説明

トリガー式液体噴出容器

【課題】トリガー式液体噴出容器のトリガーを、該トリガー外面にヒケが生ずることがなく、又該トリガー外面にポンプ機構枢着用ピン軸端面が露出することがなく、見栄えよくすることが出来るよう設けた。
【解決手段】容器体口頸部へ嵌合させた装着筒6から上外方へ突出するアーム7先端部の左右両側面から、又容器体のシリンダ内から起立する作動部材4上端のヘッド3の左右両側面から、それぞれ突出させた第2、第1ピン軸8、5をトリガー11内面へ嵌着させた介在部材13の左右両側板を介して、間接にトリガーの左右両側板の後部と中間部とに枢着させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトリガー式液体噴出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
容器体内へ装着させたシリンダ内から上方付勢させて上端にノズル付きヘッドを嵌着させた作動部材を起立させると共に、容器体口頸部外面へ嵌合させた装着筒から上外方へアームを起立させ、該アーム先端部と上記ヘッドの上部とに、トリガー基部とトリガー中間部とを枢着させ、トリガー先端部の引寄せ操作で容器体内液体が作動部材内を通ってノズルから噴出するよう設けたトリガー式の液体噴出容器が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−125189号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような従来の容器は、一般にヘッドおよびアーム先端の左右両側面から突出させたピン軸を、合成樹脂材で一体成形したトリガーの左右両側壁に穿設した軸受け孔内へ嵌合させるか、又左右両側壁内面に設けた軸受け凹部内へ嵌合させる。
上記ピン軸を軸受け孔内へ嵌合させた場合は、ピン軸外端面がトリガー側壁外面へ露出することとなり、又軸受け凹部を設けた場合は、トリガー側壁内面へ隆起部を設けてその隆起部中心に軸受け凹部を穿設することとなるため、その隆起部を付設した側壁部分外面の周辺にいわゆるヒケを生じ易い。そのようなヒケやピン軸外端面は機能上全く支障はないが、高価な化粧料等噴出用容器の部材としてそのようなヒケ等を有するトリガーを使用することは、その外観が劣ることになるため好ましくない。
【0004】
本発明は上記ヒケ等を有しない、外観に優れたトリガー付きの液体噴出容器としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段として容器体のシリンダ内から上方付勢させて作動部材を起立させると共に、容器体口頸部の外面へ嵌合させた装着筒から上外方へアームを起立させて、該アームの先端部と作動部材上端のノズル付きヘッドの上部とをトリガー基部とトリガー中間部との左右両側壁部分へ枢着させ、トリガー先端部の引寄せ操作で容器体内液体をノズルから噴出可能としたトリガー式液体噴出容器において、
上記トリガー内面へ介在部材13を設け、上記アーム7先端部とヘッド3との各左右両側部を、介在部材を介して間接にトリガー11の左右両側板へ枢着させた。
第2の手段として、上記第1の手段を有すると共に上記介在部材13を、頂板14の左右両側から左右両側板15を垂下させ、かつこれ等両側板後方と前方とに、下面を開口しかつ該開口部分の最小巾よりも直径を大とする軸孔16を穿設し、又上記アーム先端部とヘッドとの各左右側面から突出させた第2、第1ピン軸8、5へ軸孔16の開口部を押付けすることで、上記各軸孔内へピン軸が嵌合可能に形成した。
第3の手段として、上記第1または第2の手段を有すると共に、上記トリガーの左右両側壁部分の壁厚を実質的に均一とした。
【発明の効果】
【0006】
請求項1のようにすることで、トリガー枢着部分外面へヒケとしての凹部が形成されず、又ピン軸外端面が露出しないから、トリガー外面を滑らかな、外観に優れたトリガーとすることが出来る。
【0007】
請求項2のようにすることで、トリガーの組付けを容易とすることが出来る。
【0008】
請求項3のようにすることで、トリガー外面のヒケがより効果的に防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1から図4が示す第1実施形態について説明する。
【0010】
まず従来公知の部分について簡単に説明すると、1は口頸部を起立する容器体、該容器体内へはシリンダが垂設させてあり、該シリンダ内からは上方付勢させて、上端にノズル2付きヘッド3を嵌着させた作動部材4を起立させている。ヘッドの左右両外面から第1ピン軸5を左右外方へ突出する又容器体口頸部外面へは装着筒6が螺合させてあり、該装着筒からは上外方、図示例では上後方へアーム7を起立させている。該アームは底板左右両側から左右側壁を起立し、これ等両側壁後端部は円板とし、かつ該円板中央部からも第2ピン軸8を左右外方へ突出させている。
【0011】
11はトリガーで該トリガー基部と該トリガー中間部とを上記アーム7上端部とヘッド3とに枢着させる。該中間枢着部分前方のトリガー頂板部分にはノズル挿通孔12を穿設してノズル先端部をその挿通孔から前外方へ突出させている。
【0012】
本発明においては、トリガー11内面へ介在部材13を設け、上記トリガーと、アーム先端部およびヘッド3との各枢着を、介在部材13を介して間接に行っている。
【0013】
図示例において介在部材13は頂板14両側から左右側板15を垂下し、その左右側板の後方と前方とに、下面を開口する軸孔16を穿設した。
【0014】
その下面開口部はハ字形状の向い合う斜面で形成してこれ等両斜面上端を軸孔への入口部とし、該開口部内の開口巾が最小となっている該入口部の巾は軸孔直径よりも狭く形成している。
上記構成とすることにより、介在部材13の左右側板15を実質的に均一な壁厚で形成することができ、該介在部材13の外面におけるヒケの発生も効果的に防止され、特にトリガーが透明、又は半透明で形成された場合に、外観に優れる。
【0015】
トリガー上板11a の下面から押圧板11b を垂下し、該押圧板下面を介在部材13の頂板14へ当接させている。介在部材13の左右側板15はトリガー11の左右側壁11c 内面へ適宜手段で固着すればよい。
例えば、トリガー外面の外観を損なわない範囲であれば、トリガー左右側壁内面に凸条や凹条を形成し、介在部材13の左右側板15の外面にこれに対応する凹条や凸条を形成して両者を凹凸により嵌合させてもよい。
また、介在部材13とアーム先端部、及びヘッド3との枢着は、上記形態に限定されず、例えば、介在部材13に軸ピンを凸設し、アーム先端部に軸受凹部を形成し枢着してもよい。
【0016】
前記実施形態においては、トリガー左右側壁を実質的に均一な壁厚で形成したが、徐々に壁厚を変化させることによっても優れた外観を有するトリガーを得ることができる。
【0017】
図5は第2実施形態を示す。該実施形態はノズル2をトリガー上板11a 後部に穿設した挿通孔12を通して後方突出させたものであり、該液体噴出容器は、例えば頭部等へ液体噴出させる場合に使用するものである。
【0018】
上記構成において、容器体1上部を持ち、トリガー先端部を引寄せ操作すると、アーム上端の左右筒側面から突出させた第2ピン軸8を中心としてトリガー11が下方へ揺動し、よってトリガー中間部がヘッド3を押下げして容器体内液体をノズル2から噴出する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明容器の一部を切欠いた側面図である。
【図2】図1容器の平面図である。
【図3】トリガー引寄せ操作状態で示す、一部切欠きの側面図である。
【図4】主要部材の断面図である。
【図5】第2実施形態で示す一部切欠きの側面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 容器体 2 ノズル
3 ヘッド 4 作動部材
5 第1ピン軸 6 装着筒
7 アーム 8 第2ピン軸
11 トリガー 12 ノズル挿通孔
13 介在部材 16 軸孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器体のシリンダ内から上方付勢させて作動部材を起立させると共に、容器体口頸部の外面へ嵌合させた装着筒から上外方へアームを起立させて、該アームの先端部と作動部材上端のノズル付きヘッドの上部とをトリガー基部とトリガー中間部との左右両側壁部分へ枢着させ、トリガー先端部の引寄せ操作で容器体内液体をノズルから噴出可能としたトリガー式液体噴出容器において、
上記トリガー内面へ介在部材13を設け、上記アーム7先端部とヘッド3との各左右両側部を、介在部材を介して間接にトリガー11の左右両側板へ枢着させた
ことを特徴とするトリガー式液体噴出容器。
【請求項2】
上記介在部材13を、頂板14の左右両側から左右両側板15を垂下させ、かつこれ等両側板後方と前方とに、下面を開口しかつ該開口部分の最小巾よりも直径を大とする軸孔16を穿設し、又上記アーム先端部とヘッドとの各左右側面から突出させた第2、第1ピン軸8、5へ軸孔16の開口部を押付けすることで、上記各軸孔内へピン軸が嵌合可能に形成した
ことを特徴とする請求項1記載のトリガー式液体噴出容器。
【請求項3】
上記トリガーの左右両側壁部分の壁厚を実質的に均一としたことを特徴とする請求項1または2に記載のトリガー式液体噴出容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−167801(P2007−167801A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−371404(P2005−371404)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】