説明

トレーニング装置およびそのプログラム

【課題】入力装置における操作の習熟を簡易に図ることを可能とする。
【解決手段】CPU1mおよび表示コントローラ1bは、ハンディ端末におけるユーザインタフェースの外観を摸した入力インタフェース画像を表示するようLCD1aを制御する。CPU1mおよび表示コントローラ1bは、操作の契機となる経時的な複数の事象を表した動画像を入力インタフェース画像に並べて表示するようにLCD1aを制御する。タッチパネル1eおよびタッチパネルコントローラ1fは、LCD1aにより表示された入力インタフェース画像上でのユーザの操作を入力する。CPU1mは、操作期間内に入力された操作が規定操作と一致するか否かを判定する。CPU1mおよび表示コントローラ1bは、上記の判定の結果を表す結果画像を表示するようにLCD1aを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店等における店員などによる注文受付業務などのような業務に関わる処理のためのユーザ操作をトレーニングさせるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばファミリーレストランや居酒屋等の多くの飲食店では、メニュー品目の注文の受付業務や会計業務などの種々の業務に関する処理を実行する処理装置が利用されている。
【0003】
そしてこのような処理装置では、店員等のユーザの操作を入力装置で入力し、その入力された操作に応じた処理を実行する。
【0004】
具体的には、飲食店で使用されるシステムの場合、上記の入力装置および処理装置はそれぞれ、例えばオーダー端末およびステーション(サーバ)である。そしてこの場合にオーダー端末では、顧客により注文されたメニュー品目を指定する操作を入力する。オーダー端末は、入力した操作に基づいて注文されたメニュー品目のリストを含んだ受注情報を生成し、それをステーションに送信する。ステーションは、受注情報に基づいて、調理指示伝票の作成や売上管理処理などを行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザの入力装置での操作に関する習熟は、実際の業務の中で図られるか、あるいは別の店員が顧客を演ずるなどして形成された模擬的な業務の中で図られていた。
【0006】
このために従来は、不慣れなユーザによる入力装置での操作に基づいて実際の業務が不適切に行われてしまったり、1人のユーザの習熟のために他人の手間を要するといった不具合があった。
【0007】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、入力装置における操作の習熟を簡易に図ることを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によるトレーニング装置は、業務に関わる処理をユーザの操作に応じて実行する処理装置に対して前記ユーザの操作を入力して通知する入力装置における前記操作を前記ユーザにトレーニングさせるトレーニング装置であって、任意の画像を表示する表示デバイスと、前記入力装置において前記操作を入力するためのユーザインタフェースの外観を摸した入力インタフェース画像を表示するよう前記表示デバイスを制御する第1の制御手段と、前記操作の契機となる経時的な複数の事象を表した事象画像群の中の表示対象となる1つの事象画像を前記入力インタフェース画像に並べて、かつ表示期間内に渡って前記表示対象を自動的に変更しながら表示するように前記表示デバイスを制御する第2の制御手段と、前記表示デバイスにより表示された前記入力インタフェース画像上での前記ユーザの操作を入力する入力デバイスと、前記表示期間を含んだ操作期間内に前記入力デバイスにより入力された前記操作が規定操作と一致するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段での判定結果を表す結果画像を表示するように前記表示デバイスを制御する第3の制御手段とを備える。
【0009】
本発明の第2の態様によるプログラムは、業務に関わる処理をユーザの操作に応じて実行する処理装置に対して前記ユーザの操作を入力して通知する入力装置における前記操作を前記ユーザにトレーニングさせるトレーニング装置を、任意の画像を表示する表示デバイスと、前記表示デバイスにより表示された入力インタフェース画像上での前記ユーザの操作を入力する入力デバイスとともに構成するコンピュータを、前記入力装置において前記操作を入力するためのユーザインタフェースの外観を摸したものとして前記入力インタフェース画像を表示するよう前記表示デバイスを制御する第1の制御手段と、前記操作の契機となる経時的な複数の事象を表した事象画像群の中の表示対象となる1つの事象画像を前記入力インタフェース画像に並べて、かつ表示期間内に渡って前記表示対象を自動的に変更しながら表示するように前記表示デバイスを制御する第2の制御手段と、前記表示期間を含んだ操作期間内に前記入力デバイスにより入力された前記操作が規定操作と一致するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段での判定結果を表す結果画像を表示するように前記表示デバイスを制御する第3の制御手段として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、入力装置における操作の習熟を簡易に図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る注文処理システムの構成を図。
【図2】図1中の情報端末のブロック図。
【図3】トレーニングコースデータベースの一例を模式的に示す図。
【図4】トレーニング状況データベースの一例を模式的に示す図。
【図5】図2中のCPUによるトレーニング処理のフローチャート。
【図6】コース選択画像を含んだ表示画面の一例を示す図。
【図7】トレーニング画像を含んだ表示画面の一例を示す図。
【図8】コース選択画像を含んだ表示画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
【0013】
図1は本実施形態に係る注文処理システム100の構成を図である。
【0014】
この注文処理システム100は、飲食店や販売店などのような顧客の注文に応じて飲食サービスや商品販売サービスを提供する任意の施設で利用可能である。ただし以下においては、飲食店での利用に適応するものとして構成された注文処理システム100について説明することとする。
【0015】
注文処理システム100は、複数の情報端末1、複数のハンディ端末2、複数の伝票プリンタ3およびステーション4をLAN(local area network)5にそれぞれ接続して構成される。ただし、ハンディ端末2は、無線アクセスポイント6を介してLAN5に接続される。情報端末1、ハンディ端末2および伝票プリンタ3は、図1では2つずつを図示しているが、その数はそれぞれに任意である。情報端末1、ハンディ端末2および伝票プリンタ3は、1つのみが設けられても良い。
【0016】
情報端末1は、例えば接客フロアやチェックアウトカウンタに設置される。顧客に対する案内業務、受注業務、給仕(配膳)業務、あるいは会計業務など各種の業務をに関する処理を行う。そして、接客フロアに設置された情報端末1においては、案内業務、受注業務および給仕(配膳)業務に関する処理が主として利用される。またチェックアウトカウンタに設置された情報端末1においては、さらに会計業務に関する処理が利用される。なお、情報端末1は、上記の業務の一部のみに関する処理を行うことにより用途に特化したものとしても良い。情報端末1のうちの少なくとも1つは、後述するトレーニング処理を実行する機能を備え、トレーニング装置として機能する。
【0017】
ハンディ端末2は、ソフトキーやハードキーなどの操作キーが複数配列されたユーザインタフェースを備え、このユーザインタフェースによりオーダー入力のためのユーザの操作を入力する。ハンディ端末2は、入力した操作に従ってオーダー情報を生成し、このオーダー情報を無線送信する。ハンディ端末2から無線送信されたオーダー情報は、無線アクセスポイント6およびLAN5を介してステーション4に伝送される。
【0018】
伝票プリンタ3は、例えば接客フロアやキッチンに設置される。接客フロアに設置された伝票プリンタ3は、受注情報に基づく注文伝票を顧客のために印刷する。すなわち、接客フロアに設置された伝票プリンタ3は、いわゆるカスタマープリンタとして利用される。またキッチンに設置された伝票プリンタ3は、受注情報に基づく調理指示伝票を調理人のために印刷する。すなわち、キッチンに設置された伝票プリンタ3は、いわゆるキッチンプリンタとして利用される。
【0019】
ステーション4は、例えばバックヤードに設置され、情報端末1から送信された各種の情報を集計処理し、飲食店の営業に拘わる管理業務に関する処理を行う。またステーション4は、複数の情報端末1で共通に利用される情報の管理処理を行うこともある。
【0020】
図2は情報端末1のブロック図である。
【0021】
情報端末1は、液晶ディスプレイ(LCD)1a、表示コントローラ1b、スピーカ1c、サウンドコントローラ1d、タッチパネル1e、タッチパネルコントローラ1f、周辺機器インタフェース(周辺機器I/F)1g、通信インタフェース(通信I/F)1h、ROM(read-only memory)1i、RAM(random-access memory)1j、HDD(hard disk drive)1kおよびCPU(central processing unit)1mを含む。このうち、表示コントローラ1b、サウンドコントローラ1d、タッチパネルコントローラ1f、周辺機器インタフェース1g、通信インタフェース1h、ROM1i、RAM1j、HDD1kおよびCPU1mは、バスラインにそれぞれ接続されている。LCD1a、スピーカ1cおよびタッチパネル1eは、表示コントローラ1b、サウンドコントローラ1dおよびタッチパネルコントローラ1fにそれぞれ接続されている。
【0022】
LCD1aは、表示コントローラ1bにより駆動されて画像を表示する。表示コントローラ1bは、CPU1mの制御の下に転送されてくる画像データに応じた画像が表示されるようにLCD1aを駆動する。
【0023】
スピーカ1cは、サウンドコントローラ1dにより駆動された音声を再生する。サウンドコントローラ1dは、CPU1mの制御の下に転送されてくる音声データに応じた音声が再生されるようにスピーカ1cを駆動する。
【0024】
タッチパネル1eは、LCD1aの表示面に積層配置されている。タッチパネル1eは、LCD1aの表示画面へのユーザによるタッチがなされた際に、そのタッチ位置に応じた検出信号を出力する。タッチパネルコントローラ1fは、タッチパネル1eから出力された検出信号に基づいて上記のタッチ位置を表す座標情報を求め、この座標情報をCPU1mへ送る。
【0025】
周辺機器インタフェース1gには、プリンタ7や客面表示装置8などの周辺機器が必要に応じて接続される。周辺機器インタフェース1gは、接続されている周辺機器と通信する。周辺機器インタフェース1gとしては、USB(universal serial bus)の汎用規格に準拠したインタフェース回路などを利用できる。なお、プリンタ7は、受注伝票、領収伝票あるいは各種のジャーナルなどを印刷するために利用される。客面表示装置8は、会計結果や広告情報などを顧客に提示するための画像を表示するために利用される。プリンタ7および客面表示装置8の少なくとも一方は、情報端末1に内蔵されていても良い。
【0026】
通信インタフェース1hは、伝票プリンタ3およびステーション4とLAN5を介して通信する。通信インタフェース1hとしては、イーサネット(登録商標)などの汎用規格に準拠したインタフェース回路などを利用できる。
【0027】
ROM1iは、CPU1mの処理手順を記述したプログラムや、CPU16が各種の処理を実行する上で必要なデータなどを記憶している。
【0028】
RAM1jは、CPU16が各種の処理を実行する上で必要なデータを必要に応じて記憶する。例えばRAM1jには、LCD1aで表示する画像を表す画像情報が記憶される。またRAM1jは、CPU16が各種の処理を行う際のワークエリアとしても利用される。
【0029】
HDD1kは、CPU1mの処理手順を記述したプログラムや、CPU16が各種の処理を実行する上で必要なデータなどを記憶している。HDD1kには、注文処理システム100が設置されている飲食店で提供されるメニュー品目に関するデータベースが記憶される。HDD1kには、ハンディ端末2におけるユーザインタフェースを摸した入力インタフェース画像のデータが記憶される。HDD1kには、複数のトレーニングコースのそれぞれの内容を記述したトレーニングコースデータベースが記憶される。HDD1kには、複数の店員のそれぞれについてのトレーニング状況を記述したトレーニング状況データベースが記憶される。さらにHDD1kには、トレーニング処理に際して再生する複数の動画ファイルが記憶される。
【0030】
CPU1mは、ROM1iやHDD1kに記憶されたプログラムに従って、前述した各種の業務に関する各種の処理やトレーニング処理を実行する。
【0031】
なお、情報端末1は、ROM1iやHDD1kにプログラムが記憶された状態にて販売や譲渡がなされても良いし、記憶媒体に記憶された状態や通信回線を介した通信により販売または譲渡されたプログラムが任意に情報端末1にインストールされても良い。なお、上記の記憶媒体としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、あるいは半導体メモリなどのあらゆる種類のものを利用できる。
【0032】
図3はトレーニングコースデータベースの一例を模式的に示す図である。
【0033】
図3に示すようにトレーニングコースデータベースには、複数のトレーニングコースのそれぞれに対応するデータレコードが含まれる。各データレコードには、タイトル、所要時間、クラス、動画ファイル名および規定注文品目に関する情報フィールドが含まれる。タイトルに関する情報フィールドには、トレーニングコースを識別するためのタイトルが記述される。所要時間に関する情報フィールドには、各トレーニングの所要時間が記述される。クラスに関する情報フィールドには、難易度などを表す情報が記述される。動画ファイル名に関する情報フィールドには、使用するべき動画ファイルの識別名が記述される。規定注文品目に関する情報フィールドには、注文品目として入力されるべき品目が記述される。
【0034】
図4はトレーニング状況データベースの一例を模式的に示す図である。
【0035】
図4に示すようにトレーニング状況データベースには、複数のユーザ(ここでは店員)のそれぞれに対応するデータレコードが含まれる。各データレコードには、ユーザ名、トレーニングコース毎の済みフラグおよび習熟レベルに関する情報フィールドが含まれる。ユーザ名に関する情報フィールドには、ユーザを識別するための名称が記述される。済みフラグは、トレーニングコース毎のトレーニングの終了状況を0(未終了)および1(終了)のいずれかで記述する。習熟レベルに関する情報フィールドには、ハンディ端末2の操作についての習熟度合いを表す習熟レベルが記述される。
【0036】
次に注文処理システム100の動作について説明する。
【0037】
情報端末1やハンディ端末2でオーダー入力のための操作をユーザが行うと、その操作に応じて情報端末1やハンディ端末2で生成されたオーダー情報がLAN5を介してステーション4に伝送される。ステーション4は、到来したオーダー情報を、会計処理や集計処理などのために管理する。またステーション4は、オーダー情報をLAN5を介して伝票プリンタ3へと送信する。伝票プリンタ3は、到来したオーダー情報に応じた内容の調理指示伝票や注文伝票を印刷する。
【0038】
さて、ハンディ端末2での操作をトレーニングしたい場合にユーザは、情報端末1が備えるトレーニング機能を利用できる。このトレーニング機能の起動がユーザにより要求された情報端末1のCPU1mは、図5に示すようなトレーニング処理を実行する。
【0039】
ステップSa1においてCPU1mは、ユーザを認証する。
【0040】
ステップSa2においてCPU1mは、コース選択画像を生成し、それをLCD1aに表示させる。
【0041】
図6はコース選択画像20を含んだ表示画面の一例を示す図である。
【0042】
コース選択画像20は、コース一覧画像21、入力インタフェース画像22および案内画像23を含む。
【0043】
コース一覧画像21は、トレーニングコースデータベースに登録されているトレーニングコースの一覧を示す。図6の例においてコース一覧画像21には、各トレーニングコースの動画サムネイル21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g,21h,21iの下にタイトルおよび所要時間を表すテキストを配置して表す。そしてコース一覧画像21は、各動画サムネイル21a〜21iを、各トレーニングコースのクラス毎に区分けして示す。
【0044】
さらにコース一覧画像21には、トレーニング状況データベースにおいてステップSa1で認証したユーザに対する済みフラグが「1」となっているトレーニングコースの動画サムネイルに重ねてトレーニングが終了していることを表す済みマーク21jを表す。図4に示すトレーニング状況データベースでは、「店員A」なるユーザに関して済みフラグが「1」となっているのが「1人客」「テイクアウト」「ファミリー」および「身だしなみ」の各トレーニングコースである。図6においてはこれに従って、「1人客」「テイクアウト」「ファミリー」および「身だしなみ」の各トレーニングコースに関する動画サムネイル21a,21b,21c,21hに重ねて済みマーク21jをそれぞれ表示している。
【0045】
入力インタフェース画像22は、ハンディ端末2におけるユーザインタフェースの外観を摸した画像である。
【0046】
案内画像23には、ユーザの習熟レベルを表す文字列23aおよびマーク23bを含む。
【0047】
ステップSa3においてCPU1mは、ユーザの操作に応じてトレーニングコースの1つを選択する。具体的には、コース一覧画像21に含まれた動画サムネイルのうちの1つをタッチする操作をユーザが行ったことに応じて、CPU1mはそのタッチされた動画サムネイルに関するトレーニングコースを選択する。例えば図6中の動画サムネイル21dをタッチする操作がユーザにより行われたならば、CPU1mはタイトルが「2人客」であるトレーニングコースを選択する。
【0048】
ステップSa4においてCPU1mは、選択したトレーニングコースに対応する動画像の表示を開始する。例えばタイトルが「2人客」であるトレーニングコースを選択しているならば、CPU1mはトレーニングコースデータベースに従って動画ファイル名として「Futari.mpg」を取得し、このファイル名でHDD1kに記憶されている動画ファイルに基づく動画像を含んだトレーニング画像を生成し、それをLCD1aに表示させる。なおCPU1mは、動画像ファイルに含まれた音声データに応じた音声をスピーカ1cより再生させる。
【0049】
図7はトレーニング画像30を含んだ表示画面の一例を示す図である。
【0050】
トレーニング画像30は、コース選択画像20に、コース一覧画像21に重なる状態でプレーヤ画像31を表す。プレーヤ画像31中には、動画像31aが含まれる。なお、動画像31aとしては、動画像ファイルが表す多数の画像フレームが順次に表示対象として選択されて、その表示対象とされた画像フレームに自動的に変更して行く。動画像31aは、ハンディ端末2においてメニュー品目の入力のための操作をユーザが行うべき契機となる経時的な複数の事象を表したものである。具体的には、顧客が注文する様子を撮影したものや、同様な様子を表したアニメーションなどである。
【0051】
ユーザは、LCD1aで表示される動画像およびスピーカ1cで再生される音声に応じて、入力インタフェース画像22上に配置されたメニュー品目のボタンをタッチすることによって注文されたメニュー品目を入力するための品目入力操作を行う。そしてユーザは、注文されたメニュー品目の全ての入力を完了したと考えるときに、入力インタフェース画像22中に配置された送信ボタン22aをタッチするなどの終了操作を行う。
【0052】
そこでステップSa5およびステップSa6においてCPU1mは、品目入力操作または終了操作がなされるのを待ち受ける。そして品目入力操作が行われたならば、CPU1mはステップSa5からステップSa7へ進む。なお、動画像の再生が終了した時点またはそれから一定時間が経過した時点に定めた終了タイミングまでに終了操作がなされなかった場合にも、CPU1mはステップSa5からステップSa7へ進むようにしても良い。
【0053】
ステップSa7においてCPU1mは、品目入力操作より入力されたメニュー品目を注文品目リストに追加する。そしてこののちにCPU1mは、ステップSa5およびステップSa6の待ち受け状態に戻る。
【0054】
終了操作がなされたならばCPU1mは、ステップSa6からステップSa8へ進む。
【0055】
ステップSa8においてCPU1mは、注文品目リストに含まれているメニュー品目の全てが、現在選択しているトレーニングコースに関してトレーニングコースデータベースに記述された規定注文品目に含まれているメニュー品目と一致するか否かを確認する。そして全てのメニュー品目が一致したならば、CPU1mはステップSa8からステップSa9へ進む。
【0056】
ステップSa9においてCPU1mは、現在選択しているトレーニングコースおよびステップSa1で認証したユーザに関する済みフラグを「1」にする。
【0057】
ステップSa10においてCPU1mは、ステップSa1で認証したユーザに関するトレーニングの進捗度を算出する。進捗度は、予め定められた任意のルールに基づいて算出されれば良い。例えば、済みフラグが「1」となっているトレーニングコースの数として進捗度を求めることができる。この場合、トレーニング状況データベースが図4に示す状態であるならば、「店員A」なるユーザについての進捗度は「4」となる。あるいは、トレーニングコースの難易度に応じた係数を済みフラグの乗じて求まる値の総和として進捗度を求めることができる。この場合、例えば各トレーニングコースのクラスに応じて、「初級」「中級」「上級」「マナー」に関する係数をそれぞれ「1」「2」「3」「1」とするならば、トレーニング状況データベースが図4に示す状態であるならば、「店員A」なるユーザについての進捗度は「5」となる。
【0058】
ステップSa11においてCPU1mは、進捗度に応じて習熟レベルを判定し、それをトレーニング状況データベースに反映する。具体的には、進捗度と習熟レベルとの対応関係を予め定めておく。なお習熟レベルとは、「アルバイト初級」や「アルバイト中級」などのように習熟の度合いをユーザが認識できるような情報である。そしてCPU1mは例えば、進捗度が上昇しても習熟レベルが変化しないならば、トレーニング状況データベースには何ら変更を加えない。しなしかながらCPU1mは例えば、進捗度が上昇したことによって新たな習熟レベルに到達したならば、トレーニング状況データベースの習熟レベルに関する情報フィールドの記述を変更する。より具体的には、「店員A」なるユーザが「2人客」なるトレーニングコースを正しく完了したことによって当該ユーザの習熟レベルが「アルバイト中級」であるとCPU1mが判定したとする。この場合にCPU1mは、ユーザ名の情報フィールドに「店員A」と記述されたデータレコードにおける習熟レベルに関する情報フィールドの記述を、例えば図4に示す「アルバイト初級」から「アルバイト中級」に変更するようにトレーニング状況データベースを更新する。
【0059】
こののちにCPU1mは、ステップSa2に戻り、コース選択画像を再表示する。このときにCPU1mは、最新のトレーニング状況データベースに記述された情報に基づいてコース選択画像を生成する。このため、例えば上記具体例のようにトレーニング状況データベースが更新されているならば、コース選択画像は図8に示すような画像とされる。図8に示すコース選択画像40は、コース一覧画像41が、動画サムネイル21dに重ねて済みマーク21jを表すようにコース一覧画像21に対して変更されている。またコース選択画像40は、案内画像42が、変化後の習熟レベルを表す文字列42aおよびマーク42bを含むように案内画像23に対し変更されている。
【0060】
ところで、ステップSa8においてメニュー品目が一致しなかったならば、CPU1mはステップSa8からステップSa2へ戻る。この場合には、トレーニング状況データベースが更新されないため、図6に示すコース選択画像20が再表示される。
【0061】
以上のように、ユーザは、情報端末1のみを使用して、他人に手間を掛けること無しに、ハンディ端末2の操作をトレーニングできる。
【0062】
また、操作が正しく行われたか否かが自動的に判定されて、その結果が済みマーク21jの有無によってユーザに対して提示されるため、ユーザは正しい操作が行えたのか否かを認識することができる。
【0063】
また、習熟レベルがユーザに対して提示されるため、ユーザはハンディ端末2の操作についての自己の習熟度合いを容易かつ的確に把握することができる。
【0064】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0065】
注文品目リストに含まれたメニュー品目と規定注文品目との比較により、入力漏れのメニュー品目や誤入力されたメニュー品目を判別し、それをユーザに対して提示する画像を表示しても良い。
【0066】
入力インタフェース画像22に代えて、情報端末1がPOS端末として機能する際にLCD1aに表示させる入力インタフェース画像を表示させ、その入力インタフェース画像上での操作を入力することとすれば、当該POS端末の操作のトレーニングをユーザに行わせることが可能である。
【0067】
動画像に代えて、複数の静止画像をスライドショー形式で表示しても良い。すなわち、複数の静止画像を順次に、かつ一定の時間間隔で自動的に表示対象として選択し、その表示対象とされた静止画像をLCD11に表示させても良い。
【0068】
上記のトレーニング機能を備える情報端末1は、案内業務、受注業務、給仕(配膳)業務、あるいは会計業務など各種の業務の全てに関する処理を行うものである必要はないし、それらの処理とは全く異なる処理を行うものであっても良い。
【0069】
トレーニングの対象とするユーザ操作は、注文入力のための操作には限らない。
【0070】
トレーニング結果は、入力された操作と規定操作とが完全一致したか否かにより判定するものには限らない。例えば、入力操作と規定操作とが一致する割合としてトレーニング結果を判定することができる。また例えば、入力操作が行われる順番やタイミングなどのような別の情報も加味してトレーニング結果を判定しても良い。
【0071】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0072】
1…情報端末、2…ハンディ端末、3…伝票プリンタ、4…ステーション、5…LAN、6…無線アクセスポイント、7…プリンタ、8…客面表示装置、1a…液晶ディスプレイ(LCD)、1b…表示コントローラ、1c…スピーカ、1d…サウンドコントローラ、1e…タッチパネル、1f…タッチパネルコントローラ、1g…周辺機器インタフェース、1h…通信インタフェース、1i…ROM、1j…RAM、1k…HDD、1m…CPU。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】特開2009−199188号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務に関わる処理をユーザの操作に応じて実行する処理装置に対して前記ユーザの操作を入力して通知する入力装置における前記操作を前記ユーザにトレーニングさせるトレーニング装置であって、
任意の画像を表示する表示デバイスと、
前記入力装置において前記操作を入力するためのユーザインタフェースの外観を摸した入力インタフェース画像を表示するよう前記表示デバイスを制御する第1の制御手段と、
前記操作の契機となる経時的な複数の事象を表した事象画像群の中の表示対象となる1つの事象画像を前記入力インタフェース画像に並べて、かつ表示期間内に渡って前記表示対象を自動的に変更しながら表示するように前記表示デバイスを制御する第2の制御手段と、
前記表示デバイスにより表示された前記入力インタフェース画像上での前記ユーザの操作を入力する入力デバイスと、
前記表示期間を含んだ操作期間内に前記入力デバイスにより入力された前記操作が規定操作と一致するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段での判定結果を表す結果画像を表示するように前記表示デバイスを制御する第3の制御手段とを具備したことを特徴とするトレーニング装置。
【請求項2】
音声を再生する再生デバイスと、
前記第2の制御手段の制御の下に前記表示デバイスで表示される前記事象画像に関連した音声を再生するように前記再生デバイスを制御する第4の制御手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のトレーニング装置。
【請求項3】
前記第2の制御手段は、複数の前記事象画像群を選択的に前記表示デバイスに表示させ、
前記判定手段は、前記入力デバイスにより入力された前記操作の全てが前記第2の制御手段が前記表示デバイスに表示させた事象画像群に対応した規定操作に一致するか否かを判定し、
かつ前記トレーニング装置は、複数の前記事象画像群のそれぞれに関連付けて、その事象画像群に対応した規定操作に前記操作の全てが一致すると前記判定手段により判定されたことがあるか否かを管理する管理手段とを具備したことを特徴とする請求項1に記載のトレーニング装置。
【請求項4】
複数の前記事象画像群のうちで、その事象画像群に対応した規定操作に前記操作の全てが一致すると前記判定手段により判定されたことがある旨が前記管理手段により管理されている前記事象画像群の割合に基づいて習得レベルを算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された習得レベルを表したレベル画像を表示するように前記表示デバイスを制御する第5の制御手段とをさらに具備することを特徴とする請求項3に記載のトレーニング装置。
【請求項5】
前記第2の制御手段は、事象画像群を動画像として表示するように前記表示デバイスを制御することを特徴とする請求項1に記載のトレーニング装置。
【請求項6】
業務に関わる処理をユーザの操作に応じて実行する処理装置に対して前記ユーザの操作を入力して通知する入力装置における前記操作を前記ユーザにトレーニングさせるトレーニング装置を、任意の画像を表示する表示デバイスと、前記表示デバイスにより表示された入力インタフェース画像上での前記ユーザの操作を入力する入力デバイスとともに構成するコンピュータを、
前記入力装置において前記操作を入力するためのユーザインタフェースの外観を摸したものとして前記入力インタフェース画像を表示するよう前記表示デバイスを制御する第1の制御手段と、
前記操作の契機となる経時的な複数の事象を表した事象画像群の中の表示対象となる1つの事象画像を前記入力インタフェース画像に並べて、かつ表示期間内に渡って前記表示対象を自動的に変更しながら表示するように前記表示デバイスを制御する第2の制御手段と、
前記表示期間を含んだ操作期間内に前記入力デバイスにより入力された前記操作が規定操作と一致するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段での判定結果を表す結果画像を表示するように前記表示デバイスを制御する第3の制御手段として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−170193(P2011−170193A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35118(P2010−35118)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】