説明

データ記録装置およびデータ記録方法

【課題】データをファイル単位に記録媒体に記録する際に、指定された複数のトラックからなるデータを1ファイルとして記録する。
【解決手段】データ記録再生装置10は、第1の記録媒体に記録されているデータを第2の記録媒体12に記録する際に、1トラックからなるデータを1ファイルとして記録する第1の記録形態または複数のトラックからなるデータを1ファイルとして記録する第2の記録形態に基づいて記録する記録手段17と、第2の記録形態により1ファイルとして記録された各トラックのデータについて、いずれのトラックに相当するデータであるかを識別管理するための管理情報を作成する管理情報作成手段18と、を備え、第1の記録媒体に記録されているデータの中から指定された複数のトラックからなるデータを第2の記録媒体12に記録する際に、第2の記録形態に基づいて記録する場合には、管理情報作成手段18は、前記の管理情報を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音楽再生装置などにおけるデータ記憶装置に関するものである。特に、第1の記録媒体にトラック毎に記録されている音楽データを1ファイル単位で第2の記録媒体に記録するデータ記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の音楽再生装置として、音楽データを記憶するコンパクトディスク(CD:Compact Disc)やミニディスク(MD:Mini Disc)などの可搬型外部記憶媒体からデータを読み取り再生する電子機器が知られている。こうした電子機器には、音楽データなどの情報を記録する大容量で高速アクセスが可能なハードディスク・ドライブ(HDD:Hard Disc Drive)を内蔵したものが普及し、これら可搬型外部記憶媒体から読み出された数多くの音楽データを記録させておくことができるようになっている。
【0003】
さらに近年では、メモリカードや小型のHDDが内蔵された携帯音楽端末、音楽再生機能を備えた携帯電話機など、バッテリにより駆動可能な携帯型のデータ再生装置が急速に普及してきているため、ユーザは、電子機器に内蔵されたHDDに記録された音楽データをメモリカードや小型のHDDなどの小型の記憶媒体に読み込み、携帯型のデータ再生装置においてこれら小型の記憶装置に記憶された音楽データを再生させることで所望の音楽を楽しむことが広く行われるようになっている。
【0004】
このような音楽再生装置としては、例えば、下記の特許文献1(特開2003−150199号公報)に、ハードウェアを用いてセクタ単位でハードディスクにデータの書き込み/読み出しを行い、CPUの負担を軽減したディジタルオーディオ信号の録音再生を行うことができる装置が開示されている。
【0005】
この特許文献1に開示された録音再生装置は、ADCとDIRとDACとDITからなる入出力回路と、再生用及び録音用データラッチ回路と再生側及び録音側データメモリと再生側及び録音側FIFO回路におけるデータ転送をコントロールするハードウェアで構成されたメモリコントロール回路と、データバスと、メモリプログラムの制御プログラムによって動作するCPUと、アドレスデコーダ及びタイミング調整回路とを備え、ハードウェアの助けを借りてセクタ単位(512バイト)でハードディスクにデータの書き込み及び読み出しを行うように構成されているものである。
【0006】
このように構成することにより、CPUの負担を軽減して低コスト化、低消費電力化、小型化が実現できる構成のHDD等の書き込み/読み出しをまとまったデータ単位で行う記録媒体を使用したディジタルオーディオ信号の録音再生方法及び録音再生装置を提供することができる。
【特許文献1】特開2003−150199号公報(段落[0012]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、CDに収録されている音楽データはトラック毎に管理されており、通常は1つの楽曲が1つのトラックに対応しているため、CDからHDDへの音楽データの録音(読込み/書込み)は1トラック単位で行われるのが一般的である。一方、HDDに録音される音楽データはファイル毎に管理されており、通常は1つのファイルが1つのトラックに対応している。
【0008】
一般に、複数の楽曲をCDなどの記録媒体に記録する場合、独立した楽曲を順次トラックを変えて記憶して行くので、該記録媒体に記録されたトラックのデータをHDDに読み込む場合はトラック毎にファイルを変えて記録すればよい。
【0009】
これに対して、ライブ演奏をそのままCDに収録(記録)する場合がある。ライブ演奏では1つの楽曲の演奏が終わった直後に次の楽曲の演奏が始まったり、演奏と演奏がつながっているが、このようなときでも楽曲の区切りをトラックの区切りとしてCDに収録される。そして、このようなCDに収録されたデータを1トラックを1ファイル毎にHDDに収録し、収録された音楽データを再生する場合、HDDの異なるファイルに収録されている音楽データを読み込むために時間がかかるので、曲間で音が途切れてしまうため、楽曲と楽曲とのつながりがなくなり、ライブ演奏の臨場感を得ることができないという問題点がある。
【0010】
上記特許文献1に開示されたディジタルオーディオ信号の録音再生技術では、CPUの処理負担が小さくなるので、低消費電力化、ポータブル化が実現することができるため、ユーザの利便性をある程度向上させることはできるものの、上記のようにライブアルバムなどの音楽データの再生については具体的に配慮されていないためユーザに対しては、必ずしも利便性の高いものではなかった。
【0011】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、データをファイル単位に記録媒体に記録する際に、指定された複数のトラックからなるデータを1ファイルとして記録するようにし、トラック毎のデータのタイトル名とデータ開始時間を含む管理情報を作成することにより、該管理情報に基づいてトラック単位でデータを再生するようになせば、上記の問題点を解消し得ることを想到し本発明を完成するに至ったものである。
【0012】
すなわち、本発明は、上記の問題点を解消することを課題とし、複数のトラックからなるデータを1ファイルとして記録する音楽再生装置におけるデータ記憶装置およびデータ記録方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
第1の記録媒体にトラック毎に記録されているデータをファイル単位で第2の記録媒体に記録するデータ記録装置において、
前記データ記録装置は、前記第1の記録媒体に記録されているデータを前記第2の記録媒体に記録する際に、1トラックからなるデータを1ファイルとして記録する第1の記録形態または複数のトラックからなるデータを1ファイルとして記録する第2の記録形態に基づいて記録する記録手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるデータ記録装置において、前記データ記録装置は、前記第2の記録形態により1ファイルとして記録された各トラックのデータについて、いずれのトラックに相当するデータであるかを識別管理するための管理情報を作成する管理情報作成手段を備え、
前記記録手段により、前記第1の記録媒体に記録されているデータの中から指定された複数のトラックからなるデータを前記第2の記録媒体に記録する際に、前記第2の記録形態に基づいて記録する場合には、前記管理情報作成手段は、当該複数のトラックからなるデータに関する管理情報を作成することを特徴とする。
【0015】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかるデータ記録装置において、前記データ記録装置は、前記第1の記録媒体に記録されているデータを第2の記録媒体に記録する際の記録形態として前記第1の記録形態または前記第2の記録形態のいずれかを設定する設定手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項2にかかるデータ記録装置において、前記データ記録装置は、前記管理情報に基づいて前記第2の記録媒体からデータを検索する検索手段と、前記検索手段により検索されたデータを再生する再生手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項2にかかるデータ記録装置において、前記管理情報はトラック毎のデータタイトル名とデータ開始時間を含むことを特徴とする。
【0018】
また、本願の請求項6にかかる発明は、
第1の記録媒体にトラック毎に記録されているデータをファイル単位に第2の記録媒体に記録する制御を行うデータ記録方法において、
前記第1の記録媒体に記録されているデータを前記第2の記録媒体に記録する際に、1トラックからなるデータを1ファイルとして記録する第1の記録形態または複数のトラックからなるデータを1ファイルとして記録する第2の記録形態に基づいて記録する記録工程を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、本願の請求項7にかかる発明は、請求項6にかかるデータ記録方法において、前記第2の記録形態により1ファイルとして記録された各トラックのデータについて、いずれのトラックに相当するデータであるかを識別管理するための管理情報を作成する管理情報作成工程を備え、
前記記録工程において前記第1の記録媒体に記録されているデータの中から指定された複数のトラックからなるデータを前記第2の記録媒体に記録する際に、前記第2の記録形態に基づいて記録する場合には、前記管理情報作成工程において当該複数のトラックからなるデータに関する管理情報を作成することを特徴とする。
【0020】
また、本願の請求項8にかかる発明は、請求項6または請求項7にかかるデータ記録方法において、前記第1の記録媒体に記録されているデータを第2の記録媒体に記録する際の記録形態として前記第1の記録形態または前記第2の記録形態のいずれかを設定する設定工程を含むことを特徴とする。
【0021】
また、本願の請求項9にかかる発明は、請求項7にかかるデータ記録方法において、前記管理情報に基づいて前記第2の記録媒体からデータを検索する検索工程と、前記検索工程により検索されたデータを再生する再生工程と、を含むことを特徴とする。
【0022】
また、本願の請求項10にかかる発明は、請求項7にかかるデータ記録方法において、前記管理情報はトラック毎のデータタイトル名とデータ開始時間を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1、請求項6にかかる発明においては、第1の記録媒体にトラック毎に記録されているデータをファイル単位で第2の記録媒体に記録するデータ記録装置において、前記データ記録装置は、前記第1の記録媒体に記録されているデータを前記第2の記録媒体に記録する際、1トラックからなるデータを1ファイルとして記録する第1の記録形態または複数のトラックからなるデータを1ファイルとして記録する第2の記録形態に基づいて記録する記録手段を備える。
【0024】
このような構成によれば、ユーザ操作などによって指定された記録形態に基づいて、データをトラック毎に記録した第1の記録媒体から読み出した1トラックからなるデータを従来技術と同じく1ファイルとして第2の記録媒体に記録する第1の記録形態の他に、前記第1の記録媒体から読み出した指定された複数のトラックからなるデータを1ファイルとして前記第2の記録媒体に記録する第2の記録形態でもデータを記録することが可能なため、ライブアルバムのように複数のトラックに渡って連続する音楽データを記録する場合にもデータ再生時にデータが途切れることなく再生可能なように1ファイルとして記録することができるようになる。
【0025】
また、請求項2、請求項7にかかる発明のおいては、請求項1にかかるデータ記録装置、または請求項6にかかるデータ記録方法において、前記第2の記録形態により1ファイルとして記録された各トラックのデータについて、いずれのトラックに相当するデータであるかを識別管理するための管理情報を作成する管理情報作成手段を備え、
前記記録手段により、前記第1の記録媒体に記録されているデータの中から指定された複数のトラックからなるデータを前記第2の記録媒体に記録する際、前記第2の記録形態に基づいて記録する場合に前記管理情報作成手段は、当該複数のトラックからなるデータに関する管理情報を作成する。
【0026】
このような構成によれば、ユーザ操作などによって指定された記録形態に基づいて、前記第1の記録媒体から読み出した指定された複数のトラックからなるデータを1ファイルとして前記第2の記録媒体に記録した場合にも各トラックを識別できる管理情報で管理することができるため、各トラックの管理情報を容易に知ることができるようになり、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0027】
また、請求項3、請求項8にかかる発明のおいては、請求項1、請求項2にかかるデータ記録装置、または請求項6、請求項7にかかるデータ記録方法において、前記第1の記録媒体に記録されているデータを第2の記録媒体に記録する際の記録形態として前記第1の記録形態または前記第2の記録形態のいずれかを設定する設定手段を備えている。
【0028】
このような構成によれば、ユーザ操作などによって指定された記録形態に基づいて、データをトラック毎に記録した第1の記録媒体から読み出した1トラックからなるデータを従来技術と同じく1ファイルとして第2の記録媒体に記録する第1の記録形態の他に、前記第1の記録媒体から読み出した指定された複数のトラックからなるデータを1ファイルとして前記第2の記録媒体に記録する第2の記録形態を設定することができる。また、設定されたいずれかの記録形態でデータを記録することが可能なため、ライブアルバムのように複数のトラックに渡って連続する音楽データを記録する場合にもデータ再生時にデータが途切れることなく再生可能なように1ファイルとして記録し、各トラックを識別できる情報で管理することができるため、各トラックの管理情報を容易に知ることができるのでユーザの利便性を向上させることができる。
【0029】
また、請求項4、請求項9にかかる発明のおいては、請求項2にかかるデータ記録装置、または請求項7にかかるデータ記録方法において、前記管理情報に基づいて前記第2の記録媒体からデータを検索する検索手段と、前記検索手段により検索されたデータを再生する再生手段と、を備えている。
【0030】
このような構成によれば、データを再生する際、これら複数のデータを1ファイルとして再生するため、データが途切れることなく再生することができるとともに、管理情報に基づいてユーザが所望するトラックからデータを再生することが可能であるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0031】
請求項5、請求項10にかかる発明においては、請求項2にかかるデータ記録装置、または請求項7にかかるデータ記録方法において、前記管理情報はトラック毎のデータタイトル名とデータ開始時間を含む。このような構成によれば、データを記録する際、ライブアルバムのように複数のトラックに渡って連続する音楽データを記録する場合にもデータ再生時にデータが途切れることなく再生可能なように1ファイルとして記録し、各トラックのデータタイトルとデータ開始時間を管理することができるため、各トラックのデータタイトルなどを容易に知ることができるのでユーザの利便性を向上させることができる。
【0032】
また、データを再生する際、これら複数のデータを1ファイルとして再生するため、データが途切れることなく再生するとともに、管理情報に基づいてユーザが所望するトラックからデータを再生することが可能であり、さらに各トラックのデータタイトルとデータ開始時間を管理することができるため、各トラックのデータタイトルなどを容易に知ることができるのでユーザの利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の具体例を実施例および図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのデータ記録再生装置を例示するものであって、本発明をこのデータ記録再生装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のデータ記録再生装置にも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0034】
図1は、本発明の実施例にかかるデータ記録再生装置10の構成を示すブロック図である。データ記憶再生装置10は、制御手段11、CD駆動部12、録音制御部13、HDD部14、ファイル作成部15、再生制御部16、表示部17、入力部18、スピーカ部19などを備えて構成されている。
【0035】
制御手段11は、マイクロプロセッサを中心に構成され、一般的なコンピュータ装置と同様にRAM、ROMなどのメモリを備えており、ROMに格納されている各種制御プログラムを読み出し、RAM内のプログラム格納領域に展開し、該制御プログラムに従って各部の動作を制御する。
【0036】
CD駆動部12は、CD収納部12−1やCD再生部12−2などにより構成され、CD収納部12−1は、CD再生部12−2によってデータの読み取りが行われるCDを収容するためのものであり、CD再生部12−2は、CD収納部12−1に収容されCD再生部12−2内に装着されたディスク上の目的のアドレスの検索や該検索されたアドレスに対応する音楽データの読み取りを光ピックアップにより光学的に行って音楽データの再生を行うためのものである。
【0037】
光ピックアップ(図示せず)は、ディスク再生時に、図示されていないトラッキングスレッドサーボ回路に制御されたスレッドによりディスクの半径方向に移動し、図示されていないスピンドルサーボ回路に制御されたスピンドルモータにより回転駆動させたディスクにレーザ光を照射することで、その反射光の強弱から該ディスクに記録されているデータを抽出(リッピング)する。
【0038】
具体的には、反射光を電気信号に変換し、該電気信号を信号処理して音楽データ信号やTOC(Table Of Contents)情報を取得する。CDから取得された音楽データは制御手段11にあるRAM内の音楽データ格納領域に記録されて、CDから取得されたTOC情報は制御手段11にあるRAM内のTOC情報格納領域に記録される。
【0039】
図2は、TOC情報の構成を説明するための図である。
【0040】
TOC情報はCDのリードインエリアに記録されており、図2に示すように、TOC情報は各CDに対してCDに収録されているトラックの数、CD上での各トラックの開始アドレス及び各トラックの演奏時間などの情報が関連付けられている。例えば、トラック1に対しては、そのトラック開始アドレスが「0x1」、演奏時間が「aa:aa」となっている。
【0041】
録音制御部13は、CDなどから読み込まれ、制御手段11にあるRAM内の音楽データ格納領域に一旦記憶された音楽データをHDD部14への記録を制御するためのものである。音楽CDから読み込まれた音楽データはHDD部14にファイルとして記録されるが、録音制御部13は音楽CDに収録されている音楽データを内容に応じて異なる記録態様でHDD部14に記録する。
【0042】
すなわち、一般的な音楽CDのようにトラック毎に記録されている音楽データの曲間に無音時間を有しているような音楽データである場合には、録音制御部13は、この音楽CDから読み出された1トラックからなる音楽データを1ファイルとしてHDD部14に記録する(これを第1の記録形態という)。
【0043】
これに対して、音楽CDにトラック毎に記録されている音楽データが曲間に無音時間を有していない音楽データ、いわゆるライブ録音(曲をつなげて収録)された音楽データである場合には、録音制御部13は、この音楽CDから読み出された複数のトラックからなるライブ録音された音楽データを1ファイルとしてHDD部14に記録する(これを第2の記録形態という)。
【0044】
ここで、録音制御部13は、CDDB(CD DataBase)が提供する音楽CD情報のオンラインデータベースサービスを利用し、CDから読み出されたTOC情報に基づいてインターネットを介して当該CDに関するCD情報を取得し、このCD情報に付加情報として含まれている音楽データの録音形態に関する情報に基づいて、音楽CDにトラック毎に記録されている音楽データが曲間に無音時間を有している音楽データであるか、あるいは有していない音楽データであるかを判定する。
【0045】
なお、CDDBから取得できるCD情報には、CDに収録されている楽曲のアルバム名(CDタイトル名)、アーティスト名、音楽ジャンル、各楽曲のトラック番号や曲名、および楽曲に関する付加情報などが含まれている。
【0046】
また、CDから読み出されたTOC情報に当該CDに収録されている音楽データの録音形態に関する情報が予め含まれている場合には、録音制御部13はCDDBへのアクセスを行うことなく、音楽CDにトラック毎に記録されている音楽データが曲間に無音時間を有している音楽データであるか、有していない音楽データであるかの判定を行うことができる。
【0047】
また、データ記録再生装置10は、ユーザによって指定されたCDに収録されている全トラックの音楽データ、あるいはユーザによって指定されたトラック番号の音楽データをHDD部14に1ファイルにて記録(録音)できる機能を備え、この機能によってCDの音楽データをHDD部14に録音する場合には、入力部18から「ライブ録音」モードとしてユーザ設定できるように構成されている。
【0048】
録音制御部13は、ユーザからの録音指示において入力部18からユーザ操作によって「ライブ録音」モードが設定されている場合には、ユーザによって指定されたCDに収録されている全トラックの音楽データ、あるいはユーザによって指定されたトラック番号の音楽データを1ファイルとしてHDD部14に記録する。
【0049】
さらに、録音制御部13は、制御手段11の指示に従ってHDD部14へ記録する音楽データを圧縮エンコード処理するための圧縮エンコーダ部を備えている。そのため、CDなどから読み込まれ、制御手段11にあるRAM内の音楽データ格納領域に一旦記憶された音楽データは、制御手段11にあるROMに格納されている専用のソフトを用いてHDDに記憶される(読み込まれる)。すなわち、CDの音楽データは、標準オーディオファイルであるWAVファイルに変換され、録音制御部13の制御によって、そのままHDDに書き込まれるか、エンコーダ(圧縮部)を介して該WAVファイルをMP3(MPEG−1/AUDIO Layer3)などの任意の圧縮フォーマットに従って、任意のビットレート(圧縮率)でエンコード(圧縮)されてHDDに書き込まれる。なお、音楽データを圧縮してHDDに書き込む場合には、該音楽データをデコード(伸長)するためのデコードソフトも併せてHDDに記録される。
【0050】
HDD部14は、データ記録再生装置10に内蔵されており、CDなどから読み込まれた楽曲などの音楽データがファイルとして記録される大容量の記録媒体である。ここで、トラック毎に音楽データを記録している一般の音楽CDから読み込まれた音楽データがファイルとしてHDD部14に記録される場合には、第1の記録形態によって各トラックの音楽データがそれぞれ1つのファイルとしてHDD部14に記録される構成、あるいは第2の記録形態によって複数のトラックからなる音楽データが1つのファイルとしてHDD部14に記録される構成になっている。
【0051】
図3は、HDD部14に記録された各ファイルの構成を説明するための図である。
【0052】
図3(a)は、トラック毎に音楽データが記録されている音楽CDから読み取った音楽データをHDD部14に記録する際に、1トラックからなる音楽データを1ファイルとして記録する第1の記録形態によってデータの記録を行った場合に作成されるファイルを示している。具体的には、図2に示すようなTOC情報を備えた音楽CDの音楽データを第1の記録形態によってHDD部14に記録した際に作成される各ファイルのヘッダ部を示している。
【0053】
図3(a)に示すように、HDD部14のファイルのヘッダ部として、各ファイルに対してHDD部14上での音楽データのアドレス情報と、音楽CDのタイトル名、対応するCD上のトラック番号、ファイルのタイトル名(曲名)、演奏時間と、が関連付けられて記録されている例を示している。例えば、ファイル1に対しては、HDD部14上での音楽データのアドレス情報として「00aa」、CDタイトル名として「タイトルX」、CD上のトラック番号として「1」、その曲名として「楽曲A」、その演奏時間として「aa:aa」が記録されている。
【0054】
これらの情報のうち、トラック番号に対応する演奏時間の情報はCDから取得したTOC情報に含まれており、CDタイトル名およびファイル番号に対応する曲名の情報はCDDBから取得できるCD情報に含まれている。
【0055】
図3(b)は、トラック毎に音楽データが記録されている音楽CDから読み取った音楽データをHDD部14に記録する際に、複数のトラックからなる音楽データを1ファイルとして記録する第2の記録形態(ライブ録音形態)によってデータの記録を行った場合に作成されるファイルを示している。
【0056】
具体的には、図2に示すようなTOC情報を備えた音楽CDの音楽データのうち、ライブ録音の音楽データであるトラック2、3、4を第2の記録形態によって1ファイルとしてHDD部14に記録し、ライブ録音ではないそれ以外の音楽データのトラック1、5、nを第1の記録形態によってそれぞれ1ファイルとしてHDD部14に記録した際に作成される各ファイルのヘッダ部を示している。
【0057】
図3(b)に示すように、HDD部14のファイルのヘッダ部として、ライブ録音ではない音楽データのトラックに対応する各ファイルに対しては、図3(a)と同じく、HDD部14上での音楽データのアドレス情報と、音楽CDのタイトル名、対応するCD上のトラック番号、ファイルのタイトル名(曲名)、演奏時間と、が関連付けられて記録されている。
【0058】
また、ライブ録音の音楽データのトラックに対応するファイルに対しては、HDD部14上での音楽データのアドレス情報と音楽CDのタイトル名のみが関連付けられて記録されている。例えば、ファイル2に対しては、HDD部14上での音楽データのアドレス情報として「00bb」、CDタイトル名として「タイトルX」が記録されている。
【0059】
これらの情報のうち、トラック番号に対応する演奏時間の情報はCDから取得したTOC情報に含まれており、CDタイトル名およびファイル番号に対応する曲名の情報はCDDBから取得できるCD情報に含まれている。
【0060】
ファイル作成部15は、HDD部14に記録した音楽データのうち、複数のトラックからなる音楽データを1つのファイルとしてHDD部14に記録した場合に、この1ファイルに含まれる複数の音楽データをトラック単位に管理するためのアルバム管理ファイルをCDから取得されたTOC情報と、このTOC情報によって必要に応じてCDDBから取得できるCD情報とに基づいて作成するためのものである。
【0061】
データ記憶再生装置10は、HDD部14に収録された音楽データを再生してスピーカ部19から出力する場合、上記ファイルを参照してファイル番号に基づいてHDD部14から音楽データを読み取るため、図3(b)に示すファイルにおいて、例えば、ファイル番号2として管理されている音楽データについては、実際には複数のトラックからなるライブ録音データにもかかわらず、同一ファイル内にあるユーザが所望するそれぞれのトラックへのトラックアップ(FF)あるいはトラックダウン(RW)処理を行うことができない。
【0062】
さらに、データ記憶再生装置10は、音楽データを再生する際に再生を行っている音楽データの曲名や演奏時間を表示部17に表示する場合、上記ファイルを参照してファイル番号に基づいて曲名や演奏時間を読み出すため、図3(b)に示すファイルにおいて、例えば、ファイル番号2として管理されている音楽データについて、実際には複数のトラックからなるライブ録音データにもかかわらず、同一ファイル内にある現在再生している各トラックの曲名や演奏時間を表示することができない。
【0063】
このため、ファイル作成部15は、複数のトラックからなる音楽データを1つのファイルとしてHDD部14に記録した場合に、この1ファイルに含まれる複数のトラックのそれぞれに対応する音楽データを識別管理するためのアルバム管理ファイル(管理情報)を作成し、作成したアルバム管理ファイルを制御手段11にあるRAMに格納する。
【0064】
図4は、アルバム管理ファイルの構成を説明するための図である。
【0065】
図4は、1ファイルに含まれる複数のトラックのそれぞれに対応する音楽データを識別管理するためのアルバム管理ファイルの一例を示している。図4に示すように、HDD部14のアルバム管理ファイルとして、1ファイルに含まれる各トラックに対して、トラック番号に対応するタイトル名(曲名)と、開始時間と、が関連付けられて記憶されている。例えば、ファイル番号2として管理されているトラック番号2に対しては、その曲名として「楽曲B」、その開始時間として「b’b’:b’b’」が記憶されている。同様に、トラック番号3に対しては、「楽曲C」、その開始時間として「c’c’:c’c’」が記憶されている。
【0066】
これらの情報のうち、トラック番号に対応する開始時間の情報はCDから取得したTOC情報に含まれている各トラック演奏時間から算出され、トラック番号に対応する曲名の情報はCDDBから取得できるCD情報に含まれている。
【0067】
データ記憶再生装置10は、入力部18や表示部17のタッチパネルから所望の音楽CDあるいはCD内の所望のトラックの指定、録音モードなどの設定が行われ、HDD部14への録音要求があると、録音制御部13によりCDから読み出されたTOC情報を参照してユーザによって指定されたCDに収録されている全トラックの音楽データ、あるいはユーザによって指定されたトラック番号の音楽データをファイル毎にHDD部14に記録する。
【0068】
なお、所望のCD、トラックを録音対象として指定する方法は、音楽CDの曲目リストを表示部17に表示させ、入力部18からトラック番号を入力する方法や、表示部17に表示されたトラック番号のアイコンをクリックする方法であってもよい。
【0069】
そして、ファイル作成部15は、録音制御部14により音楽CDから読み取った複数のトラックからなる音楽データを1ファイルとして記録する第2の記録形態によってデータの記録をHDD部14に対して行った場合に、CDから取得したTOC情報、CDDBから取得できるCD情報に基づいてアルバム管理ファイルを作成する。
【0070】
すなわち、音楽CDから読み取った音楽データをHDD部14に記録する際に、音楽制御部14が音楽CDから読み出された音楽データが複数のトラックからなるライブ録音された音楽データであると判断し、複数のトラックからなる音楽データを1ファイルとして記録する第2の記録形態によってデータの記録を行った場合、あるいはユーザによる「ライブ録音」モードの設定に基づいて、複数のトラックからなる音楽データを1ファイルとして記録する第2の記録形態によってデータの記録を行った場合に、ファイル作成部15によりアルバム管理ファイルの作成が行われる。ファイル作成部15は、図4に示すようなアルバム管理ファイルを作成する場合には、CDから取得されたTOC情報に含まれている各トラック演奏時間とCDDBから取得できるCD情報に含まれているトラック番号に対応する曲名の情報とに基づいてファイルを作成する。
【0071】
なお、図4に示したアルバム管理ファイルでは、トラック番号に対応する開始時間と曲名を関連付けて記憶させた場合について説明したが、これに限られることはなく、各トラックの開始時間のみだけでもよく、また曲名の他にアーティスト名などの各トラックを識別管理できる情報を関連付けて記憶させてもよい。ここで、ファイル作成部15は、開始時間のみを関連付けて記憶させる場合には、CDから取得されたTOC情報に含まれている各トラックの演奏時間の情報のみに基づいてファイルを作成すればよく、開始時間に加えて曲目やアーティスト名の情報も関連付けて記憶させる場合には、必要に応じてCDDBから取得できるCD情報に含まれる各トラックの曲目、アーティスト名などの情報も参照してファイルを作成すればよい。
【0072】
再生制御部16は、HDD部14に収録された音楽データについて、HDD部14からの読み出しを制御するためのものであり、必要に応じてHDD部14から読み出した音楽データを伸長デコード処理するためのデコーダ(伸長部)を備えている。
【0073】
HDD部14に収録された音楽データを読み出すときは、再生制御部16の制御によって、必要に応じてファイル作成部15で作成されたアルバム管理ファイルを参照して、WAVファイルとしてそのままHDDから読み出すか、HDDから読み出したエンコードされている音楽データを、HDDに記録されているデコードソフトを用いてデコーダ(伸長部)を介してWAVファイルにデコードする。
【0074】
データ記録再生装置10は、入力部18や表示部17のタッチパネルから所望の音楽CDあるいはCD内の所望のトラックの指定が行われ、HDD部14の再生要求があると、再生制御部16によりファイル番号を参照してユーザによって指定されたCDに収録されている全トラックの音楽データ、あるいはユーザによって指定されたトラック番号の音楽データをファイル毎にHDD部14から読み取る。なお、所望のCD、トラックを再生対象として指定する方法は、音楽CDの曲目リストを表示部17に表示させ、入力部18からトラック番号を入力する方法や、表示部17に表示されたトラック番号のアイコンをクリックする方法であってもよい。
【0075】
ここで、図3(b)に示すファイルにおいて、例えば、ファイル番号2として管理されているファイルのように、ファイル内の複数のトラックからなる音楽データについてトラック番号が関連付けて記録されていない場合には、再生制御部16は、対応するファイル番号(ここではファイル番号2)に基づいて、図4に示すアルバム管理ファイルを参照して、各トラック番号に対応する曲名や演奏開始時間などの情報を読み出すとともに、読み出した各トラック番号に対応する演奏開始時間の情報に基づいて、HDD部14からファイル単位に読み取った音楽データの中から1ファイル内にある所定のトラックのデータ再生開始位置を算出する。
【0076】
データ記録再生装置10は、図4のアルバム管理ファイルから読み出した各トラック番号に対応する曲名や演奏開始時間に基づいて、1ファイル内にある複数のトラックについての曲名や演奏時間を表示部17に表示させ、また、図4のアルバム管理ファイルから読み出した各トラック番号に対応する演奏開始時間の情報に基づいて、HDD部14からファイル単位に読み取った音楽データの中からユーザが所望するトラックの再生処理やそれぞれのトラックへのトラックアップ(FF)あるいはトラックダウン(RW)処理を行う。
【0077】
表示部17は、LCDや有機ELDなどのディスプレイパネルなどから構成される表示ユニットであり、制御手段11からの制御信号に応じて、CDから取得されたTOC情報に基づき制御手段11が作成したプレイリストや再生中の楽曲のトラック番号や演奏経過時間など各種の情報を表示する。
【0078】
入力部18は、操作ボタンや抵抗膜方式やセンサ方式などのタッチパネルなどにより構成され、操作ボタンから所要の数値や文字を入力したり、タッチパネル上に表示されたアイコンを押圧あるいは接触したりすることで音楽データの録音・再生指示などの各種の操作・指示を受け付け、その受け付けた各種の操作・指示を動作制御信号として制御手段11へ出力する。
【0079】
スピーカ部19は、HDD部14などから読み取られた音楽データを増幅して外部に出力するための装置である。
【0080】
次に、本発明にかかるデータ記録再生装置の動作について説明する。
【0081】
図5は、本実施例にかかるデータ記録再生装置の動作を示すフローチャートである。
【0082】
なお、図5に示す動作は制御手段11に備えられたROMに格納されている制御プログラムを実行することで実現される。
【0083】
図5のステップS500において、ユーザにより表示部17のタッチパネルから所望のCD、トラック番号などを設定してCDからHDD部14への録音要求の指示があると、ステップS501において、ユーザによって指定されたCDに収録されている音楽データ、あるいはユーザによって指定されたトラック番号の音楽データがライブ録音(曲をつなげて収録)されたデータであるか否かを、CDDBが提供する音楽CD情報のオンラインデータベースサービスを利用し、インターネットを介してアクセスされた当該CD情報に含まれている付加情報に基づいて判定する。
【0084】
ステップS501の判定処理において、ライブ録音されたデータではないと判定した場合にはステップS502に進み、ライブ録音されたデータであると判定した場合にはステップS503の第2の記録形態による録音(複数のトラックからなるデータを1ファイルとして記録する)処理に進む。したがって、ユーザによって指定されたCDに収録されている音楽データ、あるいはユーザによって指定されたトラック番号の音楽データがライブ録音されたデータである場合には、自動的に第2の記録形態による録音処理に移行する。
【0085】
なお、ステップS500の録音要求の指示を行うために、CD再生部12−2にCDが装着されると、CDからTOC情報が読み出されて表示部17にCDのトラック番号などが表示される。また、ステップS501の判定処理を、CDから読み出されたTOC情報に基づいて行ってもよい。
【0086】
次に、ステップS502では、ユーザからの録音指示において「ライブ録音」モードの指定があるか否か判定する。ステップS502の判定処理において、「ライブ録音」モードのユーザ設定があると判定した場合にはステップS503の第2の記録形態による録音(複数のトラックからなるデータを1ファイルとして記録する)処理に進み、「ライブ録音」モードのユーザ設定がないと判定した場合にはステップS508の第1の記録形態による録音(1トラックからなるデータを1ファイルとして記録する)処理に進む。
【0087】
ステップS503では、CD再生部12−2に装着されたCDから録音を希望する指定されたトラックに記録されている音楽データを制御手段11にあるRAMに読み出す。ステップS504では、録音を希望する指定されたトラックの全ての音楽データの読み出しが終了したか否か判定され、読み出しが終了した場合にはステップS505に進み、読み出しが終了していない場合にはステップS504の処理を繰り返す。
【0088】
ステップS505では、RAMに読み出した音楽データを必要に応じて録音制御部13のエンコーダ(圧縮部)によってMP3の圧縮フォーマットに従って圧縮処理を施し、ステップS506では、圧縮された音楽データをHDD部14へ書き込む。このとき、ライブ録音された複数のトラックからなる音楽データ、あるいは、「ライブ録音」モード設定とともにユーザによって指定されたCDに収録されている全トラックの音楽データやユーザによって指定されたトラック番号の音楽データを1ファイルとして書き込まれることになる。
【0089】
ステップS507では、1ファイルとしてHDD部14に書き込まれた複数のトラックからなる音楽データについてアルバム管理ファイルを作成し、作成されたアルバム管理ファイルを制御手段11にあるRAMに格納する。
【0090】
一方、ステップS508では、CD再生部12−2に装着されたCDから録音を希望する指定されたトラックに記録されている音楽データを制御手段11にあるRAMに読み出す。ステップS509では、録音を希望する指定されたトラックの全ての音楽データの読み出しが終了したか否か判定され、読み出しが終了した場合にはステップS510に進み、読み出しが終了していない場合にはステップS509の処理を繰り返す。
【0091】
ステップS510では、RAMに読み出した音楽データを必要に応じて録音制御部13のエンコーダ(圧縮部)によってMP3の圧縮フォーマットに従って圧縮処理を施し、ステップS511では、圧縮された音楽データをHDD部14へ書き込み処理を終了する。このとき、1トラックからなる音楽データを1ファイルとして書き込まれることになる。
【0092】
なお、上記実施例では、ステップS503の第2の記録形態による録音処理に進むか否かの判断を、ステップS501のライブ録音された音楽データであるかの判定処理と、ステップS502の「ライブ録音」モードの指定があるかの判定処理とに基づいて行っているが、これに限られることはなく、いずれか一つの判定処理のみに基づいて行ってもよい。
【0093】
また、上記実施例では、圧縮フォーマットとしてMP3を使用した場合について説明したが、MP3に限られることはなく、AAC(MPEG−2/Advanced Audio Coding)などの他の圧縮方式を適用することも可能である。
【0094】
以上説明したように本発明にかかるデータ記録再生装置によれば、ユーザ操作などによって、データをトラック毎に記録した第1の記録媒体(CD)から読み出した1トラックからなるデータを1ファイルとして第2の記録媒体(HDD)に記録する第1の記録形態と、前記第1の記録媒体(CD)から読み出した指定された複数のトラックからなるデータを1ファイルとして前記第2の記録媒体に記録する第2の記録形態とを選択することができる。
【0095】
ライブアルバムのように複数のトラックに渡って連続する音楽データを記録する場合にもデータ再生時にデータが途切れることなく再生可能なように1ファイルとして記録し、各トラックを識別できる情報で管理することができるため、各トラックの管理情報を容易に知ることができるのでユーザの利便性を向上させることができる。
【0096】
なお、上記実施例では、第1の記録媒体としてCDを使用した場合について説明したが、CDに限られることはなく、DVDなどの他の読み出し可能な記憶媒体に適用することも可能である。
【0097】
また、上記実施例では、データ記録再生装置に内蔵される第2の記録媒体としてHDDを使用した場合について説明したが、HDDに限られることなく、メモリカードなどの他の書き込み読み出し可能な記録媒体に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の実施例にかかるデータ記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施例にかかるTOC情報の構成を説明するための図である。
【図3】本実施例にかかるHDD部14に記録される各ファイルの構成を説明するための図である。
【図4】本実施例にかかるアルバム管理ファイルの構成を説明するための図である。
【図5】本実施例にかかるデータ記録再生装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0099】
10・・・・データ記録再生装置
11・・・・制御手段
12・・・・CD駆動部
12−1・・CD収納部
12−2・・CD再生部
13・・・・録音制御部
14・・・・HHD部
15・・・・ファイル作成部
16・・・・再生制御部
17・・・・表示部
18・・・・入力部
19・・・・スピーカ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の記録媒体にトラック毎に記録されているデータをファイル単位で第2の記録媒体に記録するデータ記録装置において、
前記第1の記録媒体に記録されているデータを前記第2の記録媒体に記録する際、1トラックからなるデータを1ファイルとして記録する第1の記録形態または複数のトラックからなるデータを1ファイルとして記録する第2の記録形態に基づいて記録する記録手段を備えたことを特徴とするデータ記録装置。
【請求項2】
前記データ記録装置は、前記第2の記録形態により1ファイルとして記録された各トラックのデータについて、いずれのトラックに相当するデータであるかを識別管理するための管理情報を作成する管理情報作成手段を備え、
前記記録手段により、前記第1の記録媒体に記録されているデータの中から指定された複数のトラックからなるデータを前記第2の記録媒体に記録する際、前記第2の記録形態に基づいて記録する場合に前記管理情報作成手段は、当該複数のトラックからなるデータに関する管理情報を作成することを特徴とする請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項3】
前記データ記録装置は、前記第1の記録媒体に記録されているデータを第2の記録媒体に記録する際の記録形態として前記第1の記録形態または前記第2の記録形態のいずれかを設定する設定手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデータ記録装置。
【請求項4】
前記データ記録装置は、前記管理情報に基づいて前記第2の記録媒体からデータを検索する検索手段と、前記検索手段により検索されたデータを再生する再生手段と、を備えたことを特徴とする請求項2に記載のデータ記録装置。
【請求項5】
前記管理情報はトラック毎のデータタイトル名とデータ開始時間を含むことを特徴とする請求項2に記載のデータ記録装置。
【請求項6】
第1の記録媒体にトラック毎に記録されているデータをファイル単位で第2の記録媒体に記録する制御を行うデータ記録方法において、
前記第1の記録媒体に記録されているデータを前記第2の記録媒体に記録する際、1トラックからなるデータを1ファイルとして記録する第1の記録形態または複数のトラックからなるデータを1ファイルとして記録する第2の記録形態に基づいて記録する記録工程を備えたことを特徴とするデータ記録方法。
【請求項7】
前記データ記録方法は、前記第2の記録形態により1ファイルとして記録された各トラックのデータについて、いずれのトラックに相当するデータであるかを識別管理するための管理情報を作成する管理情報作成工程を備え、
前記記録工程において前記第1の記録媒体に記録されているデータの中から指定された複数のトラックからなるデータを前記第2の記録媒体に記録する際、前記第2の記録形態に基づいて記録する場合に前記管理情報作成工程において当該複数のトラックからなるデータに関する管理情報を作成することを特徴とする請求項6に記載のデータ記録方法。
【請求項8】
前記データ記録方法は、前記第1の記録媒体に記録されているデータを前記第2の記録媒体に記録する際の記録形態として前記第1の記録形態または前記第2の記録形態のいずれかを設定する設定工程を含むことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のデータ記録方法。

【請求項9】
前記データ記録方法は、前記管理情報に基づいて前記第2の記録媒体からデータを検索する検索工程と、前記検索工程により検索されたデータを再生する再生工程と、を含むことを特徴とする請求項7に記載のデータ記録方法。
【請求項10】
前記管理情報はトラック毎のデータタイトル名とデータ開始時間を含むことを特徴とする請求項7に記載のデータ記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−4019(P2009−4019A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−163305(P2007−163305)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】