トノカバー装置
【課題】車体へのトノカバーの設置に関して、荷室構成の自由度を高めることができるトノカバー装置の提供。
【解決手段】トノカバー装置100は、車体の荷室Rに設けられるトノカバー1と、このトノカバー1から引き出されたカバー体20の両側縁を保持するガイドレール5とを備え、トノカバー1は、車体に対して取外し可能に構成されている。また、車体には、トノカバー1が車体に取付けられた状態において、トノカバー1からカバー体20を引出した際にカバー体20の両側縁がガイドレール5の溝に挿入されるように、トノカバー1を車体に位置決めする位置決め手段としての凹部81が設けられている。
【解決手段】トノカバー装置100は、車体の荷室Rに設けられるトノカバー1と、このトノカバー1から引き出されたカバー体20の両側縁を保持するガイドレール5とを備え、トノカバー1は、車体に対して取外し可能に構成されている。また、車体には、トノカバー1が車体に取付けられた状態において、トノカバー1からカバー体20を引出した際にカバー体20の両側縁がガイドレール5の溝に挿入されるように、トノカバー1を車体に位置決めする位置決め手段としての凹部81が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の荷室に設けられるトノカバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の荷室に巻き取り式のカバー部材を有するトノカバーが設けられている。このトノカバーは、不使用時はシャフトやローラなどに巻き取られており、使用時は、ローラ等から引き出されて車内の側壁などに係止され、荷室に収納された荷物などを覆う。このようなトノカバーの幅方向における両側縁はそれぞれ、車内側壁などに設けられた溝条のガイドレールによって保持されている(特許文献1、2参照)。
特許文献1では、フレキシブルシャフトが設けられた座席の背面部から車体の後方端部まで、荷物室カバーを案内するガイドレールが設けられている。特許文献2においても同様に、巻取ローラが設けられた荷室の前方側端部から後方側端部まで、トノカバーを案内するガイドレールが設けられている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−34975号公報(図4、段落「0045」)
【特許文献2】特開平5−124471号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のトノカバーは車体に固定されているため、荷物に応じて後部座席を倒したり、荷室を仕切るなどして荷室の構成をアレンジする際に制約がある。
【0005】
本発明の目的は、トノカバーの設置に関して、荷室構成の自由度を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車体の荷室に設けられ荷室を覆うカバー体を引出し可能に収納したトノカバーと、このトノカバーから引き出された前記カバー体の両側縁に沿って前記車体に設けられ前記カバー体の両側縁をスライド可能に保持する溝条を有するガイドレールとを備えたトノカバー装置において、前記トノカバーは、前記車体に対して取外し可能に構成され、前記車体には、前記トノカバーが前記車体に取付けられた状態において前記トノカバーから前記カバー体を引出した際に前記カバー体の両側縁が前記ガイドレールの溝条に挿入されるように、前記トノカバーを前記車体に位置決めする位置決め手段が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、トノカバーが車体に対して取外し可能に構成されているので、トノカバーを車体から取外した際に、荷室側に座席を倒したり荷室を前後や左右に仕切ることなどが自在であり、荷室構成の自由度を高めることができる。
また、位置決め手段によりトノカバーが車体に位置決めされるので、トノカバーからカバー体を引出した際に、カバー体の両側縁をガイドレールの溝条に挿入し易く、取扱性を向上させることができる。
【0008】
前記位置決め手段は、前記トノカバーの端部が配置される凹部とされていることが好ましい。
【0009】
この発明によれば、車体の凹部にトノカバーを配置することにより、トノカバーが車体に対して位置決めされるため、このような凹部によって位置決め手段を簡略に構成できる。
また、凹部への配置によってトノカバーが車体に取付けられるので、車体に対するトノカバーの取外しおよび取付けを容易化できる。
【0010】
前記ガイドレールの前記位置決め手段側の端部における上面側および下面側の少なくとも一方には、切欠が形成され、前記カバー体の側縁は、当該カバー体が前記トノカバーに収納された状態において、前記切欠に露出することが好ましい。
【0011】
この発明によれば、ガイドレールの端部が切欠によって開放された上面側や下面側から、トノカバーを車体に取付け、あるいは車体から取外すことにより、カバー体の端部がガイドレールに干渉することを回避できる。これにより、トノカバーが車体に取付けられている位置に近接してガイドレールが設けられていても、トノカバーを車体から容易に取外しできる。更に、ガイドレールの上面側に切り欠き部が形成されている場合は、操作者がトノカバーを引き出す際、目視しながら引き出すことができるので、簡単にトノカバーの一部をガイドレールの溝条に通すことができる。
【0012】
前記ガイドレールの前記位置決め手段側の端部における溝幅は、当該ガイドレールの端縁側に向かって次第に拡開していることが好ましい。
この発明によれば、ガイドレールの端縁から、溝の内側にカバー体が挿入され易い。
尚、溝幅とは、引き出された状態のカバー体の表面(又は裏面)に対して垂直な方向における当該溝の寸法を指す。
【0013】
前記カバー体は、シート部材と、このシート部材の側縁に設けられて前記ガイドレールの溝内部に保持される被保持部とを有し、前記被保持部は、前記シート部材の厚みよりも厚いことが好ましい。
【0014】
この発明によれば、シート部材に被保持部が設けられることにより、カバー体の側縁における厚みが増しているので、ガイドレールの溝にカバー体の側縁が挿入される際、カバー体の側縁がシート部材である場合と比べて、溝に対するカバー体の位置が決まりやすい。このため、カバー体側縁のガイドレールへの挿入が一層容易となる。
また、被保持部の厚みが大きいので、シート部材側の剛性が高くなり、また、ガイドレールの溝内部における被保持部とガイドレールとの接触面が小さくなるので、カバー体のたるみやばたつきを防止できるとともに、荷室の遮光や、荷室の外部への露出防止、車内の冷暖房効率の向上が図られる。
なお、このような被保持部がカバー体の側縁に設けられることで、ガイドレールに直接保持されないシート部材を薄くすることが可能となるため、カバー体が収納されるトノカバー全体を小型化できる。
【0015】
前記ガイドレールの溝条における開口側の幅寸法は奥部側の幅寸法よりも狭く、前記被保持部は、前記開口側の幅寸法よりも厚く、前記奥部側の幅寸法よりも薄いことが好ましい。
【0016】
この発明によれば、ガイドレールの開口よりも奥部側に被保持部を安定して保持できるので、カバー体のたるみやばたつきをより確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以降の説明では、既に説明した構成と略同様の構成については、同一符号を付して説明を省略または簡略する。
図1は、本実施形態のトノカバー装置100を車体とともに示す。トノカバー装置100は、車両の座席後方の荷室Rを覆うトノカバー1と、車体の幅方向両側の内装部8にそれぞれ設けられる一対のガイドレール5とを備える。
【0018】
図2は、トノカバー1の斜視図である。トノカバー1は、カバー体20と、カバー体20を引出し可能に収納するケース10とを備えている。
【0019】
ケース10は、カバー体20が収納される箱状の本体11と、本体11の両端部にそれぞれ設けられる一対のスライドカバー12とを有する。本体11の内部には、図示を省略するが、カバー体20が巻回される軸部(巻回軸X参照)、およびカバー体20を軸部に巻き取る方向に付勢するバネが設けられている。また、本体11の一側面には、カバー体20が引き出される開口部111が形成されている。
【0020】
スライドカバー12は、上面側と下面側とにそれぞれ形成される長孔121を介して、本体11の外周にネジ122で取付けられており、スライドカバー12の内側において、本体11の端部との間にスプリング123(図5)を内蔵する。すなわち、スライドカバー12は、本体11に対して巻回軸Xの方向にスライド可能とされ、スプリング123により、巻回軸Xの両端側に向かって付勢されている。
【0021】
カバー体20は、シート部材21と、シート部材21の幅方向における両側縁に沿ってそれぞれ設けられるテープ22と、カバー体20をケース10から引き出す際の持ち手23と、カバー体20が引き出された際にガイドレール5の端部に係止されるストッパ24とを有する。カバー体20の本体11側の端部(基端)は、図示しない軸部に取付けられ、カバー体20は、この軸部に巻回された状態でケース10に収納されている。なお、ケース10への収納時、持ち手23が設けられたカバー体20の端部(先端)は開口部111の外側に係止される。
【0022】
テープ22は、その長手方向側縁部がシート部材21の側縁部に縫製、接着などの手段によって取付けられ、シート部材21に取付けられた側と反対側の側縁部に、ガイドレール5に挿入される被保持部221を有する。この被保持部221としては、テープ22やシート部材21の厚みよりも厚く、テープ22の面外方向に膨出する部位がテープ22の長手方向に連続して形成され、又は断続的に形成された部材を適宜使用できるが、本実施形態の被保持部221には、通常一対の咬合部を有するファスナー部材の一方の咬合部のみ(一のファスナーエレメント又はファスナーストリンガー)が転用されている。
ここで、被保持部221に使用可能な部材として、スライドファスナーエレメントの中でも特にコイルファスナーエレメント、ジグザグファスナーエレメントのような、線条ファスナーエレメントが好適である。これらの線条ファスナーエレメントは一定の弾性力を持ち、かつ、各エレメントが連続に形成されているので、ガイドレール5によって良好にガイド可能となる。また、被保持部221をファスナーエレメントとして説明したが、ファスナーエレメントを使用した場合は当然のごとく咬合頭部は必要ない。また、ファスナーエレメント以外でも連続または断続的に形成され、シート部材21を巻回可能な程度の剛性を持つ膨出部であれば、被保持部の構成として任意に採用し得る。
また、テープ22の持ち手23側の端部には、カバー体20が引き出されるY方向に突出する突出片222が被保持部221に隣接して設けられている。
【0023】
持ち手23は、シート部材21から凸円弧状に連設される中央部231(図4)と、中央部231の横幅方向両側に設けられるコーナー部232とを有し、持ち手23全体の横幅は、シート部材21両側の被保持部221と被保持部221との間に納まっている。
ストッパ24は、シート部材21の持ち手23側の端部において、横幅方向両側に一対が設けられ、これらは、横幅方向外側に向かってそれぞれ突出する。これらのストッパ24は、カバー体20がケース10の内側に巻き取られた際にケース10の側面に係止され、これによってケース10の外側に持ち手23が維持される。また、カバー体20が車体の後方端部まで引き出された際、ガイドレール5の車体後方側の端面にストッパ24が係止され、これによってカバー体20が引き出された状態に維持される。
【0024】
図1に戻り、車体の幅方向両側の内装部8にはそれぞれ、側面視矩形状の凹部81が形成されている。これらの凹部81にトノカバー1のケース10の両端部がそれぞれ配置される。これらの凹部81は、トノカバー1の車体に対する位置決め手段となっている。
ガイドレール5は、凹部81の近傍から車体の後方端部まで延びており、トノカバー1のカバー体20をスライド可能に保持する。
【0025】
図3に、ガイドレール5の端部を示したように、ガイドレール5は、断面略C字状の溝条であり、内装部8の側面にブラケット85により取付けられている。このガイドレール5の溝51に、カバー体20の側縁をなす被保持部221が保持される。この溝51の開口側の溝幅w1は奥部側の溝幅w2よりも狭い。前述したカバー体20の被保持部221の厚みは、開口側の溝幅w1よりも厚く、奥部側の溝幅w2よりも薄いため、被保持部221はガイドレール5の凹部81側の端部から溝51の奥部に挿入される。
【0026】
また、ガイドレール5の凹部81側の端部における上面部5Aには、矩形状の切欠52が形成され、この切欠52によって溝51が上方に開放されている。さらに、ガイドレール5の上面部5Aの内側及び/又は側壁内側の一部には、凹部81側の肉厚が薄くなるように、溝51の延出方向に対して傾斜する傾斜部53が形成されており、この傾斜部53により、ガイドレール5の端部における溝幅Wが次第に拡開されている。
【0027】
次に、トノカバー1の使用について図4〜図7を参照して説明する。図4には、車体に設置されたトノカバー1のカバー体20がY方向に引き出される様子を示した。
トノカバー1は、車体に対して取外し可能とされており、後方座席を倒す際など、トノカバー1を使用しない際は、車体から取外されている。トノカバー1を車体に取付ける際は、図5(A)に示すように、スライドカバー12をスプリング123の付勢力に抗して本体11側にスライドさせてから、図5(B)に示すように、内装部8の凹部81にケース10の端部を設置する。これにより、ケース10の両端部はそれぞれ、スプリング123で付勢された状態で凹部81に係止される。
【0028】
図6(A)〜(C)は、トノカバー1と、ガイドレール5との位置関係を示す。トノカバー1のケース10が凹部81(図4)に配置されると、図6(A)に示すように、ガイドレール5に対してトノカバー1が位置決めされる。すなわち、ケース10からカバー体20を引き出した際にカバー体20の被保持部221が溝51に正対し、当該溝51に挿入されるように位置決めがされるので、持ち手23を引くことにより順次、図6(B)、図6(C)のようにカバー体20の側縁がガイドレール5により車体後方に案内される。
【0029】
ここで、カバー体20が引き出される方向Yに沿ってカバー体20端部の突出片222が延びているので、この突出片222に倣って、被保持部221が溝51に挿入される。また、被保持部221はシート部材21やテープ22よりも厚いため、図6(B)のように被保持部221が切欠52を通過する際、溝51に対する位置が決まりやすく、溝51の中に被保持部221が挿入され易い。
加えて、溝幅W(w1及び/又はw2)が傾斜部53により拡開されていることから、溝51の内部に被保持部221を容易に挿入することができる。そして、溝51の開口側の幅w1が奥部側の幅w2よりも狭いため、溝51の奥部に被保持部221を安定して保持できる。
【0030】
図7に、カバー体20およびガイドレール5の断面を示した。カバー体20が引き出されることに伴い、ガイドレール5の上端面をストッパ24が摺動する。そして、ガイドレール5の車体後方側の端部までカバー体20が引き出されると(図4実線の状態)、図7に二点差線で示したように、ガイドレール5の端面にストッパ24が係止される。
【0031】
トノカバー1を片付ける際は、持ち手23によりストッパ24をガイドレール5の端面から外すと、カバー体20がケース10内部に巻き取られる。また、車体からトノカバーを取外す際には、図5(B)、図5(A)の手順でケース10を凹部81から取外す。この際、ガイドレール5の端部が切欠52によって上面側に開放されているので、カバー体20がガイドレール5の端部に干渉せず、ケース10を凹部81から簡単に取外すことができる。
【0032】
本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が許容される。
【0033】
〔変形例1〕
図8は、本発明の第1変形例にかかるトノカバー装置200を示し、このトノカバー装置200では、車体の内装部9に、トノカバー1の両端部を載置する位置決め手段としての凹部91が形成されている。前記実施形態における凹部81(図3、図4)とは相違し、本変形例の凹部91は、側方および上方が開口されている。このため、トノカバー1を凹部91の側方からだけでなく、上方からも着脱できる。
なお、車体にこのような凹部91が形成される場合は、トノカバー1にスライドカバー12およびスプリング123(図5)が設けられていなくてもよく、この場合、本体11が直接凹部91に配置される。
【0034】
〔変形例2〕
次に、図9、図10は、本発明の第2変形例にかかるトノカバー装置300を示し、このトノカバー装置300では、トノカバー1が設置される凹部91近傍となるガイドレール6の端部に、前記実施形態のように切欠52(図4)が形成されていない。また、図10に示すように、ガイドレール6の溝61の内側には前記実施形態のように傾斜部53(図6)が形成されておらず、ガイドレール6は、一端から他端まで略C字の同一断面形状となっている。このような構成でも、図10(A)に示すように、ケース10が凹部91(図9)に配置されることによってカバー体20がガイドレール6に対して位置決めされ、持ち手23を引き出すことで図10(B)のように被保持部221が溝61に挿入される。また、ケース10を凹部91から上方に持ち上げることにより、トノカバー1を車体から容易に取外し、取付けできる。
【0035】
以上、本発明を実施するための最良の構成について具体的に説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形および改良を加えることができるものである。
上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明のトノカバー装置は、各種車両の荷室に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態のトノカバー装置を車体と共に示す斜視図。
【図2】前記実施形態におけるトノカバーを示す斜視図。
【図3】前記実施形態における車体内装部およびガイドレールを示す斜視図。
【図4】前記実施形態のトノカバー装置の使用状態を示す上面図。
【図5】前記実施形態のトノカバーを車体内装部に取付ける手順を示す図。
【図6】前記実施形態におけるトノカバーとガイドレールとの位置関係を示す側断面図。
【図7】前記実施形態のトノカバーおよびガイドレールの断面図。
【図8】本発明の第1変形例を示す上面図。
【図9】本発明の第2変形例を示す上面図。
【図10】前記変形例における側断面図。
【符号の説明】
【0038】
100,200,300・・・トノカバー装置、1・・・トノカバー、5,6・・・ガイドレール、8・・・内装部(車体の一部)、20・・・カバー体、51,61・・・溝、52・・・切欠、81,91・・・凹部(位置決め手段)、221・・・被保持部、R・・・荷室、W・・・溝幅、w1・・・開口側の幅、w2・・・奥部側の幅。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の荷室に設けられるトノカバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の荷室に巻き取り式のカバー部材を有するトノカバーが設けられている。このトノカバーは、不使用時はシャフトやローラなどに巻き取られており、使用時は、ローラ等から引き出されて車内の側壁などに係止され、荷室に収納された荷物などを覆う。このようなトノカバーの幅方向における両側縁はそれぞれ、車内側壁などに設けられた溝条のガイドレールによって保持されている(特許文献1、2参照)。
特許文献1では、フレキシブルシャフトが設けられた座席の背面部から車体の後方端部まで、荷物室カバーを案内するガイドレールが設けられている。特許文献2においても同様に、巻取ローラが設けられた荷室の前方側端部から後方側端部まで、トノカバーを案内するガイドレールが設けられている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−34975号公報(図4、段落「0045」)
【特許文献2】特開平5−124471号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のトノカバーは車体に固定されているため、荷物に応じて後部座席を倒したり、荷室を仕切るなどして荷室の構成をアレンジする際に制約がある。
【0005】
本発明の目的は、トノカバーの設置に関して、荷室構成の自由度を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車体の荷室に設けられ荷室を覆うカバー体を引出し可能に収納したトノカバーと、このトノカバーから引き出された前記カバー体の両側縁に沿って前記車体に設けられ前記カバー体の両側縁をスライド可能に保持する溝条を有するガイドレールとを備えたトノカバー装置において、前記トノカバーは、前記車体に対して取外し可能に構成され、前記車体には、前記トノカバーが前記車体に取付けられた状態において前記トノカバーから前記カバー体を引出した際に前記カバー体の両側縁が前記ガイドレールの溝条に挿入されるように、前記トノカバーを前記車体に位置決めする位置決め手段が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、トノカバーが車体に対して取外し可能に構成されているので、トノカバーを車体から取外した際に、荷室側に座席を倒したり荷室を前後や左右に仕切ることなどが自在であり、荷室構成の自由度を高めることができる。
また、位置決め手段によりトノカバーが車体に位置決めされるので、トノカバーからカバー体を引出した際に、カバー体の両側縁をガイドレールの溝条に挿入し易く、取扱性を向上させることができる。
【0008】
前記位置決め手段は、前記トノカバーの端部が配置される凹部とされていることが好ましい。
【0009】
この発明によれば、車体の凹部にトノカバーを配置することにより、トノカバーが車体に対して位置決めされるため、このような凹部によって位置決め手段を簡略に構成できる。
また、凹部への配置によってトノカバーが車体に取付けられるので、車体に対するトノカバーの取外しおよび取付けを容易化できる。
【0010】
前記ガイドレールの前記位置決め手段側の端部における上面側および下面側の少なくとも一方には、切欠が形成され、前記カバー体の側縁は、当該カバー体が前記トノカバーに収納された状態において、前記切欠に露出することが好ましい。
【0011】
この発明によれば、ガイドレールの端部が切欠によって開放された上面側や下面側から、トノカバーを車体に取付け、あるいは車体から取外すことにより、カバー体の端部がガイドレールに干渉することを回避できる。これにより、トノカバーが車体に取付けられている位置に近接してガイドレールが設けられていても、トノカバーを車体から容易に取外しできる。更に、ガイドレールの上面側に切り欠き部が形成されている場合は、操作者がトノカバーを引き出す際、目視しながら引き出すことができるので、簡単にトノカバーの一部をガイドレールの溝条に通すことができる。
【0012】
前記ガイドレールの前記位置決め手段側の端部における溝幅は、当該ガイドレールの端縁側に向かって次第に拡開していることが好ましい。
この発明によれば、ガイドレールの端縁から、溝の内側にカバー体が挿入され易い。
尚、溝幅とは、引き出された状態のカバー体の表面(又は裏面)に対して垂直な方向における当該溝の寸法を指す。
【0013】
前記カバー体は、シート部材と、このシート部材の側縁に設けられて前記ガイドレールの溝内部に保持される被保持部とを有し、前記被保持部は、前記シート部材の厚みよりも厚いことが好ましい。
【0014】
この発明によれば、シート部材に被保持部が設けられることにより、カバー体の側縁における厚みが増しているので、ガイドレールの溝にカバー体の側縁が挿入される際、カバー体の側縁がシート部材である場合と比べて、溝に対するカバー体の位置が決まりやすい。このため、カバー体側縁のガイドレールへの挿入が一層容易となる。
また、被保持部の厚みが大きいので、シート部材側の剛性が高くなり、また、ガイドレールの溝内部における被保持部とガイドレールとの接触面が小さくなるので、カバー体のたるみやばたつきを防止できるとともに、荷室の遮光や、荷室の外部への露出防止、車内の冷暖房効率の向上が図られる。
なお、このような被保持部がカバー体の側縁に設けられることで、ガイドレールに直接保持されないシート部材を薄くすることが可能となるため、カバー体が収納されるトノカバー全体を小型化できる。
【0015】
前記ガイドレールの溝条における開口側の幅寸法は奥部側の幅寸法よりも狭く、前記被保持部は、前記開口側の幅寸法よりも厚く、前記奥部側の幅寸法よりも薄いことが好ましい。
【0016】
この発明によれば、ガイドレールの開口よりも奥部側に被保持部を安定して保持できるので、カバー体のたるみやばたつきをより確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以降の説明では、既に説明した構成と略同様の構成については、同一符号を付して説明を省略または簡略する。
図1は、本実施形態のトノカバー装置100を車体とともに示す。トノカバー装置100は、車両の座席後方の荷室Rを覆うトノカバー1と、車体の幅方向両側の内装部8にそれぞれ設けられる一対のガイドレール5とを備える。
【0018】
図2は、トノカバー1の斜視図である。トノカバー1は、カバー体20と、カバー体20を引出し可能に収納するケース10とを備えている。
【0019】
ケース10は、カバー体20が収納される箱状の本体11と、本体11の両端部にそれぞれ設けられる一対のスライドカバー12とを有する。本体11の内部には、図示を省略するが、カバー体20が巻回される軸部(巻回軸X参照)、およびカバー体20を軸部に巻き取る方向に付勢するバネが設けられている。また、本体11の一側面には、カバー体20が引き出される開口部111が形成されている。
【0020】
スライドカバー12は、上面側と下面側とにそれぞれ形成される長孔121を介して、本体11の外周にネジ122で取付けられており、スライドカバー12の内側において、本体11の端部との間にスプリング123(図5)を内蔵する。すなわち、スライドカバー12は、本体11に対して巻回軸Xの方向にスライド可能とされ、スプリング123により、巻回軸Xの両端側に向かって付勢されている。
【0021】
カバー体20は、シート部材21と、シート部材21の幅方向における両側縁に沿ってそれぞれ設けられるテープ22と、カバー体20をケース10から引き出す際の持ち手23と、カバー体20が引き出された際にガイドレール5の端部に係止されるストッパ24とを有する。カバー体20の本体11側の端部(基端)は、図示しない軸部に取付けられ、カバー体20は、この軸部に巻回された状態でケース10に収納されている。なお、ケース10への収納時、持ち手23が設けられたカバー体20の端部(先端)は開口部111の外側に係止される。
【0022】
テープ22は、その長手方向側縁部がシート部材21の側縁部に縫製、接着などの手段によって取付けられ、シート部材21に取付けられた側と反対側の側縁部に、ガイドレール5に挿入される被保持部221を有する。この被保持部221としては、テープ22やシート部材21の厚みよりも厚く、テープ22の面外方向に膨出する部位がテープ22の長手方向に連続して形成され、又は断続的に形成された部材を適宜使用できるが、本実施形態の被保持部221には、通常一対の咬合部を有するファスナー部材の一方の咬合部のみ(一のファスナーエレメント又はファスナーストリンガー)が転用されている。
ここで、被保持部221に使用可能な部材として、スライドファスナーエレメントの中でも特にコイルファスナーエレメント、ジグザグファスナーエレメントのような、線条ファスナーエレメントが好適である。これらの線条ファスナーエレメントは一定の弾性力を持ち、かつ、各エレメントが連続に形成されているので、ガイドレール5によって良好にガイド可能となる。また、被保持部221をファスナーエレメントとして説明したが、ファスナーエレメントを使用した場合は当然のごとく咬合頭部は必要ない。また、ファスナーエレメント以外でも連続または断続的に形成され、シート部材21を巻回可能な程度の剛性を持つ膨出部であれば、被保持部の構成として任意に採用し得る。
また、テープ22の持ち手23側の端部には、カバー体20が引き出されるY方向に突出する突出片222が被保持部221に隣接して設けられている。
【0023】
持ち手23は、シート部材21から凸円弧状に連設される中央部231(図4)と、中央部231の横幅方向両側に設けられるコーナー部232とを有し、持ち手23全体の横幅は、シート部材21両側の被保持部221と被保持部221との間に納まっている。
ストッパ24は、シート部材21の持ち手23側の端部において、横幅方向両側に一対が設けられ、これらは、横幅方向外側に向かってそれぞれ突出する。これらのストッパ24は、カバー体20がケース10の内側に巻き取られた際にケース10の側面に係止され、これによってケース10の外側に持ち手23が維持される。また、カバー体20が車体の後方端部まで引き出された際、ガイドレール5の車体後方側の端面にストッパ24が係止され、これによってカバー体20が引き出された状態に維持される。
【0024】
図1に戻り、車体の幅方向両側の内装部8にはそれぞれ、側面視矩形状の凹部81が形成されている。これらの凹部81にトノカバー1のケース10の両端部がそれぞれ配置される。これらの凹部81は、トノカバー1の車体に対する位置決め手段となっている。
ガイドレール5は、凹部81の近傍から車体の後方端部まで延びており、トノカバー1のカバー体20をスライド可能に保持する。
【0025】
図3に、ガイドレール5の端部を示したように、ガイドレール5は、断面略C字状の溝条であり、内装部8の側面にブラケット85により取付けられている。このガイドレール5の溝51に、カバー体20の側縁をなす被保持部221が保持される。この溝51の開口側の溝幅w1は奥部側の溝幅w2よりも狭い。前述したカバー体20の被保持部221の厚みは、開口側の溝幅w1よりも厚く、奥部側の溝幅w2よりも薄いため、被保持部221はガイドレール5の凹部81側の端部から溝51の奥部に挿入される。
【0026】
また、ガイドレール5の凹部81側の端部における上面部5Aには、矩形状の切欠52が形成され、この切欠52によって溝51が上方に開放されている。さらに、ガイドレール5の上面部5Aの内側及び/又は側壁内側の一部には、凹部81側の肉厚が薄くなるように、溝51の延出方向に対して傾斜する傾斜部53が形成されており、この傾斜部53により、ガイドレール5の端部における溝幅Wが次第に拡開されている。
【0027】
次に、トノカバー1の使用について図4〜図7を参照して説明する。図4には、車体に設置されたトノカバー1のカバー体20がY方向に引き出される様子を示した。
トノカバー1は、車体に対して取外し可能とされており、後方座席を倒す際など、トノカバー1を使用しない際は、車体から取外されている。トノカバー1を車体に取付ける際は、図5(A)に示すように、スライドカバー12をスプリング123の付勢力に抗して本体11側にスライドさせてから、図5(B)に示すように、内装部8の凹部81にケース10の端部を設置する。これにより、ケース10の両端部はそれぞれ、スプリング123で付勢された状態で凹部81に係止される。
【0028】
図6(A)〜(C)は、トノカバー1と、ガイドレール5との位置関係を示す。トノカバー1のケース10が凹部81(図4)に配置されると、図6(A)に示すように、ガイドレール5に対してトノカバー1が位置決めされる。すなわち、ケース10からカバー体20を引き出した際にカバー体20の被保持部221が溝51に正対し、当該溝51に挿入されるように位置決めがされるので、持ち手23を引くことにより順次、図6(B)、図6(C)のようにカバー体20の側縁がガイドレール5により車体後方に案内される。
【0029】
ここで、カバー体20が引き出される方向Yに沿ってカバー体20端部の突出片222が延びているので、この突出片222に倣って、被保持部221が溝51に挿入される。また、被保持部221はシート部材21やテープ22よりも厚いため、図6(B)のように被保持部221が切欠52を通過する際、溝51に対する位置が決まりやすく、溝51の中に被保持部221が挿入され易い。
加えて、溝幅W(w1及び/又はw2)が傾斜部53により拡開されていることから、溝51の内部に被保持部221を容易に挿入することができる。そして、溝51の開口側の幅w1が奥部側の幅w2よりも狭いため、溝51の奥部に被保持部221を安定して保持できる。
【0030】
図7に、カバー体20およびガイドレール5の断面を示した。カバー体20が引き出されることに伴い、ガイドレール5の上端面をストッパ24が摺動する。そして、ガイドレール5の車体後方側の端部までカバー体20が引き出されると(図4実線の状態)、図7に二点差線で示したように、ガイドレール5の端面にストッパ24が係止される。
【0031】
トノカバー1を片付ける際は、持ち手23によりストッパ24をガイドレール5の端面から外すと、カバー体20がケース10内部に巻き取られる。また、車体からトノカバーを取外す際には、図5(B)、図5(A)の手順でケース10を凹部81から取外す。この際、ガイドレール5の端部が切欠52によって上面側に開放されているので、カバー体20がガイドレール5の端部に干渉せず、ケース10を凹部81から簡単に取外すことができる。
【0032】
本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が許容される。
【0033】
〔変形例1〕
図8は、本発明の第1変形例にかかるトノカバー装置200を示し、このトノカバー装置200では、車体の内装部9に、トノカバー1の両端部を載置する位置決め手段としての凹部91が形成されている。前記実施形態における凹部81(図3、図4)とは相違し、本変形例の凹部91は、側方および上方が開口されている。このため、トノカバー1を凹部91の側方からだけでなく、上方からも着脱できる。
なお、車体にこのような凹部91が形成される場合は、トノカバー1にスライドカバー12およびスプリング123(図5)が設けられていなくてもよく、この場合、本体11が直接凹部91に配置される。
【0034】
〔変形例2〕
次に、図9、図10は、本発明の第2変形例にかかるトノカバー装置300を示し、このトノカバー装置300では、トノカバー1が設置される凹部91近傍となるガイドレール6の端部に、前記実施形態のように切欠52(図4)が形成されていない。また、図10に示すように、ガイドレール6の溝61の内側には前記実施形態のように傾斜部53(図6)が形成されておらず、ガイドレール6は、一端から他端まで略C字の同一断面形状となっている。このような構成でも、図10(A)に示すように、ケース10が凹部91(図9)に配置されることによってカバー体20がガイドレール6に対して位置決めされ、持ち手23を引き出すことで図10(B)のように被保持部221が溝61に挿入される。また、ケース10を凹部91から上方に持ち上げることにより、トノカバー1を車体から容易に取外し、取付けできる。
【0035】
以上、本発明を実施するための最良の構成について具体的に説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形および改良を加えることができるものである。
上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明のトノカバー装置は、各種車両の荷室に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態のトノカバー装置を車体と共に示す斜視図。
【図2】前記実施形態におけるトノカバーを示す斜視図。
【図3】前記実施形態における車体内装部およびガイドレールを示す斜視図。
【図4】前記実施形態のトノカバー装置の使用状態を示す上面図。
【図5】前記実施形態のトノカバーを車体内装部に取付ける手順を示す図。
【図6】前記実施形態におけるトノカバーとガイドレールとの位置関係を示す側断面図。
【図7】前記実施形態のトノカバーおよびガイドレールの断面図。
【図8】本発明の第1変形例を示す上面図。
【図9】本発明の第2変形例を示す上面図。
【図10】前記変形例における側断面図。
【符号の説明】
【0038】
100,200,300・・・トノカバー装置、1・・・トノカバー、5,6・・・ガイドレール、8・・・内装部(車体の一部)、20・・・カバー体、51,61・・・溝、52・・・切欠、81,91・・・凹部(位置決め手段)、221・・・被保持部、R・・・荷室、W・・・溝幅、w1・・・開口側の幅、w2・・・奥部側の幅。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の荷室(R)に設けられ荷室(R)を覆うカバー体(20)を引出し可能に収納したトノカバー(1)と、このトノカバー(1)から引き出された前記カバー体(20)の両側縁に沿って前記車体(8)に設けられ前記カバー体(20)の両側縁をスライド可能に保持する溝条を有するガイドレール(5,6)とを備えたトノカバー装置(100,200,300)において、
前記トノカバー(1)は、前記車体(8)に対して取外し可能に構成され、
前記車体(8)には、前記トノカバー(1)が前記車体(8)に取付けられた状態において前記トノカバー(1)から前記カバー体(20)を引出した際に前記カバー体(20)の両側縁が前記ガイドレール(5,6)の溝条に挿入されるように、前記トノカバー(1)を前記車体(8)に位置決めする位置決め手段(81,91)が設けられている
ことを特徴とするトノカバー装置(100,200,300)。
【請求項2】
前記位置決め手段は、前記トノカバー(1)の端部が配置される凹部(81,91)とされている
ことを特徴とする請求項1に記載のトノカバー装置(100,200,300)。
【請求項3】
前記ガイドレール(5)の前記位置決め手段(81,91)側の端部における上面側および下面側の少なくとも一方には、切欠(52)が形成され、
前記カバー体(20)の側縁は、当該カバー体(20)が前記トノカバー(1)に収納された状態において、前記切欠(52)に露出する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のトノカバー装置(100,200)。
【請求項4】
前記ガイドレール(5)の前記位置決め手段(81,91)側の端部における溝幅(W)は、当該ガイドレール(5)の端縁側に向かって次第に拡開している
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のトノカバー装置(100,200)。
【請求項5】
前記カバー体(20)は、シート部材(21)と、このシート部材(21)の側縁に設けられて前記ガイドレール(5,6)の溝(51,61)内部に保持される被保持部(221)とを有し、
前記被保持部(221)は、前記シート部材(21)の厚みよりも厚い
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のトノカバー装置(100,200,300)。
【請求項6】
前記ガイドレール(5,6)の溝条における開口側の幅寸法(w1)は奥部側の幅寸法(w2)よりも狭く、
前記被保持部(221)は、前記開口側の幅寸法(w1)よりも厚く、前記奥部側の幅寸法(w2)よりも薄い
ことを特徴とする請求項5に記載のトノカバー装置(100,200,300)。
【請求項1】
車体の荷室(R)に設けられ荷室(R)を覆うカバー体(20)を引出し可能に収納したトノカバー(1)と、このトノカバー(1)から引き出された前記カバー体(20)の両側縁に沿って前記車体(8)に設けられ前記カバー体(20)の両側縁をスライド可能に保持する溝条を有するガイドレール(5,6)とを備えたトノカバー装置(100,200,300)において、
前記トノカバー(1)は、前記車体(8)に対して取外し可能に構成され、
前記車体(8)には、前記トノカバー(1)が前記車体(8)に取付けられた状態において前記トノカバー(1)から前記カバー体(20)を引出した際に前記カバー体(20)の両側縁が前記ガイドレール(5,6)の溝条に挿入されるように、前記トノカバー(1)を前記車体(8)に位置決めする位置決め手段(81,91)が設けられている
ことを特徴とするトノカバー装置(100,200,300)。
【請求項2】
前記位置決め手段は、前記トノカバー(1)の端部が配置される凹部(81,91)とされている
ことを特徴とする請求項1に記載のトノカバー装置(100,200,300)。
【請求項3】
前記ガイドレール(5)の前記位置決め手段(81,91)側の端部における上面側および下面側の少なくとも一方には、切欠(52)が形成され、
前記カバー体(20)の側縁は、当該カバー体(20)が前記トノカバー(1)に収納された状態において、前記切欠(52)に露出する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のトノカバー装置(100,200)。
【請求項4】
前記ガイドレール(5)の前記位置決め手段(81,91)側の端部における溝幅(W)は、当該ガイドレール(5)の端縁側に向かって次第に拡開している
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のトノカバー装置(100,200)。
【請求項5】
前記カバー体(20)は、シート部材(21)と、このシート部材(21)の側縁に設けられて前記ガイドレール(5,6)の溝(51,61)内部に保持される被保持部(221)とを有し、
前記被保持部(221)は、前記シート部材(21)の厚みよりも厚い
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のトノカバー装置(100,200,300)。
【請求項6】
前記ガイドレール(5,6)の溝条における開口側の幅寸法(w1)は奥部側の幅寸法(w2)よりも狭く、
前記被保持部(221)は、前記開口側の幅寸法(w1)よりも厚く、前記奥部側の幅寸法(w2)よりも薄い
ことを特徴とする請求項5に記載のトノカバー装置(100,200,300)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2007−261464(P2007−261464A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−90358(P2006−90358)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000006828)YKK株式会社 (263)
【出願人】(000133065)株式会社タケヒロ (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000006828)YKK株式会社 (263)
【出願人】(000133065)株式会社タケヒロ (16)
【Fターム(参考)】
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