説明

データ連携処理システム、データ連携処理方法及びデータ連携処理プログラム

【課題】データの受け渡しをより確実に行って、より確実で効率よく業務を行なうことのできるデータ連携処理システム、データ連携処理方法及びデータ連携処理プログラムを提供する。
【解決手段】特許管理サーバ20は、画面毎に、取り込むデータの種別を特定するデータと、出力するデータの種別を特定するデータとを含む連携データが記憶された連携データ記憶部25に接続されている。データ連携ボタンが選択されると、特許管理サーバ20は、連携データから表示画面において取り込む項目を特定し、この項目に対応する内容データを、選択されたレコードから取得する。特許管理サーバ20は、取得された内容データとこの項目種別データとを連携用セッション記憶部26に記憶する。特許管理サーバ20は、データ取込ボタンが選択されると、連携用セッション記憶部26に記録されたデータを、画面に出力表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データベースを用いて検索や業務処理を行なうためのデータ連携処理システム、データ連携処理方法及びデータ連携処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、コンピュータシステムにおいては、各種データの管理や多様な処理がなされている。この場合、異なる種類のデータを複数のデータベースを用いて管理することがある。このような複数のデータベースを用いて、各種業務のワークフローを実現している場合がある。例えば、知的財産管理においても、複数のデータベースをワークフローに活用している。具体的には、知的財産権の有効を利用するために、自社出願や保有特許などの管理にデータベースを用いるとともに、自社製品やサービスが、他社の知的財産権に抵触しないように他社特許データベースを用いる場合がある。また、自社の出願を管理や他社の出願を監視のためのワークフローが企業内において活用されている。このような業務も効率よく、かつ的確に行なう必要がある。そこで、知的財産権の調査や出願等の管理業務を効率的に行なう技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1においては、調査依頼要求の入力に応じて、調査依頼書と調査結果書を作成してデータベースに登録し、メールサーバを介して上司のユーザ端末にメールを送信する。上司のユーザ端末は、メールにリンク付けされている調査依頼書をデータベースから読み出して表示する。承認ボタンが押されると、承認履歴をデータベースに登録し、事務局あてにメールを送信する。事務端末は、受信したメールにリンク付けされている調査依頼書をデータベースから読み出して表示し、承認ボタンが押されると、承認履歴をデータベースに登録し、知的財産部署あてに調査依頼のメールを送信する。このため、調査依頼から調査報告まで一連の手続をネットワーク上のワークフローで行なうことができ、処理効率を向上できるとしている。
【特許文献1】特開2001−222574号公報(図9〜図10)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、調査依頼要求の入力を行なう場合、調査対象となる特許や出願を特定する必要がある。通常、出願番号や特許番号などの番号を用いて特定する。ここで、特定した対象の番号を手入力した場合には、煩雑であり、写し間違う可能性がある。
【0005】
また、対象となる出願の番号を、オペレーションシステムのコピー&ペースト機能を利用して、調査依頼要求に入力することもできる。しかし、コピー対象の項目を間違えたり、所望のコピー範囲を指定し損ねたりする場合がある。
【0006】
特に、調査依頼要求の入力そのものは本来の業務でないため、負担なく手続できる技術へのニーズが高い。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされ、この目的は、データの受け渡しをより確実に行って、より確実で効率よく業務を行なうことのできるデータ連携処理システム、データ連携処理方法及びデータ連携処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、処理種別毎に、取得するデータの取得項目を特定する取得項目種別を記憶した取得連携データ記憶手段と、処理種別毎
に、出力するデータの出力項目を特定する出力項目種別を記憶した出力連携データ記憶手段と、先の処理において特定されたデータを、このデータの項目識別子と関連付けて記録する連携用セッション記憶手段とに接続され、後の処理にデータを受け渡すためのコンピュータを備えたデータ連携システムであって、前記コンピュータが、データ取得指示を受けた場合、現在の処理種別を特定し、取得すべき取得項目を、前記取得連携データ記憶手段に記録された取得項目種別に基づいて特定し、特定された前記取得項目に対応する内容データを前記処理で表示したレコードから取得し、この内容データの取得項目に関連付けて、前記連携用セッション記憶手段に記録するデータ記録手段と、データ出力指示を受けた場合、現在の処理種別を特定し、出力すべき出力項目を、前記出力連携データ記憶手段に記録された出力項目種別を用いて特定し、特定された前記出力項目に対応する内容データを、前記連携用セッション記憶手段から取得し、現在の処理に取り込むデータ出力手段とを備えることを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のデータ連携処理システムにおいて、前記コンピュータは、複数のレコードの表示画面に、各レコードを選択するための選択ボタンを表示させるとともに、データ取得ボタンを表示させるデータ取得画面表示手段を更に備え、前記データ記録手段は、前記選択ボタンを用いて選択されたレコードから、特定された前記取得項目に対応する内容データを取得することを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のデータ連携処理システムにおいて、前記コンピュータは、検索処理の対象となるデータを記憶した検索対象データ記憶手段に接続されており、前記データ取得画面表示手段は、前記検索対象データ記憶手段から検索を行なった検索結果のレコードを表示するための表示画面に、前記データ取得ボタンを含めて表示することを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のデータ連携処理システムにおいて、前記コンピュータは、複数の検索対象データ記憶手段に接続されており、前記データ出力手段は、先の処理において用いた検索対象データ記憶手段とは異なる検索対象データ記憶手段において、前記連携用セッション記憶手段に記録された内容データを用いて後の処理としての再検索を行なうことを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載のデータ連携処理システムにおいて、前記コンピュータは、業務処理を行なう業務処理手段を更に備え、前記データ出力手段は前記連携用セッション記憶手段に記録された内容データを前記業務処理手段に供給することを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、処理種別毎に、取得するデータの取得項目を特定する取得項目種別を記憶した取得連携データ記憶手段と、処理種別毎に、出力するデータの出力項目を特定する出力項目種別を記憶した出力連携データ記憶手段と、先の処理において特定されたデータを、このデータの項目識別子と関連付けて記録する連携用セッション記憶手段とに接続され、後の処理にデータを受け渡すためのコンピュータを用いて行なうデータ連携処理方法であって、前記コンピュータが、データ取得指示を受けた場合、現在の処理種別を特定し、取得すべき取得項目を、前記取得連携データ記憶手段に記録された取得項目種別に基づいて特定し、特定された前記取得項目に対応する内容データを前記処理で表示したレコードから取得し、この内容データの取得項目に関連付けて、前記連携用セッション記憶手段に記録するデータ記録段階と、データ出力指示を受けた場合、現在の処理種別を特定し、出力すべき出力項目を、前記出力連携データ記憶手段に記録された出力項目種別を用いて特定し、特定された前記出力項目に対応する内容データを、前記連携用セッション記憶手段から取得し、現在の処理に取り込むデータ出力段階とを実行することを要旨とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、処理種別毎に、取得するデータの取得項目を特定する取得項目種別を記憶した取得連携データ記憶手段と、処理種別毎に、出力するデータの出力項目を特定する出力項目種別を記憶した出力連携データ記憶手段と、先の処理において特定されたデータを、このデータの項目識別子と関連付けて記録する連携用セッション記憶手段とに接続され、コンピュータを用いて後の処理にデータを受け渡すためのデータ連携処理プログラムであって、前記コンピュータを、データ取得指示を受けた場合、現在の処理種別を特定し、取得すべき取得項目を、前記取得連携データ記憶手段に記録された取得項目種別に基づいて特定し、特定された前記取得項目に対応する内容データを前記処理で表示したレコードから取得し、この内容データの取得項目に関連付けて、前記連携用セッション記憶手段に記録するデータ記録手段、及びデータ出力指示を受けた場合、現在の処理種別を特定し、出力すべき出力項目を、前記出力連携データ記憶手段に記録された出力項目種別を用いて特定し、特定された前記出力項目に対応する内容データを、前記連携用セッション記憶手段から取得し、現在の処理に取り込むデータ出力手段として機能させることを要旨とする。
【0014】
(作用)
本発明によれば、コンピュータは、処理種別毎に、取得するデータの取得項目を特定する取得項目種別を記憶した取得連携データ記憶手段と、処理種別毎に、出力するデータの出力項目を特定する出力項目種別を記憶した出力連携データ記憶手段と、先の処理において特定されたデータを、このデータの項目識別子と関連付けて記録する連携用セッション記憶手段とに接続されている。コンピュータは、画面に応じて特定される取得項目に対応するデータを画面から取得し、このデータの取得項目に関連付けて連携用セッション記憶手段に記憶する。また、コンピュータは、画面に応じて特定される出力項目に対応するデータを、連携用セッション記憶手段から抽出して出力する。このため、管理コンピュータ21は、先の処理画面で特定されたレコードの所定項目に関するデータを記憶して、後の処理画面で利用される項目に関するデータを取り込む。従って、データを間違って取得することを回避でき、異なる処理においてデータの受け渡しをより確実に行なうことができる。よって、共通したデータを用いて行なわれる異なる処理を、効率よく確実に行なうことができる。
【0015】
本発明によれば、コンピュータは、複数のレコードが表示される画面に、各レコードを選択するための選択ボタンをそれぞれのレコードに対応付けて表示させるとともに、データ取得ボタンを表示させる。このため、選択した所望のレコードを一度に、より確実に取得することができる。更に、データ記録手段は、選択ボタンにより選択したレコードの取得項目に対応するデータを取得して記憶する。このため、複数のレコードが表示されていても、選択したレコードのデータを、他の画面に受け渡すことがより確実にできる。
【0016】
本発明によれば、データ取得ボタンは、検索対象データ記憶手段から検索を行なった検索結果を表示するための表示画面に設けられている。このため、検索結果のデータを他の画面で用いるデータとして、より確実に受け渡すことができる。
【0017】
本発明によれば、検索対象データ記憶手段において先の処理で行なった検索した結果を用いて、他の検索対象データ記憶手段において後の処理としての再検索を行なうことができる。従って、検索した結果を用いて効率的に絞り込み検索を行なうことができる。
【0018】
本発明によれば、コンピュータは、検索対象データ記憶手段から検索を行なった検索結果のデータを、業務処理手段に供給する。このため、検索結果のデータを用いて業務処理を行なうことができるので、効率よく円滑に業務処理を行なうことができる。また、検索結果を用いて複数のレコードについて同様な業務処理を行なう場合には、まとめて行なう
ことも可能となり、業務処理を、より効率よく行なうことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、データの受け渡しをより確実に行って、より確実で効率よく業務を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。本実施形態においては、知的財産、特に特許に関する業務に関連したデータを管理するデータ連携処理システムとしての特許管理サーバ20を用いる。
【0021】
特許管理サーバ20は、自社の発明(特許出願)や、自社の製品に係わる他社の発明(特許出願)についての情報を管理するためのコンピュータシステムである。この特許管理サーバ20は、コンピュータとしての管理コンピュータ21を備える。管理コンピュータ21は、図示しないCPU、RAM及びROM等を有し、後述する処理(データ記録段階、データ出力段階、データ取得画面表示段階及び業務処理段階等を含む処理)を行なう。そして、このためのデータ連携処理プログラムを実行することにより、管理コンピュータ21は、データ記録手段、データ出力手段、データ取得画面表示手段及び業務処理手段等として機能する。
【0022】
データ記録手段は、データ取得指示を受けた場合、現在の処理種別を特定し、取得すべき取得項目を、前記取得連携データ記憶手段に記録された取得項目種別に基づいて特定し、特定された前記取得項目に対応する内容データを前記処理で表示したレコードから取得し、この内容データの取得項目に関連付けて、前記連携用セッション記憶手段に記録する。また、このデータ記録手段は、前記選択ボタンを用いて選択されたレコードから、特定された前記取得項目に対応する内容データを取得する。
【0023】
データ出力手段は、データ出力指示を受けた場合、現在の処理種別を特定し、出力すべき出力項目を、前記出力連携データ記憶手段に記録された出力項目種別を用いて特定し、特定された前記出力項目に対応する内容データを、前記連携用セッション記憶手段から取得し、現在の処理に取り込む。このデータ出力手段は、先の処理において用いた検索対象データ記憶手段とは異なる検索対象データ記憶手段において、前記連携用セッション記憶手段に記録された内容データを用いて後の処理としての再検索を行なう。更に、データ出力手段は、前記連携用セッション記憶手段に記録された内容データを前記業務処理手段に供給する。
【0024】
データ取得画面表示手段は、複数のレコードの表示画面に、各レコードを選択するための選択ボタンを表示させるとともに、データ取得ボタンを表示させる。このデータ取得画面表示手段は、前記検索対象データ記憶手段から検索を行なった検索結果のレコードを表示するための表示画面に、前記データ取得ボタンを含めて表示する。業務処理手段は、業務処理を行なう。
【0025】
管理コンピュータ21は、検索対象データ記憶手段としての、自社出願データ記憶部22、出願公開データ記憶部23及びテーマデータ記憶部24に接続されている。更に、管理コンピュータ21は、取得連携データ記憶手段及び出力連携データ記憶手段としての連携データ記憶部25と、連携用セッション記憶手段としての連携用セッション記憶部26とに接続されている。
【0026】
自社出願データ記憶部22には、図2に示すように、自社が出願した又は出願予定の案件に関する自社出願データ220が記録される。自社出願データ220は、出願を行なう
ことが決定すると登録される。この自社出願データ220は、自社出願整理番号、出願番号、書誌事項、出願内容、経過及びステータスに関するデータを含んで構成されている。
【0027】
自社出願整理番号データ領域には、この出願の社内における整理番号に関するデータが記録されている。
出願番号データ領域には、この出願に対して特許庁から付与される出願番号に関するデータが記録されている。
【0028】
書誌事項データ領域には、この出願の書誌事項に関するデータが記録されている。書誌事項データには、例えば、出願日や発明者名等に関するデータが含まれる。
出願内容データ領域には、この出願の内容を把握できるようなデータが記録されている。このデータとしては、発明の内容やキーワード等に関するデータが含まれる。
【0029】
経過データ領域には、この出願の経過(履歴)に関するデータが記録されている。
ステータス領域には、この出願を現在の状況や処理期限に関するデータが記録されている。例えば、拒絶理由通知を受信している場合には、この出願の状況及び各種書類の特許庁提出期限に関するデータが記録されている。
【0030】
出願公開データ記憶部23には、公開された出願に関する出願公開データが記録されている。この出願公開データは、出願公開公報や特許公報が発行されると、各公報からデータが取得されて記録される。この出願公開データは、番号情報、書誌事項、書類内容に関するデータを含んで構成されている。
【0031】
番号情報データ領域には、出願番号、出願公開番号及び特許番号等、特許庁から出願に付与された番号に関するデータが記録されている。なお、この番号情報データ領域に記憶された出願番号を介して、出願公開データと自社出願データ220とが関連付けられている。
【0032】
書誌事項データ領域には、出願の書誌事項に関するデータが記録されている。
書類内容データ領域には、明細書、請求の範囲、図面及び要約書など、出願書類の内容に関するデータが記録されている。
【0033】
テーマデータ記憶部24には、図3に示すように、プロジェクトの各テーマを特定するためのテーマデータ240が記録されている。このテーマデータ240は、プロジェクトが開始されると設定され、関連する出願の登録が指示された場合に、逐次データが記録される。このテーマデータ240は、テーマ識別子、自社出整理番号及び他社出願案件などに関するデータを含んで構成されている。
【0034】
テーマ識別子データ領域には、プロジェクトのテーマを特定するための識別子に関するデータが記録されている。
自社出願整理番号データ領域には、このプロジェクトに関連する自社出願を特定するための整理番号に関するデータが記録されている。この自社出願整理番号データを介して、テーマデータ240と自社出願データ記憶部22に記録された自社出願データ220とが関連付けられる。
【0035】
他社出願案件データ領域には、このプロジェクトに関連する他社の出願を特定するための特許公開番号又は特許番号に関するデータが記録されている。この他社出願案件データを介して、テーマデータ240と、出願公開データ記憶部23に記録された出願公開データとが関連付けられる。
【0036】
連携データ記憶部25には、図4で示すように連携データ250が記録されている。この連携データ250は、異なる処理間でデータを受け渡して、処理においてデータを連携するために用いられる。本実施形態では、異なる表示画面において、異なる処理が行なわれるものとする。連携データ250は、処理において項目を表示する画面が決定されると、項目の種類に応じた設定が行なわれる。この連携データ250は、処理種別としての表示画面種別、取得データ項目種別及び出力データ項目種別に関するデータを含んで構成されている。
【0037】
表示画面種別データ領域には、利用者によって選択された処理に関する表示画面を特定するためのデータが記録されている。
取得データ項目種別データ領域には、この表示画面に表示されている項目の中で、データを取得する項目種別を特定するためのデータが記録されている。本実施形態では、取得データ項目種別としては、この表示画面に含まれる項目のうち、他の処理において使用される可能性のあるすべての項目が含まれる。
【0038】
出力データ項目種別データ領域には、この表示画面上の処理において利用されるデータの項目種別を特定するためのデータが記録されている。
連携用セッション記憶部26は、図5に示すように、連携用セッションデータ260を記憶する。この連携用セッションデータ260は、異なる処理において受け渡されるデータである。この連携用セッションデータ260は、後述するデータ連携ボタンが選択された場合、表示画面で選択されたデータを取得して記録される。この連携用セッションデータ260は、項目種別及び内容に関するデータを含んで構成される。
【0039】
項目種別データ領域には、取得したデータの項目種別に関するデータが記録される。
内容データ領域には、この項目種別に対応する内容のデータが記録される。
上述した構成の特許管理サーバ20は、図1に示すように、社内ネットワークNを介して複数のクライアント端末30に接続されている。このクライアント端末30は、特許に関する業務処理を行なう担当者が用いる端末である。クライアント端末30は、コンピュータ端末であり、図示しないCPU、RAM及びROM等を有し、後述する処理を行なう。このクライアント端末30は、ディスプレイ、キーボード及びマウスを備える。ディスプレイは、業務や検索を行なったり結果を表示したりするための画面などを表示する。キーボード及びマウスは、データの入力や選択、処理の実行を指示するときに用いられる。
【0040】
次に、特許管理サーバ20を用いた特許管理処理について、図6〜図11を用いて説明する。ここでは、検索処理を最初に行なう場合を想定する。例えば、新規出願の先行技術文献を検索する場合などである。具体的には、まず、先行技術文献を、自社の出願について検索した後、この検索結果を用いて先行技術文献となる他社の出願を検索する場合について説明する。
【0041】
(検索処理間でのデータ連携)
本実施形態において、特許に関する業務を行なう場合、クライアント端末30内の業務支援アプリケーションが起動される。これにより、クライアント端末30は、図6の業務支援メニュー画面600をディスプレイに表示する。この業務支援メニュー画面600には、支援処理メニュー項目ボタンが表示されている。具体的には、業務支援メニュー画面600には、業務処理メニュー項目ボタン601や検索処理メニュー項目ボタン602等が含まれる。なお、業務処理メニュー項目ボタン601が選択されると、クライアント端末30は、出願に関する処理を行なうための業務処理メニュー画面610をディスプレイに表示する。
【0042】
ここで、担当者は、検索処理メニュー項目ボタン602を選択する。この場合、クライ
アント端末30は、特許に関する検索を行なうための検索処理メニュー画面620をディスプレイに表示する。この検索処理メニュー画面620には、自社出願検索ボタンや出願公開検索ボタンが含まれている。この自社出願検索ボタンは、自社出願データ記憶部22から自社出願を検索する検索処理を実行するために用いられる。出願公開検索ボタンは、出願公開データ記憶部23から出願公開された出願を検索するために用いられる。
【0043】
ここで、担当者は、検索を希望する検索ボタンを選択する。具体的には、先行技術を自社出願から検索するため、自社出願検索項目ボタンを選択する。
検索項目ボタンが選択されると、クライアント端末30は、図7に示す検索初期画面700を表示する。この検索初期画面700には、検索式を入力する検索条件入力欄と検索実行ボタンとが表示される。
【0044】
そして、担当者は、検索初期画面700の検索式入力欄に検索条件を入力する。例えば、新規出願に関連する複数のキーワードが入力される。そして、検索実行ボタンが選択される。これにより、クライアント端末30は、入力されたキーワードを特許管理サーバ20に送信する。特許管理サーバ20は、受信したキーワードを用いて、自社出願データ記憶部22から該当する自社出願を検索する。具体的には、特許管理サーバ20の管理コンピュータ21は、キーワードが出願内容データに含まれる自社出願データ220を抽出する。そして、管理コンピュータ21は、取得した自社出願データ220を、検索結果データとしてクライアント端末30に送信する。
【0045】
クライアント端末30は、特許管理サーバ20から受信した検索結果データに基づいて検索結果画面710を表示する。この検索結果画面710には、検索結果の自社出願データ220が、レコード毎に表示されている。また、この検索結果画面710には、各レコードを選択するための選択ボタンとしてのチェックボックス(図示せず)が各レコードに対応して表示されている。また、この検索結果画面710には、レコードのデータを取得するデータ取得ボタンとしてのデータ連携ボタン711が含まれている。更に、検索結果画面710には、上部にメニュー712が含まれている。このメニュー712には、この検索結果画面710から取得したデータを用いることのできる画面に遷移するための複数のメニュー項目ボタンが含まれている。例えば、遷移できる画面としては、上述した業務支援メニュー画面600や検索処理メニュー画面620などがある。
【0046】
ここで、担当者は、検索結果画面710に表示された自社出願データ220の内容に基づいて、先行技術になり得る出願を選択し、選択したレコードのチェックボックスにチェックを入れる。その後、検索結果画面710において選択が完了すると、担当者は、検索結果画面710に表示されているデータ連携ボタン711を選択する。
【0047】
データ連携ボタン711が選択されると、クライアント端末30及び特許管理サーバ20は、図8に示すデータ連携処理を行なう。具体的には、まず、クライアント端末30が、データ連携ボタン711が選択されたときに表示されている画面(ここでは検索結果画面710)を特定するための表示画面種別データを特許管理サーバ20に送信する。
【0048】
特許管理サーバ20は、受信した表示画面の情報に基づいて取得データ項目種別を特定する(ステップS1−1)。具体的には、特許管理サーバ20の管理コンピュータ21は、表示画面(ここでは、検索結果画面710)を特定するために受信した表示画面種別データに関する連携データ250を検索して連携データ記憶部25から抽出する。そして、管理コンピュータ21は、この連携データ250の取得データ項目種別を特定する。
【0049】
次に、特許管理サーバ20は、検索結果画面710において選択されたレコードから、取得データ項目種別に対応する内容データを取得する(ステップS1−2)。ここで、管
理コンピュータ21は、チェックボックスにチェックが付けられたすべてのレコードの内容データを抽出する。例えば、検索結果画面710の表示画面種別に対応付けられている取得データ項目種別が、自社出願整理番号及びステータスであった場合には、選択されたレコードの自社出願整理番号及びステータスを取得する。
【0050】
そして、特許管理サーバ20は、取得した内容データと、このデータの項目種別を表すデータを、連携用セッション記憶部26に記録する(ステップS1−3)。例えば、自社出願整理番号及びステータスに関するデータを取得した場合、管理コンピュータ21は、選択されたすべてのレコードの自社出願整理番号及びステータスと、それらが「自社出願整理番号」及び「ステータス」であることを示すデータ種別とを対応付けて記録する。
【0051】
次に、担当者は、取得したデータを用いて、先行技術文献とする他社の出願を検索する。ここで、まず、担当者は、検索処理メニュー画面620を再表示する。この検索処理メニュー画面620は、検索結果画面710のメニュー712のボタンの選択、或いは画面に表示される戻りボタンを順次選択することによって再表示させることができる。そして、担当者は、再表示させた検索処理メニュー画面620から、出願公開の検索項目メニューを選択する。
【0052】
これにより、クライアント端末30は、選択された検索データベースの検索画面730を表示する。この検索画面730には、検索初期画面700と同様に、検索条件入力欄及び検索実行ボタンが含まれている。更に、この検索画面730には、データ取込ボタン731が含まれている。
【0053】
ここで、担当者は、データ取込ボタンを選択する。これにより、クライアント端末30及び特許管理サーバ20は、図9に示すデータ取込処理を行なう。具体的には、まず、クライアント端末30は、データ取込ボタンが選択された表示画面の表示画面種別データを特許管理サーバ20に送信する。ここでは、検索画面730に関する表示画面種別データが送信される。
【0054】
この場合、特許管理サーバ20は、図9に示すように、表示画面の情報に基づいて出力データ項目種別を特定する(ステップS2−1)。具体的には、特許管理サーバ20の管理コンピュータ21は、検索画面730を意味する表示画面種別データの連携データ250を検索して連携データ記憶部25から抽出する。そして、管理コンピュータ21は、抽出した連携データ250から出力データ項目種別を特定する。
【0055】
次に、特許管理サーバ20は、特定した出力データ種別項目に対応するデータを、連携用セッション記憶部26に記憶されている連携用セッションデータ260から取得する(ステップS2−2)。このとき、出力データ項目種別に対応するデータが連携用セッション記憶部26に記録されておらず、対応するデータを取得できない場合には、出力が不可能となる。この場合、管理コンピュータ21は、検索画面730に「出力不可」のポップアップメッセージを表示する。
【0056】
一方、出力データ項目種別に対応するデータが連携用セッション記憶部26に記録されているときは、対応するデータを取得できる。ここでは、連携用セッション記憶部26には、「自社出願整理番号」及び「ステータス」のデータが記録されている。そして、検索画面730の出力データ項目種別が「自社出願整理番号」、「テーマ識別子」、「発明者」及び「出願日」であるとする。この場合、「自社出願整理番号」に対応するデータを取得できる。このため、管理コンピュータ21は、連携用セッションデータ260に記憶されている「自社出願整理番号」の各内容データを取得する。
【0057】
そして、管理コンピュータ21は、取得したデータを、クライアント端末30に送信する(ステップS2−3)。クライアント端末30では、受信したデータを表示画面の入力欄に表示する。ここでは、検索画面730の検索条件入力欄に表示する。なお、担当者は、更に、検索条件入力欄に追加の条件(例えば、キーワード)を入力することもできる。
【0058】
そして、検索条件入力欄に検索を希望する条件が入力されて検索実行ボタンが選択されると、クライアント端末30は、検索条件入力欄に入力された検索条件を特許管理サーバ20に送信する。特許管理サーバ20の管理コンピュータ21は、受信した検索条件に基づいて検索を行なう。
【0059】
具体的には、特許管理サーバ20の管理コンピュータ21は、追加の条件として入力されたキーワードに基づいて、出願公開データ記憶部23から該当する出願公開データを抽出する。また、管理コンピュータ21は、入力欄に表示された自社出願整理番号を有するテーマデータ240を、テーマデータ記憶部24から抽出する。そして、管理コンピュータ21は、抽出したテーマデータ240の他社出願案件データに基づいて、出願公開データ記憶部23から該当する出願公開データを抽出する。管理コンピュータ21は、抽出した出願公開データを、検索結果としてクライアント端末30に送信する。
【0060】
クライアント端末30は、特許管理サーバ20から受信した検索結果データに基づいて検索結果画面710を表示する。そして、担当者は、検索結果画面710に表示される検索結果を選択して、データ連携ボタン711を選択することができる。このデータ連携ボタン711が選択されると、上記ステップS1−1〜S1−3の処理が行なわれて、検索結果画面710において選択されたレコードのデータが新たな連携用セッションデータ260として更新されて記録される。その後、上述したように、検索画面730を表示させて、選択した検索結果を用いて更なる検索を行なうことができる。
【0061】
(検索処理から業務処理へのデータ連携)
次に、検索処理において取得したデータを、他社権利について管理する業務処理において用いる場合について、図10を用いて説明する。本実施形態においては、例えば、ある技術分野について複数の鑑定依頼を行なう他社の出願を、出願公開データ記憶部23の出願公開データから検索する場合を想定する。
【0062】
本実施形態においては、技術分野を特定するキーワードを用いて出願公開データを検索する。具体的には、担当者は、検索初期画面700又は検索画面730の検索条件入力欄にキーワードを入力して、検索実行ボタンを選択する。これにより、クライアント端末30は特許管理サーバ20にデータを送信する。特許管理サーバ20は、出願公開データ記憶部23から出願公開データを検索し、該当する出願公開データをクライアント端末30に返信する。クライアント端末30は、受信した出願公開データに基づいて検索結果画面710を表示する。
【0063】
ここで、担当者は、検索結果画面710に表示された出願公開データの出願内容に基づいて、鑑定依頼を希望する出願を選択して、チェックボックスにチェックを付ける。検索結果画面710において選択の完了後、担当者は、検索結果画面710に表示されているデータ連携ボタン711を選択する。
【0064】
データ連携ボタン711が選択されると、クライアント端末30及び特許管理サーバ20は、上述した図8のデータ連携処理を行なう。具体的には、クライアント端末30は、データ連携ボタン711が選択されたときの表示画面(検索結果画面710)の表示画面種別データを特許管理サーバ20に送信する。
【0065】
特許管理サーバ20の管理コンピュータ21は、図8に示すように、表示画面種別データに基づいて、該当する連携データ250を抽出し、取得データ項目種別を特定する(ステップS1−1)。次に、管理コンピュータ21は、選択されたレコードから、取得データ項目種別に対応する内容データを取得する(ステップS1−2)。そして、管理コンピュータ21は、取得した内容データと、この内容データの項目種別を表すデータを、連携用セッション記憶部26に記録する(ステップS1−3)。
【0066】
そして、担当者は、検索結果画面710で選択した他社出願について鑑定依頼を行なう。ここで、まず、担当者は、検索結果画面710に表示されたメニュー712のボタンを選択したり画面の戻りボタンを順次選択したりする。これにより、クライアント端末30は、ディスプレイに、業務支援メニュー画面600を再表示する。そして、担当者は、再表示させた業務支援メニュー画面600の業務処理メニュー項目を選択する。これにより、クライアント端末30は、業務処理メニュー画面610を表示する。更に、担当者は、この業務処理メニュー画面610の鑑定依頼処理のメニュー項目ボタンを選択する。これにより、クライアント端末30は、鑑定依頼処理を行なう鑑定依頼処理画面850を表示する。この鑑定依頼処理画面850には、データ取込ボタン及び鑑定依頼業務入力欄が含まれている。この鑑定依頼業務入力欄には、例えば、鑑定依頼を行なう出願を特定するための自社出願整理番号が入力される。
【0067】
ここで、担当者はデータ取込ボタンを選択する。これにより、クライアント端末30及び特許管理サーバ20は、図9に示すデータ取込処理を行なう。具体的には、クライアント端末30は、データ取込ボタンが選択された表示画面(鑑定依頼処理画面850)の表示画面種別データを特許管理サーバ20に送信する。
【0068】
特許管理サーバ20の管理コンピュータ21は、クライアント端末30から受信した表示画面種別データを有する連携データ250を連携データ記憶部25から抽出する(ステップS2−1)。次に、特許管理サーバ20は、特定した連携データ250の出力データ種別項目に対応するデータを、連携用セッション記憶部26に記憶されている連携用セッションデータ260から取得する(ステップS2−2)。そして、出力データ項目種別に対応するデータを取得し、クライアント端末30に送信して出力する(ステップS2−3)。クライアント端末30は、出力したデータを鑑定依頼処理画面850の鑑定依頼業務入力欄に表示する。従って、検索処理を行なって得た検索結果データを用いて業務を行なうことができる。
【0069】
(業務処理から検索処理へのデータ連携)
次に、業務処理で用いたデータを検索処理に用いる場合について、図11を用いて説明する。ここで、業務処理としては、発明者に対して報奨金を与えるために、過去に出願した案件を管理する処理を行なう場合を想定する。
【0070】
ここで、まず、クライアント端末30は、業務支援アプリケーションを起動して、業務支援メニュー画面600をディスプレイに表示させる。担当者は、業務支援メニュー画面600の業務処理メニュー項目ボタン601を選択する。これにより、クライアント端末30は、図11で示す業務処理メニュー画面610を表示する。担当者は、この業務処理メニュー画面の支払処理の項目ボタンを選択する。これにより、クライアント端末30は、支払処理表示画面910を表示する。
【0071】
ここで、クライアント端末30は、支払処理表示画面910を表示する。この支払処理表示画面910には、特定のプロジェクトのテーマに属している発明者の出願件数が月毎のマトリックス表として表示される。この場合、マトリックス表上に表示された各出願件数が、それぞれデータ連携ボタンとして機能する。ここで、担当者は、出力を希望する発
明者、出願月を特定し、この出願件数が表示されたデータ連携ボタンを選択する。この場合、クライアント端末30は、データ連携ボタンが選択された画面(ここでは支払処理表示画面910)の表示画面種別データを特許管理サーバ20に送信する。
【0072】
特許管理サーバ20の管理コンピュータ21は、図8に示すように、表示画面種別データに基づいて、該当する連携データ250を抽出し、取得データ項目種別を特定する(ステップS1−1)。本実施形態では、支払処理表示画面910の連携データ250の取得データ項目種別データとして、テーマ識別子、発明者名及び該当年月に関するデータが連携データ記憶部25に記録されている。
【0073】
次に、管理コンピュータ21は、選択されたレコードから、取得データ項目種別に対応する内容データを取得する(ステップS1−2)。ここでは、管理コンピュータ21は、表示した出願件数のテーマ識別子、担当者が選択した発明者名及び該当年月日に対応する内容データと、この内容データの項目種別を表すデータを、連携用セッション記憶部26に記録する(ステップS1−3)。
【0074】
次に、担当者は、このテーマにおいて、選択された発明者が当該年月に出願した自社出願データ220を検索する。これによって、クライアント端末30は、ディスプレイに、業務支援メニュー画面600を再表示する。そして、担当者の選択指示に応じて、クライアント端末30は、ディスプレイに検索処理メニュー画面620を表示させる。更に、検索処理メニュー画面620の自社出願検索メニュー項目を選択することにより、検索画面730をディスプレイに表示させる。この検索画面730には、上述したように、検索条件入力欄、検索実行ボタン及びデータ取込ボタン731が含まれている。
【0075】
ここで、担当者は、表示されているデータ取込ボタン731を選択する。この場合、クライアント端末30及び特許管理サーバ20は、図9に示すデータ取込処理を行なう。具体的には、クライアント端末30は、データ取込ボタンが選択された表示画面(検索画面730)の表示画面種別データを特許管理サーバ20に送信する。
【0076】
特許管理サーバ20の管理コンピュータ21は、データ取込ボタンが選択されたときの表示画面(検索画面730)を表示画面種別とする連携データ250を連携データ記憶部25から抽出する(ステップS2−1)。次に、特許管理サーバ20は、特定した出力データ種別項目に対応するデータを、連携用セッション記憶部26に記憶されている連携用セッションデータ260から取得する(ステップS2−2)。そして、出力データ項目種別に対応するデータを取得し、クライアント端末30に送信して出力する(ステップS2−3)。クライアント端末30は、受信した出力データ項目種別に対応する内容データを検索画面730の検索条件入力欄に表示する。
【0077】
ここで、検索画面730の出力データ項目種別が「自社出願整理番号」、「テーマ識別子」、「発明者」及び「出願日」であるとする。この場合、連携用セッション記憶部26には、「テーマ識別子」、「発明者」及び「出願日」に関するデータが記録されているので、クライアント端末30は、「テーマ識別子」、「発明者」及び「出願日」の内容データを取得し、これを検索条件入力欄に表示する。
【0078】
そして、担当者は、検索実行ボタンを選択する。これにより、クライアント端末30は、入力欄に表示されたテーマ識別子、発明者及び出願日に関するデータを特許管理サーバ20に送信する。特許管理サーバ20の管理コンピュータ21は、受信したテーマ識別子データを有するテーマデータ240を抽出する。更に、管理コンピュータ21は、抽出したテーマデータ240の自社出願整理番号の自社出願データ220を、自社出願データ記憶部22から抽出する。そして、管理コンピュータ21は、抽出した自社出願データ22
0のうち、受信した発明者名及び出願日が書誌事項に含まれる自社出願データ220を抽出し、クライアント端末30に送信する。クライアント端末30は、受信した自社出願データ220に基づいて、検索結果画面710を表示する。
【0079】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
・ 本実施形態では、特許管理サーバ20は、連携データ記憶部25と連携用セッション記憶部26とを備える。そして、表示画面上のデータ連携ボタン711が選択されると、データ連携処理が行なわれる。具体的には、特許管理サーバ20の管理コンピュータ21は、クライアント端末30から受信した表示画面種別データに基づいて、連携データ記憶部25の連携データ250を抽出し、取得データ項目種別を特定する(ステップS1−1)。管理コンピュータ21は、選択されたレコードから、取得データ項目種別に対応する内容データを取得する(ステップS1−2)。そして、管理コンピュータ21は、取得した内容データと、この内容データの項目種別を表すデータを、連携用セッション記憶部26に記録する(ステップS1−3)。
【0080】
一方、データ取込ボタンが選択されると、データ取込処理が行なわれる。具体的には、管理コンピュータ21は、クライアント端末30のディスプレイに表示された表示画面種別に基づいて連携データ記憶部25の連携データ250を抽出する(ステップS2−1)。次に、特許管理サーバ20は、特定した連携データ250の出力データ種別項目に対応するデータを、連携用セッション記憶部26の連携用セッションデータ260から取得する(ステップS2−2)。そして、管理コンピュータ21は、出力データ項目種別に対応するデータを取得し、クライアント端末30に送信して出力する(ステップS2−3)。
【0081】
このため、管理コンピュータ21は、先の処理画面で特定されたレコードの所定項目に関するデータを記憶して、後の処理画面で利用される項目に関するデータを取り込む。従って、データを間違って取得することを回避できる。また、検索結果画面710から検索画面730や鑑定依頼処理画面850に、又は支払処理表示画面910から検索画面730など、異なる種別の処理においてデータの受け渡しをより確実に行なうことができる。よって、異なる処理でデータを用いて行なわれる業務を、効率よく確実に行なうことができる。例えば、検索処理から取捨選択したレコードのデータを、より確実に鑑定依頼処理に受け渡す場合には、取捨選択したレコードのすべてについて同様な書類を、まとめて作成することが可能となる。また、支払処理表示画面910で特定したデータを検索処理に受け渡す場合には、より確実に、効率よく検索を行なうことができる。
【0082】
・ 本実施形態では、検索結果画面710には、検索結果の自社出願データ220が、レコード毎に表示されており、各レコードを選択するためのチェックボックスが各レコードに対応して表示されている。検索結果画面710には、データを取得するためのデータ連携ボタン711が表示されている。このため、担当者は、レコードに対応するチェックボックスにチェックを入れることにより、所望のレコードを選択することができる。また、管理コンピュータ21は、チェックボックスにチェックを入れたレコードの取込項目データを取得するため、特定したレコードのデータを記録する。従って、検索画面730や鑑定依頼処理画面850など、検索結果画面710以外の処理において、検索結果画面710で特定したレコードのデータを、より確実に受け渡して用いることができる。
【0083】
・ 本実施形態では、管理コンピュータ21は、キーワードを用いて、自社出願データ記憶部22から検索した自社出願データ220を抽出した検索結果を検索結果画面710に表示する。管理コンピュータ21は、検索結果画面710において選択されたレコードのデータを取得して、連携用セッション記憶部26に記憶する。そして、自社出願データ記憶部22とは異なる出願公開データ記憶部23に記憶されているデータを、連携用セッション記憶部26に記憶されたデータを用いて検索を行なう。このため、自社出願データ
記憶部22における検索結果から取捨選択したデータを用いて、出願公開データ記憶部23において更なる検索を行なうことができる。
【0084】
・ 本実施形態では、データ連携ボタン711が表示された検索結果画面710には、上部にメニュー712が表示されている。このメニュー712は、この検索結果画面710から取得するデータを用いることのできる画面に遷移できる複数のメニュー項目ボタンが含まれている。このため、取得したデータを用いる画面に迅速に遷移することができ、業務処理をいっそう効率よく行なうことができる。
【0085】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
○ 上記実施形態においては、連携データ記憶部25や連携用セッション記憶部26を特許管理サーバ20に備えた。これに代えて、クライアント端末30に、連携データ記憶部25や連携用セッション記憶部26を設けてもよい。これにより、管理コンピュータ21で行なっていたデータ連携処理やデータ取込処理を、クライアント端末30で行なわせることができる。
【0086】
○ 上記実施形態においては、データ取込ボタンが選択されると、クライアント端末30及び特許管理サーバ20は、図9に示すデータ取込処理を行ない、連携用セッション記憶部26に記録したデータを画面に表示した。これに代えて、処理を行なう画面が、データの種類に応じて表示させる位置が異なる場合には、データの種類に応じた位置にデータが表示されるようにしてもよい。具体的には、画面毎に、出力データ項目種別を表示する表示位置に関する表示位置データを、連携データ250に含ませて、連携データ記憶部25に記憶しておく。そして、管理コンピュータ21は、データ取込処理を行なう場合には、連携用セッション記憶部26から抽出したデータを、前記表示位置データに基づいて、画面の対応する位置に表示させるようにする。これにより、複数のデータを異なる位置に適切に表示させて用いることができるので、より効率よく作業を行なうことができる。
【0087】
○ 上記実施形態においては、連携データ記憶部25に記憶される連携データ250は、画面に応じて取り込む取得データ項目種別及び出力データ項目種別を記録した。これに限らず、この連携データ250は、例えば、担当者の指示に応じて変更可能となるようにしてもよい。
【0088】
○ 上記実施形態においては、管理コンピュータ21は、自社出願データ記憶部22や出願公開データ記憶部23に記憶されたデータを検索した。これに限らず、例えば、鑑定書や中間処理の書類、或いはパテントファミリなどのデータをそれぞれ記憶した記憶部において検索を行なうようにしてもよい。
【0089】
○ 上記実施形態においては、本発明を特許管理に適用する場合について説明した。これに限らず、他の知的財産(意匠出願、商標出願、著作権など)を管理する場合や、その他、異なる処理において各種データを連携する場合にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】実施形態における特許管理システムの概略図。
【図2】自社出願データ記憶部のデータ構成を説明する説明図。
【図3】テーマデータ記憶部のデータ構成を説明する説明図。
【図4】連携データ記憶部のデータ構成を説明する説明図。
【図5】連携用セッション記憶部のデータ構成を説明する説明図。
【図6】業務支援メニュー画面から処理メニュー画面への移行を説明する説明図。
【図7】検索結果のデータを用いて他の検索処理を行なうときの処理手順の説明図。
【図8】データ連携処理における処理手順を説明するための流れ図。
【図9】データ取込処理における処理手順を説明するための流れ図。
【図10】検索結果のデータを用いて業務処理を行なうときの処理手順の説明図。
【図11】業務処理のデータを用いて検索処理を行なうときの処理手順の説明図。
【符号の説明】
【0091】
20…データ連携処理システムとしての特許管理サーバ、21…コンピュータとしての管理コンピュータ、22…検索対象データ記憶手段としての自社出願データ記憶部、23…検索対象データ記憶手段としての出願公開データ記憶部、24…検索対象データ記憶手段としてのテーマデータ記憶部、25…取得連携データ記憶手段及び出力連携データ記憶手段としての連携データ記憶部、26…連携用セッション記憶手段としての連携用セッション記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理種別毎に、取得するデータの取得項目を特定する取得項目種別を記憶した取得連携データ記憶手段と、
処理種別毎に、出力するデータの出力項目を特定する出力項目種別を記憶した出力連携データ記憶手段と、
先の処理において特定されたデータを、このデータの項目識別子と関連付けて記録する連携用セッション記憶手段とに接続され、後の処理にデータを受け渡すためのコンピュータを備えたデータ連携システムであって、
前記コンピュータが、
データ取得指示を受けた場合、現在の処理種別を特定し、取得すべき取得項目を、前記取得連携データ記憶手段に記録された取得項目種別に基づいて特定し、特定された前記取得項目に対応する内容データを前記処理で表示したレコードから取得し、この内容データの取得項目に関連付けて、前記連携用セッション記憶手段に記録するデータ記録手段と、
データ出力指示を受けた場合、現在の処理種別を特定し、出力すべき出力項目を、前記出力連携データ記憶手段に記録された出力項目種別を用いて特定し、特定された前記出力項目に対応する内容データを、前記連携用セッション記憶手段から取得し、現在の処理に取り込むデータ出力手段と
を備えることを特徴とするデータ連携処理システム。
【請求項2】
前記コンピュータは、複数のレコードの表示画面に、各レコードを選択するための選択ボタンを表示させるとともに、データ取得ボタンを表示させるデータ取得画面表示手段を更に備え、
前記データ記録手段は、前記選択ボタンを用いて選択されたレコードから、特定された前記取得項目に対応する内容データを取得することを特徴とする請求項1に記載のデータ連携処理システム。
【請求項3】
前記コンピュータは、検索処理の対象となるデータを記憶した検索対象データ記憶手段に接続されており、
前記データ取得画面表示手段は、前記検索対象データ記憶手段から検索を行なった検索結果のレコードを表示するための表示画面に、前記データ取得ボタンを含めて表示することを特徴とする請求項2に記載のデータ連携処理システム。
【請求項4】
前記コンピュータは、複数の検索対象データ記憶手段に接続されており、
前記データ出力手段は、先の処理において用いた検索対象データ記憶手段とは異なる検索対象データ記憶手段において、前記連携用セッション記憶手段に記録された内容データを用いて後の処理としての再検索を行なうことを特徴とする請求項3に記載のデータ連携処理システム。
【請求項5】
前記コンピュータは、業務処理を行なう業務処理手段を更に備え、前記データ出力手段は前記連携用セッション記憶手段に記録された内容データを前記業務処理手段に供給することを特徴とする請求項3又は4に記載のデータ連携処理システム。
【請求項6】
処理種別毎に、取得するデータの取得項目を特定する取得項目種別を記憶した取得連携データ記憶手段と、
処理種別毎に、出力するデータの出力項目を特定する出力項目種別を記憶した出力連携データ記憶手段と、
先の処理において特定されたデータを、このデータの項目識別子と関連付けて記録する連携用セッション記憶手段とに接続され、後の処理にデータを受け渡すためのコンピュータを用いて行なうデータ連携処理方法であって、
前記コンピュータが、
データ取得指示を受けた場合、現在の処理種別を特定し、取得すべき取得項目を、前記取得連携データ記憶手段に記録された取得項目種別に基づいて特定し、特定された前記取得項目に対応する内容データを前記処理で表示したレコードから取得し、この内容データの取得項目に関連付けて、前記連携用セッション記憶手段に記録するデータ記録段階と、
データ出力指示を受けた場合、現在の処理種別を特定し、出力すべき出力項目を、前記出力連携データ記憶手段に記録された出力項目種別を用いて特定し、特定された前記出力項目に対応する内容データを、前記連携用セッション記憶手段から取得し、現在の処理に取り込むデータ出力段階と
を実行することを特徴とするデータ連携処理方法。
【請求項7】
処理種別毎に、取得するデータの取得項目を特定する取得項目種別を記憶した取得連携データ記憶手段と、
処理種別毎に、出力するデータの出力項目を特定する出力項目種別を記憶した出力連携データ記憶手段と、
先の処理において特定されたデータを、このデータの項目識別子と関連付けて記録する連携用セッション記憶手段とに接続され、コンピュータを用いて後の処理にデータを受け渡すためのデータ連携処理プログラムであって、
前記コンピュータを、
データ取得指示を受けた場合、現在の処理種別を特定し、取得すべき取得項目を、前記取得連携データ記憶手段に記録された取得項目種別に基づいて特定し、特定された前記取得項目に対応する内容データを前記処理で表示したレコードから取得し、この内容データの取得項目に関連付けて、前記連携用セッション記憶手段に記録するデータ記録手段、及び
データ出力指示を受けた場合、現在の処理種別を特定し、出力すべき出力項目を、前記出力連携データ記憶手段に記録された出力項目種別を用いて特定し、特定された前記出力項目に対応する内容データを、前記連携用セッション記憶手段から取得し、現在の処理に取り込むデータ出力手段
として機能させることを特徴とするデータ連携処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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