説明

ドアホンシステム

【課題】本発明は、屋内で発生した異常を屋外に通知するシステムを低コストで導入することができる技術を提供する。
【解決手段】本発明は、家屋内外間における屋内外通信を可能とするドアホンシステムであって、センサー部40、中継機30および室外機10を有する。センサー40は、家屋100内に設置される。中継機30は、センサー40から送信される検出信号の内容に応じて、ライト制御信号を出力する。室外機10は、家屋100外に設置される。また、室外機10は、室内機20との屋内外通信を行うための通信部と、ライト制御信号に応じて光の点灯を行うライト部4とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ドアホンシステムに係る発明であり、特に、屋内で発生した異常を屋外に通知することができるドアホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、屋内で発生した異常を屋外に通知するホームセキュリティシステムが存在する。
【0003】
当該ホームセキュリティシステムでは、たとえば、屋内で異常が発生し、ユーザが所定のボタンを押す。そうすると、屋外に設置された異常通知装置により、異常が屋内で発生していることが屋外に通知される。
【0004】
なお、住宅に導入されるセキュリティシステムに関する技術の一例として、たとえば特許文献1が存在する。
【0005】
【特許文献1】特開2004−135197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記ホームセキュリティシステムを既存の家屋に導入する場合には、屋外に別途異常通知装置を設置する必要がある。つまり、異常通知装置を設置するために、壁等に配線工事などが必要となる。よって、上記ホームセキュリティシステムの導入には、多大なコストを要するという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、屋内で発生した異常を屋外に通知するシステムを、低コストで導入することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載のドアホンシステムは、家屋内外間における屋内外通信を可能とするドアホンシステムであって、屋内に設置されるセンサーと、前記センサーから送信される検出信号の内容に応じて、ライト制御信号を出力する中継機と、前記屋内に設置された室内機との前記屋内外通信を行うための通信部と、前記ライト制御信号に応じて光の点灯を行うライト部とを有しており、屋外に設置される室外機とを、備えている。
【0009】
また、請求項2に記載のドアホンシステムは、請求項1に記載のドアホンシステムであって、前記中継機は、前記室内機と前記室外機との間における前記屋内外通信も中継することができ、前記中継機と前記室外機との間における、前記ライト制御信号の送受信に使用される第一の周波数帯域は、前記中継機と前記室外機との間における、前記屋内外通信の際に使用される第二の周波数帯域とは、異なる。
【0010】
また、請求項3に記載のドアホンシステムは、請求項1に記載のドアホンシステムであって、前記室内機は、外部からの操作が可能な入力部と、前記入力部が操作されたときに生成される入力信号を送信する入力信号送信部とを、有しており、前記中継機は、前記室内機から送信される前記入力信号に応じて、前記ライト制御信号を出力することができる。
【0011】
また、請求項4に記載のドアホンシステムは、請求項3に記載のドアホンシステムであって、前記室外機は、音声出力部を、有しており、前記入力信号が操作されたとき、前記室外機は、前記光の点灯と共に、所定の音声を前記音声出力部より出力する。
【0012】
また、請求項5に記載のドアホンシステムは、請求項1に記載のドアホンシステムであって、前記室内機は、複数であり、前記検出信号を受信した前記中継機は、各前記室内機に対して、前記センサーの検出結果の内容および前記検出信号を送信した前記センサーの設置場所を通知し、前記各室内機は、前記センサーの検出結果の内容および前記センサーの設置場所を出力する。
【0013】
また、請求項6に記載のドアホンシステムは、請求項1に記載のドアホンシステムであって、前記中継機は、前記ライト制御信号を送信する前に、前記室外機の電源をON状態にする。
【0014】
また、請求項7に記載のドアホンシステムは、請求項1に記載のドアホンシステムであって、前記室内機は、解除操作部を有しており、前記解除操作部が操作されたときには、前記中継機は、前記室外機に対して、ライト点灯解除信号を送信する。
【0015】
また、請求項8に記載のドアホンシステムは、請求項7に記載のドアホンシステムであって、前記解除操作部が操作されたときには、前記中継機は、前記室外機に対して、前記ライト点灯解除信号を送信した後、前記室外機の電源をOFF状態にする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1に記載のドアホンシステムは、家屋内外間における屋内外通信を可能とするドアホンシステムであって、屋内に設置されるセンサーと、センサーから送信される検出信号の内容に応じて、ライト制御信号を出力する中継機と、屋内に設置された室内機との屋内外通信を行うための通信部と、ライト制御信号に応じて光の点灯を行うライト部とを有しており、屋外に設置される室外機とを、備えている。
【0017】
したがって、セキュリティ機能の導入に伴い既存のドアホンシステムを利用できるので、壁等への新たな配線工事等を省略できる。つまり、屋内で発生した異常を屋外に通知するシステムを、低コストで導入することができる。
【0018】
また、請求項2に記載のドアホンシステムは、中継機は、室内機と室外機との間における屋内外通信も中継することができ、中継機と室外機との間における、ライト制御信号の送受信に使用される第一の周波数帯域は、中継機と室外機との間における、屋内外通信の際に使用される第二の周波数帯域とは、異なる。
【0019】
したがって、たとえば室外機と室内機との間で会話をしている最中(つまり、屋内外通信中)でも、異常を通知するための室外機のライト部の制御が可能となる。換言すれば、ライト部の光点灯制御中においても、室内機と室外機とを用いた屋内外間の会話を行うことができる。
【0020】
また、請求項3に記載のドアホンシステムは、室内機は、外部からの操作が可能な入力部と、入力部が操作されたときに生成される入力信号を送信する入力信号送信部とを、有しており、中継機は、室内機から送信される入力信号に応じて、ライト制御信号を出力することができる。
【0021】
したがって、家屋内に存するユーザに対して緊急事態が発生したとしても、ユーザは当該入力部の操作を行うだけで、屋外に存する室外機を通して、当該緊急事態を屋外の通行人または隣人等に通知することができる。
【0022】
また、請求項4に記載のドアホンシステムは、室外機は、音声出力部を、有しており、入力信号が操作されたとき、室外機は、光の点灯と共に、所定の音声を音声出力部より出力する。
【0023】
したがって、家屋外に存する通行人または隣人等に、家屋内で緊急事態が発生したことをより明確に通知することができる。
【0024】
また、請求項5に記載のドアホンシステムは、室内機は複数であり、検出信号を受信した中継機は、各室内機に対して、センサーの検出結果の内容および検出信号を送信したセンサーの設置場所を通知し、各室内機は、センサーの検出結果の内容およびセンサーの設置場所を出力する。
【0025】
したがって、異常が発生した場所と異なる場所に存するユーザは、家屋内における異常発生場所と、発生した異常の種類とを、早急にかつ明確に認識することができる。よって、ユーザは、当該異常に対して早急に対処することができる。
【0026】
また、請求項6に記載のドアホンシステムは、中継機は、ライト制御信号を送信する前に、室外機の電源をON状態にする。
【0027】
したがって、室外機の待機電力の削減を図ることができる。
【0028】
また、請求項7に記載のドアホンシステムは、室内機は、解除操作部を有しており、解除操作部が操作されたときには、中継機は、室外機に対して、ライト点灯解除信号を送信する。
【0029】
したがって、異常・緊急事態が解消された後に、ユーザはライト部の点灯を解除できる。
【0030】
また、請求項8に記載のドアホンシステムは、解除操作部が操作されたときには、中継機は、室外機に対して、ライト点灯解除信号を送信した後、室外機の電源をOFF状態にする。
【0031】
したがって、ライト部の消灯後においても、室外機の待機電力の削減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0033】
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態に係るドアホンシステムの構成を示す概略図である。
【0034】
ドアホンシステム200は、室外機10、室内機20、中継機30、およびセンサー40により構成されている。室外機10は、家屋100外に設置される。また、室内機20、中継機30およびセンサー40は、家屋内100内に設置される。ドアホンシステム200では、室外機10および室内機20を用いて、家屋100内外間における音声・映像通信等の屋内外通信を行うことができる。つまり、室外機10および室内機20は、共に通信部を有しており、当該通信部を介して、両機10,20間において、映像・音声の相互通信(屋内外通信)が実施される。
【0035】
さらに、本発明に係るドアホンシステム200は、家屋100内で発生した異常を、家屋100外に通知することができるセキュリティ機能も有している。
【0036】
室外機10の外観を図2に示す。
【0037】
室外機10は、室内機20との間において、音声・映像通信等の屋内外通信を行うことができる装置である。具体的に、室外機10と室内機20との間では、音声信号の送受信および映像信号の送受信が行われる。室外機10は、図2に示すように、呼び出しボタン1、カメラ2、音声入出力部3およびライト部4を備えている。
【0038】
呼び出しボタン1は、来客者が家屋100内に訪問を知らせるときに、使用される。当該読み出しボタン1が入力されると、呼び出し信号が室外機10から室内機20に向けて送信される。そして、当該呼び出し信号を受信した室内機20からは、呼び出し音が出力される。カメラ2は、来客者を撮像することができる装置である。当該カメラ2で撮像した映像信号は、室内機20に向けて送信される。音声入出力部3は、来客者の音声を受信することができ、また室内機20からの音声を出力することができる。ライト部4は、フラッシュライト等であり、後述するライト制御信号に応じて光(フラッシュ光)の点灯を行う。
【0039】
なお、図2では図示していないが、室外機10は、室内機20で撮像された映像を表示することができる表示部を備えていても良い。
【0040】
室内機20の外観を図3に示す。
【0041】
室内機20は、上記の通り室外機10との間で、音声・映像通信等の屋内外通信を行うことができる装置である。したがって、当該室内機20は、図3に示すように、室外機10との通話の際に用いられる音声入出力部21を備えている。また、室内機20は、室外機10のカメラ2で撮像された映像を表示する表示部22も備えている。なお、図3では図示を省略しているが、室内機20は、室内の様子を撮像するカメラを備えていても良い。たとえば上記の通り、当該カメラで撮像された映像は、室外機10で表示させることができる。
【0042】
なお、室内機20は1台に限らず、複数台存在しても良い。また、室内機20は、所定の箇所に設置・固定する固定タイプであっても、持ち運び可能なハンディタイプであっても良い。
【0043】
中継機30は、室外機10と室内機20との間における、音声・映像通信等の上記屋内外通信を中継する装置である。また、中継機30は、センサー40と室外機10との間における通信も中継する。また、室内機20が複数存在する場合には、室内機20間の通信も中継することができる。さらに、本実施の形態に係る中継機30は、センサー40から送信される検出信号の内容に応じて、ライト制御信号を生成・出力することができる。ここで、ライト制御信号は、室外機10のライト部4の光の点灯を制御するための信号である。
【0044】
なお、中継機30と室外機10との間でライト制御信号の送受信が行われる場合には、中継機30と室外機10との間において、第一の周波数帯域を利用される。これに対して、中継機30で上記屋内外通信が中継される場合には、当該屋内外通信のための映像・音声信号を送受信するために、中継機30と室外機10との間において、第二の周波数帯域を利用される。つまり、中継機30と室外機10との間において、ライト制御信号の送受信のための使用される帯域は、上記屋内外通信の際に使用される帯域とは異なる。なお、第一の周波数帯域としては、上記第二の周波数帯域とは容易に分離できる帯域であり、ノイズ耐性の強い帯域であることが望ましい。
【0045】
センサー40は、家屋100内の異常を検知する装置である。当該センサー40として、人体検知センサー、窓開閉検知センサー、火災検知センサー、およびガス漏れ検知センサー等が採用できる。屋内に設置されたセンサー40が異常を検出すると、当該センサー40は、中継機30に対して検出信号を送信する。
【0046】
なお、室外機10、室内機20、中継機30、およびセンサー40相互間の通信は、有線であっても無線であっても良い。
【0047】
次に、本発明に係るドアホンシステム200の動作について、図1,2,4,5等を用いて説明する。ここで、図4は、ライト点灯制御機能と関連する中継機30内の回路構成を図示したブロック図である。また、図5は、ライト点灯制御機能と関連する室外機10内の回路構成を図示したブロック図である。
【0048】
まず、家屋100内に設置されているセンサー40が異常を検出したとする。すると、センサー40は、当該異常検出信号(以下、単に検出信号と称する)を中継機30に対して送信する。
【0049】
中継機30は、検出信号を信号受信部B31で受信する。すると、信号受信部B31は、受信した信号が検出信号であるか否かを判断する。信号受信部B31が、受信した信号が検出信号であると判断したとする。この場合には、ライト制御信号発生部B32において、ライト制御信号が生成される。
【0050】
次に、帯域合成処理部B34は、上記第一の周波数帯域を用いて上記で生成されたライト制御信号をアナログ信号として送出できるように、当該ライト制御信号に対して信号処理を実施する。なお、上記屋内外通信に係る音声・映像信号を、中継機30が室内機20から受信したとする。この場合には、音声・映像信号は、音声・映像信号出力処理部B33を介して、帯域合成処理部B34に送信される。帯域合成処理部B34では、上記第二の周波数帯域を用いて当該音声・映像信号をアナログ信号として送出できるように、当該音声・映像信号に対して信号処理を実施する。
【0051】
図6に示すように、第一の周波数帯域と第二の周波数帯域とは、異なる帯域である。ここで、音声信号の送信の際に利用される帯域と、映像信号の送信の際に利用される帯域とは、その信号の特質に鑑みて通常異なる。しかし、上記第一の周波数帯域と区別するために、便宜的に、音声信号の送信の際に利用される帯域も映像信号の送信の際に利用される帯域も、第二の周波数帯域と称する。
【0052】
帯域合成処理部B34で帯域調整されたライト制御信号は、信号送信部B35を介して、室外機10へと送信される。
【0053】
さて、室外機10側では、信号受信部B11において当該ライト制御信号を受信する。すると、フィルターB12では、第一の周波数帯域からライト制御信号を抽出する。当該抽出されたライト制御信号に基づいて、ライト制御部B13は、ライト部4の光の点灯を制御する。
【0054】
なお、室外機10のライト部4が点灯、点滅することにより、家屋100外のたとえば通行人等に、家屋100内で何らかの異常を発生したことを通知できる。
【0055】
以上のように、本実施の形態に係るドアホンシステム200では、通常のドアホン機能だけでなく、家屋100内での異常を家屋100外に通知するセキュリティ機能も有する。
【0056】
つまり、セキュリティ機能の導入に伴い既存のドアホンシステムを利用できるので、壁等への新たな配線工事等を省略できる。つまり、屋内で発生した異常を屋外に通知するシステムを、低コストで導入することができる。
【0057】
また、上記ドアホンシステム200では、中継機30と室外機10との間における、ライト制御信号の送受信に使用される第一の周波数帯域は、中継機30と室外機10との間における、上記屋内外通信の際に使用される第二の周波数帯域とは、異なる。
【0058】
したがって、たとえば室外機10と室内機20との間で会話をしている最中(つまり、屋内外通信中)でも、異常を通知するための室外機10のライト部4の制御が可能となる。換言すれば、ライト部4の光点灯制御中においても、屋内外の会話を行うことができる。
【0059】
<実施の形態2>
本実施の形態に係るドアホンシステム200では、実施の形態1の構成に加えて、室内機20は、図7に示すように、外部からの操作(入力)が可能な入力部23を備えている。当該入力部23は、たとえば家屋100内で緊急事態が発生した場合に、家屋100内に存するユーザによって操作(入力)される。
【0060】
さらに、当該室内機20は、入力信号を送信する入力信号送信部B21を備えている。ここで、前記入力信号は、入力部23が操作(入力)されたときに生成される信号である。当該入力信号送信部B21は、室内機20内に配設されている。したがって、図7では、当該入力信号送信部B21の輪郭を点線で図示している。
【0061】
なお、図7に示すように、室内機20内において、入力部23と入力信号送信部B21とは、配線B22を介して接続されている。
【0062】
次に、本実施の形態に係るドアホンシステム200の動作について説明する。
【0063】
たとえば、家屋100内に存するユーザに急病等の緊急事態が発生したとする。当該場合には、ユーザは、たとえばハンディタイプの室内機20に配設された入力部23を操作(入力)する。すると、入力信号送信部B21は、当該入力部23の操作(入力)を検知する。その後、室内機20は、入力信号送信部B21を介して、上記で説明した入力信号を中継機30に対して送信する。
【0064】
中継機30は、上記入力信号を信号受信部B31で受信する。すると、信号受信部B31は、受信した信号が入力信号であるか否かを判断する。信号受信部B31が、受信した信号が入力信号であると判断したとする。この場合には、ライト制御信号発生部B32において、実施の形態1で説明したライト制御信号が生成される。
【0065】
次に、実施の形態1と同様に、帯域合成処理部B34は、上記第一の周波数帯域を用いて当該生成したライト制御信号をアナログ信号として送出できるように、当該ライト制御信号に対して信号処理を実施する。
【0066】
帯域合成処理部B34で帯域調整されたライト制御信号は、信号送信部B35を介して、室外機10へと送信される。
【0067】
さて、室外機10側では、信号受信部B11において当該ライト制御信号を受信する。すると、フィルターB12では、第一の周波数帯域からライト制御信号を抽出する。当該抽出されたライト制御信号に基づいて、ライト制御部B13は、ライト部4の光の点灯を制御する。室外機10のライト部4が点灯、点滅することにより、家屋100外のたとえば通行人等に、家屋100内で何らかの異常を発生したことを通知できる。
【0068】
なお、上記以外の構成・動作は、実施の形態1で説明した内容と同じである。
【0069】
以上のように、本実施の形態に係るドアホンシステム200では、室内機20がユーザによる外部操作が可能な入力部23を備えている。そして、当該入力部23が操作された場合も、中継機30はライト制御信号を生成し、当該ライト制御信号に基づいて室外機10は光の点灯を行う。
【0070】
したがって、家屋100内に存するユーザに対して緊急事態が発生したとしても、ユーザが入力部23を操作するだけで、室外機10を通して、当該緊急事態を屋外にの通行人または隣人等に通知することができる。
【0071】
なお、中継機30が上記入力信号を受信したときに、当該中継機30は、ライト制御信号を室外機10に対して送信すると共に、音声制御信号を室外機10に対して送信しても良い。当該音声制御信号を受信した室外機10は、音声入出力部3を通して、所定の周期で、所定の音声(たとえば、「助けて!」)を周期的に出力する。当該音声制御信号は、上記第一の周波数帯域を利用して室外機10へ送信される。また、当該所定の音声は、たとえば室外機10に予め設定・記憶されている。
【0072】
また、中継機30が上記入力信号を受信したときに、当該中継機30は、ライト制御信号を室外機10に対して送信すると共に、所定の音声信号を室外機10に対して送信しても良い。ここで、当該所定の音声信号は、予め中継機30に設定・記憶されている。また、当該所定の音声信号は、上記第二の周波数帯域を利用して室外機10へ送信される。当該所定の音声信号を受信した室外機10では、フィルターB12において、第二の周波数帯域から音声信号を抽出する。そして、室外機10の音声入出力部3は、当該抽出された音声信号に基づいて、たとえば「助けて!」等の音声を周期的に出力する。
【0073】
以上のように、本実施の形態では、入力部23に対して操作が施されたときに、室外機10は、光の点灯(点滅)だけでなく、所定の音声も出力できる。したがって、家屋100外に存する通行人または隣人等に、家屋100内で緊急事態が発生したことをより明確に通知することができる。
【0074】
<実施の形態3>
本実施の形態に係るドアホンシステム400では、図8に示すように、複数の室内機20が家屋100内に設置されている。また、複数・複数種類のセンサー40も家屋100内に設置されている。たとえば、図8に示すように、各室内機20および各センサー40は、家屋100の1階、2階に渡って配設されている。
【0075】
各室内機20は、固定タイプであっても持ち運び可能はハンディタイプであっても良い。また、各室内機20は、図3,7若しくは後述する図9に示す構成を有している。各室内機20間では、表示部22および音声入出力部21を用いて、映像を見ながらの通信(会話)が可能である。なお、当該各室内機20間の通信は、中継機30を中継して行われる。ここで、各室内機20と中継機30との間は、有線で接続されていても、無線で接続されていても良い。
【0076】
各センサー40は、実施の形態1で例示した各種センサーである。なお、各センサー40から送信される検出信号は、中継機30に送信される。ここで、各センサー40と中継機30との間は、有線で接続されていても、無線で接続されていても良い。
【0077】
また、本実施の形態では、中継機30は、実施の形態1で説明した動作に加えて次の動作も行う。
【0078】
つまり、実施の形態1で説明したように、センサー40が異常を検出し、検出信号を送信したとする。すると、当該検出信号を受信した中継機30は、各室内機20に対して、センサー40の検出結果の内容および検出信号を送信したセンサー40の設置場所を通知する。
【0079】
たとえば、2階の子供部屋に設置されている火災検知センサー40が、火災が発生したことを検出したとする。この場合、当該火災センサー40は、火災の発生の検出を示す検出信号を、中継機30へ送信する。当該検出信号を受信した中継機30は、当該検出信号がどこのセンサー40からの送信されたものかを判別する。さらに、当該中継機30は、検出信号がどのような異常の検出の結果送信されたものかを判別する。
【0080】
これらの判別の結果、中継機30は、各室内機20に対して、火災の発生の旨(センサー40の検出結果の内容)、および異常の発生場所が2階の子供部屋である旨(検出信号を送信したセンサー40の設置場所)を通知する。
【0081】
すると、各室内機20では、センサーの検出結果の内容およびセンサーの設置場所が出力される。具体的に、各室内機20では、たとえば、表示部22および音声入出力部21を介して、2階の子供部屋で火災が発生した旨が通知(出力)される。
【0082】
なお、上記以外の構成・動作は、実施の形態1で説明した内容と同じである。
【0083】
以上のように、本実施の形態に係るドアホンシステム400では、各室内機20に対して、センサー40が検出した異常の内容および異常を検出したセンサー40の設置場所が通知される。
【0084】
したがって、異常が発生した場所と異なる場所に存するユーザは、異常の発生した場所と、発生した異常の種類(内容)とを、早急にかつ明確に認識することができる。よって、ユーザは、当該異常に対してい早急に対処することができる。
【0085】
<実施の形態4>
本実施の形態に係る室外機10は、当該室外機10が使用されていないときには、電源がOFF状態である構成となっている。
【0086】
実施の形態1でも説明したように、中継機30は、ライト部4の光の点灯を制御するために、室外機10に対してライト制御信号を送信する。本実施の形態では、中継機30は、当該ライト制御信号を送信する前に、電源がOFF状態である室外機10の電源をON状態にする。つまり、中継機30は、室外機10を動作可能状態にした後に、ライト制御信号を送信する。このようにすることにより、室外機10の無駄な通電を実施せずに済む(待機電力の削減を図ることができる)。
【0087】
なお、上記以外の構成・動作は、実施の形態1で説明した内容と同じである。
【0088】
また、室内機20は、図9に示すように、外部からの操作が可能な解除操作部24を備えていても良い。室外機10のライト部4の点灯中に、ユーザが当該解除操作部24を操作する。すると、解除操作部24が操作されたことが、室内機20から中継機30へと送信される。この送信を受けた中継機30は、室外機10に対して、ライト点灯解除信号を送信する。当該ライト点灯解除信号を受信した室外機10では、ライト部4の点灯を停止する。当該構成により、異常・緊急事態が解消された後に、ユーザはライト部4の点灯を解除できる。なお、討議ライト点灯解除信号は、上記第一の周波数帯域を利用して、室外機10へ送信される。
【0089】
ここで、上記解除操作部24が操作されたときには、中継機30は、室外機10に対して、ライト点灯解除信号を送信した後、室外機10の電源をOFF状態にする構成も採用できる。当該構成を採用することにより、ライト部4の消灯後においても、室外機10の無駄な通電をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】実施の形態1に係るドアホンシステムの構成を示す概略図である。
【図2】室外機の外部構成を示す概略図である。
【図3】室内機の外部構成を示す概略図である。
【図4】中継機の概略内部構成を示すブロック図である。
【図5】室外機の概略内部構成を示すブロック図である。
【図6】第一の周波数帯域と第二の周波数帯域を概念的に示した図である。
【図7】室内機の外部構成を示す概略図である。
【図8】実施の形態3に係るドアホンシステムの構成を示す概略図である。
【図9】室内機の外部構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【0091】
3 (室外機側)音声入出力部
4 ライト部
10 室外機
20 室内機
21 (室内機側)音声入出力部
22 表示部
23 入力部
24 解除操作部
30 中継機
40 センサー
100 家屋
200,400 ドアホンシステム
B21 入力信号送信部
B32 ライト制御信号発生部
B34 帯域合成処理部
B12 フィルター
B13 ライト制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家屋内外間における屋内外通信を可能とするドアホンシステムであって、
屋内に設置されるセンサーと、
前記センサーから送信される検出信号の内容に応じて、ライト制御信号を出力する中継機と、
前記屋内に設置された室内機との前記屋内外通信を行うための通信部と、前記ライト制御信号に応じて光の点灯を行うライト部とを有しており、屋外に設置される室外機とを、
備えている、
ことを特徴とするドアホンシステム。
【請求項2】
前記中継機は、
前記室内機と前記室外機との間における前記屋内外通信も中継することができ、
前記中継機と前記室外機との間における、前記ライト制御信号の送受信に使用される第一の周波数帯域は、
前記中継機と前記室外機との間における、前記屋内外通信の際に使用される第二の周波数帯域とは、異なる、
ことを特徴とする請求項1に記載のドアホンシステム。
【請求項3】
前記室内機は、
外部からの操作が可能な入力部と、
前記入力部が操作されたときに生成される入力信号を送信する入力信号送信部とを、
有しており、
前記中継機は、
前記室内機から送信される前記入力信号に応じて、前記ライト制御信号を出力することができる、
ことを特徴とする請求項1に記載のドアホンシステム。
【請求項4】
前記室外機は、
音声出力部を、有しており、
前記入力信号が操作されたとき、前記室外機は、
前記光の点灯と共に、所定の音声を前記音声出力部より出力する、
ことを特徴とする請求項3に記載のドアホンシステム。
【請求項5】
前記室内機は、
複数であり、
前記検出信号を受信した前記中継機は、
各前記室内機に対して、前記センサーの検出結果の内容および前記検出信号を送信した前記センサーの設置場所を通知し、
前記各室内機は、
前記センサーの検出結果の内容および前記センサーの設置場所を出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載のドアホンシステム。
【請求項6】
前記中継機は、
前記ライト制御信号を送信する前に、前記室外機の電源をON状態にする、
ことを特徴とする請求項1に記載のドアホンシステム。
【請求項7】
前記室内機は、
解除操作部を、
有しており、
前記解除操作部が操作されたときには、前記中継機は、
前記室外機に対して、ライト点灯解除信号を送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のドアホンシステム。
【請求項8】
前記解除操作部が操作されたときには、前記中継機は、
前記室外機に対して、前記ライト点灯解除信号を送信した後、前記室外機の電源をOFF状態にする、
ことを特徴とする請求項7に記載のドアホンシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−111673(P2009−111673A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−281474(P2007−281474)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】