーズ釦
202 ズームレバー
203 電源釦
204 中央釦
205 十字釦

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自機の環境又は状態に関する情報を検出するセンサと、
前記センサの検出結果に対して所定の処理を行い、処理結果を出力する検出結果処理部と、
前記処理結果を出力するために、前記センサの検出結果が基準とする対応関係情報を更新する更新制御部と、
を備えたデータ処理装置。
【請求項2】
前記更新制御部は、前記更新の際に、前記センサをアクティブ状態にする、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
撮影処理動作のための撮影モードを設定する撮影モード設定部を更に備え、
前記更新制御部は、特定の撮影モードが設定されたときに、前記対応関係情報を更新する、
請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
表示部に対して指定の表示をするよう制御する表示制御部を更に備え、
前記表示制御部は、特定の撮影モードが設定されたときに、前記対応関係情報の更新を提案する旨の表示を前記表示部に対して指定する、
請求項1から3のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記更新をするための操作アイコンを、前記提案と合わせて表示するよう前記表示部に対して指定する、
請求項4に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記センサは、気圧センサであり、前記処理結果は、高度情報である、
請求項1から2に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記センサは、気圧センサであり、前記処理結果は、高度情報であり、前記特定の撮影モードは、海抜ゼロメートル付近の撮影シーンに好適な撮影のためのモードである、
請求項3から5のいずれかに記載のデータ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−156614(P2012−156614A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11669(P2011−11669)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】