説明

ドリップトレイ及びカップ支持体を有する流動食品又は飲料装置

本発明による流動食品又は飲料を調製する装置は、液体又は飲料出口(95)を有する流動食品又は飲料モジュール(2)と、飲料出口の下に設置されると共に、液体を排出するための構成を有する支持装置(6)と、支持装置によって排出される液体を回収するためのドリップトレイなどの回収器(6a)とを含む。支持装置(6)は、送り出し領域(61)を備え、送り出し領域(61)の上又は上方に、入れ物(30、31)を出口から送り出される流動食品又は飲料を回収するために配置することができる。この支持装置は、送り出し領域に隣接した非送り出し領域(62)をさらに備え、この非送り出し領域が、使用後の入れ物を支持し、液体を回収器に排出するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、カップ、マグ又は他の入れ物用の支持装置を備えるドリップトレイを有する飲料調製装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種の飲料又は食品用の調製装置は、エキス抽出又は溶解されることになる原料を含むカプセルを使用し、他の装置については、原料は、装置内で保管されると共に自動的に投与され、さもなければ原料は、飲料の調製時に加えられる。
【0003】
大部分の飲料装置は、冷たい水源からの液体、又は発熱抵抗体、サーモブロック、又は同様なものなどの加熱手段によって実際に加熱された水源からの液体をポンプする通常水の液体用のポンプを含む充填手段と、原料が水で抽出される抽出ユニット又は原料が混ぜ合わされる混合ユニットと、調製した飲料を送り出すための飲料出口とを、ハウジング内に有する。典型的には、飲料出口は、出口の下でカップ又は他の入れ物を支持し、飲料出口からの可能性のある滴又は他のこぼれたものをグリッドの下に設置された回収器トレイに通過させるためのグリッドの上方に設置される。
【0004】
例えば、EP1 440 639は、ドリップトレイを形成する中空内部を有する容器スタンドを備える飲料装置を開示している。容器スタンドの上面は、容器が配置されるグリルを備える。このドリップトレイは、回収された水を空にするのを容易にするためにハウジングから取り外し可能である。
【0005】
カップ支持体を備えるドリップトレイ装置が、当業界でよく知られている。様々なサイズのカップに関する飲料出口の下の垂直位置を調節可能にするようにさらに構成されるそうした装置もある。
【0006】
例えば、EP1 867 260は、ほぼ中間高さで飲料装置に移動可能に取り付けられたカップ支持体を備えるドリップトレイを開示している。このカップ支持体は、装置の飲料出口の下に小カップを配置するための水平に延在する動作位置を有し、上向きに枢動して装置の本体に立て掛けることができ、又は別の方法で、移動可能なカップ支持体の上方、飲料出口の下方に位置する、飲料出口の下、支持面上に大きいカップを配置するのに十分なスペースを与えるように移動することができる。
【0007】
EP0 549 887及び米国特許第5,161,455号も、小さい容器及び大きい容器に合わせて調節可能なカップ支持体を備える装置を開示している。
【0008】
米国特許第5,353,692号は、上部飲料出口、及び滴回収器にある底部排水ゲートを備えるカップステーションを有する飲料自動販売機を開示している。カップステーションは、排水ゲートの上方に、飲料出口の下に小さいカップを配置するための収納式の支持部材を有する。このカップステーションは、滴が通過して排水ゲートへ下ることを可能にするためのグリッドとして形成されている。
【0009】
EP1 731 065は、飲料出口の下に設置されたドリップトレイ装置を有する飲料装置を開示している。この装置は、ドリップトレイ又は収集タンクを覆う第1の飲料入れ物用の第1の支持グリッドを有する。第1の支持グリッドは、第1の支持グリッドの下にある、出口の下により大きいカップを支持するための第2の支持体を利用できるようにするために、ドリップトレイから取り出し可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
流動食品又は飲料用の調製装置、特にそれら装置のカップ又はマグ支持体を備えるドリップトレイ装置の汎用性を増大させる必要が未だにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本発明は、流動食品又は飲料を調製する装置、特にカプセル又はポッドに含まれた原料などの事前に小分けにされた飲料又は食品の原料から流動食品又は飲料を調製する装置に関する。
【0012】
例えば、この装置は、コーヒー、茶、又はスープ調製装置である。特に、この装置は、熱水又は冷水、或いは別の液体を、挽いたコーヒー、又は茶、又はチョコレート、又はカカオ、又は粉ミルクなどの調製される飲料又は流動食品の原料を含むカプセル又はポッドに通過させることによって、流動食品又は飲料用のモジュール内で飲料又は流動食品を調製するように構成される。
【0013】
本発明の装置は、液体又は飲料出口を有する流動食品又は飲料用モジュールと、飲料出口の下に設置されると共に、液体を排出するための構成を有する支持装置と、支持装置によって排出される液体を回収するためのドリップトレイ、リザーバ又はタンクなどの回収器とを備える。この支持装置は、送り出し領域を備え、この送り出し領域の上又は上方に、カップ又はマグなどの入れ物を出口から送り出される流動食品又は飲料を回収するために配置することができる。本発明によれば、支持装置は、送り出し領域に隣接した非送り出し領域をさらに備え、非送り出し領域が、使用後の入れ物を支持し、液体を回収器に排出するように構成される。
【0014】
言い換えれば、支持装置は、流動食品又は飲料の送り出し、又は入れ物を充填している間の入れ物の配置のために構成されているのではない領域を有してもよい。典型的には、支持装置の送り出し領域に隣接しており、例えば、流動食品又は飲料出口の側部に延在するこの非送り出し領域は、入れ物を使用した後に、残りの液体、滴又はこぼれたものを入れ物から排水し、それらを回収器に排水できるように、典型的には逆さまに入れ物を置くために使用できる。この非送り出し領域は、使用後の入れ物用の水切り台又は水切りラックとして機能できる。
【0015】
そのような構成は、流動食品又は飲料の調製装置が、任意の台所のシンク又は別個の水切り台若しくは水切りラックから遠く離れている位置にあるときに特に注目に値する。典型的には、そのような位置は、通常、キッチン設備がないオフィス空間内であり得る。したがって、使用済の入れ物又は汚れた入れ物は、支持装置の非送り出し領域に置かれ、その後、洗い物をする後の段階で回収されてもよい。オフィスの人々は、流動食品又は飲料、典型的にはコーヒーを机のすぐ近くに置いておくことができ、液体が滴っている可能性がある状態で台所のシンクに自らのカップを持って行く必要、又はカップを自分の机に残しておく必要がなく、その代わりに装置の支持装置の非送り出しスペースにカップを置いておくことができ、後の段階で例えば清掃スタッフによってその机からカップが一緒に片付けられればよいということになる。
【0016】
典型的には、非送り出し領域は、通常、いくつかの使用済カップを置くことができるように送り出し領域より大きい。例えば、非送り出し領域及び送り出し領域の表面積比が、少なくとも1.5、特に2.5〜6などの2〜10の範囲内にある。非送り出し領域は、2〜8個の範囲内のいくつかの並んだ入れ物、特に3〜5個の入れ物を支持するための表面を有してもよい。実際には、送り出し領域は、5〜80cm、特に12〜20cmの範囲内のサイズを有してもよい。非送り出し領域は、10〜1000cm、特に30〜300cmなどの20〜600cmの範囲内のサイズを有してもよい。
【0017】
この支持装置は、液体を回収器に排出するための、グリッド部材、又は少なくとも1つの排水穴、又は孔のあるすなわち有孔プレート状部材を有するプレート状部材を備えてもよい。回収器は、支持装置の直下、又は典型的には装置内で液体を支持装置から回収器に案内するための案内部材又は流路などの構成を介して支持装置に接続される位置に設置されてもよい。
【0018】
支持装置は、送り出し領域のための第1の構造と、非送り出し領域のための第2の構造とを有してもよい。例えば、送り出し領域は、グリッド又は有孔プレートとして構成され、非送り出し領域は、任意の液体を使用済の入れ物から排水するための排水面、例えば一連の傾斜した溝を備える面として構成される。そのような排水面は、送り出し領域及び/又は回収器に通じていてもよい。例えば、回収器は、送り出し領域の直下に延在し、非送り出し領域の下での延在はわずかであってもよく、この非送り出し領域は、特に液体を適宜送り出し領域を介して回収器に排水するように構成される。
【0019】
一実施形態では、この装置は、第2の支持装置を有し、送り出し領域が、より大きい入れ物を受け入れるように出口から十分な間隔をおいて配置されており、第2の支持装置が、出口の直下により小さい入れ物を支持するように出口からより近い距離にある。適宜、第2の支持装置は、液体を回収器に排出するための構成を有する。
【0020】
第2の支持装置が、より小さい入れ物を支持するための、出口と送り出し領域の間の動作位置に移動可能であってもよく、より大きい入れ物が、出口の下で送り出し領域に配置可能とできるように動作位置から離れて静止位置に移動可能であってもよい。第2の支持装置は、第2の支持装置の動作位置から第2の支持装置の静止位置に回転可能及び/又はスライド可能である。
【0021】
第2の支持装置及び送り出し領域は、入れ物を支持し、液体を排出するための同様の構造、例えばグリッド又は有孔プレートから形成されてもよい。
【0022】
流動食品又は飲料の調製装置が、流動食品又は飲料用のモジュールを支持するプラットフォームを有してもよく、又は流動食品又は飲料用のモジュールが、プラットフォームから上向きに延在する。支持装置は、出口の下方でモジュールから横方向にプラットフォームの前方部に沿って延在してもよい。適宜、プラットフォームは、飲料用モジュールから横方向に延在し、及び/又はきれいな入れ物を支持するための加熱面などの支持面を有する。したがって、プラットフォーム及び直立のモジュールは、例えば、断面がほぼL構成又はほぼ逆T構成であってもよい。
【0023】
流動食品又は飲料用のモジュールが、少なくとも1つのさらなるモジュール、特に流動食品又は飲料用のモジュール、或いはミルク泡立て装置に関連していてもよく、そのようなモジュール、すなわち流動食品又は飲料用のモジュール及びこのさらなるモジュールが、並んで取り付けられ、支持装置が、両モジュールの前方に延在してもよい。適宜、非送り出し領域が、例えばモジュールと共にほぼU構成を形成するモジュール同士の間の隙間の前方、及び/又はモジュールのうちの少なくとも1つに隣接した支持面の前方に設置される。
【0024】
支持装置が、流動食品又は飲料用のモジュールの一部又は全部の周り、特にモジュールの前方部、及び1つ又は2つの側方部に沿って延在することも可能である。例えば、この支持装置は、ほぼL形又はU形である。
【0025】
支持装置及び回収器が、モジュールから一括で分離可能であってもよい。
【0026】
本発明は、ドリップトレイ構成、特に、上記の流動食品又は飲料の調製装置にも関する。このドリップトレイ構成は、液体を排出するための構成を有する支持装置と、この支持装置によって排出される液体を回収するための回収器とを備える。この支持装置は、送り出し領域を備え、送り出し領域の上又は上方に、入れ物を対応する出口から送り出される流動食品又は飲料を回収するために配置することができる。本発明によれば、支持装置は、送り出し領域に隣接した非送り出し領域をさらに備え、非送り出し領域が、使用後の入れ物を支持し、液体を回収器に排出するように構成される。
【0027】
そのようなドリップトレイの構成は、上記の回収器及び支持装置の特徴の組み合わせから成る任意の特徴を含んでもよい。
【0028】
次に、本発明を、概略図を参照して説明することにする。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】側方に延在しているプラットフォーム上の1つの流動食品又は飲料用のモジュール、及びプラットフォームの前方に延在している回収器上の支持装置を有する本発明による装置を示す図である。
【図2】側方に延在しているプラットフォーム上の2つの流動食品又は飲料用のモジュール、及びプラットフォームの前方に延在している回収器上の支持装置を有する本発明による装置を示す図である。
【図3】流動食品又は飲料用のモジュールの周りに延在するほぼU形支持装置を有する本発明による別の装置の概略図である。
【図4】流動食品又は飲料用のモジュールの周りに延在するほぼL形支持装置を有する本発明による別の装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明による流動食品又は飲料の調製装置を示す。この装置は、ハウジング9内にモジュール2を有する。モジュール2は、原料を受容し、液体を原料に送るように構成される。モジュール2は、プラットフォーム1に取り付けられ、プラットフォーム1の側方部1’に沿って延在する。飲料をモジュール2から送り出すための飲料出口95は、ハウジング9の前面94を通って延在する。
【0031】
モジュール2は、開閉ハンドル11と、例えば、コーヒーのカプセルなどの物質含有カプセルを保持する手段と、飲料ダクト95などの飲料送出手段とを備える抽出ユニット(図示せず)を含む。典型的には、この保持手段は、カプセルホルダ及び抽出ケージ、水をカプセルに注入するための流体注入システム、並びにレバー及びニージョイント機構などの閉鎖装置を備える。適したエキス抽出モジュールは、EP1 859 713に説明されている。さらに、ハウジング9は、抽出ユニット及び出口95の下に取り出し可能に挿入される使用済カプセル容器96を格納する。モジュール2のさらに可能性のある特徴は、同時継続中の出願EP07123009においてより詳細に述べられている。
【0032】
プラットフォーム1は、流体及び電源管理に関して少なくとも最小限の機能を有し、プラットフォーム1は、流動食品又は飲料用のモジュール2に電力と、ハウジング9の外部からベースプラットフォームに取り付けられ、ハウジング9の後壁に隣接した水タンク7からの水を供給している。
【0033】
主スイッチ3は、この装置をオン及びシャットオフするために、プラットフォーム1に取り付けられる。典型的には、少量又は大量の調理される流動食品又は飲料を選択するための2つのユーザボタン12が、モジュール2上にある。
【0034】
プラットフォーム1の上部面34は、STRIX(商標)コネクタ(図示せず)の形態でミルク泡立て装置8を接続する手段を有する。飲料又は流動食品の調製装置及び泡立て装置8のためのそのような接続解除可能なコネクタは、例えば、国際公開第03/075629号パンフレット、国際公開第2008/046837号パンフレット、及び国際出願PCT/EP08/056349により詳細に開示されており、これら開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0035】
上部面34は、隣接する前面35に隣接しており、これは、特にプラットフォーム1に組み込まれる加熱システムに適宜関連するものであり、使用前に1つ又は複数のカップ31を予熱するために(図1に点線で示す)1つ又は複数のカップ31を支持するように構成される。
【0036】
上述のように、流動食品又は飲料用のモジュール2は、プラットフォーム1の第1の側方縁部1’に隣接してハウジング9内で概ね上向きに延在する。一方、泡立て装置8は、第1の縁部”の反対側でプラットフォーム1の第2の側方縁部に隣接して概ね位置し、それにより、ハウジング9及びプラットフォーム1は、泡立て装置8を支持する、断面がL形を概ね形成する。
【0037】
流動食品又は飲料用の装置は、支持装置6も備え、支持装置6は、飲料出口95の下に設置されると共に、液体を排出するための有孔プレートの形態である。浅いリザーバの形態の回収器6aが、排出した液体を回収するために支持装置6の真下に設置される。回収器6aは、液体を回収するための大きい容量を必要としない。大部分の時間、回収器6aは、滴及びこぼれたものを回収しさえすればよい。
【0038】
支持装置6及び回収器6aは、例えば、回収器6aを空にすること及び/又は洗浄のために、プラットフォーム1及びモジュール2からひとまとめで分離可能である。
【0039】
本発明によれば、支持装置6は、点線61によって全体的に示される送り出し領域を備え、この送り出し領域の上又は上方に、入れ物31を飲料出口95から送り出される流動食品又は飲料を回収するために配置することができる。
【0040】
本発明によれば、支持装置6は、点線62によって全体的に示される、送り出し領域61に隣接した非送り出し領域をさらに備える。非送り出し領域62は、点線31によって概略的に示される使用後の入れ物を支持し、液体、特にそのような使用済の入れ物31からの滴を回収器6aに排出するように構成される。
【0041】
図1に示すように、支持装置6は、出口95の下方でプラットフォーム1の前方部に沿って、及び面35及びミルク泡立て装置8の前方にモジュール2から横方向に延在する。非送り出し領域62は、送り出し領域61より約3倍大きく、逆さまに配置された、すなわち入れ物の各口を下にした(図1の点線で示される)3つ並んだ入れ物31を保持する。
【0042】
さらに、流動食品又は飲料用の装置は、出口95の直下により小さいサイズの入れ物31を支持するための第2の支持装置97を、支持装置6の上方に有する。主支持装置6と同様に、第2の支持装置97は、液体を、適宜支持装置6を介して、特に回収器6aに排出するための有孔プレートを有する。第2の支持装置97は、例示のようにより小さい入れ物31を支持するための出口95と送り出し領域61の間のほぼ水平な動作位置に移動可能であり、より大きい入れ物が出口95の下で送り出し領域61に配置可能であるように動作位置から離れてほぼ直立又は垂直な静止位置に移動可能である。第2の支持装置97は、特に第2の支持装置97の動作位置から第2の支持装置97の静止位置に回転可能及び/又はスライド可能である。そのような第2の支持装置の可能性のある特徴のさらなる詳細は、例えばEP1 867 260に開示されている。
【0043】
同じ符号が一般に同じ要素を示している図2は、本発明の別の実施形態を示す。
【0044】
流動食品又は飲料用の装置は、プラットフォーム1上に並んで離間して取り付けられ、プラットフォーム1の両側1’、1”に沿って配置されるハウジング9内の2つのモジュール2を有する。共通の水リザーバ7は、プラットフォーム1の後部でモジュール2同士の間に延在する。
【0045】
図2の左側には、対応する第2の支持装置97が、上向きに枢動して第2の支持装置97の静止位置にあり、それにより大きいカップ30を出口95の下で主支持装置6の送り出し領域61に配置できるようになっているモジュール2を示す。図2の右側には、図1のように、対応する第2の支持装置97が、第2の支持装置97の展開した水平な動作位置にあるモジュール2を示しており、小さいカップ31は、出口95の下で第2の支持装置97によって支持されている。
【0046】
回収器6aを備える主支持装置6は、各モジュール2の出口飲料95の下に、プラットフォーム1の前部全体に沿って延在する。主支持装置6は、各出口95の下の送り出し領域61と、モジュール2同士の間の非送り出し領域62とを形成する。非送り出し領域62は、いずれの流動食品又は飲料用の出口によっても覆われていない。一方、使用済のカップ30、31(図2にはそのうちの5つが示されている)は、非送り出し領域62に逆さまに配置され、水切り台のように非送り出し領域62に載ることが可能にされている。
【0047】
プラットフォーム1は、使用されるカップを支持及び予熱するための加熱装置に関連している支持面(図示せず)を含むこともできる。そのような支持面は、対向するモジュール2、支持装置6、及び水リザーバ7の間に延在することができる。
【0048】
図3及び図4は、本発明による回収器6aを備えるカップ又はマグの支持装置6のさらなる構成を概略的に示す。
【0049】
図3では、支持装置6は、流動食品又は飲料用の調製装置の一部の周り、すなわちハウジング9の両側面91及び前面94に沿って延在する。本実施形態では、支持装置6は、装置の周りにほぼU形である。支持装置6は、端と端を接して配置した3つの概ねプレート状の部材で作製される。
【0050】
支持装置6の中央支持部材は、送り出し領域61を形成するように流動食品又は飲料の出口95の直下に前面94に沿って設置される。回収器6aは一般に、この中央部材の直下に設置される。中央支持部材は、一連の貫通開口部を含み、液体が、貫通開口部を通じて回収器6aに通過することが可能になるようになっている。
【0051】
支持装置6は、ハウジング9の各側方部91に沿って側方支持部材をさらに含む。これらの側方支持部材は、2つの非送り出し領域62を形成し、回収器6aに向けて液体を排水するための一連の縦溝を備える概ね水切り台の形状である。支持装置6は、液体が、側方支持部材の端部から回収器6aに直接、又は中央支持部材の貫通開口部を介して回収器6aに排水するように構成されてもよい。
【0052】
非送り出し領域62を備える側方支持部材は、プラットフォーム1に載っている。回収器6aは、これらの側方支持部材の直下に実質的に延在するのではなく、送り出し領域61を備える中央支持部材の直下に主として設置される。しかし、好都合には、回収器6aは、液体が側方支持部材の端部から回収器6aに直接排水できるように、側方支持部材の端部の下方に延在してもよい。
【0053】
図3の右側の側方支持部材は、非送り出し領域62に(点線で示される)マグ30などの大きい容器を支持するように構成され、したがって、(点線で示される)カップ31などの小さい容器を支持するように構成されている図3の右側の側方支持部材より大きい。変形形態では、同一又は類似の幅を有する側方支持部材を設けることももちろん可能である。
【0054】
図4では、流動食品又は飲料用の装置は、流動食品又は飲料の出口95を有するモジュールをハウジング9内で支持するプラットフォーム1を有する。このプラットフォームは、加熱支持面35を有し、加熱支持面35は、流動食品又は飲料用のモジュールに隣接し、その後の使用のために加熱支持面35に載っている(点線で示される)カップ31を予熱するように構成される。
【0055】
送り出し領域61及び非送り出し領域62を有する支持装置6は、プラットフォーム1の前方部及び側方部の周りに設置され、ほぼL形である。送り出し領域61は、ハウジング9の前面94の前方、及び飲料の出口95の直下に設置される。非送り出し領域62は、プラットフォーム1の前部、及び面35に隣接したプラットフォーム1の側方縁部1”に部分的に沿って延在する。
【0056】
回収器6aは、送り出し領域61及び非送り出し領域62の下に延在してもよく、又は図3のように、送り出し領域61の下に単に延在してもよい。代替として、支持装置6は、2つの別個の回収器6aと協働し、一方の回収器が、送り出し領域61の直下にあり、他方のものが、非送り出し領域62の直下にあってもよい。さらなる変形形態では、プラットフォーム1の前部に沿って、すなわち送り出し領域61の直下、及び非送り出し領域62の前部の下を延在する単一の回収器6aを有することも可能であり、非送り出し領域62は、液体を非送り出し領域62から回収器6a上方の前部に排水するように構成され、そこから液体が、回収器6aに排水されてもよい。
【0057】
さらなる変形形態では、液体を、送り出し領域の直下に設置されない回収器に排水するように、支持部材の送り出し領域を例えば水切り台として形成することも可能である。いっそうさらなる変形形態では、支持装置と協働する回収器が、具体的には洗浄又はすすぎのプロセス、或いは抽出プロセスから生じる流動食品又は飲料用の装置の他の廃液も回収するように構成されてもよい。例えば、そのような流体回収器は、それら残りの液体を回収するための使用済原料回収器、例えば使用済カプセル回収器に関連していてもよい。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動食品又は飲料を調製する装置、特に、事前に小分けにされた飲料又は食品の原料から流動食品又は飲料を調製する装置であって、
液体又は飲料の出口(95)を有する流動食品又は飲料用のモジュール(2)と、
前記出口の下に設置されると共に、液体を排出するための構成を有する支持装置(6)と、
前記支持装置によって排出される液体を回収するためのドリップトレイなどの回収器(6a)と
を備え、
前記支持装置(6)が、送り出し領域(61)を備え、前記送り出し領域の上又は上方に、入れ物(30、31)を前記出口から送り出される流動食品又は飲料を回収するために配置することができる、装置において、
前記支持装置が、前記送り出し領域に隣接した非送り出し領域(62)をさらに備え、前記非送り出し領域が、使用後の入れ物を支持し、液体を前記回収器に排出するように構成されていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記非送り出し領域(62)が、前記送り出し領域(61)より大きい、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記非送り出し領域(62)及び前記送り出し領域(61)の表面積比が、少なくとも1.5、特に2.5〜6などの2〜10の範囲内にある、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記非送り出し領域(62)が、2〜8個の範囲内で並んだ入れ物(30、31)、特に3〜5個の入れ物を支持するための表面を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記支持装置(6)が、液体を前記回収器(6a)に排出するための、グリッド部材、又は少なくとも1つの排水穴、又は孔のあるすなわち有孔プレート状部材を有するプレート状部材を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記支持装置(6)が、前記回収器(6a)を覆い、及び/又は液体を前記回収器に排出するための1つ又は複数の流路又は案内部材などの構成に関連している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
第2の支持装置(97)を有し、前記送り出し領域(61)が、より大きい入れ物(30)を受け入れるように前記出口(95)から十分な間隔をおいて配置されており、前記第2の支持装置が、前記出口の直下により小さい入れ物(31)を支持するように前記出口からより近い距離にあり、前記第2の支持装置が、液体を前記回収器(6a)に排出するための構成を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の支持装置(97)が、より小さい入れ物(31)を支持するための、前記出口(95)と前記送り出し領域(61)の間の動作位置に移動可能であり、より大きい入れ物(30)が、前記出口の下で前記送り出し領域に配置可能であるように前記動作位置から離れて静止位置に移動可能であり、前記第2の支持装置が、前記第2の支持装置の動作位置から前記第2の支持装置の静止位置に回転可能及び/又はスライド可能である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第2の支持装置(97)及び前記送り出し領域(61)が、前記入れ物(30、31)を支持し、液体を排出するための同様の構造で形成される、請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記モジュール(2)を支持するプラットフォーム(1)を有し、又は前記モジュール(2)が、前記プラットフォーム(1)から上向きに延在し、前記支持装置(6)が、前記出口(95)の下方で前記モジュール(2)から横方向に前記プラットフォームの前方部に沿って延在し、適宜、前記プラットフォームが、前記モジュールから横方向に延在し、及び/又は清浄な入れ物(30、31)を支持するための加熱面などの支持面(35)を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記モジュール(2)が、少なくとも1つのさらなるモジュール、特に流動食品又は飲料用のモジュール(2)、或いはミルク泡立て装置(8)に関連しており、かかるモジュールが、並んで取り付けられ、前記支持装置(6)が、前記モジュール(2)及び前記さらなるモジュールの両方の前方に延在し、前記非送り出し領域(62)が、前記モジュール同士の間の隙間の前方、及び/又は前記モジュールの少なくとも1つに隣接した支持面(35)の前方に適宜設置される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記支持装置(6)が、前記モジュール(2)の周り、又は前記モジュール(2)の一部の周り、特に前記モジュールの前部、及び1つ又は2つの側部に沿って延在し、前記支持装置が任意的にほぼL形又はU形である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記支持装置(6)及び前記回収器(6a)が、前記モジュール(2)から一括で分離可能である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の流動食品又は飲料を調製する装置用のドリップトレイ構成であって、
液体を排出するための構成を有する支持装置(6)と、
前記支持装置によって排出される液体を回収するためのドリップトレイなどの回収器(6a)と
を備え、
前記支持装置が、送り出し領域(61)を備え、前記送り出し領域(61)の上又は上方に、入れ物(30、31)を対応する出口から送り出される流動食品又は飲料を回収するために配置することができる、ドリップトレイ構成において、
前記支持装置が、前記送り出し領域に隣接した非送り出し領域(62)をさらに備え、前記非送り出し領域が、使用後の入れ物を支持し、液体を前記回収器に排出するように構成されていることを特徴とする、ドリップトレイ構成。
【請求項15】
前記非送り出し領域(62)が、前記送り出し領域より大きく、前記非送り出し領域(62)及び前記送り出し領域(61)の表面積比が、適宜、少なくとも1.5、特に2.5〜6などの2〜10の範囲内の比である、請求項14に記載のドリップトレイ構成。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−505936(P2011−505936A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537414(P2010−537414)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2008/067079
【国際公開番号】WO2009/074557
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】