説明

トイレットペーパーやティッシュペーパー(ウェットティッシュも含む)を利用した緩衝材

【課題】安価であり,可塑性に優れ,また耐衝撃性,軽量性にも優れ,分別回収の必要のない環境にとっても有益な緩衝材を提供する。
【解決手段】トイレットペーパーやティッシュペーパー(ウェットティッシュも含む)1を,ブロック状・シート状・円柱状に重ねておき,それを必要に応じた分量にして,単体または複数個並べたり,束ねたりして緩衝材として使用することにより,業者や自治体が回収する必要もなく,家庭や職場で,そのまま利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,トイレットペーパーやティッシュペーパー(ウェットティッシュも含む)を利用した緩衝材に関する。
【背景技術】
【0002】
梱包などに利用されている緩衝材には,段ボールや発泡スチロールなどの軽くて,安価な素材を原材料として使用しているものが多く,運送する物品を,様々な運送手段や運送方法,および運送時の状況等から受ける影響から守り,無事目的地まで送り届けるという目的を果たすために,広く利用されている。
【0003】
しかし,発泡スチロールは使用後にゴミとして廃棄された場合の後処理が困難であり,再利用等のリサイクルにも適さないため,緩衝材としての役割を果たしつつも環境への配慮という視点から,代替物が求められている。
【0004】
このような問題点を解決するために,例えば,特許文献1,2,3,4,5には,段ボールを有効活用し,取り外し可能な物や分解して再利用できる緩衝材の提案がなされている。
【0005】
また,非特許文献1では,段ボールを使用しない紙製緩衝材の考案がなされている。紙繊維を主体とし,バインダ及び炭酸水素塩を添加した不定形生地を型内で加熱することにより,その生地内で発生して外部へ逃げる二酸化炭素に基づき不定形生地を型内で膨張させて所定形状に成形してなる紙製緩衝材の提案がされている。
【0006】
【特許文献1】 特開2007−204116
【特許文献2】 特開2007−197014
【特許文献3】 特開2007−106455
【特許文献4】 特開2006−168810
【特許文献5】 特開2002−002813
【非特許文献1】 実登3030533
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような緩衝材において,再利用ができる物がいろいろ模索されてきているが,全ての発明・考案において,分別して回収することを前提としている物ばかりであり,回収に必要な準備のための負担を利用者に強いることが多いため,結果的に,分別のための負担を避け,そのまま廃棄し,環境にも悪影響をきたすことが決して少なくない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これに対して,緩衝材自体を家庭や職場で利用できる素材で作ることが出来れば,業者や自治体が回収する必要がないばかりか,むしろ受け取った側に喜ばれる梱包ができると考えた。
【0009】
そこで,本発明は,安価であり,可塑性にも優れ,また耐衝撃性にも優れ,軽量性にも優れ,かつ各家庭や職場でも必需品となっている,トイレットペーパーやティッシュペーパー(ウェットティッシュも含む)を利用した緩衝材を開発・製造・利用することによって,利用者にとっても,運送業者にとっても,環境にとっても有益な緩衝材を提供することを目的とするものである。
【0010】
運搬する物の大きさや重量,形状,目的に合わせて梱包できるように,トイレットペーパーやティッシュペーパー(ウェットティッシュも含む)をシート状にしたり,ブロック状にしたりするなどした製品を種類多く用意することによって,どのような梱包物にも対応できる緩衝材を提案する。
【発明の効果】
【0011】
これまで大量に出ていた荷物の搬送や引っ越しの際に出る不要となった緩衝材などの廃棄物を減らしていくことができるだけでなく,生活必需品が同梱されるため,特に引っ越し先でトイレに行くときにもすぐに重宝されることが見込まれる,荷物を届けられた顧客からも喜ばれるように考案された,利用者に優しい,という利点を持つ緩衝材を提供できる。
【0012】
荷物の梱包の際に必要とされる2つの重要なファクターである,耐衝撃性,そして軽量性,という要件を満たすだけでなく,これまでの緩衝材には無かった,新たな用途を持った商品として,業者や自治体による回収も必要としないため,ゴミ減量にも貢献できる,地球に優しい,という利点を持つ緩衝材を提供できる。
【0013】
これまで,各家庭やオフィスに届けられてきた物は,必要としていた商品以外にも,段ボールや緩衝材などの,大量の不要な梱包材があった。しかし,それを処理する手間や費用は,送られてきた各家庭やオフィスに委ねられてきたというのが実情であるが,そのまま緩衝材を生活必需品として利用できることにより,処理する手間や費用を削減できる,経済的効果が高い,という利点を持つ緩衝材を提供できる。
【0014】
運送業者や引っ越し業者にとって,緩衝材は,これまでは,荷物の梱包のときにしか必要がないため,揃えておく量やスペースも無視できないが,不要になれば,会社内で利用すればよいし,転売も可能であるため,運送業者や引っ越し業者にとっても,利用価値がある,業者にも優しい,という利点を持つだけでなく,これを利用していることにより,環境に配慮している企業であることをアピールすることができるという利点を持つ緩衝材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ティッシュペーパー(ウェットティッシュも含む)を緩衝材として利用した実施方法を示した説明図である。(実施例1)
【図2】トイレットペーパーを緩衝材として利用した実施方法を示した説明図である。(実施例2)
【図3】ティッシュペーパー(ウェットティッシュも含む)を緩衝材として利用した実施方法を示した説明図である。(実施例3)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下,本発明の実施形態を図面に基づき,説明を行う。
【実施例1】
【0017】
ティッシュペーパーをポケットティッシュのような大きさに適度な枚数分重ねた物を1セットとし,それらを適度な間隔で縦横に並べた物をパック包装しておく。その際には,ポケットティッシュとして使用できるように,1セットずつ切り離して使用するための,切り離し線用の加工を行い,同時に,ティッシュペーパーを取り出すための切り込みも入れておき,梱包する物に合わせて,切り分けて使用する。
【実施例2】
【0018】
トイレットペーパーを1ロールずつ,適度な間隔で縦横に並べた物をパック包装しておく。その際には,トイレットペーパーとして使用できるように,1ロールずつ切り離して使用するための,切り離し線用の加工を行っておき,梱包する物に合わせて,切り分けて使用する。
【実施例3】
【0019】
ティッシュペーパーを適度な枚数分重ねた物を1セットとし,それらを適度な間隔で縦横に並べた物をパック包装しておく。その際には,一般のボックスティッシュとして使用できるように,1セットずつ切り離して使用するための,切り離し線用の加工を行い,同時に,ティッシュペーパーを取り出すための切り込みも入れておき,梱包する物に合わせて,切り分けて使用する。
【商業上の利用可能性】
【0020】
現在,企業に求められているのは,「社会に貢献」と「環境問題への取り組み」である。その点で,本発明は,いずれのニーズに対しても,非常に有効であり,製品化され,導入する企業が表れれば,必ず,消費者や社会の評価は高まるはずであり,世界的にも,通用する発明であり,利用する企業は増えてくるはずである。
【符号の説明】
【0021】
1 トイレットペーパーやティッシュペーパー
2 切り離し線
3 パック包装用シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレットペーパーやティッシュペーパー(ウェットティッシュも含む)を,シート状に重ねておき,それを必要に応じた分量にして,単体または複数個並べたり,束ねたりして使用する緩衝材。
【請求項2】
トイレットペーパーやティッシュペーパー(ウェットティッシュも含む)を,円柱状に巻いておき,それを必要に応じた分量にして,単体または複数個並べたり,束ねたりして使用する緩衝材。
【請求項3】
トイレットペーパーやティッシュペーパー(ウェットティッシュも含む)を,ブロック状に重ねておき,それを必要に応じた分量にして,単体または複数個並べたり,束ねたりして使用する緩衝材。
【請求項4】
上記の物を個別に包装した物,および複数包装した物を,単体で利用したり,複数個を組み合わせて使用する緩衝材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−37512(P2011−37512A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−203096(P2009−203096)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【出願人】(509247320)
【Fターム(参考)】