ドライブ装置
【課題】 本発明は、ドライブ装置側にロータリシャッタを閉める手段を設けることにより、記録ディスクカートリッジの部品点数を削減することのできるドライブ装置を提供することを課題とする。
【解決手段】ドライブ装置Dは、装着された前記記録ディスクカートリッジ100が取り出される際に、前記シャッタノブ122が回動するように前記シャッタノブ122を係止する係止部10を備えるように構成される。そして、係止部10は、板バネ(弾性部材)11と当接部13とから構成される。
【解決手段】ドライブ装置Dは、装着された前記記録ディスクカートリッジ100が取り出される際に、前記シャッタノブ122が回動するように前記シャッタノブ122を係止する係止部10を備えるように構成される。そして、係止部10は、板バネ(弾性部材)11と当接部13とから構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録ディスクメディアに対する記録再生を行うドライブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、記録ディスクカートリッジは、開閉シャッタにより、選択的に磁気ディスクメディアを外部に臨ませる機構を備えている。
図12は、従来の記録ディスクカートリッジ800およびドライブ装置Dをその下方から見上げた斜視図である。
記録ディスクカートリッジ800は、カートリッジケース810とロータリシャッタ820とを主に備えて構成されている。ここで、便宜上、記録ディスクカートリッジ800は、ドライブ装置Dへの挿入側を前方とし、反対側を後方とする。
【0003】
このような記録ディスクカートリッジ800は次のように動作する。
ロータリシャッタ820が閉位置にある記録ディスクカートリッジ800がドライブ装置DのカートリッジスロットDSに挿入されると、ロータリシャッタ820の下面からカートリッジケース810のガイド溝813を介して突出したシャッタノブ825がカートリッジスロットDSの開口縁部D1に当接する。そして、記録ディスクカートリッジ800がさらに挿入されていくと、シャッタノブ825がガイド溝813の最後部まで移動するのに伴い、ロータリシャッタ820が開方向に回動する。このとき、ロータリシャッタ820の動きに伴い圧縮ばね814が圧縮される。そして、ロータリシャッタ820の切欠部821とアクセス用開口部811とが一致し、アクセス用開口部811を開く。
【0004】
一方、ロータリシャッタ820が開位置にある記録ディスクカートリッジ800は、ドライブ装置Dの外部へ引き出されるのにつれて、圧縮ばね814の付勢力(復元力)によりロータリシャッタ820が挿入方向と逆方向(閉方向)に押戻される。これに伴いシャッタノブ825は、カートリッジスロットDSに当接しながらガイド溝813の最前部まで移動する。そして、切欠部821とアクセス用開口部811とが周方向にずれて、アクセス用開口部811を閉じる。
【特許文献1】特表2002−503865号公報(段落0018、図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のドライブ装置Dでは、記録ディスクカートリッジ800がドライブ装置Dから引き出された際に、ロータリシャッタ820を確実に閉位置に戻させるには、記録ディスクカートリッジ800に圧縮ばね814などの付勢手段を備えていることが必要である。
しかしながら、このような付勢手段をカートリッジケース810内に設けると、記録ディスクカートリッジ800の部品点数が多くなってしまう。
【0006】
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、記録ディスクカートリッジの部品点数を削減することが可能なドライブ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係るドライブ装置は、記録ディスクメディアと、前記記録ディスクメディアを収容するとともに前記記録ディスクメディアを外部に臨ませるアクセス用開口部を有するカートリッジケースと、前記カートリッジケース内で回動して前記アクセス用開口部を開閉するロータリシャッタとを有し、前記ロータリシャッタに設けられたシャッタノブが回動することで前記ロータリシャッタが回動して前記アクセス用開口部を閉じる記録ディスクカートリッジに適用されるドライブ装置であって、装着された前記記録ディスクカートリッジが取り出される際に、前記シャッタノブが回動するように前記シャッタノブを係止する係止部を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ドライブ装置は、シャッタノブが回動するようにシャッタノブを係止する係止部を備えているので、記録ディスクカートリッジを引き出すと、シャッタノブが係止部に係止されて回動し、このシャッタノブの動きに伴い、ロータリシャッタが回動してアクセス用開口部が閉じられる。このため、記録ディスクカートリッジはバネなどの付勢手段を備える必要がなくなり、記録ディスクカートリッジの部品点数の削減を図ることができる。
また、前記したドライブ装置としては、前記係止部は、前記ドライブ装置の幅方向に延びて配置され、一端側が片持ち支持されている弾性部材を備えることが望ましい。
これによれば、ドライブ装置から記録ディスクカートリッジが引き出される際に、弾性部材の反発力によって、シャッタノブが、ロータリシャッタがアクセス用開口部を閉じる方向に押し付けられながら引き出されることとなる。このため、ロータリシャッタがアクセス用開口部を確実に閉じることができる。
また、前記したドライブ装置としては、前記記録ディスクカートリッジが取り出される方向と逆の方向から前記弾性部材の前記一端側と他端側との間に当接する当接部をさらに備えることが望ましい。
これによれば、ドライブ装置は、記録ディスクカートリッジが取り出される方向と逆の方向から弾性部材の一端側と他端側との間に当接する当接部を備えているため、ドライブ装置から記録ディスクカートリッジが引き出される際に、シャッタノブがより効果的に、ロータリシャッタがアクセス用開口部を閉じる方向に押し付けられながら引き出されることとなる。このため、ロータリシャッタがアクセス用開口部をより確実に閉じることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、記録ディスクカートリッジの部品点数の削減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明を実施するための最良の形態について、適宜図面を参照しながら説明する。参照する図面において、図1は、本実施形態に係るドライブ装置を上方から見下ろした斜視図であり、その係止部近傍を部分的に切り欠いた様子を示す図、図2は、ドライブ装置の係止部の構成説明図であり、ドライブ装置から蓋体を取り外した際の係止部の様子を上方から見た図である。なお、図1中、ドライブ装置の外観は実線で示し、内部構造は破線で示している。そして、図1には、ドライブ装置に装着する記録ディスクカートリッジをともに描いている。以下の説明において、前、後、左、右、上、および下の方向は、図1中に記載した方向を基準とする。
まず、本実施形態に係るドライブ装置についての説明に先立ち、ドライブ装置に装着されて使用される記録ディスクカートリッジについて簡単に説明する。
【0010】
図1に示すように、記録ディスクカートリッジ100は、カートリッジケース110と、このカートリッジケース110の内部に回動可能に配置されたロータリシャッタ120と、このロータリシャッタ120の内部に回転自在に配置された記録ディスクメディアDMとを主に備えて構成されている。
【0011】
カートリッジケース110は、薄型の箱状体であって、ドライブ装置DのカートリッジスロットDSに挿入される側に、くさび状に切り欠かれたアクセス用開口部111を有している。このアクセス用開口部111を介して、後記するドライブ装置Dのヘッド5が記録ディスクメディアDMにアクセスすることとなる。
カートリッジケース110の下面には、その左側寄りに円弧状のガイド溝112が穿設されている。このガイド溝112は、後記するロータリシャッタ120のシャッタノブ122の軌道に沿うように所定の曲率で形成されている。
【0012】
ロータリシャッタ120は、その外形が略円盤形状を有する中空構造体であって、カートリッジケース110のアクセス用開口部111と略同形状のくさび状の切欠部121を有している。このロータリシャッタ120は、カートリッジケース110に回動自在に取り付けられている。そして、ロータリシャッタ120の下面には、シャッタノブ122が突設されている。このシャッタノブ122は、カートリッジケース110のガイド溝112を介して、記録ディスクカートリッジ100の下面から突き出ている。
【0013】
このような記録ディスクカートリッジ100では、ドライブ装置Dに装着される前にあっては、ロータリシャッタ120が閉位置に配置される。つまり、ロータリシャッタ120の切欠部121とカートリッジケース110のアクセス用開口部111とがずれて配置される。このときシャッタノブ122は、カートリッジケース110のガイド溝112の後側に位置する。
【0014】
また、記録ディスクカートリッジ100がドライブ装置Dに装着される際には、後記するようにシャッタノブ122がガイド溝112内を前側に向かって円弧状の軌道を描きながら移動する。そして、この移動に伴って、ロータリシャッタ120が回動することでカートリッジケース110のアクセス用開口部111とロータリシャッタ120の切欠部121とが重なり合う。その結果、記録ディスクメディアDMが外部に臨むこととなる。つまり、ロータリシャッタ120は、開位置に配置されて、後記するドライブ装置Dのヘッド5が記録ディスクメディアDMにアクセス可能となる。このときシャッタノブ122は、カートリッジケース110のガイド溝112の前側に位置する。そして、後記するドライブ装置Dのスピンドルモータ3の回転軸4が記録ディスクメディアDMのチャック部(図示省略)に接続されることで、記録ディスクメディアDMが回転可能となる。
【0015】
次に、本実施形態に係るドライブ装置Dについて説明する。
図1に示すように、ドライブ装置Dは、平面視で矩形の薄型の箱状体であって、その前側に記録ディスクカートリッジ100を受け入れるカートリッジスロットDSが形成されている。そして、ドライブ装置Dの後端には下面側に複数の端子9が設けられている。この端子9は、ドライブ装置Dが着脱自在に取り付けられた電子機器(図示省略)との間で電気的な接続を確立するものである。ドライブ装置Dは、この端子9を介して、記録ディスクメディアDMと、電子機器との間での情報の受け渡し、および受け取りを行うこととなる。そして、この端子9を介してドライブ装置Dに電力が供給されることとなる。ちなみに、電子機器としては、CPU(Central Processing Unit)やメモリを備えたものであれば特に制限はなく、例えば、パーソナルコンピュータ、プリンタ、複写機等の事務機器、デジタルカメラ、テレビ、録音装置、録画装置、冷蔵庫、電子レンジ等の家電製品が挙げられる。
【0016】
このようなドライブ装置Dは、ケーシング1と、ドライブ装置Dに装着された記録ディスクメディアDMを高速回転させるスピンドルモータ3と、記録ディスクメディアDMに対する情報の記録および再生を行うヘッド5と、このヘッド5を先端に取り付けるとともに支軸6周りに揺動してヘッド5を記録ディスクメディアDMの半径方向に移動させるスイングアームSAと、スイングアームSAを所定の揺動角で位置決めするアクチュエータ7と、ロータリシャッタ120のシャッタノブ122を係止する係止部10とを主に備えている。
【0017】
ケーシング1は、ドライブ装置Dの略外形を構成しており、その内部に後記する各部品を格納する略直方体の収容空間2を有している。このケーシング1は、本体1aと蓋体1bとから構成されている。
本体1aは、上方に開口した前記収容空間2を形成するものである。蓋体1bは、本体1aの開口を覆うように組み付けられるものである。
本体1aの前側には、ケーシング1の左右方向(幅方向)に延びるように前記カートリッジスロットDSが形成されている。このカートリッジスロットDSの幅および高さは、記録ディスクカートリッジ100の幅および高さ(厚さ)にほぼ合わせ込まれて形成されている。記録ディスクカートリッジ100は、このカートリッジスロットDSを介してケーシング1の収容空間2内に挿入されることとなる。
また、本体1aのカートリッジスロットDS側には、本体1aの前端左寄りでその左右方向(以下、「ドライブ装置Dの幅方向」ともいう)に延びるように溝部12が形成されている。この溝部12は、記録ディスクカートリッジ100が収容空間2内に挿入され、そして収容空間2内から引き出される際に、シャッタノブ122の通路となる。
この溝部12は、図2に示すように、本体1aの前端側に形成された第1壁15a、および第2壁15bと、これらの第1壁15aおよび第2壁15bの後側に形成された第3壁15cとで囲まれて形成されている。
第1壁15aは、ケーシング1の本体1aの左端から右側に向かって突出する突出部14の後側に規定されている。そして、第2壁15bは、本体1aの前端に沿って突出部14と並ぶように中央寄りに配置された当接部13の後側に規定されている。この当接部13には、第2壁15bで後記する板バネ11が当接するようになっている。つまり、当接部13は、ドライブ装置Dに装着された記録ディスクカートリッジ100が引き出される方向と逆の方向から後記する板バネ11の一端側と他端側との間に当接するようになっている。この第1壁15aと第2壁15bとは、同一平面上に設定されている。
第3壁15cは、第1壁15aおよび第2壁15bの後側でドライブ装置Dの幅方向に延びるように形成されている。そして、突出部14と当接部13との間には、溝部12内にシャッタノブ122を出入りさせるノブ出入溝12aが形成され、当接部13の右側には板バネ11を後記するように溝部12内に延出させるバネ溝12bが形成されている。
【0018】
再び図1に示すように、スピンドルモータ3は、本体1aの底面であって、ドライブ装置Dに装着された記録ディスクカートリッジ100の記録ディスクメディアDMと対応する位置に配置されている。このスピンドルモータ3の回転軸4は、前記した記録ディスクメディアDMのチャック部(図示省略)と接続するようになっている。
【0019】
スイングアームSAは、本体1aの底面に対して略平行となるように支軸6から延びている。このスイングアームSAは一対で構成されており、各スイングアームSAは、上下方向に所定の間隔を空けてスタックされている。このようなスイングアームSAのそれぞれの先端には、前記したようにヘッド5が取り付けられている。そして、各スイングアームSAは、装着された記録ディスクカートリッジ100に向かって揺動した際に、記録ディスクカートリッジ100のアクセス用開口部111で臨む記録ディスクメディアDMを挟み込むことで、各ヘッド5を記録ディスクメディアDMの表裏にアクセスさせるようになっている。
【0020】
アクチュエータ7は、ボイスコイルモータで構成されており、スイングアームSAを支軸6周りに揺動させることで、ヘッド5を記録ディスクメディアDMの所定の位置に位置決めするようになっている。ちなみに、アクチュエータ7は、ドライブ装置Dに記録ディスクカートリッジ100が装着されていない場合に、スイングアームSAをランプ部8に待機させている。
【0021】
係止部10は、板バネ11と、前記した当接部13とで主に構成されている。この板バネ11は、特許請求の範囲にいう「弾性部材」に相当する。
板バネ11は、図2に示すように、基端部11a側がケーシング1の本体1aの前端の中央寄りに固着されて片持ち支持されている。この基端部11a側は、特許請求の範囲にいう「一端側」に相当する。
この板バネ11は、基端部11aからバネ溝12bを介して溝部12内に延出するとともに、溝部12内でドライブ装置Dの幅方向に延びている。そして、この板バネ11は、溝部12側からノブ出入溝12aをその自由端部11b側で塞ぐとともに、基端部11aと自由端部11bとの間で当接部13と当接している。
【0022】
次に、本実施形態に係るドライブ装置Dの動作について適宜図面を参照しながら説明する。参照する図面において、図3から図6は、ドライブ装置に記録ディスクカートリッジが挿入される際の様子を段階的に示す図、図7は、ドライブ装置に記録ディスクカートリッジが装着された際の様子を示す図、図8から図11は、ドライブ装置からに記録ディスクカートリッジが取り出される際の様子を段階的に示す図である。
【0023】
図3に示すように、記録ディスクカートリッジ100がドライブ装置DのカートリッジスロットDSに挿入されると、記録ディスクカートリッジ100のガイド溝112の後端に位置するシャッタノブ122は、ノブ出入溝12a内に入り込むとともに、板バネ11の自由端部11b側に当接する。このとき、ロータリシャッタ120は閉位置に配置されることで、アクセス用開口部111は閉じられている。
【0024】
次いで、図4に示すように、記録ディスクカートリッジ100がドライブ装置Dへさらに挿入されると、シャッタノブ122が板バネ11の自由端部11bを後側に向かって押圧する。その結果、板バネ11は、その基端部11aを支点として後側に撓んでいくとともに、シャッタノブ122は、溝部12内に入り込む。そして、シャッタノブ122は、板バネ11から受ける反力によって、ガイド溝112内を前側に向かって円弧状の軌道を描きながら移動し始める。このとき、シャッタノブ122は、円弧状の軌道を描くことでドライブ装置Dの左方向に移動するとともに、ロータリシャッタ120は、シャッタノブ122の移動に伴って開き始める。
【0025】
図5に示すように、記録ディスクカートリッジ100がドライブ装置Dへさらに挿入されると、シャッタノブ122は、さらにドライブ装置Dの左方向に移動することで板バネ11から外れる。その一方で、板バネ11は、その復元力により元の位置に戻る。
【0026】
図6に示すように、板バネ11から外れたシャッタノブ122は、記録ディスクカートリッジ100がドライブ装置Dへさらに挿入されることで、溝部12内の第3壁15cに突き当たる。次いで、シャッタノブ122は、ガイド溝112を前側に移動していきながら、第3壁15c上を外側(左側)へ移動していく。そして、最も外側に位置していたシャッタノブ122は、ガイド溝112をさらに前側に移動することで、第3壁15c上を逆の方向、つまり内側(右側)に移動し始める。
【0027】
そして、図7に示すように、シャッタノブ122がガイド溝112の前端まで移動することで、ロータリシャッタ120(図示省略)は全開する。その結果、ドライブ装置DのスイングアームSAが記録ディスクカートリッジ100側に揺動した際に、ヘッド5は、記録ディスクメディアDMにアクセス可能となる。このとき、ドライブ装置Dのスピンドルモータ3の回転軸4(図1参照)は、記録ディスクメディアDMのチャック部(図示省略)に接続されることで記録ディスクメディアDMを回転可能にする。
【0028】
次に、記録ディスクカートリッジ100がドライブ装置Dから引き出される際のドライブ装置Dの動作について説明する。
図8に示すように、ドライブ装置Dに装着された記録ディスクカートリッジ100がドライブ装置Dから引き出される際には、第3壁15cに当接していたシャッタノブ122(図7参照)は、当接部13の第2壁15b上に位置する板バネ11に突き当たる。
【0029】
そして、図9に示すように、記録ディスクカートリッジ100がドライブ装置Dからさらに引き出されると、シャッタノブ122は、ガイド溝112の後側に向かって円弧状の軌道を描くことで、板バネ11に当接しつつドライブ装置Dの左側へ移動する。このとき、ロータリシャッタ120は、シャッタノブ122の移動に伴ってアクセス用開口部111を閉じていく。その一方で、ノブ出入溝12aを塞いでいる板バネ11の自由端部11b側をシャッタノブ122が移動する際に、板バネ11は、当接部13に当接しているので前側に向かって撓むことは防止される。その結果、シャッタノブ122は、ドライブ装置Dの幅方向の最も左側へ移動した際に、突出部14の第1壁15a(図2参照)上に位置することとなる。
【0030】
そして、図10に示すように、記録ディスクカートリッジ100がドライブ装置Dからさらに引き出されることで、第1壁15a(図2参照)上に位置していたシャッタノブ122は、ガイド溝112の後端の位置、つまりドライブ装置DのカートリッジスロットDSに挿入する前の初期位置に戻る。このときロータリシャッタ120は、閉位置に配置されることで、アクセス用開口部111を全閉する。そして、シャッタノブ122は、板バネ11の自由端部11b側に位置する。
【0031】
次いで、図11に示すように、記録ディスクカートリッジ100がドライブ装置Dからさらに強い力で引き出されることで、板バネ11が前側に向かって押圧されて当接部13を支点に撓む。その結果、シャッタノブ122は、溝部12およびノブ出入溝12aから抜け出るとともに、記録ディスクカートリッジ100は、ドライブ装置DのカートリッジスロットDSから抜き出される。なお、シャッタノブ122から外れた板バネ11は、その復元力により元の位置に戻る。
【0032】
以上のように説明した本実施形態のドライブ装置Dによれば、次のような効果を奏する。
まず、ドライブ装置D側にシャッタノブ122の係止部10を備えていることにより、記録ディスクカートリッジ100側にロータリシャッタ120の付勢手段を備えることなくロータリシャッタ120がアクセス用開口部111を確実に閉じることができ、記録ディスクカートリッジ100の部品点数の削減を図ることができる。
【0033】
また、このようなドライブ装置Dによれば、板バネ11という簡素な構成により、シャッタノブ122を係止して回動させることができ、ロータリシャッタ120がアクセス用開口部111を確実に閉じることができる。
【0034】
また、このようなドライブ装置Dによれば、板バネ11に当接部13が当接していることにより、シャッタノブ122が移動するときの荷重によって板バネ11がシャッタノブ122の引き出し方向に撓むことを防止することができ、板バネ11をシャッタノブ122のロータリシャッタ120の閉位置に確実に移動させることができる。そして、ロータリシャッタ120がアクセス用開口部111を閉じた状態にある自由端部11b付近で記録ディスクカートリッジ100をさらに強く引き出したときに初めて板バネ11が当接部13を支点として撓んで、シャッタノブ122が溝部12およびノブ出入溝12aから抜け出るようになっているので、ドライブ装置D内でロータリシャッタ120がアクセス用開口部111を確実に閉じることができる。
【0035】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、適宜変更して実施することが可能であり、前記した実施形態に限定されないことは当然である。
例えば、記録ディスクメディアDMは、磁気ディスクメディアに限らず、光磁気ディスクメディア、相変化ディスクメディアなどの光ディスクメディアでもよいし、フレキシブルディスクメディアに限らず、DVD−RAMのような剛性を有したディスクメディアであってもよい。
また、板バネ11の自由端部11bは、突出部14の第1壁15aに渡しかけられるようになっていても良い。これにより、自由端部11bと第1壁15aとがほぼ面一となり、記録ディスクカートリッジ100の引き出し時において、シャッタノブ122がよりスムーズにガイド溝112のロータリシャッタ120の閉位置側へ回動していくことができる。
なお、本実施形態においては、シャッタノブ122の動きを阻害しない範囲で板バネ11が撓んでも良い。
また、板バネ11のバネ定数を高めて当接部13を省略してもよい。これにより、より簡素な構成で確実にロータリシャッタ120がアクセス用開口部111を閉じることができる。
また、第3壁15cは屈曲しているが、平坦であってもよい。これにより、シャッタノブ122に与えられる反力(抵抗)を少なくすることができ、よりスムーズにロータリシャッタ120がアクセス用開口部111を開くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施形態に係るドライブ装置を上方から見下ろした斜視図であり、その係止部近傍を部分的に切り欠いた様子を示す図である。
【図2】ドライブ装置の係止部の構成説明図であり、ドライブ装置から蓋体を取り外した際の係止部の様子を上方から見た図である。
【図3】ドライブ装置に記録ディスクカートリッジが挿入される際の様子を段階的に示す図である。
【図4】ドライブ装置に記録ディスクカートリッジが挿入される際の様子を段階的に示す図である。
【図5】ドライブ装置に記録ディスクカートリッジが挿入される際の様子を段階的に示す図である。
【図6】ドライブ装置に記録ディスクカートリッジが挿入される際の様子を段階的に示す図である。
【図7】ドライブ装置に記録ディスクカートリッジが装着された際の様子を示す図である。
【図8】ドライブ装置から記録ディスクカートリッジが取り出される際の様子を段階的に示す図である。
【図9】ドライブ装置から記録ディスクカートリッジが取り出される際の様子を段階的に示す図である。
【図10】ドライブ装置から記録ディスクカートリッジが取り出される際の様子を段階的に示す図である。
【図11】ドライブ装置から記録ディスクカートリッジが取り出される際の様子を段階的に示す図である。
【図12】従来の記録ディスクカートリッジおよびドライブ装置をその下方から見上げた斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
1 ケーシング
1a 本体
1b 蓋体
10 係止部
11 板バネ(弾性部材)
13 当接部
100 記録ディスクカートリッジ
112 ガイド溝
120 ロータリシャッタ
122 シャッタノブ
D ドライブ装置
DS カートリッジスロット
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録ディスクメディアに対する記録再生を行うドライブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、記録ディスクカートリッジは、開閉シャッタにより、選択的に磁気ディスクメディアを外部に臨ませる機構を備えている。
図12は、従来の記録ディスクカートリッジ800およびドライブ装置Dをその下方から見上げた斜視図である。
記録ディスクカートリッジ800は、カートリッジケース810とロータリシャッタ820とを主に備えて構成されている。ここで、便宜上、記録ディスクカートリッジ800は、ドライブ装置Dへの挿入側を前方とし、反対側を後方とする。
【0003】
このような記録ディスクカートリッジ800は次のように動作する。
ロータリシャッタ820が閉位置にある記録ディスクカートリッジ800がドライブ装置DのカートリッジスロットDSに挿入されると、ロータリシャッタ820の下面からカートリッジケース810のガイド溝813を介して突出したシャッタノブ825がカートリッジスロットDSの開口縁部D1に当接する。そして、記録ディスクカートリッジ800がさらに挿入されていくと、シャッタノブ825がガイド溝813の最後部まで移動するのに伴い、ロータリシャッタ820が開方向に回動する。このとき、ロータリシャッタ820の動きに伴い圧縮ばね814が圧縮される。そして、ロータリシャッタ820の切欠部821とアクセス用開口部811とが一致し、アクセス用開口部811を開く。
【0004】
一方、ロータリシャッタ820が開位置にある記録ディスクカートリッジ800は、ドライブ装置Dの外部へ引き出されるのにつれて、圧縮ばね814の付勢力(復元力)によりロータリシャッタ820が挿入方向と逆方向(閉方向)に押戻される。これに伴いシャッタノブ825は、カートリッジスロットDSに当接しながらガイド溝813の最前部まで移動する。そして、切欠部821とアクセス用開口部811とが周方向にずれて、アクセス用開口部811を閉じる。
【特許文献1】特表2002−503865号公報(段落0018、図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のドライブ装置Dでは、記録ディスクカートリッジ800がドライブ装置Dから引き出された際に、ロータリシャッタ820を確実に閉位置に戻させるには、記録ディスクカートリッジ800に圧縮ばね814などの付勢手段を備えていることが必要である。
しかしながら、このような付勢手段をカートリッジケース810内に設けると、記録ディスクカートリッジ800の部品点数が多くなってしまう。
【0006】
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、記録ディスクカートリッジの部品点数を削減することが可能なドライブ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係るドライブ装置は、記録ディスクメディアと、前記記録ディスクメディアを収容するとともに前記記録ディスクメディアを外部に臨ませるアクセス用開口部を有するカートリッジケースと、前記カートリッジケース内で回動して前記アクセス用開口部を開閉するロータリシャッタとを有し、前記ロータリシャッタに設けられたシャッタノブが回動することで前記ロータリシャッタが回動して前記アクセス用開口部を閉じる記録ディスクカートリッジに適用されるドライブ装置であって、装着された前記記録ディスクカートリッジが取り出される際に、前記シャッタノブが回動するように前記シャッタノブを係止する係止部を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ドライブ装置は、シャッタノブが回動するようにシャッタノブを係止する係止部を備えているので、記録ディスクカートリッジを引き出すと、シャッタノブが係止部に係止されて回動し、このシャッタノブの動きに伴い、ロータリシャッタが回動してアクセス用開口部が閉じられる。このため、記録ディスクカートリッジはバネなどの付勢手段を備える必要がなくなり、記録ディスクカートリッジの部品点数の削減を図ることができる。
また、前記したドライブ装置としては、前記係止部は、前記ドライブ装置の幅方向に延びて配置され、一端側が片持ち支持されている弾性部材を備えることが望ましい。
これによれば、ドライブ装置から記録ディスクカートリッジが引き出される際に、弾性部材の反発力によって、シャッタノブが、ロータリシャッタがアクセス用開口部を閉じる方向に押し付けられながら引き出されることとなる。このため、ロータリシャッタがアクセス用開口部を確実に閉じることができる。
また、前記したドライブ装置としては、前記記録ディスクカートリッジが取り出される方向と逆の方向から前記弾性部材の前記一端側と他端側との間に当接する当接部をさらに備えることが望ましい。
これによれば、ドライブ装置は、記録ディスクカートリッジが取り出される方向と逆の方向から弾性部材の一端側と他端側との間に当接する当接部を備えているため、ドライブ装置から記録ディスクカートリッジが引き出される際に、シャッタノブがより効果的に、ロータリシャッタがアクセス用開口部を閉じる方向に押し付けられながら引き出されることとなる。このため、ロータリシャッタがアクセス用開口部をより確実に閉じることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、記録ディスクカートリッジの部品点数の削減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明を実施するための最良の形態について、適宜図面を参照しながら説明する。参照する図面において、図1は、本実施形態に係るドライブ装置を上方から見下ろした斜視図であり、その係止部近傍を部分的に切り欠いた様子を示す図、図2は、ドライブ装置の係止部の構成説明図であり、ドライブ装置から蓋体を取り外した際の係止部の様子を上方から見た図である。なお、図1中、ドライブ装置の外観は実線で示し、内部構造は破線で示している。そして、図1には、ドライブ装置に装着する記録ディスクカートリッジをともに描いている。以下の説明において、前、後、左、右、上、および下の方向は、図1中に記載した方向を基準とする。
まず、本実施形態に係るドライブ装置についての説明に先立ち、ドライブ装置に装着されて使用される記録ディスクカートリッジについて簡単に説明する。
【0010】
図1に示すように、記録ディスクカートリッジ100は、カートリッジケース110と、このカートリッジケース110の内部に回動可能に配置されたロータリシャッタ120と、このロータリシャッタ120の内部に回転自在に配置された記録ディスクメディアDMとを主に備えて構成されている。
【0011】
カートリッジケース110は、薄型の箱状体であって、ドライブ装置DのカートリッジスロットDSに挿入される側に、くさび状に切り欠かれたアクセス用開口部111を有している。このアクセス用開口部111を介して、後記するドライブ装置Dのヘッド5が記録ディスクメディアDMにアクセスすることとなる。
カートリッジケース110の下面には、その左側寄りに円弧状のガイド溝112が穿設されている。このガイド溝112は、後記するロータリシャッタ120のシャッタノブ122の軌道に沿うように所定の曲率で形成されている。
【0012】
ロータリシャッタ120は、その外形が略円盤形状を有する中空構造体であって、カートリッジケース110のアクセス用開口部111と略同形状のくさび状の切欠部121を有している。このロータリシャッタ120は、カートリッジケース110に回動自在に取り付けられている。そして、ロータリシャッタ120の下面には、シャッタノブ122が突設されている。このシャッタノブ122は、カートリッジケース110のガイド溝112を介して、記録ディスクカートリッジ100の下面から突き出ている。
【0013】
このような記録ディスクカートリッジ100では、ドライブ装置Dに装着される前にあっては、ロータリシャッタ120が閉位置に配置される。つまり、ロータリシャッタ120の切欠部121とカートリッジケース110のアクセス用開口部111とがずれて配置される。このときシャッタノブ122は、カートリッジケース110のガイド溝112の後側に位置する。
【0014】
また、記録ディスクカートリッジ100がドライブ装置Dに装着される際には、後記するようにシャッタノブ122がガイド溝112内を前側に向かって円弧状の軌道を描きながら移動する。そして、この移動に伴って、ロータリシャッタ120が回動することでカートリッジケース110のアクセス用開口部111とロータリシャッタ120の切欠部121とが重なり合う。その結果、記録ディスクメディアDMが外部に臨むこととなる。つまり、ロータリシャッタ120は、開位置に配置されて、後記するドライブ装置Dのヘッド5が記録ディスクメディアDMにアクセス可能となる。このときシャッタノブ122は、カートリッジケース110のガイド溝112の前側に位置する。そして、後記するドライブ装置Dのスピンドルモータ3の回転軸4が記録ディスクメディアDMのチャック部(図示省略)に接続されることで、記録ディスクメディアDMが回転可能となる。
【0015】
次に、本実施形態に係るドライブ装置Dについて説明する。
図1に示すように、ドライブ装置Dは、平面視で矩形の薄型の箱状体であって、その前側に記録ディスクカートリッジ100を受け入れるカートリッジスロットDSが形成されている。そして、ドライブ装置Dの後端には下面側に複数の端子9が設けられている。この端子9は、ドライブ装置Dが着脱自在に取り付けられた電子機器(図示省略)との間で電気的な接続を確立するものである。ドライブ装置Dは、この端子9を介して、記録ディスクメディアDMと、電子機器との間での情報の受け渡し、および受け取りを行うこととなる。そして、この端子9を介してドライブ装置Dに電力が供給されることとなる。ちなみに、電子機器としては、CPU(Central Processing Unit)やメモリを備えたものであれば特に制限はなく、例えば、パーソナルコンピュータ、プリンタ、複写機等の事務機器、デジタルカメラ、テレビ、録音装置、録画装置、冷蔵庫、電子レンジ等の家電製品が挙げられる。
【0016】
このようなドライブ装置Dは、ケーシング1と、ドライブ装置Dに装着された記録ディスクメディアDMを高速回転させるスピンドルモータ3と、記録ディスクメディアDMに対する情報の記録および再生を行うヘッド5と、このヘッド5を先端に取り付けるとともに支軸6周りに揺動してヘッド5を記録ディスクメディアDMの半径方向に移動させるスイングアームSAと、スイングアームSAを所定の揺動角で位置決めするアクチュエータ7と、ロータリシャッタ120のシャッタノブ122を係止する係止部10とを主に備えている。
【0017】
ケーシング1は、ドライブ装置Dの略外形を構成しており、その内部に後記する各部品を格納する略直方体の収容空間2を有している。このケーシング1は、本体1aと蓋体1bとから構成されている。
本体1aは、上方に開口した前記収容空間2を形成するものである。蓋体1bは、本体1aの開口を覆うように組み付けられるものである。
本体1aの前側には、ケーシング1の左右方向(幅方向)に延びるように前記カートリッジスロットDSが形成されている。このカートリッジスロットDSの幅および高さは、記録ディスクカートリッジ100の幅および高さ(厚さ)にほぼ合わせ込まれて形成されている。記録ディスクカートリッジ100は、このカートリッジスロットDSを介してケーシング1の収容空間2内に挿入されることとなる。
また、本体1aのカートリッジスロットDS側には、本体1aの前端左寄りでその左右方向(以下、「ドライブ装置Dの幅方向」ともいう)に延びるように溝部12が形成されている。この溝部12は、記録ディスクカートリッジ100が収容空間2内に挿入され、そして収容空間2内から引き出される際に、シャッタノブ122の通路となる。
この溝部12は、図2に示すように、本体1aの前端側に形成された第1壁15a、および第2壁15bと、これらの第1壁15aおよび第2壁15bの後側に形成された第3壁15cとで囲まれて形成されている。
第1壁15aは、ケーシング1の本体1aの左端から右側に向かって突出する突出部14の後側に規定されている。そして、第2壁15bは、本体1aの前端に沿って突出部14と並ぶように中央寄りに配置された当接部13の後側に規定されている。この当接部13には、第2壁15bで後記する板バネ11が当接するようになっている。つまり、当接部13は、ドライブ装置Dに装着された記録ディスクカートリッジ100が引き出される方向と逆の方向から後記する板バネ11の一端側と他端側との間に当接するようになっている。この第1壁15aと第2壁15bとは、同一平面上に設定されている。
第3壁15cは、第1壁15aおよび第2壁15bの後側でドライブ装置Dの幅方向に延びるように形成されている。そして、突出部14と当接部13との間には、溝部12内にシャッタノブ122を出入りさせるノブ出入溝12aが形成され、当接部13の右側には板バネ11を後記するように溝部12内に延出させるバネ溝12bが形成されている。
【0018】
再び図1に示すように、スピンドルモータ3は、本体1aの底面であって、ドライブ装置Dに装着された記録ディスクカートリッジ100の記録ディスクメディアDMと対応する位置に配置されている。このスピンドルモータ3の回転軸4は、前記した記録ディスクメディアDMのチャック部(図示省略)と接続するようになっている。
【0019】
スイングアームSAは、本体1aの底面に対して略平行となるように支軸6から延びている。このスイングアームSAは一対で構成されており、各スイングアームSAは、上下方向に所定の間隔を空けてスタックされている。このようなスイングアームSAのそれぞれの先端には、前記したようにヘッド5が取り付けられている。そして、各スイングアームSAは、装着された記録ディスクカートリッジ100に向かって揺動した際に、記録ディスクカートリッジ100のアクセス用開口部111で臨む記録ディスクメディアDMを挟み込むことで、各ヘッド5を記録ディスクメディアDMの表裏にアクセスさせるようになっている。
【0020】
アクチュエータ7は、ボイスコイルモータで構成されており、スイングアームSAを支軸6周りに揺動させることで、ヘッド5を記録ディスクメディアDMの所定の位置に位置決めするようになっている。ちなみに、アクチュエータ7は、ドライブ装置Dに記録ディスクカートリッジ100が装着されていない場合に、スイングアームSAをランプ部8に待機させている。
【0021】
係止部10は、板バネ11と、前記した当接部13とで主に構成されている。この板バネ11は、特許請求の範囲にいう「弾性部材」に相当する。
板バネ11は、図2に示すように、基端部11a側がケーシング1の本体1aの前端の中央寄りに固着されて片持ち支持されている。この基端部11a側は、特許請求の範囲にいう「一端側」に相当する。
この板バネ11は、基端部11aからバネ溝12bを介して溝部12内に延出するとともに、溝部12内でドライブ装置Dの幅方向に延びている。そして、この板バネ11は、溝部12側からノブ出入溝12aをその自由端部11b側で塞ぐとともに、基端部11aと自由端部11bとの間で当接部13と当接している。
【0022】
次に、本実施形態に係るドライブ装置Dの動作について適宜図面を参照しながら説明する。参照する図面において、図3から図6は、ドライブ装置に記録ディスクカートリッジが挿入される際の様子を段階的に示す図、図7は、ドライブ装置に記録ディスクカートリッジが装着された際の様子を示す図、図8から図11は、ドライブ装置からに記録ディスクカートリッジが取り出される際の様子を段階的に示す図である。
【0023】
図3に示すように、記録ディスクカートリッジ100がドライブ装置DのカートリッジスロットDSに挿入されると、記録ディスクカートリッジ100のガイド溝112の後端に位置するシャッタノブ122は、ノブ出入溝12a内に入り込むとともに、板バネ11の自由端部11b側に当接する。このとき、ロータリシャッタ120は閉位置に配置されることで、アクセス用開口部111は閉じられている。
【0024】
次いで、図4に示すように、記録ディスクカートリッジ100がドライブ装置Dへさらに挿入されると、シャッタノブ122が板バネ11の自由端部11bを後側に向かって押圧する。その結果、板バネ11は、その基端部11aを支点として後側に撓んでいくとともに、シャッタノブ122は、溝部12内に入り込む。そして、シャッタノブ122は、板バネ11から受ける反力によって、ガイド溝112内を前側に向かって円弧状の軌道を描きながら移動し始める。このとき、シャッタノブ122は、円弧状の軌道を描くことでドライブ装置Dの左方向に移動するとともに、ロータリシャッタ120は、シャッタノブ122の移動に伴って開き始める。
【0025】
図5に示すように、記録ディスクカートリッジ100がドライブ装置Dへさらに挿入されると、シャッタノブ122は、さらにドライブ装置Dの左方向に移動することで板バネ11から外れる。その一方で、板バネ11は、その復元力により元の位置に戻る。
【0026】
図6に示すように、板バネ11から外れたシャッタノブ122は、記録ディスクカートリッジ100がドライブ装置Dへさらに挿入されることで、溝部12内の第3壁15cに突き当たる。次いで、シャッタノブ122は、ガイド溝112を前側に移動していきながら、第3壁15c上を外側(左側)へ移動していく。そして、最も外側に位置していたシャッタノブ122は、ガイド溝112をさらに前側に移動することで、第3壁15c上を逆の方向、つまり内側(右側)に移動し始める。
【0027】
そして、図7に示すように、シャッタノブ122がガイド溝112の前端まで移動することで、ロータリシャッタ120(図示省略)は全開する。その結果、ドライブ装置DのスイングアームSAが記録ディスクカートリッジ100側に揺動した際に、ヘッド5は、記録ディスクメディアDMにアクセス可能となる。このとき、ドライブ装置Dのスピンドルモータ3の回転軸4(図1参照)は、記録ディスクメディアDMのチャック部(図示省略)に接続されることで記録ディスクメディアDMを回転可能にする。
【0028】
次に、記録ディスクカートリッジ100がドライブ装置Dから引き出される際のドライブ装置Dの動作について説明する。
図8に示すように、ドライブ装置Dに装着された記録ディスクカートリッジ100がドライブ装置Dから引き出される際には、第3壁15cに当接していたシャッタノブ122(図7参照)は、当接部13の第2壁15b上に位置する板バネ11に突き当たる。
【0029】
そして、図9に示すように、記録ディスクカートリッジ100がドライブ装置Dからさらに引き出されると、シャッタノブ122は、ガイド溝112の後側に向かって円弧状の軌道を描くことで、板バネ11に当接しつつドライブ装置Dの左側へ移動する。このとき、ロータリシャッタ120は、シャッタノブ122の移動に伴ってアクセス用開口部111を閉じていく。その一方で、ノブ出入溝12aを塞いでいる板バネ11の自由端部11b側をシャッタノブ122が移動する際に、板バネ11は、当接部13に当接しているので前側に向かって撓むことは防止される。その結果、シャッタノブ122は、ドライブ装置Dの幅方向の最も左側へ移動した際に、突出部14の第1壁15a(図2参照)上に位置することとなる。
【0030】
そして、図10に示すように、記録ディスクカートリッジ100がドライブ装置Dからさらに引き出されることで、第1壁15a(図2参照)上に位置していたシャッタノブ122は、ガイド溝112の後端の位置、つまりドライブ装置DのカートリッジスロットDSに挿入する前の初期位置に戻る。このときロータリシャッタ120は、閉位置に配置されることで、アクセス用開口部111を全閉する。そして、シャッタノブ122は、板バネ11の自由端部11b側に位置する。
【0031】
次いで、図11に示すように、記録ディスクカートリッジ100がドライブ装置Dからさらに強い力で引き出されることで、板バネ11が前側に向かって押圧されて当接部13を支点に撓む。その結果、シャッタノブ122は、溝部12およびノブ出入溝12aから抜け出るとともに、記録ディスクカートリッジ100は、ドライブ装置DのカートリッジスロットDSから抜き出される。なお、シャッタノブ122から外れた板バネ11は、その復元力により元の位置に戻る。
【0032】
以上のように説明した本実施形態のドライブ装置Dによれば、次のような効果を奏する。
まず、ドライブ装置D側にシャッタノブ122の係止部10を備えていることにより、記録ディスクカートリッジ100側にロータリシャッタ120の付勢手段を備えることなくロータリシャッタ120がアクセス用開口部111を確実に閉じることができ、記録ディスクカートリッジ100の部品点数の削減を図ることができる。
【0033】
また、このようなドライブ装置Dによれば、板バネ11という簡素な構成により、シャッタノブ122を係止して回動させることができ、ロータリシャッタ120がアクセス用開口部111を確実に閉じることができる。
【0034】
また、このようなドライブ装置Dによれば、板バネ11に当接部13が当接していることにより、シャッタノブ122が移動するときの荷重によって板バネ11がシャッタノブ122の引き出し方向に撓むことを防止することができ、板バネ11をシャッタノブ122のロータリシャッタ120の閉位置に確実に移動させることができる。そして、ロータリシャッタ120がアクセス用開口部111を閉じた状態にある自由端部11b付近で記録ディスクカートリッジ100をさらに強く引き出したときに初めて板バネ11が当接部13を支点として撓んで、シャッタノブ122が溝部12およびノブ出入溝12aから抜け出るようになっているので、ドライブ装置D内でロータリシャッタ120がアクセス用開口部111を確実に閉じることができる。
【0035】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、適宜変更して実施することが可能であり、前記した実施形態に限定されないことは当然である。
例えば、記録ディスクメディアDMは、磁気ディスクメディアに限らず、光磁気ディスクメディア、相変化ディスクメディアなどの光ディスクメディアでもよいし、フレキシブルディスクメディアに限らず、DVD−RAMのような剛性を有したディスクメディアであってもよい。
また、板バネ11の自由端部11bは、突出部14の第1壁15aに渡しかけられるようになっていても良い。これにより、自由端部11bと第1壁15aとがほぼ面一となり、記録ディスクカートリッジ100の引き出し時において、シャッタノブ122がよりスムーズにガイド溝112のロータリシャッタ120の閉位置側へ回動していくことができる。
なお、本実施形態においては、シャッタノブ122の動きを阻害しない範囲で板バネ11が撓んでも良い。
また、板バネ11のバネ定数を高めて当接部13を省略してもよい。これにより、より簡素な構成で確実にロータリシャッタ120がアクセス用開口部111を閉じることができる。
また、第3壁15cは屈曲しているが、平坦であってもよい。これにより、シャッタノブ122に与えられる反力(抵抗)を少なくすることができ、よりスムーズにロータリシャッタ120がアクセス用開口部111を開くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施形態に係るドライブ装置を上方から見下ろした斜視図であり、その係止部近傍を部分的に切り欠いた様子を示す図である。
【図2】ドライブ装置の係止部の構成説明図であり、ドライブ装置から蓋体を取り外した際の係止部の様子を上方から見た図である。
【図3】ドライブ装置に記録ディスクカートリッジが挿入される際の様子を段階的に示す図である。
【図4】ドライブ装置に記録ディスクカートリッジが挿入される際の様子を段階的に示す図である。
【図5】ドライブ装置に記録ディスクカートリッジが挿入される際の様子を段階的に示す図である。
【図6】ドライブ装置に記録ディスクカートリッジが挿入される際の様子を段階的に示す図である。
【図7】ドライブ装置に記録ディスクカートリッジが装着された際の様子を示す図である。
【図8】ドライブ装置から記録ディスクカートリッジが取り出される際の様子を段階的に示す図である。
【図9】ドライブ装置から記録ディスクカートリッジが取り出される際の様子を段階的に示す図である。
【図10】ドライブ装置から記録ディスクカートリッジが取り出される際の様子を段階的に示す図である。
【図11】ドライブ装置から記録ディスクカートリッジが取り出される際の様子を段階的に示す図である。
【図12】従来の記録ディスクカートリッジおよびドライブ装置をその下方から見上げた斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
1 ケーシング
1a 本体
1b 蓋体
10 係止部
11 板バネ(弾性部材)
13 当接部
100 記録ディスクカートリッジ
112 ガイド溝
120 ロータリシャッタ
122 シャッタノブ
D ドライブ装置
DS カートリッジスロット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録ディスクメディアと、前記記録ディスクメディアを収容するとともに前記記録ディスクメディアを外部に臨ませるアクセス用開口部を有するカートリッジケースと、前記カートリッジケース内で回動して前記アクセス用開口部を開閉するロータリシャッタとを有し、前記ロータリシャッタに設けられたシャッタノブが回動することで前記ロータリシャッタが回動して前記アクセス用開口部を閉じる記録ディスクカートリッジに適用されるドライブ装置であって、
装着された前記記録ディスクカートリッジが取り出される際に、前記シャッタノブが回動するように前記シャッタノブを係止する係止部を備えることを特徴とするドライブ装置。
【請求項2】
前記係止部は、前記ドライブ装置の幅方向に延びて配置され、一端側が片持ち支持されている弾性部材を備えることを特徴とする請求項1に記載のドライブ装置。
【請求項3】
前記記録ディスクカートリッジが取り出される方向と逆の方向から前記弾性部材の前記一端側と他端側との間に当接する当接部をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のドライブ装置。
【請求項1】
記録ディスクメディアと、前記記録ディスクメディアを収容するとともに前記記録ディスクメディアを外部に臨ませるアクセス用開口部を有するカートリッジケースと、前記カートリッジケース内で回動して前記アクセス用開口部を開閉するロータリシャッタとを有し、前記ロータリシャッタに設けられたシャッタノブが回動することで前記ロータリシャッタが回動して前記アクセス用開口部を閉じる記録ディスクカートリッジに適用されるドライブ装置であって、
装着された前記記録ディスクカートリッジが取り出される際に、前記シャッタノブが回動するように前記シャッタノブを係止する係止部を備えることを特徴とするドライブ装置。
【請求項2】
前記係止部は、前記ドライブ装置の幅方向に延びて配置され、一端側が片持ち支持されている弾性部材を備えることを特徴とする請求項1に記載のドライブ装置。
【請求項3】
前記記録ディスクカートリッジが取り出される方向と逆の方向から前記弾性部材の前記一端側と他端側との間に当接する当接部をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のドライブ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−164857(P2007−164857A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−357425(P2005−357425)
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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