説明

トレイイジェクト機構、メディアドライブ装置

【課題】トレイプッシュ方式のイジェクト機構によりベゼルのデザインや設計の自由度、及び操作性の向上を実現する。
【解決手段】ベゼルを固定側ベゼル20と可動側ベゼル10に二分割し、ベゼル(押圧リブ15)でイジェクトスイッチ(タクトスイッチ52)を直接押さないで、ベゼルとイジェクトスイッチの間にイジェクトスイッチを押すスイッチ用スライダ70を介するようにする。さらにトレイ開状態とトレイ閉状態でスイッチ用スライダ70の位置が移動されることで、トレイを閉じようとするときにはイジェクトスイッチが押されず、イジェクトしようとするときのみイジェクトスイッチが押される機構とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば光ディスク等の記録メディアを駆動するメディアドライブ装置であってメディアを積載するトレイが引き出し式とされたメディアドライブ装置に関し、特にそのトレイイジェクト機構の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開平9−223348号公報
【0003】
上記特許文献1には、トレイ引き出し式のディスクドライブ装置の構造が示されている。
例えばパーソナルコンピュータ等の機器に搭載されるディスクドライブ装置においては、このようなトレイ引き出し式のディスクドライブが広く用いられている。
図16(a)は、ノート型のパーソナルコンピュータ100を例示しているが、例えば筐体側面からトレイが引き出されるようにディスクドライブ装置が装備される。トレイの前面には外筐となるベゼル101が取り付けられており、パーソナルコンピュータ100の外筐の一部を形成している。
そして多くの場合、図のようにベゼル101上にイジェクト操作ボタン102が設けられており、ユーザがイジェクト操作ボタン102を押すことで、トレイが引き出される。
また、図16(b)のように、ベゼル101とは別にイジェクト操作ボタン102が設けられる場合もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで図16(a)の例のように、イジェクト操作ボタン102をベゼル101上に設けるようにする理由としては、ディスクドライブ装置の一般的な構造として、イジェクト信号を発信するイジェクトスイッチが、例えばタクトスイッチとしてディスクトレイ先端に装備されているためである。つまりユーザがベゼル101上のイジェクト操作ボタン102を押すことで、ディスクトレイ前面に配置されたタクトスイッチ(イジェクトスイッチ)が押され、これによってイジェクト信号が発信される。このイジェクト信号に基づいて内部のプランジャ或いはモータ等を有するトレイ駆動機構が動作し、ディスクトレイが排出される。
【0005】
ところがこのことが、ベゼル101上のイジェクト操作ボタン102の場所と大きさが制約を受け、デザインや設計に影響を与えている。
また、これらの制約のもとでデザイン、設計されたイジェクト操作ボタン102は、ディスクドライブ装置の機器に対する搭載位置によっては、その場所がわかりにくかったり、押しにくかったりして使い勝手が悪いという事態も生じやすい。
【0006】
これらの欠点を解決するために、図16(b)のようにベゼル101以外の場所にイジェクト操作ボタン102を設けることもできるが、その場合は機器側にタクトスイッチ(イジェクトスイッチ)を追加するとともに、そのタクトスイッチからの信号に応じてイジェクト動作が実行されるようにソフトウェアを変更しなければいけないなどの難点がある。
【0007】
そこで本発明では、ディスクドライブ装置のトレイに設けられるイジェクトスイッチ(タクトスイッチ)をそのまま利用しつつ、ベゼルのデザインや設計の自由度、及び操作性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のトレイイジェクト機構は、トレイ引き出し式のメディアドライブ装置のトレイ前面に装着される固定側ベゼルと、上記固定側ベゼルに対して前面方向に付勢されながら前後方向に移動可能に取り付けられ、電子機器に配備されるメディアドライブ装置の外筐面を形成する可動側ベゼルとを有する。上記固定側ベゼルには、上記トレイの開閉位置状態に応じて位置変位される検知用部材と、上記トレイに設けられたイジェクトスイッチに対する押圧部を有するとともに上記検知用部材との関連で位置変位されるスイッチ用部材とが配置される。上記可動側ベゼルには、上記押圧部に対して上記イジェクトスイッチへの押圧力を付与するための押圧リブが設けられる。そして上記トレイが閉状態にあるときは、上記可動側ベゼルが上記固定側ベゼル側に押し込まれることで、上記押圧リブが上記押圧部に押圧力を与えて上記イジェクトスイッチを押圧する状態となるように上記スイッチ用部材が位置し、また上記トレイが開状態にあるときは、上記可動側ベゼルが上記固定側ベゼル側に押し込まれても、上記イジェクトスイッチが上記押圧部に押圧されない状態となるように上記スイッチ用部材が位置するようにする。
また上記トレイの開閉位置に応じて上記検知用部材に対する当接位置関係が変位されることで、上記トレイの開閉位置に応じて上記検知用部材を位置変位させるアームを、さらに備える。
また上記トレイが閉状態にあるときは、上記検知用部材の位置に応じて上記スイッチ用部材が、上記押圧部が上記イジェクトスイッチに対向する位置とされることで、上記可動側ベゼルが上記固定側ベゼル側に押し込まれた際に、上記押圧リブによって与えられる押圧力により上記押圧部が上記イジェクトスイッチを押圧する。上記トレイが開状態にあるときは、上記検知用部材の位置に応じて上記スイッチ用部材が、上記押圧部が上記イジェクトスイッチと非対向の位置とされるとともに、上記可動側ベゼルが上記固定側ベゼル側に押し込まれた際には、上記押圧リブが、上記スイッチ用部材の移動を規制して上記押圧部が上記イジェクトスイッチの対向位置に到達させないことで、上記イジェクトスイッチが押圧されないようになる。
また上記検知用部材、及び上記スイッチ用部材は、上記固定側ベゼル内でスライド移動するスライダとして構成される。
【0009】
また本発明のトレイイジェクト機構は、トレイ引き出し式のメディアドライブ装置のトレイ前面に装着される固定側ベゼルと、上記固定側ベゼルに対して前面方向に付勢されながら前後方向に移動可能に取り付けられ、電子機器に配備されるメディアドライブ装置の外筐面を形成する可動側ベゼルと、所定位置に固定配置されるアームとを有する。上記固定側ベゼルには、上記トレイの開閉位置に応じた上記アームとの当接位置関係によって位置変位される検知用部材と、上記トレイに設けられたイジェクトスイッチに対する押圧部を有するとともに上記検知用部材との関連で位置変位されるスイッチ用部材とが配置される。上記可動側ベゼルには、上記押圧部に対して上記イジェクトスイッチへの押圧力を付与するための押圧リブが設けられる。そして上記トレイが閉状態にあるときは、上記検知用部材の位置に応じて上記スイッチ用部材の上記押圧部が上記イジェクトスイッチに対向する位置とされ、上記可動側ベゼルが上記固定側ベゼル側に押し込まれることで、上記押圧リブが、上記押圧部に押圧力を与えて上記イジェクトスイッチが操作される。また上記トレイが開状態にあるときは、上記検知用部材の位置に応じて上記スイッチ用部材の上記押圧部が上記イジェクトスイッチと非対向の位置とされるとともに、上記可動側ベゼルが上記固定側ベゼル側に押し込まれた際には、上記押圧リブが、上記スイッチ用部材の移動を規制して上記押圧部が上記イジェクトスイッチの対向位置に到達させないことで、上記イジェクトスイッチが操作されないように構成されている。
【0010】
また本発明のメディアドライブ装置は、トレイ引き出し式のメディアドライブ装置である。そしてそのトレイイジェクト機構として、トレイ前面に装着される固定側ベゼルと、上記固定側ベゼルに対して前面方向に付勢されながら前後方向に移動可能に取り付けられ、電子機器に配備されるメディアドライブ装置の外筐面を形成する可動側ベゼルとを有する。上記固定側ベゼルには、上記トレイの開閉位置状態に応じて位置変位される検知用部材と、上記トレイに設けられたイジェクトスイッチに対する押圧部を有するとともに上記検知用部材との関連で位置変位されるスイッチ用部材とが配置される。上記可動側ベゼルには、上記押圧部に対して上記イジェクトスイッチへの押圧力を付与するための押圧リブが設けられる。そして上記トレイが閉状態にあるときは、上記可動側ベゼルが上記固定側ベゼル側に押し込まれることで、上記押圧リブが上記押圧部に押圧力を与えて上記イジェクトスイッチを押圧する状態となるように上記スイッチ用部材が位置する。また上記トレイが開状態にあるときは、上記可動側ベゼルが上記固定側ベゼル側に押し込まれても、上記イジェクトスイッチが上記押圧部に押圧されない状態となるように上記スイッチ用部材が位置する。
【0011】
このような本発明は、例えばノート型パーソナルコンピュータなどの機器で広く使用されているトレイ式光学ディスクドライブなどのメディアドライブ装置において、そのトレイの先端に装着されたベゼルを押すことで、トレイをイジェクトできる機構を、メディアドライブ装置自身の機構およびソフトウェアに改造を加えることなく実現するものである。
例えばディスクドライブ装置のディスクトレイの前面に、上記固定側ベゼルと可動側ベゼルを取り付けることで、本発明が実現できる。
【0012】
本発明の構造では、トレイのイジェクト信号を発信するイジェクトスイッチとして、トレイの先端に通常装備されているタクトスイッチをそのまま使用する。
従来は図16(a)を参照して述べたように、このタクトスイッチをベゼル上に設置したイジェクト操作ボタン102を使って押すのであるが、本発明では、ベゼル全体(可動側ベゼル)をユーザがイジェクト操作ボタン102の代わりに押す構造とする。つまりベゼル全体が、ユーザが押圧操作できる構造とする。これは、ベゼル上にユーザが操作するイジェクト操作ボタンを設ける必要がなくなることを意味する。
ただし、ベゼル全体を押圧することで内部のイジェクトスイッチが押されることとすると、そのままでは不都合が生ずる。即ちユーザがトレイを閉じようとするときには、ベゼルを押し込むことになるため、このときにもベゼルがイジェクトスイッチを押してしまうことになる。すると、ユーザが閉じようとする際にもイジェクト信号が発信されることになるため、トレイは閉じた直後にイジェクトされ、ディスクトレイを閉じることができないということになってしまう。
そこで本発明ではベゼルを固定側ベゼルと可動側ベゼルに二分割することと、ベゼルでイジェクトスイッチを直接押さないで、ベゼルとイジェクトスイッチの間にイジェクトスイッチを押すスイッチ用部材を介すること、さらには、開状態と閉状態でスイッチ用部材の位置が移動されることで、トレイを閉じようとするときにはイジェクトスイッチが押されず、イジェクトしようとするときのみイジェクトスイッチが押されるような機構を実現したものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ベゼル上にイジェクト操作ボタンを設けずに、ベゼル自体を操作ボタンとするベゼルプッシュ式のイジェクト機構を実現でき、従って、ベゼルのデザイン上、設計上の制約をなくすことができる。また、パーソナルコンピュータ等の機器において、従来の小さなイジェクト操作ボタンをでは見えにくかったり、押しづらかったりした場所にもメディアドライブ装置をレイアウトすることができ、機器全体のデザイン的・設計的制約も少なくすることができ、ユーザーにとっても使い勝手が向上する。これらのことから、メディアドライブ装置自体の外観、メディアドライブ装置を搭載した機器の外観の向上、及び使用性の向上を実現できる。
また、トレイを閉じようとするときにはベゼルの内方に位置するイジェクトスイッチが押されず、イジェクトしようとするときのみイジェクトスイッチが押される機構を実現するため、ベゼルプッシュ式とした場合の不都合も解消される。
またこのことから、通常のメディアドライブ装置の構造に対して、トレイ前面に本発明構造のベゼル(固定側ベゼルと可動側ベゼル)を取り付ければよく、ドライブ側の構造やソフトウエア変更も不要であるため、実現が容易であるという利点も得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図1〜図15を用いて本発明の実施の形態を説明する。実施の形態では、メディアドライブ装置の一例として光ディスクに対して記録又は再生を行うディスクドライブ装置を挙げる。
図1(a)(b)は、ディスクドライブ装置2が搭載された機器の筐体1を示している。当該機器としてはパーソナルコンピュータ等の情報機器や、AVディスクプレーヤ、AVディスクレコーダなどのAV(Audio Visual)機器などが想定される。なお、この図1の機器は円柱形状の筐体1を持つものとしているが、これは一例であり、方形の筐体とされる機器であっても良い。
この例の場合、筐体1の円柱側面となる部位においてディスクドライブ装置2が配設される。図1(a)はディスクトレイ50が閉じられた状態、図1(b)はディスクトレイ50が開いた(引き出された)状態を概略的に示したものである。
【0015】
ディスクトレイ50には、光ディスクのセンターホールを嵌め込むチャッキング部や光ピックアップが搭載されている。ユーザは図1(b)のようにディスクトレイ50をイジェクトすることで、光ディスクを挿入もしくは取り出すことができる。
ここで、本例の場合、ディスクトレイ50の前面に取り付けられるベゼルは、可動側ベゼル10と固定側ベゼル20により形成されている。
固定側ベゼル20は、ディスクトレイ50の前面に固定装着されている。
可動側ベゼル10は、固定側ベゼル20に対して、前面方向に付勢されながら前後方向に移動可能に取り付けられている。つまりユーザが、可動側ベゼル10を固定側ベゼル20側(筐体奥行き方向)に押し込むことができる状態で取り付けられている。
【0016】
この例の場合、可動側ベゼル10のベゼル前面部11は、筐体1の円柱側面と同様の曲率の湾曲面とされており、筐体1の円柱側面の一部となるようにされている。
そしてこのように筐体側面の一部を形成する可動側ベゼル10の全体が、ユーザにとってのイジェクト操作ボタンとして機能する。
つまり図1(a)の状態において、ユーザがベゼル前面部11を押すことで、ディスクトレイ50に設けられているイジェクトスイッチ(後述するタクトスイッチ52)が押圧され、ディスクドライブ装置2のイジェクト動作が行われて図1(b)のようにディスクトレイ50が排出される。
一方、図1(b)のようにディスクトレイ50が開いた状態から、ディスクトレイ50を閉じるためには、ユーザはベゼル前面部11を筐体1の内部に向かって押し込む。ただしこのときは、可動側ベゼル10が押されても、イジェクトスイッチは押されない構造としている。
【0017】
以下、このようなトレイイジェクト機構について詳述する。
まず図2(a)(b)(c)に、可動側ベゼル10の正面図、平面図、A−A断面図を示す。
上記のようにベゼル前面部11は、筐体1の円柱側面と同様の曲率の湾曲面とされている。
この可動側ベゼル10は例えば樹脂により成形され、可動側ベゼル10の内部には、強度維持や固定側ベゼル20との取付のために機能する一対の係止リブ12が設けられ、また両端部に係止片13が設けられる。係止リブ12には係止孔12aが形成されている。
また中央部にはバネ押圧部16が設けられる。バネ押圧部16の両側方には一対の位置決めリブ14が形成されている。
また、後述するディスクトレイ50のタクトスイッチ52に対応する位置に、押圧リブ15が形成されている。
【0018】
図3(a)は、固定側ベゼル20を下方からの斜視図で示している。
また図3(b)は固定側ベゼル20をディスクトレイ50の前面に取り付けたディスクドライブ装置2を下方から見た斜視図である。
なお、図3(b)では、固定側ベゼル20に図4,図5,図6で説明するトレイ位置検知用スライダ60,スイッチ用スライダ70が取り付けられた状態で示している。
【0019】
まず図3(a)で固定側ベゼル20の構造を述べる。
図3(a)の固定側ベゼル20も例えば樹脂により成形される。固定側ベゼル20はディスクトレイ50の前面に装着可能な所定の長方形状の基板に図示する各種部位が形成される。まず、可動側ベゼル10の取付のために中央部近辺に一対の係止爪22が設けられ、また両端部に一対の係止片23が設けられる。
また中央部にはバネ装填部26が設けられる。バネ装填部26の両側方には一対の位置決めリブ24が形成されている。
【0020】
可動側ベゼル10は、このような固定側ベゼル20に対して、図7のように取り付けられる。
まず可動側ベゼル10の位置決めリブ14,14が、固定側ベゼル20の位置決めリブ24,24に対して、それぞれ中央側に入り込むことによって取付位置が規定される。
さらに、バネ装填部26にはベゼル用押しバネ83が装填され、これを可動側ベゼル10のバネ押圧部16が押圧する状態とされる。
ベゼル用押しバネ83によって、可動側ベゼル10は固定側ベゼル20より離れる方向(前面方向)に付勢されるが、この方向へ可動側ベゼル10が外れ落ちないように、固定側ベゼル20の係止爪22,22が、可動側ベゼル10の係止リブ12,12の各係止孔12a,12aに係止される状態となる。また、図7では表れないが、両端部で、固定側ベゼル20の係止片23,23が可動側ベゼル10の係止片13,13に係止する。
このような構造により、可動側ベゼル10は、固定側ベゼル20に対して、前面方向に付勢されながら前後方向に移動可能に取り付けられている。即ち可動側ベゼル10が、ユーザが操作スイッチとして認識できる所要の可動範囲を持って、固定側ベゼル20側に押し込まれることが可能な状態となっている。
【0021】
図3(a)に戻って固定側ベゼル20の説明を続ける。
固定側ベゼル20にはトレイ位置検知用スライダ60とスイッチ用スライダ70を収納するスライダ収納部25が設けられている。このスライダ収納部25は、固定側ベゼル20の背面部、上面側リブ、底面側リブに囲まれた部位として形成され、爪28により、各スライダ60,70が前面方向に脱落しないようにされる。またスライダ収納部25の背面部側(ディスクトレイ50側)は、開口部30,31が形成されている。
また、スライダ収納部25の上面側リブと底面側リブには、所要位置にトレイ位置検知用スライダ60のスライド移動範囲を規制するストッパリブ27,27と、スイッチ用スライダ70のスライド移動範囲を規制するストッパリブ29、29が形成されている。
また、バネ係止部21が設けられている。
【0022】
このスライダ収納部25には、図3(b)に示すようにトレイ位置検知用スライダ60とスイッチ用スライダ70が配置される。
トレイ位置検知用スライダ60とバネ係止部21の間には、スライダ用引きバネ81が取り付けられる。
また、トレイ位置検知用スライダ60とスイッチ用スライダ70は、互いに係止されながら、スライダ用押しバネ80が介在されるようにされている。
【0023】
また、トレイ位置検知用スライダ60は、開口部31の前面に位置するが、この開口部31に対応する位置にアーム51が取り付けられている。アーム51は、図7からわかるように、例えば45°程度の傾斜を持つ先端部を有する。この傾斜された端面側がトレイ位置検知用スライダ60に当接する。
アーム51は、図示しないディスクドライブ装置2のブラケット、或いはシャーシ、或いは当該ディスクドライブ装置2を備えた電子機器の内部基板、筐体の一部などに固定配置されればよい。つまり機器或いはディスクドライブ装置2の構造に応じて、アーム51の先端部が開口部31に対応する位置状態となるようにアーム51ぼ取付箇所が決められればよい。
【0024】
またスイッチ用スライダ70は、開口部30の前面に位置するが、図3(b)に示すように、この開口部30から、ディスクトレイ50の前面に設けられているタクトスイッチ52が表出されるようにされている。タクトスイッチ52は、ディスクドライブ装置2において押圧されることでイジェクト信号を発行するスイッチである。つまり、タクトスイッチ52が押されることで、図示しないイジェクト機構が駆動され、ディスクトレイ50のイジェクト動作が行われる。
【0025】
スイッチ用スライダ70、トレイ位置検知用スライダ60について、図4,図5,図6で説明する。
図4(a)(b)(c)(d)はスイッチ用スライダ70の正面図、平面図、底面図、左側面図を示している。
スイッチ用スライダ70は、スライド本体部71内に、薄肉部74aを介して可動板部74が形成され、この可動板部74の下面側に押圧部75が形成されている。この押圧部75が、上記のタクトスイッチ52を押圧する部位となる。
即ち、可動側ベゼル10に設けられた押圧リブ15が、可動板部74の上面を押すと、可動板部74が薄肉部74aを介して下方にたわみ、その際に押圧部75がタクトスイッチ52を押圧することができる構造とされている。
またスライド本体部71から係合片部73が連続して形成されている。
また係合片部72の下方に、スライダ用押しバネ80を支持するバネ支持部73が設けられている。
【0026】
図5(a)(b)(c)(d)はトレイ位置検知用スライダ60の正面図、平面図、底面図、左側面図を示している。
トレイ位置検知用スライダ60は、スライド本体部61から係合片部62が連続して形成されている。
また係合片部62の下方に、スライダ用押しバネ80を支持するバネ支持部63が設けられている。
さらに、スライダ用引きバネ81の一端を係止するバネ係止部64が設けられている。
【0027】
このトレイ位置検知用スライダ60とスイッチ用スライダ70は、図6(a)(b)に平面方向及び正面方向から示すように係合した状態で、固定側ベゼル20内に組み込まれる。
即ち、トレイ位置検知用スライダ60の係合片部62に対して、スイッチ用スライダ70の係合片部72が、覆い被さるように係合する。バネ支持部63、73の間にはスライダ用押しバネ80が取り付けられることで、両スライダは、互いに離間する方向に付勢されながら、係合片部62、72により、その離間が制限される。
また、図のようにスライダ用引きバネ81が、トレイ位置検知用スライダ60のバネ係止部64と、図3に示した固定側ベゼル20のバネ係止部21の間に掛け渡される。
各スライダ60,70は、このような状態で、図3(b)及び図7に示すように、固定側ベゼル20内に組み込まれている。
【0028】
動作説明に先立って、各構成部品の機能を示すと以下のとおりである。
・固定側ベゼル20:可動側ベゼル10をディスクトレイ50に固定する役割と両スライダ60,70のガイドとなる。
・可動側ベゼル10:固定側ベゼル20に対しディスクトレイ50の開閉と同じ方向に可動し、スイッチ用スライダ70を介してディスクトレイ50のタクトスイッチ52を押す。従来のイジェクトボタンと同じ役割を果たす。
・トレイ位置検知用スライダ60:トレイ位置検知用スライダ60は開口部31から挿入されるアーム51に接触することでディスクトレイ50の開閉に連動した往復直線運動を行う。
・スイッチ用スライダ70:トレイ位置検知用スライダ60と連動しながら、ディスクトレイ50が閉まっているときのみ可動側ベゼル10の押圧リブ15の押圧力によりタクトスイッチ52を押す。
・アーム51:ディスクドライブ装置2の脇となる位置に固定されディスクトレイ50が閉じる直前よりトレイ位置検知用スライダ60に接触してトレイ位置検知用スライダ60をスライドさせる。
・ベゼル用押しバネ83:可動側ベゼル10を常に押し出すように働く。
・スライダ用押しバネ80:両スライダ60,70が一定の距離を保つように働く。
・スライダ用引きバネ81:トレイ位置検知用スライダ60を所定方向(図中右方向)に常に引っ張るように働く。
【0029】
以下、ディスクトレイ50の開閉及び経過状態に応じた各部の状態を説明する。
【0030】
<ディスクトレイ50が開いた状態>
図3(b)及び図7は、ディスクトレイが開いている状態である。
この状態ではトレイ位置検知用スライダ60はスライダ用引きバネ81により、図中右方向に引っ張られ、ストッパリブ27で規制される位置に達している。
スイッチ用スライダ70は、スライダ用押しバネ80によって、トレイ位置検知用スライダ60に対し図中左側に押されつつも、トレイ位置検知用スライダ60との係合関係により引っ張られ、トレイ位置検知用スライダ60との所定距離を保って静止している。
【0031】
<ディスクトレイ50を閉じようとした瞬間の状態>
図8はディスクトレイを閉じようとした瞬間の状態を示している。即ちユーザが、図1(b)の状態のディスクトレイ50を閉めようとして、可動側ベゼル10のベゼル前面部11を押した瞬間の状態である。
可動側ベゼル10が押されると、ディスクドライブ装置2のディスクトレイ50をイジェクトしようとする力が反力となって、可動側ベゼル10がベゼル用押しバネ83を押し縮めながら固定側ベゼル20に向かって押し込められる。そのままユーザによって可動側ベゼル10が押し続けられることで、ディスクトレイ50が筐体1へ押し入れられていく。
【0032】
上記のようにディスクトレイ50が開いている際には、スイッチ用スライダ70は、スライダ用引きバネ81の作用で図中右側に引っ張られているトレイ位置検知用スライダ60に引っ張られ、トレイ位置検知用スライダ60との所定距離を保って静止している。そしてこの位置状態では、図7,図8からわかるようにスイッチ用スライダ70の押圧部75は、タクトスイッチ52に対向しない位置にある。
このため、図8のように可動側ベゼル10が押されても、可動側ベゼル10の押圧リブ15は、スイッチ用スライダ70に当接しない。
つまり押圧リブ15がスイッチ用スライダ70の可動板部74を押し、これによって押圧部75がタクトスイッチ52を押圧するという動作は行われない。
【0033】
<アーム51がトレイ位置検知用スライダ60に接触した状態>
図9、図10にアーム51がトレイ位置検知用スライダ60に接触した状態を平面方向及び正面方向から示す。
ディスクトレイ50が押し入れられていくと、やがてアーム51が開口部31を介して固定側ベゼル20内に挿入され、図9に示すようにアーム51の先端(傾斜された端面側)がトレイ位置検知用スライダ60に当接する。
【0034】
このようにアーム51がトレイ位置検知用スライダ60と接触してからさらにディスクトレイ50が押し込まれると、アーム51の傾斜端面を有する先端部が、より深く開口部31から挿入されていくことから、トレイ位置検知用スライダ60が、アーム51の先端に押されて図中左側にスライドしていくことになる。
これに応じてスイッチ用スライダ70も図中左側に動こうとするが、図9,図10のようにスイッチ用スライダ70の左方へのスライドが、可動側ベゼル10の押圧リブ15に阻まれる状態となっており(図10では、可動側ベゼル10については押圧リブ15のみを示している)、スイッチ用スライダ70はスライドできない。従って、トレイ位置検知用スライダ60だけが、スライダー用押しバネ80を押し縮めながら、図中左側に動くことになる。
【0035】
<ディスクトレイ50が一番奥まで入った状態>
図11,図12に、ディスクトレイ50がディスクドライブ装置2に対して一番奥まで入った状態を平面方向、正面方向から見た場合を示している。また図13に、同状態を斜視図で示している。即ち、ユーザがディスクトレイ50を一番奥まで押し込んだときの状態である。
上記のようにアーム51によってトレイ位置検知用スライダ60だけが、スライダー用押しバネ80を押し縮めながら、図中左側に動き、これら図11,図12,図13に示す状態となる。
【0036】
<ディスクトレイ50が閉じた状態>
図11,図12,図13のようにディスクトレイ50がディスクドライブ装置2の一番奥まで入った後、ユーザが手を可動側ベゼル10から離した状態が、ディスクトレイ50が閉じた状態である。
図14,図15にディスクトレイ50が閉じた状態を平面方向、正面方向から見た場合を示している。
ユーザが、可動側ベゼル10から指を離すと、それまで縮んでいたベゼル用押しバネ83が伸びて可動側ベゼル10を前方に押し戻す。
可動側ベゼル10が押し戻されると、それまで可動側ベゼル10の押圧リブ15に動きを阻まれていたスイッチ用スライダ70が、スライダ用押しバネ80に押されて図中左側に、ストッパリブ29で制限される位置まで動く。
この状態が図14,図15に示されているが(図15では、可動側ベゼル10については押圧リブ15のみを示している)、これらの図からわかるように、スイッチ用スライダ70の可動板部74が、押圧リブ15の先端の間隙に滑り込むように位置することになる。さらに、その位置において、可動板部74に設けられている押圧部75が、タクトスイッチ52に対向するように位置する。
【0037】
これが図1(a)の状態での位置関係である。
すると、ユーザが可動側ベゼル10のベゼル前面部11を押すと、押圧リブ15がスイッチ用スライダ70の可動板部74を押し、これによって可動板部74に設けられた押圧部75がタクトスイッチ52を押圧することになる。
タクトスイッチ52が押圧されることでイジェクト信号を発信し、図示しないイジェクト機構が駆動され、ディスクトレイ50が排出される。
【0038】
ディスクトレイ50がイジェクトされると、アーム51とトレイ位置検知用スライダ60の接触がなくなり、トレイ位置検知用スライダ60とスイッチ用スライダ70はスライダ用引きバネ81に引っ張られて図中左側に引き戻される。即ち図3(b)及び図7に示した位置状態となる。
【0039】
以上の動作からわかるように、ディスクトレイ50が閉じた状態にある場合のみ、ユーザが可動側ベゼル10のベゼル前面部11を押すことで、タクトスイッチ52が押圧され、イジェクト機構が駆動される。
ディスクトレイ50が開いている状態から、閉じるためにベゼル前面部11が押されても、タクトスイッチ52は押圧されない。またディスクトレイ50を完全に閉じるためにユーザがベゼル前面部11を押し続けても、ディスクトレイ50が最も奥に至るまで、タクトスイッチ52が押圧されることはない。
【0040】
従ってこのような実施の形態のトレイイジェクト機構により、ベゼル上にイジェクト操作ボタンを設けずに、ベゼル自体を操作ボタンとするベゼルプッシュ式のイジェクト機構を実現できる。つまり「ベゼルを押す」というユーザの操作によって、むやみにイジェクト駆動機構が働いてしまうということはなく、ディスクトレイ50を閉じようとしても再びイジェクトされてしまうような不都合は生じない。
そして、ベゼル自体をイジェクト操作ボタンとして使用できることで、ベゼル(可動側ベゼル10)のデザイン上、設計上の制約をなくすことができる。これによって、図1のように円柱側面状の部位に体裁良いベゼル前面部11を設計したり、或いは、平面部に任意の形状デザインを加えることなども可能となる。
またユーザにとっては、ベゼル前面部11の全体が、大きなイジェクト操作ボタンとなるため、非常に操作性が良いものとなる。
さらにこのことは、例えばパーソナルコンピュータ等の機器において、従来の小さなイジェクト操作ボタンをでは見えにくかったり、押しづらかったりした場所にもメディアドライブ装置をレイアウトすることができるということにもつながり、機器のデザイン的・設計的制約も少なくすることができる。
これらのことから、ディスクドライブ装置自体の外観、ディスクドライブ装置を搭載した機器の外観の向上、及び使用性の向上を実現できる。
【0041】
また本例のイジェクト機構は、通常の引き出し型のディスクトレイ50の前面に固定側ベゼル20と可動側ベゼル10を取り付け、かつディスクドライブ装置2の所要箇所にアーム51を取り付ければ実現でき、ディスクドライブ装置2側の構造やソフトウエア変更も不要であるため、実現が容易である。
【0042】
なお実施の形態では、ディスクドライブ装置2に適用した例を挙げたが、トレイ引き出し型の各種メディアドライブに本発明は広く適用できる。
例えば光ディスクとして、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などのベアディスクをトレイに搭載するディスクドライブ装置や、光ディスクをカートリッジに収納したメディアに対して、そのカートリッジディスクをトレイに搭載するディスクドライブ装置などに適用できる。
さらにテープメディアカートリッジをトレイに搭載するテープドライブ装置、フラッシュメモリメディア、ホログラムメモリメディアなどに対して、トレイを用いて装着するタイプのメディアドライブに本発明は適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態のディスクドライブ装置を搭載した機器の斜視図である。
【図2】実施の形態の可動側ベゼルの正面図、平面図、A−A断面図である。
【図3】実施の形態の固定側ベゼル及び固定側ベゼルを装着したディスクドライブ装置の斜視図である。
【図4】実施の形態のスイッチ用スライダの正面図、平面図、底面図、左側面図である。
【図5】実施の形態のトレイ位置検知用スライダの正面図、平面図、底面図、左側面図である。
【図6】実施の形態のスイッチ用スライダとトレイ位置検知用スライダの係合状態の説明図である。
【図7】実施の形態のディスクトレイが開いた状態を平面方向から見た説明図である。
【図8】実施の形態のディスクトレイを閉じようとした瞬間の状態を平面方向から見た説明図である。
【図9】実施の形態のアームがトレイ位置検知用スライダに接触した状態を平面方向から見た説明図である。
【図10】実施の形態のアームがトレイ位置検知用スライダに接触した状態を正面方向から見た説明図である。
【図11】実施の形態のディスクトレイが一番奥まで入った状態を平面方向から見た説明図である。
【図12】実施の形態のディスクトレイが一番奥まで入った状態を正面方向から見た説明図である。
【図13】実施の形態のディスクトレイが閉じた状態の斜め下方から見た説明図である。
【図14】実施の形態のディスクトレイが閉じた状態の平面方向から見た説明図である。
【図15】実施の形態のディスクトレイが閉じた状態の正面方向から見た説明図である。
【図16】従来のイジェクト操作ボタンを備えたディスクドライブ装置の説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1 筐体、2 ディスクドライブ装置、10 可動側ベゼル、11 ベゼル前面部、15 押圧リブ、16 バネ押圧部、20 固定側ベゼル、25 スライダ収納部、51 アーム、52 タクトスイッチ、60 トレイ位置検知用スライダ、70 スイッチ用スライダ、74 可動板部、75 押圧部、80 スライダ用押しバネ、81 スライダ用引きバネ、83 ベゼル用押しバネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレイ引き出し式のメディアドライブ装置のトレイ前面に装着される固定側ベゼルと、
上記固定側ベゼルに対して前面方向に付勢されながら前後方向に移動可能に取り付けられ、電子機器に配備されるメディアドライブ装置の外筐面を形成する可動側ベゼルと、
を有し、
上記固定側ベゼルには、
上記トレイの開閉位置状態に応じて位置変位される検知用部材と、
上記トレイに設けられたイジェクトスイッチに対する押圧部を有するとともに上記検知用部材との関連で位置変位されるスイッチ用部材と、
が配置され、
上記可動側ベゼルには、
上記押圧部に対して上記イジェクトスイッチへの押圧力を付与するための押圧リブが設けられ、
上記トレイが閉状態にあるときは、上記可動側ベゼルが上記固定側ベゼル側に押し込まれることで、上記押圧リブが上記押圧部に押圧力を与えて上記イジェクトスイッチを押圧する状態となるように上記スイッチ用部材が位置し、
上記トレイが開状態にあるときは、上記可動側ベゼルが上記固定側ベゼル側に押し込まれても、上記イジェクトスイッチが上記押圧部に押圧されない状態となるように上記スイッチ用部材が位置することを特徴とするトレイイジェクト機構。
【請求項2】
上記トレイの開閉位置に応じて上記検知用部材に対する当接位置関係が変位されることで、上記トレイの開閉位置に応じて上記検知用部材を位置変位させるアームを、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載のトレイイジェクト機構。
【請求項3】
上記トレイが閉状態にあるときは、上記検知用部材の位置に応じて上記スイッチ用部材が、上記押圧部が上記イジェクトスイッチに対向する位置とされることで、上記可動側ベゼルが上記固定側ベゼル側に押し込まれた際に、上記押圧リブによって与えられる押圧力により上記押圧部が上記イジェクトスイッチを押圧し、
上記トレイが開状態にあるときは、上記検知用部材の位置に応じて上記スイッチ用部材が、上記押圧部が上記イジェクトスイッチと非対向の位置とされるとともに、上記可動側ベゼルが上記固定側ベゼル側に押し込まれた際には、上記押圧リブが、上記スイッチ用部材の移動を規制して上記押圧部が上記イジェクトスイッチの対向位置に到達させないことで、上記イジェクトスイッチが押圧されないように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のトレイイジェクト機構。
【請求項4】
上記検知用部材、及び上記スイッチ用部材は、上記固定側ベゼル内でスライド移動するスライダとして構成されることを特徴とする請求項1に記載のトレイイジェクト機構。
【請求項5】
トレイ引き出し式のメディアドライブ装置のトレイ前面に装着される固定側ベゼルと、
上記固定側ベゼルに対して前面方向に付勢されながら前後方向に移動可能に取り付けられ、電子機器に配備されるメディアドライブ装置の外筐面を形成する可動側ベゼルと、
所定位置に固定配置されるアームと、
を有し、
上記固定側ベゼルには、
上記トレイの開閉位置に応じた上記アームとの当接位置関係によって位置変位される検知用部材と、
上記トレイに設けられたイジェクトスイッチに対する押圧部を有するとともに上記検知用部材との関連で位置変位されるスイッチ用部材と、
が配置され、
上記可動側ベゼルには、
上記押圧部に対して上記イジェクトスイッチへの押圧力を付与するための押圧リブが設けられ、
上記トレイが閉状態にあるときは、上記検知用部材の位置に応じて上記スイッチ用部材の上記押圧部が上記イジェクトスイッチに対向する位置とされ、上記可動側ベゼルが上記固定側ベゼル側に押し込まれることで、上記押圧リブが、上記押圧部に押圧力を与えて上記イジェクトスイッチが操作され、
上記トレイが開状態にあるときは、上記検知用部材の位置に応じて上記スイッチ用部材の上記押圧部が上記イジェクトスイッチと非対向の位置とされるとともに、上記可動側ベゼルが上記固定側ベゼル側に押し込まれた際には、上記押圧リブが、上記スイッチ用部材の移動を規制して上記押圧部が上記イジェクトスイッチの対向位置に到達させないことで、上記イジェクトスイッチが操作されないように構成されていることを特徴とするトレイイジェクト機構。
【請求項6】
トレイ引き出し式のメディアドライブ装置において、
トレイ前面に装着される固定側ベゼルと、
上記固定側ベゼルに対して前面方向に付勢されながら前後方向に移動可能に取り付けられ、電子機器に配備されるメディアドライブ装置の外筐面を形成する可動側ベゼルと、
を有し、
上記固定側ベゼルには、
上記トレイの開閉位置状態に応じて位置変位される検知用部材と、
上記トレイに設けられたイジェクトスイッチに対する押圧部を有するとともに上記検知用部材との関連で位置変位されるスイッチ用部材と、
が配置され、
上記可動側ベゼルには、
上記押圧部に対して上記イジェクトスイッチへの押圧力を付与するための押圧リブが設けられ、
上記トレイが閉状態にあるときは、上記可動側ベゼルが上記固定側ベゼル側に押し込まれることで、上記押圧リブが上記押圧部に押圧力を与えて上記イジェクトスイッチを押圧する状態となるように上記スイッチ用部材が位置し、
上記トレイが開状態にあるときは、上記可動側ベゼルが上記固定側ベゼル側に押し込まれても、上記イジェクトスイッチが上記押圧部に押圧されない状態となるように上記スイッチ用部材が位置するトレイイジェクト機構を備えたことを特徴とするメディアドライブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−140471(P2008−140471A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−325529(P2006−325529)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】