説明

ドアロック制御システム

【課題】携帯性、使用性及び紛失防止性に優れるドアロック制御システムの提供。
【解決手段】ロック装置のロック解除情報を記録し、発信する機能を有すると共に、衣類への着脱自在の取り付け手段を備えている非接触型のICカードキーと;
ドアを閉止したときに自動施錠する機能と、特定のロック解除情報を記録する機能と、当該ICカードキーから発信されたロック解除情報を非接触状態で受信する機能と、当該受信したロック解除情報を、予め記載されている特定のロック解除情報と照合し、一致したときに自動解錠する機能を有するロック装置と;
から成ることを特徴とするドアロック制御システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアロック制御システム、特に旅館やホテル等の部屋のドアに好適なドアロック制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
旅館やホテル等では部屋番号を記したプラスチック製の棒やプレートが付いた金属製の鍵を貸与されることがしばしばある。しかしながら、このような鍵を使用するには、当該鍵を鍵穴に差し込み、回転による解錠操作をしなければならず、手間がかかると云う問題があった。また、旅館やホテル等では、宿泊客は浴衣や丹前等に着替えて館内外を行動するのが一般的であるが、前記の鍵はかさ張り、携帯するには不便であると共に、置き忘れ等により紛失し易いと云う問題もあった。
【0003】
そこで、近年カード式のキーも使用されるようになっているが、このカード式キーもデータ読み取り器への差し込み操作が必要であると共に、カード式であるが故に、むしろ前記金属製の鍵よりも紛失し易いのが実状であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の如き従来の問題と実状に鑑みてなされたものであり、携帯性に優れることはもとより、使用性及び紛失防止性に優れ、特に旅館やホテル等の部屋のドア用として好適なドアロック制御システムを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記の課題を解決すべく、種々検討を重ねた結果、非接触型のICカードをキーとして利用し、これに衣類への着脱自在の取り付け手段を設ければ、極めて良い結果が得られることを見い出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、ロック装置のロック解除情報を記録し、発信する機能を有すると共に、衣類への着脱自在の取り付け手段とを備えている非接触型のICカードキーと;
ドアを閉止したときに自動施錠する機能と、特定のロック解除情報を記録する機能と、当該ICカードキーから発信されたロック解除情報を非接触状態で受信する機能と、当該受信したロック解除情報を、予め記載されている特定のロック解除情報と照合し、一致したときに自動解錠する機能を有するロック装置と;
から成ることを特徴とするドアロック制御システムにより上記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ICカードキーをデーター読み取り器への差し込む必要はなく、単に接近せしめるだけでドアロックを解除することができるので、極めて使用性に優れる。また、本発明のICカードキーは、プラスチック製の棒やプレートが付いた金属製の鍵に比し安価なため、各部屋1個ではなく、宿泊者全員に個別に提供できる。
【0008】
更に、本発明によれば、ICカードキーを浴衣や丹前等の衣類に取り付けることができるので、極めて携帯性に優れていると共に、置き忘れ等が生じることがないので、紛失防止性に優れている。仮に、万が一紛失しても、ロック装置の特定のロック解除情報を変更することにより、紛失したICカードキーを即座に無効化することが可能なため、悪用される危険性を少なくすることができると共に、紛失者には新たなICカードキーを容易に再発行することができる。
【0009】
また、特に、本発明のICカードキーを、浴衣や丹前等の衣類の袖口部に取り付ければ、手をドアノブに近づけるだけで自動解錠されるので、いちいちICカードキーを手に取りロック装置に接近させる必要もなく、その利便性は頗る向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明ドアロック制御装置の概略構成説明図。
【図2】ICカードキーの第1の例を示す概略拡大断面説明図。
【図3】ICカードキーの第2の例を示す概略拡大断面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
【0012】
図1は、本発明ドアロック制御装置の概略構成説明図である。
該図1において、10は非接触型のICカードキーで、後述のロック装置20のロック解除情報を記録し、発信する機能を有すると共に、衣類への着脱自在の取り付け手段を備えている。
【0013】
ここに非接触型のICカードキー自体としては、ロック解除情報を記録し、発信する機能を有するものであれば、特に限定されず、例えばソニー株式会社製「Felica」(商品名)等の市販ICカードを利用することができる。
当該非接触型のICカードキー10は、衣類への着脱自在の取り付け手段を備えているが、斯かる取り付け手段としては、例えば図2に示す如く、ICカードキー10の片面の全部又は一部に接着剤層11を形成したもの、あるいはICカードキー10の片面の全部又は一部に面ファスナー13を設けたものが簡便で好ましい。
【0014】
上記接着剤層11を形成する場合には、当該接着剤層11の露出面を更に離型フィルム12で被覆するのが望ましい。また、面ファスナー13を設ける場合には、衣類への取り付け部位、例えば袖口部にも対応する面ファスナーを取り付ける。
【0015】
また、当該ICカードキーの他方の面、すなわち衣類への取り付け手段が設けられていない面に、旅館名、近隣の観光名所、施設、レストラン等の宣伝案内文、写真、地図等を印刷すれば、チェックアウトの際に、ロック装置20の特定のロック解除情報を変更してICカードキー10自体を無効化した後、宿泊客に提供すれば、記念カードとなったり、観光案内カードとしても使用し得るので、無駄とならず、省資源の点でも有利である。
【0016】
20はロック装置で、ドアを閉止したときに自動施錠する機能と、特定のロック解除情報を記録する機能と、前記ICカードキーから発信されたロック解除情報を非接触状態で受信する機能と、当該受信したロック解除情報を、予め記載されている特定のロック解除情報と照合し、一致したときに自動解錠する機能を有しており、通常ドア30に設置される。
【0017】
斯かるロック装置20は、少なくとも特定のロック解除情報を記録するメモリー部と上記各機能を実現するプログラムがインストールされたマイクロコンピュータによって構成される。
尚、上記のロック解除情報を非接触状態で受信する距離としては、該作動による自動解錠を避けるため、通常は5cm以下、特に2cm以下に設定するのが好ましい。
【符号の説明】
【0018】
10:非接触型のICカードキー
11:接着剤層
12:離型フィルム
13:面ファスナー
20:ロック装置
30:ドア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロック装置のロック解除情報を記録し、発信する機能を有すると共に、衣類への着脱自在の取り付け手段を備えている非接触型のICカードキーと;
ドアを閉止したときに自動施錠する機能と、特定のロック解除情報を記録する機能と、当該ICカードキーから発信されたロック解除情報を非接触状態で受信する機能と、当該受信したロック解除情報を、予め記載されている特定のロック解除情報と照合し、一致したときに自動解錠する機能を有するロック装置と;
から成ることを特徴とするドアロック制御システム。
【請求項2】
前記衣類への着第自在の取り付け手段が、ICカードキーの片面に形成された接着剤層であることを特徴とする請求項1記載のドアロック制御システム。
【請求項3】
前記衣類への着脱自在の取り付け手段が、ICカードキーの片面に設けられた面ファスナーであることを特徴とする請求項1記載のドアロック制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−256632(P2011−256632A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132988(P2010−132988)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(510290991)興和紡株式会社 (3)
【Fターム(参考)】