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トンネル掘削機の分割構造
説明

トンネル掘削機の分割構造

【課題】現地での掘削機本体の組立・分解を迅速かつ容易に行えるトンネル掘削機の分割構造を提供する。
【解決手段】掘削機本体の掘削機主部1が前後(機長)方向及び周方向へ複数のブロックに分割形成されたトンネル掘削機において、前記各ブロックの接合面に予め溶接されて接離方向への凹状又は凸状の引掛り部30a,31aを有した補助ブロック30,31と、前記接合される補助ブロック間に跨って設けられ前記凹状又は凸状の引掛り部に係合する凸状又は凹状の引掛り部32aを有した接合ブロック32と、前記補助ブロックと接合ブロックの合せ面相互を結合する複数本のボルト33と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現地での溶接作業を減らして組立・分解が容易なトンネル掘削機の分割構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、シールド掘削機等の口径が大きくなると、掘削機製造工場より現地までの輸送条件や現地での組立条件等により、前後(機長)方向や円周方向へ小ブロックに分割しなければならないことは、特許文献1や特許文献2で良く知られている。
【0003】
そして、現地での組立に当たっては、各ブロック間をフランジ結合することに加えて大半は溶接により結合していることも良く知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平7−43268号公報
【特許文献2】特開2003−106086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、シールド掘削機等の掘削機本体が前後(機長)方向に複数リングに分割形成された場合、通常は、前側のリングは隔壁やリング状補強部のようなフランジ付き部材であるが後側のリングはフランジ無しで形成される。
【0006】
そのため、後側のリングが前側のリングより厚さの薄い鋼材で形成されていればさほど問題はないが、同一厚さの鋼材で形成された場合、フランジ無しであることからそれだけ開先を深くしなければならず、組立時の溶接作業に多大な時間が掛かるという問題点があった。一方、掘削機本体の再利用のための分解時にも、溶接部の切断作業に多大な時間が掛かるという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は、現地での掘削機本体の組立・分解を迅速かつ容易に行えるトンネル掘削機の分割構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
斯かる目的を達成するための本発明に係るトンネル掘削機の分割構造は、
掘削機本体が複数のブロックに分割形成されたトンネル掘削機において、
前記各ブロックの接合面に予め溶接されて接離方向への凹状又は凸状の引掛り部を有した補助ブロックと、
前記接合される補助ブロック間に跨って設けられ前記凹状又は凸状の引掛り部に係合する凸状又は凹状の引掛り部を有した接合ブロックと、
前記補助ブロックと接合ブロックの合せ面相互を結合する複数本のボルトと、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、
前記接合ブロックは、前記凹状又は凸状の引掛り部を有する主ブロックと、前記補助ブロック間に跨り前記主ブロックとの間で補助ブロックを挟持すべく主ブロックにボルト結合される副ブロックとからなることを特徴とする。
【0010】
また、
前記接合ブロックは、補助ブロックの長手方向に複数個のピースに分割形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るトンネル掘削機の分割構造によれば、立坑等における現地での掘削機本体の組立・分解にあたっては、溶接すること無しで、ボルトの締付け作業のみで組み立てることができると共に、溶接部を切断すること無しで、ボルトの緩め作業のみで分解することができ、迅速かつ容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施例を示す分割構造部の概略図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】図1のB部拡大図である。
【図4】土圧式シールド掘削機の概略構成図である。
【図5】分割構造の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るトンネル掘削機の分割構造を実施例により図面を用いて詳細に説明する。
【実施例】
【0014】
図1は本発明の一実施例を示す分割構造部の概略図、図2は図1のA−A矢視断面図、図3は図1のB部拡大図、図4は土圧式シールド掘削機の概略構成図、図5は分割構造の変形例を示す断面図である。
【0015】
図4に示すように、本実施例の土圧式シールド掘削機(トンネル掘削機)は、その掘削機本体が、円筒状の掘削機主部1と該掘削機主部1内に前後方向(トンネルの長手方向)へ相対移動可能に収装された円筒状の掘削機副部2との二重筒状に形成される。
【0016】
掘削機主部1は、更に前後(機長)方向に、Aリング1aとBリング1bとCリング1cとDリング1dとの4ブロックに分割形成されている。Aリング1aとBリング1bとCリング1cとは同一厚さの鋼材で形成されるが、Aリング1aとBリング1bは隔壁3やリング状補強部14のようなフランジ付き部材であることからフランジを有しないCリング1cより剛性が高いものになっている。一方、テールシール23が装着されるDリング1dは、Aリング1a、Bリング1b及びCリング1cより厚さの薄い鋼材で形成される。
【0017】
前記Aリング1aに設けられた隔壁(バルクヘッド)3には、カッタヘッド4が軸受等を介して回転自在に装着される。カッタヘッド4の前面には放射状をなしてカッタスポーク5が固定され、このカッタスポーク5には、多数のカッタビット6及びディスク(ローラ)カッタ7が装着されると共に、カッタヘッド4の径方向へ油圧ジャッキ8により伸縮(出没)可能に、適当数のコピーカッタ9が装着される。そして、カッタヘッド4の後部にはリングギア10が固定される。
【0018】
一方、前記隔壁3には、カッタヘッド駆動手段としてのカッタ旋回モータ11が取り付けられ、このカッタ旋回モータ11の駆動ギア12が前記リングギア10に噛み合っている。従って、カッタ旋回モータ11を稼働して駆動ギア12を回転駆動すると、リングギア10を介してカッタヘッド4が回転される。また、隔壁3の中央部には、ロータリジョイント13が組み付けられ、このロータリジョイント13を介して前記コピーカッタ9の油圧ジャッキ8等に対し図示しない油圧源からの圧油の給,排が行われるようになっている。また、隔壁3の外周部と前記Bリング1bの前部に設けられたリング状補強部14との間には中折れジャッキ15が適当数配設される。
【0019】
前記掘削機主部1の内部には、前記掘削機副部2を貫通してスクリューコンベア16が配設され、カッタヘッド4で掘削された土砂をトンネルの後方へ排出可能になっている。即ち、スクリューコンベア16の前端部(取出口)が隔壁3の下部を貫通して前記カッタヘッド4と隔壁3とで画成されたチャンバ室17に開口すると共に、後下部に設けた排出口(ジャッキ18駆動のゲート19で開閉される)がトンネル内の長手方向に配設された図示しないベルトコンベア上に対向するのである。このスクリューコンベア16は、後上がりに傾斜して配置された円筒管16aの内部に、駆動モータ16bによって回転可能にスクリュー翼16cが装着されてなる。
【0020】
前記Bリング1bのリング状補強部14と前記掘削機副部2の内周部との間には、主推進ジャッキ20が円周方向へ所定間隔離間して多数本配設される。そして、前記掘削機副部2の外周部には、覆工部材としてトンネルの内周面に構築された(組み立てられた)既設のセグメントSに対し伸縮し得る副推進ジャッキ22が円周方向へ所定間隔離間して多数本配設される。
【0021】
また、前記Cリング1cとDリング1dは、Dリング1dにおけるテールシール23を介して前記既設セグメントSの外周に嵌合している。また、前記掘削機副部2の後部には支持部材(架台)24が組み付けられ、この支持部材24上に前記セグメントSを組み立てるエレクタ25と組み立てたセグメントSの真円保持を行うセグメントアジャスタ26が装備される。
【0022】
従って、トンネルを掘削するにあたっては、先ず、全ての主推進ジャッキ20と副推進ジャッキ22とが共に縮んだ初期位置で、カッタ旋回モータ11を稼働させてカッタヘッド4を回転させる。
【0023】
次に、前記状態から全ての主推進ジャッキ20を伸ばして掘削機主部1を1ストローク推進(前進)させる。この際、推進反力は掘削機副部2を介して既設セグメントSで受ける。そして、この推進により、カッタヘッド4に装着された多数のカッタビット6及びディスクカッタ7が前方の地盤を掘削する。掘削された土砂はチャンバ室17からスクリューコンベア16等によって外部に排出される。
【0024】
次に、カッタヘッド4の回転を止めた状態で(場合によっては、止めなくても良い)、全ての主推進ジャッキ20を縮めながら全ての副推進ジャッキ22を伸ばして掘削機副部2を1ストローク推進させてリセットする。この際も、推進反力は既設セグメントSで受ける。これにより、主推進ジャッキ20は全縮状態で推進可能な状態になると共に、副推進ジャッキ22は全伸状態でセグメントSの組立可能な状態になる。
【0025】
次に、カッタヘッド4を回転させた状態で、全ての主推進ジャッキ20を伸ばして掘削機主部1を推進させながら副推進ジャッキ22を部分的に順次縮めてエレクタ25及びセグメントアジャスタ26によりセグメントSを組み立てると共にその真円保持を行う。
【0026】
以降、前述した動作の繰り返しで、所定長さのトンネルを掘削・形成していく。
【0027】
ところで、本実施例の掘削機本体(掘削機主部1)は、前述したように前後(機長)方向へ4ブロックに分割形成されたAリング1aとBリング1bとCリング1cとDリング1dが、それぞれ周方向にも複数ブロックに分割形成されている。例えば、Aリング1aとBリング1bは周方向に6ブロックに分割形成され、Cリング1cとDリング1dは周方向に3ブロックに分割形成されている。
【0028】
そこで、Bリング1bとCリング1cとの間の分割構造を図1乃至図3を用いて説明すると、先ず、Bリング1bとCリング1cとの前後(機長)方向の接合端面相互に接離方向への凹状(又は凸状でも良い)の引掛り部30a,31aを有した補助ブロック30,31が全長に亘って掘削機製造工場で予め溶接されると共に、Cリング1cの3箇所における円周方向の接合端面相互に接離方向への凹状(又は凸状でも良い)の引掛り部31aを有した補助ブロック31が全長に亘って掘削機製造工場で予め溶接される。図示例では、Cリング1cの前後(機長)方向の接合端面と円周方向の接合端面の交叉部においては、補助ブロック31がL型に屈曲されて一体形成されている(図3参照)。
【0029】
そして、前記接合される補助ブロック30−31,31−31間に跨って、補助ブロック30,31の凹状(又は凸状でも良い)の引掛り部30a,31aに係合する凸状(又は凹状でも良い)の引掛り部32aを両端部に有した接合ブロック32が設けられ、補助ブロック30,31と接合ブロック32の合せ面相互が複数本のボルト33で結合されている。
【0030】
図示例では、接合ブロック32は、補助ブロック30,31の長手方向に複数個のピースに分割形成されると共にCリング1cの前後(機長)方向の接合端面と円周方向の接合端面の交叉部においてはT型の1個のピースで形成されている(図3参照)。また、接合ブロック32は、凸状(又は凹状でも良い)の引掛り部32aを有する主ブロック32Aと、補助ブロック30−31,31−31間に跨り主ブロック32Aとの間で補助ブロック30,31の自由端縁部を挟持すべく主ブロック32Aに複数本のボルト33で結合される副ブロック32Bとからなる。
【0031】
前記補助ブロック30,31と接合ブロック32の主ブロック32A及び副ブロック32Bは、ともに機械加工により形成される。また、各ブロック30,31,32A,32Bのボルト孔はボルト締結後に適宜盲栓34等で閉塞される。
【0032】
掘削機本体(掘削機主部1a)の分割構造は以上のように構成されるため、掘削機製造工場から現地へは各ブロックに予め溶接された補助ブロック30,31から接合ブロック32の主ブロック32A及び副ブロック32Bを取り外して、分割形成された各ブロック毎に分解した状態で搬送される。尚、補助ブロック30,31は、予め決められたボルト締め方向に対応されて各ブロックに予め溶接される。図示例では、掘削機本体(掘削機主部1a)の内側からボルト33を締結するようになっている。
【0033】
現地での掘進開始位置の立坑内における組立に当たっては、各ブロックの補助ブロック30−31,31−31間において、接合ブロック32の主ブロック32A及び副ブロック32Bを補助ブロック30,31に組み付け、これらをボルト33で締め付けることで分割された各ブロックを接合することができる。尚、接合ブロック32を補助ブロック30,31に組み付ける際には、互いの接合面間に液体パッキンを介在(塗布)させて水密を保持すると好適である。勿論、各ブロック30,31,32A,32Bのボルト孔は前述したように盲栓34で閉塞される。
【0034】
上述した結合状態では、補助ブロック30,31の凹状(又は凸状でも良い)の引掛り部30a,31aと接合ブロック32(主ブロック32A)の凸状(又は凹状でも良い)の引掛り部32aとの係合により、掘削機本体(掘削機主部1a)に作用する引張や圧縮に対し十分耐えることができる。また、補助ブロック30,31と接合ブロック32とが複数(多数)本のボルト33により結合されるので、掘削機本体(掘削機主部1a)に作用する曲げに対しても十分耐えることができる。
【0035】
一方、トンネル施工後に掘削機本体を再利用すべく、掘進到達位置の立坑内における掘削機主部1aの分解に当たっては、各ブロックの補助ブロック30−31,31−31間において、ボルト33を緩めて接合ブロック32の主ブロック32A及び副ブロック32Bを補助ブロック30,31から取り外すことで、各ブロックを分解することができる。
【0036】
尚、図示例では、Bリング1bとCリング1cとの間の分割構造を説明したが、Aリング1aとBリング1bとの間の分割構造及びそれらの円周方向の分割構造並びにCリング1cとDリング1dとの間の分割構造及びDリング1dの円周方向の分割構造はもともと開先が浅く溶接が簡単で済むので、従前通りの分割構造で良いが、Bリング1bとCリング1cとの間の分割構造及びCリング1cの円周方向の分割構造のように構成しても良い。尚、Aリング1aとBリング1bはフランジ結合部も存在するので開先が浅くてもよいのである。
【0037】
また、Bリング1bとCリング1cとの間の分割構造及びCリング1cの円周方向の分割構造は前述した図示例に限らず、図5の(a)や図5の(b)に示すような構造でも良い。即ち、前述した接合ブロック32における副ブロック32Bを廃止して、補助ブロック30(31)と補助ブロック31を突き合わせたり(図5の(a)の場合)、補助ブロック30(31)と補助ブロック31とで接合ブロック32の中央部を挟持させたり(図5の(b)の場合)しても良いのである。
【0038】
このようにして本実施例によれば、立坑等における現地での掘削機本体(掘削機主部1a)の組立・分解にあたっては、溶接すること無しで、ボルト33の締付け作業のみで組み立てることができると共に、溶接部を切断すること無しで、ボルト33の緩め作業のみで分解することができ、迅速かつ容易に行える。
【0039】
尚、本発明は上記実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、ボルトの本数や引掛り部30a,31a,32bの形状変更等各種変更が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係るトンネル掘削機は、土圧式シールド掘削機に限らず、泥土圧式シールド掘削機、泥水式シールド掘削機、機械式シールド掘削機やトンネルボーリングマシーン(TBM)等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 掘削機主部
1a Aリング
1b Bリング
1c Cリング
1d Dリング
2 掘削機副部
3 隔壁
4 カッタヘッド
5 カッタスポーク
6 カッタビット
7 ディスクカッタ
8 油圧ジャッキ
9 コピーカッタ
10 リングギア
11 カッタ旋回モータ
12 駆動ギア
13 ロータリジョイント
14 リング状補強部
15 中折れジャッキ
16 スクリューコンベア
17 チャンバ室
18 ジャッキ
19 ゲート
20 主推進ジャッキ
22 副推進ジャッキ
23 テールシール
24 架台
25 エレクタ
26 セグメントアジャスタ
30,31 補助ブロック
30a,31a 引掛り部
32 接合ブロック
32a 引掛り部
32A 主ブロック
32B 副ブロック
33 ボルト
34 盲栓
S セグメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削機本体が複数のブロックに分割形成されたトンネル掘削機において、
前記各ブロックの接合面に予め溶接されて接離方向への凹状又は凸状の引掛り部を有した補助ブロックと、
前記接合される補助ブロック間に跨って設けられ前記凹状又は凸状の引掛り部に係合する凸状又は凹状の引掛り部を有した接合ブロックと、
前記補助ブロックと接合ブロックの合せ面相互を結合する複数本のボルトと、
を備えたことを特徴とするトンネル掘削機の分割構造。
【請求項2】
前記接合ブロックは、前記凹状又は凸状の引掛り部を有する主ブロックと、前記補助ブロック間に跨り前記主ブロックとの間で補助ブロックを挟持すべく主ブロックにボルト結合される副ブロックとからなることを特徴とする請求項1に記載のトンネル掘削機の分割構造。
【請求項3】
前記接合ブロックは、補助ブロックの長手方向に複数個のピースに分割形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル掘削機の分割構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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