説明

トンネル内の覆工コンクリート壁打設装置

【解決手段】トンネル内に配設される覆工コンクリート壁打設型枠2にコンクリートを供給するコンクリート供給装置をトンネルの長手方向Xへ移動させる移送手段15を備えている。移送手段15においては、可動供給管4に連結された可撓管21が巻き掛けられた動滑車20を有する送り装置16をトンネルの長手方向Xへ移動可能に設け、可撓管21に設けたコンクリート搬入口部25を一定位置に保持した状態で、コンクリート供給装置の可動供給管4及び両可動排出管11がトンネルの長手方向Xへ移動するとともに、送り装置16の動滑車20がトンネルの長手方向Xへ移動するようにした。
【効果】動滑車20の移動距離と比較して、可動供給管4の移動距離を長く設定することができる。そのため、移送手段15の送り装置16を小型化して、コンクリート供給装置にコンクリートを搬入するコンクリート搬入装置をトンネルの長手方向Xで小型化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル内に配設される覆工コンクリート壁打設型枠に覆工コンクリート壁を打設する打設装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の覆工コンクリート壁打設装置においては、例えば下記の特許文献1に示すように、覆工コンクリート壁打設型枠に配設された各検査窓(打設孔)にコンクリート供給装置(コンクリート分流機やエレファントノズルなど)を接続し、このコンクリート供給装置をトンネルの長手方向へ移動させながら、このトンネルの幅方向両側にある各検査窓(打設孔)のうち下側にある各検査窓(打設孔)から上側にある各検査窓(打設孔)へ順次、コンクリートをコンクリート搬入装置のコンクリートポンプからコンクリートホースを通してこのコンクリート供給装置により供給するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−155819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このコンクリートポンプとコンクリート供給装置との間に接続されたコンクリートホ−スの長さ分だけしか、コンクリート供給装置をトンネルの長手方向へ移動することができないため、コンクリート供給装置の移動距離を長くすれば、コンクリートホ−スの移動距離も長くなって、コンクリートポンプ及びコンクリートホ−スを含むコンクリート搬入装置がトンネルの長手方向で大型化する。
【0005】
この発明は、トンネル内の覆工コンクリート壁打設装置において、コンクリート供給装置にコンクリートを搬入するコンクリート搬入装置をトンネルの長手方向で小型化することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
後記実施形態の図面(図1〜5)の符号を援用して本発明を説明する。
請求項1の発明にかかるトンネル内の覆工コンクリート壁打設装置は、下記のように構成されている。
【0007】
トンネル1内に配設される覆工コンクリート壁打設型枠2にコンクリートを供給するコンクリート供給装置と、このコンクリート供給装置にコンクリートを搬入するコンクリート搬入装置とを備えている。このコンクリート搬入装置は、このコンクリート供給装置をトンネル1の長手方向Xへ移動させる移送手段15を備えている。この移送手段15においては、コンクリート供給装置に連結された可撓管21が巻き掛けられた動滑車20を有する送り装置16をトンネル1の長手方向Xへ移動可能に設け、例えばこの可撓管21に設けたコンクリート搬入口部25を一定位置に保持した状態で、このコンクリート供給装置がトンネル1の長手方向Xへ移動するとともに、この送り装置16の動滑車20がトンネル1の長手方向Xへ移動するようにした。
【0008】
請求項1の発明では、動滑車20の採用により、動滑車20の移動距離と比較して、コンクリート供給装置の移動距離を長く設定することができる。そのため、コンクリート搬入装置における移送手段15の送り装置16を小型化することができる。
【0009】
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明にかかる送り装置16において、トンネル1の長手方向Xに走行する台車19上に設けた動滑車20に巻き掛けた可撓管21は、可撓管21に設けたコンクリート搬入口部25と動滑車20との間でトンネル1の長手方向Xへ延びる供給側延設部21aと、前記コンクリート供給装置と動滑車20との間でトンネル1の長手方向Xへ延びる排出側延設部21bと、それらの延設部21a,21b間で動滑車20に巻き掛けられる巻掛部21cとを有している。請求項2の発明では、動滑車20を有する送り装置16を簡単な構成にすることができる。
【0010】
請求項2の発明を前提とする請求項3の発明において、前記動滑車20は、支持台22の内周と外周とにそれぞれ複数のロ−ラ23,24を円周方向へ並設し、内周の各ロ−ラ23と外周の各ロ−ラ24との間に可撓管21を挟んで円周方向へ案内し得るものである。請求項3の発明では、動滑車20を可撓管21とともにトンネル1の長手方向へ移動させることができる。
【0011】
請求項2または請求項3の発明を前提とする請求項4の発明において、トンネル1の長手方向Xの両側に配設された巻取り機29,30間に巻かれた牽引索31により前記コンクリート供給装置がトンネル1の長手方向Xへ移動する。請求項4の発明では、両巻取り機29,30間における牽引索31の巻取りによりコンクリート供給装置をトンネル1の長手方向Xへ容易に往復移動させることができる。
【0012】
請求項1から請求項4のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする請求項5の発明にかかるコンクリート供給装置において、トンネル1内に配設される覆工コンクリート壁打設型枠2の頂部には前記可撓管21を連結した可動供給管4をトンネル1の長手方向Xへ移動可能に設け、トンネル1の長手方向Xに対し直交するトンネル1の幅方向Yの両側で可動排出管11を可動供給管4とともにトンネル1の長手方向Xへ移動可能に連結するとともに、この可動排出管11を覆工コンクリート壁打設型枠2内の打設室3でトンネル1の周方向Rへ覆工コンクリート壁打設型枠2に沿って延設し、この可動排出管11の排出口部11bの位置をトンネル1の周方向Rで調節可能に設け、前記移送手段15はこの可動供給管4及び両可動排出管11をトンネル1の長手方向Xへ移動させる。請求項5の発明では、覆工コンクリート壁打設型枠2内の打設室3で両可動排出管11の排出口部11bの位置をトンネル1の周方向Rで調節した後に、可動供給管4と両可動排出管11とをトンネル1の長手方向Xへ移動させるだけの動作により、打設室3の下側から上側へ頂部に向けて順次コンクリートを打設することができる。
【0013】
例えば、前記可動排出管11は、この可動排出管11の供給口部11a側と排出口部11b側との間をトンネル1の周方向Rで複数分割可能に設けられて、可動排出管11の排出口部11bの位置をトンネル1の周方向Rで調節し得る。従って、可動排出管11をトンネル1の周方向Rの適宜箇所で分割して可動排出管11の排出口部11bの位置をトンネル1の周方向Rで容易に調節することができる。例えば、前記可動排出管11は連結部材13により互いに着脱可能に連結されてトンネル1の周方向Rへ並設された複数の分割管14を備え、この各分割管14をトンネル1の周方向Rの適宜箇所で容易に着脱することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、トンネル内の覆工コンクリート壁打設装置において、コンクリート供給装置にコンクリートを搬入するコンクリート搬入装置をトンネル1の長手方向Xで小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態にかかる覆工コンクリート壁打設装置をトンネル内に設置した状態を正面側から見て概略的に示す部分断面図である。
【図2】(a)は打設開始状態にある上記覆工コンクリート壁打設装置を平面側から見た概略断面図であり、(b)は同じく側面側から見た概略断面図である。
【図3】(a)は打設終了状態にある上記覆工コンクリート壁打設装置を平面側から見た概略断面図であり、(b)は同じく側面側から見た概略断面図である。
【図4】(a)は可動供給管を示す図3(a)の部分拡大図であり、(b)は同じく図3(b)の部分拡大図であり、(c)は同じく図1の部分拡大図である。
【図5】(a)は動滑車を示す図3(a)の部分拡大図であり、(b)は同じく図3(b)の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について図1〜5を参照して説明する。
図1に示すようにトンネル1の内周には覆工コンクリート壁打設型枠2がトンネル1の周方向Rに沿って頂部から底部まで配設されて図2及び図3に示すようにトンネル1の長手方向Xへ所定距離だけ延設されている。この覆工コンクリート壁打設型枠2内の打設室3でその頂部外側には、図4に示すように、コンクリート供給装置における可動供給管4がトンネル1の長手方向Xへレール5に沿って移動し得るように各車輪6により支持されている。この可動供給管4は、トンネル1の長手方向Xへトンネル1の入口側から奥側へ延びる連結管7と、この連結管7の端部に連結されたY字管8とを備えている。このY字管8は、この連結管7に連結された基管部9と、その基管部9からトンネル1の長手方向Xに対し直交するトンネル1の幅方向Yの両側へ屈曲された分岐管部10とを備えている。
【0017】
前記覆工コンクリート壁打設型枠2内の打設室3で前記Y字管8の両分岐管部10にはコンクリート供給装置における可動排出管11が連結されてトンネル1の周方向Rへ覆工コンクリート壁打設型枠2の外側に沿って延設され、前記可動供給管4とともにトンネル1の長手方向Xへ移動し得るように覆工コンクリート壁打設型枠2の外側に各車輪12により載置されている。この両可動排出管11は、各連結部材13により互いに着脱可能に連結されてトンネル1の周方向Rへ並設された複数の分割管14を備え、この各分割管14を連結部材13により着脱することにより、前記分岐管部10に連結された供給口部11a側と、コンクリートを打設室3に排出し得る排出口部11b側との間でトンネル1の周方向Rへ複数分割し得る。そのため、この可動排出管11の排出口部11bの位置は分割管14を適宜着脱してトンネル1の周方向Rで調節し得る。
【0018】
図2及び図3に示すように、コンクリート搬入装置において、前記コンクリート供給装置における可動供給管4及び両可動排出管11をトンネル1の長手方向Xへ移動させるように、送り装置16と牽引装置17とを備えた移送手段15は、覆工コンクリート壁打設型枠2に対する入口側に設置されている。
【0019】
前記送り装置16においては、図5に示すように、トンネル1の長手方向Xへレール18に沿って走行する台車19上に動滑車20が支持され、この動滑車20に可撓管21(コンクリートホ−ス)が巻き掛けられている。この動滑車20においては、支持台22の内周と外周とにそれぞれ複数のロ−ラ23,24が円周方向へ並設され、内周の各ロ−ラ23と外周の各ロ−ラ24との間に前記可撓管21が挟まれて円周方向へ案内されている。この可撓管21の両端部のうち、動滑車20の下側から引き出された始端部に設けられたコンクリート搬入口部25はコンクリートポンプ(図示せず)に接続されて一定位置に保持され、動滑車20の上側から引き出された終端部は前記可動供給管4の連結管7の端部に連結されている。このように動滑車20に巻き掛けられた可撓管21は、可撓管21のコンクリート搬入口部25と動滑車20との間でトンネル1の長手方向Xへ延びる供給側延設部21aと、可動供給管4の連結管7と動滑車20との間でトンネル1の長手方向Xへ延びる排出側延設部21bと、それらの延設部21a,21b間で動滑車20に巻き掛けられる巻掛部21cとを有している。前記台車19が走行するレール18の下方にはこの供給側延設部21aを載置する載置台26が設けられている。前記動滑車20の支持台22にはこの排出側延設部21bと連結管7とを載置する案内台27が連結されている。覆工コンクリート壁打設型枠2の頂部にはこの案内台27を支持する各案内ローラ28がトンネル1の長手方向Xへ並設されている。
【0020】
前記牽引装置17においては、トンネル1の長手方向Xの両側に巻取り機29,30が配設され、それらの巻取り機29,30間に巻かれた牽引索31が前記可動供給管4のY字管8に連結されている。奥側の巻取り機30に牽引索31が巻き取られると、入口側の巻取り機29から牽引索31が引き出され、可動供給管4及び両可動排出管11がトンネル1の長手方向Xに沿って入口側の巻取り機29から離れる向きに移動するとともに、台車19上の動滑車20が可撓管21を介して可動供給管4により引かれて同じ向きへ移動する。入口側の巻取り機29に牽引索31が巻き取られると、奥側の巻取り機30から牽引索31が引き出され、可動供給管4及び両可動排出管11がトンネル1の長手方向Xに沿って入口側の巻取り機29に接近する向きに移動するとともに、台車19上の動滑車20が可撓管21を介して可動供給管4により押されて同じ向きへ移動する。
【0021】
次に、トンネル1内に配設された覆工コンクリート壁打設型枠2に覆工コンクリート壁を打設する手順について述べる。
図2に示すように1回目の打設開始状態では、奥側の巻取り機30に牽引索31が巻き取られているため、可動供給管4及び両可動排出管11と可撓管21と動滑車20とが奥側の巻取り機30に接近する向きに移動するとともに、可動供給管4の連結管7が前記案内台27に載置される。両可動排出管11の各分割管14のうち最下部の分割管14にある排出口部11bは、打設室3の最下にある1回目の打設範囲の上方に位置している。
【0022】
1回目の打設開始状態で入口側の巻取り機29に牽引索31が巻き取られると、可動供給管4及び両可動排出管11と可撓管21と動滑車20とが奥側の巻取り機30から離れる向きに移動するとともに、可撓管21の終端部(排出側延設部21bの端部)が動滑車20の上端部の付近に位置し、図3に示すように1回目の打設終了状態となる。その移動の際、可撓管21のコンクリート搬入口部25(供給側延設部21aの端部)から供給されたコンクリートは、可撓管21と可動供給管4の連結管7及びY字管8と両可動排出管11とを通って、両可動排出管11の排出口部11bから打設室3の最下にある1回目の打設範囲に排出される。
【0023】
打設室3の最下範囲に対するコンクリートの打設が終了すると、可撓管21のコンクリート搬入口部25に対するコンクリートの供給が停止された後に、奥側の巻取り機30に牽引索31が巻き取られ、1回目の打設が終了する。2回目の打設を開始する前には、両可動排出管11の各分割管14のうち1回目の打設で利用した最下部の分割管14を取り外した後に最下部となった分割管14にある排出口部11bを、打設室3で1回目の打設コンクリートよりも上方にある2回目の打設範囲の上方に位置させる。
【0024】
このような打設を2回目以降の打設でも繰り返し、打設室3の下側から上側へ頂部に向けて順次、コンクリートを打設する。なお、打設室3の頂部に対する打設は、可動供給管や両可動排出管11などを取り外して、別の装置により行う。
【0025】
本実施形態は下記の効果を有する。
* 移送手段15の送り装置16において、支持台22の内外周で並設した内周の各ロ−ラ23と外周の各ロ−ラ24との間に可撓管21を挟んで円周方向へ案内し得る動滑車20を台車19上に設け、その動滑車20に巻き掛けた可撓管21は供給側延設部21aと排出側延設部21bと巻掛部21cとを有し、可撓管21に設けたコンクリート搬入口部25を一定位置に保持した状態で、可動供給管4及び両可動排出管11がトンネル1の長手方向Xへ移動するとともに、送り装置16の動滑車20がトンネル1の長手方向Xへ移動するようにしたので、動滑車20の移動距離と比較して、可動供給管4の移動距離を約2倍の長さに設定することができる。従って、移送手段15の送り装置16をトンネル1の長手方向Xで短くして小型化し、コンクリート供給装置にコンクリートを搬入するコンクリート搬入装置をトンネルの長手方向Xで小型化することができる。
【0026】
* 覆工コンクリート壁打設型枠2内の打設室3で両可動排出管11の各分割管14をトンネル1の周方向Rの適宜箇所で着脱して両可動排出管11の排出口部11bの位置をトンネル1の周方向Rで調節した後に、両巻取り機29,30間における牽引索31の巻取りにより、可動供給管4と両可動排出管11とをトンネル1の長手方向Xへ移動させるだけの動作により、打設室3の下側から上側へ頂部に向けて順次コンクリートを打設することができる。従って、トンネル1内の覆工コンクリート壁の打設を容易に行うことができる。また、両可動排出管11の排出口部11bを適正な高さに設定すれば、コンクリートの落下高さを低くしてコンクリートの成分の分離やコンクリートへの気泡の混入を防止したり、コンクリートをトンネル1の長手方向Xへ一連に積層してコンクリートの流れによる流れ縞の発生を防止したりすることが容易になる。
【0027】
前記実施形態以外にも例えば下記のように構成してもよい。
・ 前記実施形態の動滑車20では、支持台22の内周と外周とにそれぞれ並設した内周の各ロ−ラ23と外周の各ロ−ラ24との間に可撓管21を挟んで円周方向へ案内したが、これらのロ−ラ23,24に代えて、回転軸を中心に回転する一つのロ−ラの外周に可撓管を巻き掛けてロ−ラとともにトンネルの長手方向へ往復移動可能に構成した動滑車を採用してもよい。
【0028】
・ 前記実施形態の送り装置16では一つの動滑車20を採用したが、複数の動滑車を組み合わせてもよい。
・ 前記実施形態では、可動排出管11の各分割管14を適宜箇所で着脱して可動排出管11の排出口部11bの位置をトンネル1の周方向Rで調節し得るが、伸縮可能な可動排出管を採用してその排出口部11bの位置を調節し得るようにしてもよい。
【0029】
・ コンクリート供給装置としては、前記可動供給管4及び両可動排出管11以外に、既存のコンクリート分流機やエレファントノズルなどを利用してもよい。
【符号の説明】
【0030】
1…トンネル、2…覆工コンクリート壁打設型枠、3…打設室、4…可動供給管、11…可動排出管、11a…可動排出管の供給口部、11b…可動排出管の排出口部、13…可動排出管の連結部材、14…可動排出管の分割管、15…移送手段、16…送り装置、17…牽引装置、19…送り装置の台車、20…送り装置の動滑車、21…可撓管、21a…可撓管の供給側延設部、21b…可撓管の排出側延設部、21c…可撓管の巻掛部、22…動滑車の支持台、23,24…動滑車のロ−ラ、25…可撓管のコンクリート搬入口部、29,30…牽引装置の巻取り機、31…牽引装置の牽引索、R…トンネルの周方向、X…トンネルの長手方向、Y…トンネルの幅方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル内に配設される覆工コンクリート壁打設型枠にコンクリートを供給するコンクリート供給装置と、このコンクリート供給装置にコンクリートを搬入するコンクリート搬入装置とを備え、このコンクリート搬入装置はこのコンクリート供給装置をトンネルの長手方向へ移動させる移送手段を備え、この移送手段においては、前記コンクリート供給装置に連結された可撓管が巻き掛けられた動滑車を有する送り装置をトンネルの長手方向へ移動可能に設け、このコンクリート供給装置がトンネルの長手方向へ移動するとともに、この送り装置の動滑車がトンネルの長手方向へ移動するようにしたことを特徴とするトンネル内の覆工コンクリート壁打設装置。
【請求項2】
前記送り装置においてトンネルの長手方向に走行する台車上に設けた動滑車に巻き掛けた可撓管は、可撓管に設けたコンクリート搬入口部と動滑車との間でトンネルの長手方向へ延びる供給側延設部と、前記コンクリート供給装置と動滑車との間でトンネルの長手方向へ延びる排出側延設部と、それらの延設部間で動滑車に巻き掛けられる巻掛部とを有していることを特徴とする請求項1に記載のトンネル内の覆工コンクリート壁打設装置。
【請求項3】
前記動滑車は、支持台の内周と外周とにそれぞれ複数のロ−ラを円周方向へ並設し、内周の各ロ−ラと外周の各ロ−ラとの間に可撓管を挟んで円周方向へ案内し得るものであることを特徴とする請求項2に記載のトンネル内の覆工コンクリート壁打設装置。
【請求項4】
トンネルの長手方向両側に配設された巻取り機間に巻かれた牽引索により前記コンクリート供給装置がトンネルの長手方向へ移動することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のトンネル内の覆工コンクリート壁打設装置。
【請求項5】
前記コンクリート供給装置において、トンネル内に配設される覆工コンクリート壁打設型枠の頂部には前記可撓管を連結した可動供給管をトンネルの長手方向へ移動可能に設け、トンネルの長手方向に対し直交するトンネルの幅方向の両側で可動排出管を可動供給管とともにトンネルの長手方向へ移動可能に連結するとともに、この可動排出管を覆工コンクリート壁打設型枠内の打設室でトンネルの周方向へ覆工コンクリート壁打設型枠に沿って延設し、この可動排出管の排出口部の位置をトンネルの周方向で調節可能に設け、前記移送手段はこの可動供給管及び両可動排出管をトンネルの長手方向へ移動させることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一つの請求項に記載のトンネル内の覆工コンクリート壁打設装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−112200(P2012−112200A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−263532(P2010−263532)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【出願人】(000158725)岐阜工業株式会社 (56)
【Fターム(参考)】