説明

データ転送回路

【課題】 MCPのLSIチップ間において、1本のパターン配線で複数の信号を転送することができるデータ転送回路を提供する。
【解決手段】 複数の送信データSi(例えば、i=0〜3)に対応して2段のFF11,13からなるシフトレジスタを設け、システムクロックCLKを1/4に分周した分周クロックCKDで保持する。EOR15とOR16で送信データSiの変化を検出したときに、その分周クロックCKDの期間だけ検出信号DETを出力し、システムクロックCLKを転送クロックCKTとして出力する。送信側回路10では、カウンタ18で転送クロックCKTをカウントし、カウント値に基づいて送信データSiを時分割多重化して転送データTXDを出力する。受信側回路20では、カウンタ22で転送クロックCKTをカウントし、そのカウント値に基づいて転送データTXDを分離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一パッケージ内にある2つの大規模集積回路(以下、「LSI」という)チップ間で、1本の信号線を使用して複数のデータを転送するデータ転送回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図2は、従来のマルチチップパッケージ(以下、「MCP」という)におけるデータ転送回路の概念図である。
【0003】
MCPは、1つのパッケージ1内に、複数のLSIチップ2,3を実装したものである。LSIチップ2,3は基盤4の上に配置され、この基盤4には複数のパターン配線5が形成されている。LSIチップ2,3間の接続は、各LSIチップ2,3から基盤4上の対応するパッド6にワイヤー7でボンディング接続することによって行われる。パッド6の間は、それぞれパターン配線5で接続されているので、各LSIチップ2,3を対応するパッド6にボンディング接続すれば、配線が完了する。
【0004】
【特許文献1】特開2002−108810号公報
【特許文献2】特開2003−256361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記MCPのデータ転送回路は、LSIチップ2,3間で転送する信号の数だけ、パターン配線5が必要である。従って、転送する信号の数が多くなると、これに比例して基盤4上のパターン配線5とパッド6の数が増えることになる。パッド6のサイズは、ボンディング接続するために必要な面積となるため、LSIチップ上の配線よりもかなり大きい。このため、1つのパッケージに実装できるパッドの数には限界があり、その数を越える信号を転送することができなかった。
【0006】
本発明は、MCPのLSIチップ間において、1本のパターン配線で複数の信号を転送することができるデータ転送回路を提供すること目的としている。更に、本発明は、送信側の信号が変化した時にのみ、データ送受信を行うことにより、データ転送回路の消費電力を低減することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、同一パッケージ内に配置された2つの集積回路チップ間で1本の信号線を用いて複数のデータを転送するために、データ送信側の集積回路チップに設けられて前記複数のデータを時分割多重化して出力する送信側回路と、データ受信側の集積回路チップに設けられて前記送信側回路から送られてきた前記時分割多重化された複数のデータを個々のデータに分離する受信側回路とで構成されるデータ転送回路において、送信側回路を次のように構成している。
【0008】
即ち、この送信側回路は、クロック信号を1/N(但し、Nは複数)に分周して分周クロックを生成する分周手段と、N個の送信データを前記分周クロックに同期して保持するデータ保持手段と、前記データ保持手段に保持された送信データとその前の分周クロックに同期して保持された送信データとを比較し、変化があった場合に次の分周クロックが与えられるまでの間、変化検出信号を出力する変化検出手段と、前記変化検出信号が与えられている間、前記クロック信号を転送クロックとして出力するゲート手段と、前記転送クロックをカウントしてそのカウント値を送信側選択信号として出力する送信側カウント手段と、前記データ保持手段に保持された前記N個の送信データを前記送信側選択信号に従って順次選択し、時分割多重化して出力する多重化手段とを備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、データ保持手段によって分周クロック毎に送信データを保持すると共に、変化検出手段によって保持したデータに変化があるか否かを検出し、変化があったときにゲート手段から転送クロックを出力し、この転送クロックに従って送信データを時分割多重化して出力するようにしている。これにより、1本の信号線で複数のデータを転送することができ、かつ送信データが変化していないときにはデータ転送が行われないので、データ転送回路の消費電力を低減することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
送信側回路に対する受信側回路として、例えば、N個の送信データに対応して設けられたN個のデータラッチ手段と、転送クロックをカウントしてそのカウント値を受信側選択信号として出力する受信側カウント手段と、送られてきた時分割多重化されたN個の送信データを受信側選択信号に基づいて分離して対応するデータラッチ手段に与える分離手段とを設ける。
【0011】
この発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、次の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。但し、図面は、もっぱら解説のためのものであって、この発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の実施例1を示すデータ転送回路の構成図である。
このデータ転送回路は、MCP上のLSIチップ間で、1本の信号線(パターン配線)を用いて複数のデータを時分割多重化して転送するもので、送信側チップに設けられる送信側回路10と、受信側チップに設けられる受信側回路20で構成されている。ここでは、転送するデータの数Nを4として説明するが、データ数Nは任意である。
【0013】
送信側回路10は、送信データS0,S1,S2,S3をそれぞれ分周クロックCKDのタイミングに同期して保持するフリップフロップ(以下、「FF」という)11(但し、i=0,1,2,3)を有している。分周クロックCKDは、システムクロックCLKを分周器12で1/4(=1/N)に分周して生成されたものである。各FF11の出力側は、それぞれ同様に分周クロックCKDのタイミングで動作するFF13の入力側に接続されると共に、マルチプレクサ(以下、「MUX」という)14の第0から第3の入力側に接続されている。MUX14は、選択信号SELで指定された入力信号を選択して出力するもので、このMUX14から受信側回路20に対して、時分割多重化された転送データTXDが出力されるようになっている。
【0014】
また送信側回路10は、FF11から出力される信号SiaとFF13から出力される信号Sibを比較して送信データSiの変化を検出するための排他的論理和ゲート(以下、「EOR」という)15を有している。各EOR15の出力側は、4入力の論理和ゲート(以下、「OR」という)16に与えられ、少なくとも1つの送信データSiが変化したときに、このOR16からレベル“H”となる検出信号DETが出力されるようになっている。
【0015】
OR16の出力側は2入力の論理積ゲート(以下、「AND」という)17の一方の入力側に接続され、このAND17の他方の入力側にシステムクロックCLKが与えられている。これにより、検出信号DETが“H”のときに、AND17から転送クロックCKTが出力され、この転送クロックCKTがカウンタ(CNT)18に与えられると共に、受信側回路20に出力されるようになっている。カウンタ18は、リセット信号RSTでリセットされ、転送クロックCKTの立ち下がりに同期してカウントアップして0から3までの値の選択信号SELをMUX14に与えるものである。
【0016】
一方、受信側回路20は、送信側回路10から転送データTXDが与えられるMUX21と、転送クロックCKTが与えられるカウンタ22を有している。カウンタ22は、送信側回路10のカウンタ18と同様に、リセット信号RSTでリセットされ、転送クロックCKTの立ち下がりに同期してカウントアップして0から3までの値の選択信号SELを出力するものである。選択信号SELは、MUX21に与えられるようになっている。MUX21は、第0から第3の出力端子を有し、入力された転送データTXDを選択信号SELで選択された出力端子に出力するものである。選択されていない出力端子は、ハイインピーダンス状態となるように構成されている。
【0017】
MUX21の第0から第3の出力端子には、それぞれ2つのインバータをループ状に接続して構成されたラッチ23が接続されると共に、FF24が接続されている。FF24は、ラッチ23に保持された信号を転送クロックCKTに同期して取り込み、受信データRiとして出力するものである。
【0018】
図3は、図1の動作を示す信号波形図である。以下、この図3を参照しつつ、図1の動作を説明する。
【0019】
ここでは、送信データS2がレベル“L”から“H”に変化し、更に、“H”から“L”に変化する場合について説明する。なお、この間、送信データS0,S1,S3は、“L”のまま変化しないものとする。
【0020】
システムクロックCLKは分周器12で1/4に分周され、分周クロックCKDが生成されてFF11,13に供給される。初めは、すべての送信データSiが“L”であるので、各FF11,13の出力信号は、すべて“L”となっている。従って、各EOR15から出力される信号Sicも“L”となり、検出信号DETも“L”である。また、カウンタ18,22も、リセット信号RSTでリセットされた状態で、選択信号SELは0となっている。
【0021】
図3の時刻T1において、送信データS2が“L”から“H”に変化すると、次の時刻T2における分周クロックCKDの立ち上がりに同期して、FF11から出力される信号S2aが“H”になる。この時点では、FF11の後段のFF13のデータは変化していないので、信号S2bは“L”である。従って、EOR14から出力される信号S2cが“H”となり、OR16から出力される検出信号DETも“H”となる。これにより、AND17によるゲートが開き、システムクロックCLKが転送クロックCKTとして出力される。送信側回路10のカウンタ18と受信側回路20のカウンタ22では、転送クロックCKTの立ち下がりに同期してカウンタアップ動作が行われ、選択信号SELの値は、0から1,2,3の順に増加し、4回目の立ち下がりで0に戻る。
【0022】
時刻T3における転送クロックCKTの最初の立ち上がり時点では、選択信号SELの値は0である。従って、MUX14ではFF11の信号S0aが選択され、“L”の転送データTXDとして受信側回路20のMUX21へ転送されている。MUX21へ与えられる選択信号SELも0であるので、このMUX21の第0の出力端子には“L”が出力され、ラッチ23に“L”が保持されている。ここで、転送クロックCKTが立ち上がると、FF24に“L”が保持され、受信データR0は“L”となる。
【0023】
時刻T4において転送クロックCKTが立ち下がると、選択信号SELの値は1となり、MUX14でFF11の信号S1aが選択され、“L”の転送データTXDが受信側回路20のMUX21へ与えられる。これにより、MUX21の第1の出力端子に“L”が出力され、ラッチ23に“L”が保持される。そして、次の時刻T5における転送クロックCKTが立ち上がりで、FF24に“L”が保持され、受信データR1は“L”となる。
【0024】
更に、時刻T6における転送クロックCKTの立ち下がりで選択信号SELが2となり、FF11の信号S2a(“H”)が転送データTXDとして受信側回路20へ転送され、ラッチ23に“H”が保持される。そして、時刻T7における転送クロックCKTが立ち上がりで、FF24に“H”が保持され受信データR2は“H”となる。
【0025】
同様に、時刻T8における転送クロックCKTが立ち下がりで選択信号SELが3となり、FF11の信号S3a(“L”)が転送データTXDとして受信側回路20へ転送され、ラッチ23に“L”が保持される。そして、時刻T9における転送クロックCKTが立ち上がりで、FF24に“L”が保持され、受信データR3は“L”となる。
【0026】
時刻T10において分周クロックCKDが立ち上がると、FF11に保持されていたデータがFF13にシフトされ、このFF11には新たな送信データSiが保持される。新たな送信データSiに変化がなければ、各EOR15の信号Sicはすべて“L”となるので、検出信号DETは“L”となる。これにより、転送クロックCKTは停止されて“L”となり、各カウンタ18,22から出力される選択信号は0となって、一連のデータ転送は完了する。
【0027】
次に、時刻T11において、送信データS2が“H”から“L”に変化すると、時刻T1で“L”から“H”に変化したときと同様の動作が行われ、受信データR2は“L”となる。
【0028】
以上のように、この実施例1のデータ転送回路は、少なくとも1つの送信データが変化したときに、全送信データSiを転送クロックCKTに同期して転送データTXDとして時分割多重化して直列に送信するように送信側回路10を構成し、受信側回路20において転送クロックCKTに基づいて生成された選択信号SELに従って転送データTXDを対応するラッチ23に保持するように構成している。これにより、1本のパターン配線で複数のデータを転送することが可能になり、かつ、送信データが変化した時にのみデータ送受信が行われるので、消費電力を低減できるという利点がある。
【0029】
なお、この実施例1では、受信側回路20に各ラッチ23の信号を転送クロックCKTに同期して保持するFF24を設けているが、これらのFF24は省略することができる。
【実施例2】
【0030】
図4(a),(b)は、本発明の実施例2を示すデータ転送回路の説明図であり、同図(a)は受信側回路の構成図、及び同図(b)は信号波形図である。
【0031】
図4(a)の受信側回路20Aは、図1中の受信側回路20に代えて設けられるもので、図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0032】
この受信側回路20Aは、リセット信号RSTでリセットされ、転送クロックCKTの立ち下がりに同期してカウントアップして0から3までの値の選択信号SELを生成するカウンタ22と、この選択信号SELをデコードして第0から第3まで出力端子の内の対応する出力端子に“H”を出力するデコーダ(DEC)25を有している。
【0033】
デコーダ25の第0から第3まで出力端子は、それぞれ2入力のAND26〜26の第1の入力側に接続され、これらのAND26〜26の第2の入力側には、転送クロックCKTが共通に与えられている。AND26〜26の出力側は、それぞれFF27〜27のクロック端子に接続されている。また、FF27〜27のデータ端子には転送データTXDが共通に与えられ、これらのFF27〜27の出力側から、それぞれ受信データR9〜R3が出力されるようになっている。
【0034】
次に動作を説明する。
実施例1で説明したように、送信データが変化すると、送信側回路10から転送クロックCKTとこれに同期して転送データTXDが直列に転送されて来る。
【0035】
転送クロックCKTが最初に立ち上がるとき、カウンタ22から出力される選択信号SELは0となっているので、AND26からラッチ信号LA0が出力されてFF27のクロック端子に与えられる。これにより、転送データTXDとして転送されている信号S0aがFF27に保持され、受信データR0として信号S0aが出力される。その後、転送クロックCKTが立ち下がると、カウンタ22の選択信号SELは1となる。
【0036】
転送クロックCKTの2回目の立ち上がりでは、AND26からラッチ信号LA1が出力されてFF27のクロック端子に与えられる。これにより、転送データTXDとして転送されている信号S1aがFF27に保持され、受信データR1として信号S1aが出力される。その後、転送クロックCKTが立ち下がると、カウンタ22の選択信号SELは2となる。
【0037】
以下同様に、転送クロックCKTの3回目及び4回目の立ち上がりによって、転送データTXDが順次FF27,27に保持され、受信データR2,R3として信号S2a,信号S3aがそれぞれ出力される。
【0038】
4回目の転送クロックCKTの立ち下がりにより、カウンタ22から出力される選択信号SELは0に戻り、一連のデータ転送は完了する。
【0039】
以上のように、この実施例2のデータ転送回路は、実施例1と同様の利点に加えて、実施例1に比べて回路構成を簡素化することができるという利点がある。
【実施例3】
【0040】
図5(a),(b)は、本発明の実施例3を示すデータ転送回路の説明図であり、同図(a)は受信側回路の構成図、及び同図(b)は信号波形図である。
【0041】
図5(a)の受信側回路20Bは、図1中の受信側回路20に代えて設けられるもので、図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0042】
この受信側回路20Bは、4段のシフトレジスタを構成する4個のFF28a,28b,28c,28dを有している。初段のFF28aに転送データTXDが与えられ、各FF28a〜28dのクロック端子には転送クロックCKTが共通に与えられるようになっている。
【0043】
更に、この受信側回路20Bは、送信側回路10から与えられる分周クロックCKDに同期して受信データR0〜R3を保持して出力するためのFF29〜29を有している。即ち、FF28dから出力される信号S28dはFF29の入力側に与えられ、このFF28dの出力側から受信データR0が出力されるようになっている。同様に、FF28cから出力される信号S28c、FF28bから出力される信号S28b、及びFF28aから出力される信号S28aは、それぞれFF29,29,29の入力側に与えられ、これらのFF29〜29から、それぞれ受信データR1,R2,R3が出力されるようになっている。
【0044】
次に動作を説明する。
実施例1で説明したように、送信データが変化すると、送信側回路10から転送クロックCKTとこれに同期して転送データTXDが直列に転送されて来る。また、分周クロックCKDは、システムクロックCLKを分周して生成されたもので、転送クロックCKTとは同期が取られている。
【0045】
転送クロックCKTが最初に立ち上がると、転送データTXDとして転送されている信号S0aがFF28aに保持される。その後、転送クロックCKTが立ち下がり、これに従って転送データTXDは信号S1aに切り替えられる。
【0046】
転送クロックCKTの2回目の立ち上がりで、FF28aの保持データはFF28bにシフトされ、このFF28aには次の転送データTXDである信号S1aが保持される。その後、転送クロックCKTの立ち下がりで、転送データTXDは信号S2aに切り替えられる。
【0047】
以下同様に、転送クロックCKTの3回目及び4回目の立ち上がりにより、転送データTXDが順次FF28,28にシフトされ、FF29,29,29,29の入力側には、それぞれ信号S0a,S1a,S2a,S3aが与えられる。そして、4回目の転送クロックCKTの立ち下がりと同時に与えられる分周クロックCKDの立ち上がりにより、これらの信号S0a〜S3aがFF29〜29に保持され、受信データR0〜R3として出力される。
【0048】
以上のように、この実施例3のデータ転送回路は、実施例1と同様の利点に加えて、実施例1に比べて回路構成を簡素化することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施例1を示すデータ転送回路の構成図である。
【図2】従来のMCPにおけるデータ転送回路の概念図である。
【図3】図1の動作を示す信号波形図である。
【図4】本発明の実施例2を示すデータ転送回路の説明図である。
【図5】本発明の実施例3を示すデータ転送回路の説明図である。
【符号の説明】
【0050】
10 送信側回路
11,13,24,27,28,29 FF(フリップフロップ)
12 分周器
14,21 MUX(マルチプレクサ)
15 EOR(排他的論理和ゲート)
16 OR(論理和ゲート)
17,26 AND(論理積ゲート)
18,22 カウンタ
23 ラッチ
25 デコーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一パッケージ内に配置された2つの集積回路チップ間で1本の信号線を用いて複数のデータを転送するために、データ送信側の集積回路チップに設けられて前記複数のデータを時分割多重化して出力する送信側回路と、データ受信側の集積回路チップに設けられて前記送信側回路から送られてきた前記時分割多重化された複数のデータを個々のデータに分離する受信側回路とで構成されるデータ転送回路であって、
前記送信側回路は、
クロック信号を1/N(但し、Nは複数)に分周して分周クロックを生成する分周手段と、
N個の送信データを前記分周クロックに同期して保持するデータ保持手段と、
前記データ保持手段に保持された送信データとその前の分周クロックに同期して保持された送信データとを比較し、変化があった場合に次の分周クロックが与えられるまでの間、変化検出信号を出力する変化検出手段と、
前記変化検出信号が与えられている間、前記クロック信号を転送クロックとして出力するゲート手段と、
前記転送クロックをカウントしてそのカウント値を送信側選択信号として出力する送信側カウント手段と、
前記データ保持手段に保持された前記N個の送信データを前記送信側選択信号に従って順次選択し、時分割多重化して出力する多重化手段とを、
備えたことを特徴とするデータ転送回路。
【請求項2】
前記受信側回路は、
前記N個の送信データに対応して設けられたN個のデータラッチ手段と、
前記転送クロックをカウントしてそのカウント値を受信側選択信号として出力する受信側カウント手段と、
前記多重化手段から送られてきた時分割多重化された前記N個の送信データを前記受信側選択信号に基づいて分離して対応する前記データラッチ手段に与える分離手段とを、
備えたことを特徴とする請求項1記載のデータ転送回路。
【請求項3】
前記受信側回路は、
前記N個の送信データに対応して設けられ、各入力端子に前記時分割多重化された送信データが共通に与えられるN個のデータラッチ手段と、
前記転送クロックをカウントしてそのカウント値を受信側選択信号として出力する受信側カウント手段と、
前記受信側選択信号をデコードし、前記N個のデータラッチ手段に対してデータの取り込みのタイミングを指定するラッチ信号を順次出力するデコード手段とを、
備えたことを特徴とする請求項1記載のデータ転送回路。
【請求項4】
前記受信側回路は、
前記時分割多重化された送信データを前記転送クロックに同期して順次保持してシフトするN段のシフトレジスタからなるデータシフト手段と、
前記N段のシフトレジスタに保持された前記N個の送信データを前記分周クロックに同期して取り込んで出力するN個のデータラッチ手段とを、
備えたことを特徴とする請求項1記載のデータ転送回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−163554(P2006−163554A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−350744(P2004−350744)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】