説明

トロイダル境界層ガスタービン

燃焼により生じる遠心力を内部で受けて、内部に配置された流体を連続して燃焼させるための燃焼トロイドと、前記燃焼トロイドからの排気用の出口とを備えた装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2008年10月30日に出願した米国仮特許出願第61/109,660号の優先権を主張するものである。
公開される本発明の実施形態は、特にタービンおよび発電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばTeslaの米国特許第1,061,206号およびDialの米国特許第7,341,424号に開示された、境界層効果を使用して発電する先行技術のタービンおよび発電機は、限られた電力出力および効率しか得られない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国仮出願第61/109,660号
【特許文献2】米国特許第1,061,206号
【特許文献3】米国特許第7,341,424号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
Teslaの教示による先行技術のタービンおよび発電機は、Teslaの設計の簡潔性を利用して最大の電力出力を発生することができていないため、改良されたタービンおよび発電機の技術が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ディスクパックの周囲に延びる燃焼チャンバを設けることにより、比較的簡単な構成で高い効率および電力出力が可能になる。この構成により、空気と燃料とを燃焼チャンバの周りで直接混合して、燃料を確実に完全燃焼させることができる。これにより、空気と燃料とをチャンバの周りの複数の周方向位置で混合することができるようになり、より多くの燃料を効率的に消費して、燃焼生成物をより多く回転運動させることにより、電力出力が増加する。
【0006】
燃焼チャンバ内に空気および燃料を接線方向に供給することにより、燃焼チャンバの周りを回転する燃料および空気に加えられた遠心力によって、燃焼チャンバの外周で燃料の燃焼を阻止することができる。遠心力により、燃焼生成物が、排出に先立って遠心力とディスクパックからの外方圧力とに打ち勝つ前に、確実にほぼ完全に反応し、燃料を最適に使用することができる。
【0007】
タービン外側の空気を捉えて、空気入口と燃焼チャンバとの間に形成された厚さを通して空気をほぼ回転下降させることにより、空気が燃焼チャンバ外周に本来の方向に垂直になるように供給されて、燃焼チャンバ内の回転流に似た動きをする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の例示的実施形態による燃焼タービンを示す図である。
【図2】本発明の例示的実施形態による燃焼タービンの断面図である。
【図3】本発明の例示的実施形態によるノズルリングおよびディスクパックの断面図である。
【図4】本発明の例示的実施形態によるノズルリングおよびディスクパックの断面図である。
【図5A】本発明の例示的実施形態による空気ノズルを示す図である。
【図5B】本発明の例示的実施形態による空気ノズルを示す図である。
【図6】本発明の例示的実施形態による空気ノズルおよび燃焼チャンバの断面図である。
【図7A】本発明による空気ノズルおよび燃焼チャンバの他の例示的実施形態を示す図である。
【図7B】本発明による空気ノズルおよび燃焼チャンバの他の例示的実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図中、同一の参照符号は対応する部品を示す。
【0010】
図1はタービン100を示す。タービン100は、燃焼ハウジング10、ノズルリング30、およびディスクパック50を備える。ディスクパック50は、ドライブシャフト60がディスクパック50の回転を受けるように、ドライブシャフト60を保持する。ディスクパック50は、電力出力をタービン100内から別の装置(例えば、発電機またはポンプ)へドライブシャフト60を介して伝える。タービン軸61は、ドライブシャフト60の面の幾何学的中心に位置する。タービン軸は、シャフト60に沿って長手方向に延びる。
【0011】
燃焼ハウジング10は、タービン軸61の周りに配置された燃焼チャンバ3を内部に備え、燃焼した流体が燃焼チャンバ3を通って進み、シャフト60を介して発電する。燃焼ハウジング10は、外面1と内面2を有する。本発明の例示的実施形態によれば、燃焼ハウジング10を、高い熱応力および熱衝撃に耐えうる任意の材料を使用した公知の機械加工および/または成形プロセスを通じて形成または設計することができる。この材料は、例えば、アルミナ、グラファイト、炭化ケイ素(SiC)等であるが、これらに限定されるものではない。あるいは、本発明の本例示的実施形態は、より小さな装置への適用として、ステンレス鋼を使用した公知の機械加工および/または成形プロセスを通じて形成または設計することができる。しかし、タービン100の燃焼ハウジング10を形成するのに使用される材料は本発明にとって重要なものではなく、本発明の種々の実施形態で列挙された目的を果たす、いかなる材料または複合材料を含んでいてもよいことを、当業者は認めるだろう。
【0012】
図1に示す本発明の例示的実施形態によれば、内面2が燃焼チャンバ3をほぼ囲む。本発明の別の例示的実施形態では、内面2がトロイダル燃焼チャンバ3を形成する。さらに別の例示的実施形態では、内面2が、ほぼ丸い(例えば、円形、楕円形、または縁部が丸いその他の形状の)断面を有するトロイダル燃焼チャンバ3を形成する。別の例示的実施形態では、内面2が、ノズルリング30、ディスクパック50および/またはドライブシャフト60を囲む。本発明の別の例示的実施形態によれば、内面2がタービン100の内部にほぼ接触する。また、当業者は、燃焼ハウジング10内のこれらの部品が燃焼ハウジング10の内面2にほぼ接触することを認めるだろう。
【0013】
燃焼ハウジング10は開口6、7を有し、これらの開口6、7は、面1、2により画定された燃焼ハウジング壁内に配置される。燃料および空気が開口6、7を通ってそれぞれチャネル4、5内へ流れる。本発明の一例示的実施形態では、燃料チャネル4および空気チャネル5が燃焼ハウジング10の周りに位置する機構内に配置され、燃料および空気を燃焼ハウジング壁内から燃焼チャンバ3へ供給する。図1に示す本発明の例示的実施形態によれば、燃料チャネル4および空気チャネル5がタービン軸61の周りに周方向に配置される。図1に示す本発明のさらなる例示的実施形態では、燃料チャネル4および空気チャネル5が燃焼ハウジング10の周囲に交互に配置される。当業者は、タービン100の所望の動作に応じて、燃焼ハウジング10および燃焼チャンバ3の周りにおける燃料チャネル4および空気チャネル5の他の多くの代替機構を認めることができる。図1の本発明の例示的実施形態では、燃料チャネル4および空気チャネル5が、各流体に、燃焼チャンバ3内の混合物の燃焼を助けるフローパターンを与える。あるいは、燃料チャネル4および空気チャネル5が、各流体に、流体とディスクパック50との相互作用によりドライブシャフト60に伝えられる動力を最終的に増加させるフローパターンを与える。
【0014】
燃焼ハウジング10および燃焼チャンバ3について、図2を参照しながらさらに説明する。
【0015】
図1に戻り、本発明の一例示的実施形態では、ノズルリング30が燃焼チャンバ3とディスクパック50との間に配置される。ノズルリング30は、遠位面31、近位面32、および複数の燃焼流体(CF)ノズル33から形成される。各CFノズル33は、遠位空間40と近位空間41との間に配置される。遠位面31は、内面2によって囲まれていない燃焼チャンバ3の残りの部分をほぼ囲む。内面2および遠位面31のどちらにも囲まれていない燃焼チャンバ3の部分は、各遠位空間40を通る複数のCFノズル33のいずれか1つを通して燃焼流体を供給する。本発明の例示的実施形態では、燃焼チャンバ3からの燃焼流体が、各遠位空間40で複数のCFノズル33のいずれか1つに入り、各近位空間41を介して出る。
【0016】
本発明の例示的実施形態では、ノズルリング30を燃焼ハウジング10と一体化して、表面包囲燃焼チャンバ3をほぼ形成する。本実施形態によれば、表面包囲燃焼チャンバ3は、内面2、遠位面31、およびCFノズル33を画定する壁を備える。本例示的実施形態によれば、任意の複数のCFノズル33を通して、燃焼チャンバ3からディスクパック50へ流体を通すことができる。
【0017】
本発明の別の実施形態によれば、ノズルリング30が、燃焼ハウジング10から分離されたタービン100の別個の部品である。当業者は、ノズルリング30と燃焼ハウジング10とを一体化することにより、前記と同様の燃焼チャンバ3の特徴を持つことを認めるだろう。さらに、当業者は、ノズルリング30を燃焼ハウジング10から分離することは、本明細書に列挙した本発明の種々の実施形態の目的から実質的に逸脱していないことを認めるだろう。
【0018】
本発明の例示的実施形態によれば、ノズルリング30を、例えば、SiC、ステンレス鋼等の高い熱応力および熱衝撃に耐えるいかなる材料で設計してもよい。本発明の本具体的な実施形態により選択された材料により、ノズルリング30が特に高温を得るのに適したものとなり、ノズルリング30に接触した燃焼流体がさらに燃焼するようになる。
【0019】
図1に示す本発明の例示的実施形態によれば、ディスクパック50がノズルリング30内にある。ディスクパック50は複数のディスク52を備えており、これらのディスク52の直径、厚さ、およびディスク間隔は、ディスク52が流体により流体内で回転されると、境界層効果によりさらなる流体がディスクパック50を通って移動してディスクパック50を回転させるように決められる。通常、板の間隔は、所望の境界層効果を達成する流体粘性に正比例するように選択される。各ディスク52は複数のスポーク54によりシャフト台58に接続される。あるいは、ディスクパック50は複数のスポーク54によりドライブシャフト60に取り付けられる。本発明の例示的実施形態によれば、ディスクパック50の回転により、ドライブシャフト60がタービン軸61を中心に回転して発電する。本発明の別の例示的実施形態によれば、燃焼流体が、任意の複数のディスク52にわたってディスクパック50を通って流れることにより、ドライブシャフト60を燃焼流体流の方向に駆動する。ドライブシャフト60は、シャフト台58でディスクパック50に一体に取り付けられる。本発明の別の例示的実施形態では、ディスクパック50がシャフト台58を使用することにより、ディスク52を通る燃焼流体によって生じた回転をドライブシャフト60に関連付ける。
【0020】
図1〜3に示す本発明の実施形態によれば(図2、3に示す本発明の例示的実施形態に記載される)排気70は、ディスクパック50のスポーク54の配置から形成された複数のディスクパック出口56のいずれか1つを長手方向に通って、ディスクパック50からタービン軸に沿った方向に抜ける。本発明の実施形態によれば、タービン出口8でタービン100から出る排気70は、燃焼流体と燃焼チャンバ3との間、ノズルリング30とディスクパック50との間で行われる複数の燃焼による生成物である。本発明の別の実施形態によれば、タービン100から出る排気70は、燃焼チャンバ3と、ノズルリング30およびディスクパック50のいずれか1つとの内部で行われる燃焼の生成物である。本発明のさらに別の実施形態によれば、タービン出口8を通ってタービン100から出る排気70は、チャンバ3内の燃焼流体がほぼ完全に燃焼したことにより生成される。
【0021】
別の例示的実施形態では、燃焼チャンバ3内の燃焼流体が、ディスクパック50の回転により生じた増加圧力を通して遠心力を受ける。本実施形態の1つの動作によれば、ディスクパック50の回転により生じる遠心力より、ノズルリング30下に増加圧力が生じる。ノズルリング30下に生じる増加圧力は、燃焼チャンバ3内の燃焼流体に作用して、チャンバ3内の燃焼流体の燃焼を長くする。本実施形態の別の動作によれば、ディスクパック50の回転により、燃焼チャンバ3内の燃焼流体が、タービン軸61から内面2および/または任意の複数のCFノズル33を画定する壁へ向かって遠位で移動する。これにより、チャンバ3および/またはノズルリング30内の燃焼流体のさらなる燃焼が可能になり、タービン100内の生成物がほぼ反応する。本発明の実施形態によるこのような反応に続いて、ほぼ反応した生成物が排気70としてタービン100から出る。
【0022】
前述した本発明の例示的実施形態を参照して、ディスクパック50の回転により、燃焼流体がノズルリング30の近位面32に接触して、ディスク52の縁部と近位面32との近くで、これらの間に位置する燃焼流体がさらに燃焼反応する。
【0023】
図2は本発明によるタービン100の側面図の例示的実施形態を示す。燃焼ハウジング10内で、燃焼チャンバ3は、2つの部分3A、3Bで示される。燃焼チャンバ3A内には丸で囲んだ記号「●」があり、燃焼チャンバ3B内には丸で囲んだ記号「×」がある。これと本発明の実施形態のさらなる図示とによれば、丸で囲んだ「●」は、紙面外に流出する流体を表し、丸で囲んだ記号「×」は、紙面内に流入する流体を表す。したがって、燃焼チャンバ部3A、3Bは、(ドライブシャフト60がタービン100を通って突出する側からタービン100を見て)反時計方向の流体流を示し、同じ反時計方向の回転66をドライブシャフト60で生じさせる。
【0024】
図2に示す本発明の例示的実施形態では、タービン100が燃焼ハウジング10を備え、燃焼ハウジング10は、ノズルリング30、ディスクパック50、およびドライブシャフト60を、燃焼ハウジングシャフト開口部9で囲む。シャフト開口部9は、燃焼ハウジング10内でシャフト60の流体回転を可能にするいかなるタイプの開口部(例えば、玉軸受、磁気軸受、潤滑面等)であってもよい。当業者は、タービン100の動作中にシャフト60が安定して制約を受けずに回転できるように開口部9を設計、構成する多くの方法を認めるだろう。
【0025】
燃焼ハウジング10の内部動作による出力は、タービン出口8を介してタービン100から出る。本発明の一実施形態によれば、タービン出口8はタービン100からの排気ガス70の処理および排出のための他の装置に接続されるように構成される。別の実施形態では、タービン出口8が、タービン100からの排気ガス70を制御して放出するように構成される。さらに別の実施形態では。タービン出口8の形状が、排気ガス70の流動点で生じる真空効果に影響を与える。
【0026】
図2は、本発明による燃焼チャンバ部3A、3Bで混合される燃焼流体の例示的実施形態を示す。まず燃焼チャンバ部3Aを参照すると、燃料チャネル4および空気チャネル5がそれぞれチャネル出口72、71を介して燃焼チャンバ3Aに入る。チャネル出口71、72は、燃焼ハウジングの内面2の開口部とすることができ、各チャネルからの流体がこのチャネル出口71、72を通って燃焼チャンバ3に入る。本発明の例示的実施形態によれば、燃料チャネル4および空気チャネル5の破線は、各チャネル内の流体の流れを示す。各チャネル4、5は、チャンバハウジング10の面1、2間に形成された壁に、それぞれ開口6、7を有する。燃料チャネル4の開口6により、燃料インジェクタまたは当業者に公知のその他のタイプの燃料供給装置を入れることができる。図2の本発明の例示的実施形態によれば、空気チャネル5の開口7により、燃焼ハウジング10または当業者に公知のその他のタイプの燃料供給装置の外側から空気を入れることができる。
【0027】
図2の実施形態によれば、燃焼ハウジング10が空気板20に接続される。空気板20は、燃焼ハウジング10と、ディスクパック50と、空気板20との接続構成内でドライブシャフト60を受けて回転させるための開口部22を提供する。本発明の一実施形態によれば、開口部22が燃焼ハウジング10の開口部9のように機能する。あるいは、開口部22が空気板20の外側の別個の流体を使用して、内部で回転するシャフト60の安定した回転を維持する。
【0028】
空気板20は、1つまたは複数の空気入口21を通してタービン100外側の供給源から空気を受ける。各空気入口21は、空気ノズル25を通して1つまたは複数の空気チャネル5の1つまたは複数の開口7に受け取った空気を通す。特に本発明の実施形態では、空気板20が、燃焼ハウジング10の燃焼チャンバ3に分配された空気を供給する。本発明の代替実施形態では、空気板20が燃焼ハウジング10と一体に形成される。本発明の別の実施形態では、空気ノズル25が空気チャネル5に一体に接続されて、空気入口21から出口71を通って流れる空気流を生成する。
【0029】
空気流が空気チャネル5を通って流れることにより、空気流が燃焼チャンバ3に入るときに、流体内の乱流が少ない静かな空気流となる。本発明の例示的実施形態では、空気板20の表面周りで入力空気75を遠心力により供給(図5B、6、7Bの本発明の例示的実施形態に示す)することにより、空気入口21が乱流の入力空気75を空気ノズル25内に供給することができる。この空気ノズル25の形状は、入力空気75の乱流を減少させて、入力面2に対してほぼ接線方向にある空気チャネル5の出口71から出る空気流を作るようになっている。本発明の別の実施形態では、空気入口21、空気ノズル25、空気チャネル5の開口、または出口71のいずれか1つを組み合わせた形状により、入力空気75の乱流を大幅に減少させることができる。さらに、前述した本発明の実施形態の、乱流を減少させる形状に関連して、図6、7A〜Bを参照しながらさらに説明する。
【0030】
図2に示す本発明の例示的実施形態によれば、燃料チャネル4および空気チャネル5の開口72、71からの燃料および空気の流れが、燃焼部3Aに対してほぼ接線方向に流れた後、チャンバ部3A、3Bから燃焼チャンバ3の周囲全体に流れるときに可燃流体に混合される。燃焼チャンバ3内の可燃流体の最初の燃焼が、燃焼ハウジング10内からの点火または加熱により行われる。当業者は、可燃流体を燃焼チャンバ3内で最初に点火する多くの方法を認めるだろう。
【0031】
本発明の例示的実施形態の別の動作により、燃焼ハウジング10は、燃焼流体がタービン100から出る前に、内部のすべての可燃流体を燃焼させて、ほぼ反応した生成物を生成するのに十分な高温を達成する。このような動作では、燃焼流体の多くの連続した燃焼が、燃焼ハウジング10で行われる。あるいは、燃焼流体が、燃焼ハウジング10内で、より長い時間、燃焼プロセスを受ける。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、燃焼チャンバが触媒(例えば表面被覆)を使用して、燃焼流体内でほぼ完全な燃焼反応を生じさせる。あるいは、別の実施形態では、タービン100の部品の動作により加えられる力を使用して触媒とすることにより、燃焼流体からほぼ反応した生成物を生成させる。本発明のこれらの実施形態によれば、十分な高温になると、タービン100の部分が燃焼流体の燃焼を中止し、代わりに、その燃焼流体を完全に反応した生成物に触媒によって変換する。例示的実施形態では、燃焼プロセス中の燃焼チャンバ3の圧力が、燃焼ガスを圧縮し、内面2周りの燃焼炎を封じ込める。燃焼チャンバ3の圧力は、遠心圧縮機のように動作する回転ディスク52からの背圧により得られる。あるいは、これらの圧力は、渦流中で回転する燃焼ガスの遠心力により得られる。本例示的実施形態の動作により、背圧および遠心力は触媒として作用し、燃料と燃焼の一次生成物とがディスク出口56およびタービン出口8を通って出る前に、燃料と燃焼の一次生成物とを確実にほぼ完全に燃焼させて、容易に維持できる簡単な構成で最適な燃焼効率を確保する。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、最初の量の可燃流体が点火されると、次に燃料および空気を燃焼チャンバ3に通すことにより、混合された流体流が連続して燃焼する。本実施形態では、燃料チャネル4および空気チャネル5を介して燃料および空気を連続して供給することにより、チャンバ3全体にわたって連続した燃焼渦流が生じる。チャンバ3全体にわたる燃焼流体の渦流は、本発明の実施形態による流体の完全燃焼を助ける。別の実施形態では、最初の量の可燃流体が点火されると、ディスクパック50の回転により、次の量の可燃流体を押して燃焼流体(例えば、前に点火した可燃流体流)に点火可能に接触させることにより、燃焼チャンバ3全体にわたる燃焼を継続するのに十分な力が生じる。さらに別の実施形態によれば、最初に点火すると、燃焼チャンバ3に導入された燃料および空気が連続して燃焼する。これは、燃料および空気を燃焼チャンバ3に接線方向に導入することによって、タービン軸61周りの周方向の燃焼流方向に生じる。燃焼により生じた膨張ガスが、ノズルリング30内のCFノズル33を通る圧力により、同様にディスクパック50周りの周方向流れ方向に向けられる。
【0034】
本発明の実施形態によれば、ディスクパック50のディスク52の回転により生じる圧力によって、燃焼流体が内面2に接触する。本発明の実施形態の一態様では、燃焼流体が、タービン軸61から遠位方向に移動するディスクパック50からの遠心力により圧力を受ける。周方向の流れにより発生する遠心力は、燃焼チャンバの内面2に隣接する燃料の燃焼を阻止する一方、燃焼生成物は内側に螺旋状に移動してディスク52間を流れ、続いてタービン出口8から出る。すなわち、燃焼チャンバ部3Aを参照すると、ディスクパック50の遠心力による圧力は、ノズルリング面31と反対の燃焼チャンバ部3Aの内面2の遠位部に沿って燃焼流体を移動させる。本発明の実施形態によれば、燃焼流体を燃焼チャンバ3の遠位部に接触させて維持することにより、さらに燃焼反応を行わせて、燃焼ハウジング3内の燃焼流体を完全に燃焼させることができる。燃焼流体からのすべての燃焼性出力を得てディスクパック50内(および、したがってドライブシャフト60)で回転を生じさせることにより、本発明の実施形態は、タービン100の部品を組み合わせた動作を使用して、流入する燃料および空気をすべて完全に燃焼させる。本発明の実施形態によれば、燃焼流体に使用される圧力によって、不完全燃焼した生成物を含む排気70が最小になる。前述した本発明の実施形態によれば、燃焼チャンバ3内の燃焼流体の燃焼時間は、遠心力の使用により最大になり、チャンバ部3A、3Bに沿った燃焼の回数を増やすことができる。
【0035】
本発明の別の例示的実施形態は、燃焼プロセス中に発生した放射熱を燃焼チャンバ3の中心に集中させる高放射被覆を有する燃焼チャンバ3の内面2を備える。より高い放射率定数は、対流および伝導熱流により生じる放射を反射する材料の能力を示す。本発明の本例示的実施形態によれば、内面2上のSiCまたは当業者に公知のその他の被覆材料等の高放射被覆は、燃焼チャンバ3の中心に放射熱エネルギーを再び集中させて、内部の燃焼流体をさらに燃焼させる。本発明の本例示的実施形態に関連する、高放射被覆を有することのさらなる利点は、燃焼チャンバ3を構成する材料の寿命を延ばし、面1、2により画定された燃焼ハウジング10の壁の表面温度を低下させる。本発明の別の実施形態によれば、高放射によりタービン100の他の部品(例えば、ノズルリング30、燃焼チャンバ3をノズルリング30等と一体化したときのディスクパック50のディスク52)が保護される。
【0036】
図2の本発明のさらに別の本例示的実施形態では、内面2、遠位面31、近位面32またはディスク52の熱により、タービン100を通る行程で燃焼流体をさらに燃焼させる。本発明の実施形態では、タービン100の部品の加熱面は、燃焼流体を連続燃焼させるのに十分に加熱されて、未使用の燃焼生成物のない排気70を生成する。
【0037】
本発明の別の実施形態では、燃焼チャンバ3のトロイダル形状により、チャンバが加熱されて燃料を燃焼させる臨界温度を超えると直ちにチャンバ内の燃料を燃焼させるのに十分な高い温度が得られる。内面2のほぼ丸いトロイダル形状は、チャンバ3の中心に光学焦点を有して、チャンバ面から放射される赤外線加熱を集中させて、燃料をさらに燃焼/反応させるのを助ける。本発明の他の実施形態によれば、燃焼チャンバ3のほぼ丸いトロイドにより、内部の燃焼流体が高温になって燃焼チャンバ3内にとどまり、このような高温にさらされる時間が長くなる。これらの本発明の実施形態によれば、燃焼チャンバ3の形状により、内部の燃焼流体がほぼ完全に燃焼する。
【0038】
図2に示す実施形態では、8個のディスク52が、タービンシャフトのタービン軸61に直交するように、軸方向に等間隔に互いに平行に配置される。図2の実施形態では8個のディスク52示されるが、本発明の開示された実施形態では、任意の複数のディスク52であればよい。ディスク52は複数のファスナにより互いに固定され、これらのファスナは、ディスク52の周囲に周方向に離間した協働する開口部を通って延び、スペーサのスポーク54とディスク52のそれぞれに配置される。離間して維持されたディスク52の周囲には、適切なスペーサワッシャが間に取り付けられて、各ファスナ位置でワッシャを通してファスナを受ける。ディスク52のディスク出口56のすべてが互いに整合して、排気ガスをディスク出口56に連通させる(図3参照)。前述した本発明の実施形態に関連して、ディスク52は、表面上の汚染物を分解して表面を清潔に保つような高温で動作する。さらに、本発明の他の実施形態に関して述べたように、ディスク52の高温により、CFノズル33からディスクパック50に入る燃焼流体がさらに燃焼する。
【0039】
図3を参照すると、最終状態の燃焼流体80が燃焼することにより、流体の乱流が生じる。図3の本発明の実施形態によれば、乱流の燃焼流体80は、ノズルリング30内の遠位開口40により受けられる。紙面外に流出させるノズルリング部(33A)に特に注目すると、CFノズル33Aを通る燃焼流体80の行程が燃焼流体の方向を変えて、ディスクパック50の隣接面上に接線方向に流れるようにする(燃焼チャンバ3内の流体流の方向と同様)。図3の実施形態によれば、燃焼流体は、CFノズル33Aの開口41から出ると、ディスク52面上を流れ、流れ55の中でディスク52内に受けられる。本実施形態によれば、流れ55は、タービン出口8を通る排気70の流出流により生じる真空効果によって、タービン100を出るときに限られた障害を受ける。タービン出口8を通る排気70の流れにより生じる真空効果により、ディスク出口56内にあるすべての排気70がほぼ除去され、次の排気流70がこれらの空間を占めることができる。本発明の実施形態によれば、排気70の真空効果により、タービン100がより効率的に動作できるようになる。
【0040】
一実施形態によれば、CFノズル33A、33Bはディスクパック50のある表面領域上の燃焼流体の接線方向流れを促進する。燃焼流体を上に受ける表面領域を広げることにより、本発明の実施形態はより高い電力出力を達成する。別の実施形態によれば、CFノズル33A、33Bは、ディスクパック50のある表面領域上の燃焼流体の接線方向流れを助ける近位開口41を有する。CFノズル33A、33Bから出る燃焼流体の流れを制御することにより、近位開口41はノズルリング30を通して流体を加速させて、ディスクパック50のディスク52上に燃焼流体をより強く導入し、より高い電力出力を得る。本発明のさらに別の実施形態では、CFノズル33A、33Bと遠位開口40および近位開口41とをそれぞれ組み合わせて使用することにより、タービン100のためのさらに大きな電力出力を達成する燃焼流体流が得られる(例えば、それぞれの形状を変化させて、燃焼流体をさらに加速し、接線方向流を大きくする等)。CFノズル33の向きによる接線方向のガス流は、ディスク52の間隔を通る膨張排気ガスの相互作用によりタービン100を回転駆動する働きをする。排気ガスはディスク52の中央開口56に向かって螺旋状に移動して、チャンバハウジング10のタービン出口8を通って排出される。
【0041】
図4を参照し、タービン100動作中の燃焼流体の連続燃焼に関連する本発明の実施形態をここに組み込む。本発明の例示的実施形態によれば、最終状態の燃焼流体80は遠位面31に渦流を有する。しかし、本実施形態では、触媒燃焼82が面31、32でノズルリング30に沿って、または遠位開口40および近位開口41により形成されたCFノズル33の面に沿って行われる。最終状態の燃焼流体80の触媒燃焼82は、燃焼流体の完全燃焼を助ける一方、燃焼流体にさらなる乱流を生じる。本発明の実施形態によれば、CFノズル33は、近位開口41から出る最終状態の燃焼流体80の接線方向流84を促進する。本発明の先の実施形態と同様に、(近位開口41から出る)燃焼流体84は、燃焼流体流55を通ってディスク52の表面領域86に接触する。前述した本発明の実施形態により、表面領域86への燃焼流体流55の接触により、さらに燃焼が行われる。本発明の例示的実施形態によれば、ディスク52の表面領域86が広がったことにより、流れ55とディスク52との相互作用により生じる境界層効果を介してより大きなトルクが生じる。別の例示的実施形態では、表面領域86が広がったことにより、流れ55を使用してディスクパック50内でのディスク52周りの完全燃焼を促進する。
【0042】
図示した本発明の別の実施形態によれば、図5A、5Bは、空気板20の外側空気受け面を示す。空気板20の外側空気受け面に、空気入口21がある。空気入口21は、空気チャネル5を通して空気をタービン100内で受けるどのような方法で配置されていてもよい。本発明の実施形態によれば、圧縮空気75が空気板20上の周方向パターンに設けられ、好ましくは空気入口21を同じ周に配置して、このような流入空気75が空気板20に当たるようにする。本発明の別の実施形態では、入力空気75が渦流を含み、空気入口21内の空気を受ける障害となる。本実施形態によれば、空気入口21を、空気板20の外面に、タービン100内の空気75を最適に受けるいかなる構成で配置してもよい。
【0043】
図6は、本発明の例示的実施形態による空気板20の側面図である。前述したように、タービン100の外側の、乱気流75が空気板20に当たる。空気板20は、1つまたは複数の空気入口21を介して流入空気75の流れを受ける。流入空気75からの流入空気流を示す矢印が、燃焼ハウジング10内の開口7を通って空気ノズル25を流れる。空気流は、燃焼ハウジング10内にありさえすれば、空気チャネル5を通って空気チャネル出口71を介して燃焼チャンバ3に流入する。前述したように、空気ノズル25および空気チャネル5は、空気板20および燃焼ハウジング10の両方を通って空気入口21からチャネル出口71へ空気が流れるようにする単一の導管である。本発明の実施形態によれば、空気ノズル25は流入空気流75の渦流を減少させるように形成されて、燃焼チャンバ3内の燃焼流に対してほぼ接線方向に空気ノズルから出る。本実施形態による空気ノズル25は、放物状チャネルまたは下降螺旋チャネルである。あるいは空気ノズル25、開口7、および空気チャネル5の相互作用により、流入空気流75の渦流を減少させるように作用する。このようにして、開口7から周方向の流れ方向に出る空気流の勢いが、その周方向で空気板20を通って空気チャネル5内で維持されて、結果として生じる出口71から燃焼チャンバ3に入る燃焼空気の周方向流れを増加させる。
【0044】
一実施形態では、空気入口21が空気板20に半球形の溝を有し、この溝は、溝に流入して空気ノズル25内へゆっくりと下降する空気75を受ける。空気ノズル25、開口7および空気チャネル5を組み合わせた導管は、緩やかに屈曲して流入空気流の不規則な渦流を減少させる一方、燃焼チャンバ3内の燃料および前の燃焼流体の流れにしたがった、意図した空気渦流を与える。本実施形態では、空気流方向の大きな変化により生じる流動損失の発生を回避する。本発明の別の実施形態では、空気入口21は空気板20に半球形の溝を有し、この溝の最低面が空気板20内へ放射状に下降して、空気ノズル25と合わさる。本実施形態では、流入空気75の方向が急に変わることがないため、燃焼ハウジング10内への流動損失および燃焼ハウジング10を通る流動損失が回避される。当業者は、空気ノズル25内への流動損失および空気ノズル25を通る流動損失を減少させる他の多くの空気入口形状を認めることができるだろう。あるいは、当業者は燃焼ハウジング10内への流動損失および燃焼ハウジング10を通る流動損失を減少させる他の多くの空気入口形状を認めることができるだろう。
【0045】
別の実施形態では、開口7が、燃焼チャンバ3内に流出する空気流の乱流を減少させるように形成される。当業者は、開口7が、燃焼チャンバ3内への衝撃空気流を減少させる形状を有することを理解するだろう。一例示的実施形態では、開口7が、空気ノズル25を通って燃焼チャンバ3内へ流れる空気を徐々に導入する螺旋状斜面である。
【0046】
図7Aに示す本発明の実施形態によれば、タービン軸61を同心中心とする互いに同心の空気板20および燃焼ハウジング10の分解図が示される。図7Aの例示的実施形態は、空気板20および燃焼ハウジング10を、空気入口21A〜D、溝97A〜D、空気ノズル25A〜D、空気チャネル出口7IA〜Dとともに示す。ただし、本発明の他の実施形態において、前記入口、溝、ノズル、出口は任意の数とすることができる。図7Aによれば、間隔95が、空気板20の外側と燃焼ハウジング10の内面2とにより作られた細長の壁を示す。当業者は、間隔95が図7Aの分解図の図示を助けるためのものにすぎず、空気板20と燃焼ハウジング10との間の限定された間隔を提示するものではないことを認めるだろう。当業者は、開示された空気ノズル25A〜Dの機能を可能にする、空気板20と燃焼ハウジング10との間隔95が、本発明のこれらの実施形態によって適切になることを理解するだろう。したがって、壁間隔95にわたる破線の経路25A〜Dは、空気板20と燃焼ハウジング10の壁との中の空気流通路を示す。
【0047】
本発明の一実施形態では、各溝97A〜Dが空気板20の凹みを示し、この凹みは、入力空気75が各空気入口21A〜Dに近づくときにさらに燃焼ハウジング10側に下降する。一実施形態によれば、溝97A〜Dの直径は空気入口2IA〜Dの直径に等しい。あるいは、溝97A〜Dの直径は、流入空気75を受ける形状を可能にするものであればよい。別の実施形態では、溝97A〜Dが、流入空気75に部分的にさらされ、空気板20の外側空気受け面下に部分的に浸漬される。実施形態によれば、空気入口21A〜Dが、空気板20の外側空気受け面下に浸漬されてもよい。本発明の種々の実施形態によれば、任意の数の溝97および空気入口21を使用して、不規則な流入空気75を空気ノズル25内へ効率的かつ流動的に移す。
【0048】
本発明の一実施形態では、空気ノズル25A〜Dがタービン軸61を中心に回転して、空気ノズルの出口が別の空気ノズルの入口の下にほぼ配置されるようになっている。図7Aの本発明の一実施形態によれば、空気ノズル25Aにより、空気入口21Aからの流入空気75が、空気入口21Bとほぼ同じ半径方向位置にある71Aで出ることができる。本発明の本例示的実施形態では、螺旋状に下降する空気ノズル25Aにより、乱気流75の傾向が大幅に弱まって、開口71Aで燃焼チャンバ3内に出る。さらに、螺旋状に下降する空気ノズル25Aは、内部を流れる空気に、燃焼チャンバ3内で与えられたものにほぼ似せたフローパターンを与える。前述した空気チャネルの実施形態によれば、開口71Aが、乱気流75が燃焼チャンバ3内へ出ることにより乱気流75の傾向をさらに弱めるように形成される。これらの実施形態を参照すると、開口71Aが、開口71Aと燃焼チャンバ3との接合部にある衝撃空気流を最小にするよう形成される。これらの実施形態では、開口71Aが、燃焼チャンバ3内へ延びる緩やかな螺旋状斜面である。あるいは、開口71Aは、燃焼チャンバ3内へ延びる放物状斜面である。当業者は、開口71Aが燃焼チャンバ3内への衝撃空気流を最小にするように形成されることを認めるだろう。当業者はさらに、開口71Aが燃焼チャンバ3内への流入空気75の乱流を減少させるように形成されることを認めるだろう。本実施形態によれば、空気ノズル25Aの螺旋状に下降する導管は、同時に流入空気流の乱流を減少させ、燃焼チャンバ3(図6も参照)内の燃焼流に対してほぼ接線方向の渦流を空気流に与える。本発明の本例示的実施形態によれば、螺旋状に下降する空気ノズル25Aは、それぞれ空気板20の外面と燃焼チャンバ10の内面2との間に形成された壁全体に並立するように構成される。本発明の別の実施形態では、空気ノズル25A〜Dがほぼ湾曲した、ほぼ螺旋状でない導管を形成し、この導管により、前の空気ノズル25の流路を妨げることなく、装置内に導管をさらに加えることができるようになる。本発明による別の実施形態では、空気ノズル25A〜Dが互いにほぼ近接するように設計されて、前述した所望の空気流を達成するとともに導管の干渉を避ける。
【0049】
図7Bは、本発明の例示的実施形態をさらに示す。図7Aに示すように、入力空気75は溝97A上で空気入口21Aに入る。一実施形態では、溝97Aにより流入空気75の乱流が減少する。別の実施形態では、溝97Aが、空気板20上の不規則な空気流を捉えるのを助ける。図7Bの実施形態に示すように、空気入口21Aに入る空気流75が空気板20の壁を通って燃焼ハウジング10に流入する。空気ノズル25Aは、燃焼ハウジング10内にありさえすれば、空気を空気チャネル5Aに通して開口7IAで燃焼チャンバ3(図示せず)内に出るようにする。本発明の実施形態によれば、開口71Aが空気入口25Bおよび溝97Bのそれぞれとほぼ同じ位置に配置される。本実施形態によれば、空気ノズル25Aを、燃焼チャンバ3内の燃焼流体流路に対してほぼ接線方向に入力空気を出すことのできる、いかなるタイプの回転導管として形成してもよい。その後、燃焼空気および燃料が周方向の燃焼流方向に流れるときに、燃焼空気および燃料がタービンアセンブリの全周において燃焼チャンバ内で直接混合される。
【0050】
本発明の実施形態により構成された空気板20は、当業者に公知の多くの機械加工プロセス、例えばCNC加工により製造することができる。空気板20は、高温空気を受けることのできる温度許容度を持つ当業者に公知の材料、例えば炭素繊維またはステンレス鋼から形成することができる。
【0051】
本発明の実施形態によれば、タービン100を構成する部品をタービン100の要件に応じて交換することができる。タービン100の部品の交換は、モジュール性により可能になる。一実施形態によれば、部品が接合部(例えば空気板20と燃焼ハウジング10との接合部、ディスクパック50と燃焼ハウジング10との接合部等)で分離され、タービン100の要件に応じて部品の交換および/またはさらなる部品との接続を行う(例えば、燃焼ハウジング10およびディスクパック50を第1空気板20とともに使用して、50ワットを発生し、別の部品用に空気板20を取り外し、燃焼ハウジング10およびディスクパック50を使用して500ワットを発生する)。当業者は、本明細書で列挙したタービン100の部品の種々の実施形態をつないで開示された機能および動作を維持する多くの方法を認めるだろう。
【0052】
前述の開示および図示した実施形態を参照することでさらに多くの変更および修正が当業者に提示されるが、これらの実施形態は例としてのみ挙げたものであり、本明細書に記載された発明の範囲および精神を限定するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼により生じる遠心力を内部で受けて、内部に配置された流体を連続して燃焼させる、燃焼トロイドと、
前記燃焼トロイドからの排気用の出口とを備えた装置。
【請求項2】
前記排気がほぼ燃焼した流体である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
中心を通るシャフトに半径方向に接続された、複数の離間したディスクをさらに備え、前記複数の離間したディスクが前記シャフトに半径方向に接続され、前記燃焼トロイドと前記排気用の出口との間に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記燃焼トロイドと前記複数の離間したディスクとが同心である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記燃焼トロイドが燃焼トーラスである、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記燃焼流体が前記複数の離間したディスクの間隔を通って流れ、前記シャフトの回転により発電する、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記燃焼トロイドが燃焼トーラスである、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
燃焼流体に加わる力が前記複数の離間したディスクの回転により生じる、請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記遠心力が前記複数の離間したディスクの回転により生じる、請求項3に記載の装置。
【請求項10】
第1の量の流体が、前記燃焼トロイドの周りの第2の量の流体に隣接して燃焼される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
厚さ方向に少なくとも1つのチャネルを有する中間トロイドをさらに備え、前記少なくとも1つのチャネルが、前記燃焼トロイドから前記複数の離間したディスクへ燃焼流体を向ける、請求項3に記載の装置。
【請求項12】
前記燃焼チャンバが炭化ケイ素から作られる、請求項1に記載の燃焼トロイド。
【請求項13】
シャフトと、
中心を通る前記シャフトに半径方向に接続された、複数の離間したディスクと、
前記複数のディスクに不完全に外接する少なくとも1つの壁を有する、燃焼流体を受ける燃焼チャンバとを備え、
前記燃焼流体が前記ディスクを通して前記燃焼チャンバから流れ、前記燃焼流体が前記複数のディスクを回転させ、前記複数のディスクの回転により、前記燃焼チャンバ内の燃焼流体の垂下を増加させる装置。
【請求項14】
前記燃焼チャンバがトロイドである、請求項13に記載の燃焼チャンバ。
【請求項15】
前記燃焼チャンバがトーラスである、請求項13に記載の燃焼チャンバ。
【請求項16】
厚さ方向に少なくとも1つのチャネルを有するトロイドをさらに備え、前記少なくとも1つのチャネルが、前記燃焼チャンバにより外接され、かつ前記複数のディスクを外接する、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記燃焼トロイド内の燃焼により、前記燃焼トロイド内の燃焼流体の燃焼を増加させる、請求項14に記載の燃焼チャンバ。
【請求項18】
前記燃焼トーラス内の燃焼により、前記燃焼トーラス内の燃焼流体の垂下を増加させる、請求項15に記載の燃焼チャンバ。
【請求項19】
前記装置の外側から前記燃焼チャンバ内に、乱気流をチャンバ燃焼流方向に導入するための容器をさらに備える、請求項13に記載の装置。
【請求項20】
前記装置の外側から前記装置の前記燃焼チャンバ内に、乱気流を螺旋状に導入するための容器をさらに備える、請求項13に記載の装置。
【請求項21】
中心を通るシャフトに半径方向に接続された複数の離間したディスクに断続的に外接する少なくとも1つの壁を有するチャンバ内に、第1の量の燃焼流体を生成するステップと、
前記チャンバ内の前記第1の量の燃焼流体の燃焼により回転する前記複数のディスクの回転により、前記チャンバ内の前記第1の量の燃焼流体の燃焼時間を長くするステップとを含み、前記シャフトが前記複数のディスクの回転により回転する方法。
【請求項22】
前記第1の量の燃焼流体の一部を前記チャンバから前記複数のディスク内に移動させて、前記複数のディスクを回転させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
第2の量の燃焼流体が前記第1の量の燃焼流体と相互作用するときに、前記チャンバ内の第2の量の燃焼流体の燃焼時間を長くするステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記複数のディスクを前記第1の量の燃焼流体により回転させて、前記第2の量の燃焼流体の燃焼時間を長くするステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記複数のディスク内で前記第1の量の燃焼流体を燃焼させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記複数のディスク内で前記第1の量の燃焼流体を燃焼させるステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記複数のディスク内で前記第2の量の燃焼流体を燃焼させるステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
トロイダル燃焼チャンバを備え、前記トロイダル燃焼チャンバの、回転軸に対して最も半径方向に近接した面が、中心を通るシャフトに半径方向に接続された複数の離間したディスクに外接する少なくとも1つの開口を有し、前記複数のディスクの前記中心と前記シャフトとが前記回転軸上に位置し、前記複数のディスクの回転により、前記装置に入る流体の燃焼時間を長くする装置。
【請求項29】
前記トロイダル燃焼チャンバがトーラスである、請求項28に記載のトロイダル燃焼チャンバ。
【請求項30】
厚さ方向に少なくとも1つのチャネルを有するトロイドをさらに備え、前記少なくとも1つのチャネルが、前記トロイダル燃焼チャンバにより外接され、かつ前記複数の離間したディスクを外接する、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記トロイダル燃焼チャンバが、内部で燃焼するすべての流体をほぼ燃焼させる、請求項28に記載のトロイダル燃焼チャンバ。
【請求項32】
可燃材料のほぼ含まれない流体を排出する排気出口をさらに備える、請求項28に記載の装置。
【請求項33】
前記トーラス燃焼チャンバが、内部で燃焼するすべての流体をほぼ燃焼させる、請求項29に記載のトロイダル燃焼チャンバ。
【請求項34】
流入空気に近接した少なくとも1つの第1開口部を有する第1面と、燃料導管に近接する少なくとも1つの第2開口部を有する第2面と、
前記第1面と前記第2面とを接続する壁と、
前記少なくとも1つの第1開口部と前記少なくとも1つの第2開口部との数に対応した数のルーメンとを備え、前記の数のルーメンがそれぞれ、前記少なくとも1つの第1開口部の1つを前記壁の少なくとも1つの第2開口部の1つに接続し、前記の数のルーメンがそれぞれ、前記壁の周囲に合わせて作られて、前記燃料導管に対してほぼ接線方向に空気を排出する装置。
【請求項35】
少なくとも1つのルーメンが、少なくとも1つの第1開口部の1つを少なくとも1つの第2開口部の1つに螺旋状に接続する、請求項34に記載のルーメン。
【請求項36】
少なくとも1つの螺旋状に接続するルーメンが、少なくとも1つの第1開口部の対応する1つと少なくとも1つの第2開口部の対応する1つとからの螺旋状チャネルである、請求項35に記載のルーメン。
【請求項37】
前記の数のルーメンのそれぞれが、少なくとも1つの第1開口部の1つを少なくとも1つの第2開口部の1つに螺旋状に接続する、請求項34に記載のルーメン。
【請求項38】
前記の数のルーメンのそれぞれが、少なくとも1つの第1開口部の対応する1つと少なくとも1つの第2開口部の対応する1つとからの螺旋状チャネルである、請求項37に記載のルーメン。
【請求項39】
前記の数のルーメンの1つにより接続された前記少なくとも1つの第1開口部の1つを、前記の数のルーメンの別の1つにより接続された前記少なくとも1つの第2開口部の1つの半径方向位置に近接した半径方向位置にさらに備える、請求項34に記載のルーメン。
【請求項40】
前記第2面の上方かつ前記第1面の下方にある面をさらに備え、前記面は、前記の数のルーメンによって遮られることのない前記少なくとも1つの第1開口部の1つと一体である、請求項34に記載の第1面。
【請求項41】
前記第2開口部が、前記流入空気のほぼ接線方向の流れを排出するように形成される、請求項34に記載の第1面。
【請求項42】
流入空気に近接した少なくとも1つの第1開口部を有する第1面と、燃料導管に近接する少なくとも1つの第2開口部を有する第2面と、
前記第1面と前記第2面とを接続する壁と、
前記少なくとも1つの第1開口部と前記少なくとも1つの第2開口部との数に対応した数のルーメンとを備え、前記の数のルーメンがそれぞれ、前記少なくとも1つの第1開口部の1つを前記壁の少なくとも1つの第2開口部の1つに接続し、前記の数のルーメンがそれぞれ、前記少なくとも1つの第2開口部の対応する1つの流れに似せた流路内で空気を運ぶ装置。
【請求項43】
前記数のルーメンの少なくとも1つが、前記対応する少なくとも1つの第2開口部へ螺旋状に空気を運ぶ、請求項42に記載のルーメン。
【請求項44】
前記数のルーメンのそれぞれが、前記対応する少なくとも1つの第2開口部へ螺旋状に空気を運ぶ、請求項42に記載のルーメン。
【請求項45】
前記数のルーメンの少なくとも1つが、前記対応する少なくとも1つの第2開口部へ向かう螺旋状である、請求項43に記載のルーメン。
【請求項46】
前記数のルーメンのそれぞれが、前記対応する少なくとも1つの第2開口部へ向かう螺旋状である、請求項44に記載のルーメン。
【請求項47】
前記第2開口部が、前記燃料導管内の流れに対応する流れに似せて形成される、請求項44に記載のルーメン。
【請求項48】
乱気流を受けるステップと、
前記乱気流から流れを分離するステップと、
各分離された流れを螺旋状の流れに成形するステップと、
各分離された流れにほぼ垂直な各螺旋流を放出するステップとを含む方法。
【請求項49】
少なくとも1つのオリフィスが、前記流れを前記乱気流から分離する、請求項48に記載の分離ステップ。
【請求項50】
少なくとも1つのルーメンが、各分離された流れを螺旋状の流れに成形する、請求項48に記載の成形ステップ。
【請求項51】
各螺旋状の流れが燃焼チャンバに入る、請求項48に記載の分離ステップ。
【請求項52】
前記受けた乱気流からのほぼすべての乱流を除去するステップをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
前記受けた乱気流からのほぼ一方向の流れを生成するステップをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項54】
各分離された流れを対応する螺旋状キャビティに流すステップをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項55】
各対応する螺旋状キャビティが、各分離された流れを螺旋状の流れに成形する、請求項54に記載の成形。
【請求項56】
中心を通るシャフトに半径方向に接続された複数の離間したディスクに断続的に外接する燃焼チャンバ内に、燃焼流体を導入するステップであって、前記燃焼チャンバが前記複数の離間したディスクに同心であるステップと、
前記燃焼チャンバ内の前記可燃流体を燃焼させて燃焼流体にするステップと、
前記燃焼チャンバからの前記燃焼流体を、前記複数の離間したディスクを通して流すステップと、
前記燃焼流体を使用して、前記複数の離間したディスクの間隔を通して前記複数の離間したディスクを回転させるステップと、
さらなる可燃流体と前記燃焼流体との燃焼を触媒させるステップとを含む方法。
【請求項57】
厚さ方向に少なくとも1つのチャネルを有するトロイドの少なくとも1つのチャネルを通して、前記燃焼チャンバから前記燃焼流体を通すステップをさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記燃焼チャンバが前記燃焼流体を触媒する、請求項56に記載の触媒作用。
【請求項59】
前記トロイドが前記燃焼流体を触媒する、請求項57に記載の触媒作用。
【請求項60】
前記複数の離間したディスクが前記燃焼流体を触媒する、請求項56に記載の触媒作用。
【請求項61】
前記複数の離間したディスクが前記燃焼流体を触媒する、請求項57に記載の方法。
【請求項62】
前記複数の離間したディスクが前記燃焼流体を触媒する、請求項59に記載の触媒作用。
【請求項63】
前記燃焼チャンバが前記燃焼流体を触媒する、請求項62に記載の触媒作用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公表番号】特表2012−507687(P2012−507687A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534736(P2011−534736)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/062479
【国際公開番号】WO2010/051338
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(511102206)パワー ジェネレーション テクノロジーズ ディベロップメント ファンド エルピー (1)