説明

データ記録装置、及びデータ記録方法

【課題】複数のフラッシュメモリ記録媒体をストレージとして使用するデータ記録装置において、高速かつ一定の速度を維持した記録を実現する。
【解決手段】本発明に係るデータ記録装置100は、第1のフラッシュメモリ記録媒体160のメモリ領域のうち少なくとも一部と、第2のフラッシュメモリ記録媒体161のメモリ領域のうち少なくとも一部とを1つの仮想デバイスとして制御する仮想デバイス制御部140と、第1のフラッシュメモリ記録媒体160の、仮想デバイスに含まれるメモリ領域に対してデータを記録する記録処理と、第2のフラッシュメモリ記録媒体161の、仮想デバイスに含まれるメモリ領域のデータを消去する消去処理とを並列に実行するファイル管理部130とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のフラッシュメモリ記録媒体を備えるデータ記録装置に対して高速にデータ記録を実施するデータ記録方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル化された映像及び音声等のコンテンツを記録するデジタルAV機器においては、ストレージ用途で複数のフラッシュメモリ記録媒体を搭載するAV機器が増えている。例えば、このようなAV機器として、SDメモリカード、embedded SDをストレージとして複数個備えるデジタルムービー機器等が挙げられる。
【0003】
その理由として、フラッシュメモリ記録媒体は、小型軽量、省電力及び衝撃に対する強度等の従来からの優れた利点を有する。さらに、近年においてフラッシュメモリ記録媒体の大容量化及び低価格化が進んでいる。これにより、フラッシュメモリ記録媒体は、ハードディスクの代替用途として用いられるようになってきている。
【0004】
そして、大容量ストレージの一員となったフラッシュメモリ記録媒体に対しても、他の大容量ストレージと同様に高速かつ一定速度の安定した記録速度が求められるようになると考えられる。例えば、ムービー機器における高画質動画像の記録、レコーダー機器におけるマルチチャネルのストリームの記録、デジタルスチールカメラにおける連写撮影画像の記録等において、高速かつ一定速度の安定した記録速度が記録媒体に求められる。
【0005】
しかし、広く普及している既存フラッシュメモリ記録媒体は上記の要望に対して課題がある。
【0006】
多くのフラッシュメモリ記録媒体で、高速かつ一定の記録速度を得ることができるのは、一定サイズ以上の消去済領域(空き領域)に対して記録を行ったときのみである。つまり、フラッシュメモリ記録媒体において、未消去のメモリ領域に対して上書き記録を実施する場合は、ある程度の記録速度の低下が発生する。なぜなら、未消去のメモリ領域に対して上書き記録を実施する場合、フラッシュメモリ記録媒体において、内部のフラッシュメモリチップに対する消去処理及びデータ移動処理が、フラッシュメモリチップへの記録処理と合わせて実施される。これにより、記録処理全体としての速度が低下する。上記の例として、クラス10のSDメモリカードで10MB/sec以上の書込み速度保証対象となるのが、消去済の一定領域に対する書込みのみであることが挙げられる。
【0007】
上記の特性をもつフラッシュメモリ記録媒体を複数搭載したシステムにおいて、記録速度の高速化を図る手段として特許文献1に記載の方法がある。特許文献1に記載の方法は、複数のフラッシュメモリ記録媒体に対して、並列記録、又は並列消去を行う。これにより、特許文献1記載の方法は、記録速度の高速化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−69420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
フラッシュメモリ記録媒体をストレージとして使用する記録装置においては、前述のとおり、上書き記録時の記録速度に課題がある。上記課題を解決する手段としては、記録開始前にフォーマット処理を実施し、全領域を消去する方法が存在するが、消去を伴うフォーマット処理には長い処理時間を必要とするため、AV機器の起動直後に記録を開始する場合などの任意のタイミングでの記録開始ができないといった別の課題も発生してくる。
【0010】
また、特許文献1記載の、データを分割して各フラッシュ記録媒体に並列に記録及び消去を実施する方法では、記録処理全体としての処理時間は短くなるが、充分な消去済の領域が存在しない記録媒体の場合は、一時的に記録を中断して消去を実施する必要がある。もしくは、消去処理を実施せず、フラッシュメモリ記録媒体の内部処理に任せてしまうことも考えられるが、その場合は最低記録速度の保証が難しく、一定の記録速度を確保することが困難であるという課題がある。上記のとおり、特許文献1記載の方法では記録速度に一定の速度又は最低速度保証が求められる高品質動画の連続記録時などでは、少なからず課題が残ってしまうことになる。
【0011】
以上の点を踏まえ、本発明は、複数のフラッシュメモリ記録媒体をストレージとして使用するデータ記録装置であって、高速かつ一定の速度を維持した記録を実現できるデータ記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の一形態に係るデータ記録装置は、第1のフラッシュメモリ記録媒体及び第2のフラッシュメモリ記録媒体へデータを記録するデータ記録装置であって、前記第1のフラッシュメモリ記録媒体のメモリ領域のうち少なくとも一部と、前記第2のフラッシュメモリ記録媒体のメモリ領域のうち少なくとも一部とを1つの仮想デバイスとして制御する仮想デバイス制御部と、前記第1のフラッシュメモリ記録媒体の、前記仮想デバイスに含まれるメモリ領域に対してデータを記録する記録処理と、前記第2のフラッシュメモリ記録媒体の、前記仮想デバイスに含まれるメモリ領域のデータを消去することにより、以降の記録処理において記録先となる空き領域を生成する消去処理とを並列に実行するファイル管理部とを備える。
【発明の効果】
【0013】
以上より、本発明は、複数のフラッシュメモリ記録媒体をストレージとして使用するデータ記録装置であって、高速かつ一定の速度を維持した記録を実現できるデータ記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置の内部構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るデータ記録方法の処理手順の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るアドレスマップテーブルの一例を示す図である。
【図5A】本発明の実施の形態1に係るデータ記録方法において、記録媒体に対する記録処理イメージを示す図である。
【図5B】本発明の実施の形態1に係るデータ記録方法において、記録媒体に対する消去処理イメージを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係るデータ記録方法のタイミングチャートである。
【図7】本発明の実施の形態1に係る仮想デバイスファイル管理情報の作成手順の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係るデータ記録装置の内部構成を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係るデータ集約処理手順の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る論理アドレス配置を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係るデータ集約処理手順の一例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態4に係る複数のメモリカードを切り替えて記録を継続する手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るデータ記録装置の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置は、仮想デバイスに含まれる第1のフラッシュメモリ記録媒体へのデータ記録処理と、上記仮想デバイスに含まれる第2のフラッシュメモリ記録媒体へのデータ消去処理とを並列に行う。これにより、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置は、高速かつ一定の速度を維持した記録を実現できる。
【0017】
まず、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置の構成を説明する。
【0018】
図1は本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100の基本構成を示す図である。
【0019】
図1に示すデータ記録装置100は、データ入力部110と、記録制御部120と、ファイル管理部130と、仮想デバイス制御部140と、デバイス制御部150、151及び152と、フラッシュメモリ記録媒体160、161及び162とを備える。このデータ記録装置100は、フラッシュメモリ記録媒体160、161及び162へデータを記録する。また、フラッシュメモリ記録媒体160、161及び162は、当該データ記録装置100に内蔵されていてもよいし、当該データ記録装置100に着脱可能であってもよい。
【0020】
データ入力部110は、外部より入力された映像又は音声等のコンテンツデータと、当該コンテンツデータの書き込み指示とを取得する。
【0021】
記録制御部120は、データ入力部110が取得したコンテンツデータをRAMバッファ(図示せず)に蓄積する。
【0022】
ファイル管理部130は、RAMバッファ上に蓄積されたコンテンツデータを、一定のページサイズ単位で、仮想デバイス制御部140と、デバイス制御部150、151及び152とを介して、フラッシュメモリ記録媒体160、161及び162に記録する。
【0023】
仮想デバイス制御部140は、複数のフラッシュメモリ記録媒体160、161及び162を1つの仮想デバイスとして仮想化する。これにより、仮想デバイス制御部140は、ファイル管理部130に対して複数のフラッシュメモリ記録媒体間のメモリ境界を意識することなくアドレッシング可能なメモリ空間を提供する。なお、仮想デバイス制御部140は、フラッシュメモリ記録媒体160、161及び162のうち、第1のフラッシュメモリ記録媒体のメモリ領域のうち少なくとも一部と、第2のフラッシュメモリ記録媒体のメモリ領域のうち少なくとも一部とを1つの仮想デバイスとして制御してもよいし、フラッシュメモリ記録媒体160、161及び162のうち、第1のフラッシュメモリ記録媒体のメモリ領域のうち少なくとも一部と、第2のフラッシュメモリ記録媒体のメモリ領域のうち少なくとも一部と、第3のフラッシュメモリ記録媒体のメモリ領域のうち少なくとも一部とを1つの仮想デバイスとして制御してもよい。
【0024】
また、ここでは、データ記録装置100が3個のフラッシュメモリ記録媒体を備える例を述べるが、データ記録装置100はあ、2個以上のフラッシュメモリ記録媒体を備えればよい。
【0025】
デバイス制御部150、151及び152は、各フラッシュメモリ記録媒体160、161及び162の動作制御及び実データの転送制御を実施するデバイスドライバである。
【0026】
フラッシュメモリ記録媒体160、161及び162はembedded SD又はembedded MMC(Multimedia Card)などの内部にフラッシュメモリチップと、そのコンローラとを搭載する組み込み向けLSIである。
【0027】
また、ファイル管理部130は、第1のフラッシュメモリ記録媒体の、仮想デバイスに含まれるメモリ領域に対してデータを記録する記録処理と、第2のフラッシュメモリ記録媒体の、仮想デバイスに含まれるメモリ領域のデータを消去することにより、以降の記録処理において記録先となる空き領域を生成する消去処理とを並列に実行する。
【0028】
以下、本発明の実施の形態1における特徴である仮想デバイス制御部140及びファイル管理部130について図2を用いて説明する。
【0029】
図2は、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100の詳細な構成を示す図である。
【0030】
図2に示すように、仮想デバイス制御部140は、消去サイズ制御部141と、仮想管理部142と、消去領域予測部143と、デバイス管理部144とを含む。各機能ブロックは、機能ブロック間で各フラッシュメモリ記録媒体の性能情報、及びアドレスマップテーブル145を共有しながら、各機能ブロックの固有機能を実施する。
【0031】
デバイス管理部144は、デバイス制御部150、151及び152より取得した各フラッシュメモリ記録媒体のメモリ容量、消去単位及び転送速度などのデバイス固有情報を一括で管理する。
【0032】
仮想管理部142は、複数のフラッシュメモリ記録媒体160、161及び162のメモリ容量を統合する。また、仮想管理部142は、各フラッシュメモリ記録媒体に対して論理アドレスの割り振りを行う。また、仮想管理部142は、アドレスマップテーブル145を作成し、その管理を実施する。アドレスマップテーブル145は、アドレス変換情報の実装形態の1つである。また、仮想管理部142は、ファイル管理部130から記録位置として指定された論理アドレスを、アドレスマップテーブル145を参照し、記録先となるフラッシュメモリ記録媒体(以下、記録先記録媒体)を特定するとともに、指定された論理アドレスを物理アドレスへ変換する。さらに、仮想管理部142は、記録先記録媒体の、変換した物理アドレスへの記録を実施する。
【0033】
消去サイズ制御部141は、ファイル管理部130の1回の記録単位であるページサイズに基づき、1回の消去処理で消去する最適なメモリサイズを決定する。具体的には、消去サイズ制御部141は、デバイス管理部144から各フラッシュメモリ記録媒体の消去単位サイズ、又は一定の記録速度記録を保証できる消去済領域サイズ(最低速度保証ユニットサイズ:例えば、embedded SDの場合はアロケーションユニットサイズ)を取得する。次に、消去サイズ制御部141は、上記ページサイズと、複数のフラッシュメモリ記録媒体のそれぞれの消去単位サイズとの公倍数であるメモリサイズを1回の消去サイズとして算出する。なお、消去サイズ制御部141は、上記ページサイズと、複数のフラッシュメモリ記録媒体のそれぞれの最低速度保証ユニットサイズとの公倍数であるメモリサイズを1回の消去サイズとして算出してもよい。
【0034】
また、ファイル管理部130は、消去サイズ制御部141によって決定された消去サイズを用いてデータ消去処理を行う。
【0035】
消去領域予測部143は、記録処理を行う際、複数のフラッシュメモリ記録媒体160、161及び162のうちどのフラッシュメモリ記録媒体に対して消去処理を行うかを決定する。具体的には、消去領域予測部143は、ファイル管理部130から記録位置の論理アドレスを指定された時に、記録先記録媒体とは異なるフラッシュメモリ記録媒体を、消去処理を行う対象のフラッシュメモリ記録媒体(以下、消去対象記録媒体)として選択する。また、消去領域予測部143は、消去対象記録媒体のメモリ領域のうち消去可能な論理アドレス範囲である消去可能領域を決定する。なお、消去対象記録媒体は、消去処理の後で次回以降の記録処理に使用される。よって、消去領域予測部143に対して消去対象記録媒体の選択条件を事前に設定しておき、消去領域予測部143は、当該選択情報を基準として、消去対象記録媒体を選択してもよい。
【0036】
上記選択条件の例を挙げると、例えば、高速記録が可能なフラッシュメモリ記録媒体と低速記録のフラッシュメモリ記録媒体とがそれぞれ複数個接続されているデータ記録装置において、「記録速度が速い」という選択条件を設定できる。この場合、消去領域予測部143は記録速度の速い(記録処理にかかる時間が短い)フラッシュメモリ記録媒体を優先的に選択し、選択されたフラッシュメモリ記録媒体の論理アドレスを消去対象範囲としてファイル管理部130に通知する。なお、消去領域予測部143は消去速度の速い(消去処理にかかる時間が短い)フラッシュメモリ記録媒体を優先的に選択してもよい。
【0037】
同様に、使用頻度(書き換え回数)にばらつきのあるフラッシュメモリ記録媒体が接続されているデータ記録装置において、「使用頻度が少ない」フラッシュメモリ記録媒体を優先的に選択するという選択条件を設定してもよい。
【0038】
また、ファイル管理部130は、記録処理と、消去領域予測部143により決定された消去対象記録媒体への消去処理とを並列に実行する。
【0039】
このファイル管理部130は、ファイルシステム131を備える。また、ファイル管理部130は、複数のフラッシュメモリ記録媒体が1つの記録媒体として仮想化された仮想デバイスに対して、1つのファイルシステム131でのファイルアクセスを実施する。
【0040】
また、ファイル管理部130は、消去済みの空き領域を管理するための空き領域管理部132を備えてもよい。
【0041】
空き領域管理部132は、消去処理が完了したメモリ領域(空き領域)を示す消去済領域情報を管理し、消去処理が完了した領域については消去済領域情報を適宜更新する。
【0042】
またファイル管理部130は、仮想デバイス制御部140に対する記録と消去との処理要求を逐次又は同時に実施することが可能である。ファイル管理部130は、消去の処理要求を実施する際には、消去領域予測部143によって指定された消去対象範囲内から消去領域を選択し、消去が完了した領域は次回以降の記録領域(空き領域)として管理する。
【0043】
次に、図3のフローチャートに従ってデータ記録装置100によるデータ記録方法を説明する。
【0044】
ここで使用するフラッシュメモリ記録媒体をそれぞれ記録媒体A及び記録媒体Bで定義する。また、仮想デバイス制御部140によって記録媒体Aと記録媒体Bとは1つの仮想デバイスに仮想化されている。ここで、記録媒体Aには空き領域が存在し、その空き領域が記録処理の記録開始位置として選択されるとする。また、記録媒体Bには空き領域がほとんど存在せず、消去処理を実施しないと記録速度が低下する状態にあるとする。また、記録データは高速かつ連続記録を要求するストリームデータとする。
【0045】
まず、ファイル管理部130は、空き領域から記録位置として仮想デバイスの論理アドレスを決定し、仮想デバイス制御部140に対して、決定した仮想デバイスの論理アドレスを通知する(S301)。
【0046】
次に、仮想デバイス制御部140の仮想管理部142は、アドレスマップテーブル145を用いて、通知された論理アドレスから記録対象となる記録媒体Aを選択するとともに、その記録開始位置である物理アドレスを決定する(S302)。
【0047】
アドレスマップテーブル145の構成例を図4に示す。アドレスマップテーブル145は、一定範囲毎の論理アドレス空間410と、当該論理アドレス空間毎に対応する記録媒体識別子420及び物理アドレス空間430を含む。さらに、アドレスマップテーブル145は、論理アドレス空間410毎に対応する、フラッシュメモリ記録媒体の属性情報440を含んでもよい。この属性情報440は、媒体種別441、記録速度442、消去速度443、及び使用頻度444(記録回数)等のフラッシュメモリ記録媒体を選択する際に用いられる条件を含む。
【0048】
次に、消去領域予測部143は、記録媒体Aとは異なる記録媒体Bを消去対象記録媒体として選択する(S303)。ここで、3つ以上のフラッシュメモリ記録媒体が接続されているデータ記録装置100の場合は、事前に設定された条件(記録速度又は記録回数など)に応じて、データ記録装置100の目的にあったフラッシュメモリ記録媒体を優先的に消去対象記録媒体として選択してもよい。なお、アドレスマップテーブル145が属性情報440を有する場合は、消去領域予測部143は、消去対象記録媒体の選択条件に使用されるデバイス情報をデバイス管理部144から取得する代わりに、アドレスマップテーブル145の属性情報440を参照することにより取得してもよい。
【0049】
次に、消去領域予測部143は、アドレスマップテーブル145を参照して、記録媒体Bに割当てられた消去可能な論理アドレス範囲を取得し、取得した論理アドレス範囲を消去可能領域として決定する。また消去領域予測部143は、決定した消去可能領域をファイル管理部130に通知する(S304)。
【0050】
次に、ファイル管理部130は、通知された消去可能領域から次回以降の記録に使用する領域を決定する。また、ファイル管理部130は、決定した領域を消去領域として、消去開始アドレスを仮想デバイス制御部140に通知する(S305)。
【0051】
次に、仮想デバイス制御部140は、図5A及び図5Bに示すように、各デバイス制御部を介して、ページ単位の記録処理を記録媒体Aに対して実施するとともに、消去サイズの消去処理を記録媒体Bの消去領域に対して実施する(S306)。
【0052】
ここで、フラッシュメモリ記録媒体における記録処理及び消去処理はコマンド方式で実施される場合が多い。よって、DMA(Direct Memory Access)転送処理とコマンド処理とを組み合わせた記録処理と、コマンド処理のみで実施される消去処理とは、別々のフラッシュメモリ記録媒体に対して同時処理が可能である。
【0053】
また、1回の消去サイズは複数ページサイズであるため、図6に示すように、1回の消去処理にかかる時間T2は1ページの記録処理にかかる時間T1より長くかかる場合もある。しかしながら、消去処理にかかる時間T2は、消去サイズ分のページ数の記録処理にかかる時間T3に比較して短くなる。そのため、現在記録中の空き領域への消去サイズ分のページ記録が完了する時刻t4までに、次の記録に使用するためのメモリ領域の消去処理が完了する。これにより、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100では、記録媒体Aから記録媒体Bに切り替えてすぐに記録を継続することが可能である。
【0054】
具体的には、仮想デバイス制御部140は、記録完了及び消去完了の通知を各デバイス制御部150、151又は152より受けるとファイル管理部130に対して記録完了及び消去完了を通知する。ファイル管理部130は、1ページ分の記録処理を開始した(S307)のち、1ページ分の記録完了通知を受けた場合(S308でYes)は、全ページ分の記録処理が完了したか否かを判定する(S309)。
【0055】
全ページ分の記録処理が完了していない場合(S309でNo)、ファイル管理部130は、次ページの記録処理を開始する(S307)。
【0056】
また、消去完了通知を受けた場合(S310でYes)には、空き領域管理部132は、消去が完了した領域を空き領域として管理する(S311)。
【0057】
また、ファイル管理部130は、現在記録中である消去サイズの空き領域を最後まで消費したら、ステップS311で管理する空き領域(例えば、記録媒体Bの空き領域)に対して、続きのページを記録する。
【0058】
上記のフローチャートの流れを繰り返すことにより、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、2つ以上のフラッシュメモリ記録媒体を用いて、常に消去済のメモリ領域(空き領域)への記録を実施することができるため、高速記録を実現することができる。
【0059】
また、ステップS303において、消去領域予測部143の消去可能領域選択の条件として、「記録速度が速い」という条件が設定されていれば、消去領域予測部143は複数のフラッシュメモリ記録媒体中から記録速度の速い記録媒体を選択する。これにより、高速記録可能なフラッシュメモリ記録媒体のみが優先的に使用されて、継続的により高速な記録処理が可能となる。
【0060】
また、ステップS303において、消去領域予測部143の消去可能領域選択の条件として、「使用頻度が少ない」という条件が設定されていれば、消去領域予測部143は複数のフラッシュメモリ記録媒体の中から記録回数の少ない記録媒体を選択する。これにより、各フラッシュメモリ記録媒体の使用頻度を平準化することができ、記録媒体の性能バランスの維持に有用である。
【0061】
以下、本発明の実施の形態1に係るデータ記録方法を実施する上で必要となる周辺処理について説明する。
【0062】
ここでは、ファイル管理部130で使用する仮想デバイスファイル管理情報の作成、取得及び更新処理について説明する。
【0063】
仮想デバイスファイル管理情報は、ファイル管理情報を仮想デバイスに対して適用したものであるため、通常のファイル管理情報と同様の構成である。ここで、ファイル管理情報とは、ファイル管理テーブル又はビットマップ情報である。具体的には、SDメモリカードで使用するFAT(File Allocation Table)ファイルシステムを例に挙げるとMaster Boot Record又はFDC Descriptor、File Allocation Table等が仮想デバイスファイル管理情報に相当する。この仮想デバイスファイル管理情報は、通常、記録媒体のフォーマット処理時に作成され、いずれかのフラッシュメモリ記録媒体160、161又は162に記録される。
【0064】
仮想デバイスファイル管理情報の作成手順について図7のフローチャートを用いて説明する。
【0065】
まず、ファイル管理部130は、仮想デバイス制御部140に対して、メモリ容量等の仮想デバイス情報の取得を要求する(S701)。
【0066】
要求を受けた仮想管理部142は、アドレスマップテーブル145を有しているか確認する(S702)。ここでアドレスマップテーブル145を有している場合(S702でYes)は、仮想デバイス制御部140にて既に仮想化が実施されているため、仮想管理部142は、仮想管理部142自身で管理する仮想デバイス情報、又は、アドレスマップテーブル145に含まれる仮想デバイス情報をファイル管理部130に通知する(S706)。
【0067】
一方、アドレスマップテーブル145を有していない場合(S702でNo)は、仮想デバイス制御部140にて仮想化が未実施のため、デバイス管理部144は、各フラッシュメモリ記録媒体のデバイス情報を取得する(S703)。
【0068】
次に、仮想管理部142は、仮想化する記録媒体及び各記録媒体のメモリ領域の範囲(仮想化範囲)を決定する(S704)。
【0069】
次に、仮想管理部142は、仮想化範囲のデバイス情報の統合と、各フラッシュメモリ記録媒体の物理メモリ領域に対する論理アドレスの割り振りとを行ったうえで、アドレスマップテーブル145を作成する(S705)。このとき、仮想デバイス制御部140は、デバイス情報に含まれる情報をアドレスマップテーブル145に属性情報440として組み込んでもよい。また、仮想デバイス制御部140は、アドレスマップテーブル145を、外部メモリに記憶してもよいし、仮想化の際に特定のフラッシュメモリ記録媒体の一部のメモリ領域を仮想化対象外領域としたうえで、当該仮想化対象外領域に記憶してもよい。
【0070】
アドレスマップテーブル145の作成が完了した後、仮想デバイス制御部140は、ファイル管理部130へ仮想デバイス情報を通知する(S706)。
【0071】
ファイル管理部130は、通知された仮想デバイス情報を基に仮想デバイスファイル管理情報を作成し、作成した仮想デバイスファイル管理情報を仮想デバイスに記録する(S707)。また、仮想デバイス制御部140で再仮想化を実施する場合は、仮想管理部142は新規にアドレスマップテーブル145を作成して、物理メモリアドレスの再配置を実施してもよい。
【0072】
また、フラッシュメモリ記録媒体に記録済の仮想デバイスファイル管理情報を取得する場合は、ファイル管理部130は、仮想デバイスファイル管理情報が記録されている論理アドレスを指定する。これにより、仮想デバイス制御部140は、指定された論理アドレスを、アドレスマップテーブル145を参照して、物理アドレスに変換し、仮想デバイスファイル管理情報を取得する。
【0073】
また、仮想デバイスファイル管理情報の更新については、従来のファイルシステムにおけるファイル管理情報の更新と同様に行うことができる。例えば、特定の同期タイミング、及び、記録完了後に仮想デバイスに対して更新記録を実施する。
【0074】
以上より、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、記録媒体Aへの記録処理と、記録媒体Bへの消去処理とを並列に実行する。
【0075】
これにより、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、常に消去済の領域に対してデータの記録を実施することが可能である。そのため、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、一定の記録速度を保ちつつ高速でデータを記録することができる。これにより、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、高画質、及び大容量のデータのストリーミング記録におけるフラッシュメモリ記録媒体の性能要因による記録失敗等を回避できる。さらに、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、RAM上に用意する記録バッファサイズを小さくすることも可能である。
【0076】
また、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、記録処理を行う際、予め定められた条件に従い、他のフラッシュメモリ記録媒体のうちどのフラッシュメモリ記録媒体に対して消去処理を行うかを決定する。
【0077】
これにより、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、複数のフラッシュメモリ記録媒体のうち、システム要件又はコンテンツの種類に応じて最適な性能を持つフラッシュメモリ記録媒体を選択して記録することが可能である。
【0078】
また、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、記録処理を行う際、他のフラッシュメモリ記録媒体のうち、書き換え回数の少ないフラッシュメモリ記録媒体に対して消去処理を行うと決定する。
【0079】
これにより、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、記録頻度の低いフラッシュメモリ記録媒体にデータを記録することができる。これにより、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、複数のフラッシュメモリ記録媒体の劣化を均一に保つことができる。
【0080】
また、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、記録処理を行う際、他のフラッシュメモリ記録媒体のうち、消去処理にかかる時間の短いフラッシュメモリ記録媒体に対して前記消去処理を行うと決定する。
【0081】
これにより、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、消去速度の速いフラッシュメモリ記録媒体のデータを消去することができる。これにより、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、大容量コンテンツなどの高速記録が要求される場合に、消去速度を維持することができる。
【0082】
また、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、記録処理を行う際、他のフラッシュメモリ記録媒体のうち、記録処理にかかる時間の短いフラッシュメモリ記録媒体に対して消去処理を行うと決定する。
【0083】
これにより、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、記録速度の速いフラッシュメモリ記録媒体にデータを記録することができる。これにより、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、大容量コンテンツなどの高速記録が要求される場合に、記録速度を維持することができる。
【0084】
また、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、1回の記録単位であるページサイズに基づいて1回の消去単位である消去サイズを決定する。
【0085】
これにより、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、消去処理において最適な消去サイズを選択できる。
【0086】
また、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、ページサイズと複数のフラッシュメモリ記録媒体のそれぞれの消去単位サイズとの公倍数、又は、ページサイズと複数のフラッシュメモリ記録媒体のそれぞれの最低速度保証ユニットサイズとの公倍数を消去サイズに決定する。
【0087】
これにより、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、各フラッシュメモリ記録媒体に対して、共通に用いることができる消去サイズを算出できる。これにより、フラッシュメモリ記録媒体個々での消去サイズ管理が不要になる。よって、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、算出した消去サイズを消去済領域管理時の最小管理単位として用いることで、効率的にメモリ管理を行うことができる。
【0088】
また、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、ファイル管理情報とともに消去済領域情報を管理し、消去処理が完了した領域については消去済領域情報を適宜更新する。
【0089】
これにより、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、仮想デバイスのメモリ領域に対して、消去済領域及び未消去領域の判別を簡単に実施することができる。これにより、本発明の実施の形態1に係るデータ記録装置100は、次に記録を実施するメモリ領域、及び消去を実施するメモリ領域の選択を効率的に実施することが可能である。
【0090】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、実施の形態1のデータ記録装置及びデータ記録方法に対して機能拡張を実施したデータ記録装置の構成及びデータ記録方法について説明する。
【0091】
図8は、本発明の実施の形態2に係るデータ記録装置200の構成を示す図である。
【0092】
図8に示すデータ記録装置200は、図2に示すデータ記録装置100の構成に対して、仮想デバイス制御部240の構成が異なる。具体的には、仮想デバイス制御部240は、仮想デバイス制御部140の構成に加え、さらに、移動領域予測部246を備える。なお、図2と同様の要素には、同一の符号を付しており、重複する説明は省略する。
【0093】
移動領域予測部246は、事前に設定された条件に基づいて、複数のフラッシュメモリ記録媒体160、161及び162のうちデータの移動先となるフラッシュメモリ記録媒体(以下、移動先記録媒体)を選択し、その論理アドレスの範囲を決定する機能を有する。
【0094】
ここで、データ記録終了後においては、複数のフラッシュメモリ記録媒体にファイルが分断されて記録されている場合が多い。本発明の実施の形態2に係るデータ記録装置200は、その断片化したデータを1つのフラッシュメモリ記録媒体に移動するデータ集約処理を行う。具体的には、ファイル管理部130は、複数のフラッシュメモリ記録媒体に分断して記録されているファイルを、移動領域予測部246により決定された移動先記録媒体へ移動するとともに、移動元のデータを消去するデータ集約処理を行う。
【0095】
また、実施の形態2におけるデータ記録方法の流れは図3に示すフローチャートと同様である。なお、ここでは、上記データ記録方法によりストリーム記録を実施した結果、ファイル又はデータが複数のフラッシュメモリ記録媒体に分断されて記録されている状態であるとする。
【0096】
このときの、本発明の実施の形態2に係るデータ記録装置200によるデータ集約処理について図9のフローチャートを用いて説明する。
【0097】
まず、記録終了後のCPU待機時において、ファイル管理部130は記録済ファイルを移動させるための論理アドレス範囲の通知を仮想デバイス制御部240に対して要求する(S901)。
【0098】
次に、移動領域予測部246は、事前に設定されている条件に基づき、アドレスマップテーブル145の属性情報440などを参照して移動先記録媒体を選択する(S902)。
【0099】
次に、移動領域予測部246は、移動先記録媒体に割当てられたメモリ領域の論理アドレス範囲をアドレスマップテーブル145から抽出し、抽出した論理アドレス範囲をファイル管理部130に通知する(S903)。
【0100】
ファイル管理部130は、指定された論理アドレス範囲内へのデータ集約状況を確認し(S904)、指定された論理アドレス範囲内へのデータ集約処理が完了していない場合(S904No)、指定された論理アドレス範囲内へのデータの移動を実施する(S905)。さらに、ファイル管理部130は、仮想デバイスファイル管理情報を更新する(S906)。次に、ファイル管理部130は、移動元のデータ領域に対しては消去処理を実施し、消去済の空き領域として管理する(S907)。
【0101】
このとき、移動領域予測部246に対して、記録処理及び消去処理の遅いフラッシュメモリ記録媒体をデータ移動先の条件として予め設定しておくと、記録及び消去の速いフラッシュメモリ記録媒体に対して消去済の空き領域を確保することが可能になる。そのため、高速記録が可能なフラッシュメモリ記録媒体と低速記録のフラッシュメモリ記録媒体とを組み合わせたデータ記録装置200においては、記録終了後などのCPU待機時に記録データを低速記録のフラッシュメモリ記録媒体に移動し、高速記録が可能なフラッシュメモリ記録媒体に空き領域を作成することで、次回以降の記録処理時に、高速記録が可能なフラッシュメモリ記録媒体へデータを記録できる。
【0102】
つまり、移動領域予測部246は、複数のフラッシュメモリ記録媒体のうち、消去処理にかかる時間の長いフラッシュメモリ記録媒体を、移動先記録媒体に決定してもよい。
【0103】
また、移動領域予測部246は、複数のフラッシュメモリ記録媒体のうち、記録処理にかかる時間の長いフラッシュメモリ記録媒体を、移動先記録媒体に決定してもよい。
【0104】
以上より、本発明の実施の形態2に係るデータ記録装置200は、本発明に係るデータ集約処理を本発明に係るデータ記録処理と合わせて実施することにより、高速な記録速度を維持できる。さらに、本発明の実施の形態2に係るデータ記録装置200は、データ記録装置200の使用目的に応じたフラッシュメモリ記録媒体の選択の幅を広げることができる。
【0105】
また、本発明の実施の形態2に係るデータ記録装置200は、複数のフラッシュメモリ記録媒体160、161及び162のうち、所定の条件に応じて、移動先記録媒体を決定する。さらに、データ記録装置200は、複数のフラッシュメモリ記録媒体160、161及び162に分断して記録されているファイルを、決定した移動先記録媒体へ移動するとともに、移動元のデータを消去するデータ集約処理を行う。
【0106】
これにより、本発明の実施の形態2に係るデータ記録装置200は、記録完了後のCPU待機時等に、フラッシュメモリ記録媒体間でデータを移動させることで断片化されて記録されているファイルを一箇所に集約することができる。これにより、本発明の実施の形態2に係るデータ記録装置200は、ファイル管理の効率を改善することが可能である。
【0107】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3では、実施の形態2に係るデータ記録装置及びデータ記録方法をメモリカードに適用した場合について説明する。
【0108】
本発明の実施の形態3では、図8に示す複数のフラッシュメモリ記録媒体160、161及び162のうちの少なくとも一部が、当該データ記録装置200に取り外し可能なフラッシュメモリ記録媒体であるメモリカードであるとする。また、データ記録装置200の外部から記録デバイスとしてメモリカードを指定することが可能である。
【0109】
なお、本発明の実施の形態3に係るデータ記録装置200の構成は、図8と同様である。また、データ記録方法の流れは図3と同様である。
【0110】
以下では、実施の形態2との差異部分について主に説明する。
【0111】
ここで、メモリカードのフォーマットを含めた仮想化と仮想デバイスファイル管理情報作成との手順は図7に示すフローチャートと同じである。ただし、仮想デバイスファイル管理情報の記録先はメモリカードに割り当てられた論理アドレス範囲内とする。
【0112】
具体的には、ファイル管理部130は、システム終了時又はメモリカード取り外し時に、仮想デバイスのファイル管理情報である仮想デバイスファイル管理情報をメモリカード自身のファイル管理情報とともにメモリカード内に記録する。
【0113】
また、ファイル管理部130は、システム再起動後又はメモリカード再装着時に、メモリカード内から仮想デバイスファイル管理情報を取得し、メモリカードをデータ移動先としたデータ集約処理が完了しているか否かを確認する。
【0114】
また、ファイル管理部130は、メモリカードをデータ移動先としたデータ集約処理が未完了の場合は、メモリカードをデータ移動先としたデータ集約処理を行う。
【0115】
また、ファイル管理部130は、記メモリカードをデータ移動先としたデータ集約処理の状況に応じて、メモリカード自身のファイル管理情報を更新する。
【0116】
また、メモリカードを含むフラッシュメモリ記録媒体群を仮想化する際には、全てのフラッシュメモリ記録媒体を1つの仮想デバイスとして仮想化してもよいし、メモリカードとメモリカード以外のフラッシュメモリ記録媒体群の一部とを合わせて仮想化してもよいし、メモリカードとあるフラッシュメモリ記録媒体のメモリ領域の一部を合わせて仮想化してもよい。
【0117】
また、データ集約処理において、移動領域予測部246は、複数のフラッシュメモリ記録媒体のうちメモリカードを移動先記録媒体に決定する。
【0118】
また、ファイル管理部130は、外部(例えば、ファイル管理部130の上位機能ブロック)から、連続記録又はストリーム記録の記録先としてメモリカードが指定された場合、仮想デバイス全体に記録したデータサイズがメモリカードの容量と同等となった場合に、外部に対して、メモリカードの空き容量がなくなったと通知する。また、ファイル管理部130は、メモリカードをデータ移動先としてデータ集約処理を行う。
【0119】
なお、以下では、フラッシュメモリ記録媒体160、161及び162は、それぞれメモリカードA、メモリカードB及び組み込み記録媒体Cであるとする。
【0120】
図10は、メモリカードと組み込み記録媒体のメモリ領域の一部とを合わせて仮想化する場合の例を示す図である。図10は、メモリカードAとメモリカードBとに対して組み込み記録媒体Cのメモリ領域の一部をそれぞれ割当てて仮想化したときの論理アドレス空間A及び論理アドレス空間Bを表している。このときに、データ記録装置200は、メモリカード以外から割当てられた仮想メモリ領域をワークメモリとして使用し、図3に示すデータ記録処理を実施する。
【0121】
次に、記録終了後のメモリカード内へのデータ集約手順を図11のフローチャートに示す。
【0122】
記録終了後のCPU待機時において、ファイル管理部130はデータ移動先となるメモリカードの論理アドレス範囲の通知を仮想デバイス制御部240に対して要求する(S1101)。
【0123】
次に、移動領域予測部246は、アドレスマップテーブル145の属性情報440などを参照して指定されたメモリカードを検索する。また、移動領域予測部246は、検索したメモリカードの物理アドレス空間に対応する論理アドレス範囲をアドレスマップテーブル145から抽出し、抽出した論理アドレスの範囲をファイル管理部130に通知する(S1102)。
【0124】
次に、ファイル管理部130は、指定された論理アドレス範囲内へのデータ集約状況を確認する(S1103)。ファイル管理部130は、指定された論理アドレス範囲内へのデータ集約が完了していなければ(S1103でNo)、指定された論理アドレス範囲内へのデータの移動を実施し(S1104)、次に、仮想デバイスファイル管理情報を更新する(S1105)。さらに、ファイル管理部130は、メモリカード自身のファイル管理情報も更新する(S1106)。また、ファイル管理部130は、移動元のデータに対しては消去処理を実施し、消去済の領域を空き領域として管理する(S1107)。
【0125】
ここで、ステップS1103のデータ集約状況の確認については、集約完了/未完状態を示すフラグを用いてもよい。具体的には、ファイル管理部130は、仮想デバイスへのデータ集約完了時に上記フラグをセットして仮想デバイスファイル管理情報とともにメモリカードへ記録する。また、ファイル管理部130は、システム再起動時又は一度取り外されたメモリカードの再装着時に集約状況を確認する場合、最初に上記フラグの状態チェックを実施する。これにより、ファイル管理部130は、既に集約処理が完了している状態であれば、FATチェーン検索等でファイル管理情報内の検索を実施する必要がないため、確認処理を高速化できる。また、ファイル管理部130は、集約処理を一度中断した後で、集約状況の確認を再開するために、検索再開位置の論理アドレス情報を上記フラグと合わせて保持してもよい。その場合も集約未完了時の集約再開を効率的に実施できる。
【0126】
また、ステップS1105と、ステップS1106とに関しては、順番が入れ替わってもよい。
【0127】
さらに、ファイル管理部130は、メモリカード以外のフラッシュメモリ記録媒体の少なくとも一部のメモリ領域をワークメモリ領域として一時的に確保し、メモリカードとワークメモリ領域とを1つの仮想デバイスとして仮想デバイスファイル管理情報を用いて管理してもよい。この場合、ファイル管理部130は、システム終了時又は、メモリカードの取り外し実施時に、メモリカードへのデータ集約処理が完了済の場合は、仮想デバイスファイル管理情報を破棄し、仮想化を解除して上記のワークメモリ領域を開放してもよい。これにより、メモリ領域の効率的な活用が可能になる。
【0128】
以上より、本発明の実施の形態3に係るデータ記録装置200は、上述したメモリカード内へのファイル集約処理を行うことにより、データ記録装置200に記録されたファイルをメモリカード経由で他の再生装置等で使用することが可能になる。
【0129】
また、本発明の実施の形態3に係るデータ記録装置200では、メモリカード内で仮想デバイスファイル管理情報を管理する。これにより、メモリカード内へのデータ集約が未完のままメモリカードが取り外された場合においても、データ記録装置200へのメモリカード再装着時に、当該メモリカードから取得した仮想デバイスファイル管理情報を用いてデータの集約状況を確認できる。これにより、本発明の実施の形態3に係るデータ記録装置200は、メモリカード内へのデータ集約を再開することができる。
【0130】
さらに、データ記録装置200に装着するメモリカードの変更によって仮想デバイスのメモリ容量、及び記録速度等の性能を簡単に変更できるため、データ記録装置200の使用目的に応じた柔軟な装置構成を実現できる。
【0131】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4では、メモリカードを用いる場合における実施の形態3とは別の例について説明する。
【0132】
本発明の実施の形態4では、実施の形態3と同様に複数のフラッシュメモリ記録媒体160、161及び162のうちの一部がメモリカードであるとする。また、データ記録装置200の外部から記録デバイスとしてメモリカードを指定することが可能である。
【0133】
さらに、データ記録装置200に装着するメモリカードはメモリカード自身を一意に識別するための固有IDを有するものとする。例えば、SDメモリカード又はMMCにおけるCIDがこの固有IDに該等する。
【0134】
なお、実施の形態4に係るデータ記録装置200の構成は、図8と同様である。また、データ記録方法の流れは図3と同様である。
【0135】
以下では、実施の形態3との差異部分について主に説明する。
【0136】
ここで、メモリカードのフォーマットを含めた仮想化と仮想デバイスファイル管理情報作成との手順については実施の形態3と同様に図7のフローチャートと同じである。ただし、仮想デバイスファイル管理情報の記録先は実施の形態3とは異なり、メモリカード以外の記録媒体に割り当てられた論理アドレス範囲とする。例えば、SDメモリカードとembedded SDとが接続されているデータ記録装置200の場合は、当該データ記録装置200は、仮想化してembedded SDに割り当てられたメモリ領域に仮想デバイスファイル管理情報を記録する。
【0137】
さらに、データ記録装置200は、仮想デバイスファイル管理情報とともに、メモリカードの固有IDも上記メモリ領域に記録する。そして、データ記録装置200は、仮想デバイスファイル管理情報取得の際には、最初にメモリカードから固有IDを取得して、それに対応する仮想デバイスファイル管理情報を取得する。
【0138】
具体的には、ファイル管理部130は、システム終了時又はメモリカードの取り外し時に、仮想デバイスファイル管理情報を固有IDと共に、メモリカード以外のフラッシュメモリ記録媒体に記録する。
【0139】
また、ファイル管理部130は、システム再起動後又はメモリカード再装着時に、メモリカードから固有IDを取得する。また、ファイル管理部130は、メモリカード以外のフラッシュメモリ記録媒体から固有IDに対応する仮想デバイスファイル管理情報を取得する。
【0140】
次に、ファイル管理部130は、メモリカードをデータ移動先としたデータ集約処理が完了しているか否かを確認する。
【0141】
また、ファイル管理部130は、メモリカードをデータ移動先としたデータ集約処理が未完了の場合は、メモリカードをデータ移動先としたデータ集約処理を行う。また、ファイル管理部130は、メモリカードをデータ移動先としたデータ集約処理の状況に応じて、メモリカード自身のファイル管理情報を更新する。
【0142】
また、記録終了時のメモリカード内へのデータ集約処理についても、処理手順は実施の形態3の図11とほぼ同様である。ただし、ステップS1105の仮想デバイスファイル管理情報の記録先はメモリカードではなく、メモリカード以外の記録媒体である点が異なる。
【0143】
また、本発明の実施の形態4では複数のメモリカードを切り替えて使用することを想定している。
【0144】
また、本発明の実施の形態4に係るデータ記録装置200は、記録媒体群を仮想化する際に全てのフラッシュメモリ記録媒体を1つの仮想デバイスとして仮想化してもよい。またデータ記録装置200は、メモリカードとメモリカード以外のフラッシュメモリ記録媒体群の一部を合わせて仮想化してもよいし、メモリカードとあるフラッシュメモリ記録媒体のメモリ領域の一部とを合わせて仮想化してもよい。この場合、データ記録装置200は、メモリカード以外から割当てられた仮想メモリ領域をワークメモリ領域として使用し、図3に示すデータ記録処理を実施する。
【0145】
このように、実施の形態4に係るデータ記録装置200は、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
【0146】
さらに、本発明の実施の形態4では、仮想デバイスファイル管理情報をメモリカード以外の記録媒体に記録する。これにより、本発明の実施の形態4に係るデータ記録装置200は、記録中又はデータ集約中などのファイル管理情報の更新中に急なメモリカードの取り外しが発生しても仮想デバイスファイル管理情報の破損を防ぐことができる。このように、本発明の実施の形態4に係るデータ記録装置200は、ファイルシステムの保護にも有効である。
【0147】
また、実施の形態4に係るデータ記録装置200において、メモリカード以外の記録媒体に対して仮想デバイスファイル管理情報とともにメモリカードの固有IDを記録する。これは、複数枚のメモリカードを切り替えて使用するときのカード識別のためである。以下、そのときの手順を図12のフローチャートを用いて説明する。
【0148】
ここで説明するのは、あるメモリカードAへ記録後、データ集約がまだ完了していない状態で、別のメモリカードBに取り替えて記録の継続を行い、その後で最初のメモリカードAに対して、データ集約を再開する操作である。また、データ記録装置200に固定接続されている組み込み記録媒体Cにおいて、メモリカードAと記録媒体Cの一部のメモリ領域とは仮想化されており、その仮想デバイスファイル管理情報XはメモリカードAの固有IDと共に記録媒体Cに記録されているものとする。
【0149】
まず、データ記録装置200が外部の蓋空き検出装置などから、メモリカードAの取り外し実施通知を受けた場合には、現在のデータ集約状況を反映した仮想デバイスファイル管理情報Xを記録媒体Cに記録する(S1201)。
【0150】
次に、メモリカードAがデータ記録装置200から取り外され、メモリカードBがデータ記録装置200に接続される(S1202)。
【0151】
次に、データ記録装置200は、メモリカードBと記録媒体Cの一部のメモリ領域とを仮想化し、仮想デバイスファイル管理情報Yを作成し、固有IDとともに記録媒体Cに記録する(S1203)。ここで、データ記録装置200は、記録媒体Cのメモリ領域として、メモリカードAの仮想化に使用したアドレスマップテーブル145等を参照して、メモリカードAと共に仮想化した領域とは異なる領域を選択する。
【0152】
さらに、データ記録装置200は、メモリカードBに対して、図3に示すデータ記録方法でデータの記録を継続する(S1204)。
【0153】
メモリカードBへの記録が終了した後、メモリカードBがデータ記録装置200から取り外されてメモリカードAが再度データ記録装置200に接続される(S1205)。
【0154】
次に、データ記録装置200は、メモリカードAから固有IDを取得し(S1206)、その固有IDに対応する仮想デバイスファイル管理情報Xを記録媒体Cから取得する(S1207)。
【0155】
そして、データ記録装置200は、仮想デバイスファイル管理情報Xを確認後、メモリカードAへのデータ集約処理を再開する(S1208)。
【0156】
また、メモリカードBへのデータ集約処理が完了していない場合は、メモリカードを取り替えて、同様にデータ集約処理が実施される。また、実施の形態3と同様に、データ記録装置200は、メモリカードAへのデータ集約処理が完了後のメモリカードAの取り外し実施時には、仮想デバイスファイル管理情報Xを破棄し、仮想化を解除して記録媒体Cのワークメモリ領域を開放してもよい。
【0157】
また、図12に示すメモリカード毎の仮想化と集約処理とを実施する処理は、本発明に係るデータ記録方法を用いたムービー機器等の複数メモリカードが必要となる記録機器において、メモリカードを交換して高速記録を継続する場合に必要な処理である。
【0158】
以上、本発明の実施の形態に係るデータ記録装置及びデータ記録方法について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0159】
また、上記実施の形態1〜4に係るデータ記録装置に含まれる各処理部は典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。
【0160】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0161】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて各処理部の集積化を行ってもよい。
【0162】
また、本発明の実施の形態1〜4に係るデータ記録装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。
【0163】
さらに、本発明は上記プログラムであってもよいし、上記プログラムが記録された記録媒体であってもよい。また、上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【0164】
また、上記実施の形態1〜4に係るデータ記録装置、データ記録方法及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。
【0165】
また、上記データ記録方法に含まれる各ステップが実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0166】
更に、本発明の主旨を逸脱しない限り、本実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0167】
本発明に係るデータ記録装置及びデータ記録方法は、SDメモリカード又はembedded SD等のフラッシュメモリ記録媒体に対する高速記録を実現するものであり、内蔵メモリ又は外部メモリとして複数のフラッシュメモリ記録媒体を搭載する記録機器、例えばデジタルスチールカメラ、デジタルビデオカメラ、レコーダー、及びオーディオ機器等において有用である。
【符号の説明】
【0168】
100、200 データ記録装置
110 データ入力部
120 記録制御部
130 ファイル管理部
131 ファイルシステム
132 空き領域管理部
140、240 仮想デバイス制御部
141 消去サイズ制御部
142 仮想管理部
143 消去領域予測部
144 デバイス管理部
145 アドレスマップテーブル
150、151、152 デバイス制御部
160、161、162 フラッシュメモリ記録媒体
246 移動領域予測部
410 論理アドレス空間
420 記録媒体識別子
430 物理アドレス空間
440 属性情報
441 媒体種別
442 記録速度
443 消去速度
444 使用頻度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフラッシュメモリ記録媒体及び第2のフラッシュメモリ記録媒体へデータを記録するデータ記録装置であって、
前記第1のフラッシュメモリ記録媒体のメモリ領域のうち少なくとも一部と、前記第2のフラッシュメモリ記録媒体のメモリ領域のうち少なくとも一部とを1つの仮想デバイスとして制御する仮想デバイス制御部と、
前記第1のフラッシュメモリ記録媒体の、前記仮想デバイスに含まれるメモリ領域に対してデータを記録する記録処理と、前記第2のフラッシュメモリ記録媒体の、前記仮想デバイスに含まれるメモリ領域のデータを消去することにより、以降の記録処理において記録先となる空き領域を生成する消去処理とを並列に実行するファイル管理部とを備える
データ記録装置。
【請求項2】
前記データ記録装置は、さらに、第3のフラッシュメモリ記録媒体へデータを記録し、
前記仮想デバイス制御部は、前記第1のフラッシュメモリ記録媒体のメモリ領域のうち少なくとも一部と、前記第2のフラッシュメモリ記録媒体のメモリ領域のうち少なくとも一部と、前記第3のフラッシュメモリ記録媒体のメモリ領域のうち少なくとも一部とを前記1つの仮想デバイスとして制御し、
前記仮想デバイス制御部は、
前記記録処理を行う際、前記第2のフラッシュメモリ記録媒体及び前記第3のフラッシュメモリ記録媒体のうちどちらに対して前記消去処理を行うかを決定する消去領域予測部を備え、
前記ファイル管理部は、前記記録処理と、前記消去領域予測部により決定された前記第2のフラッシュメモリ記録媒体、又は前記第3のフラッシュメモリ記録媒体の、前記仮想デバイスに含まれるメモリ領域のデータを消去する前記消去処理とを並列に実行する
請求項1記載のデータ記録装置。
【請求項3】
前記消去了領域予測部は、前記記録処理を行う際、前記第2のフラッシュメモリ記録媒体及び前記第3のフラッシュメモリ記録媒体のうち、書き換え回数の少ないフラッシュメモリ記録媒体に対して前記消去処理を行うと決定する
請求項2記載のデータ記録装置。
【請求項4】
前記消去了領域予測部は、前記記録処理を行う際、前記第2のフラッシュメモリ記録媒体及び前記第3のフラッシュメモリ記録媒体のうち、消去処理にかかる時間の短いフラッシュメモリ記録媒体に対して前記消去処理を行うと決定する
請求項2記載のデータ記録装置。
【請求項5】
前記消去了領域予測部は、前記記録処理を行う際、前記第2のフラッシュメモリ記録媒体及び前記第3のフラッシュメモリ記録媒体のうち、記録処理にかかる時間の短いフラッシュメモリ記録媒体に対して前記消去処理を行うと決定する
請求項2記載のデータ記録装置。
【請求項6】
前記仮想デバイス制御部は、
前記ファイル管理部の1回の記録単位であるページサイズに基づいて1回の消去単位である消去サイズを決定する消去サイズ制御部を備え、
前記ファイル管理部は、前記消去サイズ制御部によって決定された消去サイズを用いて前記消去処理を行う
請求項1記載のデータ記録装置。
【請求項7】
前記消去サイズ制御部は、前記ページサイズと前記第1のフラッシュメモリ記録媒体の消去単位サイズと前記第2のフラッシュメモリ記録媒体の消去単位との公倍数、又は、前記ページサイズと前記第1のフラッシュメモリ記録媒体の最低速度保証ユニットサイズと前記第2のフラッシュメモリ記録媒体の最低速度保証ユニットサイズとの公倍数を前記消去サイズに決定する
請求項6記載のデータ記録装置。
【請求項8】
前記ファイル管理部は、ファイル管理テーブル又はビットマップ情報であるファイル管理情報とともに、消去処理が完了したメモリ領域を示す消去済領域情報を管理し、消去処理が完了した領域については前記消去済領域情報を更新する
請求項1記載のデータ記録装置。
【請求項9】
前記仮想デバイス制御部は、
前記第1のフラッシュメモリ記録媒体及び前記第2のフラッシュメモリ記録媒体のうち、データ移動先のフラッシュメモリ記録媒体を決定する移動領域予測部を備え、
前記ファイル管理部は、前記第1のフラッシュメモリ記録媒体及び前記第2のフラッシュメモリ記録媒体に分断して記録されているファイルを、前記移動領域予測部に決定された前記第1のフラッシュメモリ記録媒体又は前記第2のフラッシュメモリ記録媒体へ移動するとともに、移動元のデータを消去するデータ集約処理を行う
請求項1記載のデータ記録装置。
【請求項10】
前記移動領域予測部は、前記第1のフラッシュメモリ記録媒体及び前記第2のフラッシュメモリ記録媒体のうち、消去処理にかかる時間の長いフラッシュメモリ記録媒体を、前記データ移動先のフラッシュメモリ記録媒体に決定する
請求項9記載のデータ記録装置。
【請求項11】
前記移動領域予測部は、前記第1のフラッシュメモリ記録媒体及び前記第2のフラッシュメモリ記録媒体のうち、記録処理にかかる時間の長いフラッシュメモリ記録媒体を、前記データ移動先のフラッシュメモリ記録媒体に決定する
請求項9記載のデータ記録装置。
【請求項12】
前記移動領域予測部は、前記第1のフラッシュメモリ記録媒体及び前記第2のフラッシュメモリ記録媒体のうち、前記データ記録装置に取り外し可能なフラッシュメモリ記録媒体であるメモリカードを、前記データ移動先のフラッシュメモリ記録媒体に決定する
請求項9記載のデータ記録装置。
【請求項13】
前記ファイル管理部は、当該データ記録装置の外部から、連続記録又はストリーム記録の記録先として前記メモリカードが指定された場合、前記仮想デバイス全体に記録したデータサイズが前記メモリカードの容量と同等となった場合に、前記外部に対して、前記メモリカードの空き容量がなくなったと通知するとともに、前記メモリカードを前記データ移動先として前記データ集約処理を行う
請求項12記載のデータ記録装置。
【請求項14】
前記ファイル管理部は、
システム終了時又は前記メモリカード取り外し時に、前記仮想デバイスのファイル管理情報である仮想デバイスファイル管理情報を前記メモリカード自身のファイル管理情報とともに前記メモリカード内に記録し、
システム再起動後又は前記メモリカード再装着時に、前記メモリカード内から前記仮想デバイスファイル管理情報を取得し、
前記メモリカードを前記データ移動先とした前記データ集約処理が完了しているか否かを確認し、
前記メモリカードを前記データ移動先とした前記データ集約処理が未完了の場合は、前記メモリカードを前記データ移動先とした前記データ集約処理を行い、
前記メモリカードを前記データ移動先とした前記データ集約処理の状況に応じて、前記メモリカード自身の前記ファイル管理情報を更新する
請求項12又は請求項13記載のデータ記録装置。
【請求項15】
前記メモリカードは当該メモリカードを一意に識別するための固有IDを有し、
前記ファイル管理部は、
システム終了時又は前記メモリカードの取り外し時に、前記仮想デバイスのファイル管理情報である仮想デバイスファイル管理情報を前記固有IDと共に、前記第1のフラッシュメモリ記録媒体及び前記第2のフラッシュメモリ記録媒体のうち前記メモリカード以外のフラッシュメモリ記録媒体に記録し、
システム再起動後又は前記メモリカード再装着時に、前記メモリカードから前記固有IDを取得し、
前記メモリカード以外のフラッシュメモリ記録媒体から前記固有IDに対応する前記仮想デバイスファイル管理情報を取得し、
前記メモリカードを前記データ移動先とした前記データ集約処理が完了しているか否かを確認し、
前記メモリカードを前記データ移動先とした前記データ集約処理が未完了の場合は、前記メモリカードを前記データ移動先とした前記データ集約処理を行い、
前記メモリカードを前記データ移動先とした前記データ集約処理の状況に応じて、前記メモリカード自身の前記ファイル管理情報を更新する
請求項12又は請求項13記載のデータ記録装置。
【請求項16】
前記ファイル管理部は、
前記メモリカードを前記データ移動先とした前記データ集約処理が完了済であるか、未完了であるかを示すフラグを保持し、
前記フラグを参照することにより、前記メモリカードを前記データ移動先とした前記データ集約処理が完了しているか否かを確認する
請求項14又は請求項15記載のデータ記録装置。
【請求項17】
前記ファイル管理部は、
前記メモリカード以外のフラッシュメモリ記録媒体の少なくとも一部のメモリ領域をワークメモリ領域として一時的に確保し、
前記メモリカードと前記ワークメモリ領域とを1つの仮想デバイスとして前記仮想デバイスファイル管理情報を用いて管理し、
システム終了時又は前記メモリカード取り外し時に、前記メモリカードを前記データ移動先とした前記データ集約処理が完了済の場合は、前記仮想デバイスファイル管理情報を破棄するとともに、前記ワークメモリ領域を開放する
請求項14又は請求項15記載のデータ記録装置。
【請求項18】
第1のフラッシュメモリ記録媒体及び第2のフラッシュメモリ記録媒体へデータを記録するデータ記録方法であって、
前記第1のフラッシュメモリ記録媒体のメモリ領域のうち少なくとも一部と、前記第2のフラッシュメモリ記録媒体のメモリ領域のうち少なくとも一部とを1つの仮想デバイスとして制御するステップと、
前記第1のフラッシュメモリ記録媒体の、前記仮想デバイスに含まれるメモリ領域に対してデータを記録する記録処理と、前記第2のフラッシュメモリ記録媒体の、前記仮想デバイスに含まれるメモリ領域のデータを消去することにより、以降の記録処理において記録先となる空き領域を生成する消去処理とを並列に実行するステップとを含む
データ記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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