説明

トリック・モードに基づくクリップ

格納されたパフォーマンスのマルチフレーム・トリック再生クリップ群が、トリック再生モードで再生するために選択され、トリック再生クリップ群と少なくとも同じ長さのトリック再生クリップ群の合間の諸部分が、トリック再生モードにおいて飛ばされる。トリック再生クリップ群は、人間の視聴者が、トリック再生クリップ群の内容を理解することができるように、十分に長く、十分に低い速度で提示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書における本発明は、格納されたマルチメディア・パフォーマンスの提示のためのトリック再生モードの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
これらのマルチメディア・パフォーマンスは、通常、オーディオ、ビデオ、ならびにオプションとして、示されたテキスト・キャプションから成る。パフォーマンスは、普通、パフォーマンスが、普通、視聴者に提示される通常の前送り速度(forward speed)を有する。格納されたパフォーマンスのための記録デバイスおよび再生デバイスは、しばしば早送り再生、リバース再生、および高速リバース再生などのビデオに関するトリック再生モードを提供して、ユーザが資料を飛ばして進むあるいはパフォーマンスを記録する、または再生するのを開始する所望の位置をより都合よく見つけることができるようにする。トリック再生ビデオ・モードは、普通、異なる速度、または逆方向であり、しばしば、通常の再生とは異なる滑らかさである。既知のトリック・ビデオ再生中、オーディオおよびキャプションは、再生されない。
【0003】
通常の再生中、ビデオ・フレームは、通常、一定の所定のビデオ・フレーム・レートで視聴者に提示され、各フレームが一定の所定の通常フレーム期間にわたって提示される。同様に、デジタル・オーディオは、普通、一定の所定のオーディオ・フレーム・レートで視聴者にやはり提示される、オーディオ・フレームに分割される。以上により、ビデオおよびオーディオに関して通常の速度を有する提示がもたらされる。他方、キャプションに関するデータは、ビデオ・フレーム・レートまたはオーディオ・フレーム・レートよりはるかに低い変化する速度で提示される。通常の再生中、各キャプションは、視聴者がそのキャプションを読むのに十分なだけ長い、通常の期間にわたって提示される。普通、通常の再生中、各キャプションは、次のキャプションまたは空白のキャプションによって消去されるまで、スクリーン上に留まる。
【0004】
トリック再生モードの速度および方向は、普通、パフォーマンスが、通常、視聴者に提示される通常の前送り速度との関係で表現される。例えば、2×速度は、ビデオが、通常の速度の2倍で提示されていることを意味する。2×ビデオ速度を提示するのに、ビデオ・フレームは、通常のビデオ・フレーム期間の半分に対して、通常のビデオ・フレーム・レートの2倍で提示されることがある。しかしながら、ビデオ・ディスプレイは、しばしば、単一の所定のフレーム・レートでだけ、フレームを受け入れる。その場合、2×速度は、フレーム群の半分を飛ばして進み、残りのフレーム群を通常のフレーム・レートで、通常のフレーム期間にわたって提示することによって達せられることがある。フレーム群の半分をフレーム・レートの2倍で提示することは、目に見えてぎくしゃくした動きをもたらすことがある。トリック速度ビデオが、およそ8×を超えて増加すると、次いで、物体および人々の通常の動き、ならびにカメラがパンされること(panning)、およびカメラ・アングルが変えられることにより、視聴者が理解することができない提示がもたらされる。
【0005】
MPEGは、デジタル・ビデオを圧縮するように符号化するための一般的なフォーマットである。例えば、各GOP内に、例えば、16のピクチャが存在することがある。各ピクチャは、フレームと呼ばれる。GOP内で提示される最初のフレームは、Iフレームと呼ばれ、Iフレームの復号化は、独立であり(JPEGピクチャと同様に)、Iフレームの復号化は、他の何れのフレームの復号化にも依存しない。GOP内の他のフレームは、PフレームおよびBフレームである。Pフレームの復号化は、GOP内の最も近い先行するIフレームまたはPフレームの復号化に依存する。Bフレームの復号化は、最も近い後続のPフレームの復号化とともに、最も近い先行するIフレームまたはPフレームの復号化にも依存する。
【0006】
MPEGデータ・ストリームは、所定のフォーマットを有するヘッダをそれぞれが有しており、データ・セクションをそれぞれが有する一続きのパケットから成る。ヘッダは、特定のビデオ・フレームに関するデータを含むパケット群を識別するアンドIDを含む。1つのビデオ・フレームに関するすべてのデータ・パケットは、後続のビデオ・フレームに関するデータ・パケットのいずれよりも前に、伝送/格納されて、異なるビデオ・フレームに関するパケット群が混合しないようにされる。しかし、オーディオ・フレームまたはキャプションなどの、他のメディアに関するデータ・パケット群は、ビデオ・フレームに関するデータ・パケット群と混合されても良い。
【0007】
ビデオ・フレームに関する圧縮されたデータは、復号化に必要とされる順序で、伝送され、格納され、したがって、
I,B,B,P,B,B,P,B,B,P,B,B,P,B,B10,P
という順序で提示されるGOPは、
I,P,B,B,P,B,B,P,B,B,P,B,B,P,B,B10
という順序で伝送され、格納される。なぜなら、例えば、Pフレームのデータは、Pが提示される前に提示されるBフレームおよびBフレーム復号化のために要求されるからである。
【0008】
MPEG圧縮されたビデオに関して高速トリック再生を提供することは困難であった。というのは、復号化は、相当な処理作業(processing effort)を要求するからである。例えば、フレーム群の半分を飛ばして進むことは、要求される復号化作業をそれに比例して減少させない。というのは、要求されるBフレーム群を復号化するのに、すべてのIフレームおよびPフレームが、依然として復号化される必要があり、Iフレーム群およびPフレーム群は、Bフレーム群の復号化よりもはるかに多くの作業を要するからである。
【0009】
MPEG圧縮されたデジタル・マルチメディア提示に関する、よく知られている早送りトリック再生モードでは、Iフレーム群だけが提示され、他のタイプのフレームのいずれも提示されない。トリック・モード提示の速度の倍数が、GOP内のIフレームの数より小さい場合、次いで、Iフレーム群は、通常より長いフレーム期間にわたって提示されなければならない。そのような提示により、極めてぎくしゃくした提示がもたらされるが、少なくとも、視聴者は、早送りトリック再生モードにおいて、ビデオの諸部分を認識することができる。例えば、4×速度で、各GOP内に16のピクチャがある場合、各Iフレームは、通常のフレーム時間の4×にわたって示される。Iフレームの先頭は、普通は、ビデオ・トリック・モード入口点と呼ばれる。というのは、復号化は、Iフレームにおいてだけ開始することが可能だからである。Iフレームを迅速に見つけるため、ビデオ・トリック・モード入口点(例えば、Iフレームの先頭)の場所の指示が、Iフレームの前の最後のデータ・パケットの中でフラグを提供することなどにより、提供されることが可能である。ビデオ・トリック・モード出口点は、誤り、あるいはアーチファクトと呼ばれる異常を全く残すことなしに、復号化が停止することができる、MPEGデータ・ストリームの中の位置である。各ビデオ・フレームの終端は、MPEGビデオに関するトリック・モード出口点である。
【0010】
混乱を最小限に抑えるため、本出願者は、オーディオ、ビデオ、テキストなどの異なるタイプの提供を指すのに、「メディア(media)」という用語を使用した。本出願者は、記録担体などの記憶媒体、ならびに、電磁波の形態の信号が伝送される空間、またはワイヤ、または光ケーブルなどの伝送媒体を指すのに、「媒体(medium)」という用語を使用した。当技術分野に通じていない人々は、注意を払わなければならない。というのは、メディアと媒体はともに、当分野では、しばしば、互いに区別なく使用されるからである。
【0011】
ウェア(Ware―人名―)に対する米国特許第5664044号においては、オーディオとビデオは、ともに、通常のトリック再生モードよりも高速で提示される。マクラーレン(McLaren―人名―)等に対する米国特許第6064794号においては、MPEG符号化されたビデオのトリック再生モードに関する入口点を特定することが開示されている。エレンバーグ(Erenburg―人名―)等に対する国際公開第99/65239号においてはMPEG符号化されたビデオとともにトリック・モード再生に関する入口点を格納することが開示されている。当業者は、参照により全体が本明細書に組み込まれている上記の引用文献を参照されたい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書の本発明では、パフォーマンスを再生するためのトリック・モードに基づくクリップが提供される。パフォーマンスは、例えば、オーディオ・パフォーマンスおよび/またはビデオ・パフォーマンスであることが可能である。パフォーマンスは、パフォーマンスの通常の再生中に、所定の通常のフレーム・レートで所定の通常のフレーム提示順序で提示するための、多数の順次フレームを含む。また、パフォーマンスは、提示が視聴者に通常に提示される、通常の動き速度、および通常の方向も有する。パフォーマンスは、記憶媒体上に格納され、その後、パフォーマンスの諸部分が、パフォーマンスを再生するために記憶媒体から読み取られる。パフォーマンスのフレームは、トリック再生クリップおよび高速スキム・クリップに細分される。トリック再生クリップおよび高速スキム・クリップはそれぞれ、複数の順次フレームを含み、トリック再生クリップは、通常のフレーム提示順序において高速スキップ・クリップと交互になる。異なるメディアのフレーム群は、同一のトリック再生クリップの中に含められてもよく、あるいは、異なるメディアのフレーム群は、異なる形で細分されても良い。
【0013】
トリック再生モードにおけるパフォーマンスの再生中、トリック再生クリップは、再生され、高速スキム・クリップは、スキミングされる。スキミングは、高速スキム・クリップを、完全に飛ばして進むこと、またはトリック再生クリップよりも相当に高い速度で、高速スキム・クリップを再生することであることが可能である。トリック再生クリップの一部のフレーム群は、高速トリック再生ビデオ・モードのために飛ばされる必要があることがある。高速スキム・クリップが、高い速度で再生される場合、次いで、高速スキム・クリップのフレーム群の一部が、飛ばされる必要があることがある。トリック再生モードで再生およびスキミングを行う平均速度は、パフォーマンスに関する通常の速度と大幅に異なる。トリック再生クリップ群は、人間の視聴者が、トリック再生クリップ群の内容を理解することができるように、十分に長く、十分に低い速度で提示される。
【0014】
トリック再生モードでは、トリック再生クリップ群が再生される速度は、通常であることも、あるいは通常より遅いこと、または速いこともあり、順方向であることも、逆方向であることもある。トリック再生クリップ群を再生する速度は、編集中にあらかじめ決められても、トリック・モード再生中にユーザによる調整が可能であっても良い。マルチメディア・パフォーマンスに関して、本発明では、異なるメディアが再生される速度は、異なるメディアに関して異なっても良い。ビデオに関するトリック再生クリップは、オーディオに関するトリック再生クリップと異なっても良い。例えば、ビデオのために全部のクリップが使用されるが、オーディオのためにクリップ群の1/4だけが使用される、2×オーディオ速度および8×ビデオ速度を有する、トリック再生モードが提供されることも可能である。そのようなモードが提供されることにより、選択されたクリップ群の高速の滑らかなビデオ再生、ならびに、依然として理解可能である選択されたクリップ群の同時のオーディオ再生が可能になる。クリップ群が提示される順序は、各クリップ内のフレーム群が示される順序と異なることが可能である。1つの可能性は、クリップ群が逆の順序で再生され、クリップのビデオ・フレーム群は、逆の順序で再生されるが、クリップのオーディオ・フレーム群は、オーディオが理解されることが可能であるように順方向の順序で再生される、高速リバース・ビデオ・トリック・モードである。トリック再生クリップの長さと、高速スキム・クリップの長さは、同一の長さであっても、異なる長さであってもよく、長さは、あらかじめ決められても、トリック・モード再生中にユーザによる調整が可能であっても良い。
【0015】
トリック再生クリップ群は、選択されたトリック再生入口点で始まることがある。トリック再生クリップ群は、編集プロセス中にあらかじめ選択され、次いで、トリック再生入口点を示すことに加えて、いずれのトリック再生入口点が、トリック再生クリップの開始として選択されるかの指示も格納される。トリック再生クリップの開始位置の指示は、パフォーマンス内で示されても、パフォーマンスの外部のテーブルの中で示されても良い。
【0016】
本発明の以上、およびその他の目的および特徴は、添付の図面を参照して提示される以下の詳細な説明から、当業者には明白となろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の方法を示す。ステップ100で、パフォーマンスが提供される。パフォーマンスは、パフォーマンスの通常の再生中に、所定の通常のフレーム・レートで所定の通常のフレーム提示順序で提示するための多数の順次フレームを含む。提示は、視聴者に提示するための通常の速度、および通常の再生方向を有する。例えば、パフォーマンスは、オーディオ・パフォーマンスまたはビデオ・パフォーマンス、あるいはオーディオ、ビデオ、およびテキスト・キャプションを伴うマルチメディア・パフォーマンスであることがある。パフォーマンスはブロードキャストでき、またはインタラクティブに受信できる。
【0018】
ステップ102で、トリック・モードのためのトリック再生クリップ群が選択される。トリック再生クリップ群は、複数のフレームを含み、高速スキム・クリップ群として定義される複数のフレームで互いに離隔される。複数の異なるトリック・モードのためのクリップ群は、パフォーマンスの作成プロセス中に選択されてもよく(図示するとおり)、あるいは代替として、トリック再生クリップ群は、トリック・モードにおける再生中、必要に応じて、自動的に選択されることも可能である。自動的選択は、ステップ112に関連して、以下により詳細に説明する。トリック再生クリップ群は、作成プロセス中に選択される場合、トリック再生クリップ群が、論理的に理解可能であり、認識可能な諸部分に相当するように選択されることが可能である。例えば、理解可能な句または言明を含むトリック再生オーディオ・クリップ群が選択されることが可能であり、パフォーマンスの認識可能な諸部分を含むトリック再生ビデオ・クリップ群が選択されることが可能である。トリック再生クリップ群は、ハイライト、あるいは場面の重要な、または記憶しやすく顕著な(memorable)諸部分でさえあることがある。
【0019】
異なるトリック再生モードに関して、異なるトリック再生クリップ群が選択されてもよく、あるいは、トリック再生クリップの同一の組が、異なるトリック再生モードのために使用されることも可能である。ビデオやオーディオなどの異なるメディアに関して、異なるトリック再生クリップ群が選択されることが可能であり、あるいは、同一のトリック再生クリップ群が、異なるメディアのために使用されることが可能である。オーディオなどの1つのメディアに関して、トリック再生クリップ群が、編集プロセス中にあらかじめ選択されることが可能であり、ビデオなどの別のメディアに関して、トリック再生クリップ群が、例えば、トリック・モード入口点、およびユーザが選択したクリップ長に基づき、トリック再生モードにおける再生中に自動的に選択されることが可能である。トリック再生クリップ群はすべて、同一の一様なサイズであってもよく、あるいは、トリック再生クリップ群は、クリップ群がより理解できるように、異なるサイズであっても良い。
【0020】
MPEG圧縮を使用したビデオ提示では、普通、各Iフレームの先頭(Iフレームの最初のパケットの先頭)だけが、ビデオ・トリック・モード入口点である。つまり、ビデオ復号化は、各Iフレームの先頭でだけ開始することが可能である。このため、ビデオに関するトリック・モード・クリップ群は、Iフレームの先頭に先立って、またはIフレームの先頭で開始しなければならない。一般に、ビデオのために使用されるトリック再生クリップがビデオ・トリック・モード入口点で開始し、トリック・モード・ビデオ出口点で終了すると好都合である。各ビデオ・フレームの終端(フレームの最後のパケットの終端)は、ビデオ・トリック・モード出口点である。
【0021】
MPEGオーディオにおいて、各オーディオ・フレームは、各オーディオ・フレームの先頭(オーディオ・フレームに関する最初のパケットの先頭)が、オーディオ・トリック・モード入口点であり、各オーディオ・フレームの終端(オーディオ・フレームに関する最後のパケットの終端)が、オーディオ・トリック・モード出口点であるように、独立に復号化可能である。
【0022】
ステップ104で、パフォーマンスが圧縮される。例えば、MPEGIIタイプのビデオ圧縮が、ビデオに関して使用されてもよく、MPEGタイプのオーディオ圧縮が、オーディオに関して使用されても良い。代替として、パフォーマンスを圧縮する他の既知の方法が使用されることも可能である。圧縮は、MPEGIIのように、可変であってもよいし、あるいは、圧縮は、固定比タイプの圧縮であることも可能である。MPEG圧縮されたパフォーマンス内では、各Iフレームの先頭が、ビデオ・トリック・モード入口点であり、各オーディオ・フレームの先頭が、オーディオ・トリック・モード入口点であり、各キャプションの先頭が、テキスト・トリック・モード入口点である。
【0023】
ステップ106で、トリック再生クリップ群の位置の指示が提供される。指示は、トリック再生クリップ群の開始の位置に対するポインタとして提供されてもよく、あるいは位置は、圧縮されたパフォーマンス内で示されることも可能である。例えば、トリック再生クリップの開始に先立つ、MPEGII圧縮されたストリームの最後のパケットのヘッダ内のタグが、トリック再生クリップの先頭を示すのに使用されることが可能である。
【0024】
MPEGIIなどの可変圧縮スキームに関して、一般に、位置の指示は、パフォーマンスが圧縮されるまで、特定されることが可能でない。MPEGビデオ圧縮に関して、ピクチャの各グループの先頭は、ビデオ・トリック・モード入口点であり、復号化する際の便宜のため、各トリック再生ビデオ・クリップの開始は、それらのビデオ・トリック・モード入口点の1に対応しても良い。
【0025】
ビデオ・トリック・モード入口点と、ビデオ・トリック再生クリップ群の位置の両方の指示、または、いずれのビデオ・トリック・モード入口点が、ビデオ・トリック再生クリップ群の先頭でもあるかという指示を提供することが好都合であることがある。
【0026】
ステップ108で、パフォーマンスが、記憶媒体上に格納される。トリック再生クリップ群の位置があらかじめ特定されている場合、次いで、トリック再生クリップ群の位置の指示も、同一の記憶媒体上に格納される。トリック再生クリップ群に関する位置指示は、ポインタの形態であってもよく、その場合、ポインタが、ポインタのテーブルとして記憶媒体上に格納されることが可能である。位置指示が、MPEGII圧縮されたパフォーマンスのパケットの中のタグの形態である場合、次いで、記憶媒体上に格納されるのに先立って、パケットが変更される。
【0027】
トリック・モード入口点が、格納されたパフォーマンスの中で示され、トリック再生クリップが、選択されたトリック・モード入口点で開始する場合、次いで、いずれのトリック・モード入口点が、トリック再生クリップの先頭でもあるかという指示も、トリック再生クリップの先頭を示すように格納される。
【0028】
ステップ110で、トリック再生モードにおいて、トリック再生クリップ群が記憶媒体から読み取られる。トリック再生クリップ群の位置が、あらかじめ特定されている場合、次いで、トリック再生クリップ群の位置の指示も、記憶媒体から読み取られる。高速スキム・クリップ群が、トリック再生モードにおいて飛ばされることになる場合、次いで、高速スキム・クリップ群の少なくとも諸部分は、記憶媒体から読み取られる必要がないことがある。指示が、圧縮されたパフォーマンスの中に含まれる場合、次いで、高速スキム・クリップの諸部分が、読み取られて、それらの指示が探し出され、識別されなければならない。例えば、トリック再生クリップより前、またはトリック再生クリップの開始におけるパケットのヘッダ内にタグが存在する場合、次いで、トリック再生クリップの開始の直前の高速スキム・クリップの少なくとも一部分が、トリック再生クリップの開始の指示を読み取るために、読み取られなければならない。そうではなく、トリック再生クリップ群に対するポインタが、記憶媒体上に(例えば、テーブルの中に)格納されている場合、次いで、高速スキム・クリップ群は、読み取られる必要がなく、トリック再生クリップ群に直接アクセスが行われる。
【0029】
ステップ112で、トリック再生モードにおけるパフォーマンスの再生中に、トリック再生クリップ群が再生され、高速スキム・クリップ群がスキミングされる。スキミングは、高速スキム・クリップ群を完全に飛ばして進むことであっても、トリック再生クリップ群よりも相当に高い速度で、高速スキム・クリップ群を再生することであっても良い。
【0030】
トリック再生モードでは、トリック再生クリップ群が再生される速度は、通常であることも、あるいは通常より遅いことも、または速いこともあり、順方向であることも、逆方向であることもある。トリック再生クリップ群を再生する速度は、編集中にあらかじめ決められても、トリック・モード再生中にユーザによる調整が可能であっても良い。マルチメディア・パフォーマンスに関して、速度は、異なるメディアに関して異なっても良い。ビデオに関するトリック再生クリップ群は、オーディオに関するトリック再生クリップ群と異なっても良い。
【0031】
トリック再生モードで再生およびスキミングを行う平均速度は、通常の速度と大幅に異なる。トリック再生クリップ群は、人間の視聴者が、トリック再生クリップ群の内容を理解することができるように、十分に長く、十分に低い速度で提示される。高速スキム・クリップ群は、高速スキム・クリップの大部分を視聴者が理解することができず、認識することさえできないような、高い速度で再生されても良い。
【0032】
典型的なトリック再生モードでは、トリック再生ビデオ・クリップは、MPEG圧縮スキームにおけるピクチャのグループの半分に相当する8フレームを含む。高速スキム・クリップは、ピクチャの1〜1/2グループに相当する24フレームを含むことがある。トリック再生ビデオ・クリップ群は、通常のフレーム期間の1/4にわたって、トリック再生クリップのビデオ・フレームのそれぞれを表示することにより、4×の速度で再生されてもよく、高速スキム・クリップは、通常のフレーム期間にわたって高速スキム・クリップの中の各Iフレームだけを再生することにより、はるかに高い速度(例えば、16×の速度)で再生されても良い。
【0033】
トリック・モードにおけるクリップからクリップへの順序の方向は、各クリップのフレーム群が再生される順序の方向とは異なることが可能である。例えば、通常の順序におけるクリップ1、クリップ2、クリップ3がそれぞれ、通常の順序でフレームA、フレームB、フレームCを有する場合、次いで、クリップ群は、各クリップ内のフレーム群がA、B、Cという通常の順序で再生されながら、3、2、1という逆のクリップ順序で再生されることが可能である。こうして、クリップのフレーム群が通常の順序で再生されながら、クリップ群が、逆のクリップ順序で再生される。そのようにすることで、提示が、リバース・トリック・モードで再生されながら、オーディオが理解されることが可能になる。
【0034】
トリック再生クリップの長さと、高速スキム・クリップの長さは、通常の再生時間に関して、同一の長さであっても、異なる長さであってもよく、クリップの長さは、あらかじめ決められても、トリック・モード再生中にユーザによって調整可能であっても良い。
【0035】
図2は、本発明の信号の特定の典型的な実施形態を示す。トリック再生クリップ群の位置の指示を含む第1の部分122が提供されることがある。信号の残りの諸部分は、複数の高速スキム・クリップ124、126、および128と交互になる複数のトリック再生クリップ123、125、および127を含むことがある。高速スキム・クリップ128の後に続く楕円は、交互するクリップ群が続くことを示す。例えば、1/4秒の長さのクリップ群を有する1時間のパフォーマンスは、およそ7000のトリック再生クリップを含むことがある。
【0036】
ポインタのテーブルの後に続く最初のクリップ123は、トリック再生クリップであるが、代替として(図示せず)、パフォーマンスは、高速スキップ・クリップで始まっても良い。部分122の位置の指示は、各トリック再生クリップの開始の位置に対するポインタを含むテーブル、またはポインタのリストであっても良い。また、トリック再生クリップの終端(高速スキム・クリップの先頭)に対するポインタも、トリック再生クリップ群のサイズが一様ではない場合、要求されることがある。パフォーマンスの前または後の別個の部分の中でポインタを提供する代りに、後続のトリック再生クリップ群に関するポインタは、先行するトリック再生クリップ群の中で提供されても良い。代替として、クリップIDのような指示が、トリック再生クリップの先頭で、または先行する高速スキップ・クリップの終端近くで、圧縮されたパフォーマンスの中で提供されることが可能であり、高速スキップ・クリップの最後の部分が走査されて、トリック再生クリップの先頭が見出されることが可能である。
【0037】
ビデオ・パフォーマンス(すなわち、ビデオを含むパフォーマンス)に関して、各トリック再生クリップは、多数のビデオ・フレームに関するデータを含む。トリック再生クリップの中に含まれるフレームの数は、トリック再生ビデオ・モードでクリップが再生された場合、視聴者が、そのクリップの内容のいくらかを認識することができるように、十分である。つまり、トリック再生モードで再生された場合、トリック再生クリップ群は、より単なる判読できない不鮮明なもの(unintelligible blur)であるが、パフォーマンスに非常に通じた誰かによって認識可能である。
【0038】
トリック再生クリップ群に先立って信号の中でポインタを提供することの利点は、信号が格納されて、高速スキム・クリップ群を再生することが完全に飛ばされることになる場合、次いで、高速スキム・クリップ群を読み取ること、および処理することも省かれることが可能であることである。
【0039】
図3は、図2の典型的な信号の諸部分のより詳細な図である。各クリップ123、124、および125は、パケット132、135、および138などの、多数のそれぞれのパケットをそれぞれ含み、各パケットは、それぞれのヘッダ133、136、および139を含み、各パケットは、それぞれのデータ・セクション134、137、および140を含む。その他の指示に加えて、または代替として、トリック再生クリップ群の場所は、先行する高速スキム・クリップの最後のパケットの中で示されてもよく、例えば、パケット138が、高速再生クリップの最初のパケットであることを示すように、フラグまたはクリップIDがヘッダ136内で提供されても良い。やはり、他の指示に加えて、または代替として、トリック再生クリップ群の場所は、トリック再生クリップ125の最初のパケット138のヘッダ139内のフラグによるなど、トリック再生クリップの最初のパケットの中で示されても良い。やはり、他の指示に加えて、または代替として、トリック再生クリップ群の場所は、後続のトリック再生クリップ125の開始129に対する、トリック再生クリップ123のパケットの中のポインタによるなど、先行するトリック再生クリップの中で示されても良い。
【0040】
この実施例では、トリック再生クリップ群は、トリック再生モード中に再生されるすべてのタイプのメディアに関して同一である。しかし、各タイプのメディアの再生は、そのタイプのメディアに関するトリック・モード入口点においてだけ始まることが可能である。各トリック再生クリップの開始において、再生される各タイプのメディアに関する次のパケットが、そのタイプのメディアに関するトリック・モード入口点であるように、パフォーマンスのパケット群を並べることが可能である。代替として、トリック再生クリップの開始の後、各タイプのメディアを再生することが、そのタイプのメディアに関するトリック・モード入口点に到達するまで、単に遅延される。同様に、トリック再生クリップの中の各タイプのメディアの最後のパケットが、トリック・モード出口点であるようにパケット群を並べて、トリック・モードが、アーチファクトを生じさせることなしに、再生することを止めることができるようにすることが可能である。代替として、各メディアの再生は、トリック再生クリップの中のそのタイプのメディアに関する最後のトリック・モード出口点で終了することも可能である。別の代替は、各タイプのメディア(再生されている)のトリック・モード再生が、トリック・モード・クリップの終了の後、最初のトリック・モード出口点に到達した際に終了することである。
【0041】
代替として、異なる各タイプのメディアに関して、異なるトリック再生クリップ群が定義されることが可能である。その場合、各タイプのメディアのトリック・モード・クリップ群の位置に関する指示が提供される。高速スキム・クリップ群の再生が、トリック・モードにおいて飛ばされる場合、次いで、少なくとも一部のケースで、異なる高速スキム・クリップ群が、すべてのタイプのメディアに関して重なり合うように、異なるメディアに関するトリック再生クリップ群を選択することにより、高速スキム・クリップ群の読み取りを減らすことが可能である。
【0042】
図4は、トリック再生クリップ群、ならびにトリック再生クリップ群の場所の指示を含むパフォーマンスを含む記憶媒体をもたらすための、本発明のレコーダ200を示す。パフォーマンスが、入力202で提供される。選択ユニット204が、トリック再生モードで使用するためのパフォーマンスのトリック再生クリップ群を選択するのに使用される。符号器206が、パフォーマンスを圧縮する。指示特定ユニット208が、パフォーマンスとともに格納されるべき、トリック再生クリップ群の位置の指示を特定する。フォーマット・ユニット210が、パフォーマンスと、トリック再生クリップ群の位置の指示を一緒にフォーマットして、本発明の信号211に入れ、信号211は、伝送媒体を介して、書き込みヘッド212に伝送され、ヘッド212が、記憶媒体214上にその信号を記録する。
【0043】
符号器206は、パフォーマンスが符号化される必要がない場合、要求されない。記憶媒体214が、ソリッドステート媒体である場合、次いで、書き込みヘッド212は、要求されず、信号は、ソリッドステート媒体上に直接格納されることが可能である。記憶媒体214は、例えば、DVDディスクなどの取り外し可能記録担体、または複数の記録担体を後に形成するためにプレスで使用されるマスタ・ディスクであっても良い。
【0044】
図5は、トリック再生モードでトリック再生クリップ群を再生することを含む、パフォーマンスを再生するための本発明のプレーヤ240を示す。記憶媒体214が、コントローラ244によって制御される読み取りヘッド242によって読み取られる。トリック再生クリップ群が、あらかじめ決められて、高速スキム・クリップ群が、トリック再生モード中、飛ばされる場合、次いで、コントローラ244が、トリック再生クリップ群の位置の指示を受け取り、トリック再生モード中、コントローラは、高速スキム・クリップ群の読み取りを飛ばして進むように読み取りヘッドを制御する。選択器246が、コントローラ244からの信号に依存して、復号化されるべき、読み取られた信号の諸部分を選択する。トリック再生クリップ群が、あらかじめ決められていない場合、次いで、トリック再生モード中、選択器が、トリック再生モードで再生するためのトリック再生クリップ群および高速スキップ・クリップ群を選択するのに使用される。復号器248が、読み取られた信号の選択された諸部分を伸張して、伸張された信号249をフレーム・フォーマッタ(formatter)250に提供しており、フォーマッタ250は、信号を提示信号251にフォーマットして、信号251が、通常モードおよびトリック再生モードで提示を視聴者に再生する提示ユニット252に伝送される。フレーム・フォーマッタ250がフォーマットを行うことは、所望のフレーム群だけを提供するようにコントローラ244の制御下にあり、所望のフレーム・レートを提供するように提示ユニット252を制御することがある。
【0045】
トリック再生クリップ群が、あらかじめ決められ、高速スキム・クリップ群が、トリック再生モード中、飛ばされる場合、次いで、選択器426は、要求されないことがある。
【0046】
図4のレコーダは、記録能力と再生能力をともに有する単一の装置をもたらすように、図5のレコーダと組み合わされることが可能である。
【0047】
図6は、デジタル・ビデオ・カセット・レコーダ270を示す。レコーダは、ビデオ・テープ273を含むビデオ・カセット272を受け入れるための開口271を有する。ドライブ274が、回転ヘッド275を回転させて、ビデオ・テープにわたる傾斜トラック(slanted tracks)からデジタル・ビデオ・パフォーマンスのフレーム群を読み取る。ビデオ・パフォーマンスは、ピクチャのグループ(GOP―group of picture―)に基づいて符号化されて、GOPの先頭は、各トラックの開始にある。テープ駆動機構276が、回転ヘッドにおいてビデオ・テープを長手方向に動かす。コントローラ277は、ヘッドの回転速度、ならびにトラックの1つからの連続したフレームを読み取る通常の速度をもたらす、同期されたテープの線形速度(linear speed)、および異なる速度で、トラックの1つからの連続したフレームを読み取るための、異なるトリック再生モード速度を制御するための、プログラミングされたモジュールと、トラックの開始で始まるトラックの第1の部分の中の複数のフレームが再生され、第1の部分以上の長さである、トラックの終端で終わるトラックの第2の部分の複数のフレームがスキミングされ、スキミングは、飛ばして進むこと、または第1の部分が再生されるよりも速いレートで再生することであり、フレーム群が再生される速度は、フレーム群がテープから読み取られる速度とは異なるトリック再生モードで、パフォーマンスの諸部分を再生することを制御するためのプログラミングされたモジュールとを含む。
【0048】
本発明は、当業者が、本発明を実施し、使用することを可能にし、本発明を実施するために企図される最良の形態を説明するように、特定の好ましい諸実施形態を参照して開示された。当業者は、本発明の趣旨を逸脱することなく、それらの実施形態に変更、または追加を行う、または他の諸実施形態を提供することをしても良い。このため、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってだけ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の方法の流れ図の例である。
【図2】本発明の典型的な信号を示す図である。
【図3】図2の典型的な信号のさらなる詳細を示す図である。
【図4】本発明のレコーダを示す図である。
【図5】本発明のプレーヤを示す図である。
【図6】本発明のデジタル・ビデオ・カセット・レコーダを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の通常の方向で、所定の通常の速度における多数のフレームを含むパフォーマンスの通常の再生中に提示するために、該パフォーマンスを提供すること、
前記パフォーマンスを記憶媒体上に格納すること、
前記記憶媒体から前記パフォーマンスの諸部分を読み取ること、
トリック再生クリップ群の合間の前記パフォーマンスの諸部分は、トリック再生モードにおいてスキミングされるための高速スキム・クリップ群と定義され、複数のトリック再生クリップ、および複数の高速スキム・クリップはそれぞれ、複数の後続のフレームを含み、前記トリック再生クリップ群は、前記高速スキム・クリップ群と前記通常の再生方向で交互になる、前記トリック再生モードで再生するための前記格納されたパフォーマンスの前記トリック再生クリップ群を選択すること、
前記トリック再生クリップ群を再生すること、および前記トリック再生クリップ群の合間の前記高速スキム・クリップ群をスキミングすることを含む前記トリック再生モードで前記パフォーマンスの諸部分を再生し、前記スキミングすることは、前記トリック再生モードにおいて、高速スキム・クリップ群を飛ばすこと、または前記トリック再生クリップ群より大幅に高い速度で高速スキム・クリップ群を再生することであり、前記トリック再生モードで前記再生し、前記スキミングする速度は、前記通常の速度とは大幅に異なり、前記トリック再生クリップ群は、人間の視聴者が、前記トリック再生クリップ群の内容を理解することができるように、十分に長く、十分に低い速度で提示されること、
を含む方法。
【請求項2】
前記トリック再生モードにおいて、前記トリック再生クリップ群は、前記通常の速度で再生される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トリック再生モードにおいて、前記トリック再生クリップ群は、前記視聴者が依然として理解することができる、通常より速い速度で再生される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記トリック再生モードにおいて、前記高速スキム・クリップ群は、前記トリック再生クリップ群の少なくとも2倍の速度で再生される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記パフォーマンスはビデオを含み、前記フレーム群はビデオ・フレーム群を含み、前記トリック再生クリップ群および前記高速スキム・クリップ群はビデオ・クリップ群を含み、前記トリック再生モードにおいて、前記トリック再生ビデオ・クリップ群は、前記視聴者が、前記ビデオ・クリップ群を理解することができるように、前記通常の速度のおよそ8倍未満で提示される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記トリック再生ビデオ・クリップ群の1つのトリック再生ビデオ・クリップが前記トリック再生モードで再生される場合、前記トリック再生ビデオ・クリップの複数のビデオ・フレームは、飛ばされ、前記トリック再生ビデオ・クリップの複数の他のビデオ・フレームは、再生される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記トリック再生ビデオ・クリップ群は、前記トリック再生ビデオ・クリップ群が、ビデオの論理的に関係する諸部分を含むように、前記パフォーマンスを格納するのに先立って作成プロセス中に選択される請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記パフォーマンスは、オーディオを含み、前記フレーム群は、オーディオ・フレーム群を含み、前記トリック再生クリップ群および前記高速スキム・クリップ群はそれぞれ、オーディオ・クリップ群を含み、前記トリック再生モードにおいて、前記高速スキム・オーディオ・クリップ群は飛ばされ、複数のトリック再生オーディオ・クリップに関して、前記トリック再生オーディオ・クリップの前記フレーム群のいずれのフレームも、前記トリック再生モードにおいて飛ばされず、前記トリック再生モードにおいて、前記トリック再生オーディオ・クリップ群は、前記視聴者が前記オーディオ・クリップ群を理解することができるように前記通常の速度のおよそ3倍未満で再生される請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記トリック再生オーディオ・クリップ群は、前記トリック再生クリップ群が、オーディオの意味ある諸部分を含むように、前記パフォーマンスを格納するのに先立って作成プロセス中に選択される請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記パフォーマンスは、通常のビデオ速度におけるビデオを含み、前記トリック再生モードにおいて、前記ビデオ速度は、通常のビデオ速度とは異なり、前記ビデオ速度は前記オーディオ速度とは異なる請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記ビデオ速度は、スローモーション・トリック再生モードを提供するように、前記通常のビデオ速度未満であり、前記オーディオ速度は、前記スローモーション・トリック再生モード中、実質的に通常である請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ビデオ速度は、ファースト・モーション(fast motion)トリック再生モードを提供するように、通常より速く、前記オーディオ速度は、前記ファーストモーション・トリック再生モード中、実質的に通常のオーディオである請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ビデオ方向は、リバース・モーション(reverse motion)トリック再生モードを提供するように、前記通常の方向の逆であり、前記トリック再生オーディオ・クリップ群は、逆の順序で提供されるが、前記オーディオ・クリップ群の内容は、前記リバースモーション・トリック再生モード中、前記オーディオ・クリップ群が理解されることが可能であるように、前記通常の方向で再生される請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記パフォーマンスは、マルチメディア・パフォーマンスであり、前記フレーム群は、少なくとも2つのタイプのメディアのフレーム群を含み、前記トリック再生クリップ群および前記高速スキム・クリップ群はそれぞれ、少なくとも2つの異なるタイプのメディアのクリップ群を含み、前記少なくとも2つのタイプのメディアのそれぞれに関して、該メディアに関する前記それぞれのトリック再生クリップ群は、前記視聴者が、該それぞれのトリック再生クリップ群を理解することができるように、十分に長く、十分に低い速度で提示される請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記トリック再生クリップ群は、前記異なるメディアに関する異なる部分で開始する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記パフォーマンスは、オーディオおよびビデオを含み、前記フレーム群は、オーディオ・フレーム群およびビデオ・フレーム群を含み、前記トリック再生クリップ群および前記高速スキム・クリップ群は、オーディオ・クリップ群およびビデオ・クリップ群を含む請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記トリック再生モードにおいて、前記トリック再生オーディオ・クリップ群は、前記通常のオーディオ速度のおよそ3倍未満で提示され、前記トリック再生ビデオ・クリップ群は、前記通常のビデオ速度のおよそ8倍未満で提示される請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記トリック再生オーディオ・クリップ群と前記トリック再生ビデオ・クリップ群は、前記パフォーマンスの中で同一の位置にあり、両方の該クリップ群は、前記トリック再生モードにおいて、該クリップ群のそれぞれの通常の速度の同一の倍速で再生される請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記トリック再生オーディオ・クリップ群と前記トリック再生ビデオ・クリップ群はともに、該クリップ群のそれぞれの通常の速度で再生される請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記トリック再生オーディオ・クリップ群は、前記通常のオーディオ速度で再生され、前記トリック再生ビデオ・クリップ群は、通常より速いビデオ速度で再生される請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記トリック再生オーディオ・クリップ群と前記トリック再生ビデオ・クリップ群はともに、該クリップ群のそれぞれの通常の速度の異なる倍速で再生される請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記オーディオ部分は、前記ビデオ部分より低い通常の速度を超える速度で提示される請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記格納されたパフォーマンスの中の複数のフレームの間隔にトリック・モード入口点が存在し、前記トリック再生クリップ群は、それぞれのトリック・モード入口点で、ただし、すべてのトリック・モード入口点においてではなく始まるように選択される請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記パフォーマンスは、ビデオを含み、前記格納されたビデオは、符号化されてピクチャのグループにされ、トリック・モード入口点は、ピクチャの各グループの先頭にあり、トリック・モード出口点は、あらゆるピクチャの終端にある請求項23に記載の方法。
【請求項25】
トリック再生クリップ群の前記位置は、前記パフォーマンスを格納するのに先立って特定され、前記トリック再生クリップ群に対するポインタ群は、前記パフォーマンスと同一の記憶媒体上に格納される請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記トリック再生クリップ群に対するポインタ群は、前記パフォーマンスとは別個のテーブルの中に格納される請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記高速スキム・クリップ群の長さは、前記トリック再生クリップ群の長さの2倍を超えており、前記長さは、ナンバーズ・フレームで測定される請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記トリック再生クリップ群の長さは、前記パフォーマンスを格納した後、ユーザによる調整が可能である請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記高速スキム・クリップ群の長さは、前記パフォーマンスを格納した後、ユーザによる調整が可能である請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記トリック再生クリップ群を再生する前記速度は、前記パフォーマンスを格納した後に、ユーザによる調整が可能である請求項1に記載の方法。
【請求項31】
記憶媒体から格納されたパフォーマンスの諸部分を読み取るための手段であって、
前記パフォーマンスは、所定の通常の速度で所定の通常の方向における前記パフォーマンスの通常の再生中に提示するための多数の順次フレームを含んでおり、前記パフォーマンスは、トリック再生モードにおいて再生されるためのトリック再生クリップ群と、前記トリック再生モードにおいてスキミングされるための他の高速スキム・クリップ群とに分割される手段と、
前記トリック再生モードにて前記パフォーマンスの諸部分を再生するための手段であって、前記トリック再生モードは、トリック再生クリップ群を再生すること、および前記トリック再生クリップ群の合間の高速スキム・クリップ群をスキミングすることを含み、複数のトリック再生クリップ、および複数の高速スキム・クリップはそれぞれ、前記パフォーマンスの複数の後続のフレームを含んでおり、前記トリック再生クリップ群は、前記通常のフレーム提示順序で前記高速スキム・クリップ群と交互になり、前記スキミングすることは、前記トリック再生モードにおいて、高速スキム・クリップ群を飛ばすこと、または前記トリック再生クリップ群より大幅に高い速度で高速スキム・クリップ群を再生することであり、前記トリック再生モードで前記再生し、前記スキミングする平均速度は、前記通常の速度とは大幅に異なり、前記トリック再生クリップ群は、人間の視聴者が、前記トリック再生クリップ群の内容を理解することができるように、十分に長く、十分に低い速度で提示される手段とを含むプレーヤ。
【請求項32】
前記トリック再生モードにおける前記再生中に、前記トリック再生クリップ群および前記高速スキム・クリップ群を選択するための手段をさらに含む請求項31に記載のプレーヤ。
【請求項33】
前記格納されたパフォーマンスは、圧縮されているプレーヤであって、
前記記憶媒体から読み取られる前記パフォーマンスの前記諸部分を伸張するための手段をさらに含む請求項31に記載のプレーヤ。
【請求項34】
前記高速スキム・クリップ群の諸部分は、前記トリック再生モードにおける前記再生中に、伸張されない請求項33に記載のプレーヤ。
【請求項35】
前記記憶媒体から前記トリック再生クリップ群に対するポインタ群を読み取るための手段をさらに含み、前記トリック再生モード中の前記トリック再生クリップ群の前記再生は前記ポインタ群に依存する請求項31に記載のプレーヤ。
【請求項36】
前記格納されたパフォーマンスの諸部分の前記読み取りも、前記格納されたポインタ群に依存する請求項35に記載のプレーヤ。
【請求項37】
前記パフォーマンスは、圧縮されるプレーヤであって、前記パフォーマンスの諸部分を伸張するための手段をさらに含み、前記伸張は、前記トリック再生クリップ群に対する前記格納されたポインタ群に依存する請求項35に記載のプレーヤ。
【請求項38】
前記パフォーマンスの前記伸張された諸部分を前記視聴者に提示するための再生ユニットをさらに含む請求項31に記載のプレーヤ。
【請求項39】
所定の通常の速度で所定の通常の方向における前記パフォーマンスの通常の再生中に提示するための多数の順次フレームを含むパフォーマンスを受け取るための入力と、
トリック再生モードで再生するための前記格納されたパフォーマンスのトリック再生クリップ群を選択するための手段であって、
前記トリック再生クリップ群の合間の前記パフォーマンスの諸部分は、前記トリック再生モードにおいてスキミングされるための高速スキム・クリップ群と定義され、複数のトリック再生クリップ群および複数の高速スキム・クリップ群はそれぞれ、複数の順次フレームを含み、前記トリック再生クリップ群は、前記通常のフレーム提示順序で前記高速スキム・クリップ群と交互になり、前記トリック再生モードは、前記トリック再生クリップ群を再生すること、および前記トリック再生クリップ群の合間の高速スキム・クリップ群をスキミングすることを含み、前記スキミングすることは、前記トリック再生モードにおいて、高速スキム・クリップ群を飛ばすこと、または前記トリック再生クリップ群より大幅に高い速度で高速スキム・クリップ群を再生することであり、前記トリック再生モードで前記再生し、前記スキミングする平均速度は、前記通常の速度とは大幅に異なり、前記トリック再生クリップ群は、人間の視聴者が、前記トリック再生クリップ群の内容を理解することができるように、十分に長く、十分に低い速度で提示される手段と、
前記パフォーマンスを記憶媒体上に格納するため、および前記トリック再生クリップ群の前記位置の指示を前記記憶媒体上に格納するための手段であって、
前記トリック再生クリップ群の前記位置の前記指示は、前記パフォーマンスのいずれの部分がトリック再生クリップ群であり、前記パフォーマンスのいずれの部分が高速スキップ・クリップ群であるかを定義する手段とを含むレコーダ。
【請求項40】
前記記憶媒体は、テープであり、レコーダは、テープ・レコーダであり、前記トリック再生クリップ群の前記位置の前記指示は、前記テープ上に前記パフォーマンスが格納される位置とは異なる位置で、前記テープ上に格納される請求項39に記載のレコーダ。
【請求項41】
所定の通常の速度で所定の通常の方向における前記パフォーマンスの通常の再生中に提示するための多数の順次フレームを含むパフォーマンスを提供すること、
トリック再生モードで再生するための前記格納されたパフォーマンスのトリック再生クリップ群を選択して、前記トリック再生クリップ群の合間の前記パフォーマンスの諸部分は、前記トリック再生モードにおいてスキミングされるための高速スキム・クリップ群と定義され、複数のトリック再生クリップ群および複数の高速スキム・クリップ群はそれぞれ、複数の順次フレームを含み、前記トリック再生クリップ群は、前記通常のフレーム提示順序で前記高速スキム・クリップ群と交互になり、前記トリック再生クリップ群を再生し、前記トリック再生クリップ群の合間の前記高速スキム・クリップ群をスキミングする際、前記トリック再生クリップ群は、人間の視聴者が、前記トリック再生クリップ群の内容を理解することができるように、十分に長く、前記スキミングすることは、前記トリック再生モードにおいて、高速スキム・クリップ群を飛ばすこと、または前記トリック再生クリップ群より大幅に高い速度で高速スキム・クリップ群を再生することであり、前記トリック再生モードで前記再生し、前記スキミングする平均速度は、前記通常の速度より大幅に速いこと、および
前記パフォーマンスを記憶媒体上に、前記パフォーマンスのいずれの部分がトリック再生クリップ群であり、前記パフォーマンスのいずれの部分が高速スキップ・クリップ群であるかを定義する、前記トリック再生クリップ群の前記位置の指示とともに格納することを含む方法。
【請求項42】
物理伝送媒体における信号であって、
所定の通常の速度で所定の通常のフレーム提示順序におけるパフォーマンスの通常の再生中に提示するための多数の順次フレームを含む該パフォーマンスであって、
トリック再生モードで再生されるためのトリック再生クリップ群を含み、前記トリック再生クリップ群の合間のパフォーマンスの諸部分は、前記トリック再生モードにおいてスキミングされるための高速スキム・クリップ群と定義され、複数のトリック再生クリップ群および複数の高速スキム・クリップ群はそれぞれ、複数の順次フレームを含み、前記トリック再生クリップ群は、前記通常のフレーム提示順序で前記高速スキム・クリップ群と交互になり、前記トリック再生クリップ群を再生し、前記トリック再生クリップ群の合間の前記高速スキム・クリップ群をスキミングする際、前記スキミングすることが、前記トリック再生モードにおいて、高速スキム・クリップ群を飛ばすこと、または前記トリック再生クリップ群より大幅に高い速度で高速スキム・クリップ群を再生することである場合に、前記トリック再生クリップ群は、人間の視聴者が、前記トリック再生クリップ群の内容を理解することができるように、十分に長く、前記トリック再生モードで前記再生し、前記スキミングする平均速度は、前記通常の速度より大幅に速いパフォーマンスと、
前記パフォーマンスのいずれの部分がトリック再生クリップ群であり、前記パフォーマンスのいずれの部分が高速スキム・クリップ群であるかを定義する前記トリック再生クリップ群の前記位置の指示と、を含む信号。
【請求項43】
請求項41に記載の信号を含む記録担体。
【請求項44】
ビデオ・テープを含むビデオ・カセットを受け入れるための開口と、
ピクチャのグループ(GOP)に基づいて符号化されたデジタル・ビデオ・パフォーマンスのフレーム群を、トラックの開始にGOPの先頭を有する、前記ビデオ・テープにわたる傾斜トラックから読み取るための回転ヘッドと、
前記回転ヘッドにおいて前記ビデオ・テープを長手方向に動かすためのテープ駆動機構と、
前記ヘッドの回転速度、ならびに前記トラックの1つからの連続したフレームを読み取る通常の速度をもたらす、同期された前記テープの線速度、および異なる速度で、前記トラックの1つからの連続したフレームを読み取るための、異なるトリック再生モード速度を制御するため、および前記トラックの開始で始まる前記トラックの第1の部分の中の複数のフレームが、再生され、前記第1の部分以上の長さである、前記トラックの終端で終わる前記トラックの第2の部分の複数のフレームが、スキミングされ、前記スキミングすることは、飛ばして進むこと、または前記第1の部分が再生されるよりも速いレートで再生することであり、前記フレーム群が再生される速度は、フレーム群が前記テープから読み取られる速度とは異なるトリック再生モードで、前記パフォーマンスの諸部分を再生することを制御するためのコントローラとを含むデジタル・ビデオ・カセット・プレーヤ。
【請求項45】
前記トリック再生モードにおいて、前記第1の部分の全ての前記ビデオ・フレームは、再生され、前記第2の部分の前記ビデオ・フレーム群の何れも再生されず、前記ビデオ・フレーム群は、前記トリック再生モードにおいて、視聴者が、前記第1の部分のビデオ・パフォーマンスを理解することができるように、十分に遅い速度で再生され、前記パフォーマンスは、オーディオ・フレーム群を含み、前記オーディオ・フレーム群は、前記トリック再生モードにおいて、視聴者が、前記第1の部分のオーディオ・パフォーマンスを理解することができるように、十分に遅い速度で再生される請求項44に記載のプレーヤ。
【請求項46】
前記パフォーマンスは、オーディオ・フレーム群を含み、前記トリック再生モードにおいて、すべての前記ビデオ・フレームは、通常より速いレートで読み取られて再生され、前記第1の部分のすべての前記オーディオ・フレームは、前記通常のレートで再生され、前記第2の部分のすべての前記オーディオ・フレームは、飛ばされる請求項44に記載のプレーヤ。
【請求項47】
第1のメディアおよび第2のメディアを含む符号化されたマルチメディア・パフォーマンスを提供し、各メディアは、所定の通常の速度で所定の通常のフレーム提示順序における前記パフォーマンスの通常の再生中に提示するための多数の順次フレームを含み、前記フレーム群は、ほぼ、該フレーム群が復号化される必要がある順序で混合されること、
前記符号化されたパフォーマンスを記憶媒体上に格納すること、
前記記憶媒体から前記パフォーマンスの諸部分を読み取ること、
前記パフォーマンスを、前記通常のフレーム順序と同一の方向の通常のクリップ順序を有する、トリック再生モードにおいて再生するための複数のフレームのクリップ群に細分すること、
前記クリップ群の前記フレーム群を復号化すること、および
第1のメディアの前記フレーム群は、該メディアに関する前記それぞれの通常の速度の第1の倍速で再生され、第2のメディアの前記フレーム群は、該メディアに関する前記それぞれの通常の速度の異なる第2の倍数で再生される前記トリック再生モードで、前記クリップ群の前記フレーム群を再生し、前記トリック再生クリップ群は、人間の視聴者が、前記トリック再生クリップ群の内容を理解することができるように、十分に長く、十分に低い速度で提示されることを含む方法。
【請求項48】
前記第1のメディアは、ビデオであり、前記第2のメディアは、オーディオであり、前記トリック再生モードにおいて、前記クリップ群は、前記クリップ群の逆の順序で提示され、前記ビデオ・フレーム群は、逆の順序で提示され、前記オーディオ・フレーム群は、順方向の順序で提示される請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記第1のメディアは、ビデオであり、前記第2のメディアは、オーディオであり、前記トリック再生モードにおいて、前記ビデオは、スローモーションで提示され、前記オーディオは、通常の速度で提示される請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記クリップ群は、メディアに関するトリック・モード入口点が、前記クリップの中の該メディアの最初のそれぞれのフレームに位置して並べられる請求項47に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−519275(P2007−519275A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518437(P2006−518437)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051050
【国際公開番号】WO2005/001836
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】