説明

ドレナージポンプユニット

吸引ポンプを用いて体液を吸引するための、本発明によるドレナージポンプユニットは、吸引ポンプを収容するためのポンプ筐体(4)を有するドレナージポンプ装置、及びポンプ筐体(4)に取り外し可能に固定できる流体収集容器(5)を含む。本発明のドレナージポンプユニットは、さらに、患者側のドレナージチューブ(10)に接続するための接続要素を有するポンプ側連結部(2)を含む。この連結部(2)は、ポンプ筐体(4)に取り外し可能に保持され、流体収集容器(5)の連結開口部(54)を取り付けることができるコネクタ部(20)を有する。あるいは、連結部(2)が、流体収集容器(5)のコネクタ部を挿入することのできる連結開口部を有する。接続要素及びコネクタ部(20)又は連結開口部は、連結部(2)を通って延びるドレナージ路(24)を介して互いに接続されている。本発明によるドレナージポンプユニットによれば、ドレナージチューブを取り外すことなく、よって患者を煩わすことなく、流体収集容器を置き換えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1のプリアンブルに記載のドレナージポンプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ドレナージポンプシステムは、医療分野において、例えば外科的処置中又は後の体液及び分泌液を吸引するため、及び傷口からの排液、胸部排液又は脂肪吸引で使用される。これらのドレナージポンプシステムは通常、吸引ポンプ、1以上の流体収集容器、及び、患者と流体収集容器の間をつなぐドレナージチューブを有する。流体収集容器は、ドレナージポンプの筐体に取り外し可能に固定するか、真空チューブを介してポンプに接続することができる。
【0003】
吸引ポンプ又は真空ポンプによって流体収集容器内に負圧が起こり、患者の腔からの流体又は分泌物が、ドレナージチューブを通って収集容器に吸引され、容器内に集められる。収集容器のポンプ側の出口に配置されたフィルタは、吸引ポンプが、吸引した流体によって汚染されるのを防ぐ。剛性のカバーとそれに固定した可撓性のバッグを備えたこの種の流体収集容器は、例えば、特許文献1及び特許文献2から公知である。
【0004】
特許文献3は、ドレナージカテーテル、及びカテーテルを取り囲む気密スリーブを備えたドレナージ管を開示している。カテーテルの両端には連結部があり、患者側の連結部にはガス分析器用のコネクタが設けられている。
【0005】
ドレナージ管に加えて、ポンプから患者まで供給管(service line)をつなげることも公知である。例えば、特許文献4では、ダブルルーメンチューブを使用しており、一方のルーメンはドレナージ管を形成し、第2のルーメンは患者側の端部でドレナージ管に開口する空気路となっている。このようにして、空気又はガスを、吸引されるべき患者の腔に供給し、腔を洗浄することができる。このルーメンは、さらに、流量差又は圧力差を測定するための測定管として使用することができる。このようにすると、ドレナージ治療を最適にモニターでき、自動的に制御できる。
【0006】
特許文献5では、吸引した凝血塊又は組織による管の閉塞を避ける又は排除するために、ドレナージチューブの患者側の端部に接続した供給管を、ドレナージ管を洗い流すために使用している。
【0007】
特許文献6は、2つのチューブを有するドレナージチューブユニットを開示し、ドレナージチューブユニットが、y字形連結部をポンプ側の端部に有している。患者側の端部で、この2つのチューブは、2つの個別の連結部に開口する。
【0008】
特許文献7は、ドレナージ管と空気供給管を含むダブルルーメンチューブを有するドレナージチューブユニットを開示する。このチューブは、患者側の端部に、2つの管を互いに接続する内部貫通孔を有する。このチューブの端部には、ポンプ側の連結部と患者側の連結部が設けられている。これらの連結部にはまた、さらなる接続の可能性がある。
【0009】
特許文献8は、スリーブで囲まれ、2つの端部に連結部が設けられた、マルチルーメンドレナージチューブを開示する。
【0010】
これらのコネクタは、それらの連結部によって、誤った操作を避けるが、特に複数の個別部分から成るために、比較的複雑な構造を有する。さらに、それらはまた、ダブルルーメンカテーテルチューブ、特に、特別に設計された患者側の端部を有するチューブとしか使用することができない。しかしながら、これらのドレナージチューブユニットは、二度以上使用することができず、一度使用した後は使い捨て部品として廃棄されるため、できるだけ安価でなければならない。
【0011】
さらに、先行技術によるシステムには、流体収集容器が空になると、ドレナージチューブを常に流体収集容器から取り外さなければならないという不都合がある。このことは、患者を不必要に煩わす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】EP0861668
【特許文献2】WO01/24846
【特許文献3】EP0466334
【特許文献4】US5738656
【特許文献5】WO05/061025
【特許文献6】US6626827
【特許文献7】US5029580
【特許文献8】US5134996
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の目的は、患者の煩わしさを最小限まで減らすドレナージポンプユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、特許請求項1の特徴を有するドレナージポンプユニットにより達成される。
【0015】
吸引ポンプを用いて体液を吸引するための、本発明によるドレナージポンプユニットは、吸引ポンプを収容するためのポンプ筐体を有するドレナージポンプ装置、及びポンプ筐体に取り外し可能に固定できる流体収集容器を含む。本発明のドレナージポンプユニットは、さらに、患者側のドレナージチューブに接続するための接続要素を有するポンプ側連結部を含む。この連結部は、ポンプ筐体に取り外し可能に保持され、流体収集容器の連結開口部を取り付けることができるコネクタ部を有する。あるいは、連結部が連結開口部を有し、この開口部内に、流体収集容器のコネクタ部を挿入することができる。接続要素及びコネクタ部又は連結開口部は、連結部内で延びるドレナージ路を介して互いに接続されている。
【0016】
ドレナージチューブ又は連結部は流体収集容器内ではなく、ポンプ筐体内又はポンプ筐体に保持され、流体収集容器に接続することができるため、ドレナージチューブを取り外さなくとも、流体収集容器を取り外して空にしたり、又は取り替えることができる。ドレナージチューブは、ポンプ筐体に挿入したままにできる。従って、ドレナージチューブに触れたり動かしたりする必要がないため、患者は不自由を感じない。
【0017】
ポンプ側の連結部と流体収集容器との間の接続は、好ましくは、直接的、つまり介在するチューブや介在する管路なしになされる。
【0018】
ポンプ筐体は、好ましくは、連結部を取り外し可能に保持し、特に、連結部を差し込むことのできる凹所を有する。このようにして、連結部はしっかりと保持され、また、流体収集容器の取り外しの際に動かされない。
【0019】
好ましい実施形態では、凹所は、流体収集容器の方に向いているポンプ筐体の壁に位置している。凹所は、好ましくは、壁の縁まで延び、コーナー部分を形成する。この縁が上縁であれば有利である。
【0020】
連結部は、好ましくは、ポンプ筐体の凹所に形状嵌めで保持される。
【0021】
ポンプ筐体の凹所は、好ましくは、実質的に立方形であり、連結部は実質的に立方形の本体を有する。
【0022】
好ましい実施形態では、接続要素及びコネクタ部又は連結開口部は、連結部の2つの異なる面に配置され、特に互いに直角に位置する2つの面に配置される。
【0023】
ポンプ側の連結部は、好ましくは、一体的に形成される。
【0024】
好ましい実施形態では、ポンプ側の連結部又はポンプ側の端部コネクタは、供給チューブに接続するための患者側接続要素、ポンプ筐体内に配置される供給ユニットに接続するためのポンプ側接続要素、及び、これら2つの接続手段を接続し、連結部内で延びる供給路を有する。供給チューブに接続するための患者側接続要素、及び、患者側ドレナージチューブに接続するための接続要素は、好ましくは、連結部の同じ面に配置されている。ポンプ側連結部とポンプ筐体との接続はまた、好ましくは、接続チューブ又は介在チューブなしでなされる。
【0025】
他の有利な実施形態は、従属特許請求項から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明のドレナージチューブユニットの斜視図である。
【図2】図2は、図1のドレナージチューブユニットを長手方向に切断した時の斜視図である。
【図3】図3は、図1のドレナージチューブユニットの長手方向断面図である。
【図4】図4は、本発明のドレナージチューブユニットのポンプ側連結部を変形させたドレナージポンプ装置の斜視図である。
【図5】図5は、ポンプ側連結部用の座部を有するポンプ筐体の変形の斜視図である。
【図6】図6は、連結部に差込可能に接続するための連結開口部を有する、流体収集容器の斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付の図に示した好ましい例示の実施形態に基づき、本発明を説明する。
図1は、冒頭に記載したドレナージ吸引装置で使用されるドレナージチューブユニットを示す。このユニットは、主に、2以上のチューブ10,11を有するチューブシステム1、ポンプ側連結部2、及び、好ましくは患者側連結部3(必ずしも必要ではない)で構成される。しかしながら、本発明によると、個別のシングルルーメンドレナージチューブを使用することもできる。
【0028】
ここに示されているチューブ10,11は、好ましくは、互いに独立したシングルルーメンチューブである。それらは好ましくはシリコン又はPVCからなる。チューブは、それらの端部では互いから離れて延び、この両端部の間では、互いと接着接合したり、互いと溶接したり、又はそれ以外の方法で結合することができる。図には、チューブの全長を示しておらず、中断してある。
【0029】
2つのチューブは、好ましくは、異なる直径を有する。より太いチューブ10は負圧と、体液を吸引するためのドレナージ管を形成する。より細いチューブ11は、供給管を形成し、例えば、上述の又は同様の圧力測定及び/又はドレナージ管の洗浄を可能とする。供給管のポンプ側端部の吸引ユニットが、吸引処置中の負圧測定のために閉鎖されるバルブを有する場合、吸引及び測定は時間的に交互ではあるがともに行うことができる。しかしながら、洗浄モードでは、バルブは開いている。供給管はまた、他の公知の方法で使用することもできる。
【0030】
2つのチューブ10,11は、好ましくは、ほぼ全長に沿って互いに平行に延びるが、特にそれらの端部は、平行であるが、互いから距離をおいて、それぞれの連結部又は要素2,3へと通じている。距離をおいてとは、それらが互いにもたれかかることができるか、又は、それらの間に空間をあけておけることを意味する。それらは、少なくとも、連結部の同じ面の2つの部分の1つに、内側へ突き出す。両端部は、連結部2,3に挿入され、その中で接着接続、又はその他の方法で固定される。
【0031】
以下、まず、ポンプ側連結部2について説明する。しかしながら、本明細書におけるポンプ側とは、単に、患者から遠く離れていることを意味する。連結部は、ポンプ筐体内でなく、流体収集容器内、又は患者から遠く離れた他のユニット内に配置することもできる。従って、以下ポンプ側という言葉を使用する場合、容器側のことをも意味する。
【0032】
ポンプ側連結部2は、好ましくは、射出成形によりプラスチックから製造され、好ましくは一体的に形成される。
【0033】
ポンプ側連結部は、実質的に立方形の本体2を有し、この場合、本体2には周辺フランジ21が設けられている。図4からわかるように、このフランジ21を用いて、連結部2をポンプ筐体の対応する凹所に形状嵌めで差し込み、その中に保持することができる。
【0034】
図2,3からわかるように、連結部2には2つの路24,25があり、路の、互いに平行であるが互いから距離をおいて延びる開口部に、ドレナージ及び供給チューブ10,11のポンプ側の端部が挿入されている。
【0035】
フィルタ6は、好ましくは、ポンプ側供給路25に配置される。例えば、これは、疎水性フィルタ及び/又は細菌ろ過器である。供給路25はその後狭まり、開口部に対し直角に曲がってそれる。供給路は、本体22からコネクタ部の形で突出する供給入口23で終わる。この供給入口23は、吸引装置の供給ユニットに接続するために使用される。
【0036】
ポンプ側のドレナージ路24もまた、その開口部に対し直角に曲がってそれて、同様に、コネクタ部で終わり、本体22からポンプ側のドレナージ出口20が突出する。この出口20は、流体収集容器に接続するために使用される。出口20はここでは、チューブ10の開口部に直角に配置されているが、本体22の、開口部面とは異なる他の面に配置することもできる。同じことが、供給チューブ10の開口部に関する供給入口23に対しても適用される。
【0037】
吸引された流体は、ドレナージ出口20を通って容器へと向かう。確実に漏れないようにするため、本体22のドレナージ出口20の周囲に、周辺溝を設けることができる。周辺溝に密閉リングを設けることができる。ドレナージ出口20は、好ましくは、本体22の、供給入口23とは反対側の面に配置される。
【0038】
ここに記載の、ポンプ側連結部2又は端部コネクタの代わりに、ポンプ筐体4内又はポンプ筐体4に保持される、より単純に構成された部品を使用することもできる。例えば、個別のドレナージチューブだけで、供給チューブが取り付けられてない場合には、供給路と供給連結部を省略することができる。
【0039】
患者側には、患者側連結部3があってもよいが必ずしも必要ではない。患者側連結部がある場合、好ましくは、射出成形によりプラスチックから製造され、好ましくは一体に形成される。供給チューブを有する変形について以下に説明する。言うまでもないが、供給路が接続されずに、個別のドレナージチューブだけが接続されるような場合には、部品は、特に接続路および供給路のない、より簡単な形状を有する。
【0040】
患者側連結部3は、ドレナージチューブ10と供給チューブ11の患者側端部用の2つの口を持つ本体30を有し、2つの口は互いに平行であるが、互いに距離をおいている。この本体30に一体に形成された患者側のドレナージ入口31は円錐形であり、段が設けられ、その自由端に向かって狭まり、断面がクリスマスツリー状である。ドレナージ入口31は、好ましくは、ドレナージチューブ10の患者側端部の口と、軸方向にほぼ一直線に並んで延び、連結部の内部の患者側ドレナージ路37は、ほぼ一直線に延びる。
【0041】
供給管11の患者側端部は、患者側供給路35の口に通じており、好ましくは、ドレナージ路37より小さい直径を有する。路37は、他の前述の路全部と同様、チューブ11用の当接面として機能する段を有する。上述の両方の口は、これらの段まで延びていると理解される。
【0042】
供給路23は、本体30で終わり、そこで、供給路23に好ましくは垂直な接続路36に通じる。接続路36は、供給間35と同じか、又は好ましくはより小さい直径を有する。接続路の一端は、ドレナージ路37で直角に曲がって終わり、好ましくは口への段のところで終わる。他端は、外部への開口部34を形成し、開口部34は、好ましくは本体30内の両方の口に垂直に配置される。
【0043】
この開口部34は、密閉部32、この場合ストッパにより閉鎖される。図では、まだ開いた状態であるが、好ましくはこの構成において既に閉じられている。実際には、好ましくは、射出成形機から取り出されるとき、つまり、チューブ10,11を固定するかなり前に、既に閉じられている。
【0044】
密閉部32は好ましくは連結部3の残りの部分と一体に製造され、図より、本体30にバンド33を介して接続されている。この開口部により、この連結部の一体製造が可能となる。
【0045】
図4は、好ましくはドレナージチューブユニットと一緒に使用されるドレナージポンプ装置を示す。ドレナージポンプ装置は、医療分野において、例えば外科的処置中又は後の体液及び分泌液を吸引するため、及び傷口からの排液、胸部排液又は脂肪吸引のために役立つ。
【0046】
しかしながら、チューブユニットはまた、他のドレナージポンプ装置でも使用できる。流体収集容器、及び、供給チューブの場合にはポンプユニットも、さらなる介在管なしに、ポンプ側連結部2を用いて互いに接続可能であることが好ましいが、不可欠ではない。
【0047】
ここに示したドレナージポンプ装置は、真空ポンプ又は吸引ポンプと、ポンプを操作し、供給チューブにより得た測定値を評価するための電子機器を収容するポンプ筐体4を有する。
【0048】
ポンプ筐体4は、好ましくは、前壁40、後壁41、取っ手42及び足46を有する立方形である。筐体4の上面には、好ましくはディスプレイ付の、ポンプを操作するための操作パネル45がある。
【0049】
前壁40と後壁41は、横の側壁で突き出ており、流体収集容器5用の凹所を形成する。この流体収集容器5は、好ましくは、二つのハーフ容器50,51から成り、透明プラスチックでできている。
【0050】
容器5は、ポンプ筐体4に取り外し可能に固定でき、好ましくは旋回してこの場所に入りこの場所で係合する。このために、ポンプ筐体4の前壁40と後壁41は、容器5の上部及び下部固定ピン52が係合する上部及び下部スライドガイドを有する。図には上部ピンが1つだけ見られる。容器5の斜め位置からわかるように、下部ピンは既に係合している。
【0051】
容器5は、筐体4の方に向いているフック53を有し、フックに、筐体4のフリップスイッチ(flip switch)44が対応する突出部で係合する。このようにして、容器5は筐体4に取り外し可能に固定される。
【0052】
図5の変形では、フリップスイッチ44がフック44’を含み、図6に見られるように、流体収集容器5の凹所53’と係合する。
【0053】
筐体4には、容器5に面して、吸引コネクタ47が設けられている。これは、ノズルの形をしており、容器5の対応する開口部に係合する。このようにして、吸引ポンプを用いて容器5内に負圧を発生することができる。
【0054】
筐体4はまた、実質的に立方形の凹所49を有し、この凹所に、ドレナージチューブユニットのポンプ側連結部2が挿入でき、その中に形状嵌めで取り外し可能に保持される。図4の変形では、凹所48が平面の側壁を有するため、ポンプ側の連結部も、図1〜3の連結部とは異なり、平面の側壁を有することとなる。
【0055】
図5の変形では、凹所49が、互いに平行に延びる二つの平面と、これら二つをつなげる凹形に曲がった側壁を有する。この凹所49は、図1〜3の実施形態に一致する。
【0056】
両変形の連結部2の容器側ドレナージ出口20は、容器5の方に向いている。この出口を通って、吸引された流体が容器5へと流れる。図6から明らかなように、流体収集容器5は対応する連結開口部54を有する。又は、連結部2に、開口部を設けて、流体収集容器に前記開口部に適合するコネクタ部を設けてもよい。いずれにせよ、好ましくは少なくとも1つの側、つまり連結部の側か流体収集容器の側に密閉手段を設けて、密閉接続が確立される。密閉手段は好ましくは、エラストマー材料からなる密閉リングである。ここでは、図3のような、エラストマー密閉リング7である。しかしながら、他の公知のプラグ型接続方法により、気密及び液密が可能である。
【0057】
それに直角に、2つのチューブ10,11を有するチューブシステム1がポンプ側の連結部2に通じる。この例でのチューブシステム1は、筐体4に沿って、取っ手42上に配置された溝420に保持されている。
【0058】
図5から、ポンプ筐体4は、ポンプ側連結部2の供給入口23を受け入れる供給開口部48を有することがわかる。連結部2の供給入口23は、ポンプ筐体4内に突出し、対応する制御及び/又は評価ユニットに接続する。特定の利用に応じて、気密又は液密接続がここにも存在する。この場合もまた、コネクタ部及び開口部を逆にして設けることができる。
【0059】
上述の例の変形も考えられる。例えば、ポンプ側の連結部を筐体の他の場所に挿入したり、又は筐体の他の場所で保持する。連結部同士は、例えば、互いに他の角度をなすこともできる。ポンプ側の連結部は、例えば、円錐形、円筒形又は他の適当な形状を持つように形成可能である。
【0060】
本発明によるドレナージポンプユニットによれば、ドレナージチューブを取り外すことなく、よって患者を煩わすことなく、流体収集容器の置き換えや、中身の取り出しが可能となる。
【符号の説明】
【0061】
1 チューブシステム
10 ドレナージチューブ
11 供給チューブ

2 ポンプ側連結部
20 ポンプ側ドレナージ出口
21 フランジ
22 本体
23 ポンプ側供給入口
24 ポンプ側ドレナージ路
25 ポンプ側供給路

3 患者側連結部
30 本体
31 患者側ドレナージ入口
32 密閉蓋
33 バンド
34 開口部
35 患者側供給路
36 接続路
37 患者側ドレナージ路

4 ポンプ筐体
40 前壁
41 後壁
42 取っ手
420 溝
43 スライドガイド
44 フリップスイッチ
44’ フック
45 操作パネル
46 足
47 吸引コネクタ
48 供給入口
49 凹所

5 流体収集容器
50 第一のハーフ容器
51 第二のハーフ容器
52 固定ピン
53 フック
53’ 凹所
54 連結開口部

6 フィルタ

7 密閉リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引ポンプを用いて体液を吸引するためのドレナージポンプユニットであって、該ドレナージポンプユニットが、前記吸引ポンプを収容するためのポンプ筐体(4)を有するドレナージポンプ装置、及び前記ポンプ筐体(4)に取り外し可能に固定できる流体収集容器(5)を含むドレナージポンプユニットにおいて、
前記ドレナージポンプユニットは、さらに、患者側のドレナージチューブ(10)に接続するための接続要素を有するポンプ側連結部(2)を含み、
該連結部(2)は前記ポンプ筐体(4)に取り外し可能に保持され、及び、
該連結部(2)は前記流体収集容器(5)の連結開口部(54)を取り付けることができるコネクタ部(20)を有し、又は、前記連結部(2)は前記流体収集容器(5)のコネクタ部を挿入することができる連結開口部を有し、
前記接続要素及び前記コネクタ部(20)又は連結開口部が、前記連結部(2)内で延びるドレナージ路(24)を介して互いに接続されていることを特徴とするドレナージポンプユニット。
【請求項2】
前記ポンプ筐体(4)は、前記連結部(2)を取り外し可能に保持し、特に、前記連結部(2)を差し込むことのできる凹所を有することを特徴とする、請求項1に記載のドレナージポンプユニット。
【請求項3】
前記凹所は、前記流体収集容器の方に向いている前記ポンプ筐体(4)の壁に位置していることを特徴とする、請求項2に記載のドレナージポンプユニット。
【請求項4】
前記凹所は、前記壁の縁まで延び、その結果、コーナー部分を形成し、前記
縁が好ましくは上縁であることを特徴とする、請求項3に記載のドレナージポンプユニット。
【請求項5】
前記連結部(2)は、前記ポンプ筐体(4)の凹所に形状嵌めで保持されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のドレナージポンプユニット。
【請求項6】
前記ポンプ筐体(4)の前記凹所は、実質的に立方形であり、前記連結部(2)は、実質的に立方形の本体を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のドレナージポンプユニット。
【請求項7】
前記接続要素及び前記コネクタ部(20)又は前記連結開口部は、前記連結部(2)の2つの異なる面、特に互いに直角に位置する2つの面に配置されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のドレナージポンプユニット。
【請求項8】
前記連結部(2)は、一体的に形成されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のドレナージポンプユニット。
【請求項9】
前記連結部(2)は、供給チューブ(11)に接続するための患者側接続要素、前記ポンプ筐体(4)内に配置される供給ユニットに接続するためのポンプ側接続要素(23)、及び、これら2つの接続手段を接続し、前記連結部(2)内で延びる供給路(25)を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のドレナージポンプユニット。
【請求項10】
前記供給チューブ(11)に接続するための前記患者側接続要素、及び、前記患者側ドレナージチューブ(10)に接続するための前記接続要素は、前記連結部(2)の同じ面に配置されていることを特徴とする、請求項9に記載のドレナージポンプユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−527662(P2010−527662A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508686(P2010−508686)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【国際出願番号】PCT/CH2008/000225
【国際公開番号】WO2008/141471
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(503465052)メデラ ホールディング アーゲー (40)
【Fターム(参考)】