説明

トラック等貨物自動車の尾灯装置

【課題】 取扱い上好適にして、しかも、灯器の交換を容易に行える、トラック等の貨物自動車の尾灯装置を提供する。
【解決手段】 トラック等の貨物自動車の車体B後部に取付ける装置基枠Aaに適宜数の方形状の取付窓6を設け、該取付窓6に方形箱体状の灯器Lを嵌脱可能に組付ける。そして、前記取付窓6の相対する内側面に装置基枠の前後方向にして凹入部10を設け、前記取付窓6に灯器Lを取付けたとき、該凹入部10の底面に圧接する弾性係止片3を、その基端を前記取付窓6の前方側に配して灯器Lの相対する外側面に装置する。また、係止片3の先端には、前記装置基枠Aaに前記灯器Lを組付けたとき、装置基枠の後面に係止する係止爪を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラック等の貨物自動車の尾灯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板にランプボディ(ランプを支持する)を一体に設け、該ランプボディの前面開口をレンズを覆って成り、車体に対して前記基板に設けたブラケットをねじ止めした態様としたのが一般である(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平6−262977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来構造のものは、要するに車体に取付ける基板(材)にランプボディ(灯器)を一体に組込んであるので、車体との着脱は、基板とボディが常に一体になっている点で、重量が嵩み、また、形態的に煩雑であり、ボディの破損に対しては全体を取り替える必要がある等取扱い上、必ずしも満足のできるものではない。
【0005】
本発明は、取扱い上、好適にして、しかも、灯器の交換を容易に行える尾灯装置を提供すべく創案したものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
トラック等の貨物自動車の車体後部に取付ける装置基枠に適宜数の方形状の取付窓を設け、該取付窓に方形立方状の灯器を嵌脱可能に組付けた、ことを基本的手段とし、具体的には前記取付窓の相対する内側面に装置基枠の前後方向にして凹入部を設け、前記取付窓に灯器を取付けたとき、該凹入部の底面に圧接する弾性係止片を、その基端を前記取付窓の前方側に配して灯器の相対する側面に装置し、該係止片の先端には、前記装置基枠に前記灯器を組付けたとき、装置基枠の後面に係止する係止爪を設けた、構成としたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車体後部に装置基枠を取付けておくだけで、目的に適う灯器を自在に組付け、或いは、取替えを行うことができ、灯器自体の故障、ランプ(バルブ、ライト)の取替えにも簡単に対処できる尾灯装置を提供できる。
【0008】
また、灯器の装置基枠に対する組付けにしても、灯器側の係止片の弾性を利用して装置基枠に組付けられるので操作が簡単で、組付け状態は係止爪の装置基枠の係止によって確実に維持し、灯器の脱落のおそれのない安定した尾灯装置を提供できる。
【実施例】
【0009】
図面は本発明に係る、トラック等貨物自動車の尾灯装置の一実施例を示し、図1は内部機構を省略して示した一部欠截正面図、図2は平面図、図3は装置基枠を断面で示した側面図、図4は灯器の一部拡大断面図、図5は装置基枠の第二実施例の略示正面図、図6は装置枠の第三実施例の略示正面図である。
【0010】
本発明に係る、トラック等貨物自動車の尾灯装置は、灯器Lと該灯器Lをトラック等の車体Bに取付けるための装置基枠Aaとで構成する。
【0011】
灯器Lは、前面開口の有底方形箱状の主体枠1と該主体枠1の前端に設けた鍔部片1aに重ね合わせてねじ止めした蓋枠兼用のレンズ2とで構成した中空方形箱体で成り、主体枠1内に図示省略したバルブ(電球)や反射板を装置し、バルブからの照射光を前記レンズ2を通じて外部に照射し、所定の表示光を照射するものとして適用するものである。
【0012】
この灯器Lを構成する前記主体枠1の相対する外側面1´,1´の灯器L前面側の中央に係止片3を設け、該係止片3を利用して灯器Lを前記装置基枠Aaに着脱可能に組付けるようにしてある。
【0013】
係止片3は、基端において前記側面1´を構成する前記鍔部片1aの後面1a´に一体に連設して、舌状にして灯器L後方に向けて突出させたもので、該係止片3が重なり合う、前記側面1´の部分に凹み4を設けて係止片3がその外表面側から押圧されたとき、該凹みに係合して弾性変形が行われるようにしてある。
【0014】
係止片3は、また、その自由端側の先端の外表面を断面三角状にして肉厚部を設け、該肉厚部を前記装置基枠Aaの後面を係離する係止爪3aとして備えたものである(係止爪3aの係止片3本体からの突出量は、係止片3と前記凹み4の底面との離開幅より小さくしてあることは勿論である)。
【0015】
前記装置基枠Aaは、上下枠5a,5bおよび左右の縦枠5c,5c´より成る額縁状の方形枠体で成り、各枠5a,5b,5c,5c´で取り囲んだ空間域を取付窓6としたものである。
【0016】
この装置基枠Aaは、4隅に止着部を設け、該止着部に設けた透孔7に締付け螺子を貫通させて車体B(に当初から設けた部材又は後付けした部材)に取付けるようにしてある。
【0017】
前記の取付窓6は、基枠Aaの前後方向に枠幅を持たせた(奥行幅を持たせた)前記各枠5a,5b,5c,5c´で、前記の通り、取り囲んで構成させたもので、各枠5a,5b,5c,5c´の取付窓6を構成する内側面にそれぞれ段部9a,9b,9c,9c´を設けて互いに連続させて、前方側を大径部6a、後方側を小径部6bと成し、小径部6bを構成する、前記上下枠5a,5bの前記段部9a,9bの中央に前記係止片3の横幅より幅広の凹入部10を装置基枠Aaの前後方向にして設け、装置基枠Aaに灯器Lを組付ける際、係止片3の前記係止爪3aは大径部6aを経てこの凹入部10を通じて取付窓6の小径部6b側から突出し、ばね付勢によって基枠Aaの後面(取付窓6の後方側の縁)に係止する。
【0018】
しかして、装置基枠Aaを止着部に備えた透孔7を利用して螺子で車体Bに取付け、該基枠Aaの取付窓6に、該枠6に備えた凹入部10に係止片3を係合するようにして灯器Lを嵌挿すると、凹入部10の底面10aに圧接しつつ係止片3の係止爪3aは凹入部10に沿って移動し、凹入部10から脱出して基枠Aaの後方に突出する位置に至ると、係止片3の弾性により基枠Aaの後面すなわち取付窓6の縁に係止し、灯器Lは装置基枠Aa(車体B)に取付けられるのである。
【0019】
なお、装置基枠は、前記基枠Aaに代えて、図5や図6の符号Ab,Acで示すような複数個の取付窓6を備えたものでも良いことは勿論で、これら装置基枠Ab,Acの場合は前記上下枠5a,5bの間に中間枠5aを設けて複数個の前記取付窓6を設けたもので、例えば、テール&ストップ用、ターンシグナル用そしてストップ用の2個又は3個の灯器Lを装置基枠Ab又はAcに組付けた尾灯装置は、前記灯器の配置順を自在に変えることもできるのである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】内部機構を省略して示した一部欠截正面図。
【図2】平面図。
【図3】装置基枠を断面で示した側面図。
【図4】灯器の一部拡大断面図。
【図5】装置基枠の第二実施例の略示正面図。
【図6】装置枠の第三実施例の略示正面図。
【符号の説明】
【0021】
3 係止片
3a 係止爪
6 取付窓
10 凹入部
Aa 装置基枠
B 車体
L 灯器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラック等の貨物自動車の車体後部に取付ける装置基枠に適宜数の方形状の取付窓を設け、該取付窓に方形立方状の灯器を嵌脱可能に組付けた、トラック等の貨物自動車の尾灯装置。
【請求項2】
取付窓の相対する内側面に装置基枠の前後方向にして凹入部を設け、前記取付窓に灯器を取付けたとき、該凹入部の底面に圧接する弾性係止片を、その基端を前記取付窓の前方側に配して灯器の相対する外側面に装置し、該係止片の先端には、前記装置基枠に前記灯器を組付けたとき、装置基枠の後面に係止する係止爪を設けた、請求項1記載のトラック等の貨物自動車の尾灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−210546(P2007−210546A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−34927(P2006−34927)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(598051082)日本ボデーパーツ工業株式会社 (9)
【出願人】(394015729)株式会社リバーストン (6)
【Fターム(参考)】