説明

ドアホンシステム

【課題】本発明は、屋内機の利便性を向上させると共に、当該屋内機を介してユーザが、スムーズな動画像を見ながら屋外機付近に存する訪問者と対話を行うことができる、ドアホンシステムを提供する。
【解決手段】本発明に係るドアホンシステム100は、屋外機30、屋内機20および中継機10を備えている。屋外機30は、屋外に設置されている。屋内機20は、表示部および通話部を備えている。また屋内機20は、屋内に設置されており、持ち運び可能である。中継機10は、屋内に設置されており、屋外機30と屋内機20との通信を中継する。また、中継機10は、屋内機20との間で、無線LAN通信を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ドアホンシステムに係る発明である。
【背景技術】
【0002】
従来より、訪問者が訪問したことを知る手段として使用されるドアホンシステムが活用されている。当該ドアホンシステムでは、屋外子機、屋内子機、および中継親機とで構成されており、屋外子機−中継親機間、および中継親機−屋内子機間とは有線で接続されている。
【0003】
当該ドアホンシステムにおいて、訪問者が屋外子機を用いてチャイムを鳴らすと、これを認識した屋内のユーザは、中継親機または屋内子機を介して訪問者と通話を行う。このとき、中継親機を介して訪問者と通話を行う場合には、ユーザは訪問者の映像を見ながら通話をすることもできる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、屋内子機と中継親機とが有線で接続されており、当該屋内子機が固定位置に設置されている上記構成では、屋内子機の利便性が欠けるという問題が発生する。
【0005】
また、従来では、中継親機には表示部および通話部が備えられており、中継親機を介してユーザは、屋外子機付近に存する訪問者の映像を見ながら対話ができた。最近では、屋内子機を介して、屋外子機付近に存する訪問者のスムーズな動画像を見ながら対話を行いたい、という要望が出てきている。
【0006】
そこで、本発明は、屋内機の利便性を向上させると共に、当該屋内機を介してユーザが、スムーズな動画像を見ながら屋外機付近に存する訪問者と対話を行うことができる、ドアホンシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載のドアホンシステムは、屋外に設置されている屋外機と、前記屋外機から送信される映像を表示する第1の表示部と、前記屋外機との通話を行うことができる第1の通話部とを備えており、屋内に設置されており、持ち運び可能な屋内機と、前記屋内に設置されており、前記屋外機と前記屋内機との通信を中継する中継機とを、備えており、前記中継機は、前記屋内機との間で、無線LAN通信を行う。
【0008】
また、本発明に係る請求項2に記載のドアホンシステムは、請求項1に記載のドアホンシステであって、前記中継機は、少なくとも前記屋外機から送信される前記映像を記憶することができる、記録部を備えている。
【0009】
また、本発明に係る請求項3に記載のドアホンシステムは、請求項1に記載のドアホンシステであって、前記中継機は、少なくとも前記屋外機から送信される前記映像を記憶することができ、外部部材である記録部と、着脱自在の記録部取り付け部を、備えている。
【0010】
また、本発明に係る請求項4に記載のドアホンシステムは、請求項1に記載のドアホンシステであって、前記中継機は、前記屋内機との間での通信が通信可能状態であるか否かを判断することができる判断部と、前記屋内機との間での通信が通信不可能状態である場合には、当該通信不可能状態であることを示す通知部とを、備えている。
【0011】
また、本発明に係る請求項5に記載のドアホンシステムは、請求項4に記載のドアホンシステであって、前記中継機は、前記屋外機との通話が可能な第2の通話部を、さらに備えている。
【0012】
また、本発明に係る請求項6に記載のドアホンシステムは、請求項5に記載のドアホンシステであって、前記中継機は、前記屋外機から送信される前記映像を表示することができる第2の表示部を、さらに備えている。
【0013】
また、本発明に係る請求項7に記載のドアホンシステムは、請求項1に記載のドアホンシステであって、前記中継機は、ルータ機能を有している。
【0014】
また、本発明に係る請求項8に記載のドアホンシステムは、請求項1に記載のドアホンシステであって、前記中継機は、少なくと2以上配設されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1に記載のドアホンシステムは、表示部と通信部とを備え、持ち運び可能な屋内機と、屋外機と屋内機との通信を中継する中継機とを、備えている。また、中継機は、屋内機との間で無線LAN通信を行う。
【0016】
したがって、持ち運び可能となることにより屋内機の利便性が向上する。さらに、高速データ伝送が可能な無線LANでの通信により、中継機と屋内機とが接続される。したがって、ユーザは、屋内機を用いて、屋外機で撮像された映像を表示部においてスムーズな動画として視認しながら、屋外機付近に存する訪問者と対話ができる。
【0017】
また、本発明の請求項2,3に記載のドアホンシステムは、中継機は、屋外機から送信される映像を記憶することができる記録部を備えている。または、中継機は、外部部材である記録部と、着脱自在の記録部取り付け部を備えている。
【0018】
したがって、中継機において、屋外機で撮像された重要な映像の記録が可能となる。換言すれば、中継機が記憶部を有すれば、携帯型の屋内機は記憶部を有する必要がなくなるので、屋内機の小型化が可能となる。
【0019】
また、本発明の請求項4に記載のドアホンシステムは、中継機は、屋内機との間での通信が通信可能状態であるか否かを判断することができる判断部と、屋内機との間での通信が通信不可能状態である場合には、当該通信不可能状態であることを示す通知部とを、備えている。
【0020】
ユーザは当該通知部を確認することにより、屋内機を用いて所定の通信が行えるか否かを容易に判断できる。
【0021】
また、本発明の請求項5,6に記載のドアホンシステムは、中継機は、屋外機との通話が可能な通話部、屋外機から送信される映像を表示することができる表示部を、さらに備えている。
【0022】
したがって、屋内機を用いた通信が不可能な場合に、ユーザは、中継機を用いて、当該屋外機付近に存する訪問者と通話を行うことができる。また、中継機は表示部も備えているので、当該中継機を介して、屋外機が撮像した映像を見ながらユーザは、訪問者と対話を行うことができる。
【0023】
また、本発明の請求項7に記載のドアホンシステムでは、中継機は、ルータ機能を有している。したがって、ドアホンシステムに属する各通信モジュール(中継機、屋外機、屋内機)と外部ネットワークとの接続が可能となる。
【0024】
また、本発明の請求項8に記載のドアホンシステムでは、中継機は、少なくと2以上配設されている。したがって、当該ドアホンシステム内における通信可能距離を拡張することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0026】
<実施の形態1>
本実施の形態に係るドアホンシステムの構成を図1に示す。本実施の形態に係るドアホンシステム100は、中継機10が無線LANアクセスポイントとして機能し、中継機10と屋内機20との間を無線LANにて通信することが特徴である。以下、当該ドアホンシステム100を詳細に説明する。
【0027】
図1に示すように、ドアホンシステム100は、中継機10、屋内機20、屋外機30から構成されている。
【0028】
屋内機20は、家屋内に設置される、携帯型の通信モジュールである。また屋内機20は、後述する屋外機30との間で動画映像データ(以下、単に映像データと称する)および/または音声データの送受信を行うことができる。
【0029】
当該屋内機20は、後述する玄関機30a付近に存する訪問者との通信・通話の目的、および玄関機30aや屋外監視カメラ30bから送信された映像を視認する目的のために使用される。したがって、屋内機20には、図1には図示していないが、屋外機30から送信される映像を表示する表示部(第1の表示部と把握できる)と、屋外機30との通話を行うことができる通話部(音声入力部であり、第1の通話部と把握できる)が配設されている。
【0030】
上述のように、屋内機20の表示部には、屋外監視カメラ30bや玄関機30aで撮影された映像が、動画として表示される。また、屋内機20の通話部を介して、玄関機30a付近に存する訪問者と対話ができる。
【0031】
なお、各屋内機20の数は、図1に示された数に限定する趣旨は無く、図1に示されている数以上配設されていても良い。
【0032】
屋外機30は、家屋外に設置される通信モジュールである。当該屋外機30として、たとえば玄関機30aや屋外監視カメラ30b等がある。
【0033】
玄関機30aは、通常玄関付近に設置されており、チャイム機能を有する。また、当該玄関機30aにはカメラ(図示せず)が内蔵されており、訪問者を撮影することができる。当該撮影された映像は中継機10へと送信される。
【0034】
また、玄関機30aには通話部(音声入出力部、図示せず)が配設されている。したがって、当該玄関機30aを用いることにより、訪問者は、携帯型の屋内機20(または、中継機10が通話部を有する場合には、固定型の中継機10)を使用する屋内のユーザと、通話を行うことができる。ここで、当該玄関機30aにはカメラ(図示せず)が内蔵されており、屋内機10等には表示部が備えられているので、ユーザ側では上記の通り、訪問者を視認しながら通話ができる。
【0035】
また、屋外監視カメラ30bは、家屋外の所定の場所の映像を撮影することができる。当該撮影された映像は、中継機10へと送信される。
【0036】
なお、各屋外機30の数は、図1に示された数に限定する趣旨は無く、図1に示されている数以上配設されていても良い。
【0037】
中継機10は、家屋内に固定的に設置されており、屋内機20と屋外機30との通信の中継、および屋内機20同士の通信の中継を行う装置(通信モジュール)である。また、当該固定型の中継機10は、コンセント等から常時電力の供給を受けている。
【0038】
また、本実施の形態では中継機10は、無線LANアクセスポイントとして機能する。そして、中継機10と屋内機20と間での通信は、無線LANで行われる。したがって、たとえば、屋内機20−中継機10−屋外機30間の通信において、少なくとも屋内機20と中継機10との間では無線LAN通信が行われる。また、屋内機20同士で通信を行う場合には、中継機10を介した無線LANでの通信となる。
【0039】
なお、図1では、中継機10と玄関機30aとの接続は有線(たとえば2線式)であるが、無線で接続しても良い。また、図1では、中継機10と屋外監視カメラ30bとの接続は無線であるが、有線で接続しても良い。つまり、中継機10と屋内機20との間の通信は、無線LAN通信であるが、中継機10と屋外機30との通信・接続は、任意に選ぶことできる。
【0040】
当該無線・有線の別や無線プロトコルの別は、コストパフォーマンス(通信モジュールの機能、工事費等)に応じて適宜変更される。たとえば、既存に設置されている2線式設備を有効に使用する場合には、屋外機30と中継機10との間だの接続は、有線となる。さらに、屋内外間において電波での通信に問題が生じる場合、屋外機30の装置の単純化が要請されている場合には、有線で接続することが選択できる。これに対して、配線等のインフラ工事が困難な場合等には、無線を選択できる。また、屋外機30と中継機10との間で頻繁に伝送されるデータの種類、設備コスト等に応じて、適切な通信プロトコルを選択することができる。
【0041】
上記構成を採用することにより、本実施の形態に係るドアホンシステムは以下のように動作する。
【0042】
訪問者が訪問してくる様子を屋外監視カメラ30bで撮像する。すると、当該屋外監視カメラ30bは、撮像した動画像を映像データとして中継機10に送信する。中継機10は、無線LAN通信にて受信した当該映像データを、携帯型の屋内機20に送信する。これにより、屋内に居るユーザは、屋内機20の表示部(第1の表示部と把握できる)で屋外監視カメラ30bで撮像した動画像を視認できる。
【0043】
また、訪問者が玄関機30aのチャイムを押すと、中継機10を介して、無線LAN通信にて、訪問の旨が携帯型の屋内機20に通知される。
【0044】
その後、屋内機20の通話部(第1の通話部と把握できる)を介してユーザは、玄関機30a付近に存する訪問者と対話ができる。具体的に、玄関機30aが撮像した訪問者の動画映像および訪問者の音声は、映像データおよび音声データとして、中継機10に送信される。そして、中継機10は、当該映像データ等を無線LAN通信にて屋内機20に伝送する。これにより、屋内機20の通話部から訪問者の音声が出力され、屋内機20の表示部に訪問者の動画像が表示される。また、屋内機20の通知部から入力されたユーザの音声は、音声データとして、無線LAN通信にて中継機10に伝送され、中継機10から玄関機30aに伝送される。これにより、玄関機30aの通話部からユーザの音声が出力される。
【0045】
また、携帯型の屋内機20間で通信を行う場合には、上記の通り、中継機10を介して無線LAN通信にて当該通信が行われる。つまり、中継機を介して無線LAN通信にて音声データが送受信されることにより、一方の屋内機20を操作するユーザと、他方の屋内機20を操作する他のユーザとの間で対話ができる。
【0046】
以上のように、本実施の形態に係るドアホンシステム100では、屋内機20は持ち運び可能である。したがって、当該屋内機20の利便性を向上させることができる。
【0047】
また、当該ドアホンシステム100では、中継機10は、無線LANアクセスポイントとして機能し、中継機10と屋内機20との間の通信は、高速データ伝送が可能な無線LAN通信である。
【0048】
したがって、屋内機20が有する表示部において、屋外機30で撮像された動画像をスムーズに表示させることができ、当該スムーズな動画を見ながらユーザは、屋内機20を介して、玄関機30a付近に存する訪問者と通話を行うことができる。
【0049】
つまり、たとえば、中継機と屋内機とが伝送速度の遅い(4.8〜10kbps)特定小電力無線にて接続されていた場合、屋外機30で撮像された動画像は、屋内機20の表示部では、細切れに表示される。これは、中継機−屋内機間の伝送速度が遅いからである。
【0050】
そこで、本実施の形態に係るドアホンシステム100では、中継機10と屋内機20とは、伝送速度の速い無線LAN(100Mbps程度)にて接続されている。したがって、屋外機30で撮像された映像を、屋内機20の表示部において、スムーズな動画像として再生(表示)することができる。
【0051】
また、本実施の形態では、上記通り、屋内機20が表示部を有している場合には、当該表示部にて、スムーズの動画の再生および訪問者との音声による対話ができる。そして、当該屋内機20は、持ち運び可能な携帯型である。つまり、屋外機30との通信・通話は、屋内機20があれば事足りる。
【0052】
したがって、ユーザは中継機10を用いて、屋外機30と通信・通話する必要がなくなる(換言すれば、中継機10は表示や通話部を備える必要が無くなる)。これにより、中継機10は、目立つ場所に設置する必要がなくなり、たとえば室内の隠れた場所に設置することができる。
【0053】
<他の実施の形態>
本実施の形態に係るドアホンシステムは、無線LANアクセスポイントとして機能する中継機10に他の機能を付加したことを特徴とする。
【0054】
たとえば、中継機10は、記録部を備えていても良い。当該記録部には、玄関機30a、屋外監視カメラ30bで撮像され、伝送されてきた映像データが記録される。なお、当該記録部に、屋内機20と玄関機30aとの間で送受信される音声データを記録するようにしても良い。
【0055】
また、中継機10に記録部を内蔵する形態でなく、中継機10は、記録部取り付け部を備えていても良い。当該記録部取り付け部には、外部部材である記録部が着脱自在に装着(または挿入)される。なお、当該外付けの記録部には、上記と同様に、玄関機30a、屋外監視カメラ30bで撮像された映像データや、屋内機20と玄関機30aとの間で送受信される音声データが記録される。
【0056】
このように、中継機10が記録部または記録部取り付け部を有する構成を採用することにより、中継機10において重要な映像データや音声データの記録が可能となる。換言すれば、当該中継機10が記憶部を有すれば、携帯型の屋内機20は記憶部を有する必要がなくなるので、屋内機20の小型化が可能となる。
【0057】
また、携帯型の屋内機20に記録部を持たせる構成も考えられる。しかし、当該構成を採用した場合、携帯型の屋内機20は通常バッテリーで動作するので、バッテリー切れ等により貴重なデータが保存できなる可能性がある。他方、中継機10は、固定設置とし、常時コンセント等から電源が供給されるようにすることができる。したがって、上記のように当該中継機10に記憶部等を設けることにより、映像データ等の貴重なデータをいつでも、当該中継機10において記憶することができる。
【0058】
また、中継機10は、判断部および通知部を備えていても良い。ここで、判断部では、常時または定期的に、屋内機20との間での通信が通信可能状態か否かを判断する。また、通知部は、屋内機20との間での通信が通信不可能状態である場合に、その旨を通知する。
【0059】
たとえば、屋内機20のバッテリーが消耗している場合または屋内機20と中継機10との間における無線LAN通信が外部ノイズにより正常に行え無い場合には、中継機10内の判断部は、屋内機20との間での通信が不可能であると判断する。そして、判断部が当該通信不可能状態を判断した場合には、通知部が当該判断結果を外部に通知する。ここで、当該通知の方法として、光の点灯(または点滅)、音声による通知、表示部における文字通知等が採用できる。
【0060】
このように、中継機10は、屋内機20との無線LAN通信が可能か否かを判断し、不可能な場合には通知部を動作させている。したがって、ユーザは当該通知部を確認することにより、屋内機20を用いて所定の通信が行えるか否かを容易に判断できる。
【0061】
また、実施の形態1での説明と異なるが、中継機10は、屋外機30(具体的に玄関機30a)との通話が可能な通話部(第2の通話部と把握できる)、および屋外機30(玄関機30a、屋外監視カメラ30b)が撮像した画像を表示することができる表示部(第2の表示部と把握できる)を備えていても良い。
【0062】
このように、中継機10が通話部や表示部を備えることにより、たとえば上記のように通知部が、中継機10と屋内機20との無線LAN通信が不可能状態であることを通知した場合に、ユーザはこのことを認識し、当該中継機10を用いて、訪問者との対話および屋外の様子の監視等を行うことができる(つまり、ユーザは、中継機10を用いた所定の通信を行うことができる)。
【0063】
また、無線LANアクセスポイントとして機能する中継機10は、ブリッジ(スイッチングハブ)として機能させることもできる。つまり、所定の通信モジュール(屋内機20または屋外機30)から送られてきた映像データや音声データを解析して、あて先を検出し、他の通信モジュールにのみ当該各データを送信するように、当該中継機10を構成しても良い。ここで、ブリッジ(スイッチングハブ)の機能・定義は、周知なので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0064】
これとは別に、当該中継機10は、ルータとして機能させることもできる。具体的に、当該中継機10は、図1に示されているドアホンシステム100と異なる他の外部ネットワークとの接続を可能とする。また、中継機10は、異なるネットワーク間における優先経路を決定するルーティングを行うことができる。また、中継機10は、外部からのウィルスを含む信号を内部ネットワークに侵入することを防止する機能を有していても良い。なお、ルータの機能・定義は、周知なので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0065】
このように、中継機10がルータの機能を有することより、図1に示すドアホンシステム100が形成されているネットワークと異なる他の外部ネットワークとの接続が可能となる。たとえば、外出先から携帯電話機を用いて中継機10にアクセスを行うことにより、携帯電話機を用いて中継機10はもちろん、屋外機30や屋内機20とも通信を行うことができる。
【0066】
なお、上記各実施の形態では、一のドアホンシステム100には、中継機10は一つのみ配設されていた。しかし、図2示すように、一のドアホンシステム200に、複数(図2では2つの場合を図示している)の中継機10を配設されても良い。ここで、図2で各通信モジュール10,20,30間は、それぞれ無線LAN(点線にて図示)で接続されている。図2の構成を採用する場合、各屋内機20、各屋外機30は、当該中継機10に設定される内容に応じて、任意の中継機10を介した通信を行うことができる。
【0067】
たとえば、自機に最も近い位置に設置されている中継機10A,10Bを中継装置として利用しても良い。具体例として、屋内機20Aと屋外監視カメラ30bとの通信の場合、屋外監視カメラ30bは、当該屋外監視カメラ30bの設置位置に最も近い場所に設置されている中継機10Bに、アクセスする。他方、屋内機20Aは、当該屋内機20Aの設置位置に最も近い場所に設置されている中継機10Aに、アクセスする。なお、屋内機20Aと屋外監視カメラ30bとの通信を可能とするために、中継機10A−中継機10B間での通信も行われる。
【0068】
上記のように、一のドアホンシステム200に、少なくと2以上の中継機10A,10Bを配設することにより、当該ドアホンシステム200における通信モジュール20,30間の通信距離を飛躍的に向上させることができる。つまり、ドアホンシステム200内における通信可能距離を拡張することができる。
【0069】
なお、図2の説明では、中継機10A−中継機10B間の接続は無線であった。しかし、中継機10A,10Bは固定型であるので、有線で接続しても良い。
【0070】
また、上記各実施の形態において、屋内機20は、屋内に設置されている(置かれている)。当該屋内機20は、屋内で使用されることはもちろん、中継機10との無線LAN通信が可能な範囲内であれば、屋内機20は屋外で使用することもできる。たとえば、当該屋内機20を用いて屋外からユーザは、玄関機30a付近に存する訪問者の動画像を視認しながら、当該訪問者の応対を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】ドアホンシステムの構成を示す図である。
【図2】複数の中継機を含むドアホンシステムの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0072】
10,10A,10B 中継機
20,20A,20B 屋内機
30 屋外機
30a 玄関機
30b 屋外監視カメラ
100,200 ドアホンシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外に設置されている屋外機と、
前記屋外機から送信される映像を表示する第1の表示部と、前記屋外機との通話を行うことができる第1の通話部とを備えており、屋内に設置されており、持ち運び可能な屋内機と、
前記屋内に設置されており、前記屋外機と前記屋内機との通信を中継する中継機とを、備えており、
前記中継機は、
前記屋内機との間で、無線LAN通信を行う、
ことを特徴とするドアホンシステム。
【請求項2】
前記中継機は、
少なくとも前記屋外機から送信される前記映像を記憶することができる、記録部を備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載のドアホンシステム。
【請求項3】
前記中継機は、
少なくとも前記屋外機から送信される前記映像を記憶することができ、外部部材である記録部と、着脱自在の記録部取り付け部を、備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載のドアホンシステム。
【請求項4】
前記中継機は、
前記屋内機との間での通信が通信可能状態であるか否かを判断することができる判断部と、
前記屋内機との間での通信が通信不可能状態である場合には、当該通信不可能状態であることを示す通知部とを、備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載のドアホンシステム。
【請求項5】
前記中継機は、
前記屋外機との通話が可能な第2の通話部を、さらに備えている、
ことを特徴とする請求項4に記載のドアホンシステム。
【請求項6】
前記中継機は、
前記屋外機から送信される前記映像を表示することができる第2の表示部を、さらに備えている、
ことを特徴とする請求項5に記載のドアホンシステム。
【請求項7】
前記中継機は、
ルータ機能を有している、
ことを特徴とする請求項1に記載のドアホンシステム。
【請求項8】
前記中継機は、
少なくと2以上配設されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のドアホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−124691(P2008−124691A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−305004(P2006−305004)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】