説明

ドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行うシステムおよび方法

【課題】ドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行うシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】先ず、少なくとも1つの電子ドキュメントを受け取る。次に、データ記憶装置から内容管理データを読み出す。一実施形態において、内容管理データは、受け取ったドキュメント処理装置による出力処理が許容されない内容に対応する。次に、電子ドキュメントの少なくとも一部分が、受け取った内容管理データと比較される。次に、比較の結果にしたがって、受け取った電子ドキュメントの処理が制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドキュメント処理を行うシステムおよび方法に関し、特に、ドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行うシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドキュメント処理装置には、コピー機、プリンタ、ファクシミリ装置、および多機能周辺装置またはMFPと呼ばれる複数の機能を備えた装置がある。現在のドキュメント処理装置によって実行可能なドキュメントの複製、送信またはレンダリング動作の柔軟性を考えると、装置管理者が不適切と考えるドキュメントの内容の複製、出力または送信のためにドキュメント処理装置が用いられる実質的な機会が存在する。
【0003】
不適切な内容には、例えば、ポルノや冒涜がある。また、不適切な内容は、暴力、不寛容、攻撃的過激主義、賭博、薬物使用、または任意の不道徳または不法行為の分野を対象とすることがある。また、学校、企業または政府機関等のいくつかの機関は、機密データ、極秘データ、または公に配布されるべきでない他のタイプのデータ等の特定の内容を特に慎重に管理する必要がある。他者が望ましくない内容を使用する可能性があるような公に利用可能または見ることができる装置も懸念がある。このような事情が存在するが、従来のドキュメント処理システムは、処理対象のドキュメントに含まれる内容(コンテンツ)とは関係なしに、処理対象のドキュメント全体を一律に処理する。したがって、処理対象のドキュメントに含まれる不適切な内容、換言すれば許容されない内容も処理され、有形的あるいは電子的に出力されるという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の従来の問題点に鑑みてなされたもので、ドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行うシステムおよび方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行うシステムは、少なくとも1つの電子ドキュメントを受け取るドキュメント受取り手段と、内容管理データを保存するデータ記憶手段と、データ記憶手段から関連する内容管理データを読み出す内容管理データ読出し手段とを有し、内容管理データは、少なくとも1つのドキュメント処理装置と関連付けられ、出力処理が許容されない内容に対応する。また、本システムは、少なくとも1つの電子ドキュメントの少なくとも一部分を読み出した内容管理データと比較する比較手段を有する。本システムは、さらに、比較手段の出力にしたがって受け取った電子ドキュメントのドキュメント処理装置による出力処理を制御する制御手段を有する。
【0006】
本発明の一実施形態では、システムは、また、制御手段の出力にしたがって、ドキュメント処理装置により受け取った電子ドキュメントの少なくとも一部分をマスクするマスク手段を有する。
【0007】
本発明の別の実施形態では、システムは、また、システムは、オーバーレイ・データを受け取るオーバーレイ・データ受取り手段を有する。この実施形態においては、マスク手段は、受け取った電子ドキュメントの少なくとも一部分を、受け取ったオーバーレイ・データによってマスクする手段を含む。
【0008】
本発明の他の実施形態では、制御手段は、変更された電子ドキュメントに対応するしるし(indicia)を生成し、表示する手段を含む。
【0009】
本発明のさらに別の実施形態では、内容管理データは予め選択された文字列データを含む。この実施形態では、システムは、さらに、受け取った電子ドキュメントを画像データに変換する変換手段と、変換手段によって生成されたか、または受け取った電子ドキュメントに含まれる画像データから符号化文字データを生成する光学式文字認識手段とを有する。さらに、比較手段は、符号化文字データを予め選択された文字列データと比較する手段を含む。
【0010】
本発明の別の実施形態では、内容管理データは、受け取った前記電子ドキュメントに含まれる表現をそのまま出力処理することに関する許容基準に対応するデータを含む。
【0011】
また、本発明によるドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行う方法は、少なくとも1つの電子ドキュメントを受け取るステップと、データ記憶装置から少なくとも1つのドキュメント処理装置と関連付けられ出力処理が許容されない内容に対応する内容管理データを読み出すステップと、少なくとも1つの電子ドキュメントの少なくとも一部分を読み出した内容管理データと比較する比較ステップと、比較ステップの出力にしたがって受け取った電子ドキュメントのドキュメント処理装置による出力処理を制御する制御ステップとを含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行うシステムおよび方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態よるドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行うシステム全体の構成例である。
【図2】本発明による実施形態のシステムの動作が実行されるドキュメント処理装置のハードウェアの構成例である。
【図3】本発明による実施形態のシステムの動作が実行されるドキュメント処理装置の機能ブロックの構成例である。
【図4】本発明による実施形態のシステムの動作が実行されるコントローラのハードウェアの構成例を説明するための図である。
【図5】本発明による実施形態のシステムの動作が実行されるコントローラの機能ブロックの構成例を説明するための図である。
【図6】本発明による実施形態におけるドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行う基本的な動作例を表すフローチャートである。本発明による実施形態における
【図7】本発明による実施形態におけるドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行う動作例を詳細に表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、適宜、図面を参照しながら本発明による実施形態の説明を行う。図1は本発明の実施形態よるドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行うシステム(content-sensitive document processing system)全体の構成例を示す。図に示したシステム100は、コンピュータ・ネットワーク102として表されている分散コンピューティング環境を利用している。コンピュータ・ネットワーク102は、複数の電子装置間におけるデータの交換を可能とする本技術分野で知られている任意の分散通信システムである。コンピュータ・ネットワーク102は、例えば、仮想ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、パーソナル・エリア・ネットワーク、ローカル・エリア・ネットワーク、インターネット、イントラネット、またはそれらの任意の組み合わせを含む本技術分野で知られている任意のコンピュータ・ネットワークである。本発明による一実施形態において、コンピュータ・ネットワーク102は、例えば、トークン・リング、IEEE802.11(x)、Ethernet(登録商標)またはその他の無線ベースまたは有線ベースのデータ通信メカニズム等の既存の多数のデータ転送メカニズムによって例示されるような物理レイヤおよびトランスポート・レイヤから構成される。図にはコンピュータ・ネットワーク102を示したが、本発明は、本技術分野で知られているスタンドアローンのシステムにも同様に適用される。
【0015】
システム100は、さらに、様々なドキュメント処理を実行するために適切な多機能周辺装置(Multi-Function Peripheral;以下、MFPということがある。)として図に表されているドキュメント処理装置104を含む。しかし、MFPはドキュメント処理装置の一形態であって、本発明におけるドキュメント処理装置がMFPに限定されるものではない。ドキュメント処理装置における処理動作には、例えば、ファクシミリ通信、画像走査、コピー、印刷、電子メール、ドキュメント管理、ドキュメント保存等の処理動作がある。本発明による一形態においては、ドキュメント処理装置104は、リモート・ドキュメント処理サービスを外部装置あるいはネットワーク装置に対して提供する。ドキュメント処理装置104は、ユーザ、ネットワークに接続された装置あるいは外部装置等とやり取りするように構成された、ハードウェア、ソフトウェアおよびこれらの任意の適切な組み合わせを含む。ドキュメント処理装置104の構成等については、後ほど図2と図3を参照しながら説明を行う。
【0016】
また、本発明による一実施形態において、ドキュメント処理装置104は、例えば、IEEE 1394あるいはUSBインターフェイスを有する各種ドライブ、または多様なICメモリカード等の、複数のポータブル記憶媒体を受け入れるためのインターフェイスを備える。本発明の実施形態においては、ドキュメント処理装置104は、さらに、タッチスクリーン、LCD、タッチパネルまたは英数字キーパッド等のユーザ・インターフェイス106を備え、ユーザは、このようなユーザ・インターフェイスを介してドキュメント処理装置104と直接やり取りすることができる。ユーザ・インターフェイス106は、ユーザに対して情報を伝達するとともに、ユーザから選択内容を受け取るために有効に用いられる。ユーザ・インターフェイス106は、本技術分野で知られているように、ユーザにデータを提示するために適切な様々なコンポーネントを含む。本発明の一実施形態によれば、ユーザ・インターフェイス106は、後ほど説明するように、1つまたは複数のグラフィック要素、テキスト・データ、画像等をユーザに表示し、ユーザから入力情報を受け取り、その入力情報をコントローラ108等のバックエンド・コンポーネントに送るように適切に適応された表示装置を備える。
【0017】
ドキュメント処理装置104は、適切な通信リンク112を介して、コンピュータ・ネットワーク102に通信可能に接続されている。適切な通信リンク112としては、例えば、WiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11(x)、Bluetooth(登録商標)、公衆交換電話網、専用通信ネットワーク、赤外線接続、光接続、または本技術分野において知られている他の適切な有線または無線のデータ通信チャネルがある。
【0018】
本発明による実施形態において、ドキュメント処理装置104は、さらに、コントローラ108として示した、ドキュメント処理装置104の処理動作を容易にする適切なバックエンド・コンポーネントを内蔵する。コントローラ108は、ドキュメント処理装置104の動作の制御、あるいはユーザ・インターフェイス106を介した画像の表示の制御、または電子画像データの操作の指示等の処理を容易にするように構成されたハードウェア、ソフトウェアあるいはこれらの適切な組み合わせによって実装される。以下の説明においては、コントローラ108という用語は、後述する動作を実行し、もしくは実行させ、もしくは制御し、またはその他の方法で指示するように機能するハードウェア、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせを含むドキュメント処理装置104と関連する任意の多数のコンポーネントの意味で使用する。なお、図および上記の説明において、コントローラ108をドキュメント処理装置104に内蔵された形態としたが、コントローラ108は、ドキュメント処理装置104に通信可能に接続された外部装置の形態であってもよい。コントローラ108との関連において説明を行う動作は、本技術分野において知られている任意の汎用的なコンピューティング・システムによって実行可能である。したがって、コントローラ108は、このような汎用的なコンピューティング装置を表しており、以下の説明において使用する際にも、そのように意図されている。また、以下の説明においてはコントローラ108を使用しているが、これは実施形態の例にすぎず、その他の実施形態においても、本発明によるドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行うシステムおよび方法を利用することができる。コントローラ108の構成等については、後ほど図4と図5を参照しながら説明を行う。
【0019】
また、ドキュメント処理装置104にはデータ記憶装置110が通信可能に接続されている。データ記憶装置110は、例えば、ハードディスク・ドライブ、その他の磁気記憶装置、光学式記憶装置、フラッシュ・メモリまたはそれらの任意の組み合わせを含む本技術分野で知られている大容量記憶装置である。一実施形態において、データ記憶装置110は、ドキュメント・データ、画像データ、電子的データベースのデータ等を保存するように適切に適合されている。データ記憶装置110は、図においてはシステム100の独立したコンポーネントとして例示されているが、例えば、内蔵ハードディスク・ドライブ等のような、ドキュメント処理装置104の内部記憶装置、あるいはコントローラ108のコンポーネント等として実装することができる。本発明の一実施形態において、データ記憶装置110は、ドキュメント処理装置104が設置されている場所、環境に不適切な内容管理データ(content data)を含む電子データベースを含む。例えば、ドキュメント処理装置104が中等学校または高等学校環境に設置される場合、データ記憶装置110のデータベースに保存される不適切な内容のデータには、ドキュメント処理装置104による出力が許容されないとして学校の管理者によって設定される、例えば、暴力、ポルノ、道徳的または倫理的または法的に認められない行動、および冒涜等に関連するデータがある。ドキュメント処理装置104がオフィス環境に設置される場合には、許容されない内容(unacceptable content)に、機密情報または極秘情報を含めることができる。その結果、管理者によって定められ予め選択された機密情報または極秘情報を含むすべてのドキュメントは、ドキュメント処理装置104による出力が許容されないと判断される。
【0020】
システム100は、通信リンク116を介してコンピュータ・ネットワーク102とデータ通信を行うユーザ装置114を、さらに、含む。図においてはユーザ装置114をデスクトップ形パーソナル・コンピュータとして示しているが、これは例示にすぎない。ユーザ装置114は、例えば、コンピュータ・ワークステーション、ノート形パーソナル・コンピュータ、携帯情報端末(personal digital assistant;PDA)、ウェブ適合(web-enabled)携帯電話、スマート・フォン、専用通信ネットワーク用の装置またはその他のウェブ適合電子装置を含む本技術分野において知られている任意のパーソナル・コンピューティング装置を表している。通信リンク116は、例えば、Bluetooth(登録商標)、WiMax、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11(x)、専用通信ネットワーク、赤外線接続、光接続、公衆交換電話網、または本技術分野において知られている他の適切な有線または無線のデータ通信チャネルである。ユーザ装置114は、電子ドキュメント、ドキュメント処理インストラクション、ユーザ・インターフェイス修正、アップグレード、更新、パーソナル化データ等を生成し、ドキュメント処理装置104あるいはコンピュータ・ネットワーク102に接続された他の類似装置に送信する。
【0021】
次に、図2および図3を参照しながら、本発明による実施形態におけるシステムの動作が実行されるドキュメント処理装置のハードウェアおよび機能構成等を説明する。図2に本発明による実施形態においてシステム100の動作が実行され、図1ではドキュメント処理装置104として表した、ドキュメント処理装置200のハードウェア・アーキテクチャの構成例を示す。ドキュメント処理装置200には、少なくとも1つのCPUから構成されるプロセッサ202が含まれる。プロセッサ202は、互いに協調して動作する複数のCPUから構成されることもある。また、ドキュメント処理装置200には、BIOS機能、システム機能、システム構成データおよびドキュメント処理装置200の動作に使用するその他のルーチンもしくはデータ等の静的または固定的なデータ、あるいはインストラクションのために有効に使用される、不揮発性または読出し専用メモリ(ROM)204が含まれる。
【0022】
また、ドキュメント処理装置200には、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ、または他の任意の適切なアドレス指定可能かつ書込み可能なメモリ・システムから構成されるRAM206が含まれている。RAM206は、プロセッサ202によって処理されるアプリケーションおよびデータ処理に関係するデータ・インストラクションのための記憶領域を提供する。
【0023】
ストレージ・インターフェイス208は、ドキュメント処理装置200に関連するデータの不揮発性保存、大容量保存または長期的な保存ためのメカニズムを提供する。ストレージ・インターフェイス208は、参照符号216で示したディスク・ドライブ、あるいは光学式ドライブ、テープ・ドライブ等の適切な任意のアドレス指定可能、またはシリアル記憶装置等の大容量記憶装置の他、当業者に知られている適切な任意の記憶媒体を使用する。
【0024】
ネットワーク・インターフェイス・サブシステム210は、ネットワークとの間の入出力を適切にルーティングすることによって、ドキュメント処理装置200が他の装置と通信することを可能にする。ネットワーク・インターフェイス・サブシステム210は、ドキュメント処理装置200の外部装置との1つまたは複数のコネクションを確立する。図においては、一例として、Ethernet(登録商標)およびトークン・リング等といった固定または有線ネットワークとのデータ通信のための少なくとも1つのネットワーク・インターフェイス・カード214、およびWiFi(Wireless Fidelity)、WiMax、無線モデム、セルラ・ネットワークまたは適切な任意の無線通信システム等の手段を介した無線通信のために適切な無線インターフェイス218を示している。ネットワーク・インターフェイス・サブシステム210は、任意の物理的データ転送レイヤあるいは物理的データ転送レイヤではないデータ転送レイヤまたはプロトコル・レイヤを適切に利用する。図においては、ネットワーク・インターフェイス・カード214は、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワークまたはこれらの組合せから適切に構成される物理的ネットワーク220を介したデータ交換を行うために、相互接続されている。
【0025】
プロセッサ202、読出し専用メモリ(ROM)204、RAM206、ストレージ・インターフェイス208およびネットワーク・インターフェイス・サブシステム210の間のデータ通信は、バス212によって例示したバス・データ転送メカニズムを介して行われる。
【0026】
ドキュメント処理装置200における実行可能なインストラクションは、ワークステーション、ドキュメント処理装置、他のサーバ等の複数の外部装置との通信を容易にする。動作の際、典型的な装置は自立的に動作するが、しばしば、ローカル・ユーザによる直接的な制御が望ましい場合もある。ローカル・ユーザによる直接的な制御は、ユーザ入出力(I/O)パネル224へのオプションの入出力(I/O)インターフェイス222を介して実行することができる。
【0027】
また、1つまたは複数のドキュメント処理エンジンへのインターフェイスも、バス212を介してデータ通信を行う。図に示した実施形態においては、印刷インターフェイス226、コピー・インターフェイス228、画像走査インターフェイス230およびファクシミリ・インターフェイス232は、それぞれ、印刷エンジン234、コピー・エンジン236、画像走査エンジン(スキャナ)238、およびファクシミリ・エンジン240との通信を容易にする。ドキュメント処理装置200は、1つまたは複数のドキュメント処理機能を適切に実行する。複数のドキュメント処理動作を実行するシステムは、前述したように、通常、多機能周辺装置(MFP)または多機能装置と呼ばれる。
【0028】
次に図3を参照しながらシステムの動作が実行されるドキュメント処理装置の機能ブロックを説明する。図3に、本発明による実施形態のシステム100の動作が実行される、図1においてはドキュメント処理装置104として示した、ドキュメント処理装置300の機能ブロックの構成例を示す。図3は、ソフトウェアおよびオペレーティング・システム機能と関連して、図2に示したハードウェアの機能性を例示している。
【0029】
ドキュメント処理装置300は、1つまたは複数のドキュメント処理動作を円滑に実行するドキュメント処理エンジン302を含む。ドキュメント処理エンジン302は、印刷エンジン304、ファクシミリ・エンジン306、画像走査エンジン(スキャナ)308およびコンソール・パネル310を含む。印刷エンジン304は、ドキュメント処理装置300に伝達された電子ドキュメントを、物理的なドキュメント、すなわちハードコピーの出力を可能とする。ファクシミリ・エンジン306は、ファクシミリ・モデム等の装置を介して、外部のファクシミリ装置との間で相互にファクシミリ通信を行う。
【0030】
画像走査エンジン(スキャナ)308は、ハードコピー・ドキュメントを受け取り、このハードコピー・ドキュメントに対応する画像データに変換するように機能する。コンソール・パネル310等のユーザ・インターフェイスは、ユーザからのインストラクションの入力と、ユーザへの情報の表示を可能にする。画像走査エンジン308は、有形のドキュメントの入力を、ビットマップ・フォーマット、ベクター・フォーマットまたはページ記述言語(PDL)フォーマットの電子的な形態へ変換し、さらに、光学文字認識のためにも構成されている。また、有形のドキュメントの画像走査は、ファクシミリ動作においても有効に機能する。
【0031】
図3に示したドキュメント処理エンジン302は、ドライバ326を介したネットワークとのインターフェイス316も備え、例えばネットワーク・インターフェイス・カードから構成されている。ネットワークは、有線、無線あるいは光によるデータ通信のような任意の適切な物理的レイヤおよび物理的でないレイヤによって、十分なやり取りを実現している。
【0032】
ドキュメント処理エンジン302は、1つまたは複数のデバイス・ドライバ314と適切な通信を行う。デバイス・ドライバ314は、実際のドキュメント処理動作を実行するために、ドキュメント処理エンジン302と、1つまたは複数の物理的装置との間のデータ交換を可能とする。このようなドキュメント処理動作には、ドライバ318による印刷、ドライバ320によるファクシミリ通信、ドライバ322による画像走査、およびドライバ324によるユーザ・インターフェイス機能の中の1つまたは複数のものが含まれる。これらの多様な装置は、ドキュメント処理エンジン302と関連する1つまたは複数の対応したエンジンと結合されている。本発明においては、ドキュメント処理動作の任意のセットまたはサブセットが想定されている。複数の利用可能なドキュメント処理選択肢を含むドキュメント処理装置はMFPと呼ばれる。
【0033】
次に、図4および図5を参照しながら、本発明による実施形態におけるシステムの動作が実行されるコントローラのハードウェアおよび機能構成等を説明する。図4に本発明による実施形態においてシステム100の動作が実行されるバックエンド・コンポーネント、すなわち、図1においてはコントローラ108として示した、コントローラ400のハードウェア・アーキテクチャの構成例を説明するための図を示す。尚、図4においては、コントローラの構成要素の意義をより明確にするため、参照符号432で表した、コントローラ以外のドキュメント処理装置の構成要素の一部を併せて示している。コントローラ400は、本明細書に記載する動作を円滑に実行する能力を有する、本技術分野において知られている任意の汎用コンピューティング装置を表す。コントローラ400には、少なくとも1つのCPUを含むプロセッサ402が含まれる。プロセッサ402は、互いに協調して動作する複数のCPUから構成されることもある。また、コントローラ400には、BIOS機能、システム機能、システム構成データおよびコントローラ400の動作に使用されるその他のルーチンもしくはデータ等の静的または固定的なデータ、あるいはインストラクションのために有効に使用される、不揮発性または読出し専用メモリ(ROM)404が含まれる。
【0034】
また、コントローラ400には、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ、または他の任意の適切なアドレス指定可能かつ書込み可能なメモリ・システムから構成されるRAM406が含まれる。RAM406は、プロセッサ402によって処理されるアプリケーションおよびデータ処理に関係するデータ・インストラクションのための記憶領域を提供する。
【0035】
ストレージ・インターフェイス408は、コントローラ400に関連するデータの不揮発性保存、大容量保存または長期的な保存ためのメカニズムを提供する。ストレージ・インターフェイス408は、参照符号416で示したディスク・ドライブ、光学式ドライブ、あるいはテープ・ドライブ等の適切な任意のアドレス指定可能、またはシリアル記憶装置等の大量記憶装置の他、当業者に知られている適切な任意の記憶媒体を使用する。
【0036】
ネットワーク・インターフェイス・サブシステム410は、ネットワークとの間の入出力を適切にルーティングすることによって、コントローラ400が他の装置と通信することを可能にする。ネットワーク・インターフェイス・サブシステム410は、コントローラ400に対する外部装置との1つまたは複数のコネクションを確立する。図においては、例えば、Ethernet(登録商標)、トークン・リング等といった固定または有線ネットワークとのデータ通信のための少なくとも1つのネットワーク・インターフェイス・カード414、およびWiFi、WiMax、無線モデム、セルラ・ネットワークまたは適切な任意の無線通信システム等の手段を介した無線通信のために適切な無線インターフェイス418とを示している。ネットワーク・インターフェイス・サブシステム410は、任意の物理的データ転送レイヤあるいは物理的データ転送レイヤではないデータ転送レイヤまたはプロトコル・レイヤを適切に利用する。図においては、ネットワーク・インターフェイス・カード414は、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワークまたはそれらの組合せから適切に構成される物理的ネットワーク420を介したデータ交換を行うために、相互接続されている。
【0037】
プロセッサ402、読出し専用メモリ(ROM)404、RAM406、ストレージ・インターフェイス408およびネットワーク・インターフェイス・サブシステム410の間のデータ通信は、バス412によって例示したバス・データ転送メカニズムを介して行われる。
【0038】
また、ドキュメント・プロセッサ・インターフェイス422もバス412を介してデータ通信を行う。ドキュメント・プロセッサ・インターフェイス422は、様々なドキュメント処理動作を実行するために、ドキュメント処理ハードウェア432との接続を提供する。そのようなドキュメント処理動作には、コピー・ハードウェア424によって実行されるコピー、画像走査ハードウェア426によって実行される画像走査、印刷ハードウェア428によって実行される印刷、およびファクシミリ・ハードウェア430によって実行されるファクシミリ通信がある。コントローラ400は、これらのドキュメント処理動作のいずれかまたは全部を適切に動作させる。複数のドキュメント処理動作を実行可能なシステムは、前述したように、MFPまたは多機能装置と呼ばれる。システム100の機能は、ドキュメント処理装置と関連するインテリジェント・サブシステムとして図4に示したコントローラ400(図1においてはコントローラ108として示した。)を含む、ドキュメント処理装置104等の適切なドキュメント処理装置において実行される。
【0039】
次に図5を参照しながらシステムの動作が実行されるコントローラの機能ブロックと動作の概要を説明する。図5に、本発明による実施形態のシステム100の動作が実行されるコントローラの機能ブロックの構成例を説明するための図を示す。尚、図5においても、コントローラの機能要素の意義をより明確にするため、コントローラ以外のドキュメント処理装置の機能要素の一部を併せて示している。図5は、ソフトウェアおよびオペレーティング・システム機能と関連して、図4に示したハードウェアの機能性を例示している。
【0040】
コントローラ機能は、ドキュメント処理エンジン502を含む。一実施形態において、ドキュメント処理エンジン502は、印刷動作、コピー動作、ファクシミリ通信動作および画像走査動作を可能にする。これらの機能が1つの装置で実行できる装置は、産業界において一般に好まれているドキュメント処理周辺装置であるMFPである。しかし、コントローラが上記のドキュメント処理動作のすべてを可能にする必要は必ずしもない。コントローラは、上記のドキュメント処理動作の一部を実行する専用のドキュメント処理装置、あるいはより限定した目的のドキュメント処理装置においても有効に用いられる。
【0041】
ドキュメント処理エンジン502はユーザ・インターフェイス・パネル510と適切にインターフェイスされている。ユーザまたは管理者は、このユーザ・インターフェイス・パネル510を介して、ドキュメント処理エンジン502によって制御される機能にアクセスすることができる。アクセスは、コントローラにローカルに接続されているインターフェイスを介して行われるか、または遠隔のシン・クライアント(thin client)もしくはシック・クライアント(thick client)によって遠隔から行われる。
【0042】
ドキュメント処理エンジン502は、印刷機能部504、ファクシミリ通信機能部506および画像走査機能部508とデータ通信を行う。これらの機能部は、印刷、ファクシミリの送受信、およびドキュメント画像をコピーのために取得するか、またはドキュメント画像の電子バージョンを生成するための、ドキュメント画像走査の実際の処理動作を容易にする。
【0043】
ジョブ・キュー(job queue)512は、印刷機能部504、ファクシミリ通信機能部506および画像走査機能部508とデータ通信を行う。ビットマップ・フォーマット、ページ記述言語(PDL)フォーマットまたはベクター・フォーマット等の種々の画像形式は、画像走査機能部508からジョブ・キュー512を介して以降の処理のために中継される。
【0044】
ジョブ・キュー512は、また、ネットワーク・サービス機能部514ともデータ通信を行う。一実施形態において、ジョブ制御信号、状態データまたは電子ドキュメント・データが、ジョブ・キュー512とネットワーク・サービス機能部514との間で交換される。このように、適切なインターフェイスが、クライアント側ネットワーク・サービス機能520を介したコントローラ機能へのネットワーク・ベースのアクセスのために設けられており、このインターフェイスは、任意の適切なシン・クライアントまたはシック・クライアントである。一実施形態において、ウェブ・サービス・アクセスは、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、ファイル転送プロトコル(FTP)、ユニフォーム・データ・ダイアグラム・プロトコルまたは他の任意の適切な交換メカニズムによって実行される。ネットワーク・サービス機能部514は、また、FTP、電子メール、あるいはテルネット(TELNET)等による通信のために、クライアント側ネットワーク・サービス機能520とのデータ交換も有効に提供する。このように、コントローラ機能は、種々のネットワーク・アクセス・メカニズムによって、電子ドキュメントおよびユーザ情報の出力あるいは受信を容易にする。
【0045】
ジョブ・キュー512は、また、画像プロセッサ516ともデータ通信を行う。画像プロセッサ516は、印刷機能部504、ファクシミリ通信機能部506または画像走査機能部508等の装置機能部と、電子ドキュメントを交換するために適したフォーマットに変換するラスタ画像処理(RIP)、ページ記述言語インタープリタまたは任意の適切な画像処理を行うメカニズムである。
【0046】
さらに、ジョブ・キュー512は、ジョブ解析部(job parser)518とデータ通信を行い、このジョブ解析部518はクライアント装置サービス部522等の外部装置からの印刷ジョブ言語ファイルを受け取る働きをする。クライアント装置サービス部522は、電子ドキュメントの印刷、ファクシミリ通信、またはコントローラ機能による処理が有効である他の適切な電子ドキュメントの入力を含む。ジョブ解析部518は、受け取った電子ドキュメント・ファイルを解析し、前述した機能およびコンポーネントと関連する処理のために、解析した電子ドキュメント・ファイル情報をジョブ・キュー512に中継する働きをする。
【0047】
以下、本発明の実施形態における動作の概要を説明する。先ず、少なくとも1つの電子ドキュメントを受け取る。次に、データ記憶装置から内容管理データを読み出す。本発明の一実施形態において、内容管理データは、受け取ったドキュメント処理装置による出力処理が許容されない内容、例えば、機密情報、極秘データ、ポルノ、暴力画像またはテキスト、冒涜、不道徳または不法な画像またはテキスト、またはこれらの組み合わせを表す内容のタイプを示す。本発明の他の実施形態において、内容管理データは、受け取ったドキュメント処理装置と関連付けられた出力処理が許容される内容に対応する。すなわち、この実施形態において内容管理データは、ドキュメント処理装置104による処理に許容される内容のタイプを示す。次に、電子ドキュメントの少なくとも一部分が、受け取った内容管理データと比較される。次に、比較の結果にしたがって、受け取った電子ドキュメントの処理が制御される。
【0048】
本発明の例示的な一実施形態においては、先ず、ドキュメント処理装置104による処理のための電子ドキュメントを含むドキュメント処理要求をユーザから受け取る。ドキュメント処理装置104は、電子ドキュメントを、有形のドキュメントの画像走査処理、ポータブル記憶媒体、ネットワーク記憶装置(図示せず)、ユーザ装置114からの通信等によって受け取ることができる。また、受け取った電子ドキュメントには、テキスト、画像、グラフィックス、写真またはこれらの任意の組み合わせが含まれる。次に、受け取った電子ドキュメントは、画像データに変換される。但し、電子ドキュメントが符号化された画像データを含む場合には、電子ドキュメントを画像データに変換する必要はないことは明らかであろう。
【0049】
次に、コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントは、データ記憶装置110から内容管理データを読み出す。前述したように、内容管理データは、本発明の一実施形態においては、受け取ったドキュメント処理装置による出力処理が許容されない内容を表し、他の実施形態においては、受け取ったドキュメント処理装置と関連付けられた出力処理が許容される内容を表す。例えば、管理者または権限のある他の者が、ドキュメント処理装置104に関連した電子ドキュメントの許容される内容と許容されない内容を設定する。すなわち、管理者等は、例えば、機密データ、極秘データ、ポルノ、暴力、冒涜、不道徳、または不法等に関連する内容のような、出力が制限されるべき、すなわち、許容されないと考えられるタイプの内容と、許容される内容とを判断する。本発明の一実施形態によれば、電子ドキュメントの内容のタイプは、ドキュメント処理装置104が要求されたドキュメント処理動作を実行することを許される否かを指示し、許容されない内容に関する電子ドキュメントの修正を指示し、またはこれらの適切な組み合わせを指示する。換言すると、管理者は、ドキュメント処理装置104が設置された環境、例えば、中等学校、高等学校、図書館、オフィス等に不適切な言葉および画像、すなわち、内容管理データを定め、これらの言葉および画像はドキュメント処理装置104に接続されたデータ記憶装置110のデータベースに保存される。内容管理データには、例えば、予め選択された文字列データ等を含めることができる。
【0050】
次に、符号化した文字データが、コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントによって、画像データから生成される。本発明の一実施形態によれば、符号化文字データは、画像データについて光学式文字認識または画像認識を実行することにより生成される。このような実施形態では、光学式文字認識エンジン、例えば、コントローラ108は、受け取った電子ドキュメントのテキストおよび画像領域の一方または両方を認識する。次に、符号化文字データは予め選択された文字列データと比較され、受け取った電子ドキュメントをそのまま出力することが許容されるか否かが判断される。すなわち、符号化文字データによって表現されるようなドキュメント内のそれぞれの言葉および画像の少なくとも一方が、以前に保存された、許容されない内容(例えば、文字列データ)と比較され、ドキュメントが許容されない内容を含むか否かが判断される。例えば、そのまま出力することが許容されない内容がコントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントによって検出されない場合のように、一致が見出されない場合には、受け取った電子ドキュメントについて要求されたドキュメント処理動作が実行される。
【0051】
コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントが、受け取った電子ドキュメントにそのまま出力することが許容されない内容が存在すると判断した場合、データ記憶装置110から管理設定(administrative settings)情報が読み出される。本発明の一実施形態によれば、管理設定情報は、コントローラ108によって、受け取った電子ドキュメントに含まれるそのまま出力することが許容されない内容に対して行われる制御方法に対応する。次に、コントローラ108は、読み出した管理設定情報にしたがって、受け取った電子ドキュメントに実行する適切な制御方法を決定する。例えば、適切な管理制御方法としては、ドキュメント全体の出力の阻止、ドキュメントの許容されない内容を含む個別のページの出力の阻止、許容されない内容を含むページの予め選択された警告ページとの置換え、許容されない内容の、例えば、予め選択されたオーバレイとの置換えによるマスク処理、または許容されない内容のドキュメントからの除去(例えば、該当する内容の削除)等がある。すなわち、ドキュメント全体の管理制御、ドキュメントのページ単位の管理制御、または許容されない内容が表された部分の管理制御がある。
【0052】
管理設定情報が、許容されない内容を含む電子ドキュメント全体をドキュメント処理装置104によって出力すべきではないことを表している場合、その電子ドキュメントはドキュメント処理装置104によってまったく出力されず、ユーザは受け取ったドキュメントの印刷、コピー、ファックス送信、電子的な送信をまったく行うことができない。管理設定情報が、受け取ったドキュメントの許容されない内容を含むページだけを阻止すべきであることを表している場合、コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントは、許容されない内容を含むページを特定する。その後、特定されたページは電子ドキュメントから除去され、その結果、当初の電子ドキュメントは変更される。例えば、ドキュメントが極秘情報または機密情報を含む場合、コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントは、受け取った電子ドキュメントから許容されない内容、すなわち機密情報等を含むページを除去する。次に、変更された電子ドキュメントに対応するしるし(indicia)が、コントローラ108によって生成され、ユーザ・インターフェイス106を介して表示される。変更されたドキュメントに関連して生成されたしるしは、ユーザ装置114によっても表示することができる。一実施形態において、ユーザは、ユーザ・インターフェイス106を介して、承認用の変更されたドキュメントのグラフィック表示を提示される。この実施形態においては、変更されたドキュメントをユーザが承認したとき、ドキュメント処理装置104は、変更された電子ドキュメントについて要求されたドキュメント処理動作を実行する。
【0053】
管理設定情報によってページの置き換えが表されている場合、コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントによって、置き換えられるページが許容されない内容を含んでいる旨の警告をユーザに示す警告ページが生成される。その後、許容されない内容を含むページが生成された警告ページと置き換えられ、当初の電子ドキュメントから変更された電子ドキュメントが生成される。次に、例えば、許容されない内容を含む当初のページの代わりに警告ページを含む変更されたドキュメントに対応するしるしが、ユーザ・インターフェイス106によって表示される。一実施形態においては、ユーザが変更されたドキュメントを承認すると、ドキュメント処理装置104は変更された電子ドキュメントについて要求されたドキュメント処理動作を実行する。
【0054】
管理設定情報が、許容されない内容を予め定められた画像またはテキスト(例えば、オーバレイ)との置き換えを表している場合、コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントは、データ記憶装置110からオーバーレイ・データを受け取る。そのようなオーバーレイ・データには、例えば、許容される画像または許容される言語の置換えを含ませることができる。次に、許容されない内容が受け取ったオーバーレイ・データを用いてマスクされ、許容されない内容が許容される内容を用いて覆われ、当初の電子ドキュメントから変更された電子ドキュメントが生成される。次に、変更されたドキュメントに対応するしるしが表示される。一実施形態において、ユーザは、ユーザ・インターフェイス106を介して、承認用の変更されたドキュメントのグラフィック表示を提示される。次に、ドキュメント処理装置104は、変更された電子ドキュメントについて要求されたドキュメント処理動作を実行する。
【0055】
管理設定情報が、許容されない内容の除去を表している場合、コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントは、電子ドキュメントから許容されない内容を除去する。すなわち、許容されない内容は、電子ドキュメントから削除され、当初の電子ドキュメントが変更される。次に、ユーザ・インターフェイス106によって、変更された電子ドキュメントに対応するしるしが表示され、ドキュメント処理装置104は、変更された電子ドキュメントについて要求されたドキュメント処理動作を実行する。
【0056】
次に図6および図7を参照しながら、本発明による実施形態におけるドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行う動作を説明する。図6に、本発明による実施形態におけるドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行う基本的な動作例を表すフローチャートを示す。先ず、S602で、ドキュメント処理装置104は、少なくとも1つの電子ドキュメントを受け取る。受け取った電子ドキュメントは、例えば、画像、写真、テキスト、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0057】
次に、S604で、例えば、データ記憶装置110等のデータ記憶装置から内容管理データが読み出される。本発明による一実施形態において、内容管理データは、ドキュメント処理装置104による出力処理が許容されない内容、例えば、機密情報、極秘データ、ポルノ、暴力画像またはテキスト、冒涜、不道徳または不法な画像またはテキスト、またはこれらの組み合わせを表す内容のタイプを示す。本発明による他の実施形態において、内容管理データは、ドキュメント処理装置104と関連付けられた許容される内容に対応する。すなわち、この実施形態において内容管理データは、ドキュメント処理装置104による出力処理が許容される内容のタイプを示す。次いでS606で、少なくとも1つの電子ドキュメントの一部分が、受け取った内容管理データと比較される。次に、S608で、S606で実行された比較の出力にしたがって、ドキュメント処理装置104の処理が制御される。
【0058】
次に図7を参照しながら、本発明による実施形態におけるドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行う動作をさらに詳細に説明する。図7に、本発明による実施形態におけるドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行う動作例をさらに詳細に表したフローチャートを示す。先ず、S702で、ドキュメント処理要求がドキュメント処理装置104によって受け取られる。ドキュメント処理装置104による電子ドキュメントの受け取りは、例えば、ポータブル記憶媒体へのアクセス、ユーザ装置114からの電子的送信、ドキュメント処理装置104による有形のドキュメントの画像走査処理等によって行うことができる。本発明の一実施形態によれば、受け取った電子ドキュメントは、例えば、テキスト、グラフィックス、画像、写真またはこれらの任意の適切な組み合わせを含むことができる。図7の例示的実施形態はドキュメント処理装置104のコントローラ108の動作に関連して記すが、ユーザ装置114もユーザ・ベースのやり取りを提供するように実装することができる。
【0059】
次にS704で、受け取った電子ドキュメントが画像データに変換される。但し、このステップにおける電子ドキュメントの画像データへの変換処理は、単なる例示であり、本発明の動作はこのステップを含む実施形態に限定されない。例えば、ドキュメント処理装置104によって受け取られる電子ドキュメントが、例えば、写真のような画像データである場合は、画像データへの変換は不要になる。すなわち、この場合、受け取った電子ドキュメントは符号化画像データを含み、このような電子ドキュメントは704で説明した変換処理を必要としない。
【0060】
S706で、コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントが、データ記憶装置110に保存されている電子データベースから内容管理データを読み出す。データ記憶装置110のデータベースは、管理者によって定められるような、例えば、中等学校、高等学校、図書館、オフィス等のドキュメント処理装置104が設置された環境に適切でない言葉と画像(すなわち、内容管理データ)に対応する予め選択された内容を含み、そのような言葉と画像はドキュメント処理装置104に接続されたデータ記憶装置110内のデータベースに保存される。本発明の一実施形態によれば、管理者は、ドキュメント処理装置104に関連する電子ドキュメントに含まれる出力処理が許容される内容と許容されない内容を設定する。すなわち、管理者は、出力処理が制限される、すなわち許容されないと思われる内容(例えば、極秘データ、機密情報、ポルノ、暴力、冒涜、または不法等の内容)と、許容される内容のタイプとを特定する。本発明の一実施形態によれば、電子ドキュメントの内容のタイプは、ドキュメント処理装置104が受け取った電子ドキュメントについて要求されたドキュメント処理動作を実行できるか否かを判断するために使用される。内容管理データは、例えば、予め選択された文字列データ等を含むことができる。
【0061】
S708で、コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントは、受け取った電子ドキュメントに関連付けられた画像データから符号化された文字データを生成する。符号化された文字データの生成は、画像データに光学式文字認識を実行することにより実現される。次にS710で、コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントが、符号化文字データを、例えば、予め選択された文字列データ(言葉、画像、説明等)の読み出した内容管理データと比較する。本発明の一実施形態によれば、符号化文字データによって表現されるようなドキュメント内のそれぞれの言葉および画像の少なくとも一方が、以前に保存された許容されない内容(例えば、文字列データ)と比較される。
【0062】
次にS712で、受け取った電子ドキュメントをそのまま出力することが許容されるか否か、すなわちドキュメントが許容されない内容を含むか否かが判断される。そのまま出力することが許容されない内容が検出されない場合は、処理はS714に進み、ドキュメント処理装置104は、受け取った電子ドキュメントについて要求されたドキュメント処理動作を実行する。
【0063】
そのまま出力することが許容されない内容が検出された場合には、処理はS716に進み、そのまま出力することが許容されない内容を含む電子ドキュメントについてのドキュメント処理動作に関してドキュメント処理装置104が行う制御方法に対応する管理設定情報が、データ記憶装置110から読み出される。適切な管理制御方法としては、例えば、ドキュメント全体の出力の阻止、ドキュメントの中で許容されない内容を含む個別のページの出力の阻止、許容されない内容を含むページの予め選択された警告ページとの置換え、許容されない内容の予め選択されたオーバレイとの置換えによるマスク処理、または許容されない内容のドキュメントからの除去(例えば、該当する内容の削除)等がある。次にS718で、コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントは、読み出した管理設定情報にしたがって、受け取った電子ドキュメントに実行される適切な管理制御方法を特定する。
【0064】
次にS720で、読み出した管理設定情報にしたがって、許容されない内容を含む電子ドキュメント全体の出力を阻止すべきか否かが判断される。管理設定情報が、許容されない内容を含む電子ドキュメント全体をドキュメント処理装置104によって出力すべきではないことを表している場合、その電子ドキュメントはドキュメント処理装置104によってまったく出力されず、ユーザは受け取ったドキュメントの印刷、コピー、ファックス送信、電子的な送信をまったく行うことができない。その後、処理は、受け取ったドキュメント処理要求を終了する。
【0065】
S720で電子ドキュメント全体の阻止が認められないと判断された場合、処理はS722に進む。S722で、電子ドキュメントの中の許容されない内容を含むページのみを阻止するか否かの判断が行われる。S722で、受け取ったドキュメントの中の許容されない内容を含むページのみを阻止すべきことが管理設定情報に示されていると判断された場合、処理はS724に進む。S724で、コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントによって、許容されない内容を含むページが特定される。次にS726で、コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントが、許容されない内容を含むことが特定されたページを除去する。次に、処理はS744に進み、コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントは、特定されたページの除去によって変更されたように電子ドキュメントに対応するしるしを生成し、表示する。一実施形態において、ユーザ・インターフェイス106によって、承認のために、当初のドキュメントから変更されたドキュメントのグラフィック表示が、ユーザに対して、提示される。また、ユーザ装置114によって、変更されたドキュメントの生成されたしるしを表示することもできる。次にS746で、ドキュメント処理装置104は変更された電子ドキュメントについて要求されたドキュメント処理動作を実行する。
【0066】
S722に戻り、管理設定情報が許容されない内容を含むページの阻止を指示していないと判断された場合、処理はS728に進む。S728においては、管理設定情報が、許容されない内容を含むページの警告ページへの置き換えを指示しているか否かが判断される。S728で、許容されない内容を含むページの警告ページへの置き換えが指示されていると判断されると、S730で、置き換えられるページが許容されない内容を含んでいることを示す警告ページの生成が促される。S732で、許容されない内容を含むページが、コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントによって、生成された警告ページと置き換えられ、その結果、当初の電子ドキュメントは変更される。例えば、ページが暴力的な内容を含むとき、「警告。このページは、暴力的な内容を含んでいます」というメッセージを表示する警告ページが、当初のページを置き換えるために使用される。同様に、ページが極秘の内容を含むときは、「警告。このページは極秘データを含んでいます」というメッセージを表示する警告ページが生成され、極秘データを含む当初のページを置き換える。次に処理はS744に進み、コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントは、ユーザ・インターフェイス106によって、変更された電子ドキュメントに対応するしるし(例えば、許容されない内容を含む当初のページの代わりに警告ページを含むドキュメントのグラフィック表示)を表示する。その後、ドキュメント処理装置104は、S746で、変更された電子ドキュメントについて要求されたドキュメント処理動作を実行する。
【0067】
S728で、管理設定情報が許容されない内容を含むページの警告ページへの置換えを要求していないと判断された場合には、処理はS734に進む。S734で、許容されない内容(例えば、許容されないテキストおよび画像の少なくとも一方)を予め選択されたオーバーレイ・データと置き換えるか否かが判断される。すなわち、管理設定情報が、許容されない内容を、予め選択されたオーバレイの言葉および画像の少なくとも一方と置き換えるか否かを示しているか否かが判断される。例えば、許容されない言葉を言葉および画像の少なくとも一方のオーバレイと置き換えるか否か、または許容されない画像を言葉および画像の少なくとも一方のオーバレイと置き換えるか否かが、判断される。S734において、許容されない内容を予め選択されたオーバレイと置き換えることが示されていると判断されると、処理はS736に進み、コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントによって、データ記憶装置110からオーバーレイ・データが受け取られる。そのようなオーバーレイ・データには、例えば、許容される画像または許容される言語の置換えを含ませることができる。次にS738で、コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントが、許容されない内容を受け取ったオーバーレイ・データによってマスクし、当初の電子ドキュメントが変更される。次に処理はS744に進み、コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントが、変更された電子ドキュメントに対応するしるしを表示する。次にS746で、ドキュメント処理装置104は、マスク処理によって変更された電子ドキュメントについて要求されたドキュメント処理動作を実行する。
【0068】
S734で、許容されない内容を予め選択されたオーバーレイ・データと置き換えないと判断されると、処理はS740に進む。S740で、許容されない内容を除去するように管理設定情報に示されているか否かが判断される。S740で、許容されない内容を除去するように管理設定情報に示されているとの判断がなされた場合、処理はS742に進み、コントローラ108またはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントによって、電子ドキュメントから許容されない内容が除去される。すなわち、許容されない内容は、当初の電子ドキュメントから削除され、当初の電子ドキュメントが変更される。次にS744で、コントローラ108または次にドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントが、ユーザ・インターフェイス106によって、変更された電子ドキュメントに対応するしるしを表示する。次いでS746で、ドキュメント処理装置104は、変更された電子ドキュメントについて要求されたドキュメント処理動作を実行する。S740で、許容されない内容を除去しない判断が行われた場合には、ドキュメント処理装置104はドキュメントを出力せずに処理を終了する。
【0069】
以上、図7に関して説明を行ったが、管理制御方法を判断する処理およびその処理に付随する処理は、必ずしも図7に示した順序で行う必要はなく、任意の順序で行うことができる。すなわち、ドキュメント全体の出力の阻止、ドキュメントの許容されない内容を含む個別のページの出力の阻止、許容されない内容を含むページの予め選択された警告ページとの置換え、許容されない内容(部分)の、例えば、予め選択されたオーバレイとの置換えによるマスク処理、あるいは許容されない内容(部分)のドキュメントからの除去等の管理制御方法を判断するプロセスは、図7に示した順序に限らない。本発明の他の実施形態によれば、管理制御方法の判断は、順次的ではなく、一括して行うことも可能である。
【0070】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行うシステムおよび方法が提供される。また、本発明の一実施形態によれば、装置ごとにドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行うシステムおよび方法が提供される。すなわち、本発明の一実施形態によれば、装置が設置される環境に応じて不適切なドキュメントの内容を設定することが可能となり、装置が設置される環境ごとにドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行うシステムおよび方法が提供される。
【0071】
本発明は、ソース・コード、オブジェクト・コード、部分的にコンパイルされた形のようなコード中間ソースおよびオブジェクト・コードの形、あるいは本発明の実施形態で使用するために適した任意の他の形のコンピュータ・プログラムをも含む。コンピュータ・プログラムは、スタンドアローンのアプリケーション、ソフトウェア・コンポーネント、スクリプトまたは他のアプリケーションへのプラグ・インとすることができる。本発明を実施するコンピュータ・プログラムは、例えば、ROMやRAM等の記憶媒体、CD−ROM等の光記録媒体、フロッピー(登録商標)ディスク等の磁気記録媒体等の、コンピュータ・プログラムを伝達することができる任意の実体または装置である担体上で具体化することができ、あるいは電気ケーブルまたは光ケーブルによって、または無線や他の手段によって伝えられる電気信号や光信号等の任意の担体によって伝達することができる。コンピュータ・プログラムは、サーバからインターネットを介してダウンロードすることもできる。また、コンピュータ・プログラムの機能は集積回路に組み込むこともできる。説明を行った本発明の原理を実質的にコンピュータまたはプロセッサに実行させるコードを含む任意およびすべての実施形態は、本発明の範囲内にある。
【0072】
本発明の好ましい実施形態の以上の説明は、例示と説明のために行った。説明は網羅的ではなく、本発明を開示した形態に限定しようとするものでもない。以上の開示を鑑みて明らかな修正または変形が可能である。例えば、本発明による実施形態の説明に記したシステムおよび方法は、例えば、通信、汎用コンピューティング、データ処理等を含む、内容に応じた制御が必要な複数の様々な分野に対しても適用可能であり、本発明がドキュメント処理への適用に限定されるものではない。実施形態は、本発明の原理とその実際的な応用例を最もよく示し、それにより当業者が、本発明を、意図された特定の使用に適した様々な実施形態において様々な修正で使用できるように選択され説明された。そのようなすべての修正と変形は、特許請求の範囲の記載に明示されるとおりの本発明の原理および範囲内において、当業者によって行われ得ることは明らかであり、特許請求の範囲の記載によって定められる本発明の範囲内にある。
【符号の説明】
【0073】
100 システム
102 コンピュータ・ネットワーク、分散通信システム
104 ドキュメント処理装置、MFP
106 ユーザ・インターフェイス
108 コントローラ
110 データ記憶装置
112、116 通信リンク
114 ユーザ装置
200、300 ドキュメント処理装置
202、402 プロセッサ
204、404 読出し専用メモリ、ROM
206、406 RAM
208、408 ストレージ・インターフェイス
210、410 ネットワーク・インターフェイス・サブシステム
212、412 バス
214、316、414 ネットワーク・インターフェイス・カード
216、416 ディスク・ドライブ
218、418 無線インターフェイス
220、420 物理的ネットワーク
222 オプションの入出力インターフェイス
224 ユーザ入出力パネル
226 印刷インターフェイス
228 コピー・インターフェイス
230 画像走査インターフェイス
232 ファクシミリ・インターフェイス
234、304 印刷エンジン
236 コピー・エンジン
238、308 画像走査エンジン
240、306 ファクシミリ・エンジン
310 コンソール・パネル
314 デバイス・ドライバ
318、320、322、324、326 ドライバ
400 コントローラ
422 ドキュメント・プロセッサ・インターフェイス
424 コピー・ハードウェア
426 画像走査ハードウェア
428 印刷ハードウェア
430 ファクシミリ・ハードウェア
432 ドキュメント処理ハードウェア
502、302 ドキュメント処理エンジン
504 印刷機能部
506 ファクシミリ通信機能部
508 画像走査機能部
510 ユーザ・インターフェイス・パネル
512 ジョブ・キュー
514 ネットワーク・サービス機能部
516 画像プロセッサ
518 ジョブ解析部
520 クライアント側ネットワーク・サービス機能
522 クライアント装置サービス部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電子ドキュメントを受け取るドキュメント受取り手段と、
少なくとも1つのドキュメント処理装置と関連付けられ、出力処理が許容されない内容に対応する内容管理データを保存するデータ記憶手段と、
このデータ記憶手段から関連する内容管理データを読み出す内容管理データ読出し手段と、
前記少なくとも1つの電子ドキュメントの少なくとも一部分を、読み出した内容管理データと比較する比較手段と、
この比較手段の出力にしたがって、受け取った電子ドキュメントの前記ドキュメント処理装置による出力処理を制御する制御手段と
を有することを特徴とするドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行うシステム。
【請求項2】
前記システムは、前記制御手段の出力にしたがって、前記ドキュメント処理装置により受け取った前記電子ドキュメントの少なくとも一部分をマスクするマスク手段を、さらに、有することを特徴とする請求項1に記載のドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行うシステム。
【請求項3】
前記システムは、オーバーレイ・データを受け取るオーバーレイ・データ受取り手段を、さらに、有し、
前記マスク手段は、前記受け取った電子ドキュメントの少なくとも一部分を、前記受け取ったオーバーレイ・データによってマスクする手段を含むことを特徴とする請求項2に記載のドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行うシステム。
【請求項4】
前記制御手段は、変更された電子ドキュメントに対応するしるし(indicia)を生成し、表示する手段を含むことを特徴とする請求項3に記載のドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行うシステム。
【請求項5】
前記内容管理データは予め選択された文字列データを含み、
前記システムは、さらに、
受け取った前記電子ドキュメントを画像データに変換する変換手段と、
この変換手段によって生成されたか、または受け取った前記電子ドキュメントに含まれる画像データから符号化文字データを生成する光学式文字認識手段とを有し、
前記比較手段は、前記符号化文字データを前記予め選択された文字列データと比較する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行うシステム。
【請求項6】
前記内容管理データは、受け取った前記電子ドキュメントに含まれる表現をそのまま出力処理することに関する許容基準に対応するデータを含むことを特徴とする請求項1に記載のドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行うシステム。
【請求項7】
少なくとも1つの電子ドキュメントを受け取るステップと、
データ記憶装置から、少なくとも1つのドキュメント処理装置と関連付けられ、出力処理が許容されない内容に対応する内容管理データを読み出すステップと、
前記少なくとも1つの電子ドキュメントの少なくとも一部分を、読み出した内容管理データと比較する比較ステップと、
この比較ステップの出力にしたがって、受け取った電子ドキュメントの前記ドキュメント処理装置による出力処理を制御する制御ステップと
を含むことを特徴とするドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行う方法。
【請求項8】
前記制御ステップの出力にしたがって、前記ドキュメント処理装置により受け取った前記電子ドキュメントの少なくとも一部分をマスクするマスク・ステップを、さらに、含むことを特徴とする請求項7に記載のドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行う方法。
【請求項9】
オーバーレイ・データを受け取るステップを、さらに、含み、
前記マスク・ステップは、前記受け取った電子ドキュメントの少なくとも一部分を、前記受け取ったオーバーレイ・データを用いて行われることを特徴とする請求項8に記載のドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行う方法。
【請求項10】
前記制御ステップは、変更された電子ドキュメントに対応するしるしを生成するステップと、生成されたしるしを表示するステップとを含むことを特徴とする請求項9に記載のドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行う方法。
【請求項11】
前記内容管理データは予め選択された文字列データを含み、
前記方法は、さらに、
受け取った前記電子ドキュメントを画像データに変換する変換ステップと、
この変換ステップによって生成されたか、または受け取った前記電子ドキュメントに含まれる画像データから符号化文字データを生成するステップとを含み、
前記比較ステップは、前記符号化文字データを前記予め選択された文字列データと比較することによって行われることを特徴とする請求項7に記載のドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行う方法。
【請求項12】
前記内容管理データは、受け取った前記電子ドキュメントに含まれる表現をそのまま出力処理することに関する許容基準に対応するデータを含むことを特徴とする請求項7に記載のドキュメントの内容に応じてドキュメント処理を行う方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−187551(P2009−187551A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−23891(P2009−23891)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】