説明

トリオン化合物及びそれを含有する除草剤

【課題】雑草に対して優れた防除効力を有する化合物を提供すること。
【解決手段】式(I)



〔式中、Xはハロゲンを表す。〕
で示されるトリオン化合物を用いることにより、雑草を防除することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリオン化合物及びそれを含有する除草剤に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、雑草を防除するために除草剤の有効成分となる化合物の開発が広く進められ、雑草防除効力を有する化合物が見出されている。
また、ある種のトリオン化合物が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO97/08164
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は優れた雑草防除の効力を有する化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、鋭意検討した結果、下記式(I)で示されるトリオン化合物が優れた雑草防除効力を有することを見出し、本発明に至った。
【0006】
本発明は、式(I)



〔式中、Xはハロゲンを表す。〕
で示されるトリオン化合物(以下、本発明化合物と記す。)、本発明化合物を有効成分として含有する除草剤、本発明化合物の有効量を雑草、あるいは、雑草の生育する又は将来生育するであろう土壌に施用する雑草の防除方法、および、本発明化合物の雑草防除のための使用を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明化合物を用いることにより、雑草を防除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明においてXで表されるハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0009】
式(I)で示される化合物には、式(I')及び式(I'')で示される化合物が互変異性体として存在し得る。「本発明化合物」には、式(I)で示される化合物、式(I')で示される化合物、式(I'')で示される化合物、およびこれらのうちの任意の2個以上からなる混合物が包含される。


【0010】
また、本発明化合物は、無機塩基(例えば、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩、水素化物等、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、バリウム等)の水酸化物、水素化物等、アンモニア)、有機塩基(例えば、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、2−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピリジン、コリジン等)、金属アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、マグネシウムメトキシド等)等と混合されて農学的に許容され得る塩の形態をとることがある。「本発明化合物」には、このような農学的に許容される塩の形態のトリオン化合物も包含される。
【0011】
本発明化合物は優れた雑草防除の効力を有し、除草剤の有効成分として使用することができる。本発明化合物が防除することのできる雑草としては、例えば次のものが挙げられる。
メヒシバ、オヒシバ、エノコログサ、アキノエノコログサ、キンエノコロ、イヌビエ、オオクサキビ、メリケンニクキビ、セイバンモロコシ、シャッターケーン、ギョウギシバ、カラスムギ、ネズミムギ、ブラックグラス、ウマノチャヒキ、アレチノチャヒキ、ヒメカナリークサヨシ、セイヨウヌカボ、スズメノカタビラ、シバムギ、ハマスゲ、キハマスゲ、アオゲイトウ、スベリヒユ、イチビ、アカザ、イヌタデ、イヌホオズキ、アメリカキンゴジカ、シロバナチョウセンアサガオ、マルバアサガオ、オナモミ、エビスグサ、ブタクサ、ツユクサ、ヤエムグラ、コハコベ、カラシナ類、カミツレ、オオイヌノフグリ、フィールドパンジー、ヒナゲシ、セイヨウヒルガオ、ヒメムカシヨモギ等の畑地雑草、
タイヌビエ、ヒメタイヌビエ、タマガヤツリ、コゴメガヤツリ、ヒデリコ、マツバイ、イヌホタルイ、タイワンヤマイ、ミズガヤツリ、クログワイ、コウキヤガラ、シズイ、コナギ、アゼナ、アブノメ、キカシグサ、ヒメミソハギ、ミゾハコベ、チョウジタデ、ウリカワ、ヘラオモダカ、オモダカ、ヒルムシロ、セリ、ミズハコベ、アゼトウガラシ、アメリカアゼナ、タカサブロウ、イボクサ、キシュウスズメノヒエ、エゾノサヤヌカグサ等の水田雑草。
【0012】
本発明化合物を除草剤の有効成分として使用する際、通常、本発明化合物を適当な液体担体に溶解させるか分散させるか、又は適当な固体担体と混合させるか固体担体に吸着させ、使用目的にとって都合の良い剤形に製剤化する。本発明除草剤は、本発明化合物および液体担体、固体担体等の不活性担体を含有し、例えば乳剤、液剤、油剤、噴霧剤、水和剤、粉剤、DL(ドリフトレス)型粉剤、粒剤、微粒剤、微粒剤F、細粒剤F、顆粒水和剤、水溶剤、フロアブル剤、ドライフロアブル剤、ジャンボ剤、錠剤、ペースト剤等の形態の製剤であり、必要に応じて、例えば乳化剤、分散剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤、結合剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、着色剤等の製剤補助剤が更に添加され、公知の方法で調製することができる。
【0013】
液体担体としては、例えば、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル類(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、灯油、燃料油、機械油等)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、メチルナフタレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等)、酸アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、脂肪酸グリセリンエステル等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等)等が挙げられる。これらの液体担体の2種以上を適当な割合で混合して使用することもできる。
液体担体は、本発明除草剤中に通常1〜99重量%、好ましくは約10〜99重量%の割合で含まれる。
【0014】
固体担体としては、植物性粉末(例えば、大豆粉、タバコ粉、小麦粉、木粉等)、鉱物性粉末(例えば、カオリン、ベントナイト、酸性白土、クレイ等のクレイ類、滑石粉、ロウ石粉等のタルク類、珪藻土、雲母粉等のシリカ類等)、アルミナ、硫黄粉末、活性炭、糖類(例えば、乳糖、ブドウ糖等)、無機塩類(例えば、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム等)、ガラス中空体(天然のガラス質を焼成加工してその中に気泡を内包させたもの)等が挙げられる。これらの固体担体の2種以上を適当な割合で混合して使用することもできる。
固体担体は、本発明除草剤中に通常1〜99重量%、好ましくは約10〜99重量%の割合で含まれる。
【0015】
乳化剤、分散剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤等としては通常界面活性剤が用いられる。該界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド重縮合物等の陰イオン界面活性剤及びポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマ−、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤の2種以上を用いることもできる。界面活性剤は、本発明除草剤中に通常0.1〜50重量%、好ましくは約0.1〜25重量%の割合で含まれる。
【0016】
結合剤及び増粘剤としては、例えば、デキストリン、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリカルボン酸系高分子化合物、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カルシウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、マンニトール、ソルビトール、ベントナイト系鉱物質、ポリアクリル酸とその誘導体、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ホワイトカーボン、天然の糖類誘導体(例えば、キサンタンガム、グアーガム等)等が挙げられる。
【0017】
本発明化合物は、本発明除草剤が乳剤、水和剤、顆粒水和剤、液剤、水溶剤、フロアブル剤等である場合は本発明除草剤中に通常、1〜90重量%の割合で含まれ、本発明除草剤が油剤、粉剤、DL型粉剤等である場合は本発明除草剤中に通常、0.01〜10重量%の割合で含まれ、本発明除草剤が微粒剤、微粒剤F、細粒剤F、粒剤等である場合は本発明除草剤中に通常、0.05〜10重量%の割合で含まれるが、状況に応じてこれらの濃度を適宜変更してもよい。本発明除草剤が乳剤、水和剤、顆粒水和剤、液剤、水溶剤、フロアブル剤等である場合は、通常、本発明除草剤を水等で適宜(通常は約100〜100,000倍に)希釈して使用する。
【0018】
本発明除草剤は通常の公知の農薬の施用方法と同様の方法で施用することができ、該施用方法としては、例えば、空中散布、土壌散布、茎葉散布等があげられる。
本発明除草剤を畑地用又は水田用の除草剤として用いる場合、その使用量は、施用地域、施用時期、施用方法、対象草種、栽培作物等により変わり得るが、通常は本発明化合物の量で畑地又は水田1ヘクタールあたり1〜5000g程度、好ましくは10〜1000g程度である。
本発明除草剤は畑地雑草防除のために用いることができ、通常、出芽前土壌混和処理、出芽前土壌処理又は出芽後茎葉処理される。また、本発明除草剤は水田雑草防除用としてはのために用いることもでき、通常、出芽前土壌処理又は茎葉兼土壌処理される。
【0019】
本発明化合物を有効成分として含有する除草剤は、必要に応じて、1種又は2種以上の他の除草剤、植物生長調節剤、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤等と同時に施用することができ、また、本発明化合物を1種又は2種以上の他の除草剤、植物生長調節剤、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤等の有効成分と配合し、混合して使用することもできる。
【0020】
他の除草剤の有効成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。
(1)フェノキシ脂肪酸系除草性化合物:2,4−PA、MCP、MCPB、フェノチオール(phenothio1)、メコプロップ(mecoprop)、フルロキシピル(fluroxypyr)、トリクロピル(triclopyr)、クロメプロップ(clomeprop)、ナプロアニリド(naproanilide)等、
(2)安息香酸系除草性化合物:2,3,6−TBA、ジカンバ(dicamba)、クロピラリド(clopyralid)、ピクロラム(picloram)、アミノピラリド(aminopyralid)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)等、
(3)尿素系除草性化合物:ジウロン(diuron)、リニュロン(linuron)、クロルトルロン(chlortoluron)、イソプロツロン(isoproturon)、フルオメツロン(fluometuron)、イソウロン(isouron)、テブチウロン(tebuthiuron)、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、クミルロン(cumy1uron)、ダイムロン(daimuron)、メチルダイムロン(methyl−daimuron)等、
(4)トリアジン系除草性化合物:アトラジン(atrazine)、アメトリン(ametoryn)、シアナジン(cyanazine)、シマジン(simazine)、プロパジン(propazine)、シメトリン(simetryn)、ジメタメトリン(dimethametryn)、プロメトリン(prometryn)、メトリブジン(metribuzin)、トリアジフラム(triaziflam)等、
(5)ビピリジニウム系除草性化合物:パラコート(paraquat)、ジクワット(diquat)等、
(6)ヒドロキシベンゾニトリル系除草性化合物:ブロモキシニル(bromoxynil)、アイオキシニル(ioxynil)等、
(7)ジニトロアニリン系除草性化合物:ペンディメタリン(pendimethalin)、プロジアミン(prodiamine)、トリフルラリン(trifluralin)等、
(8)有機リン系除草性化合物:アミプロホスメチル(amiprofos−methyl)、ブタミホス(butamifos)、ベンスリド(bensu1ide)、ピペロホス(piperophos)、アニロホス(anilofos)、グリホサート(glyphosate)、グルホシネート(glufosinate)、ビアラホス(bialaphos)等、
(9)カーバメート系除草性化合物:ジアレート(di−allate)、トリアレート(tri−allate)、EPTC、ブチレート(butylate)、ベンチオカーブ(benthiocarb)、エスプロカルブ(esprocarb)、モリネート(molinate)、ジメピペレート(dimepiperate)、スエップ(swep)、クロルプロファム(chlorpropham)、フェンメディファム(phenmedipham)、フェニソファム(phenisopham)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、アシュラム(asulam)等、
(10)酸アミド系除草性化合物:プロパニル(propanil)、プロピザミド(propyzamide)、ブロモブチド(bromobutide)、エトベンザニド(etobenzanid)等、
(11)クロロアセトアニリド系除草性化合物:アセトクロール(acetochlor)、アラクロール(alachlor)、ブタクロール(butachlor)、ジメテナミド(dimethenamid)、プロパクロール(propachlor)、メタザクロール(metazachlor)、メトラクロール(metolachlor)、プレチラクロール(pretilachlor)、テニルクロール(theny1ch1or)、ペトキサミド(pethoxamid)等、
(12)ジフェニルエーテル系除草性化合物:アシフルオルフェン(acifluorfen−sodium)、ビフェノックス(bifenox)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、ラクトフェン(lactofen)、フォメサフェン(fomesafen)、クロメトキシニル(chlomethoxyni1)、アクロニフェン(aclonifen)等、
(13)環状イミド系除草性化合物:オキサジアゾン(oxadiazon)、シニドンエチル(cinidon−ethyl)、カルフェントラゾンエチル(carfentrazone−ethyl)、スルフェントラゾン(surfentrazone)、フルミクロラックペンチル(flumiclorac−pentyl)、フルミオキサジン(flumioxazin)、ピラフルフェンエチル(pyraflufen−ethyl)、オキサジアルギル(oxadiargy1)、ペントキサゾン(pentoxazone)、フルチアセットメチル(fluthiacet−methyl)、ブタフェナシル(butafenacil)、ベンズフェンジゾン(benzfendizone)等、
(14)ピラゾール系除草性化合物:ベンゾフェナップ(benzofenap)、ピラゾレート(pyrazo1ate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、トプラメゾン(topramezone)、ピラスルホトール(pyrasulfotole)等、
(15)トリケトン系除草性化合物:イソキサフルトール(isoxaflutole)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、スルコトリオン(sulcotrione)、メソトリオン(mesotrione)、テンボトリオン(tembotrione)、テフリルトリオン(tefuryltrione)等、
(16)アリールオキシフェノキシプロピオン酸系除草性化合物:クロジナホッププロパルギル(clodinafop−propargyl)、シハロホップブチル(cyhalofop−butyl)、ジクロホップメチル(diclofop−methyl)、フェノキサプロップエチル(fenoxaprop−ethyl)、フルアジホップブチル(fluazifop−butyl)、ハロキシホップメチル(haloxyfop−methyl)、キザロホップエチル(quizalofop−ethyl)、メタミホップ(metamifop)等、
(17)トリオンオキシム系除草性化合物:アロキシジム(alloxydim−sodium)、セトキシジム(sethoxydim)、ブトロキシジム(butroxydim)、クレソジム(clethodim)、クロプロキシジム(cloproxydim)、シクロキシジム(cycloxydim)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、プロフォキシジム(profoxydim)等、
(18)スルホニル尿素系除草性化合物:クロルスルフロン(chlorsulfuron)、スルホメツロンメチル(sulfometuron−methyl)、メトスルフロンメチル(metsu1furon−methy1)、クロリムロンエチル(chlorimuron−ethyl)、トリベニュロンメチル(tribenuron−methyl)、トリアスルフロン(triasulfuron)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron−methy1)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron−methyl)、ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron−ethy1)、プリミスルフロンメチル(primisulfuron−methyl)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、シノスルフロン(cinosulfuron)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、リムスルフロン(rimsulfuron)、ハロスルフロンメチル(ha1osulfuron−methy1)、プロスルフロン(prosulfuron)、エタメトスルフロンメチル(ethametsulfuron−methyl)、トリフルスルフロンメチル(triflusulfuron−methyl)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、シクロスルファムロン(cyc1osulfamuron)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、スルホスルフロン(sulfosu1furon)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、ヨードスルフロンメチルナトリウム(iodosulfuron−methyl−sodium)、フォラムスルフロン(foramsulfuron)、メソスルフロンメチル(mesosulfuron−methyl)、トリフロキシスルフロン(trifloxysulfuron)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、オルソスルファムロン(orthosulfamuron),フルセトスルフロン(flucetosulfuron)等、
(19)イミダゾリノン系除草性化合物:イマザメタベンズメチル(imazamethabenz−methyl)、イマザメタピル(imazamethapyr)、イマザモックス(imazamox)、イマザピル(imazapyr)、イマザキン(imazaquin)、イマゼタピル(imazethapyr)等、
(20)スルホンアミド系除草性化合物:フルメトスラム(flumetsulam)、メトスラム(metosulam)、ジクロスラム(diclosulam)、フロラスラム(florasulam)、クロランスラムメチル(cloransulam−methyl)、ペノキススラム(penoxsulam)、ピロキススラム(pyroxsulam)等、
(21)ピリミジニルオキシ安息香酸系除草性化合物:ピリチオバックナトリウム(pyrithiobac−sodium)、ビスピリバックナトリウム(bispyribac−sodium)、ピリミノバックメチル(pyriminobac−methy1)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)等、
(22)その他の系統の除草性化合物:ベンタゾン(bentazon)、ブロマシル(bromacil)、ターバシル(terbacil)、クロルチアミド(chlorthiamid)、イソキサベン(isoxaben)、ジノセブ(dinoseb)、アミトロール(amitrole)、シンメチリン(cinmethylin)、トリジファン(tridiphane)、ダラポン(da1apon)、ジフルフェンゾピルナトリウム(diflufenzopyr−sodium)、ジチオピル(dithiopyr)、チアゾピル(thiazopyr)、フルカルバゾンナトリウム(flucarbazone−sodium)、プロポキシカルバゾンナトリウム(propoxycarbazone−sodium)、メフェナセット(mefenacet)、フルフェナセット(flufenacet)、フェントラザミド(fentrazamide)、カフェンストロール(cafenstrole)、インダノファン(indanofan)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、ベンフレセート(benfuresate)、ACN、ピリデート(pyridate)、クロリダゾン(chloridazon)、ノルフルラゾン(norflurazon)、フルルタモン(flurtamone)、ジフルフェニカン(diflufenican)、ピコリナフェン(picolinafen)、ベフルブタミド(beflubutamid)、クロマゾン(clomazone)、アミカルバゾン(amicarbazone)、ピノキサデン(pinoxaden)、ピラクロニル(pyraclonil)、ピロキサスルホン(pyroxasulfone)、チエンカルバゾンメチル(thiencarbazone−methyl)等。
【0021】
植物生長調節剤の有効成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。
ヒメキサゾール(hymexazol)、パクロブトラゾール(paclobutrazol)、ウニコナゾール−P(uniconazole−P)、イナベンフィド(inabenfide)、プロヘキサジオンカルシウム(prohexadione−calcium)等。
【0022】
殺菌剤の有効成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。
(1)ポリハロアルキルチオ系殺菌性化合物:キャプタン(captan)等、
(2)有機リン系殺菌性化合物:IBP、EDDP、トルクロフォスメチル(tolclofos−methyl)等、
(3)べンズイミダゾール系殺菌性化合物:ベノミル(benomyl)、カルベンダジム(carbendazim)、チオファネートメチル(thiophanate−methyl)等、
(4)カルボキシアミド系殺菌性化合物:カルボキシン(carboxin)、メプロニル(mepronil)、フルトラニル(flutolanil)、チフルザミド(thifluzamid)、フラメトピル(furametpyr)、ボスカリド(boscalid)、ペンチオピラド(penthiopyrad)等、
(5)ジカルボキシイミド系殺菌性化合物:プロシミドン(procymidone)、イプロジオン(iprodione)、ビンクロゾリン(vinclozolin)等、
(6)アシルアラニン系殺菌性化合物:メタラキシル(metalaxyl)等、
(7)アゾール系殺菌性化合物:トリアジメフォン(triadimefon)、トリアジメノール(triadimenol)、プロピコナゾール(propiconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、シプロコナゾール(cyproconazole)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、イプコナゾール(ipconazole)、トリフルミゾール(triflumizole)、プロクロラズ(prochloraz)等、
(8)モルフォリン系殺菌性化合物:ドデモルフ(dodemorph)、トリデモルフ(tridemorph)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)等、
(9)ストロビルリン系殺菌性化合物:アゾキシストロビン(azoxystrobin)、クレソキシムメチル(kresoxim−methyl)、メトミノストロビン(metominostrobin)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)等、
(10)抗生物質系殺菌性化合物:バリダマイシンA(validamycin A)、ブラストサイジンS(blasticidin S)、カスガマイシン(kasugamycin)、ポリオキシン(polyoxin)等、
(11)ジチオカーバメート系殺菌性化合物:マンコゼブ(mancozeb)、マネブ(maneb)等、
(12)その他の殺菌性化合物:フサライド(fthalide)、プロベナゾール(probenazole)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、トリシクラゾール(tricyclazole)、ピロキロン(pyroquilon)、フェリムゾン(ferimzone)、アシベンゾラルSメチル(acibenzolar S−methyl)、カルプロパミド(carpropamid)、ジクロシメット(diclocymet)、フェノキサニル(fenoxanil)、チアジニル(tiadinil)、ジクロメジン(diclomezine)、テクロフタラム(teclofthalam)、ペンシクロン(pencycuron)、オキソリニック酸(oxolinic acid)、TPN、トリフォリン(triforine)、フェンプロピジン(fenpropidin)、スピロキサミン(spiroxamine)、フルアジナム(fluazinam)、イミノオクタジン(iminoctadine)、フェンピクロニル(fenpiclonil)、フルジオキソニル(fludioxonil)、キノキシフェン(quinoxyfen)、フェンヘキサミド(fenhexamid)、シルチオファム(silthiofam)、プロキナジド(proquinazid)、シフルフェナミド(cyflufenamid)、塩基性硫酸銅カルシウム(bordeaux mixture)等。
【0023】
殺虫剤の有効成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。
(1)有機リン系殺虫性化合物:フェンチオン(fenthion)、フェニトロチオン(fenitrothion)、ピリミホスメチル(pirimiphos−methyl)、ダイアジノン(diazinon)、キナルホス(quinalphos)、イソキサチオン(isoxathion)、ピリダフェンチオン(pyridafenthion)、クロルピリホスメチル(chlorpyrifos−methyl)、バミドチオン(vamidothion)、マラチオン(malathion)、フェントエート(phenthoate)、ジメトエート(dimethoate)、ジスルホトン(disulfoton)、モノクロトホス(monocrotophos)、テトラクロルビンホス(tetrachlorvinphos)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、プロパホス(propaphos)、アセフェート(acephate)、トリクロルホン(trichlorphon)、EPN、ピラクロホス(pyraclofos)等、
(2)カルバメート系殺虫性化合物:カルバリル(carbaryl)、メトルカルブ(metolcarb)、イソプロカルブ(isoprocarb)、BPMC、プロポキスル(propoxur)、XMC、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、フラチオカルブ(furathiocarb)、メソミル(methomyl)、チオジカルブ(thiodicarb)等、
(3)合成ピレスロイド系殺虫性化合物:テフルトリン(tefluthrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、エトフェンプロックス(ethofenprox)等、
(4)ネライストキシン系殺虫性化合物:カルタップ(cartap)、ベンスルタップ(bensultap)、チオシクラム(thiocyclam)等、
(5)ネオニコチノイド系殺虫性化合物:イミダクロプリド(imidacloprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、アセタミプリド(acetamiprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、チアクロプリド(thiacloprid)、ジノテフラン(dinotefuran)、クロチアニジン(clothianidin)等、
(6)ベンゾイルフェニル尿素系殺虫性化合物:クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)等、
(7)マクロライド系殺虫性化合物:エマメクチン(emamectin)、スピノサド(spinosad)等、
(8)その他の殺虫性化合物:ブプロフェジン(buprofezin)、テブフェノジド(tebufenozide)、フィプロニル(fipronil)、エチプロール(ethiprole)、ピメトロジン(pymetrozine)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、インドキサカルブ(indoxacarb)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、ピリダリル(pyridalyl)、フロニカミド(flonicamid)、フルベンジアミド(flubendiamide)等。
殺ダニ剤の有効成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。
ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、ピリダベン(pyridaben)、フェンピロキシメート(fenpyroximate)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、エトキサゾール(etoxazole)、ピリミジフェン(pyrimidifen)、アセキノシル(acequinocyl)、ビフェナゼート(bifenazate)、スピロジクロフェン(spirodiclofen)等。
【0024】
殺線虫剤の有効成分としては、例えば、フォスチアゼート(fosthiazate)、カズサフォス(cadusafos)等が挙げられる。
【0025】
本発明除草剤には、更に薬害軽減剤(例えば、フリラゾール(furilazole)、ジクロルミッド(dichlormid)、ベノキサコール(benoxacor)、アリドクロール(allidochlor)、イソキサジフェンエチル(isoxadifen−ethyl)、フェンクロラゾールエチル(fenchlorazole−ethyl)、メフェンピルジエチル(mefenpyr−diethyl)、クロキントセットメキシル(cloquintocet−mexyl)、フェンクロリム(fenclorim)、シプロスルファミド(cyprosulfamide)、シオメトリニル(cyometrinil)、オキサベトリニル(oxabetrinil)、フルクソフェニム(fluxofenim)、フルラゾール(flurazole)、1,8−ナフタル酸無水物(1,8−naphthalic anhydride)等)、色素、肥料(例えば、尿素等)等を適宜混合してもよい。
【0026】
本発明化合物は、畑、水田、芝生、果樹園等の農耕地又は非農耕地用の除草剤の有効成分として使用することができる。該農耕地において栽培される作物としては以下のものが挙げられる。
農作物:トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソルガム、ワタ、ダイズ、ピーナッツ、ソバ、テンサイ、ナタネ、ヒマワリ、サトウキビ、タバコ等、
野菜:ナス科野菜(ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ等)、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン等)、アブラナ科野菜(ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー等)、キク科野菜(ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等)、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス等)、セリ科野菜(ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等)、アカザ科野菜(ホウレンソウ、フダンソウ等)、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル等)、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ等、
花卉、
観葉植物、
果樹:仁果類(リンゴ、セイヨウナシ、ニホンナシ、カリン、マルメロ等)、核果類(モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等)、カンキツ類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、堅果類(クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等)、液果類(ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等)、ブドウ、カキ、オリーブ、ビワ、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココヤシ等、
果樹以外の樹;チャ、クワ、花木、街路樹(トネリコ、カバノキ、ハナミズキ、ユーカリ、イチョウ、ライラック、カエデ、カシ、ポプラ、ハナズオウ、フウ、プラタナス、ケヤキ、クロベ、モミノキ、ツガ、ネズ、マツ、トウヒ、イチイ)等。
【0027】
上記「作物」には、イソキサフルトール等のHPPD阻害剤、イマゼタピル、チフェンスルフロンメチル等のALS阻害剤、EPSP合成酵素阻害剤、グルタミン合成酵素阻害剤、アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤、ブロモキシニル等の除草剤に対する耐性が、古典的な育種法、もしくは遺伝子組換え技術により付与された作物も含まれる。
古典的な育種法により耐性が付与された「作物」としては、例えば、イマゼタピル等のイミダゾリノン系除草剤耐性のクリアーフィールド(Clearfield)<登録商標>カノーラ、チフェンスルフロンメチル等のスルホニル尿素系ALS阻害型除草剤耐性のSTSダイズ等がある。同様に古典的な育種法によりトリオンオキシム系、アリールオキシフェノキシプロピオン酸系除草剤などのアセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤に耐性が付与された作物の例としてSRコーン等がある。アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤に耐性が付与された作物はプロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)87巻、7175〜7179頁(1990年)等に記載されている。またアセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤に耐性の変異アセチルCoAカルボキシラーゼがウィード・サイエンス(Weed Science)53巻、728〜746頁(2005年)等に報告されており、こうした変異アセチルCoAカルボキシラーゼ遺伝子を遺伝子組換え技術により作物に導入するかもしくは抵抗性付与に関わる変異を作物アセチルCoAカルボキシラーゼに導入する事により、アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤に耐性の作物を作出することができる。
【0028】
また、遺伝子組換え技術により耐性が付与された「作物」としては、例えばグリホサートやグルホシネート耐性のトウモロコシ品種があり、ラウンドアップレディ(RoundupReady)<登録商標>及びリバティーリンク(LibertyLink)<登録商標>等の商品名で既に販売されている。
【0029】
上記「作物」には、遺伝子組換え技術を用いて、例えば、バチルス属で知られている選択的毒素等を合成する事が可能となった作物も含まれる。
この様な遺伝子組換え植物で発現される殺虫性毒素としては、例えばバチルス・セレウス(Bacillus cereus)やバチルス・ポピリエ(Bacillus popilliae)由来の殺虫性タンパク;バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来のCry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry1Fa2、Cry2Ab、Cry3A、Cry3Bb1またはCry9C等のδ−エンドトキシン、VIP1、VIP2、VIP3またはVIP3A等の殺虫性タンパク;線虫由来の殺虫性タンパク;さそり毒素、クモ毒素、ハチ毒素または昆虫特異的神経毒素等の動物によって産生される毒素;糸条菌類毒素;植物レクチン;アグルチニン;トリプシン阻害剤、セリンプロテアーゼ阻害剤、パタチン、シスタチン、パパイン阻害剤等のプロテアーゼ阻害剤;リシン、トウモロコシ−RIP、アブリン、サポリン、ブリオジン等のリボゾーム不活性化タンパク(RIP);3−ヒドロキシステロイドオキシダーゼ、エクジステロイド−UDP−グルコシルトランスフェラーゼ、コレステロールオキシダーゼ等のステロイド代謝酵素;エクダイソン阻害剤;HMG−CoAリダクターゼ;ナトリウムチャネル阻害剤、カルシウムチャネル阻害剤等のイオンチャネル阻害剤;幼若ホルモンエステラーゼ;利尿ホルモン受容体;スチルベンシンターゼ;ビベンジルシンターゼ;キチナーゼ;グルカナーゼ等が挙げられる。
またこの様な遺伝子組換え作物で発現される毒素として、Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry1Fa2、Cry2Ab、Cry3A、Cry3Bb1またはCry9C等のδ−エンドトキシンタンパク、VIP1、VIP2、VIP3またはVIP3A等の殺虫性タンパクのハイブリッド毒素、一部を欠損した毒素、修飾された毒素も含まれる。ハイブリッド毒素は組換え技術を用いて、これらタンパクの異なるドメインの新しい組み合わせによって作り出される。一部を欠損した毒素としては、アミノ酸配列の一部を欠損したCry1Abが知られている。修飾された毒素としては、天然型の毒素のアミノ酸の1つまたは複数が置換されている。
これら毒素の例およびこれら毒素を合成する事ができる組換え植物は、例えばEP−A−0374753、WO93/07278、WO95/34656、EP−A−0427529、EP−A−451878、WO03/052073等に記載されている。
これらの組換え植物に含まれる毒素は、特に、甲虫目害虫、双翅目害虫、鱗翅目害虫への耐性を植物へ付与する。
【0030】
また、1つもしくは複数の殺虫性の害虫抵抗性遺伝子を含み、1つまたは複数の毒素を発現する遺伝子組換え植物は既に知られており、いくつかのものは市販されている。これら遺伝子組換え植物の例として、イールドガード(YieldGard)<登録商標>(Cry1Ab毒素を発現するトウモロコシ品種)、イールドガードルートワーム(YieldGard Rootworm)<登録商標>(Cry3Bb1毒素を発現するトウモロコシ品種)、イールドガードプラス(YieldGard Plus)<登録商標>(Cry1AbとCry3Bb1毒素を発現するトウモロコシ品種)、ハーキュレックスI(Herculex I)<登録商標>(Cry1Fa2毒素とグルホシネートへの耐性を付与する為のホスフィノトリシン N−アセチルトランスフェラーゼ(PAT)を発現するトウモロコシ品種)、NuCOTN33B<登録商標>(Cry1Ac毒素を発現するワタ品種)、ボルガードI(Bollgard I)<登録商標>(Cry1Ac毒素を発現するワタ品種)、ボルガードII(Bollgard II)<登録商標>(Cry1AcとCry2Ab毒素を発現するワタ品種)、VIPCOT<登録商標>(VIP毒素を発現するワタ品種)、ニューリーフ(NewLeaf)<登録商標>(Cry3A毒素を発現するジャガイモ品種)、ネイチャーガード アグリシュアー GT アドバンテージ(NatureGard<登録商標>Agrisure<登録商標>GT Advantage)(GA21 グリホサート耐性形質)、アグリシュアー CB アドバンテージ(Agrisure<登録商標> CB Advantage)(Bt11コーンボーラー(CB)形質)、プロテクタ(Protecta)<登録商標>等が挙げられる。
【0031】
上記「作物」には、遺伝子組換え技術を用いて、選択的な作用を有する抗病原性物質を産生する能力を付与されたものも含まれる。
抗病原性物質としては、例えばPRタンパク(PRPs、EP−A−0392225に記載されている);ナトリウムチャネル阻害剤、カルシウムチャネル阻害剤(ウイルスが産生するKP1、KP4、KP6毒素等が知られている)等のイオンチャネル阻害剤;スチルベンシンターゼ;ビベンジルシンターゼ;キチナーゼ;グルカナーゼ;ペプチド抗生物質、ヘテロ環を有する抗生物質、植物病害抵抗性に関与するタンパク因子(植物病害抵抗性遺伝子と呼ばれ、WO03/000906に記載されている)等の微生物が産生する物質等が挙げられる。このような抗病原性物質とそれを産生する遺伝子組換え植物は、EP−A−0392225、WO95/33818、EP−A−0353191等に記載されている。
【0032】
本発明化合物は例えば以下の製造法により製造することができる。
(製造法1)
式(I):



〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される本発明化合物は、式(II):



〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物を塩基及びシアン化物存在下で反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常溶媒中で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
塩基としては、トリエチルアミン等の有機塩基が挙げられる。
塩基の量は、式(II)で示される化合物1モルに対して、通常2〜4モルの割合である。
シアン化物としては、アセトンシアンヒドリン、シアン化ナトリウム等が挙げられる。
シアン化物の量は、式(II)で示される化合物1モルに対して、通常0.1〜1モルの割合である。
反応温度は、通常−20〜40℃の範囲であり、反応時間は、通常1〜10時間の範囲である。
反応終了後、例えば、反応混合物を濃縮し、水に注加し、有機溶媒抽出した後、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、本発明化合物を単離することができる。
【0033】
(製造法2)
式(II):


〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物は、式(III):



〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物と、式(IV):



で示される化合物とを塩基存在下で反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常、溶媒中で行われる。
塩基としては、トリエチルアミン等の有機塩基が挙げられる。
溶媒としては、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
式(IV)で示される化合物および塩基の量は、式(III)で示される化合物1モルに対して、通常、それぞれ1〜2モル、1〜3モルの割合である。
反応温度は、通常−20〜40℃の範囲であり、反応時間は、通常1〜10時間の範囲である。
反応終了後、例えば、反応混合物を水に注加し、有機溶媒抽出した後、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(II)で示される化合物を粗生成物として得る事ができる。該粗生成物は、精製されることなく、次工程に使用され得る。
【0034】
(製造法3)
式(I):



〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される本発明化合物は、式(V):



〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物と、式(IV):


で示される化合物とを塩基及びシアン化物存在下で反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常溶媒中で行われる。
溶媒としては、例えば、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
塩基としては、トリエチルアミン等の有機塩基が挙げられる。
塩基の量は、式(V)で示される化合物1モルに対して、通常2〜4モルの割合である。
シアン化物としては、アセトンシアンヒドリン、シアン化ナトリウム等が挙げられる。
シアン化物の量は、式(V)で示される化合物1モルに対して、通常0.1〜1モルの割合である。
式(IV)で示される化合物の量は 式(V)で示される化合物1モルに対して、通常1〜2モルの割合である。
反応温度は、通常−20〜70℃の範囲であり、反応時間は、通常1〜20時間の範囲である。
反応終了後、例えば、反応混合物を濃縮し、水に注加し、有機溶媒抽出した後、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、本発明化合物を単離することができる。
【0035】
次に、本発明化合物の製造中間体の製造法を示す。
【0036】
(参考製造法1)
式(III):



〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物は、式(VI):



〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物を塩素化することにより製造することができる。
該反応は塩素化剤の存在下、通常溶媒中で行われる。
溶媒としては、例えば、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、トルエン等の炭化水素が挙げられる。
塩素化剤としては、塩化チオニル等が挙げられる。
塩素化剤の量は、式(VI)で示される化合物1モルに対して、通常1〜5モルの割合である。
反応温度は、通常20〜110℃の範囲であり、反応時間は、通常1〜10時間の範囲である。
反応終了後、例えば、反応混合物を濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(III)で示される化合物を粗生成物として得る事ができる。該粗生成物は、精製されることなく、次工程に使用され得る。
【0037】
(参考製造法2)
式(VI):



〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物は、式(VII):



〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物を酸化することにより製造することができる。
該反応は塩基およびハロゲン化剤の存在下、通常溶媒中で行われる。
溶媒としては、例えば、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、水等が挙げられる。これらの混合溶媒も該反応において用いられる。
塩基としては、水酸化ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
塩基の量は、式(VII)で示される化合物1モルに対して、通常4〜6モルの割合である。
ハロゲン化剤としては、臭素等が挙げられる。
ハロゲン化剤の量は、式(VII)で示される化合物1モルに対して、通常3〜5モルの割合である。
反応温度は、通常−20〜100℃の範囲であり、反応時間は、通常1〜10時間の範囲である。
反応終了後、例えば、反応混合物を水に注加し、有機溶媒抽出した後、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(VI)で示される化合物を粗生成物として得る事ができる。該粗生成物は、精製されることなく、次工程に使用され得る。
【0038】
(参考製造法3)
式(VII):



〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物は、式(VIII):


〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物を酸化することにより製造することができる。
該反応は酸化剤の存在下、通常溶媒中で行われる。
溶媒としては、例えば、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
酸化剤としては、メタクロロ過安息香酸、過酸化水素等の過酸化物が挙げられる。
酸化剤の量は、式(VIII)で示される化合物1モルに対して、通常2〜4モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常−20〜100℃の範囲であり、反応時間は、通常1〜20時間の範囲である。
反応終了後、例えば、反応混合物を水に注加し、有機溶媒抽出した後、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(VII)で示される化合物を単離することができる。
【0039】
(参考製造法4)
式(VIII):



〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物は、式(IX):


〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物をルイス酸存在下、アセチル化剤でアセチル化することにより製造することができる。
該反応は、通常、溶媒中で行われる。
アセチル化剤としては、塩化アセチル、無水酢酸等が挙げられる。
ルイス酸としては、塩化アルミニウム等が挙げられる。
溶媒としては、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
アセチル化剤の量およびルイス酸の量は通常は、式(IX)で示される化合物1モルに対して、それぞれ、1〜2モルおよび1〜2モルの割合である。
反応温度は、通常−20〜40℃の範囲であり、反応時間は、通常1〜10時間の範囲である。
反応終了後、例えば、反応混合物を水に注加し、有機溶媒抽出した後、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(VIII)で示される化合物を単離することができる。
【0040】
(参考製造法5)
式(IX):



〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物は、式(X):


〔式中、Rはメチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基、4−メチルフェニル等のアリール基を表し、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物と硫化物塩とを反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常、溶媒中で行われる。
溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、1-メチル-2-ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒が挙げられる。
硫化物塩としては、例えば、硫化ナトリウム9水和物等が挙げられる。
硫化物塩の量は、式(X)で示される化合物1モルに対して、通常1〜4モルの割合である。
反応温度は通常0〜180℃の範囲であり、反応時間は通常1〜20時間の範囲である。
反応終了後、例えば、反応混合物を水に注加し、有機溶媒抽出した後、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(IX)で示される化合物を単離することができる。
【0041】
(参考製造法6)
式(X):



〔式中、RおよびXは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物は、式(XI):



〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物と、式(XII):



〔式中、Rは前記と同じ意味を表す。〕
で示されるスルホニル化剤とを塩基の存在下で反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常、溶媒中で行われる。
溶媒としては、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
塩基としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基が挙げられる。またこれら塩基を溶媒として用いることもできる。
式(XII)で示される化合物および塩基の量は、式(XI)で示される化合物1モルに対して、通常、それぞれ1〜4モル、2〜4モルの割合である。
反応温度は通常−10〜50℃の範囲であり、反応時間は通常1〜10時間の範囲である。
反応終了後、例えば、反応混合物を水に注加し、有機溶媒抽出した後、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(X)で示される化合物を単離することができる。単離された式(X)で示される化合物は、カラムクロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。また、単離された式(X)で示される化合物は、精製されることなく、次工程に使用され得る。
【0042】
(参考製造法7)
式(V):



〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物は、式(III):



〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物を塩基存在下でフェノールとエステル化することにより製造することができる。
該反応は、通常、溶媒中で行われる。
塩基としては、水素化ナトリウム等無機塩基、トリエチルアミン等有機塩基が挙げられる。
溶媒としては、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、N,N-ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒、トルエン等の炭化水素が挙げられる。
フェノールおよび塩基の量は、式(III)で示される化合物1モルに対して、通常、それぞれ、1〜2モル、1〜2モルの割合である。
反応温度は、通常−20〜40℃の範囲であり、反応時間は、通常1〜10時間の範囲である。
反応終了後、例えば、反応混合物を水に注加し、有機溶媒抽出した後、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(V)で示される化合物を単離することができる。
【0043】
(参考製造法8)
式(V):



〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物は、式(XIII):



〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物を酸化することにより製造することができる。
該反応は酸化剤の存在下、通常溶媒中で行われる。
溶媒としては、例えば、酢酸、硫酸、無水酢酸が挙げられる。
酸化剤としては、過酸化水素等の過酸化物が挙げられる。
酸化剤の量は、式(XIII)で示される化合物1モルに対して、通常2〜4モルの割合である。
反応温度は、通常0〜70℃の範囲であり、反応時間は、通常1〜40時間の範囲である。
反応終了後、例えば、反応混合物を水に注加し、析出した固体をろ取する等の後処理操作を行うことにより、式(V)で示される化合物を単離することができる。
【0044】
(参考製造法9)
式(XIII):



〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物は、式(XIV):



〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物を酸化することにより製造することができる。
該反応は酸化剤の存在下、通常溶媒中で行われる。
溶媒としては、例えば、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
酸化剤としては、メタクロロ過安息香酸、過酸化水素等の過酸化物が挙げられる。
酸化剤の量は、式(XIV)で示される化合物1モルに対して、通常2〜4モルの割合である。
反応温度は、通常−20〜100℃の範囲であり、反応時間は、通常1〜10時間の範囲である。
反応終了後は、例えば、反応混合物を水に注加し、有機溶媒抽出した後、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(XIII)で示されるを単離することができる。
【0045】
(参考製造法10)
式(XIV):



〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物は、式(IX):


〔式中、Xは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物をルイス酸存在下でベンゾイル化剤でベンゾイル化することにより製造することができる。
該反応は、通常、溶媒中で行われる。
ベンゾイル化剤としては、塩化ベンゾイル等が挙げられる。
ルイス酸としては、塩化アルミニウム等が挙げられる。
溶媒としては、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
ベンゾイル化剤およびルイス酸の量は、式(IX)で示される化合物1モルに対して、通常、それぞれ、1〜2モルおよび1〜2モルの割合である。
反応温度は、通常−20〜40℃の範囲であり、反応時間は、通常1〜10時間の範囲である。
反応終了後、例えば、反応混合物を水に注加し、有機溶媒抽出した後、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(XIV)で示される化合物を単離することができる。
【0046】
式(XI)で示される化合物は、例えば、Journal of Medicinal Chemistry (2007) Vol.50,(No.12), P2818-2841記載の製造方法、あるいはそれに準じた製造方法により製造できる。
【0047】
上記の製造法1〜3又は参考製造法1〜10により製造される各化合物は、公知の精製方法、例えば再結晶化、クロマトグラフィー等によっても、精製され得る場合がある。
【実施例】
【0048】
以下に、製造例、参考例、製剤例および試験例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製造例及び参考例中、室温とは通常10〜30℃を示す。1HNMR とはプロトン核磁気共鳴スペクトルを示し、内部標準としてテトラメチルシランを用い、ケミカルシフト(δ)をppmで表記した。
製造例及び参考例中用いられている記号は次のような意味を有するものである。
CDCl3:重クロロホルム、s:シングレット、d:ダブレット、t:トリプレット、m:マルチプレット、br.:ブロード(幅広い)、J:カップリング定数、DMSOd6:重ジメチルスルホキシド
【0049】
まず、最初に製造例を示す。
製造例1
4-クロロ-7-(1,3-ジオキソシクロヘキサ-2-イル)カルボニル-2,3-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン-1,1-ジオキシドの合成



後述の参考例8で得られた4-クロロ-2,3-ジヒドロ-1,1-ジオキソベンゾ[b]チオフェン-7-カルボン酸粗生成物1.46gをトルエン30mlに加え、そこに塩化チオニル1.5mlとDMF0.01mlとを加えた。該混合物を1時間加熱還流した後、室温下で冷却した後、減圧濃縮して得られた残渣をクロロホルム20mlに溶解し、そこに1,3-シクロヘキサンジオン0.40gを加え、さらに、トリエチルアミン0.6mlを氷冷下で滴下し、得られた混合物を室温下で2時間撹拌した。その後、該混合物を3.5%塩酸20mlで洗浄し、有機相を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧濃縮して得られた残渣をアセトニトリル20mlに溶解し、そこにトリエチルアミン1.1ml、アセトンシアンヒドリン0.05mlを加えて、室温下で2時間撹拌した。反応混合物を3.5%塩酸20mlで洗浄し、有機相を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧濃縮して得られた残渣に酢酸エチルーヘキサンーアセトンを加えて結晶化し更に洗浄して4-クロロ-7-(1,3-ジオキソシクロヘキサ-2-イル)カルボニル-2,3-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン-1,1-ジオキシド(以下、本発明化合物(1)と記す。)を0.57g得た。
1HNMR (CDCl3)δppm : 2.05-2.10 (2H, m), 2.44-2.47 (2H, m), 2.76-2.79 (2H, m), 3.37 (2H, t, J=6.7Hz), 3.50 (2H, t, J=6.7Hz), 7.32 (1H, d, J=8.1Hz), 7.61 (1H, d, J=8.1Hz), 16.21 (1H, s) .
【0050】
次に、本発明化合物の原料化合物の製造例を参考例として示す。
参考例1
2-クロロ-6-フルオロフェニルアセトニトリルの合成



2-クロロ-6-フルオロベンジルクロリド50.0gをジメチルスルホキシド300mlに溶解した。そこにシアン化ナトリウム16.0gを加えて5時間攪拌した。反応混合物を水1000mlに加えて、t-ブチルメチルエーテル1000mlで抽出した。得られた抽出物を飽和食塩水1000mlで洗浄した後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。減圧濃縮して2-クロロ-6-フルオロフェニルアセトニトリルを47.6g得た。
1HNMR (CDCl3)δppm : 3.85 (2H, s), 7.08-7.10 (1H, m), 7.26-7.32 (2H, m) .
【0051】
参考例2
2-クロロ-6-フルオロフェニル酢酸の合成



2-クロロ-6-フルオロフェニルアセトニトリル47.6 g を水150 mlに加え、96%硫酸150mlを加え、120℃で12時間加熱した。水600mlを加え2時間室温下で冷却後、30分間氷冷下で冷却した。析出した固体をろ取し、水300mlで洗浄した。乾燥して2-クロロ-6-フルオロフェニル酢酸を49.2g得た。
1HNMR (DMSOd6)δppm : 3.70 (2H, s), 7.20-7.28 (1H, m), 7.30-7.44 (2H, m) .
【0052】
参考例3
2-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)エタノールの合成



2-クロロ-6-フルオロフェニル酢酸24.6gをテトラヒドロフラン600mlに加え、そこに氷冷下でリチウムアルミニウムヒドリド4.20gを加えて室温下で1時間攪拌し、次に、3時間加熱還流した後、室温下で冷却した。そこに、氷冷下で水13mlとテトロヒドロフラン53mlとの混合物を加えた。10分後反応混合物をセライト上でろ過し、ろ過残渣をテトロヒドロフラン300mlで洗浄した。ろ液と洗浄液とを合わせて、減圧濃縮して2-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)エタノールを14.8g得た。
1HNMR (CDCl3)δppm : 1.60 (1H, br), 3.08-3.11 (2H, m), 3.84-3.88 (2H, m), 6.96-7.00 (1H, m), 7.12-7.19 (2H, m) .
【0053】
参考例4
2-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)エチルトシレートの合成



2-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)エタノール29.2gをピリジン87mlに加え、そこに氷冷下でトシルクロリド30.0gを加えて室温下で5時間攪拌した。水870mlに反応混合物を加え、t-ブチルメチルエーテル870mlで抽出した。有機相を3.5%塩酸900mlで洗浄し、飽和食塩水900mlで洗浄した後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧濃縮して2-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)エチルトシレートを47.3g得た。
1HNMR (CDCl3)δppm : 2.43 (3H, s), 3.14 (2H, t, J=7.1Hz), 4.21 (2H, t, J=7.1Hz), 6.90-7.00 (1H, m), 7.12-7.15 (2H, m), 7.28 (2H,d, J=8.7Hz), 7.71 (2H, d, J=8.7Hz) .
【0054】
参考例5
4-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン の合成



2-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)エチルトシレート47.0gを1-メチル-2-ピロリドン470mlに加え、そこに硫化ナトリウム9水和物40.2gを加えて150℃で10時間加熱した。水940mlに反応混合物を加え、t-ブチルメチルエーテル940mlで抽出した。有機相を飽和食塩水1000mlで二回洗浄した後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト精製(ヘキサン)して4-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b]チオフェンを11.6g得た。
1HNMR (CDCl3)δppm : 3.40 (4H, s), 6.95-7.10 (3H, m) .
【0055】
参考例6
7-アセチル-4-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b]チオフェンの合成



塩化アルミニウム0.55gをクロロホルム2.5mlに加え、そこに氷冷下塩化アセチル0.30gをクロロホルム0.7mlに溶解したものを滴下した。該混合物を氷冷下で20分間攪拌した後、そこに4-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン0.57gをクロロホルム2.0mlに溶解したものを−13℃で滴下し、反応混合物を3時間かけて昇温し15℃にした。氷水5mlに反応混合物を加え、更にクロロホルム5mlと35%塩酸2mlとを加えて分液した。有機相を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧濃縮して得られた残渣を中圧分取HPLC精製(酢酸エチル:ヘキサン=1:9)して5-アセチル-4-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b]チオフェンを0.29gと7-アセチル-4-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン0.26gとを得た。
5-アセチル-4-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン
1HNMR (CDCl3)δppm : 2.61 (3H, s), 3.30-3.50 (4H, m), 7.12 (1H, d, J=8.0Hz), 7.42 (1H, d, J=8.0Hz) .
7-アセチル-4-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン
1HNMR (CDCl3)δppm : 2.59 (3H, s), 3.30-3.34 (2H, m), 3.36-3.40 (2H, m),7.09 (1H, d, J=8.4Hz), 7.65 (1H, d, J=8.4Hz) .
【0056】
参考例7
7-アセチル-4-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン-1,1-ジオキシドの合成



7-アセチル-4-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン 5.47gにクロロホルム 110mlを加えて溶解させた後、氷冷下で77% メタクロロ過安息香酸 12.67gを加えた後、自然昇温しながら16時間撹拌した。
反応液を水 220mlに加えて、クロロホルム 220mlで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 220mlで三回洗浄した。クロロホルム層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラム処理(酢酸エチル : ヘキサン = 1 : 1→酢酸エチルのみ)して、 7-アセチル-4-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン-1,1-ジオキシドを5.83g得た。
1HNMR(CDCl3) δ(ppm) : 2.70(3H, s), 3.39(2H, t, J =7.1Hz), 3.58(2H, t, J =7.1Hz), 7.71(1H, d, J =8.0Hz), 7.83(1H, d, J =8.2Hz),
【0057】
参考例8
4-クロロ-2,3-ジヒドロ-1,1-ジオキソベンゾ[b]チオフェン-7-カルボン酸の合成



水酸化ナトリウム1.70gを水9.7mlに溶解して、ここに臭素0.7mlを3−7℃で滴下した。ここに7-アセチル-4-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン-1,1-ジオキシド1.00gを1,4-ジオキサン20mlに溶解したものを1−15℃で滴下した。1.5時間かけて室温にした反応混合物に、氷冷下で35%塩酸2.6mlを加えた。そこに、クロロホルム40mlを加えて分液した。有機相を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧濃縮して4-クロロ-2,3-ジヒドロ-1,1-ジオキソベンゾ[b]チオフェン-7-カルボン酸を粗生成物として1.46g得た。
【0058】
次に製剤例を示す。
製剤例1
乳剤
本発明化合物(1) 20重量%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 5重量%
ジメチルホルムアミド 18重量%
キシレン 57重量%
を混合して乳剤を得る。調製した乳剤は水で適宜希釈して使用する。
【0059】
製剤例2
水和剤
本発明化合物(1) 50重量%
リグニンスルホン酸ナトリウム 5重量%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 5重量%
ホワイトカーボン 5重量%
クレイ 35重量%
を混合粉砕して水和剤を得る。調製した水和剤は水で適宜希釈して使用する。
【0060】
製剤例3
粒剤
本発明化合物(1) 1.5重量%
リグニンスルホン酸ナトリウム 2重量%
タルク 40重量%
ベントナイト 56.5重量%
を混合し、水を加えて練り合わせ造粒して粒剤を得る。
【0061】
次に試験例を示す。
尚、除草効力は、試験化合物を処理しない場合と違いがない場合を「0」、完全枯死した場合を「10」として、0〜10の11段階で示した。
【0062】
試験例1 畑地出芽後処理試験
直径8cm、深さ6.5cmのプラスチックカップに土壌を充填し、これにイチビの種子をまき、約0.5cmの覆土をした後、温室内で栽培し、植物が1〜2葉期まで生育した時、試験化合物を含む薬剤希釈液を所定の処理薬量で植物全体に均一に散布した。なお薬剤希釈液は本発明化合物(1)の所定量をトゥイーン20(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、MPバイオメディカルズ・インク製)のジメチルホルムアミド溶液(2%)に溶解し、脱イオン水で希釈することにより調製した。薬剤処理後の植物を温室内で栽培し、処理20日後にイチビ防除の効力を観察評価した結果、本発明化合物(1)は1000g/haの処理薬量で効力10を示した。
【0063】
試験例2 畑地出芽前処理試験
直径8cm、深さ6.5cmのプラスチックカップに土壌を充填し、これにイチビの種子をまき、約0.5cmの覆土をした。次いで、本発明化合物(1)を含む薬剤希釈液を所定の処理薬量で土壌表面に均一に散布した。なお薬剤希釈液は試験例1と同様の方法により調製した。薬剤処理後の植物は温室内で栽培し、処理3週間後にイチビ防除の効力を観察評価した結果、本発明化合物(1)は1000g/haの処理薬量で効力10を示した。
【0064】
試験例3 水田試験
プラスチックポット(φ8cm×12cm)に水田土壌を深さ約8cmまで詰め、入水して代掻きし、3日間静置した。このポットにタイヌビエおよびイヌホタルイを播種し、その上にアゼナ種子を混入した土を均一に蒔き、温室内(20〜25℃)で6日間育成した。湛水深を3cmに合わせ、試験化合物をアセトンで溶解して純水で希釈した薬液を所定薬量分処理した。薬剤処理3週間後に、タイヌビエ、イヌホタルイ、アゼナに対する除草効力を観察した結果、本発明化合物(1)は1000g/haの処理薬量でタイヌビエ、イヌホタルイ、アゼナに対して効力10を示した。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明化合物の有効量を雑草又は雑草の生育する土壌に施用することにより、雑草を防除することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)


〔式中、Xはハロゲンを表す。〕
で示されるトリオン化合物。
【請求項2】
請求項1に記載のトリオン化合物を有効成分として含有する除草剤。
【請求項3】
請求項1に記載のトリオン化合物の有効量を雑草、あるいは、雑草が生育する又は将来生育するであろう土壌に施用する雑草の防除方法。
【請求項4】
請求項1に記載のトリオン化合物の雑草防除のための使用。

【公開番号】特開2012−31096(P2012−31096A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171791(P2010−171791)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】