ドア開閉機構及びその取り付け方法
【課題】ガタがなく、取り付けが容易なドア開閉機構及びその取り付け方法を提供することを課題とする。
【解決手段】ヒンジ装置11のヒンジピン17の端面に形成され、深さ方向と直交する方向の断面形状が非円形の溝(凹部)33と、チェック装置51のシャフト55に形成され、溝33に嵌合可能で、ヒンジピン17、シャフト55間の回転力の伝達が可能な断面形状の角柱部(凸部)56と、を有し、溝33の深さ方向が、ヒンジピン17の回転軸に対して傾いており、ヒンジ装置11とチェック装置51とを組み付けた後は、ヒンジピン17の回転軸とシャフト55の回転軸とが同一直線上にある。
【解決手段】ヒンジ装置11のヒンジピン17の端面に形成され、深さ方向と直交する方向の断面形状が非円形の溝(凹部)33と、チェック装置51のシャフト55に形成され、溝33に嵌合可能で、ヒンジピン17、シャフト55間の回転力の伝達が可能な断面形状の角柱部(凸部)56と、を有し、溝33の深さ方向が、ヒンジピン17の回転軸に対して傾いており、ヒンジ装置11とチェック装置51とを組み付けた後は、ヒンジピン17の回転軸とシャフト55の回転軸とが同一直線上にある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアに設けられたドア側ヒンジ、ボデーに設けられたボデー側ヒンジ、前記ドア側ヒンジ、前記ボデー側ヒンジを挿通するヒンジピンからなるヒンジ装置と、ドア側、ボデー側のいずれかの側に固定されるチェック本体(ケース)、前記ヒンジピンに接続されるシャフトを有するチェック装置と、を有し、前記ヒンジピンを介して前記ドアの回転を前記シャフトに伝達するようにしたドア開閉機構及びその取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒンジ装置のヒンジピンにチェック装置(保持装置)を接続し、ドアを所定の開度(例えば、半開状態、全開状態)、或いは、任意の開度でその状態を保持するようにしたドア開閉機構がある。
【0003】
チェック装置の保持力は、坂道で全開状態を維持できること、ある程度の風が吹いても閉じないこと、また、強く開放した時の反動があっても保持できること、等が要求される。
【0004】
このような機構に用いられるチェック装置としては、内部に粘性流体が封入されたケースと、ケース内に回転可能に設けられ、一方の端部側はケースの外部まで延出するシャフトと、ケース内でシャフトに沿って設けられたフラップ(ベーン)とを有し、シャフトを回転させる場合、シャフトの位相角度によって異なる抵抗を与える機構を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
そして、特許文献1に記載されたドアの開閉機構においては、ヒンジ装置のヒンジピンとチェック装置のシャフトとの接続は、回転方向にガタがある嵌合(遊嵌)により接続されている。
【0006】
しかし、ヒンジ装置のヒンジピンとチェック装置のシャフトとの接続において、回転方向のガタがあると、ドアの開閉時に異音が発生したり、チェック時にドアのふらつきが発生したりする。
【0007】
回転方向のガタがないようにシャフトとシャフトとを接続するには、一方のシャフトの端面に断面形状が小判状の凹部を形成し、断面形状を小判状とした他方のシャフトの端部を一方のシャフトの凹部に圧入し、どちらか一方のシャフトを変形させる方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2008−111282号公報(図1)
【特許文献2】特開2004−340181号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、圧入でシャフトとシャフトを接続する構成は、強い力を必要とし、取り付けが困難である問題点がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、その課題は、取付が容易で、ガタがないドア開閉機構及びその取り付け方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、ドアに設けられたドア側ヒンジ、ボデーに設けられたボデー側ヒンジ、前記ドア側ヒンジ、前記ボデー側ヒンジを挿通するヒンジピンからなるヒンジ装置と、ドア側、ボデー側のいずれかの側に固定されるチェック本体、前記ヒンジピンに接続されるシャフトを有するチェック装置とを有し、前記ヒンジピンを介して前記ドアの回転を前記シャフトに伝達するようにしたドア開閉機構において、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちのどちらか一方の端面に形成され、深さ方向と直交する方向の断面形状が非円形の凹部と、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちの他方の端部に形成され、前記凹部に嵌合可能で、前記ヒンジピン、前記シャフト間の回転力の伝達が可能な断面形状の凸部と、を有し、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は前記凹部の深さ方向、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は前記凸部の高さ方向が、前記ヒンジピンの回転軸に対して傾いており、前記ヒンジ装置と前記チェック装置とを組み付けた後は、前記ヒンジピンの回転軸と前記シャフトの回転軸とが同一直線上にあることを特徴とするドア開閉機構である。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記凹部と前記凸部との嵌合は、遊嵌であることを特徴とする請求項1記載のドア開閉装置である。
請求項3に係る発明は、前記凸部の先端側の周面に形成され、先端に行くに従って前記凹部の内壁面との間隔が広くなるような斜面、前記凹部の開口側の内壁面に形成され、開口に行くに従って前記凸部の外壁面との間隔が広くなるような斜面のうち、少なくともどちらか一方の斜面を有することを特徴とする請求項1または2記載のドア開閉機構である。
【0011】
請求項4に係る発明は、ドアに設けられたドア側ヒンジ、ボデーに設けられたボデー側ヒンジ、前記ドア側ヒンジ、前記ボデー側ヒンジを挿通するヒンジピンからなるヒンジ装置と、ドア側、ボデー側のいずれかの側に固定されるチェック本体、前記ヒンジピンに接続されるシャフトを有するチェック装置とを有し、前記ヒンジピンを介して前記ドアの回転を前記シャフトに伝達するようにしたドア開閉機構の組み付け方法において、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちのどちらか一方の端面に、断面形状が非円形の凹部を設け、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちの他方の端部に、前記凹部に嵌合可能で、前記ヒンジピン、前記シャフト間の回転力の伝達が可能な断面形状の凸部を設け、更に、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は前記凹部の深さ方向、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は前記凸部の高さ方向が、前記ヒンジピンの回転軸に対して傾くように形成しておき、最初に前記ヒンジ装置を取り付け、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は、底から開口に行くに従って前記凹部と前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は、基部から先端部に行くに従って、前記凸部と前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように前記ヒンジピンを位置させ、前記凹部と前記凸部とを嵌合させた状態で、前記ヒンジピンの回転軸と前記シャフトの回転軸とが同一直線上にあるように前記チェック装置を前記チェック装置の取り付け面に取り付けることを特徴とするドア開閉機構の取り付け方法である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1−請求項3に係る発明によれば、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は前記凹部の深さ方向、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は前記凸部の高さ方向が、前記ヒンジピンの回転軸に対して傾いており、前記ヒンジ装置と前記チェック装置とを組み付けた後は、前記ヒンジピンの回転軸と前記シャフトの回転軸とが同一直線上にあることにより、最初に前記ヒンジ装置を取り付け、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は、底から開口に行くに従って前記凹部と前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は、基部から先端部に行くに従って、前記凸部と前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように前記ヒンジピンを位置させ、前記凹部と前記凸部とを嵌合させた状態で、前記ヒンジピンの回転軸と前記シャフトの回転軸とが同一直線上にあるように前記チェック装置を前記チェック装置の取り付け面に取り付けるようにすることにより、チェック装置を前記チェック装置の取り付け面に対して略直交する方向に直線移動させてチェック装置をチェック装置の取り付け面に取りつけることができる。よって、チェック装置の取り付け面と、この取り付け面と対向するチェック装置の面とに、凹部と凸部とからなるチェック装置の位置決め手段があったとしても、チェック装置の取付が容易である。
【0013】
また、前記凹部と前記凸部との嵌合が遊嵌であっても、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちのどちらか一方の端面に形成され、深さ方向と直交する方向の断面形状が非円形の凹部と、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちの他方の端部に形成され、前記凹部に嵌合可能で、前記ヒンジピン、前記シャフト間の回転力の伝達が可能な断面形状の凸部と、を有し、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は前記凹部の深さ方向、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は前記凸部の高さ方向が、前記ヒンジピンの回転軸に対して傾いており、前記ヒンジ装置と前記チェック装置とを組み付けた後は、前記ヒンジピンの回転軸と前記シャフトの回転軸とが同一直線上にあることにより、凹部の内壁面に凸部の周面が押接し、凹部と凸部との嵌合部でのガタがなくなる。
【0014】
更に、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は、底から開口に行くに従って前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は、基部から先端部に行くに従って、前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように前記ヒンジピンを位置させることにより、凸部が設けられた面や凹部の開口が設けられた面が組み付け作業者に向き、凹部と凸部との嵌合が容易となる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、前記凹部と前記凸部との嵌合が遊嵌であることにより、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちのどちらか一方の端面に形成され、深さ方向と直交する方向の断面形状が非円形の凹部と、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちの他方の端部に形成され、前記凹部に嵌合可能で、前記ヒンジピン、前記シャフト間の回転力の伝達が可能な断面形状の凸部と、を有し、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は前記凹部の深さ方向、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は前記凸部の高さ方向が、前記ヒンジピンの回転軸に対して傾いており、前記ヒンジ装置と前記チェック装置とを組み付けた後は、前記ヒンジピンの回転軸と前記シャフトの回転軸とが同一直線上にあることにより、凹部の内壁面に凸部の周面が押接し、凹部と凸部との嵌合部でのガタがなくなる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、前記凸部の先端側の周面に形成され、先端に行くに従って前記凹部の内壁面との間隔が広くなるような斜面、前記凹部の開口側の内壁面に形成され、開口に行くに従って前記凸部の外壁面との間隔が広くなるような斜面のうち、少なくともどちらか一方の斜面を有することにより、凸部と凹部との嵌合が容易となる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちのどちらか一方の端面に、断面形状が非円形の凹部を設け、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちの他方の端部に、前記凹部に嵌合可能で、前記ヒンジピン、前記シャフト間の回転力の伝達が可能な断面形状の凸部を設け、更に、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は前記凹部の深さ方向、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は前記凸部の高さ方向が、前記ヒンジピンの回転軸に対して傾くように形成しておき、最初に前記ヒンジ装置を取り付け、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は、底から開口に行くに従って前記凹部と前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は、基部から先端部に行くに従って、前記凸部と前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように前記ヒンジピンを位置させ、前記凹部と前記凸部とを嵌合させた状態で、前記ヒンジピンの回転軸と前記シャフトの回転軸とが同一直線上にあるように前記チェック装置を前記チェック装置の取り付け面に取り付けることにより、チェック装置を前記チェック装置の取り付け面に対して略直交する方向に直線移動させてチェック装置をチェック装置の取り付け面に取りつけることができる。よって、チェック装置の取り付け面と、この取り付け面と対向するチェック装置の面とに、凹部と凸部とからなるチェック装置の位置決め手段があったとしても、チェック装置の取付が容易である。また、前記凹部と前記凸部との嵌合が遊嵌であっても、凹部の内壁面に凸部の周面が押接し、凹部と凸部との嵌合部でのガタがなくなる。
【0018】
更に、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は、底から開口に行くに従って前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は、基部から先端部に行くに従って、前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように前記ヒンジピンを位置させることにより、凸部が設けられた面や凹部の開口が設けられた面が組み付け作業者に向き、凹部と凸部との嵌合が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
最初に、図5〜図7を用いて本発明のドア開閉機構の全体構成を説明する。
図5に示すような車両1のドア3の開閉機構を説明する。図5の切断線A−Aにおける断面図である図6に示すように、ドア3のフェンダー4側とボデー側のピラー5との間には、ドア3をピラー5(ボデー)に対して矢印O方向に回転可能に支持するヒンジ装置11が設けられている。
【0020】
次に、図6のB方向矢視図である図7に示すように、ヒンジ装置11の下方には、チェック装置51が配置され、このチェック装置51はドア3に取り付けられている。
次に、図1〜図4を用いて、ヒンジ装置11及びチェック装置51の説明を行う。
【0021】
ヒンジ装置11及びチェック装置の組付前の分解斜視図である図1、組付後の斜視図である図4に示すように、本形態例のヒンジ装置11は、ドア3の側面に取り付けられるドア側ヒンジ(ヒンジメール)13と、ボデーのピラー5に取り付けられるボデー側ヒンジ(ヒンジフィメール)15と、ドア側ヒンジ13、ボデー側ヒンジ15にそれぞれ形成された穴を挿通するヒンジピン17とからなっている。
【0022】
ドア側ヒンジ13は、上から、ドア3の側面に当接する上部取付部13a、ヒンジピン17が挿通する本体部13c、ドア3の側面に当接する下部取付部13bからなっている。
【0023】
上部取付部13aには穴(図示せず)が設けられ、この穴を挿通しドア側のめねじ穴(図示せず)に螺合するボルト21により、上部取付部13aはドア3に取り付けられる。下部取付部13bの本体部13c側には、2つの穴13d、13d’(2つの穴のうち一方の穴13d’は図示せず)が設けられ、穴13d’を挿通しドア側のめねじ穴(図示せず)に螺合するボルト23により、下部取付部13bはドア3に取り付けられる。上部取付部13aの穴、下部取付部13bの穴13d、13d’は、対向するドア3側の穴との寸法公差を吸収するために、バカ穴となっている。
【0024】
また、下部取付部13bの下端側には、断面形状が円形で、同一方向に延びる2つの穴(凹部)13eが形成されている。
更に、ヒンジピン17の下端部側は、ボデー側ヒンジ15から突出し、後述するチェック装置51のシャフトに接続されるシャフト接続部31となっている。
【0025】
尚、本形態例のヒンジピン17はボデー側ヒンジ15に固定され、ドア側ヒンジ13に遊嵌するように設けられている。
次に、本形態例のチェック装置51は、特許文献1に開示された構成、すなわち、内部に粘性流体が封入されたケースと、ケース内に回転可能に設けられ、一方の端部側はケースの外部まで突出するシャフトと、ケース内でシャフトに沿って設けられたフラップ(ベーン)とを有し、シャフトを回転させる場合、シャフトの位相角度によって異なる抵抗を与える機構を設けたものである。
【0026】
図において、ケース(チェック本体)53の上面からシャフト55が突出している。このシャフト55の上端側は、ヒンジ装置11のヒンジピン17のシャフト接続部31に接続されるヒンジピン接続部57となっている。
【0027】
ケース53の上部には、上部取付部53aが、ケース53の下部には、下部取付部53bがそれぞれ設けられている。上部取付部53aは、ドア側ヒンジ13の下部取付部13b上に積層するように配置され、ドア側ヒンジ13の下部取付部13bの穴13dと対向する穴53c(バカ穴)が設けられている。そして、チェック装置51の上部取付部53aの穴53c、ヒンジ装置11の下部取付部13bの穴13dを挿通し、ドア側のめねじ穴に螺合するボルト23により、チェック装置51の上部取付部53a、ヒンジ装置11の下部取付部13bはドアに取り付けられる(図4参照)。下部取付部53bには、2つの穴53dが設けられ、これらの穴を挿通しドア側のめねじ穴(図示せず)に螺合するボルト28により、下部取付部53bはドア3に取り付けられる。
【0028】
ケース53のドア3と対向する面には、図1のC方向矢視図である図2に示すように、ヒンジ装置11の下部取付部13bの2つの穴13eに同時に係合可能な円柱状の2本の突起(凸部)53eが形成されている。
【0029】
そして、ヒンジ装置11の2つの穴13eにチェック装置51の2本の突起53eが係合することで、ドア側ヒンジ13に対するケース53の2次元平面方向の位置決めが行われる。すなわち、ヒンジ装置11の2つの穴13eと、チェック装置51の2本の突起53eとで、第1位置決め手段、第2位置決め手段が構成されている。
【0030】
次に、ヒンジ装置11のシャフト接続部31と、チェック装置51のヒンジピン接続部57との説明を行う。
ヒンジ装置11のシャフト接続部(ヒンジピン17)31の端面には、深さ方向と直交する方向の断面形状が非円形の凹部が形成されている。本形態例の凹部は、ヒンジピン17の端面に形成され、ヒンジピン17の周面まで至り、幅が一定の溝33とした。
【0031】
チェック装置51のシャフト55の上端側のヒンジピン接続部57には、凹部としての溝33に遊嵌可能で、ヒンジピン17、シャフト55間の回転力の伝達が可能な断面形状の凸部が形成されている。本形態例の凸部は、シャフト55の先端部に形成され、高さ方向と直交する方向の断面形状が矩形の角柱部56とした。
【0032】
更に、図1の切断線D−Dにおける断面構成図である図3に示すように、ヒンジピン17に形成された凹部である溝33の深さ方向(図3におけるE方向)は、ヒンジピン17の回転軸(図3における軸F)に対して傾いている。
【0033】
ここで、本形態例のヒンジ装置11とチェック装置51との取り付け方法を説明する。
最初に、ヒンジ装置11をドア3とピラー5とに取り付ける(ステップ1)。
次に、図3に示すように、底33aから開口33bに行くに従って、溝33とドア3のチェック装置51の取り付け面3aとの間隔が広くなるように、ヒンジピン17を位置させる(ステップ2)。
【0034】
そして、図8に示すように、ヒンジ装置11のシャフト接続部31の溝33に、チェック装置51のヒンジピン接続部57の角柱部56を挿入し、両者を嵌合させる。この時、ヒンジピン17の回転軸(図8における軸F)と、シャフト55の回転軸(図8における軸G)とは交差している(ステップ3)。
【0035】
最後に、図8に示すように、チェック装置51をチェック装置51の取り付け面3aに対して略直交する方向(図において、矢印X方向)に直線移動させ、ボルト23,28を用いてチェック装置51を取り付け面3aに取り付ける。その際、ヒンジ装置11の2つの穴13eにチェック装置51の2本の突起53eが係合することで、ドア側ヒンジ13に対するケース53の2次元平面方向の位置決めが行われる。この時、図9に示すように、ヒンジピン接続部57の角柱部56が変形し、ヒンジピン17の回転軸(図9における軸F)とシャフト55の回転軸(図9における軸G)とが同一直線上となる(ステップ4)。
【0036】
次に、上記構成のドア開閉機構の作動を説明する。
ヒンジピン17はボデー側ヒンジ15に固定されているので、ドア3が開閉すると、ドア3の回転はヒンジピン17を介してチェック装置51のシャフト55に伝達される。そして、チェック装置51は、ドアを所定の開度(例えば、半開状態、全開状態)、或いは、任意の開度でその状態を保持する。
【0037】
このような構成及び取り付け方法によれば、以下のような効果が得られる。
(1) ステップ4で、チェック装置51をチェック装置51の取り付け面3aに対して略直交する方向(図8の矢印X方向)に直線移動させてチェック装置51を取り付け面3aに取り付けることにより、第1及び第2の位置決め手段があっても、容易にチェック装置51を取り付けることができる。
【0038】
(2) ステップ4で、ヒンジピン17に形成された凹部である溝33の深さ方向(図3におけるE方向)は、ヒンジピン17の回転軸(図3における軸F)に対して傾いており、ヒンジ装置11とチェック装置51とを組み付けた後は、ヒンジピン17の回転軸とシャフト55の回転軸とが同一直線上にあることにより、溝33の内壁面に角柱部56の周面が押接し、溝33と角柱部56との嵌合部でのガタがなくなる。
【0039】
(3) ステップ2で底33aから開口33bに行くに従って、溝33とドア3のチェック装置51の取り付け面3aとの間隔が広くなるように、ヒンジピン17を位置させることにより、凹部である溝33の開口が設けられた面が組み付け作業者に向き、ヒンジ装置11のシャフト接続部31の溝33と、チェック装置51のヒンジピン接続部57の角柱部56との嵌合が容易となる。
【0040】
尚、本発明は、上記形態例に限定するものではない。以下のような変形例が可能である。
(1) 上記形態例では、ドア側にチェック装置51を設けたが、ボデー側に設けてもよい。この場合、上記形態例のドア側ヒンジ13、チェック装置51をボデー側に設け、ボデー側ヒンジ15をドア側に設ける。
【0041】
(2) 上記形態例では、ヒンジ装置11のヒンジピン17に凹部(溝33)を設け、チェック装置51のシャフト55に凸部(角柱部56)を設けたが、逆に、ヒンジ装置11のヒンジピン17に凸部(角柱部)を設け、チェック装置51のシャフト55に凹部(溝)を設けてもよい。この場合、ヒンジ装置11のヒンジピン17の凸部の高さ方向が、ヒンジピン17の回転軸に対して傾くようにすればよい。
【0042】
(3) シャフト接続部31やヒンジピン接続部57に形成する凹部,凸部は、上記形態例のような溝,角柱部に限定するものではない。例えば、凹部の深さ方向と直交する方向の断面形状、凸部の高さ方向の断面形状が四角形,六角形,ヘクサロビュラ形、スプライン形、セレーション形の凹部,凸部であってもよい。
【0043】
(4) 図10に示すように、角柱部56と溝33との接続を容易とするために、角柱部56の先端側の周面には、先端に行くに従って溝33の内壁面との間隔が広くなるような斜面56aを形成してもよい。
【0044】
(5) 角柱部56と溝33との接続を容易とするために、図11に示すように溝33の開口33b側の内壁面には、開口33bに行くに従って角柱部56の外壁面との間隔が広くなるような斜面33cを形成してもよい。
【0045】
(6) 上記形態例では、ヒンジ装置11のヒンジピン17に凹部(溝33)と、チェック装置51のシャフト55の凸部(角柱部56)との嵌合は、遊嵌であったが、隙間0の嵌合でも本発明は適用できる。隙間0の嵌合としては、例えば、図8において、溝(凹部)33の内壁面と角柱部(凸部)56の周面との間隔が0の嵌合や、図12に示すように、溝(凹部)133の内壁面に、開口133bに行くに従って角柱部(凸部)156の外壁面との間隔が広くなるような斜面133cを形成し、角柱部(凸部)156が挿入されると溝(凹部)133の底133aに角柱部(凸部)156の先端部が当接する前に角柱部(凸部)156の周面が溝(凹部)133の斜面(内壁面)133cに線接触(当接)するような嵌合がある。また、図13に示すように、角柱部(凸部)256の周面に、先端に行くに従って溝(凹部)233の内壁面との間隔が広くなるような斜面256aを形成し、角柱部256が溝233に挿入されると、溝233の底部233aに角柱部256の先端部256bが当接する前に角柱部256の周面256aが溝233の内壁面に線接触(当接)するような嵌合もある。
【0046】
(7) シャフト接続部31とヒンジピン接続部57とを圧入する方法として、図14に示す方法がある。図において、チェック装置51のシャフト55の先端部側は、L字形に折曲され、溝33に圧入可能なヒンジピン接続部157が形成されている。また、2本のボルト23は、図15に示すように、頭部とおねじ部との間に頭部からおねじ部に行くに従って縮径するテーパが形成されたテーパボルトである。このような構成によれば、テーパボルト23が螺合するに従って、チェック装置51がヒンジピン11方向(図15において上方向)に移動し、ヒンジピン接続部157が溝33に圧入される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】ヒンジ装置及びチェック装置の組付前の分解斜視図である。
【図2】図1のC方向矢視図である。
【図3】図1の切断線D−Dにおける断面構成図である。
【図4】ヒンジ装置及びチェック装置の組付後の斜視図である。
【図5】車両を説明する図である。
【図6】図5の切断線A−Aにおける断面図である。
【図7】図6のB方向矢視図である。
【図8】図1のヒンジ装置とチェック装置との取り付け方法を説明する図である。
【図9】図1のヒンジ装置とチェック装置との取り付け方法を説明する図である。
【図10】他の形態例を説明する図である。
【図11】他の形態例を説明する図である。
【図12】他の形態例を説明する図である。
【図13】他の形態例を説明する図である。
【図14】他の形態例を説明する図である。
【図15】図14の切断線H−Hにおける断面図である。
【符号の説明】
【0048】
11 ヒンジ装置
17 ヒンジピン
33 溝
51チェック装置
55シャフト
56 角柱部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアに設けられたドア側ヒンジ、ボデーに設けられたボデー側ヒンジ、前記ドア側ヒンジ、前記ボデー側ヒンジを挿通するヒンジピンからなるヒンジ装置と、ドア側、ボデー側のいずれかの側に固定されるチェック本体(ケース)、前記ヒンジピンに接続されるシャフトを有するチェック装置と、を有し、前記ヒンジピンを介して前記ドアの回転を前記シャフトに伝達するようにしたドア開閉機構及びその取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒンジ装置のヒンジピンにチェック装置(保持装置)を接続し、ドアを所定の開度(例えば、半開状態、全開状態)、或いは、任意の開度でその状態を保持するようにしたドア開閉機構がある。
【0003】
チェック装置の保持力は、坂道で全開状態を維持できること、ある程度の風が吹いても閉じないこと、また、強く開放した時の反動があっても保持できること、等が要求される。
【0004】
このような機構に用いられるチェック装置としては、内部に粘性流体が封入されたケースと、ケース内に回転可能に設けられ、一方の端部側はケースの外部まで延出するシャフトと、ケース内でシャフトに沿って設けられたフラップ(ベーン)とを有し、シャフトを回転させる場合、シャフトの位相角度によって異なる抵抗を与える機構を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
そして、特許文献1に記載されたドアの開閉機構においては、ヒンジ装置のヒンジピンとチェック装置のシャフトとの接続は、回転方向にガタがある嵌合(遊嵌)により接続されている。
【0006】
しかし、ヒンジ装置のヒンジピンとチェック装置のシャフトとの接続において、回転方向のガタがあると、ドアの開閉時に異音が発生したり、チェック時にドアのふらつきが発生したりする。
【0007】
回転方向のガタがないようにシャフトとシャフトとを接続するには、一方のシャフトの端面に断面形状が小判状の凹部を形成し、断面形状を小判状とした他方のシャフトの端部を一方のシャフトの凹部に圧入し、どちらか一方のシャフトを変形させる方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2008−111282号公報(図1)
【特許文献2】特開2004−340181号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、圧入でシャフトとシャフトを接続する構成は、強い力を必要とし、取り付けが困難である問題点がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、その課題は、取付が容易で、ガタがないドア開閉機構及びその取り付け方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、ドアに設けられたドア側ヒンジ、ボデーに設けられたボデー側ヒンジ、前記ドア側ヒンジ、前記ボデー側ヒンジを挿通するヒンジピンからなるヒンジ装置と、ドア側、ボデー側のいずれかの側に固定されるチェック本体、前記ヒンジピンに接続されるシャフトを有するチェック装置とを有し、前記ヒンジピンを介して前記ドアの回転を前記シャフトに伝達するようにしたドア開閉機構において、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちのどちらか一方の端面に形成され、深さ方向と直交する方向の断面形状が非円形の凹部と、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちの他方の端部に形成され、前記凹部に嵌合可能で、前記ヒンジピン、前記シャフト間の回転力の伝達が可能な断面形状の凸部と、を有し、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は前記凹部の深さ方向、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は前記凸部の高さ方向が、前記ヒンジピンの回転軸に対して傾いており、前記ヒンジ装置と前記チェック装置とを組み付けた後は、前記ヒンジピンの回転軸と前記シャフトの回転軸とが同一直線上にあることを特徴とするドア開閉機構である。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記凹部と前記凸部との嵌合は、遊嵌であることを特徴とする請求項1記載のドア開閉装置である。
請求項3に係る発明は、前記凸部の先端側の周面に形成され、先端に行くに従って前記凹部の内壁面との間隔が広くなるような斜面、前記凹部の開口側の内壁面に形成され、開口に行くに従って前記凸部の外壁面との間隔が広くなるような斜面のうち、少なくともどちらか一方の斜面を有することを特徴とする請求項1または2記載のドア開閉機構である。
【0011】
請求項4に係る発明は、ドアに設けられたドア側ヒンジ、ボデーに設けられたボデー側ヒンジ、前記ドア側ヒンジ、前記ボデー側ヒンジを挿通するヒンジピンからなるヒンジ装置と、ドア側、ボデー側のいずれかの側に固定されるチェック本体、前記ヒンジピンに接続されるシャフトを有するチェック装置とを有し、前記ヒンジピンを介して前記ドアの回転を前記シャフトに伝達するようにしたドア開閉機構の組み付け方法において、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちのどちらか一方の端面に、断面形状が非円形の凹部を設け、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちの他方の端部に、前記凹部に嵌合可能で、前記ヒンジピン、前記シャフト間の回転力の伝達が可能な断面形状の凸部を設け、更に、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は前記凹部の深さ方向、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は前記凸部の高さ方向が、前記ヒンジピンの回転軸に対して傾くように形成しておき、最初に前記ヒンジ装置を取り付け、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は、底から開口に行くに従って前記凹部と前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は、基部から先端部に行くに従って、前記凸部と前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように前記ヒンジピンを位置させ、前記凹部と前記凸部とを嵌合させた状態で、前記ヒンジピンの回転軸と前記シャフトの回転軸とが同一直線上にあるように前記チェック装置を前記チェック装置の取り付け面に取り付けることを特徴とするドア開閉機構の取り付け方法である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1−請求項3に係る発明によれば、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は前記凹部の深さ方向、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は前記凸部の高さ方向が、前記ヒンジピンの回転軸に対して傾いており、前記ヒンジ装置と前記チェック装置とを組み付けた後は、前記ヒンジピンの回転軸と前記シャフトの回転軸とが同一直線上にあることにより、最初に前記ヒンジ装置を取り付け、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は、底から開口に行くに従って前記凹部と前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は、基部から先端部に行くに従って、前記凸部と前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように前記ヒンジピンを位置させ、前記凹部と前記凸部とを嵌合させた状態で、前記ヒンジピンの回転軸と前記シャフトの回転軸とが同一直線上にあるように前記チェック装置を前記チェック装置の取り付け面に取り付けるようにすることにより、チェック装置を前記チェック装置の取り付け面に対して略直交する方向に直線移動させてチェック装置をチェック装置の取り付け面に取りつけることができる。よって、チェック装置の取り付け面と、この取り付け面と対向するチェック装置の面とに、凹部と凸部とからなるチェック装置の位置決め手段があったとしても、チェック装置の取付が容易である。
【0013】
また、前記凹部と前記凸部との嵌合が遊嵌であっても、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちのどちらか一方の端面に形成され、深さ方向と直交する方向の断面形状が非円形の凹部と、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちの他方の端部に形成され、前記凹部に嵌合可能で、前記ヒンジピン、前記シャフト間の回転力の伝達が可能な断面形状の凸部と、を有し、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は前記凹部の深さ方向、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は前記凸部の高さ方向が、前記ヒンジピンの回転軸に対して傾いており、前記ヒンジ装置と前記チェック装置とを組み付けた後は、前記ヒンジピンの回転軸と前記シャフトの回転軸とが同一直線上にあることにより、凹部の内壁面に凸部の周面が押接し、凹部と凸部との嵌合部でのガタがなくなる。
【0014】
更に、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は、底から開口に行くに従って前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は、基部から先端部に行くに従って、前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように前記ヒンジピンを位置させることにより、凸部が設けられた面や凹部の開口が設けられた面が組み付け作業者に向き、凹部と凸部との嵌合が容易となる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、前記凹部と前記凸部との嵌合が遊嵌であることにより、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちのどちらか一方の端面に形成され、深さ方向と直交する方向の断面形状が非円形の凹部と、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちの他方の端部に形成され、前記凹部に嵌合可能で、前記ヒンジピン、前記シャフト間の回転力の伝達が可能な断面形状の凸部と、を有し、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は前記凹部の深さ方向、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は前記凸部の高さ方向が、前記ヒンジピンの回転軸に対して傾いており、前記ヒンジ装置と前記チェック装置とを組み付けた後は、前記ヒンジピンの回転軸と前記シャフトの回転軸とが同一直線上にあることにより、凹部の内壁面に凸部の周面が押接し、凹部と凸部との嵌合部でのガタがなくなる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、前記凸部の先端側の周面に形成され、先端に行くに従って前記凹部の内壁面との間隔が広くなるような斜面、前記凹部の開口側の内壁面に形成され、開口に行くに従って前記凸部の外壁面との間隔が広くなるような斜面のうち、少なくともどちらか一方の斜面を有することにより、凸部と凹部との嵌合が容易となる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちのどちらか一方の端面に、断面形状が非円形の凹部を設け、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちの他方の端部に、前記凹部に嵌合可能で、前記ヒンジピン、前記シャフト間の回転力の伝達が可能な断面形状の凸部を設け、更に、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は前記凹部の深さ方向、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は前記凸部の高さ方向が、前記ヒンジピンの回転軸に対して傾くように形成しておき、最初に前記ヒンジ装置を取り付け、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は、底から開口に行くに従って前記凹部と前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は、基部から先端部に行くに従って、前記凸部と前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように前記ヒンジピンを位置させ、前記凹部と前記凸部とを嵌合させた状態で、前記ヒンジピンの回転軸と前記シャフトの回転軸とが同一直線上にあるように前記チェック装置を前記チェック装置の取り付け面に取り付けることにより、チェック装置を前記チェック装置の取り付け面に対して略直交する方向に直線移動させてチェック装置をチェック装置の取り付け面に取りつけることができる。よって、チェック装置の取り付け面と、この取り付け面と対向するチェック装置の面とに、凹部と凸部とからなるチェック装置の位置決め手段があったとしても、チェック装置の取付が容易である。また、前記凹部と前記凸部との嵌合が遊嵌であっても、凹部の内壁面に凸部の周面が押接し、凹部と凸部との嵌合部でのガタがなくなる。
【0018】
更に、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は、底から開口に行くに従って前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は、基部から先端部に行くに従って、前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように前記ヒンジピンを位置させることにより、凸部が設けられた面や凹部の開口が設けられた面が組み付け作業者に向き、凹部と凸部との嵌合が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
最初に、図5〜図7を用いて本発明のドア開閉機構の全体構成を説明する。
図5に示すような車両1のドア3の開閉機構を説明する。図5の切断線A−Aにおける断面図である図6に示すように、ドア3のフェンダー4側とボデー側のピラー5との間には、ドア3をピラー5(ボデー)に対して矢印O方向に回転可能に支持するヒンジ装置11が設けられている。
【0020】
次に、図6のB方向矢視図である図7に示すように、ヒンジ装置11の下方には、チェック装置51が配置され、このチェック装置51はドア3に取り付けられている。
次に、図1〜図4を用いて、ヒンジ装置11及びチェック装置51の説明を行う。
【0021】
ヒンジ装置11及びチェック装置の組付前の分解斜視図である図1、組付後の斜視図である図4に示すように、本形態例のヒンジ装置11は、ドア3の側面に取り付けられるドア側ヒンジ(ヒンジメール)13と、ボデーのピラー5に取り付けられるボデー側ヒンジ(ヒンジフィメール)15と、ドア側ヒンジ13、ボデー側ヒンジ15にそれぞれ形成された穴を挿通するヒンジピン17とからなっている。
【0022】
ドア側ヒンジ13は、上から、ドア3の側面に当接する上部取付部13a、ヒンジピン17が挿通する本体部13c、ドア3の側面に当接する下部取付部13bからなっている。
【0023】
上部取付部13aには穴(図示せず)が設けられ、この穴を挿通しドア側のめねじ穴(図示せず)に螺合するボルト21により、上部取付部13aはドア3に取り付けられる。下部取付部13bの本体部13c側には、2つの穴13d、13d’(2つの穴のうち一方の穴13d’は図示せず)が設けられ、穴13d’を挿通しドア側のめねじ穴(図示せず)に螺合するボルト23により、下部取付部13bはドア3に取り付けられる。上部取付部13aの穴、下部取付部13bの穴13d、13d’は、対向するドア3側の穴との寸法公差を吸収するために、バカ穴となっている。
【0024】
また、下部取付部13bの下端側には、断面形状が円形で、同一方向に延びる2つの穴(凹部)13eが形成されている。
更に、ヒンジピン17の下端部側は、ボデー側ヒンジ15から突出し、後述するチェック装置51のシャフトに接続されるシャフト接続部31となっている。
【0025】
尚、本形態例のヒンジピン17はボデー側ヒンジ15に固定され、ドア側ヒンジ13に遊嵌するように設けられている。
次に、本形態例のチェック装置51は、特許文献1に開示された構成、すなわち、内部に粘性流体が封入されたケースと、ケース内に回転可能に設けられ、一方の端部側はケースの外部まで突出するシャフトと、ケース内でシャフトに沿って設けられたフラップ(ベーン)とを有し、シャフトを回転させる場合、シャフトの位相角度によって異なる抵抗を与える機構を設けたものである。
【0026】
図において、ケース(チェック本体)53の上面からシャフト55が突出している。このシャフト55の上端側は、ヒンジ装置11のヒンジピン17のシャフト接続部31に接続されるヒンジピン接続部57となっている。
【0027】
ケース53の上部には、上部取付部53aが、ケース53の下部には、下部取付部53bがそれぞれ設けられている。上部取付部53aは、ドア側ヒンジ13の下部取付部13b上に積層するように配置され、ドア側ヒンジ13の下部取付部13bの穴13dと対向する穴53c(バカ穴)が設けられている。そして、チェック装置51の上部取付部53aの穴53c、ヒンジ装置11の下部取付部13bの穴13dを挿通し、ドア側のめねじ穴に螺合するボルト23により、チェック装置51の上部取付部53a、ヒンジ装置11の下部取付部13bはドアに取り付けられる(図4参照)。下部取付部53bには、2つの穴53dが設けられ、これらの穴を挿通しドア側のめねじ穴(図示せず)に螺合するボルト28により、下部取付部53bはドア3に取り付けられる。
【0028】
ケース53のドア3と対向する面には、図1のC方向矢視図である図2に示すように、ヒンジ装置11の下部取付部13bの2つの穴13eに同時に係合可能な円柱状の2本の突起(凸部)53eが形成されている。
【0029】
そして、ヒンジ装置11の2つの穴13eにチェック装置51の2本の突起53eが係合することで、ドア側ヒンジ13に対するケース53の2次元平面方向の位置決めが行われる。すなわち、ヒンジ装置11の2つの穴13eと、チェック装置51の2本の突起53eとで、第1位置決め手段、第2位置決め手段が構成されている。
【0030】
次に、ヒンジ装置11のシャフト接続部31と、チェック装置51のヒンジピン接続部57との説明を行う。
ヒンジ装置11のシャフト接続部(ヒンジピン17)31の端面には、深さ方向と直交する方向の断面形状が非円形の凹部が形成されている。本形態例の凹部は、ヒンジピン17の端面に形成され、ヒンジピン17の周面まで至り、幅が一定の溝33とした。
【0031】
チェック装置51のシャフト55の上端側のヒンジピン接続部57には、凹部としての溝33に遊嵌可能で、ヒンジピン17、シャフト55間の回転力の伝達が可能な断面形状の凸部が形成されている。本形態例の凸部は、シャフト55の先端部に形成され、高さ方向と直交する方向の断面形状が矩形の角柱部56とした。
【0032】
更に、図1の切断線D−Dにおける断面構成図である図3に示すように、ヒンジピン17に形成された凹部である溝33の深さ方向(図3におけるE方向)は、ヒンジピン17の回転軸(図3における軸F)に対して傾いている。
【0033】
ここで、本形態例のヒンジ装置11とチェック装置51との取り付け方法を説明する。
最初に、ヒンジ装置11をドア3とピラー5とに取り付ける(ステップ1)。
次に、図3に示すように、底33aから開口33bに行くに従って、溝33とドア3のチェック装置51の取り付け面3aとの間隔が広くなるように、ヒンジピン17を位置させる(ステップ2)。
【0034】
そして、図8に示すように、ヒンジ装置11のシャフト接続部31の溝33に、チェック装置51のヒンジピン接続部57の角柱部56を挿入し、両者を嵌合させる。この時、ヒンジピン17の回転軸(図8における軸F)と、シャフト55の回転軸(図8における軸G)とは交差している(ステップ3)。
【0035】
最後に、図8に示すように、チェック装置51をチェック装置51の取り付け面3aに対して略直交する方向(図において、矢印X方向)に直線移動させ、ボルト23,28を用いてチェック装置51を取り付け面3aに取り付ける。その際、ヒンジ装置11の2つの穴13eにチェック装置51の2本の突起53eが係合することで、ドア側ヒンジ13に対するケース53の2次元平面方向の位置決めが行われる。この時、図9に示すように、ヒンジピン接続部57の角柱部56が変形し、ヒンジピン17の回転軸(図9における軸F)とシャフト55の回転軸(図9における軸G)とが同一直線上となる(ステップ4)。
【0036】
次に、上記構成のドア開閉機構の作動を説明する。
ヒンジピン17はボデー側ヒンジ15に固定されているので、ドア3が開閉すると、ドア3の回転はヒンジピン17を介してチェック装置51のシャフト55に伝達される。そして、チェック装置51は、ドアを所定の開度(例えば、半開状態、全開状態)、或いは、任意の開度でその状態を保持する。
【0037】
このような構成及び取り付け方法によれば、以下のような効果が得られる。
(1) ステップ4で、チェック装置51をチェック装置51の取り付け面3aに対して略直交する方向(図8の矢印X方向)に直線移動させてチェック装置51を取り付け面3aに取り付けることにより、第1及び第2の位置決め手段があっても、容易にチェック装置51を取り付けることができる。
【0038】
(2) ステップ4で、ヒンジピン17に形成された凹部である溝33の深さ方向(図3におけるE方向)は、ヒンジピン17の回転軸(図3における軸F)に対して傾いており、ヒンジ装置11とチェック装置51とを組み付けた後は、ヒンジピン17の回転軸とシャフト55の回転軸とが同一直線上にあることにより、溝33の内壁面に角柱部56の周面が押接し、溝33と角柱部56との嵌合部でのガタがなくなる。
【0039】
(3) ステップ2で底33aから開口33bに行くに従って、溝33とドア3のチェック装置51の取り付け面3aとの間隔が広くなるように、ヒンジピン17を位置させることにより、凹部である溝33の開口が設けられた面が組み付け作業者に向き、ヒンジ装置11のシャフト接続部31の溝33と、チェック装置51のヒンジピン接続部57の角柱部56との嵌合が容易となる。
【0040】
尚、本発明は、上記形態例に限定するものではない。以下のような変形例が可能である。
(1) 上記形態例では、ドア側にチェック装置51を設けたが、ボデー側に設けてもよい。この場合、上記形態例のドア側ヒンジ13、チェック装置51をボデー側に設け、ボデー側ヒンジ15をドア側に設ける。
【0041】
(2) 上記形態例では、ヒンジ装置11のヒンジピン17に凹部(溝33)を設け、チェック装置51のシャフト55に凸部(角柱部56)を設けたが、逆に、ヒンジ装置11のヒンジピン17に凸部(角柱部)を設け、チェック装置51のシャフト55に凹部(溝)を設けてもよい。この場合、ヒンジ装置11のヒンジピン17の凸部の高さ方向が、ヒンジピン17の回転軸に対して傾くようにすればよい。
【0042】
(3) シャフト接続部31やヒンジピン接続部57に形成する凹部,凸部は、上記形態例のような溝,角柱部に限定するものではない。例えば、凹部の深さ方向と直交する方向の断面形状、凸部の高さ方向の断面形状が四角形,六角形,ヘクサロビュラ形、スプライン形、セレーション形の凹部,凸部であってもよい。
【0043】
(4) 図10に示すように、角柱部56と溝33との接続を容易とするために、角柱部56の先端側の周面には、先端に行くに従って溝33の内壁面との間隔が広くなるような斜面56aを形成してもよい。
【0044】
(5) 角柱部56と溝33との接続を容易とするために、図11に示すように溝33の開口33b側の内壁面には、開口33bに行くに従って角柱部56の外壁面との間隔が広くなるような斜面33cを形成してもよい。
【0045】
(6) 上記形態例では、ヒンジ装置11のヒンジピン17に凹部(溝33)と、チェック装置51のシャフト55の凸部(角柱部56)との嵌合は、遊嵌であったが、隙間0の嵌合でも本発明は適用できる。隙間0の嵌合としては、例えば、図8において、溝(凹部)33の内壁面と角柱部(凸部)56の周面との間隔が0の嵌合や、図12に示すように、溝(凹部)133の内壁面に、開口133bに行くに従って角柱部(凸部)156の外壁面との間隔が広くなるような斜面133cを形成し、角柱部(凸部)156が挿入されると溝(凹部)133の底133aに角柱部(凸部)156の先端部が当接する前に角柱部(凸部)156の周面が溝(凹部)133の斜面(内壁面)133cに線接触(当接)するような嵌合がある。また、図13に示すように、角柱部(凸部)256の周面に、先端に行くに従って溝(凹部)233の内壁面との間隔が広くなるような斜面256aを形成し、角柱部256が溝233に挿入されると、溝233の底部233aに角柱部256の先端部256bが当接する前に角柱部256の周面256aが溝233の内壁面に線接触(当接)するような嵌合もある。
【0046】
(7) シャフト接続部31とヒンジピン接続部57とを圧入する方法として、図14に示す方法がある。図において、チェック装置51のシャフト55の先端部側は、L字形に折曲され、溝33に圧入可能なヒンジピン接続部157が形成されている。また、2本のボルト23は、図15に示すように、頭部とおねじ部との間に頭部からおねじ部に行くに従って縮径するテーパが形成されたテーパボルトである。このような構成によれば、テーパボルト23が螺合するに従って、チェック装置51がヒンジピン11方向(図15において上方向)に移動し、ヒンジピン接続部157が溝33に圧入される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】ヒンジ装置及びチェック装置の組付前の分解斜視図である。
【図2】図1のC方向矢視図である。
【図3】図1の切断線D−Dにおける断面構成図である。
【図4】ヒンジ装置及びチェック装置の組付後の斜視図である。
【図5】車両を説明する図である。
【図6】図5の切断線A−Aにおける断面図である。
【図7】図6のB方向矢視図である。
【図8】図1のヒンジ装置とチェック装置との取り付け方法を説明する図である。
【図9】図1のヒンジ装置とチェック装置との取り付け方法を説明する図である。
【図10】他の形態例を説明する図である。
【図11】他の形態例を説明する図である。
【図12】他の形態例を説明する図である。
【図13】他の形態例を説明する図である。
【図14】他の形態例を説明する図である。
【図15】図14の切断線H−Hにおける断面図である。
【符号の説明】
【0048】
11 ヒンジ装置
17 ヒンジピン
33 溝
51チェック装置
55シャフト
56 角柱部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアに設けられたドア側ヒンジ、ボデーに設けられたボデー側ヒンジ、前記ドア側ヒンジ、前記ボデー側ヒンジを挿通するヒンジピンからなるヒンジ装置と、ドア側、ボデー側のいずれかの側に固定されるチェック本体、前記ヒンジピンに接続されるシャフトを有するチェック装置とを有し、前記ヒンジピンを介して前記ドアの回転を前記シャフトに伝達するようにしたドア開閉機構において、
前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちのどちらか一方の端面に形成され、深さ方向と直交する方向の断面形状が非円形の凹部と、
前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちの他方の端部に形成され、前記凹部に嵌合可能で、前記ヒンジピン、前記シャフト間の回転力の伝達が可能な断面形状の凸部と、
を有し、
前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は前記凹部の深さ方向、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は前記凸部の高さ方向が、前記ヒンジピンの回転軸に対して傾いており、
前記ヒンジ装置と前記チェック装置とを組み付けた後は、前記ヒンジピンの回転軸と前記シャフトの回転軸とが同一直線上にあることを特徴とするドア開閉機構。
【請求項2】
前記凹部と前記凸部との嵌合は、遊嵌であることを特徴とする請求項1記載のドア開閉装置。
【請求項3】
前記凸部の先端側の周面に形成され、先端に行くに従って前記凹部の内壁面との間隔が広くなるような斜面、前記凹部の開口側の内壁面に形成され、開口に行くに従って前記凸部の外壁面との間隔が広くなるような斜面のうち、少なくともどちらか一方の斜面を有することを特徴とする請求項1または2記載のドア開閉機構。
【請求項4】
ドアに設けられたドア側ヒンジ、ボデーに設けられたボデー側ヒンジ、前記ドア側ヒンジ、前記ボデー側ヒンジを挿通するヒンジピンからなるヒンジ装置と、ドア側、ボデー側のいずれかの側に固定されるチェック本体、前記ヒンジピンに接続されるシャフトを有するチェック装置とを有し、前記ヒンジピンを介して前記ドアの回転を前記シャフトに伝達するようにしたドア開閉機構の組み付け方法において、
前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちのどちらか一方の端面に、断面形状が非円形の凹部を設け、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちの他方の端部に、前記凹部に嵌合可能で、前記ヒンジピン、前記シャフト間の回転力の伝達が可能な断面形状の凸部を設け、更に、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は前記凹部の深さ方向、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は前記凸部の高さ方向が、前記ヒンジピンの回転軸に対して傾くように形成しておき、
最初に前記ヒンジ装置を取り付け、
前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は、底から開口に行くに従って前記凹部と前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は、基部から先端部に行くに従って、前記凸部と前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように前記ヒンジピンを位置させ、
前記凹部と前記凸部とを嵌合させた状態で、前記ヒンジピンの回転軸と前記シャフトの回転軸とが同一直線上にあるように前記チェック装置を前記チェック装置の取り付け面に取り付けることを特徴とするドア開閉機構の取り付け方法。
【請求項1】
ドアに設けられたドア側ヒンジ、ボデーに設けられたボデー側ヒンジ、前記ドア側ヒンジ、前記ボデー側ヒンジを挿通するヒンジピンからなるヒンジ装置と、ドア側、ボデー側のいずれかの側に固定されるチェック本体、前記ヒンジピンに接続されるシャフトを有するチェック装置とを有し、前記ヒンジピンを介して前記ドアの回転を前記シャフトに伝達するようにしたドア開閉機構において、
前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちのどちらか一方の端面に形成され、深さ方向と直交する方向の断面形状が非円形の凹部と、
前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちの他方の端部に形成され、前記凹部に嵌合可能で、前記ヒンジピン、前記シャフト間の回転力の伝達が可能な断面形状の凸部と、
を有し、
前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は前記凹部の深さ方向、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は前記凸部の高さ方向が、前記ヒンジピンの回転軸に対して傾いており、
前記ヒンジ装置と前記チェック装置とを組み付けた後は、前記ヒンジピンの回転軸と前記シャフトの回転軸とが同一直線上にあることを特徴とするドア開閉機構。
【請求項2】
前記凹部と前記凸部との嵌合は、遊嵌であることを特徴とする請求項1記載のドア開閉装置。
【請求項3】
前記凸部の先端側の周面に形成され、先端に行くに従って前記凹部の内壁面との間隔が広くなるような斜面、前記凹部の開口側の内壁面に形成され、開口に行くに従って前記凸部の外壁面との間隔が広くなるような斜面のうち、少なくともどちらか一方の斜面を有することを特徴とする請求項1または2記載のドア開閉機構。
【請求項4】
ドアに設けられたドア側ヒンジ、ボデーに設けられたボデー側ヒンジ、前記ドア側ヒンジ、前記ボデー側ヒンジを挿通するヒンジピンからなるヒンジ装置と、ドア側、ボデー側のいずれかの側に固定されるチェック本体、前記ヒンジピンに接続されるシャフトを有するチェック装置とを有し、前記ヒンジピンを介して前記ドアの回転を前記シャフトに伝達するようにしたドア開閉機構の組み付け方法において、
前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちのどちらか一方の端面に、断面形状が非円形の凹部を設け、前記ヒンジ装置のヒンジピン、前記チェック装置のシャフトのうちの他方の端部に、前記凹部に嵌合可能で、前記ヒンジピン、前記シャフト間の回転力の伝達が可能な断面形状の凸部を設け、更に、前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は前記凹部の深さ方向、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は前記凸部の高さ方向が、前記ヒンジピンの回転軸に対して傾くように形成しておき、
最初に前記ヒンジ装置を取り付け、
前記ヒンジピンに形成されたのが凹部の場合は、底から開口に行くに従って前記凹部と前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように、前記ヒンジピンに形成されたのが凸部の場合は、基部から先端部に行くに従って、前記凸部と前記チェック装置の取り付け面との間隔が広くなるように前記ヒンジピンを位置させ、
前記凹部と前記凸部とを嵌合させた状態で、前記ヒンジピンの回転軸と前記シャフトの回転軸とが同一直線上にあるように前記チェック装置を前記チェック装置の取り付け面に取り付けることを特徴とするドア開閉機構の取り付け方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−36833(P2010−36833A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−205088(P2008−205088)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(590001164)シロキ工業株式会社 (610)
【出願人】(000103644)オイレス工業株式会社 (384)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(590001164)シロキ工業株式会社 (610)
【出願人】(000103644)オイレス工業株式会社 (384)
【Fターム(参考)】
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