説明

ドラム式洗濯機

【課題】洗濯開始時に投入した洗剤が水槽の中で水と混合完了する前に、そのまま洗剤の塊として直接排水口に落ち込み、排水コックに入り込んでしまったまま洗剤としての機能を果たさず排出されてしまうという問題を有していた。
【解決手段】水槽19の背面に配設された開口45から延設して排水口下流に設けられた排水コック37に連通する循環経路47を配設し、制御手段は、排水弁を開状態で給水開始し、規定水位に達した後前記排水弁を閉じ、洗剤投入を行う共に所定時間前記回転ドラムを駆動しながら洗濯を行った後、前記排水弁の開閉動作を行うことにより、排水コックの洗剤の堆積を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転ドラム内で衣類の洗濯などを行うドラム式洗濯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のドラム式洗濯機は図8のように構成していた。以下その構成を説明する。
【0003】
図8に示すように、ドラム1は、外周部に多数の通水孔2を全面に設け、水槽3内に回転自在に配設している。ドラム1の回転中心に回転軸4の一端を固定し、回転軸4の他端にドラムプーリー5を固定している。モータ6は、ベルト7によりドラムプーリー5と連結し、ドラム1を回転駆動する。ドラム1の開口部に蓋8を開閉自在に設けている。水槽3は、洗濯機本体9よりばね体10で吊り下げ、防振ダンパー11により脱水時の振動が洗濯機本体9に伝達されないように防振支持するとともに、脱水時の振動を低減する重り12を設けている。水槽3の下部には排水口117を設けている。給水弁13は、水槽3内に洗濯水を給水するもので、排水ポンプ14は、水槽3内の洗濯水を排水するものである。ヒータ15は、水槽3内の洗濯水を加熱するものである。制御装置16は、モータ6、給水弁13、排水ポンプ14、ヒータ15などの動作を制御し、洗濯、すすぎ、脱水などの一連の工程を逐次制御する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以上のように構成されたドラム式洗濯機の動作を以下に説明する。
【0005】
蓋8を開いてドラム1内に洗濯物を投入し、運転を開始すると、洗濯工程では、給水弁13を駆動して水槽3内に洗濯水を給水する。洗濯水の水位が所定水位に達すると給水弁13の駆動を停止し、給水を終了する。その後、ドラム1はモータ6によって低速で回転駆動され、ドラム1内の洗濯物は持ち上げられて水面上に落下される。こうして洗濯工程が進行する。洗濯工程を所定時間行った後、水槽3内の洗濯水を排水口117を経由して排水ポンプ14に貯水し、排水ポンプ14を駆動して排水し、中間脱水を行い、その後のすすぎ工程を行う。そのすすぎ工程においても洗濯工程と同様の動作を行う。脱水工程では、ドラム1は高速で回転駆動され、洗濯物は遠心脱水される。
【特許文献1】特開平10−201988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本来、洗浄工程において、洗濯を開始した直後に、洗剤ケース(図示せず)に投入された洗剤を給水弁13から給水された水を利用してとか、手動でもしくは他の手段にて水槽3内に投入し、水の中に溶け込ませ、その洗浄水が洗濯物の汚れ部分に接触することにより洗剤がその汚れに付着して、洗浄効果を高めるものである。
【0007】
しかしながら、上記のような従来の構造では、洗濯開始時に投入した洗剤が水槽3の中で水と混合完了する前に、そのまま洗剤の塊として直接排水口117に落ち込み、排水コックに入り込んでしまったまま洗剤としての機能を果たさず排出されてしまうという問題を有していた。
【0008】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、洗濯の給水工程において、先に排水弁を開けた状態で排水コック側に給水をした後、排水弁を閉め、水槽内に洗剤を投入し、洗剤が排水口117から進入し排水コックに堆積してしまったとしても、所定の時間、洗濯攪拌した後で、排水弁を開閉動作して対流を起こすことで、排水コックに堆積した洗剤を巻
き上げて、洗剤を再び水槽3内に逆流させやすくし、洗剤の溶解性を高め、洗剤としての機能を向上し、洗浄効果を高めることができるドラム式洗濯機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
水槽内に回転自在に配設され、その回転中心軸が水平もしくは水平から傾斜した回転ドラムと、前記水槽の底部に設けた排水口と、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記水槽内に洗濯水を給水する給水手段と、前記水槽内の洗濯水を排水する排水手段と、前記水槽の背面に配設された開口から延設して排水口下流に設けられた排水コックに連通する循環経路と、前記モータ、給水手段および排水手段等を制御して洗濯、すすぎ、脱水等の各工程を実行する制御手段とを備え、洗濯の給水工程において、先に排水弁を開けた状態で排水コック側に給水をした後、排水弁を閉め、水槽内に洗剤を投入し、所定の時間、洗濯攪拌した後で、排水弁を開閉動作するようにしている。
【0010】
これにより、洗濯の給水工程時において、先に排水コック側に給水を溜めた後、水槽内に洗剤を投入して、洗剤が排水口から進入し排水コックに堆積してしまったとしても、排水弁を開閉動作して対流を起こすことで排水コックに堆積した洗剤を巻き上げて、洗剤を再び水槽に逆流させやすくし、洗剤の溶解性を高め、洗剤としての機能を向上し、洗浄効果を高めることができるドラム式洗濯機を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のドラム式洗濯機は、洗濯の給水工程時において、先に排水コック側に給水を溜めた後、水槽内に洗剤を投入して、洗剤が排水口から進入し排水コックに堆積してしまったとしても、排水弁を開閉動作して対流を起こすことで排水コックに堆積した洗剤を巻き上げて、洗剤を再び水槽内に逆流させやすくし、洗剤の溶解性を高め、洗剤としての機能を向上し、洗浄効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
第1の発明は、水槽内に回転自在に配設され、その回転中心軸が水平もしくは水平から傾斜した回転ドラムと、前記水槽の底部に設けた排水口と、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記水槽内に洗濯水を給水する給水手段と、前記水槽内の洗濯水を排水する排水手段と、前記水槽の背面に配設された開口から延設して排水口下流に設けられた排水コックに連通する循環経路と、排水弁を有する前記排水コックと連通し排水ポンプを介して上方向きに形成された排水経路と、前記モータ、給水手段および排水手段等を制御して洗濯、すすぎ、脱水等の各工程を実行する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記排水弁を開状態で給水開始し、規定水位に達した後前記排水弁を閉じ、洗剤投入を行う共に所定時間前記回転ドラムを駆動しながら洗濯を行った後、前記排水弁の開閉動作を行うことにより、洗濯の給水工程時において、先に排水コック側に給水を溜めた後、水槽内に洗剤を投入して、洗剤が排水口から進入し排水コックに堆積してしまったとしても、排水弁を開閉動作して対流を起こすことで排水コックに堆積した洗剤を巻き上げて、洗剤を再び水槽内に逆流させやすくし、洗剤の溶解性を高め、洗剤としての機能を向上し、洗浄効果を高めることができる。
【0013】
第2の発明は、特に、第1の発明の洗濯攪拌工程において、所定時間前記回転ドラムを駆動しながら洗濯を行った後、前記排水弁の開閉動作を行う際に、複数回開閉動作を繰り返し行うことにより、さらに排水コックに堆積した洗剤を巻き上げやすくして、洗剤を再び水槽内に逆流させやすくし、より洗剤の溶解性を高め、洗剤としての機能を向上し、洗浄効果を高めることができる。
【0014】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の洗濯の攪拌工程において、前記水槽内の
洗濯水を加熱する温水ヒータを備え、前記制御手段は前記排水弁の開閉動作を前記温水ヒータが停止してから行うことにより、温度が上がった洗濯水を排水コックに堆積した洗剤にあてて、対流で巻き上げた洗剤の溶解性を高め、洗剤としての機能を向上し、洗浄効果を高めることができる。
【0015】
第4の発明は、特に、第2または第3の発明の洗濯の攪拌工程において、前記回転ドラム内に投入された洗濯物の量を測る布量検知手段を備え、前記制御手段は、洗濯物の量が多いほどに、洗濯物の量が少ないときより、前記排水弁の開閉動作の回数を多く行うことより、洗濯物の量が多いときには洗剤量が多くても繰り返し多く開閉動作を行うことで、さらに排水コックに堆積した洗剤を巻き上げやすくして、洗剤を再び水槽内に逆流させやすくし、より洗剤の溶解性を高め、洗剤としての機能を向上し、洗浄効果を高めることができる。また、洗濯物の量が少ないときは、前記排水弁の開閉動作の回数を少なく行うことより、洗濯物の量が少ないときには少ない洗剤量のうち、排水弁の開閉動作で排水経路側に流れ行くことを防ぎ、より洗剤としての機能を向上し、洗浄効果を高めることができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯機の側断面図、図2は、水槽の背面図、図3は排水コックの正面図、図4は本発明の第1の実施の形態のドラム式洗濯機の正面図である。
【0018】
図1において、回転ドラム17は、有底円筒形に形成され、外周部に多数の通水孔18が全面に設けられて、水槽19内に回転自在に配設されている。回転ドラム17の回転中心に傾斜方向に回転軸(回転中心軸)20が設けられ、回転ドラム17の軸心方向は正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させている。この回転軸20に、水槽19の背面に取り付けたモータ21が連結され、モータ21により回転ドラム17が正転、逆転方向に回転駆動される。回転ドラム17の内壁面には数個の突起板22が設けられている。
【0019】
水槽19の正面側で本体23の上向き傾斜面に設けた開口部24を蓋体25により開閉自在に覆い、この蓋体25を開くことにより、開口部24、水槽衣類出入口26および回転ドラム衣類出入口27を通して回転ドラム17内に洗濯物を入れ、回転ドラム17内から洗濯物を取り出せるようにしている。蓋体25を上向き傾斜面に設けているため、使用者は洗濯物を出し入れする際に、腰を屈める具合を少なくして行うことができる。
【0020】
水槽19は、本体23からばね体28とダンパー29により揺動可能に吊り下げられており、水槽19の内底部には、回転軸20の方向に長い凹状の排水溝30を設けている。この排水溝30にはヒータ50を配置している。この排水溝30の底部の背面側寄りには排水口31を設けており、この排水口31に排水コック37を接続し、排水コック37の出口側に排水経路32を接続し、排水経路32の他端を排水弁(排水手段)33に接続して、水槽19内の洗濯水を排水するようにしている。第1の給水弁(給水手段)34aは、給水経路36を通して直接洗濯槽内に洗濯水を給水する。第2の給水弁(給水手段)34bは洗剤ケース35および給水経路38を通して水槽19内に洗濯水を給水する。また、水位検知手段48は、水槽19内の水位を検知するために設けられている。
【0021】
制御装置39は、マイクロコンピュータで構成した制御手段40を有し、パワースイッチング手段を介してモータ21、排水弁(DV)33、給水弁(FV)34a、34bなどの動作を制御し、洗濯、すすぎ、脱水、乾燥の一連の工程を逐次制御する。
【0022】
制御手段40は、運転コース等を設定するための入力設定手段からの情報を入力して、その情報を基に表示手段で表示して使用者に知らせる。記憶手段は、制御手段40により制御するのに必要なデータを記憶している。
【0023】
図2において、水槽19の背面には背面開口部45を設けており、この水槽の背面開口部45と図3および図4に示す排水コック37に設けた開口部46を循環経路47で接続し、水または空気が循環できる構成にしている。
【0024】
これまでの一般のドラム式洗濯機は、排水経路が水槽下方からそのまま延設され、洗濯機本体下方から外方へ放出されている構成となっていたため、排水は重力に従ってそのまま外部排水経路に放出される構成となっていた。ところが、一方で、洗濯機を浴室やトイレ等の水周りに設置するのではなく、キッチン用品と同列にシステムキッチンの中に組み込む場合も出てきた。この場合には、食品を取り扱うキッチンの近傍にあるため、これまで以上に臭気等に対する規制が厳しくなっている。そこで、洗濯機の排水経路32も、図4に示すように、一旦上方に上げて外方に放出する構成をとり、通常は、外方の排水口との間を水封することにより排水の周期との縁切りを行う構成としている。
【0025】
上記構成において図5のフローチャートに従って、その動作を説明する。
【0026】
使用者が扉体25を開いて回転ドラム17内に洗濯物を投入し、再び扉体25を閉じるとステップ100で動作を開始し、ステップ101で電源スイッチ45fをオンした後、ステップ102でコース、行程を設定し、ステップ103で変更後の内容を操作パネルに表示する。ステップ104でスタートボタンを押して運転をスタートすると、ステップ105で洗濯機の扉体25がロックされる。
【0027】
洗濯工程に入り、ステップ106で排水手段をonして排水弁33を開ける。ステップ107で第1の給水手段34aをオンすると洗濯水が給水され、ステップ108で第1の給水経路36を通り、洗濯槽内に給水される。ステップ109で所定の給水水位S1(例えば0mm;リセット水位)を検知すると、ステップ110に移行して第1の給水手段34aを停止する。給水水位S1に至っていない場合、ステップ108に戻り給水を継続する。ステップ111で排水手段をoffして排水弁33を閉める。ステップ112では、第2の給水手段34bをオンして、洗濯水を給水する。ステップ113で、その洗濯水が給水経路38を通り、途中ステップ114で洗剤ケース35を通り、ステップ115で洗剤とともに水槽内に給水される。このようにして洗剤は水槽内に流れ込む。ステップ116で所定水位S2(例えば60mm)を検知すると、ステップ117移行して第2の給水手段35を停止する。所定水位S2に至っていなければステップ112に戻り給水を継続する。ステップ118でモータを駆動して洗濯の攪拌を開始する。ステップ119で所定の攪拌時間T1に至っているかを確認し、至っていればステップ120に移行する。至っていなければステップ118に戻り、攪拌を継続する。ステップ120では、短時間(例えば1秒)排水手段をonして排水弁33を開け、すぐに排水弁33をoffして排水弁33を勢いよく閉める。この排水弁33の開閉動作で水流を起こし、排水コック37に堆積した洗剤を巻き上げる。ステップ121で洗濯攪拌を継続し、ステップ122で所定の攪拌時間T2に至っているかを確認し、至っていればステップ123にて攪拌を停止して、次工程に移行する。所定の攪拌時間T2に至っていなければステップ121に戻り攪拌を継続する。
【0028】
この動作により、洗濯の給水工程時において、先に排水コック37側に給水を溜めた後、水槽内に洗剤を投入して、洗剤が排水口117から進入し排水コック37に堆積してしまったとしても、排水弁33を開閉動作して対流を起こすことで排水コック37に堆積し
た洗剤を巻き上げて、洗剤を再び水槽17内に逆流させやすくし、洗剤の溶解性を高め、洗剤としての機能を向上し、洗浄効果を高めることができる。
【0029】
(実施の形態2)
本実施の形態2の構成は、実施の形態1と同じ構成であり、図1、図2、図3および図4を使用して説明する。
【0030】
前記制御手段40は、所定時間前記回転ドラム17を駆動しながら洗濯を行った後、前記排水弁33の開閉動作を行う際に、複数回開閉動作を繰り返し行うように構成している。他の構成は上記実施の形態1と同じである。
【0031】
上記構成において、図5を参照にして動作を説明する。なお実施の形態1と同じ部分は省略する。
【0032】
洗濯行程において、ステップ120にて短時間(例えば1秒)排水手段をonして排水弁33を開け、すぐに排水弁33をoffして排水弁33を勢いよく閉める際に、この動作を複数回(例えば4回)繰り返して行う。この排水弁33を繰り返し開閉動作を行うことでより強い水流を複数回起こし、排水コック37に堆積した洗剤をより多く巻き上げる。
【0033】
この動作により、洗濯の給水工程時において、先に排水コック37側に給水を溜めた後、水槽19内に洗剤を投入して、洗剤が排水口31から進入し排水コック37に堆積してしまったとしても、排水弁33を複数回繰り返し開閉動作して対流を起こすことで排水コック37に堆積した洗剤をより多く巻き上げて、洗剤を再び水槽19内に逆流させやすくし、洗剤の溶解性を高め、洗剤としての機能を向上し、洗浄効果を高めることができる。
【0034】
(実施の形態3)
図6は、本発明の第3の実施の形態のドラム式洗濯機の要部動作フローチャートである。本実施の形態3の縦断面図、水槽の背面図等は、実施の形態1および実施の形態2と同じ構成であり、図1、図2、図3及び図4を使用して説明する。
【0035】
前記水槽19内の洗濯水を加熱する温水ヒータ50を備え、前記制御手段40は前記排水弁33の開閉動作を前記温水ヒータ50が停止してから行うように構成している。他の構成は上記実施の形態1および実施の形態2と同じである。
【0036】
上記構成において、図6を参照にして動作を説明する。なお実施の形態1および実施の形態2と同じ部分は省略する。
【0037】
洗濯行程において、ステップ118で給水攪拌をスタートした後、ステップ119で洗濯水を過熱する温水ヒータ50をonする。ステップ120で洗濯水の温度が所定の温度X1に至っているかを確認し、至っていればステップ121に移行して温水ヒータ50をoffする。所定の温度X1に至っていなければ、ステップ119に戻り、温水ヒータ50を継続してonする。温水ヒータ50をoffした後、ステップ122で短時間(例えば1秒)排水手段をonして排水弁33を開け、すぐに排水弁33をoffして排水弁33を勢いよく閉める動作を行う。
【0038】
この動作により、洗濯の給水工程時において、先に排水コック37側に給水を溜めた後、水槽19内に洗剤を投入して、洗剤が排水口31から進入し排水コック37に堆積してしまったとしても、温度が上がった洗濯水を排水コック37に堆積した洗剤にあてて、さらに対流で巻き上げた洗剤の溶解性を高め、洗剤としての機能を向上し、洗浄効果を高め
ることができる。
【0039】
(実施の形態4)
図7は、本発明の第4の実施の形態のドラム式洗濯機の要部動作フローチャートである。本実施の形態4の縦断面図、水槽の背面図は、実施の形態2および実施の形態3と同じ構成であり、図1、図2、図3及び図4を使用して説明する。 前記回転ドラム17内に投入された洗濯物の量を測る布量検知手段を備え、前記制御手段40は、洗濯物の量が多いほどに、洗濯物の量が少ないときより、前記排水弁33の開閉動作の回数を多くするように構成している。他の構成は上記実施の形態2または実施の形態3と同じである。
【0040】
上記構成において動作を説明する。なお実施の形態2または実施の形態3と同じ部分は省略する。
【0041】
使用者が、ステップ104でスタートボタンを押して運転をスタートすると、ステップ105で洗濯機の扉体30がロックされた後、ステップ106で布量検知動作を行い、回転ドラム内17の洗濯物の量を検知する。その後洗濯行程に入り、実施の形態2または実施の形態3と同様に、水槽内に洗濯水の給水と洗剤が投入される。ステップ119にて給水攪拌が開始され、ステップ120では所定の攪拌時間T1に至っているか確認し、至っていればステップ121に移行する。至っていなければステップ119に戻り、攪拌を継続する。ステップ121では、ステップ106で検知した洗濯物の量が所定の布量R1(例えば定格容量の1/2量)より多いかどうかを確認し、多い場合はステップ122にて短時間(例えば1秒)排水手段をonして排水弁33を開け、すぐに排水弁33をoffして排水弁33を勢いよく閉める際に、この動作を複数回(例えば4回)繰り返して行う。所定の布量R1より少ない場合は、ステップ123にて短時間(例えば1秒)排水手段をonして排水弁33を開け、すぐに排水弁33をoffして排水弁33を勢いよく閉める際に、布量が多いときより少ない回数(例えば1回)排水弁33の開閉動作を行う。
【0042】
この動作により、濯物の量が多いときには洗剤量が多くても繰り返し多く開閉動作を行うことで、さらに排水コック37に堆積した洗剤を巻き上げやすくして、洗剤を再び水槽19内に逆流させやすくし、より洗剤の溶解性を高め、洗剤としての機能を向上し、洗浄効果を高めることができる。また、洗濯物の量が少ないときは、前記排水弁33の開閉動作の回数を少なく行うことより、洗濯物の量が少ないときには少ない洗剤量のうち、排水弁33の開閉動作で排水経路側に流れ行くことを防ぎ、より洗剤としての機能を向上し、洗浄効果を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上のように、本発明にかかるドラム式洗濯機は、洗濯給水行程時に、洗剤が排水口から進入し排水コックに堆積した場合に、排水弁を開閉動作して起こした対流で、排水コックに堆積した洗剤を巻き上げ、洗剤を再び水槽内に逆流させやすくし、洗剤の溶解性を高め、洗剤としての機能を向上し、洗濯性に優れたドラム式洗濯機の提供を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯機の側断面図
【図2】同ドラム式洗濯機の水槽背面図
【図3】同ドラム式洗濯機の排水コック正面図
【図4】同ドラム式洗濯機の正面図
【図5】実施の形態1および2に係る要部動作フローチャート
【図6】実施の形態3に係る要部動作フローチャート
【図7】実施の形態4に係る要部動作フローチャート
【図8】従来のドラム式洗濯機の縦断面図
【符号の説明】
【0045】
17 回転ドラム
19 水槽
20 回転軸(回転中心軸)
21 モータ
31 排水口
32 排水経路
33 排水弁
34a 第1の給水弁(給水手段)
34b 第2の給水弁(給水手段)
35 洗剤ケース
36,38 給水経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽内に回転自在に配設され、その回転中心軸が水平もしくは水平から傾斜した回転ドラムと、前記水槽の底部に設けた排水口と、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記水槽内に洗濯水を給水する給水手段と、前記水槽内の洗濯水を排水する排水手段と、前記水槽の背面に配設された開口から延設して排水口下流に設けられた排水コックに連通する循環経路と、排水弁を有する前記排水コックと連通し排水ポンプを介して上方向きに形成された排水経路と、前記モータ、給水手段および排水手段等を制御して洗濯、すすぎ、脱水等の各工程を実行する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記排水弁を開状態で給水開始し、規定水位に達した後前記排水弁を閉じ、洗剤投入を行う共に所定時間前記回転ドラムを駆動しながら洗濯を行った後、前記排水弁の開閉動作を行うドラム式洗濯機。
【請求項2】
前記排水弁の開閉動作は複数回行う請求項1記載のドラム式洗濯機。
【請求項3】
前記水槽内の洗濯水を加熱する温水ヒータを備え、前記制御手段は前記排水弁の開閉動作を前記温水ヒータが停止してから行うようにした請求項1または2に記載のドラム式洗濯機。
【請求項4】
前記回転ドラム内に投入された洗濯物の量を測る布量検知手段を備え、前記制御手段は、洗濯物の量が多いほどに、洗濯物の量が少ないときより、前記排水弁の開閉動作の回数を多くした請求項2または3のいずれかに記載のドラム式洗濯機。

【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−207312(P2010−207312A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−54544(P2009−54544)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】