説明

トンネラデバイスおよび使用方法

【課題】トンネラデバイスを提供すること。
【解決手段】上記トンネラデバイスは、トンネラデバイスの近位端上に形成され、ユーザーによる動作可能な係合のために構成されるハンドルと、ハンドルから遠位に延在するシャフトと、シャフトの遠位端上に支持されるコレットと、コレットとの動作可能な係合のために構成されるコネクタとを含み、コレットは、長手方向の開口部を規定する複数の遠位に延在するフィンガを含み、開口部は、カテーテルチューブの端部を受け取るように構成され、コネクタは、コレットとのコネクタの係合の際に、コレットのフィンガを半径方向に内側へ付勢するように構成される。一実施形態において、コレットは、4つの(4)フィンガを含む。一実施形態において、複数のフィンガの各々は、少なくとも1つの半径方向に内側へ延在するプロングを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
(技術分野)
本開示は、留置カテーテルに関する。より具体的には、本開示は、患者の皮膚の下にカテーテルを皮下的に貫通するためのトンネラデバイス(tunneler device)に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の背景)
カテーテルは、体腔、管路、および脈管に対して流体の引き抜きおよび導入のために意図される柔軟性のある器具である。典型的には、カテーテルの遠位端は、血液を引き抜き、または薬剤を導入するために、例えば、患者の脈管構造内に埋め込まれている。カテーテルアセンブリが、患者の脈管構造内に埋め込まれる場合に、カテーテルの遠位部分は、患者の皮膚の切開を通って挿入され、そして遠位先端部が所望の部位に正確に位置決めされるまで脈管構造(静脈切開部位)内に挿入され、その一方で、近位部分は、流体の注入および/または引き抜き(例えば、血液透析)のためのカテーテルへのアクセスのために、患者の外部に残る。近位部分は、静脈切開部位から単に延在し得、そして患者に固定され得る。代替的には、近位部分は、既知の手順を用いて、患者の皮膚の下に、静脈切開部位から離れた部位まで貫通され得る。患者の皮膚の下にカテーテルの近位部分を貫通するために、トンネラデバイスは、典型的に、静脈切開部位から離れた部位まで患者の皮膚の下のカテーテルを引っ張るように、カテーテルの近位部分に固定される。
【0003】
トンネラデバイスは、カテーテルの近位端を確実に係合するように構成される1つの端部を有する。典型的には、トンネラデバイスの係合端は、カテーテルの1つの管腔または複数の管腔内に受け取られるような寸法にされる少なくとも1つのプロングを含む。このことは、カテーテルへのトンネラデバイスのいくぶん効果的な接続を提供するが、解離がその後の貫通する手順の間に生じることは知られている。このような解離は、手順を長くし得、第2のトンネラの使用を要求し得、それによって、手順のコストを増やす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それゆえに、貫通する手順の間に解離を防止するために、カテーテルへのトンネラデバイスの向上された固定を可能にするカテーテル固定デバイスを含む貫通デバイスを有することは有益である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、トンネラデバイスが提供される。概して、本開示の1つの局面において、トンネラデバイスは、トンネラデバイスの近位端上に形成され、ユーザーによる動作可能な係合のために構成されるハンドルと、ハンドルから遠位に延在するシャフトと、シャフトの遠位端上に支持されるコレットと、コレットとの動作可能な係合のために構成されるコネクタとを含み、コレットは、長手方向の開口部を規定する複数の遠位に延在するフィンガを含み、開口部は、カテーテルチューブの端部を受け取るように構成され、コネクタは、コレットとのコネクタの係合の際に、コレットのフィンガを半径方向に内側へ付勢するように構成される。
【0006】
一実施形態において、コレットは、4つの(4)フィンガを含む。複数のフィンガの各々は、少なくとも1つの半径方向に内側へ延在するプロングを含み得る。少なくとも1つの半径方向に内側へ延在するプロングは、長手方向のスロット内に受け取られたカテーテルチューブの外側表面を摩擦的に係合するように構成され得る。コネクタは、コレットとのねじ係合のために構成され得る。トンネラデバイスは、コレットとの選択的な係合のために構成されるキャップをさらに含み得る。キャップは、コレットとのねじ係合のために構成され得る。キャップは、組織のブラントジセクションのためにさらに構成され得る。一実施形態において、キャップは、長手方向に延在するリブを含み得る。シャフトは、第1のシャフト部分と第2のシャフト部分とを含み得、第1のシャフト部分は、第2のシャフト部分に対して一定の角度をなしており、第1のシャフト部分と第2のシャフト部分との間の角度は、30度(30°)であり得る。
【0007】
概して、本開示のもう1つの局面において、トンネラデバイスは、トンネラデバイスの近位端上に形成され、ユーザーによる動作可能な係合のために構成されるハンドルと、ハンドルから遠位に延在するシャフトと、シャフトの遠位端上に支持されるコレットと、コレットとの動作可能な係合のために構成されるコネクタとを含み、コレットは、複数の遠位に延在するフィンガと、フィンガから半径方向に間隔を空けられた長手方向の突出部とを含み、突出部は、カテーテルチューブの管腔内に受け取られるように構成され、コネクタは、コレットとのコネクタの係合の際に、コレットのフィンガを半径方向に内側へ、長手方向の突出部に向かって付勢するように構成される。トンネラデバイスは、コレットとの選択的な係合のために構成されるキャップをさらに含み得る。キャップは、組織のブラントジセクションのために構成され得る。
【0008】
概して、なお本開示のもう1つの局面において、トンネラデバイスは、トンネラデバイスの近位端上に形成され、ユーザーによる動作可能な係合のために構成されるハンドルと、ハンドルから遠位に延在するシャフトと、シャフトの遠位端上に支持されるコレットと、コレットとの動作可能な係合のために構成されるコネクタと、コレットとの選択的な係合のために構成されるキャップとを含み、コレットは、複数の遠位に延在するフィンガと、フィンガから半径方向に間隔を空けられた長手方向の突出部とを含み、突出部は、カテーテルチューブの管腔内に受け取られるように構成され、複数のフィンガの各々は、少なくとも1つの半径方向に内側へ延在するプロングを含み、コネクタは、フィンガと突出部との間にカテーテルチューブを摩擦的に係合するために、コレットとのコネクタの係合の際に、コレットのフィンガを半径方向に内側へ、長手方向の突出部に向かって付勢するように構成され、キャップは、組織のブラントジセクションのために構成される。
【0009】
それゆえに、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1) トンネラデバイスであって、該トンネラデバイスは、
該トンネラデバイスの近位端上に形成され、ユーザーによる動作可能な係合のために構成されるハンドルと、
該ハンドルから遠位に延在するシャフトと、
該シャフトの遠位端上に支持されるコレットであって、該コレットは、長手方向の開口部を規定する複数の遠位に延在するフィンガを含み、該開口部は、カテーテルチューブの端部を受け取るように構成される、コレットと、
該コレットとの動作可能な係合のために構成されるコネクタであって、該コネクタは、該コレットとの該コネクタの係合の際に、該コレットの該フィンガを半径方向に内側へ付勢するように構成される、コネクタと
を含む、トンネラデバイス。
(項目2) 上記コレットは、4つの(4)フィンガを含む、上記項目のいずれかに記載のトンネラデバイス。
(項目3) 上記複数のフィンガの各々は、少なくとも1つの半径方向に内側へ延在するプロングを含む、上記項目のいずれかに記載のトンネラデバイス。
(項目4) 上記少なくとも1つの半径方向に内側へ延在するプロングは、長手方向のスロット内に受け取られた上記カテーテルチューブの外側表面を摩擦的に係合するように構成される、上記項目のいずれかに記載のトンネラデバイス。
(項目5) 上記コネクタは、上記コレットとのねじ係合のために構成される、上記項目のいずれかに記載のトンネラデバイス。
(項目6) 上記トンネラデバイスは、上記コレットとの選択的な係合のために構成されるキャップをさらに含む、上記項目のいずれかに記載のトンネラデバイス。
(項目7) 上記キャップは、上記コレットとのねじ係合のために構成される、上記項目のいずれかに記載のトンネラデバイス。
(項目8) 上記キャップは、組織のブラントジセクションのために構成される、上記項目のいずれかに記載のトンネラデバイス。
(項目9) 上記キャップは、長手方向に延在するリブを含む、上記項目のいずれかに記載のトンネラデバイス。
(項目10) 上記シャフトは、第1のシャフト部分と第2のシャフト部分とを含み、該第1のシャフト部分は、該第2のシャフト部分に対して一定の角度をなしている、上記項目のいずれかに記載のトンネラデバイス。
(項目11) 上記第1のシャフト部分と上記第2のシャフト部分との間の上記角度は、30度(30°)である、上記項目のいずれかに記載のトンネラデバイス。
(項目12) 上記コレットは、上記フィンガから半径方向に間隔を空けられた長手方向の突出部を含み、該突出部は、上記カテーテルチューブの管腔内に受け取られるように構成される、上記項目のいずれか一項に記載のトンネラデバイス。
(項目13) 上記フィンガおよび長手方向の突出部は、該フィンガと該長手方向の突出部との間に上記カテーテルチューブを摩擦的に係合するように動作する、上記項目のいずれかに記載のトンネラデバイス。
(項目14) トンネラデバイスであって、該トンネラデバイスは、
該トンネラデバイスの近位端上に形成され、ユーザーによる動作可能な係合のために構成されるハンドルと、
該ハンドルから遠位に延在するシャフトと、
該シャフトの遠位端上に支持されるコレットであって、該コレットは、複数の遠位に延在するフィンガと、該フィンガから半径方向に間隔を空けられた長手方向の突出部とを含み、該突出部は、カテーテルチューブの管腔内に受け取られるように構成され、該複数の遠位に延在するフィンガの各々は、少なくとも1つの半径方向に内側へ延在するプロングを含む、コレットと、
該コレットとの動作可能な係合のために構成されるコネクタであって、該コネクタは、該フィンガと該突出部との間に該カテーテルチューブを摩擦的に係合するために、コレットとの該コネクタの係合の際に、該コレットの該フィンガを半径方向に内側へ、該長手方向の突出部に向かって付勢するように構成される、コネクタと、
該コレットとの選択的な係合のために構成されるキャップであって、該キャップは、組織のブラントジセクションのために構成される、キャップと
を含む、トンネラデバイス。
(項目12a)
トンネラデバイスであって、該トンネラデバイスは、
該トンネラデバイスの近位端上に形成され、ユーザーによる動作可能な係合のために構成されるハンドルと、
該ハンドルから遠位に延在するシャフトと、
該シャフトの遠位端上に支持されるコレットであって、該コレットは、複数の遠位に延在するフィンガと、該フィンガから半径方向に間隔を空けられた長手方向の突出部とを含み、該突出部は、カテーテルチューブの管腔内に受け取られるように構成される、コレットと、
該コレットとの動作可能な係合のために構成されるコネクタであって、該コネクタは、該コレットとの該コネクタの係合の際に、該コレットの該フィンガを半径方向に内側へ、該長手方向の突出部に向かって付勢するように構成される、コネクタと
を含む、トンネラデバイス。
(項目13a) 上記フィンガおよび上記長手方向の突出部は、該フィンガと該長手方向の突出部との間に上記カテーテルチューブを摩擦的に係合するように動作する、上記項目のいずれか一項に記載のトンネラデバイス。
(項目14a) 上記コレットは、4つの(4)フィンガを含む、上記項目のいずれか一項に記載のトンネラデバイス。
(項目15a) 上記複数のフィンガの各々は、少なくとも1つの半径方向に内側へ延在するプロングを含む、上記項目のいずれか一項に記載のトンネラデバイス。
(項目16a) 上記少なくとも1つの半径方向に内側へ延在するプロングは、長手方向のスロット内に受け取られた上記カテーテルチューブの外側表面を摩擦的に係合するように構成される、上記項目のいずれか一項に記載のトンネラデバイス。
(項目17a) 上記コネクタは、上記コレットとのねじ係合のために構成される、上記項目のいずれか一項に記載のトンネラデバイス。
(項目18a) 上記トンネラデバイスは、上記コレットとの選択的な係合のために構成されるキャップをさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載のトンネラデバイス。
(項目19a) 上記キャップは、組織のブラントジセクションのために構成される、上記項目のいずれか一項に記載のトンネラデバイス。
【0010】
本明細書に組み込まれ、かつ本明細書の一部分を構成する添付の図面は、前文に述べられた本開示の一般的な説明と共に、本開示の実施形態を例示し、以下に述べられる実施形態の詳細な説明は、本開示の原理を解釈するように役に立つ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、トンネラデバイスの遠位端に固定されたキャップを有し、本開示に従うトンネラデバイスの実施形態の側面図である。
【図2】図2は、図1のトンネラデバイスの側面図であり、ここでは、キャップは、トンネラデバイスの遠位端から取り外されている。
【図3】図3は、図2に示されるトンネラデバイスの遠位端の拡大透視図である。
【図4】図4は、図1のトンネラデバイスの遠位端の拡大透視図である。
【図5】図5は、図4のトンネラの遠位端の係合の断面の側面図である。
【図6】図6は、切開を通って図1のトンネラデバイスを挿入する前の、患者の上部胴体の略図である。
【図7】図7は、切開を通って図1のトンネラデバイスを挿入した後の、図6の上部胴体の略図である。
【図8】図8は、図1のトンネラデバイスの遠位端においてカテーテルチューブを受け取る前の、図1のトンネラデバイスの側面図である。
【図9A】図9Aは、トンネラデバイスの遠位端においてコレット内に受け取られたカテーテルチューブを有する図8のトンネラデバイスの側面図である。
【図9B】図9Bは、図9Aに示されるコレット内に受け取られるカテーテルチューブの透視図である。
【図10A】図10Aは、カテーテルチューブと確実に係合している、図8および図9のトンネラデバイスの側面図である。
【図10B】図10Bは、図10Aに示されるトンネラデバイスとのカテーテルチューブの確実な係合の透視図である。
【図11】図11は、本開示に従ってトンネラデバイスの代替的な実施形態の遠位端の透視図である。
【図12】図12は、図11のトンネラデバイスの遠位端の係合の断面の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(詳細な説明)
本開示の実施形態は、細長い貫通部材およびカテーテルを相互接続するために適合されるコネクタを組み込む貫通システムを対象とする。本開示の貫通システムは、さまざまな医療的応用を有し得る。血液透析カテーテルの埋め込み手順の間に、貫通システムは、被験体内に皮下のトンネルを生成し、または拡大し、目標部位においてカテーテルを位置決めする。しかしながら、ここで開示された貫通システムは、任意の他の適切な手順において使用され得ることが考えられる。例えば、本開示の貫通システムは、被験体の体内に、ステント、脈管グラフト等のような脈管デバイスを皮下的に埋め込むために利用され得る。
【0013】
続く議論において、用語「臨床家」は、医師、看護師、または任意の他の医療提供者を指し、支援者を含み得る。用語「近位」は、臨床家に最も近い構造の一部分を指し、その一方で、用語「遠位」は、臨床家から離れた部分を指す。
【0014】
図1および図2を参照すると、本開示に従うトンネラデバイスは、トンネラデバイス100として一般的に示される。トンネラデバイス100は、透析カテーテルの配置に用いられるために説明されるが、トンネラデバイス100がさまざまな医療的手段の配置のために使用され得ることが考えられる。トンネラデバイス100は、ハンドル110と、ハンドル110から延在するシャフト120と、シャフト120の遠位端120b上に取り付けられたコレット130と、コレット130と選択的に係合可能なキャップ140とを含む。トンネラデバイス100の部品のうちの任意または全部は、滅菌可能であり得、従って、再利用可能であり得る。代替的には、トンネラデバイス100は、使い捨て可能であり得る。
【0015】
なお、図1および図2を参照すると、ハンドル110は、トンネラデバイス100の近位端120a上に形成され、ユーザーによる動作可能な係合のために構成される。ハンドル110は、プラスチック、ポリマーまたは他の適切な材料から形成され得、リッジ、バンプまたはローレットでコートされ得、またはそれらを含み得、またはトンネラデバイス100を操作するためのユーザーによる係合を容易にするように他の方法で構成され得る。ハンドル110はまた、ロボットアーム(示されていない)または他の操作デバイスとの動作可能な係合のために構成され得る。
【0016】
トンネラデバイス100のシャフト120は、ハンドル110から遠位に延在し、シャフト120の近位部分120aに沿って延在する長手方向軸「X」を規定する。図2で理解されるように、ハンドル110は、長手方向軸「X」から横に間隔を空けられるグリッピング軸「X」を規定し得る。ハンドル110と、シャフト120の近位部分120aとの間の横方向への分離は、カテーテルの埋め込み手順の間にトンネラデバイス100のより大きな操作を可能にし得る。
【0017】
なお、図1および図2を参照すると、シャフト120の遠位部分120bは、長手方向軸「X」に対して角度「α」で延在し得る。角度「α」は、0度と60度との間(0−60°)であり得る。角のある部分の角度は、形成されるべきトンネルの所望の位置に依存して変動し得る。さらに、シャフト120は、臨床家が特定の手順に必要とされるときに、シャフトを曲げることを可能にするために、展性であり得る。例えば、臨床家は、トンネラデバイス100が湾曲したまたは弓形のトンネルを生成することを可能にするために、シャフト120を湾曲した形状に曲げ得る。シャフト120の遠位部分120bは、図3に示されるように、キャップ140およびコネクタ150との選択的な係合のために構成されるコレット130を含む。コレット130は、シャフト120と一体に構成され得、または代替的に、例えば、オーバーモールディングによってシャフト120に固定され得る。
【0018】
ここで、特に図3を参照すると、コレット130は、ベース132と、外側にねじ切りされた部分134と、柔軟性のあり、かつ弾性のある1つのセットの長手方向に延在するフィンガ136とを含む。4つの(4)フィンガ136を含むように示されるが、トンネラデバイス100のコレット130が、4つの(4)フィンガ136より多いフィンガを有し得、または少ないフィンガを有し得ることが考えられる。例えば、コレット130は、一対のフィンガ136のみを含み得る。ねじ切りされた部分134は、キャップ140(図2)およびコネクタ150(図4)の各々とのねじ係合のために構成される。フィンガ136は、カテーテル50の少なくとも一部分(図4)を形成するチューブ52の近位端を受け取るような大きさを有し、かつ寸法にされる長手方向の開口部135を規定する。フィンガ136の各々はまた、フィンガ136によって規定される長手方向の開口部135内に半径方向に延在するプロング138を含み得る。半径方向に延在するプロング138の各々は、以下にさらなる詳細に説明されるように、カテーテル50との選択的な係合のために構成される。同じ大きさおよび構成の単一のプロング138のみを含むように示されるが、フィンガ136の各々が、同じまたは異なる大きさおよび構成の複数のプロング138を含み得ることが考えられる。プロング138は、カテーテルの埋め込みの間に、カテーテル50のチューブ52の端部とのコレット130のより確実な係合を容易にするために、ゴムを用いてコートされ得、または他の摩擦を増やすコーティング材料または構成、例えば、ローレットを含み得る。
【0019】
図2を参照すると、キャップ140は、実質的に弾丸の形状の本体を含み得、本体は、内側にねじ切りされた近位端140aと、実質的に円形の遠位端140bとを有する。キャップ140の内側にねじ切りされた近位端140aは、コレット130の外側にねじ切りされた部分134とのねじ係合のために構成される。キャップ140およびコレット130は、ねじ係合のために構成されるように示されるが、キャップ140をコレット130に固定する他の手段が利用され得ることが考えられる。例えば、キャップ140は、差込みカップリングまたは摩擦ばめを用いてコレット130に固定され得る。キャップ140の遠位端140bは、組織を通って挿入されるように構成され、組織解剖器具または拡張器として動作し得る。キャップ140は、異なる大きさのトンネルを生成するために、さまざまな大きさで提供され得る。このように、トンネラデバイス100は、異なる大きさを有するカテーテル50の埋め込みのために使用され得る。キャップ140は、キャップの長さの少なくとも一部分に沿って延在する長手方向のリブ142を含み得る。リブ142は、コレット130上にキャップ140の配置の間に、そしてコレットからキャップ140の取り外しの間に、臨床家によってキャップ140の係合および操作を容易にするために構成され得る。
【0020】
ここで、図3〜図5を参照すると、コネクタ150は、フィンガ136を半径方向に内側へ圧迫することによって、カテーテル50のチューブ52(図8)の近位端をトンネラデバイス100に固定するように構成される。コネクタ150は、コネクタを通す通路151を規定する実質的に円筒形の部材152を規定する。通路151は、カテーテル50のチューブ52を受け取るように構成される。コネクタ150は、内側にねじ切りされた部分154と、内側にねじ切りされた部分154に近い内側のテーパー部分156とを含む。テーパー部分156は、コレット130上に形成され、長手方向に延在するフィンガ136を受け取るように構成される。以下にさらなる詳細に議論されるように、テーパー部分156は、コレット130のフィンガ136が、コネクタ150がコレット130上にねじ込まれるときに、半径方向に内側へ徐々に圧迫されるように構成される。このように、フィンガ136によって形成される開口部135内に延在するカテーテルチューブ52(図8)は、フィンガ136と、プロング138(含まれる場合)とによって半径方向に圧迫され、かつ摩擦的に係合される。ねじ切りされた部分154は、コレット130のねじ切りされた部分134を確実に係合するように構成される。コネクタ150およびコレット130は、ねじ係合のために構成されるように示されるが、コネクタ150をコレット130に固定する他の手段が利用され得ることが考えられる。例えば、コネクタ150は、差込みカップリングを用いてコレット130に固定され得る。キャップ140と同様に、コネクタ150はまた、長手方向のリブ158を含み得る。コネクタ150は、コレット130のベース132の外径に実質的に類似し、または等しい外径を有し得る。このような構成は、スムーズな移行、およびコネクタ150とコレット130との間の外側表面を提供し得、それにより、トンネラデバイス100が組織を通って引っ張られるときに、トンネラデバイス100が組織に引っかかるのを緩和することを助ける。
【0021】
ここで、図11および図12を参照すると、コレット130の代替的な実施形態は、コレット230として一般的に示される。コレット230は、実質的にコレット130に類似し、それゆえに、単にコレット230とコレット130との間の差異に関連するように説明される。コレット230は、ベース232と、外側にねじ切りされた部分234と、チューブ52の近位端を受け取るような大きさを有し、かつ寸法にされる長手方向の開口部235を規定する1つのセットの長手方向に延在するフィンガ236とを含む。コレット230はさらに、通路235内に、フィンガ236から半径方向に間隔を空けられた長手方向の突出部239を含む。長手方向の突出部239は、1つ以上のフィンガ236が、長手方向の突出部239に隣接するチューブ52の外側表面を係合すると同時に、チューブ52の内側を係合するように構成される。このように、フィンガ236および突出部239は、フィンガ236と突出部239との間にチューブ52を捉え、そしてカテーテル50を堅固に保持するように一緒に動作する。
【0022】
なお、図11および図12を参照すると、突出部239は、平滑かまたはさかとげが有り得るカテーテル係合表面239aを含み得る。突出部239は、チューブ52の1つ以上の管腔54内における受け取りのための大きさを有し得、かつ寸法にされ得る。一実施形態において、突出部239は、チューブ52の管腔54の直径より少し大きい直径を含む。このように、管腔54内での突出部239の受け取りは、チューブ52の拡張を引き起こし、それによってコレット230とチューブ52との間の摩擦的係合を増やす。代替的に、突出部239は、チューブ52を変形させることなしに、チューブ52の管腔内に受け取られるような大きさを有し、このことは、より小さいコレット全体の寸法を可能にし得る。コレット230がより確実にチューブ52を保つために、1つ以上の長手方向の突出部239を含み得ることが考えられる。
【0023】
トンネラデバイス100の使用は、ここで、図6〜図10Bを参照するように、代表的な手順に対して説明される。類似な貫通手順は、2007年11月27日に出願した共通所有の米国特許出願第11/986,861号において説明され、上記出願の開示は、全体として参照によって本明細書に組み込まれる。使用中、カテーテル50の近位端が静脈切開部位「V」から延在するように、カテーテル50が、患者の脈管構造、例えば、上大静脈「SVC」内に位置決めされた後に、皮下のトンネルは、静脈切開部位と鎖骨に隣接する位置との間に形成される。このことを達成するために、まず切開「I」は、鎖骨に隣接して作られる。次に、キャップ140が取り付けられたトンネラデバイス100の遠位端は、切開「I」を通って挿入され、そしてトンネル「T」を生成するために、組織を通って静脈切開部位「V」まで押される。その後は、キャップ140は、トンネラデバイス100の遠位端から取り外される。
【0024】
コレット130が曝されるように、トンネラ100の遠位端が、静脈切開部位「V」から延在して位置決めされた後に、カテーテルチューブ52の端部は、コネクタ150の通路151を通って受け取られ、そしてコレット130のフィンガ136によって形成される長手方向の開口部135内に挿入される。図8、図9Aおよび図9Bに向けると、コレット130の開口部135内にカテーテルチューブ52の端部を受け取った後に、コネクタ150は、カテーテルチューブ52上にスライドされ、コレット130と係合する。図10Aおよび図10Bを参照すると、コレット130に対するコネクタ150の回転は、コレット130の外側にねじ切りされた部分134とのコネクタ150の内側にねじ切りされた部分154(図5)のねじ係合を引き起こす。ねじ切りされた部分134、154の徐々に進行する係合は、コレット130の長手方向に延在するフィンガ136を、コネクタ150のテーパー部分156に係合させる。フィンガ136が、テーパー部分156を係合するときに、フィンガ136は、半径方向に内側へ徐々に付勢され、カテーテルチューブ52の外側表面を確実に係合する。
【0025】
一旦カテーテルチューブ52が、コレット130とコネクタ150との係合を介してトンネラデバイス100に固定されると、トンネラデバイス100は、トンネル「T」を通って引き込まれる。一旦トンネラデバイスがトンネル「T」から完全に引き込まれると、コネクタ150は、コレット130から係合解除され、カテーテルチューブ52は、コレット130のフィンガ136によって形成される長手方向の開口部135内から取り外される。代替的には、チューブ52は、チューブ52の残りからトンネラデバイス100を係合解除するために切断され得る。前文に議論されるように、トンネラデバイス100のうちの任意または全部は、使い捨て可能であり得、または滅菌可能、かつ再利用可能であり得る。
【0026】
本開示の例示的な実施形態は、添付の図面を参照すると共に本明細書に説明されるが、本開示が、それらの明確な実施形態に限定されず、さまざまな他の変化および変更が、本開示の範囲または精神から逸脱することなしに、当業者によってそこにもたらされ得ることは理解されるべきである。
【0027】
(摘要)
トンネラデバイスが提供される。トンネラデバイスは、トンネラデバイスの近位端上に形成され、ユーザーによる動作可能な係合のために構成されるハンドルと、ハンドルから遠位に延在するシャフトと、シャフトの遠位端上に支持されるコレットと、コレットとの動作可能な係合のために構成されるコネクタとを含み、コレットは、長手方向の開口部を規定する複数の遠位に延在するフィンガを含み、開口部は、カテーテルチューブの端部を受け取るように構成され、コネクタは、コレットとのコネクタの係合の際に、コレットのフィンガを半径方向に内側へ付勢するように構成される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネラデバイスであって、該トンネラデバイスは、
該トンネラデバイスの近位端上に形成され、ユーザーによる動作可能な係合のために構成されるハンドルと、
該ハンドルから遠位に延在するシャフトと、
該シャフトの遠位端上に支持されるコレットであって、該コレットは、長手方向の開口部を規定する複数の遠位に延在するフィンガを含み、該開口部は、カテーテルチューブの端部を受け取るように構成される、コレットと、
該コレットとの動作可能な係合のために構成されるコネクタであって、該コネクタは、該コレットとの該コネクタの係合の際に、該コレットの該フィンガを半径方向に内側へ付勢するように構成される、コネクタと
を含む、トンネラデバイス。
【請求項2】
前記コレットは、4つの(4)フィンガを含む、請求項1に記載のトンネラデバイス。
【請求項3】
前記複数のフィンガの各々は、少なくとも1つの半径方向に内側へ延在するプロングを含む、請求項1〜2のいずれか一項に記載のトンネラデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの半径方向に内側へ延在するプロングは、長手方向のスロット内に受け取られた前記カテーテルチューブの外側表面を摩擦的に係合するように構成される、請求項3に記載のトンネラデバイス。
【請求項5】
前記コネクタは、前記コレットとのねじ係合のために構成される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のトンネラデバイス。
【請求項6】
前記トンネラデバイスは、前記コレットとの選択的な係合のために構成されるキャップをさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のトンネラデバイス。
【請求項7】
前記キャップは、前記コレットとのねじ係合のために構成される、請求項6に記載のトンネラデバイス。
【請求項8】
前記キャップは、組織のブラントジセクションのために構成される、請求項6〜7のいずれか一項に記載のトンネラデバイス。
【請求項9】
前記キャップは、長手方向に延在するリブを含む、請求項6〜8のいずれか一項に記載のトンネラデバイス。
【請求項10】
前記シャフトは、第1のシャフト部分と第2のシャフト部分とを含み、該第1のシャフト部分は、該第2のシャフト部分に対して一定の角度をなしている、請求項1〜9のいずれか一項に記載のトンネラデバイス。
【請求項11】
前記第1のシャフト部分と前記第2のシャフト部分との間の前記角度は、30度(30°)である、請求項10に記載のトンネラデバイス。
【請求項12】
前記コレットは、前記フィンガから半径方向に間隔を空けられた長手方向の突出部を含み、該突出部は、前記カテーテルチューブの管腔内に受け取られるように構成される、請求項1〜11のいずれか一項に記載のトンネラデバイス。
【請求項13】
前記フィンガおよび長手方向の突出部は、該フィンガと該長手方向の突出部との間に前記カテーテルチューブを摩擦的に係合するように動作する、請求項12に記載のトンネラデバイス。
【請求項14】
トンネラデバイスであって、該トンネラデバイスは、
該トンネラデバイスの近位端上に形成され、ユーザーによる動作可能な係合のために構成されるハンドルと、
該ハンドルから遠位に延在するシャフトと、
該シャフトの遠位端上に支持されるコレットであって、該コレットは、複数の遠位に延在するフィンガと、該フィンガから半径方向に間隔を空けられた長手方向の突出部とを含み、該突出部は、カテーテルチューブの管腔内に受け取られるように構成され、該複数の遠位に延在するフィンガの各々は、少なくとも1つの半径方向に内側へ延在するプロングを含む、コレットと、
該コレットとの動作可能な係合のために構成されるコネクタであって、該コネクタは、該フィンガと該突出部との間に該カテーテルチューブを摩擦的に係合するために、コレットとの該コネクタの係合の際に、該コレットの該フィンガを半径方向に内側へ、該長手方向の突出部に向かって付勢するように構成される、コネクタと、
該コレットとの選択的な係合のために構成されるキャップであって、該キャップは、組織のブラントジセクションのために構成される、キャップと
を含む、トンネラデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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