説明

ドアミラー

【課題】 ドアミラー生産時にハーネスを組付ける際、コネクタなどの組付部品を取り付けた状態での組み付けを可能とするとともに、車両内への雨水等の浸入を防止することができるドアミラーを提供する。
【解決手段】 ドアミラー1は、ベース部材10とガスケット20を備えている。ベース部材10には、コネクタ40よりも大径のベース壁開口部16が形成されており、ガスケット20には、コネクタ40よりも大径のガスケット開口部22が形成されている。ガスケット本体22には、ベロ部材23が設けられており、ベロ部材23には、ハーネス30と略同径の切欠き部24が形成されている。ベース部材10の一面に形成された開口の側縁にガスケット20を密着させると、ガスケット開口部22がベロ部材23およびハーネス30によって密閉され、雨水等の浸入を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば車両のドアに取り付けられるドアミラーに係り、特に、車両内から電動操作を行うことができる電動ミラーからなるドアミラーに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車に取り付けられるドアミラーとしては、自動車のドアに取り付けられ、ガスケットが嵌め込まれたベース部材と、このベース部材に取り付けられるミラー本体とを有するものがある。また、車両内から電動操作を行うことができる電動ミラーなどでは、ミラー本体の内部に設けられるモータなどと車両内のスイッチなどがハーネスによって電気的に繋がれている。このようなハーネスには、コネクタやハーネスクランプなどの組付部品が取り付けられており、ハーネス同士を繋いだり、ハーネスを所定の位置に固定したりしている。
【0003】
このハーネスは、ベース部材とガスケットとを貫通してミラー本体内のモータなどと車両内のスイッチなどとを接続している。ここで、ハーネスに取り付けられた組付部品は、通常、ハーネスの径より大きい。このため、ドアミラーを組み立てるにあたり、ハーネスに組付部品を取り付ける前段階でハーネスをベース部材およびガスケットに形成された開口部に挿通し、その後、ハーネスに組付部品を取り付けるようにすることにより、ベース部材およびガスケットに形成する開口部を小さくすることができる。
【0004】
しかし、この組み立て手順では、ベース部材およびガスケットにハーネスを挿通させた後に組付部品をハーネスに取り付けなければならず、組み立てに時間が掛かってしまうという問題がある。この問題に対して、実開平3−47837号公報に開示されたドアミラーのハーネス支持構造がある。このハーネスの支持構造では、ドアアウタパネルとの当接端面に設けられているプロテクタのドアミラーハーネスの挿通孔に係止部を設けている。挿通孔は、コネクタよりも太径でコネクタが自在に通る大きさに設定されている。この挿通孔に設けられたプロテクタは、弾性的に湾曲可能な係止部を備えており、各係止部が内側に湾曲したときにコネクタが挿通可能な孔が形成され、まっすぐな状態のときに、小径の孔が形成され、コネクタの逸脱を防止する一方で、ハーネスを挿通させる構造となっている。この構造により、コネクタを取り付けた状態のまま、プロテクタにハーネスを挿通させることができる構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平3−47837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1に開示されたハーネスの支持構造では、係止部がまっすぐとなった状態においても、係止部同士の間に空隙ができてしまい、完全な密封状態を形成することができない。このため、車両の内部に対する水密性を保つことができず、車両内に雨水などが流入する可能性が高くなってしまうという問題があった。
【0007】
そこで、本発明の課題は、ハーネスを組付ける際に、コネクタなどの組付部品を取り付けた状態での組み付けを可能とするとともに、車両内への雨水等の浸入を防止することができるドアミラーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決した本発明に係るドアミラーは、車両のドアに取り付けられるベース部材と、ベース部材に嵌め合わされるガスケットと、ベース部材およびガスケットに挿通されるハーネスと、ハーネスに取り付けられた組付部品と、を備え、ベース部材およびガスケットには、組付部品が挿通可能となる大きさのベース部材開口部およびガスケット開口部がそれぞれ形成され、ガスケットには、ハーネスが挿通することによってガスケット開口部が密閉される密閉構造が形成されているものである。
【0009】
本発明に係るドアミラーにおいては、ベース部材開口部およびガスケット開口部が形成され、これらの開口部は組付部品が挿通可能な大きさとされているため、ハーネスを組付ける際に、組付部品を取り付けた状態での組み付けを可能とする。ここで、ハーネスを挿通させる開口部からの雨水等の浸入が考えられるが、本発明では、ガスケットには、ハーネスが挿通することによってガスケット開口部が密閉される密閉構造が形成されている。この密閉構造が形成されていることにより、車両内への雨水の浸入を防止することができる。
【0010】
ここで、ガスケットには、ガスケット開口部を塞ぐベロ部材が設けられ、ベロ部材には、ハーネスが挿通可能な切欠き部が形成されており、ベロ部材でガスケット開口部を塞ぐとともに、切欠き部にハーネスが挿通して、密閉構造が形成される態様とすることができる。
【0011】
このようなガスケット開口部を塞ぐベロ部材を設けるとともに、ベロ部材にハーネスが挿通可能な切欠き部が形成され、ベロ部材でガスケット開口部を塞ぐとともに切欠き部にハーネスが挿通することで密閉構造が形成されることにより、密閉構造を簡素な構成で形成することができる。
【0012】
また、ベース部材には、ガスケットをベース部材に嵌め合わせる際にベロ部材をガスケット開口部に押し込むリブが設けられている態様とすることもできる。
【0013】
このようなリブが形成されていることにより、ベロ部材をガスケットに嵌め合わせることでベロ部材がガスケット開口部を塞ぐように移動する。したがって、その組付けが容易となる。
【0014】
さらに、ベース部材に、ガスケット開口部に嵌め合わされる突出部が形成され、突出部には、ハーネスが密着する孔部が形成されているとともに、ガスケットには、ベース部材開口部を密封する突起部が形成されている態様とすることもできる。このような態様によっても、密閉構造を容易に形成することができる。なお、本発明において、「密着」とは、完全に密着した状態のほか、密着に近い状態を含む概念である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るドアミラーによれば、ハーネスを組付ける際に、コネクタなどの組付部品を取り付けた状態での組み付けを可能とするとともに、車両内への雨水等の浸入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第一の実施形態に係るドアミラーの要部分解斜視図である。
【図2】第一の実施形態に係るドアミラーの要部斜視図である。
【図3】ガスケットを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のb−b線断面図である。
【図4】第二の実施形態に係るドアミラーの要部分解斜視図である。
【図5】第三の実施形態に係るドアミラーの要部分解斜視図である。
【図6】第三の実施形態に係るドアミラーの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、各実施形態において、同一の部材については極力同一の番号を付し、その詳細な説明は省略することがある。図1は、本発明の第一の実施形態に係るドアミラーの要部分解斜視図、図2はその斜視図、図3はガスケットを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のb−b線断面図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係るドアミラー1は、ベース部材10と、ガスケット20を備えている。ベース部材10は、たとえば樹脂製であり、奥壁部11、側壁部12,13、上壁部14、および底壁部15を備え、一面が開口された箱形をなしている。奥壁部11には、ベース部材開口部となるベース壁開口部16が形成されている。このベース壁開口部16は、コネクタ40よりも大径をなしており、コネクタ40が挿通可能とされている。
【0019】
また、ベース部材10は、図示しない車両におけるドアのアウタパネルに固定されている。さらに、ベース部材10には、ミラー本体が取り付けられている。本実施形態に係るドアミラー1は、いわゆる電動ミラーであり、ベース部材10に取り付けられたミラー本体には、ミラー本体を駆動するモータが設けられている。
【0020】
車両には、ドアミラー1を開閉操作する開閉スイッチが設けられており、開閉スイッチを操作すると、その操作に応じてモータが駆動し、ドアミラー1が開閉動作をする。開閉スイッチとモータとは、ハーネス30を介して電気的に接続されている。ハーネス30の一端には、モータが接続されており、反対側の一端には、組付部品であるコネクタ40が取り付けられている。また、開閉スイッチには他のハーネスおよびコネクタが接続されており、これらのコネクタを互いに接続することにより、ハーネスを介して開閉スイッチとモータとが電気的に接続される。
【0021】
ガスケット20は、たとえばゴム製であり、ベース部材10における奥壁部11の表面と略同形の表面形状の板状をなすガスケット本体21を有している。図2に示すように、このガスケット20がベース部材10の一面に形成された開口の側縁に密着される。また、ガスケット本体21の中央部には、ガスケット開口部22が形成されている。
【0022】
図3にも示すように、ガスケット開口部22は、ガスケット20の中央部分をくり抜かれて形成されており、ガスケット本体21にはベロ部材23が設けられている。ベロ部材23には切欠き部24が形成されている。ベロ部材23は、表面がガスケット開口部22の開口形状から切欠き部24を切り欠いて形成される形状と略同一となる板状をなしている。
【0023】
このベロ部材23における一端辺が、ガスケット本体21におけるガスケット開口部22に接続される接続部25となっている。この接続部25を折り曲げることにより、ベロ部材23がガスケット開口部22を開閉する。切欠き部24は、ハーネス30の径と略同径とされている。ベロ部材23がガスケット開口部22を閉塞した際に、切欠き部24の大きさの開口がガスケット開口部22に形成される。
【0024】
これらのベース部材10およびガスケット20には、ハーネス30が挿通され、ハーネス30の先端部は組付部品であるコネクタ40が取り付けられている。ガスケット20において、ベロ部材23によってガスケット開口部22を閉じた際、切欠き部24にハーネス30が挿通した状態となる。このように、ガスケット開口部22がベロ部材23によって塞がれ、切欠き部24にハーネス30が挿通することにより、ガスケット開口部22が密閉される。
【0025】
以上の構成を有する本実施形態に係るドアミラーの組み立て手順について説明する。本実施形態に係るドアミラー1を組み立てる際には、まず、ベース部材10における奥壁部11に形成されたベース壁開口部16にコネクタ40を通し、ベース壁開口部16にハーネス30を挿通させる。このとき、ベース部材10に形成されたベース壁開口部16は、コネクタ40よりも大径とされているので、ベース壁開口部16に対して、コネクタ40を容易に通すことができる。
【0026】
続いて、ガスケット20におけるガスケット開口部22を開いた状態で、ガスケット開口部22にコネクタ40を通す。ここで、ガスケット開口部22は、コネクタ40よりも大径であるので、コネクタ40をガスケット開口部22に容易に通すことができる。コネクタ40をガスケット開口部22に通したら、ガスケット開口部22をベロ部材23によって閉塞する。このとき、ガスケット開口部22には、ベロ部材23に形成された切欠き部24の大きさの開口が残っており、この切欠き部24の大きさの開口部にハーネス30が挿通された状態となる。
【0027】
それから、ガスケット20をベース部材10の一面に形成された開口の側縁に密着させて、ベース部材10に対するガスケット20の組み付けが完了する。そして、ベース部材10にミラー本体を取り付けるなどしてドアミラーの組み立てが完了する。
【0028】
このように、本実施形態に係るドアミラーにおいては、ベース部材10およびガスケット20に形成されたコネクタ40よりも大径の開口部16,22を通してハーネス30をベース部材10およびガスケット20に挿通させることができる。したがって、コネクタ40を取り付けた状態のままハーネス30の取り付けができるので、ドアミラーを組み立てる時間を短く済ませることができる。
【0029】
また、ガスケット20がベース部材10の一面に形成された開口の側縁に密着していることから、ガスケット20とベース部材10との間からの雨水等の浸入を防止することができる。さらに、ガスケット20のガスケット開口部22には、ハーネス30が挿通することから、このハーネス30の挿通部分の水密性が問題となる。この点、本実施形態に係るドアミラーでは、ガスケット開口部22を塞ぐベロ部材23にハーネス30とほぼ同径の切欠き部24を形成し、ベロ部材23でガスケット開口部22を塞ぐとともに、切欠き部24にハーネス30が挿通して、密閉構造が形成される。このため、ガスケット開口部22からの雨水等の浸入も防止することができる。こうして、ハーネス30を組付ける際に、コネクタ40を取り付けた状態での組み付けを可能とするとともに、ミラー本体への雨水等の浸入を防止することができる。
【0030】
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。
【0031】
図4は、本実施形態に係るドアミラーの分解斜視図である。本実施形態に係るドアミラーにおいては、上記第一の実施形態と比べて、ベース部材およびガスケットの構成およびドアミラーの組付け手順が主に相違する。
【0032】
図4に示すように、本実施形態に係るドアミラー2は、ベース部材50およびガスケット60を備えている。ベース部材50には、上記第一の実施形態と同様の奥壁部51、側壁部52,53、上壁部54、および底壁部55を備えている。また、奥壁部51には、ベース壁開口部56が形成されている。さらに、奥壁部51における内側面であって、ベース壁開口部56の側方位置には、ベース部材50の開口面側に向けて起立するリブ57が設けられている。
【0033】
また、ガスケット60は、上記第一の実施形態と同様、ガスケット本体61を備えており、ガスケット本体61の中央部にガスケット開口部62が形成されている。このガスケット開口部62は、ベース壁開口部56よりも大きく、ガスケット本体61をベース部材50に嵌め込んだ際にベース壁開口部56およびリブ57を含む大きさとされている。また、ガスケット本体61には、ガスケット開口部62を塞ぐベロ部材63が設けられており、ベロ部材63には、切欠き部64が形成されている。
【0034】
次に、本実施形態に係るドアミラーの組み立て手順について説明する。本実施形態に係るドアミラー2を組み立てる際には、上記第一の実施形態と同様、まず、ベース部材50のベース壁開口部56にコネクタ40を通し、ベース壁開口部56にハーネス30を挿通させる。このとき、ベース部材50に形成されたベース壁開口部56は、コネクタ40よりも大径とされているので、ベース壁開口部56に対して、コネクタ40を容易に通すことができる。
【0035】
続いて、ガスケット60におけるガスケット開口部62を開いた状態で、ガスケット開口部62にコネクタ40を通し、ベロ部材63における切欠き部64にハーネス30を嵌め込む。ここで、ガスケット開口部62は、コネクタ40よりも大径であるので、コネクタ40をガスケット開口部22に容易に通すことができる。
【0036】
それから、ガスケット60をベース部材50の一面に形成された開口の側縁に密着させると、ガスケット60におけるベロ部材63がベース部材50におけるリブ57に当接し、ベロ部材63が閉じてガスケット開口部62を閉塞する。このとき、切欠き部64にハーネス30が嵌め合わされていることから、切欠き部24の大きさの開口部にハーネス30が挿通された状態となる。したがって、ガスケット開口部62をベロ部材63によって塞がせる作業が不要となる。その後、ベース部材10にミラー本体を取り付けるなどしてドアミラーの組み立てが完了する。
【0037】
このように、本実施形態に係るドアミラーにおいては、上記第一の実施形態と同様、コネクタ40を取り付けた状態のままハーネス30の取り付けができるので、ドアミラーを組み立てる時間を短く済ませることができる。
【0038】
また、ガスケット60がベース部材50の一面に形成された開口の側縁に密着していることから、ガスケット60とベース部材50との間からの雨水等の浸入を防止することができる。さらには、ベロ部材63でガスケット開口部62を塞ぐとともに、切欠き部64にハーネス30が挿通して、密閉構造が形成される。このため、ガスケット開口部62からの雨水等の浸入も防止することができる。しかも、リブ57が形成されていることから、ベース部材50にガスケット60を密着させるだけでベロ部材63がガスケット開口部52を閉塞するので、ベロ部材63によってガスケット開口部52を塞ぐ動作をなくすることができる。したがって、その分組付け作業を容易なものとすることができる。
【0039】
続いて、本発明の第三の実施形態について説明する。図5は、第三の実施形態に係るドアミラーの分解斜視図、図6はその組付け後の断面図である。
【0040】
図5および図6に示すように、本実施形態に係るドアミラー3は、ベース部材70およびガスケット80を備えている。ベース部材70は、ベース部材本体71および鍔部72を備えている。ベース部材本体71は、奥壁部73を備えており、奥壁部73の周囲には、鍔部72とは逆側に突出する側縁部74が設けられている。また、奥壁部73には、ベース部材開口部となるベース壁開口部75が形成されている。このベース壁開口部75は、コネクタ40よりも大径に形成されており、コネクタ40が挿通可能とされている。
【0041】
さらに、奥壁部73におけるベース壁開口部75の下方位置には、側縁部74が突出する方向に突出する突出部76が形成されている。突出部76は、断面形状が円形からハーネス30の断面形状を切り欠いた形状からなる略三日月形状をなしている。この切り欠いた部分に、ハーネス30が密着する孔部77が形成されている。鍔部72は、奥壁部73を介して突出部76に対向する方向に突出する鍔として形成されている。
【0042】
ガスケット80は、ベース部材70における側縁部74の外形とほぼ同形の表面形状の板状をなすガスケット本体81を有している。ガスケット本体81の下方位置には、ガスケット開口部82が形成されている。ガスケット開口部82の周囲には、ベース部材70方向と反対方向に突出する筒状の円筒部83が形成されている。ガスケット開口部82の内周は、ベース部材70における突出部76の外周と略同径を有しており、ガスケット開口部82にベース部材70の突出部76が嵌め合わされることにより、孔部77が挿通する形となる。この孔部77にハーネス30が密着した状態でハーネス30がガスケット開口部82を挿通し、ベース部材70の突出部76がガスケット開口部82に挿入されることにより、ガスケット開口部82は、ベース部材70の突出部76およびハーネス30によって密閉状態で閉塞される。
【0043】
さらに、ガスケット本体81におけるガスケット開口部82の上方位置は、ベース部材70方向に突出する突起部84が形成されている。この突起部84の断面形状は、ベース部材70に形成されたベース壁開口部75の断面形状と略同一形状をなしており、ガスケット本体81をベース部材70方向に押し込み、ガスケット本体81をベース部材70の側縁部74の表面に押し当てることにより、突起部84がベース壁開口部75に挿入される。突起部84がベース壁開口部75に挿入されることにより、ベース壁開口部75が密閉される。
【0044】
以上の構成を有する本実施形態に係るドアミラーの組み立て手順について説明する。本実施形態に係るドアミラー1を組み立てる際には、まず、ベース部材70におけるベース壁開口部75にコネクタ40を通し、ベース壁開口部75にハーネス30を挿通させる。このとき、ベース壁開口部75は、コネクタ40よりも大径とされているので、ベース壁開口部75に対して、コネクタ40を容易に通すことができる。
【0045】
次に、コネクタ40をガスケット80のガスケット開口部82に通す。ガスケット開口部82もコネクタ40よりも大径とされていることから、ガスケット開口部82にコネクタ40を容易に通すことができる。さらには、ハーネス30をベース部材70の孔部77に嵌め込み、ハーネス30を孔部77に密着させる。
【0046】
続いて、ベース部材70に対して、ガスケット80を嵌め合わせる。この際には、ガスケット80における突起部84がベース部材70のベース壁開口部75に嵌め込むとともに、ベース部材70の突出部76をガスケット80のガスケット開口部82に嵌め込む。こうして、ベース部材70に対するガスケット80の組み付けが完了する。そして、ベース部材70にミラー本体を取り付けるなどしてドアミラーの組み立てが完了する。
【0047】
このように、本実施形態に係るドアミラーにおいては、コネクタ40を取り付けた状態のままハーネス30の取り付けができるので、ドアミラーを組み立てる時間を短く済ませることができる。
【0048】
また、ガスケット80がベース部材70に嵌め込まれていることから、ガスケット80とベース部材70との間の密着性を高めることができ、ガスケット80とベース部材70との間からの雨水等の浸入を防止することができる。さらには、ガスケット開口部82は、ベース部材70の突出部76とハーネス30により密閉状態で閉塞され、ベース壁開口部75は、ガスケット80の突起部84によって密閉状態で閉塞される。このため、ガスケット開口部82およびベース壁開口部75からの雨水等の浸入も防止することができる。
【0049】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、組付部品としてコネクタ40を用いているが、たとえばハーネスクランプなどの部品を用いることもできる。また、上記実施形態では、ハーネスと接続されるものとして電動ミラーのモータを挙げているが、たとえばミラー本体内にカメラを搭載する場合には、このカメラとハーネスが接続される態様とすることができる。また、ミラー本体を駆動するモータのほか鏡面の角度調整を行うためのモータや、信号送受信装置、あるいは発光装置などをハーネスと接続する態様とすることもできる。さらに、上記実施形態では、電動ミラーを対象としているが、カメラや信号送受信装置などをハーネスと接続する態様では、電動ミラー以外のミラーを対象とすることもできる。
【符号の説明】
【0050】
1〜3…ドアミラー、10…ベース部材、11…奥壁部、12,13…側壁部、14…上壁部、15…底壁部、16…ベース壁開口部、20…ガスケット、21…ガスケット本体、22…ガスケット開口部、23…ベロ部材、24…切欠き部、25…接続部、30…ハーネス、40…コネクタ、70…ベース部材、71…ベース部材本体、72…鍔部、73…奥壁部、74…側縁部、75…ベース壁開口部、76…突出部、77…孔部、80…ガスケット、81…ガスケット本体、82…ガスケット開口部、83…円筒部、84…突起部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のドアに取り付けられるベース部材と、
前記ベース部材と嵌め合わされるガスケットと、
前記ベース部材および前記ガスケットに挿通されるハーネスと、
前記ハーネスに取り付けられた組付部品と、を備え、
前記ベース部材および前記ガスケットには、前記組付部品が挿通可能となる大きさのベース部材開口部およびガスケット開口部がそれぞれ形成され、
前記ガスケットには、前記ハーネスが挿通することによって前記ガスケット開口部が密閉される密閉構造が形成されており、
前記ベース部材に、前記ガスケット開口部に嵌め合わされる突出部が形成され、前記突出部には、前記ハーネスが密着する孔部が形成されているとともに、
前記ガスケットには、前記ベース部材開口部を密封する突起部が形成されていることを特徴とするドアミラー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−251687(P2011−251687A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205300(P2011−205300)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【分割の表示】特願2006−125945(P2006−125945)の分割
【原出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(000148689)株式会社村上開明堂 (185)
【Fターム(参考)】