説明

データ管理システム

【課題】購入したモジュールでシステムを構築して利用するユーザが、障害を詳細に検討して究明することができるデータ管理システムを提供する。
【解決手段】製造メーカは、製造して販売するモジュールを個体ごとに製造管理装置100により製造管理データMMDで管理する。ユーザは、利用するシステムのモジュールを個体ごとに利用管理装置200により利用管理データUMDで管理する。ユーザのシステムに障害が発生すると、利用管理装置200は、障害記録データIRDを記録して原因となったモジュールの製造管理データMMDを製造管理装置100から取得し、製造管理データMMDと利用管理データUMDと障害記録データIRDを出力する。ユーザが製造管理データMMDも自動的に入手できるので、システム障害を詳細に検討して適切に対処することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール構造システムを構築する各種のシステム構成モジュールを製造して販売するモジュール製造メーカの製造管理装置と、購入した各種のシステム構成モジュールでモジュール構造システムを構築して利用するシステム利用ユーザの利用管理装置と、を有するデータ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、システム構成モジュールを製造販売するモジュール製造メーカの製造管理データと、システム構成モジュールを購入して利用するシステム利用ユーザの利用管理データとは、一般的に相互に社外秘である。
【0003】
このため、システム利用ユーザはモジュール構造システムに不具合などのシステム障害が発生しても、その原因のシステム構成モジュールの詳細データを入手することが困難であった。
【0004】
また、モジュール製造メーカも、自社製品であるシステム構成モジュールが原因のシステム障害が顧客であるシステム利用ユーザのモジュール構造システムに発生しても、これを迅速に確認して対処するようなことができなかった。
【0005】
現在、上述のようなデータ管理システムとして各種の提案がある(例えば、特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開2002−149660号公報
【特許文献2】特開2004−145521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
システム利用ユーザはモジュール構造システムにシステム障害が発生したとき、自身でデータ管理している利用管理データを参照して対処することになる。しかし、利用管理データだけでは、システム障害の原因を詳細に検討して究明することが困難であり、同一のシステム障害の再発を防止するようなことができない。
【0007】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、モジュール構造システムのシステム構成モジュールを利用管理データで管理しているシステム利用ユーザが、システム障害の原因を詳細に検討して究明することを可能とするデータ管理システム、その利用管理装置および製造管理装置、そのコンピュータプログラムおよびデータ処理方法、を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一のデータ管理システムは、モジュール構造システムを構築する各種のシステム構成モジュールを製造して販売するモジュール製造メーカの製造管理装置と、購入した各種のシステム構成モジュールでモジュール構造システムを構築して利用するシステム利用ユーザの利用管理装置と、を有するデータ管理システムであって、製造管理装置は、製造されて販売されるシステム構成モジュールの個体ごとに製造管理データを記憶する製造管理手段を有し、利用管理装置は、利用されているモジュール構造システムを構築しているシステム構成モジュールの個体ごとに利用管理データを記憶する利用管理手段と、利用されているモジュール構造システムのシステム障害に対応する障害記録データを原因となったシステム構成モジュールの利用管理データに記録する障害記録手段と、障害記録データが記録された利用管理データに対応する製造管理データを製造管理装置から取得する製造取得手段と、取得された製造管理データを利用管理データおよび障害記録データとともに出力するデータ出力手段と、を有する。
【0009】
本発明の第二のデータ管理システムは、モジュール構造システムを構築する各種のシステム構成モジュールを製造して販売するモジュール製造メーカの製造管理装置と、購入した各種のシステム構成モジュールでモジュール構造システムを構築して利用するシステム利用ユーザの利用管理装置と、を有するデータ管理システムであって、製造管理装置は、製造されて販売されるシステム構成モジュールの個体ごとに製造管理データを記憶する製造管理手段を有し、利用管理装置は、利用されているモジュール構造システムを構築しているシステム構成モジュールの個体ごとに利用管理データを記憶する利用管理手段と、利用されているモジュール構造システムに発生したシステム障害を製造管理装置に送信する障害送信手段と、を有し、製造管理装置は、利用管理装置からシステム障害を受信する障害受信手段と、受信されたシステム障害の原因となったシステム構成モジュールの製造管理データを利用管理装置に返信する管理返信手段とを、さらに有し、利用管理装置は、製造管理装置から返信された製造管理データを取得する製造取得手段と、取得された製造管理データに対応する利用管理データにシステム障害に対応した障害記録データを記録する障害記録手段と、取得された製造管理データを利用管理データおよび障害記録データとともに出力するデータ出力手段とを、さらに有する。
【0010】
本発明の第一の利用管理装置は、本発明のデータ管理システムの利用管理装置であって、利用されているモジュール構造システムを構築しているシステム構成モジュールの個体ごとに利用管理データを記憶する利用管理手段と、利用されているモジュール構造システムのシステム障害に対応する障害記録データを原因となったシステム構成モジュールの利用管理データに記録する障害記録手段と、障害記録データが記録された利用管理データに対応する製造管理データを製造管理装置から取得する製造取得手段と、取得された製造管理データを利用管理データおよび障害記録データとともに出力するデータ出力手段と、を有する。
【0011】
本発明の第二の利用管理装置は、本発明のデータ管理システムの利用管理装置であって、利用されているモジュール構造システムを構築しているシステム構成モジュールの個体ごとに利用管理データを記憶する利用管理手段と、利用されているモジュール構造システムに発生したシステム障害を製造管理装置に送信する障害送信手段と、製造管理装置から返信された製造管理データを取得する製造取得手段と、取得された製造管理データに対応する利用管理データにシステム障害に対応した障害記録データを記録する障害記録手段と、取得された製造管理データを利用管理データおよび障害記録データとともに出力するデータ出力手段と、を有する。
【0012】
本発明の製造管理装置は、本発明のデータ管理システムの製造管理装置であって、製造されて販売されるシステム構成モジュールの個体ごとに製造管理データを記憶する製造管理手段と、利用管理装置からシステム障害を受信する障害受信手段と、受信されたシステム障害の原因となったシステム構成モジュールの製造管理データを利用管理装置に返信する管理返信手段と、を有する。
【0013】
本発明の第一のコンピュータプログラムは、本発明の利用管理装置のためのコンピュータプログラムであって、利用されているモジュール構造システムを構築しているシステム構成モジュールの個体ごとに利用管理データを記憶する利用管理処理と、利用されているモジュール構造システムのシステム障害に対応する障害記録データを原因となったシステム構成モジュールの利用管理データに記録する障害記録処理と、障害記録データが記録された利用管理データに対応する製造管理データを製造管理装置から取得する製造取得処理と、取得された製造管理データを利用管理データおよび障害記録データとともに出力するデータ出力処理と、を利用管理装置に実行させる。
【0014】
本発明の第二のコンピュータプログラムは、本発明の利用管理装置のためのコンピュータプログラムであって、利用されているモジュール構造システムを構築しているシステム構成モジュールの個体ごとに利用管理データを記憶する利用管理処理と、利用されているモジュール構造システムに発生したシステム障害を製造管理装置に送信する障害送信処理と、製造管理装置から返信された製造管理データを取得する製造取得処理と、取得された製造管理データに対応する利用管理データにシステム障害に対応した障害記録データを記録する障害記録処理と、取得された製造管理データを利用管理データおよび障害記録データとともに出力するデータ出力処理と、を利用管理装置に実行させる。
【0015】
本発明の第三のコンピュータプログラムは、本発明の製造管理装置のためのコンピュータプログラムであって、製造されて販売されるシステム構成モジュールの個体ごとに製造管理データを記憶する製造管理処理と、利用管理装置からシステム障害を受信する障害受信処理と、受信されたシステム障害の原因となったシステム構成モジュールの製造管理データを利用管理装置に返信する管理返信処理と、を製造管理装置に実行させる。
【0016】
本発明の第一のデータ処理方法は、本発明の利用管理装置のデータ処理方法であって、利用されているモジュール構造システムを構築しているシステム構成モジュールの個体ごとに利用管理データを記憶する利用管理工程と、利用されているモジュール構造システムのシステム障害に対応する障害記録データを原因となったシステム構成モジュールの利用管理データに記録する障害記録工程と、障害記録データが記録された利用管理データに対応する製造管理データを製造管理装置から取得する製造取得工程と、取得された製造管理データを利用管理データおよび障害記録データとともに出力するデータ出力工程と、を有する。
【0017】
本発明の第二のデータ処理方法は、本発明の利用管理装置のデータ処理方法であって、利用されているモジュール構造システムを構築しているシステム構成モジュールの個体ごとに利用管理データを記憶する利用管理工程と、利用されているモジュール構造システムに発生したシステム障害を製造管理装置に送信する障害送信工程と、製造管理装置から返信された製造管理データを取得する製造取得工程と、取得された製造管理データに対応する利用管理データにシステム障害に対応した障害記録データを記録する障害記録工程と、取得された製造管理データを利用管理データおよび障害記録データとともに出力するデータ出力工程と、を有する。
【0018】
本発明の第三のデータ処理方法は、本発明の製造管理装置のデータ処理方法であって、製造されて販売されるシステム構成モジュールの個体ごとに製造管理データを記憶する製造管理工程と、利用管理装置からシステム障害を受信する障害受信工程と、受信されたシステム障害の原因となったシステム構成モジュールの製造管理データを利用管理装置に返信する管理返信工程と、を有する。
【0019】
なお、本発明の各種の構成要素は、その機能を実現するように形成されていればよく、例えば、所定の機能を発揮する専用のハードウェア、所定の機能がコンピュータプログラムにより付与されたデータ処理装置、コンピュータプログラムによりデータ処理装置に実現された所定の機能、これらの任意の組み合わせ、等として実現することができる。
【0020】
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0021】
また、本発明のデータ処理方法には複数の工程を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の工程を実行する順番を限定するものではない。このため、本発明のデータ処理方法を実施するときには、その複数の工程の順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【0022】
さらに、本発明のデータ処理方法の複数の工程は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある工程の実行中に他の工程が発生すること、ある工程の実行タイミングと他の工程の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の第一のデータ管理システムでは、モジュール製造メーカは、製造して販売するシステム構成モジュールを個体ごとに、製造管理装置により製造管理データでデータ管理している。一方、システム利用ユーザは、利用しているモジュール構造システムのシステム構成モジュールを個体ごとに、利用管理装置により利用管理データでデータ管理している。このような状態で、利用されているモジュール構造システムにシステム障害が発生すると、システム利用ユーザの利用管理装置では、その原因となったシステム構成モジュールの利用管理データに障害記録データが記録される。さらに、この障害記録データが記録された利用管理データに対応する製造管理データが製造管理装置から取得され、取得された製造管理データが利用管理データおよび障害記録データとともに出力される。このため、システム利用ユーザはモジュール構造システムにシステム障害が発生したとき、自身でデータ管理している利用管理データだけでなく、モジュール製造メーカでデータ管理されている製造管理データも自動的に入手することができる。従って、そのシステム障害を詳細に検討して適切に対処することができる。
【0024】
本発明の第二のデータ管理システムでは、モジュール製造メーカは、製造して販売するシステム構成モジュールを個体ごとに、製造管理装置により製造管理データでデータ管理している。一方、システム利用ユーザは、利用しているモジュール構造システムのシステム構成モジュールを個体ごとに、利用管理装置により利用管理データでデータ管理している。このような状態で、利用されているモジュール構造システムにシステム障害が発生すると、システム利用ユーザの利用管理装置は、そのシステム障害をモジュール製造メーカの製造管理装置に送信する。すると、この製造管理装置は、受信されたシステム障害の原因となったシステム構成モジュールの製造管理データを利用管理装置に返信する。この利用管理装置は、返信された製造管理データに対応する利用管理データにシステム障害に対応した障害記録データを記録し、取得された製造管理データを利用管理データおよび障害記録データとともに出力する。このため、システム利用ユーザはモジュール構造システムにシステム障害が発生したとき、自身でデータ管理している利用管理データだけでなく、モジュール製造メーカでデータ管理されている製造管理データも自動的に入手することができる。従って、そのシステム障害を詳細に検討して適切に対処することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の実施の一形態を図面を参照して以下に説明する。本実施の形態のデータ管理システム1000は、図1および図2に示すように、モジュール構造システムMCSを構築する各種のシステム構成モジュールSCMを製造して販売するモジュール製造メーカMMMの製造管理装置100と、購入した各種のシステム構成モジュールSCMでモジュール構造システムMCSを構築して利用するシステム利用ユーザSUYの利用管理装置200と、を有する。
【0026】
本実施の形態のデータ管理システム1000では、図1に示すように、製造管理装置100は、製造されて販売されるシステム構成モジュールSCMの個体ごとに製造管理データMMDを記憶する製造管理部111を有する。
【0027】
利用管理装置200は、利用されているモジュール構造システムMCSを構築しているシステム構成モジュールSCMの個体ごとに利用管理データUMDを記憶する利用管理部210と、利用されているモジュール構造システムMCSのシステム障害に対応する障害記録データIRDを原因となったシステム構成モジュールSCMの利用管理データUMDに記録する障害記録部220と、障害記録データIRDが記録された利用管理データUMDに対応する製造管理データMMDを製造管理装置100から取得する製造取得部230と、取得された製造管理データMMDを利用管理データUMDおよび障害記録データIRDとともに出力するデータ出力部240と、を有する。
【0028】
より具体的には、モジュール構造システムMCSは、例えば、HDDやアプリケーションプログラムなどで構成されるコンピュータシステムなどからなる。システム構成モジュールSCMは、例えば、コンピュータシステムを構成するHDDやアプリケーションプログラムなどからなる。
【0029】
モジュール構造システムMCSのシステム障害とは、そのシステム構成モジュールSCMに起因する、インシデント、動作エラー、故障、等と呼称されているものの、一つないし全部である。
【0030】
例えば、前述のようにモジュール構造システムMCSがコンピュータシステムからなり、システム構成モジュールSCMがHDDやアプリケーションプログラムなどからなる場合、そのシステム障害は、HDDの物理クラッシュ、アプリケーションプログラムのバグ、等からなる。
【0031】
本実施の形態では、モジュール製造メーカMMMは、例えば、コンピュータシステムの各種のハードウェアやソフトウェアを製造して販売する複数の専業メーカのグループからなる。
【0032】
つまり、モジュール製造メーカMMMは、例えば、HDD(Hard Disc Drive)の専業メーカ、ディスプレイユニットの専業メーカ、アプリケーションソフトの専業メーカ、等からなる。
【0033】
このため、製造管理装置100は、図2に示すように、製造管理部111を個々に有してネットワークポリシーが相違する複数の専業メーカごとの製造管理端末110と、製造管理端末110の相互通信を調停するとともに利用管理装置200と通信する一個のサービスセンタの通信調停装置120と、を有する。
【0034】
上述のような利用管理装置200と製造管理端末110と通信調停装置120とは、いわゆるデータベースサーバなどからなる。複数の製造管理データMMDの製造管理端末110と通信調停装置120とは、いわゆる社内LAN(Local Area Network)などのクローズドネットワークで接続されている。
【0035】
通信調停装置120と複数のシステム利用ユーザSUYの利用管理装置200とは、いわゆるインターネットやNGN(Next Generation Network)などのオープンネットワークで接続されている。
【0036】
製造管理端末110と通信調停装置120と利用管理装置200とは、実装されているコンピュータプログラムに対応して各種の処理動作を実行することにより、前述のような各部121,210〜が論理的に実現されている。
【0037】
そこで、通信調停装置120は、過去に発生したシステム障害ごとに原因となったシステム構成モジュールSCMが障害事例データIEDとして登録される事例登録部121を、さらに有する。
【0038】
また、利用管理装置200は、利用されているモジュール構造システムMCSにも接続されている。この利用管理装置200は、利用されているモジュール構造システムMCSに発生したシステム障害を検出する障害検出部250と、検出されたシステム障害から原因となったシステム構成モジュールSCMを判定する原因判定部260とを、さらに有する。
【0039】
そして、障害記録部220は、判定されたシステム構成モジュールSCMの利用管理データUMDに障害記録データIRDを記録する。なお、障害検出部250は、例えば、予想されるシステム障害に対応して、専用のセンサデバイスがシステム構成モジュールSCMに装着されていることで(図示せず)、システム障害をシステム構成モジュールSCMごとに検出する。
【0040】
なお、製造管理データMMDは、例えば、製品ごとのJAN(Japanese Article Number)コードなどの製品ID(Identity)、個体ごとの製造番号、製造に関連する製造工場の工場IDや製造日時、等からなる。
【0041】
利用管理データUMDは、例えば、上述の製品IDや製造番号、利用されているモジュール構造システムMCSの個体ごとのシステムID、購入日時、利用の開始日時、等からなる。
【0042】
また、製造管理データMMDと利用管理データUMDには、上述のように必要により障害記録データIRDも記録される。この障害記録データIRDは、例えば、システム障害の発生日時、システム障害の種別ごとの障害ID、等からなる。
【0043】
障害事例データIEDは、例えば、その障害事例ごとの事例ID、システム障害の発生日時、システム障害ごとの障害ID、対応する製造管理データMMDへのリンクデータ、等からなる。
【0044】
本実施の形態の利用管理装置200のコンピュータプログラムは、例えば、利用されているモジュール構造システムMCSを構築しているシステム構成モジュールSCMの個体ごとに利用管理データUMDを記憶する利用管理処理と、利用されているモジュール構造システムMCSのシステム障害に対応する障害記録データIRDを原因となったシステム構成モジュールSCMの利用管理データUMDに記録する障害記録処理と、障害記録データIRDが記録された利用管理データUMDに対応する製造管理データMMDを製造管理装置100から取得する製造取得処理と、取得された製造管理データMMDを利用管理データUMDおよび障害記録データIRDとともに出力するデータ出力処理と、を利用管理装置200に実行させるように記述されている。
【0045】
上述のような構成において、本実施の形態のデータ管理システム1000では、モジュール製造メーカMMMは、モジュール構造システムMCSを製造してシステム利用ユーザSUYに販売する。
【0046】
このとき、モジュール製造メーカMMMは、製造したモジュール構造システムMCSごとに製造管理データMMDを製造管理装置100に登録する。一方、システム利用ユーザSUYは、モジュール製造メーカMMMから各種のシステム構成モジュールSCMを購入してモジュール構造システムMCSを構築する。
【0047】
このようにモジュール構造システムMCSを構築して利用するとき、そのモジュール構造システムMCSとシステム構成モジュールSCMとに対応した利用管理データUMDを利用管理装置200に登録する。
【0048】
そこで、モジュール製造メーカMMMは、製造して販売するシステム構成モジュールSCMを個体ごとに製造管理データMMDでデータ管理している。一方、システム利用ユーザSUYは、利用しているモジュール構造システムMCSのシステム構成モジュールSCMを個体ごとに、利用管理装置200の利用管理データUMDでデータ管理している。
【0049】
このような状態で、利用管理装置200は、各種のハードウェアやソフトウェアによりモジュール構造システムMCSの稼働状態を常時監視し、図3に示すように、モジュール構造システムMCSに発生したシステム障害を検出する(ステップS1−Y)。
【0050】
このようにシステム障害が検出されると、利用管理装置200は、そのモジュール構造システムMCSを構築しているシステム構成モジュールSCMの利用管理データUMDを読み出す(ステップS2)。
【0051】
つぎに、読み出された利用管理データUMDと検出されたシステム障害とに対応して、所定処理によりシステム障害の原因となったシステム構成モジュールSCMを判定する(ステップS3)。
【0052】
これでシステム障害の原因となったシステム構成モジュールSCMを判定できない場合(ステップS4−N)、「××(モジュール構造システムMCSの名称等)にシステム障害が発生しました。障害の原因は特定できませんでした。原因を確認して対処してください。」等のエラーガイダンスがシステム利用ユーザSUYにディスプレイ表示等で出力される(ステップS9)。
【0053】
そこで、この場合はシステム利用ユーザSUYが対応するモジュール構造システムMCSを手作業で調査し、システム障害の原因となったシステム構成モジュールSCMを特定して対処することになる。
【0054】
一方、利用管理装置200がシステム障害の原因となったシステム構成モジュールSCMを判定できた場合(ステップS4−Y)、そのシステム障害に対応した障害記録データIRDを対応する利用管理データUMDに記録する(ステップS5)。
【0055】
つぎに、利用管理装置200は、上述のように障害記録データIRDが記録された利用管理データUMDの一部ないし全部を送付することにより、対応する製造管理データMMDをモジュール製造メーカMMMの製造管理装置100に要求する(ステップS6)。
【0056】
この製造管理装置100は、例えば、利用管理装置200から取得要求とともに受信した利用管理データUMDの一部ないし全部により対応する製造管理データMMDを検索して返信する。
【0057】
このとき、例えば、通信や検索のエラーなどにより、製造管理装置100が製造管理データMMDを利用管理装置200に返信できないと、この利用管理装置200は(ステップS7−N)、「××(モジュール構造システムMCSの名称等)にシステム障害が発生しました。障害の原因は××(システム構成モジュールSCMの名称等)です。この××の製造管理データをモジュール製造メーカから取得できませんでした。モジュール製造メーカに連絡してください。」等のエラーガイダンスをシステム利用ユーザSUYに出力する(ステップS9)。
【0058】
一方、製造管理装置100が製造管理データMMDを利用管理装置200に返信すると、この利用管理装置200は(ステップS7−Y)、「××(モジュール構造システムMCSの名称等)にシステム障害が発生しました。障害の原因は××(システム構成モジュールSCMの名称等)です。」等のガイダンスメッセージととともに、取得された製造管理データMMDを利用管理データUMDおよび障害記録データIRDとともに障害レポートなどとして出力する(ステップS8)。
【0059】
この場合、システム利用ユーザSUYは、出力された利用管理データUMDと障害記録データIRDと製造管理データMMDとに対応して、モジュール構造システムMCSのシステム構成モジュールSCMに修理や交換などのメンテナンス作業を実行することになる。
【0060】
このメンテナンス作業は、一般的にはモジュール製造メーカMMMに依頼される。この場合、モジュール製造メーカMMMは、メンテナンス作業を実行したシステム障害ごとに、その原因のシステム構成モジュールSCMなどを障害事例データIEDとして製造管理装置100の通信調停装置120に登録する。
【0061】
本実施の形態のデータ管理システム1000では、上述のようにシステム利用ユーザSUYに利用されているモジュール構造システムMCSにシステム障害が発生すると、利用管理装置200がその原因となったシステム構成モジュールSCMの利用管理データUMDに障害記録データIRDを記録する。
【0062】
そして、この障害記録データIRDが記録された利用管理データUMDに対応する製造管理データMMDを製造管理装置100から取得し、取得した製造管理データMMDを利用管理データUMDおよび障害記録データIRDとともに出力する。
【0063】
このため、システム利用ユーザSUYはモジュール構造システムMCSにシステム障害が発生したとき、自身でデータ管理している利用管理データUMDだけでなく、モジュール製造メーカMMMでデータ管理されている製造管理データMMDも自動的に入手することができる。従って、そのシステム障害を詳細に検討して適切に対処することができる。
【0064】
しかも、利用管理装置200は、利用されているモジュール構造システムMCSに発生したシステム障害を検出し、検出されたシステム障害から原因となったシステム構成モジュールSCMを判定する。
【0065】
そして、判定されたシステム構成モジュールSCMの利用管理データUMDに障害記録データIRDを記録するので、システム利用ユーザSUYが原因のシステム構成モジュールSCMを特定する必要がなく、自動的に迅速に製造管理データMMDも入手することができる。
【0066】
一方、モジュール製造メーカMMMでは、発生したシステム障害ごとに、その原因のシステム構成モジュールSCMなどを障害事例データIEDとして製造管理装置100の通信調停装置120に登録することができる。
【0067】
そして、この通信調停装置120は、専業メーカごとに各種の製造管理データMMDが登録されている複数の製造管理端末110と通信する。このため、ネットワークポリシーが相違する各種の専業メーカの製造管理端末110が、その製造管理データMMDに対応して障害事例データIEDを共有することができる。
【0068】
つまり、複数の専業メーカのグループからなるモジュール製造メーカMMMで、製造管理端末110のネットワークポリシーを共通化することなく、障害事例データIEDを共有することができる。
【0069】
従って、社内システムの刷新などを必要とすることなく、メーカグループで情報共有を実現することができ、システム構成モジュールSCMの設計変更や対策などを効率的に推進することができる。
【0070】
しかも、通信調停装置120は、製造管理端末110の相互通信を調停するとともに利用管理装置200と通信するので、ネットワークポリシーが相違する製造管理端末110から必要な製造管理データMMDを取得して利用管理装置200に提供することができる。
【0071】
さらに、通信調停装置120は、上述のようにシステム障害ごとに障害事例データIEDを蓄積するので、例えば、支障ない範囲で障害事例データIEDをシステム利用ユーザSUYに公開するようなこともできる。
【0072】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では予想されるシステム障害に対応して専用のセンサデバイスがシステム構成モジュールSCMに装着されていることで、システム構成モジュールSCMごとにシステム障害が検出されることを例示した。
【0073】
しかし、コンピュータ装置のように各種のシステム構成モジュールSCMが複雑に組み合されたモジュール構造システムMCSでは、システム障害の原因を簡単には特定できないこともある。
【0074】
そこで、このような場合には、利用管理装置200が、過去に発生したシステム障害ごとに原因となったシステム構成モジュールSCMが障害事例データIEDとして登録される事例登録部と、検出されたシステム障害に対応する障害事例データIEDを検索する事例検索手段とを、さらに有することが想定できる(図示せず)。
【0075】
そして、例えば、障害記録部220が、検索された障害事例データIEDに対応してシステム障害が発生したモジュール構造システムMCSのシステム構成モジュールSCMの利用管理データUMDに障害記録データIRDを記録する。この場合、過去の実例に基づいてシステム障害の原因を利用管理装置200が自動的に特定することができる。
【0076】
また、利用管理装置200は、検索された複数の障害事例データIEDに対応してシステム障害が発生した複数のモジュール構造システムMCSのシステム構成モジュールSCMの利用管理データUMDを出力する候補出力手段と、出力された複数の利用管理データUMDの選択操作を受け付ける選択入力手段とを、さらに有し、障害記録部220は、選択操作された利用管理データUMDに障害記録データIRDを記録してもよい。
【0077】
この場合、利用管理装置200が、過去の実例に基づいてシステム障害の原因候補を自動的にシステム利用ユーザSUYに出力することができる。このため、システム利用ユーザSUYは、システム障害の原因のシステム構成モジュールSCMを候補の選択により簡単に特定することができる。
【0078】
さらに、上述のように障害事例データIEDが登録される利用管理装置200が、システム障害のためにメンテナンスされたシステム構成モジュールSCMに対応して障害事例データIEDを更新するデータ更新手段を、さらに有してもよい(図示せず)。
【0079】
この場合、システム利用ユーザSUYの利用管理装置200にメンテナンス作業に対応した障害事例データIEDが自動的に蓄積されるので、システム利用ユーザSUYの作業負担を軽減することができる。
【0080】
同様に、利用管理装置200が、システム障害のためにメンテナンスされたシステム構成モジュールSCMに対応して利用管理データUMDを更新するデータ更新手段を、さらに有してもよい(図示せず)。
【0081】
この場合、専用の障害事例データIEDを蓄積せずとも、管理している利用管理データUMDにより、システム構成モジュールSCMごとにシステム障害の過去事例を管理することができる。
【0082】
また、上記形態では利用管理装置200が、システム障害の発生をシステム利用ユーザSUYにディスプレイ表示などで出力することを例示した。しかし、利用管理装置200がシステム障害の発生を遠隔のシステム利用ユーザSUYや複数のシステム利用ユーザSUYに電子メールやパトランプで出力してもよい。
【0083】
システム障害が複数のシステム利用ユーザSUYに出力される場合、利用管理装置200は、検出されたシステム障害を連絡する複数の障害連絡先を記憶する連絡記憶手段と、検出されたシステム障害に対応して複数の障害連絡先から少なくとも一つを選択する連絡選択手段と、選択された障害連絡先にシステム障害を連絡する障害連絡手段とを、さらに有してもよい(図示せず)。
【0084】
この場合、システム障害の内容により複数のシステム利用ユーザSUYから妥当な連絡先が自動的に選択されるので、そのシステム障害の復旧に最適なシステム利用ユーザSUYのみシステム障害を迅速に通知することができる。
【0085】
さらに、上記形態では利用管理装置200がシステム障害を検出して原因のシステム構成モジュールSCMを特定し、対応する製造管理データMMDを製造管理装置100から取得して出力することを例示した。
【0086】
しかし、利用管理装置200が、利用されているモジュール構造システムMCSに発生したシステム障害を製造管理装置100に送信する障害送信手段を有し、製造管理装置100は、利用管理装置200からシステム障害を受信する障害受信手段と、受信されたシステム障害の原因となったシステム構成モジュールSCMの製造管理データMMDを利用管理装置200に返信する管理返信手段とを有してもよい(図示せず)。
【0087】
そして、利用管理装置200は、製造管理装置100から返信された製造管理データMMDを取得する製造取得部230と、取得された製造管理データMMDに対応する利用管理データUMDにシステム障害に対応した障害記録データIRDを記録する障害記録部220と、取得された製造管理データMMDを利用管理データUMDおよび障害記録データIRDとともに出力するデータ出力部240とを、さらに有すればよい。
【0088】
この場合、システム利用ユーザSUYの利用管理装置200がモジュール構造システムMCSのシステム障害をモジュール製造メーカMMMの製造管理装置100に通知すれば、製造管理装置100がシステム障害の原因となったシステム構成モジュールSCMを特定して利用管理装置200に返信することができる。
【0089】
このため、専門家であるモジュール製造メーカMMMでシステム障害の原因を特定することができ、システム利用ユーザSUYの負担を軽減して良好なサービスを提供することができる。
【0090】
なお、上述のような利用管理装置200のためのコンピュータプログラムは、例えば、利用されているモジュール構造システムMCSを構築しているシステム構成モジュールSCMの個体ごとに利用管理データUMDを記憶する利用管理処理と、利用されているモジュール構造システムMCSに発生したシステム障害を製造管理装置100に送信する障害送信処理と、製造管理装置100から返信された製造管理データMMDを取得する製造取得処理と、取得された製造管理データMMDに対応する利用管理データUMDにシステム障害に対応した障害記録データIRDを記録する障害記録処理と、取得された製造管理データMMDを利用管理データUMDおよび障害記録データIRDとともに出力するデータ出力処理と、を利用管理装置200に実行させるように記述される。
【0091】
また、上述のような製造管理装置100のためのコンピュータプログラムは、例えば、製造されて販売されるシステム構成モジュールSCMの個体ごとに製造管理データMMDを記憶する製造管理処理と、利用管理装置200からシステム障害を受信する障害受信処理と、受信されたシステム障害の原因となったシステム構成モジュールSCMの製造管理データMMDを利用管理装置200に返信する管理返信処理と、を製造管理装置100に実行させるように記述される。
【0092】
さらに、このようなデータ管理システムにおいて、製造管理装置100は、受信されたシステム障害から原因となったシステム構成モジュールSCMを判定する原因判定部260を、さらに有し、管理返信手段は、判定されたシステム構成モジュールSCMの製造管理データMMDを利用管理装置200に返信してもよい(図示せず)。この場合、製造管理装置100が自動的にシステム障害の原因を特定するので、モジュール製造メーカMMMの作業負担を軽減することができる。
【0093】
また、前述の利用管理装置200の場合と同様に、製造管理装置100は、受信されたシステム障害に対応する障害事例データIEDを検索する事例検索手段を、さらに有してもよい(図示せず)。
【0094】
その管理返信手段は、検索された障害事例データIEDに対応してシステム障害が発生したモジュール構造システムMCSのシステム構成モジュールSCMの製造管理データMMDを利用管理装置200に返信してもよい(図示せず)。
【0095】
一方、製造管理装置100は、検索された複数の障害事例データIEDに対応してシステム障害が発生した複数のモジュール構造システムMCSのシステム構成モジュールSCMの製造管理データMMDを出力する候補出力手段と、出力された複数の製造管理データMMDの選択操作を受け付ける選択入力手段とを、さらに有し、管理返信手段は、選択操作された製造管理データMMDを利用管理装置200に返信してもよい(図示せず)。
【0096】
さらに、製造管理装置100は、システム障害のためにメンテナンスされたシステム構成モジュールSCMに対応して障害事例データIEDを更新するデータ更新手段を、さらに有してもよい。
【0097】
また、製造管理装置100は、システム障害のためにメンテナンスされたシステム構成モジュールSCMに対応して製造管理データMMDを更新するデータ更新手段を、さらに有してもよい(図示せず)。
【0098】
さらに、製造管理装置100は、受信されたシステム障害を連絡する複数の障害連絡先を記憶する連絡記憶手段と、受信されたシステム障害に対応して複数の障害連絡先から少なくとも一つを選択する連絡選択手段と、選択された障害連絡先にシステム障害を連絡する障害連絡手段とを、さらに有してもよい(図示せず)。
【0099】
さらに、本実施の形態ではデータ処理装置の各部がコンピュータプログラムにより各種機能として論理的に実現されることを例示した。しかし、このような各部の各々を固有のハードウェアとして形成することもでき、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとして実現することもできる。
【0100】
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各部の構造などを具体的に説明したが、その構造などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の実施の形態のデータ管理システムの論理構造を示す模式図である。
【図2】データ管理システムの物理構造を示す模式図である。
【図3】利用管理装置のデータ処理方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
100 製造管理装置
110 製造管理端末
111 製造管理部
120 通信調停装置
121 事例登録部
200 利用管理装置
210 利用管理部
220 障害記録部
230 製造取得部
240 データ出力部
250 障害検出部
260 原因判定部
1000 データ管理システム
IED 障害事例データ
IRD 障害記録データ
MCS モジュール構造システム
MMD 製造管理データ
MMM モジュール製造メーカ
SCM システム構成モジュール
SUY システム利用ユーザ
UMD 利用管理データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール構造システムを構築する各種のシステム構成モジュールを製造して販売するモジュール製造メーカの製造管理装置と、購入した各種の前記システム構成モジュールで前記モジュール構造システムを構築して利用するシステム利用ユーザの利用管理装置と、を有するデータ管理システムであって、
前記製造管理装置は、製造されて販売される前記システム構成モジュールの個体ごとに製造管理データを記憶する製造管理手段を有し、
前記利用管理装置は、利用されている前記モジュール構造システムを構築している前記システム構成モジュールの個体ごとに利用管理データを記憶する利用管理手段と、利用されている前記モジュール構造システムのシステム障害に対応する障害記録データを原因となった前記システム構成モジュールの前記利用管理データに記録する障害記録手段と、前記障害記録データが記録された前記利用管理データに対応する前記製造管理データを前記製造管理装置から取得する製造取得手段と、取得された前記製造管理データを前記利用管理データおよび前記障害記録データとともに出力するデータ出力手段と、を有するデータ管理システム。
【請求項2】
前記利用管理装置は、利用されている前記モジュール構造システムに発生した前記システム障害を検出する障害検出手段と、検出された前記システム障害から原因となった前記システム構成モジュールを判定する原因判定手段とを、さらに有し、
前記障害記録手段は、判定された前記システム構成モジュールの前記利用管理データに前記障害記録データを記録する請求項1に記載のデータ管理システム。
【請求項3】
前記利用管理装置は、利用されている前記モジュール構造システムに発生した前記システム障害を検出する障害検出手段と、過去に発生した前記システム障害ごとに原因となった前記システム構成モジュールが障害事例データとして登録される事例登録手段と、検出された前記システム障害に対応する前記障害事例データを検索する事例検索手段とを、さらに有する請求項1に記載のデータ管理システム。
【請求項4】
前記障害記録手段は、検索された前記障害事例データに対応して前記システム障害が発生した前記モジュール構造システムの前記システム構成モジュールの前記利用管理データに前記障害記録データを記録する請求項3に記載のデータ管理システム。
【請求項5】
前記利用管理装置は、検索された複数の前記障害事例データに対応してシステム障害が発生した複数の前記モジュール構造システムの前記システム構成モジュールの前記利用管理データを出力する候補出力手段と、出力された複数の前記利用管理データの選択操作を受け付ける選択入力手段とを、さらに有し、
前記障害記録手段は、選択操作された前記利用管理データに前記障害記録データを記録する請求項3に記載のデータ管理システム。
【請求項6】
前記利用管理装置は、検出された前記システム障害を連絡する複数の障害連絡先を記憶する連絡記憶手段と、検出された前記システム障害に対応して複数の前記障害連絡先から少なくとも一つを選択する連絡選択手段と、選択された前記障害連絡先に前記システム障害を連絡する障害連絡手段とを、さらに有する請求項2ないし5の何れか一項に記載のデータ管理システム。
【請求項7】
前記利用管理装置は、前記システム障害のためにメンテナンスされた前記システム構成モジュールに対応して前記障害事例データを更新するデータ更新手段を、さらに有する請求項3ないし6の何れか一項に記載のデータ管理システム。
【請求項8】
前記利用管理装置は、前記システム障害のためにメンテナンスされた前記システム構成モジュールに対応して前記利用管理データを更新するデータ更新手段を、さらに有する請求項1ないし7の何れか一項に記載のデータ管理システム。
【請求項9】
モジュール構造システムを構築する各種のシステム構成モジュールを製造して販売するモジュール製造メーカの製造管理装置と、購入した各種の前記システム構成モジュールで前記モジュール構造システムを構築して利用するシステム利用ユーザの利用管理装置と、を有するデータ管理システムであって、
前記製造管理装置は、製造されて販売される前記システム構成モジュールの個体ごとに製造管理データを記憶する製造管理手段を有し、
前記利用管理装置は、利用されている前記モジュール構造システムを構築している前記システム構成モジュールの個体ごとに利用管理データを記憶する利用管理手段と、利用されている前記モジュール構造システムに発生したシステム障害を前記製造管理装置に送信する障害送信手段と、を有し、
前記製造管理装置は、前記利用管理装置から前記システム障害を受信する障害受信手段と、受信された前記システム障害の原因となった前記システム構成モジュールの前記製造管理データを前記利用管理装置に返信する管理返信手段とを、さらに有し、
前記利用管理装置は、前記製造管理装置から返信された前記製造管理データを取得する製造取得手段と、取得された前記製造管理データに対応する前記利用管理データに前記システム障害に対応した障害記録データを記録する障害記録手段と、取得された前記製造管理データを前記利用管理データおよび前記障害記録データとともに出力するデータ出力手段とを、さらに有するデータ管理システム。
【請求項10】
前記製造管理装置は、受信された前記システム障害から原因となった前記システム構成モジュールを判定する原因判定手段を、さらに有し、
前記管理返信手段は、判定された前記システム構成モジュールの前記製造管理データを前記利用管理装置に返信する請求項9に記載のデータ管理システム。
【請求項11】
前記製造管理装置は、過去に発生した前記システム障害ごとに原因となった前記システム構成モジュールが障害事例データとして登録される事例登録手段と、受信された前記システム障害に対応する前記障害事例データを検索する事例検索手段とを、さらに有する請求項9に記載のデータ管理システム。
【請求項12】
前記管理返信手段は、検索された前記障害事例データに対応して前記システム障害が発生した前記モジュール構造システムの前記システム構成モジュールの前記製造管理データを前記利用管理装置に返信する請求項11に記載のデータ管理システム。
【請求項13】
前記製造管理装置は、検索された複数の前記障害事例データに対応してシステム障害が発生した複数の前記モジュール構造システムの前記システム構成モジュールの前記製造管理データを出力する候補出力手段と、出力された複数の前記製造管理データの選択操作を受け付ける選択入力手段とを、さらに有し、
前記管理返信手段は、選択操作された前記製造管理データを前記利用管理装置に返信する請求項11に記載のデータ管理システム。
【請求項14】
前記製造管理装置は、前記システム障害のためにメンテナンスされた前記システム構成モジュールに対応して前記障害事例データを更新するデータ更新手段を、さらに有する請求項11ないし13の何れか一項に記載のデータ管理システム。
【請求項15】
前記製造管理装置は、前記システム障害のためにメンテナンスされた前記システム構成モジュールに対応して前記製造管理データを更新するデータ更新手段を、さらに有する請求項9ないし14の何れか一項に記載のデータ管理システム。
【請求項16】
前記製造管理装置は、受信された前記システム障害を連絡する複数の障害連絡先を記憶する連絡記憶手段と、受信された前記システム障害に対応して複数の前記障害連絡先から少なくとも一つを選択する連絡選択手段と、選択された前記障害連絡先に前記システム障害を連絡する障害連絡手段とを、さらに有する請求項9ないし15の何れか一項に記載のデータ管理システム。
【請求項17】
前記製造管理装置は、前記製造管理手段を個々に有してネットワークポリシーが相違する複数の製造管理端末と、前記製造管理端末の相互通信を調停する通信調停装置と、を有する請求項1ないし16の何れか一項に記載のデータ管理システム。
【請求項18】
前記通信調停装置は、前記製造管理端末の相互通信を調停するとともに前記利用管理装置と通信する請求項17に記載のデータ管理システム。
【請求項19】
請求項1に記載のデータ管理システムの利用管理装置であって、
利用されている前記モジュール構造システムを構築している前記システム構成モジュールの個体ごとに利用管理データを記憶する利用管理手段と、
利用されている前記モジュール構造システムのシステム障害に対応する障害記録データを原因となった前記システム構成モジュールの前記利用管理データに記録する障害記録手段と、
前記障害記録データが記録された前記利用管理データに対応する前記製造管理データを前記製造管理装置から取得する製造取得手段と、
取得された前記製造管理データを前記利用管理データおよび前記障害記録データとともに出力するデータ出力手段と、
を有する利用管理装置。
【請求項20】
請求項9に記載のデータ管理システムの利用管理装置であって、
利用されている前記モジュール構造システムを構築している前記システム構成モジュールの個体ごとに利用管理データを記憶する利用管理手段と、
利用されている前記モジュール構造システムに発生した前記システム障害を前記製造管理装置に送信する障害送信手段と、
前記製造管理装置から返信された前記製造管理データを取得する製造取得手段と、
取得された前記製造管理データに対応する前記利用管理データに前記システム障害に対応した障害記録データを記録する障害記録手段と、
取得された前記製造管理データを前記利用管理データおよび前記障害記録データとともに出力するデータ出力手段と、
を有する利用管理装置。
【請求項21】
請求項9に記載のデータ管理システムの製造管理装置であって、
製造されて販売される前記システム構成モジュールの個体ごとに製造管理データを記憶する製造管理手段と、
前記利用管理装置から前記システム障害を受信する障害受信手段と、
受信された前記システム障害の原因となった前記システム構成モジュールの前記製造管理データを前記利用管理装置に返信する管理返信手段と、
を有する製造管理装置。
【請求項22】
請求項19に記載の利用管理装置のためのコンピュータプログラムであって、
利用されている前記モジュール構造システムを構築している前記システム構成モジュールの個体ごとに利用管理データを記憶する利用管理処理と、
利用されている前記モジュール構造システムのシステム障害に対応する障害記録データを原因となった前記システム構成モジュールの前記利用管理データに記録する障害記録処理と、
前記障害記録データが記録された前記利用管理データに対応する前記製造管理データを前記製造管理装置から取得する製造取得処理と、
取得された前記製造管理データを前記利用管理データおよび前記障害記録データとともに出力するデータ出力処理と、
を前記利用管理装置に実行させるコンピュータプログラム。
【請求項23】
請求項20に記載の利用管理装置のためのコンピュータプログラムであって、
利用されている前記モジュール構造システムを構築している前記システム構成モジュールの個体ごとに利用管理データを記憶する利用管理処理と、
利用されている前記モジュール構造システムに発生した前記システム障害を前記製造管理装置に送信する障害送信処理と、
前記製造管理装置から返信された前記製造管理データを取得する製造取得処理と、
取得された前記製造管理データに対応する前記利用管理データに前記システム障害に対応した障害記録データを記録する障害記録処理と、
取得された前記製造管理データを前記利用管理データおよび前記障害記録データとともに出力するデータ出力処理と、
を前記利用管理装置に実行させるコンピュータプログラム。
【請求項24】
請求項21に記載の製造管理装置のためのコンピュータプログラムであって、
製造されて販売される前記システム構成モジュールの個体ごとに製造管理データを記憶する製造管理処理と、
前記利用管理装置から前記システム障害を受信する障害受信処理と、
受信された前記システム障害の原因となった前記システム構成モジュールの前記製造管理データを前記利用管理装置に返信する管理返信処理と、
を前記製造管理装置に実行させるコンピュータプログラム。
【請求項25】
請求項19に記載の利用管理装置のデータ処理方法であって、
利用されている前記モジュール構造システムを構築している前記システム構成モジュールの個体ごとに利用管理データを記憶する利用管理工程と、
利用されている前記モジュール構造システムのシステム障害に対応する障害記録データを原因となった前記システム構成モジュールの前記利用管理データに記録する障害記録工程と、
前記障害記録データが記録された前記利用管理データに対応する前記製造管理データを前記製造管理装置から取得する製造取得工程と、
取得された前記製造管理データを前記利用管理データおよび前記障害記録データとともに出力するデータ出力工程と、
を有するデータ処理方法。
【請求項26】
請求項20に記載の利用管理装置のデータ処理方法であって、
利用されている前記モジュール構造システムを構築している前記システム構成モジュールの個体ごとに利用管理データを記憶する利用管理工程と、
利用されている前記モジュール構造システムに発生した前記システム障害を前記製造管理装置に送信する障害送信工程と、
前記製造管理装置から返信された前記製造管理データを取得する製造取得工程と、
取得された前記製造管理データに対応する前記利用管理データに前記システム障害に対応した障害記録データを記録する障害記録工程と、
取得された前記製造管理データを前記利用管理データおよび前記障害記録データとともに出力するデータ出力工程と、
を有するデータ処理方法。
【請求項27】
請求項21に記載の製造管理装置のデータ処理方法であって、
製造されて販売される前記システム構成モジュールの個体ごとに製造管理データを記憶する製造管理工程と、
前記利用管理装置から前記システム障害を受信する障害受信工程と、
受信された前記システム障害の原因となった前記システム構成モジュールの前記製造管理データを前記利用管理装置に返信する管理返信工程と、
を有するデータ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−110453(P2009−110453A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−284530(P2007−284530)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】