説明

データ送受信システム

【課題】コンテンツ配信を行う配信装置と、コンテンツ再生を行う再生装置から成る送受信システムにおいて、限られた視聴可能時間内に再生装置でのコンテンツ再生を可能とするデータ送受信システムを提供する。
【解決手段】再生装置100は、コンテンツの視聴可能時間と、視聴しているコンテンツの再生残り時間とから、コンテンツの再生速度を決定する。再生速度送信部102は、再生速度をコンテンツ配信を行う配信装置200へ送信する。配信装置200では、再生速度受信部201で受信した再生速度に応じて、配信データ加工部203により配信データの加工を行う。配信データ送信部206は、加工したコンテンツデータを再生装置100に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ配信を行う配信装置と、コンテンツ再生を行う再生装置、およびそれらから成るシステムに関し、詳しくは所定の時間内にコンテンツの配信、再生を完了させることのできるデータ送受信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では航空機や列車等の移動体が移動中に配信される映画等の映像コンテンツを乗客が視聴することが可能となっている。しかしながら、これらの移動体に搭乗、乗車する時間は限られており、移動中の限られた視聴可能時間内にコンテンツの視聴を完了できることが要望されている。
【0003】
これを解決するための1つの方法として、例えば特許文献1の「再生装置、データ送受信システム及び再生方法」が提案されている。
【0004】
特許文献1の「再生装置、データ送受信システム及び再生方法」では、視聴可能時間に応じてコンテンツの再生速度を決定して、視聴可能時間内にコンテンツ視聴を終える方法を提案している。
【0005】
この提案では、視聴可能時間とコンテンツの残り時間から再生速度を決定し、コンテンツの再生速度を変更することで、視聴可能時間内にコンテンツの視聴を完了することが可能となっている。また、再生速度変更が閾値以上に速くなる場合は、コンテンツの重要でないシーンの再生を省略することで、過度に再生速度をあげることなく視聴可能時間内の視聴完了を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−223451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1はコンテンツの再生装置に関するものであり、再生速度の調整は再生装置自身が行っている。このような装置では、コンテンツはコンテンツデータが蓄積されたメディアからデータを読み出すことにより入手する。
【0008】
しかしながら、航空機や列車等の移動体においては、1つの配信装置によりストリーミング配信されたコンテンツデータを、複数の再生装置で受信し再生するようになっている。このような場合、再生装置側で調整するのであれば、配信装置はコンテンツデータの全体を送信する必要があり、通信負荷が大きく、かつ、再生シーンが省略された通信データが無駄になるという問題がある。
【0009】
さらに再生速度を変更する際の速度変更方法について言及されていない。この方法によっては再生コンテンツが破綻する可能性や、複雑な処理を行うとコンテンツ配信に遅延が生じる可能性がある。
【0010】
また、上記の提案では再生速度が速くなりすぎる場合に、シーンの重要度に応じて再生シーンの省略を行うことが提案されているが、このシーンの重要度決定については言及されておらず、適切に設定することが課題となる。
【0011】
そこで本発明では、配信装置と再生装置から構成されるデータ送受信システムに対して、上記課題を解決する手段を提案する。
【0012】
本発明のデータ送受信システムにおいて、再生装置で決定した再生速度を配信装置に送り、配信装置では送られてきた再生速度に応じて、再生するコンテンツの加工を行う。この方法により、実際に再生する部分のコンテンツデータのみを送信することができることから、通信データ量を減じることができる。
【0013】
さらに、配信装置から配信するデータの構造に着目することで、再生速度変更時に映像の破綻なく、容易に再生速度を変更する方法を提案する。
【0014】
また、配信装置では、過去にコンテンツが視聴された際の操作履歴を蓄積しておき、これを基にシーンの重要度を決定する。これにより、重要なシーンの決定を適切に行うことができる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、本発明に係るデータ送受信システムは、コンテンツデータの配信を行う配信装置と、コンテンツデータの再生を行う再生装置とから構成され、再生装置は、配信装置からコンテンツデータを受信する配信データ受信手段と、コンテンツデータの再生速度を決定する再生速度決定手段と、配信装置へ再生速度を送信する再生速度送信手段とを備え、配信装置は、再生装置から送られた再生速度を受信する再生速度受信手段と、再生速度に基づいてコンテンツデータの再生速度を変更する再生速度変更手段と、変更したコンテンツデータを再生装置に送信する配信データ送信手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
これにより、再生装置は所望の再生速度でコンテンツデータの再生を行うことができ、配信装置では再生装置から受信した再生速度に基づいて送信するコンテンツのデータ量を減じることができる。
【0017】
ここで、再生装置は、コンテンツ視聴可能時間を取得する視聴時間取得手段と、コンテンツ残り時間を取得する残量取得手段とを備え、再生速度決定手段は、視聴可能時間とコンテンツ残り時間とから再生速度を算出し決定する。
【0018】
これにより、視聴者は移動体等の視聴可能時間内に所望のコンテンツを視聴完了することができる。
【0019】
ここで、再生速度決定手段は、所定の間隔で、視聴可能時間とコンテンツ再生残り時間から再生速度を算出し決定し直すようにしてもよい。
【0020】
これにより、視聴可能時間やコンテンツ再生残り時間が変動した場合でも、適切に視聴完了を行うことができる。
【0021】
また、配信装置は、再生装置から受信した再生速度に基づき、配信コンテンツデータの加工を行うコンテンツデータ加工手段を備え、再生速度に応じてコンテンツを随時加工して送信装置が加工されたコンテンツデータを再生装置へ送信することが好ましい。これにより、コンテンツを問わず、再生速度を変更することが可能となる。
【0022】
ここで、コンテンツデータ加工手段は、配信コンテンツデータの加工時に配信コンテンツデータのデータ構造を利用してもよい。これにより、再生速度変更のために再生を省略するフレームを容易に決定することができる。
【0023】
また、配信装置は、シーンの重要性を決定する重要度判定手段を備え、シーンの重要性に応じてデータ加工手段がコンテンツデータの加工を行い、シーンの重要度に応じて配信データの省略などを行ってもよい。これにより、視聴者は適切に視聴速度を変更するために編集されたコンテンツを視聴することができる。
【0024】
ここで、コンテンツデータ加工手段は、再生を省略するフレーム決定時において、キーフレームと差分フレームから成るデータ構造に対し、差分フレームの重要性が低いと判断して間引きを行うことが好ましい。
【0025】
これにより、視聴者は映像の破綻なく適切に視聴速度が変更されたコンテンツを視聴することができる。
【0026】
ここで、配信装置は、過去にコンテンツが視聴されたときの再生情報を蓄積する視聴履歴蓄積手段を備え、重要度判定手段がシーンの重要性の決定に、過去のコンテンツの再生情報を利用してもよい。
【0027】
これにより、再生を省略するシーンを適切に決定することができる。
【0028】
また、データ送受信システム、再生装置および配信装置は航空機に搭載され、再生装置のコンテンツ視聴可能時間は残りフライト時間であり、再生装置の視聴可能時間取得手段はフライト時間を航空機の運行管理システムから取得するようにしてもよい。
【0029】
これにより、視聴者は航空機のフライト時間内にコンテンツを視聴完了することができる。
【0030】
ここで、再生装置の視聴可能時間取得手段は、コンテンツ視聴可能時間に航空機内時間を考慮するようにしてもよい。航空機内時間とは、消灯時間など、視聴が不可能となる時間を除いたものである。
【0031】
これにより、視聴者は実際の航空機内の生活環境に即した時間でコンテンツの視聴を完了することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によるデータ送受信システムを構成する再生装置および配信装置によって、コンテンツデータの再生速度を変更することが可能となり、限られた視聴可能時間内に所望のコンテンツを適切に視聴完了することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施の形態のデータ送受信システムにおける再生装置と配信装置の構成図
【図2】本発明の一実施の形態の再生装置と配信装置の動作の一例を表したフローチャート
【図3】本発明の一実施の形態の配信装置における配信コンテンツデータの加工の一例を示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、航空機内の座席に設置された端末モニタと、端末モニタに対してコンテンツ配信を行うサーバに適用した一例を図1から図3を用いて説明する。
【0035】
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態のデータ送受信システムにおける再生装置と配信装置の構成図である。
【0036】
本実施の形態では随時変化する視聴可能時間に合わせて、再生速度を変更しながらコンテンツ再生を行う方法について説明する。
【0037】
図1において、このデータ送受信システムは、航空機に搭載され、蓄積されているコンテンツデータを配信する配信装置200と、配信されたコンテンツデータの再生を行う再生装置100とから構成されている。
【0038】
再生装置100と配信装置200は有線または無線のネットワークにより接続されており、1台の配信装置200に対して、複数の再生装置100が接続されている。
【0039】
ここで、再生するコンテンツデータは映画などであり、配信装置200のコンテンツ蓄積部202に格納されている。また、コンテンツデータはMPEGのようにキーフレームと差分フレームから成るデータ構造となっている。
【0040】
再生装置100は、配信装置200からストリーミング配信されたコンテンツデータを受信し、再生する装置であり、再生速度決定部101、再生速度送信部102、再生制御補助情報取得部103、視聴可能時間算出部104、配信データ受信部105、再生部106、表示部107、外部操作入力部108、操作情報送信部109、および再生制御部110を備えている。
【0041】
再生装置100の再生制御補助情報取得部103は、配信装置200からコンテンツ残り時間を取得する。場合によっては残り視聴可能時間も配信装置200から取得する。
【0042】
視聴可能時間算出部104は、再生装置100内部の情報、または再生制御補助情報取得部103で取得した情報を用いて視聴可能時間を算出する。
【0043】
本実施の形態では視聴可能時間は航空機の残りフライト時間であり、配信装置200を介して航空機の運行管理システムから取得したデータを、再生制御補助情報取得部103で受信して用いる。
【0044】
再生速度決定部101は、視聴可能時間算出部104で算出した視聴可能時間と、再生制御補助情報取得部103で取得したコンテンツ残り時間により、コンテンツ再生速度を算出し決定する。
【0045】
再生速度送信部102は、再生速度決定部101で決定したコンテンツ再生速度を配信装置200に送信する。
【0046】
配信データ受信部105は、配信装置200が配信するコンテンツデータを受信する。
このコンテンツデータは、再生装置100が再生速度送信部102から送信したコンテンツ再生速度に応じて加工されたものである。
【0047】
再生部106は、配信データ受信部105で受信したコンテンツデータの再生を行う。
【0048】
受信したコンテンツデータが圧縮されている場合には、適切な方法で伸長を行うものとする。
【0049】
表示部107では、再生部106で再生されたデータの表示を行う。
【0050】
外部操作入力部108は、たとえば早送りや一時停止といった、コンテンツ視聴者からの操作入力を受け付ける。
【0051】
操作情報送信部109は、外部操作入力部108で取得した操作入力を、コンテンツデータの操作情報として配信装置200へ送信する。
【0052】
再生制御部110は、コンテンツデータの再生終了を検出し、再生終了時には再生装置の再生処理を終了する。
【0053】
配信装置200は、蓄積されている映画などのコンテンツデータを配信する装置であり、再生速度受信部201、コンテンツ蓄積部202、配信データ加工部203、視聴履歴蓄積部204、配信データ解析部205、配信データ送信部206、再生制御補助情報送信部207、操作情報受信部208、および操作制御部209を備えている。
【0054】
再生速度受信部201は、再生装置100から送信されたコンテンツデータの再生速度を受信する。
【0055】
コンテンツ蓄積部202には、再生装置100に配信を行うコンテンツデータが格納されている。格納されているコンテンツデータは複数でもよく、再生装置100からのリクエストに応じたコンテンツデータが配信されるものとする。
【0056】
配信データ加工部203は、再生速度受信部201で受信したコンテンツ再生速度に応じて、コンテンツ蓄積部202から読み出したコンテンツデータを加工する。
【0057】
この加工の際に、後述の視聴履歴蓄積部204と配信データ解析部205からの情報を用いる。また、後述の操作制御部209からの操作情報に応じてもコンテンツデータの加工を行う。
【0058】
配信データ送信部206は、配信データ加工部203によりコンテンツ再生速度に応じて加工されたコンテンツデータを、再生装置100へ送信する。
【0059】
操作情報受信部208は、再生装置100からの操作情報を受信する。
【0060】
操作制御部209は、操作情報受信部208で受信した操作情報により、早送りや一時停止などの配信コンテンツデータの操作を決定して配信データ加工部203の制御を行う。また、操作の履歴情報を視聴履歴蓄積部204に保存する。
【0061】
視聴履歴蓄積部204は、操作制御部209からの操作情報を取得し、視聴履歴として蓄積を行う。この視聴履歴は配信データ加工部203で再生速度に応じて配信コンテンツデータを加工する際に、省略シーンの決定を行うために使用する。
【0062】
次に、上記のように構成されたデータ送受信システムにおける再生装置100、配信装置200の動作について説明する。
【0063】
図2は本実施の形態における再生装置100と配信装置200の動作を表したフローチャートである。以下にその動作の詳細を説明する。
【0064】
まず、再生装置100は、視聴者からコンテンツの再生指示を受け付ける(ステップS101)。再生可能なコンテンツが複数ある場合には、コンテンツリストを表示するなどして視聴者が選択するものとしてもよい。
【0065】
次に、再生装置100の再生制御補助情報取得部103は、選択されたコンテンツの残り時間と残り視聴可能時間を、配信装置200の再生制御補助情報送信部207へ要求する(ステップS102)。
【0066】
配信装置200の再生制御補助情報送信部207は、コンテンツの残り時間と残り視聴可能時間を、再生装置100の再生制御補助情報取得部103へ返信する(ステップS107)。
【0067】
本実施の形態では、コンテンツの残り時間は、コンテンツデータのヘッダ情報からのコンテンツのトータル再生時間と、現在再生位置から算出するものとし、残り視聴可能時間は航空機の運行管理システムから取得する残りフライト時間とする。
【0068】
このとき、残り視聴可能時間の算出において、残りフライト時間をそのまま用いず、機内の消灯時間を視聴可能時間から省くなど、機内時間を考慮することで、航空機内での生活パターンに即したコンテンツ視聴が可能となる。
【0069】
次に、再生速度決定部101は、再生制御補助情報取得部103で取得したコンテンツの残り時間と、残り視聴可能時間とから、コンテンツ再生速度を決定する(ステップS103)。
【0070】
今回の例では、再生速度は<残り視聴可能時間>/<コンテンツの残り時間>として決定する。たとえば、コンテンツの残り時間が30分で、視聴可能時間が20分であるとすると、1.5倍速が再生速度となる。
【0071】
なお、今回の例では残り視聴可能時間を再生制御補助情報取得部103で取得しているが、内部時計などを使用して、視聴可能時間算出部104で決定してもよい。
【0072】
次に、再生速度送信部102により、コンテンツ再生速度を配信装置200に送信する(ステップS104)。
【0073】
次に、配信装置200の再生速度受信部201で、コンテンツ再生速度を受信する(ステップS105)。
【0074】
次に、配信データ加工部203で、再生速度受信部201で受信したコンテンツ再生速度に応じて、配信するコンテンツデータの加工を行う(ステップS108)。具体的なコンテンツデータ加工の処理方法については後述する。
【0075】
次に、配信データ送信部206で、再生装置100に対して、加工されたコンテンツデータの送信を行う(ステップS109)。
【0076】
次に、再生装置100の配信データ受信部105で、配信装置200から送信されたコンテンツデータの受信を行う。そして、受信したコンテンツデータを再生部106で再生し、表示部107へ表示する(ステップS105)。
【0077】
再生装置100の再生制御部110は、配信データからコンテンツが終了したか否かを確認する(ステップS106)。再生が終了の場合(ステップS106でYES)には、ここで再生処理を終了する。
【0078】
一方、コンテンツの再生途中である場合(ステップS106でNO)には、再生制御補助情報取得部103は、コンテンツの残り時間と、残り視聴可能時間を確認する。確認後、再生速度決定(ステップS103)を再度行って、上記の動作を繰り返す。
【0079】
図3は、上記の配信装置200における配信コンテンツデータの加工(ステップS108)の一例を示したフローチャートである。以下にその詳細を説明する。
【0080】
まず、配信データ加工部203は、再生速度受信部201で受信した再生速度から、再生速度変更が必要であるかを判定する(ステップS201)。ここで、再生速度が1以下の場合、すなわち視聴可能時間がコンテンツ残り時間より長い場合(ステップS201のYES)では、視聴時間内にコンテンツ視聴が完了できるため、データ加工を行わずに処理を終了する。この場合、コンテンツは通常再生される。
【0081】
一方、上記判定時に再生速度が1より大きい場合、すなわち視聴可能時間よりコンテンツ残り時間が長い場合(ステップS201のNO)では、配信データ加工部203でデータ加工を行う。
【0082】
次に、配信データ加工部203は、再生速度が閾値以下であるか否かを判定する(ステップS202)。閾値は、たとえば1.5とする。再生速度があまり速くなると人間がコンテンツ内容を理解しきれなくなるため、閾値は人間がその速度で再生しても理解できる数値を設定する。
【0083】
この判定の結果、再生速度が閾値以下の場合(ステップS202でYES)は、データ加工においてコンテンツの再生フレームの間引きを行うことで、再生速度の変更を行う。
【0084】
再生フレームの間引きは、まず、配信データ解析部205で一定単位でのコンテンツデータの構造を解析し、キーフレームとその差分フレームの分類を行う(ステップS203)。
【0085】
そして、配信データ加工部203は、差分フレームの重要度が低いと判断して、優先的に間引き処理を行う(ステップS204)。
【0086】
たとえば再生速度が1.5、単位データ内のフレーム数が90でその構成がキーフレーム10、差分フレーム80のとき、配信データ加工部203は差分フレームのうち30フレームの間引きを行う。
【0087】
もし、間引くべきフレーム数が差分フレームより多い場合には、キーフレームからも間引きを行う。
【0088】
一方、再生速度が閾値より大きい場合(ステップS202でNO)、配信データ加工部203はコンテンツの中で再生を省略するシーンを決定(ステップS205)して、配信コンテンツデータの該当シーン部分の削除を行う。このとき、再生を省略するシーンの決定は、視聴履歴蓄積部204に保存されている過去の視聴操作データに基づいて行う。
【0089】
たとえば、過去にコンテンツが視聴されたとき、視聴者が早送りを行ったシーンは重要度が低いとして、再生の省略を行う。逆に、過去に視聴者が巻き戻しを行うなど、繰り返し視聴されているシーンについては重要度が高いとして、再生の省略を行わない、といった重要度付けを行う。
【0090】
なお、以上の説明では過去の視聴者の操作データに基づいているが、現在の視聴者からの早送りや一時停止などの操作がある場合は次の処理を行う。
【0091】
まず、再生装置100の外部操作入力部108で視聴者からの操作を取得する。次に、操作情報送信部109は配信装置200へ操作情報の送信を行う。次に、配信装置200の操作情報受信部208は、再生装置100からの操作情報を取得する。
【0092】
次に、操作制御部209は、操作情報受信部208で受信した操作情報に応じて配信データ加工部203へデータ加工制御を行う。
【0093】
たとえば、視聴者が早送りを行った場合、操作制御部209は配信データ加工部203に対して、予め設定された割合に応じて配信データの間引きを行う指示を与える。
【0094】
配信データ送信部206から、操作制御部209の制御により加工を行ったデータを再生装置100へ送信することによって、視聴者が入力した操作を実現することができる。
【0095】
このとき、視聴履歴記録部204は、視聴者が行った操作を視聴操作データとして記録しておく。過去の視聴者が行った操作を履歴として蓄積することで、前述の再生を省略するシーンの決定を行うことが可能となる。
【0096】
なお、本実施の形態では、再生装置、配信装置、データ送受信システムは航空機に搭載されるものとしたが、これに限られたものではない。
【0097】
たとえば、コンテンツ再生可能な携帯端末とコンテンツ配信サーバでも同様のシステムを構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明に係るデータ送受信システムは、コンテンツのストリーミング配信において視聴可能時間内でのコンテンツ視聴完了が可能となるため、PC(パーソナルコンピュータ)や携帯端末向けのコンテンツ配信サービスにおいても有用である。
【符号の説明】
【0099】
100 再生装置
101 再生速度決定部
102 再生速度送信部
103 再生制御補助情報取得部
104 視聴可能時間算出部
105 配信データ受信部
106 再生部
107 表示部
108 外部操作入力部
109 操作情報送信部
110 再生制御部
200 配信装置
201 再生速度受信部
202 コンテンツ蓄積部
203 配信データ加工部
204 視聴履歴蓄積部
205 配信データ解析部
206 配信データ送信部
207 再生制御補助情報送信部
208 操作情報受信部
209 操作制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツデータの配信を行う配信装置と、前記コンテンツデータの再生を行う再生装置とから成るデータ送受信システムにおいて、
前記再生装置は、
前記配信装置から前記コンテンツデータを受信する配信データ受信手段と、
前記コンテンツデータの再生速度を決定する再生速度決定手段と、
前記配信装置へ前記再生速度を送信する再生速度送信手段を備え、
前記配信装置は、
前記再生装置から送られた前記再生速度を受信する再生速度受信手段と、
前記再生速度に基づいてコンテンツデータの再生速度を変更する再生速度変更手段と、
変更したコンテンツデータを前記再生装置に送信する配信データ送信手段とを備えることを特徴としたデータ送受信システム。
【請求項2】
前記再生装置は、
コンテンツ視聴可能時間を取得する視聴可能時間取得手段と、
コンテンツ再生残り時間を取得する残量取得手段と、
を備え、
前記再生速度決定手段は、前記コンテンツ視聴可能時間と前記コンテンツ再生残り時間とから再生速度を算出し決定することを特徴とした請求項1に記載のデータ送受信システム。
【請求項3】
前記再生速度決定手段は、
所定の間隔で、前記コンテンツ視聴可能時間と前記コンテンツ再生残り時間とから再生速度を算出し決定し直すことを特徴とした請求項2に記載のデータ送受信システム。
【請求項4】
前記配信装置は、
前記再生装置から受信した再生速度に基づき、配信コンテンツデータの加工を行うコンテンツデータ加工手段、
を備え、
配信データ送信手段は、前記コンテンツデータ加工手段により加工された配信コンテンツデータを前記再生装置へ送信することを特徴とした請求項1乃至3のいずれかに記載のデータ送受信システム。
【請求項5】
前記コンテンツデータ加工手段は、
前記配信コンテンツデータの加工において、前記配信コンテンツデータのデータ構造を利用すること
を特徴とした請求項4に記載のデータ送受信システム。
【請求項6】
前記配信装置は、
シーンの重要性を決定する重要度判定手段、
を備え、
前記コンテンツデータ加工手段は、
前記コンテンツデータのシーンの重要性に応じて、前記配信コンテンツデータの加工を行うことを特徴とした請求項4または5に記載のデータ送受信システム。
【請求項7】
前記コンテンツデータ加工手段は、
前記コンテンツデータの一部のフレームの再生を省略する加工を行うこと
を特徴とした請求項6に記載のデータ送受信システム。
【請求項8】

前記重要度判定手段は、
キーフレームと差分フレームから成るデータ構造に対し、差分フレームの重要性が低いと判断して、シーンの重要性を決定すること
を特徴とした請求項7に記載のデータ送受信システム。
【請求項9】
前記配信装置は、
過去にコンテンツが視聴されたときの前記再生装置の再生情報を蓄積する視聴履歴蓄積手段、
を備え、
前記重要度判定手段は、
前記再生情報に応じて、前記シーンの重要性を判断することを特徴とした請求項6に記載のデータ送受信システム。
【請求項10】
航空機に搭載され、
前記再生装置の前記コンテンツ視聴可能時間は残りフライト時間であり、
前記視聴可能時間取得手段は前記フライト時間を航空機の運行管理システムから取得することを特徴とした請求項2に記載のデータ送受信システム。
【請求項11】
前記再生装置は、
前記コンテンツ視聴可能時間に航空機内時間を考慮することを特徴とした請求項8記載のデータ送受信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−205486(P2011−205486A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71967(P2010−71967)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】