説明

ナットシステムおよび同じシステムを具備した航空機エンジンの組み付け構造

本発明はねじピッチp1を備えた主ねじ(106)が設けられ、且つ ナットのスクリュー軸(108)に沿って配置されたナット(104)を具備したナットシステム(100)に関する。本発明によれば、ナットシステムはナットとともに自転するように連結されたねじデバイス(116)も具備し、このねじデバイスは主ねじから分離されて主ねじ(106)にねじ込まれない第2ねじ(122)を具備し、第2ねじは前記ナットのスクリュー軸に沿って配置され、且つ前記ねじピッチp1と異なったねじピッチp2を備えている。本発明のアプリケーションは航空機のエンジンによって発生した推進力に対抗するための装置を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全体的に、異なった部材間の単純且つ安全な機械的リンクを形成するために使用されるナットシステムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
そのシステムは特に航空機のエンジンサスペンションパイロンの分野に専用的に適用されるものではないということを除いて、それぞれのパイロンは航空機の翼とそれに関連付けられたエンジンとの間に挿入されるようにデザインされている。
【0003】
本発明は任意のタイプの航空機に使用されてよく、例えばターボジェットまたはターボプロペラを備えていてもよい。
【0004】
このタイプのサスペンションパイロンはEMS(エンジン組み付け構造)祖も称され、航空機の翼の下にターボジェットを適合させるために使用されることが可能であり、または、同じ翼の上にこのターボジェットを適合させるために使用されることが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このタイプのサスペンションパイロンは、ターボジェットと航空機の翼との間の接続インターフェイスを形成するようにデザインされている。サスペンションパイロンはそこに関連付けられたターボジェットエンジンによって発生した力を、この航空機の構造に伝達しており、且つエンジンと航空機との間の燃料、電気、油圧システム、および空気の経路の役割も果たしている。
【0006】
力を伝達するために、サスペンション装置は高頻度で“ボックス”タイプの剛体構造を具備しており、言い換えると、上部ならびに下部スパー、およびサイドパネルが横リブを介して互いに接続されて形成されている。
【0007】
その装置には、ターボジェットエンジンと剛体構造との間に挿入されるサスペンション手段が設けられており、これらの手段は全体的に2つのエンジン取り付け部品を具備しており、装置にはさらに、ターボジェットエンジンによって発生する推進力に対抗ずるための装置が設けられている。
【0008】
従来技術において、この装置は2つの側方ロッドの形状であり、第1にターボエンジンのファンケーシングの後部に接続され、第2にターボエンジンの中心ケーシングに固定された後部取り付け部品に接続されている。
【0009】
情報として、サスペンション装置は、剛体構造と航空機の翼との間に挿入されるアセンブリシステムを形成している、別のシリーズの取り付け部品も具備しており、このシステムは標準的に2つまたは3つの取り付け部品から成るということを記しておく。
【0010】
最終的に、パイロンには、システムを所定の位置に分離し、且つ保持し、一方で航空力学的フェアリングを支持するための二次構造が設けられている。
【0011】
解決策は、従来、通常は推進力対抗装置がスプレッダビームを含むことが可能であるということを提案しており、スプレッダビームには2つの対抗ロッドの2つの後端部が接続され、このスプレッダビームはピンシステムによって貫通され、ピンシステムは一次構造とも称される剛体構造に固定されたフィッティングも貫通している。
【0012】
したがって、通常はピンシステムの一端にナットシステムが組み付けられるようにされており、スプレッダビームからフィッティングが抜けることを防止している。これによってナットシステムは単一のナットを構成し、できる限り従来型のアンチローテーションシステム、例えば鋸刃状のアンチローテーションワッシャのようなものに連結されて使用される。
【0013】
しかしながら、このタイプのアレンジメントは主となる安全性の要求を満足することが不可能であり、安全性の限定的な度合いを提供しているのみである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって、本発明の目的は、従来技術による実施形態が可能としているよりも信頼性があり、且つ安全な単純なデザインを備えたナットシステムを提案することである。
【0015】
本発明の別の目的は、そのようなナットシステムを統合した推進力対抗装置を提供することである。
【0016】
このことを達成するために、本発明の目的は、ねじピッチp1を備えた主ねじが設けられ、且つ ナットのスクリュー軸に沿って配置されたナットを具備したなっとシステムであり、そのナットシステムはスクリュー軸に関して、ナットとともに自転するように連結されたねじデバイスも具備している。このねじデバイスは、主ねじから分離されて主ねじにねじ込まれない第2ねじを具備し、第2ねじは前記ナットのスクリュー軸に沿って配置され、且つねじピッチp1と異なったねじピッチp2を備え、ねじピッチp2は好適にねじピッチp1よりも小さい。
【0017】
結果的に、そのナットシステムはねじ受容アセンブリに組みつけられてもよく、それはナットに設けられた主ねじと、この同一のナットに自転可能に連結されたねじデバイスに形成された第2ねじを利用して行われる。
【0018】
したがって、ナットが破損した場合、このナットの角度変移はそこに連結されたねじデバイスの角度変移と同一であるが、これら2つの要素の主ねじと第2ねじ手段との間のねじピッチの差は、直線的な変移の差を有するだろう。結果的に、このナットがそのような方式で破損した場合、関連付けられた受容アセンブリのナットシステムを素早く係止し、そのシステムは極めて高い安全性と信頼性とを提供する。
【0019】
本発明によるこのナットシステムが、鋸刃状のアンチローテーションワッシャのようなナットと協働するように、従来型のアンチローテーション手段と結合して使用された場合、鋸刃状のワッシャが破損した場合に、デバイスはナットが破壊されることを防止しているという範囲において、システムによるねじデバイスは≪フェイルセーフ≫とも称されるように処理されることが可能である。
【0020】
好適に、主ねじはねじピッチp1を備えた相補的な主ねじにねじ込まれ、第2ねじはねじピッチp2を備えた相補的な第2ねじにねじ込まれるようにデザインされている。
【0021】
好適に、ねじデバイスはナットに固定されて、ナットを貫通するスクリューを構成している。それにもかかわらず、ねじデバイスはスクリューに適合されることが可能な雌型であってもよく、それは本発明の構成を逸脱しない。
【0022】
ねじデバイスがスクリューから成る場合、このスクリューはアンチローテーションプレートを介してナットに固定されることが可能であり、そのプレートはナットに固定されて組み付けられており、スクリューのヘッドと協働する。
【0023】
記載された本発明によるナットシステムは、任意のタイプの受容アセンブリに使用されることが可能であるが、1つの好適なアプリケーションは、航空機のエンジンによって発生する推進力に対抗するためのデバイスに使用することに関する。
【0024】
本発明の別の目的は、航空機のエンジンによって発生した推進力に対抗するための装置であり、その装置は、エンジンとこのエンジンのサスペンションパイロンの剛体構造との間に挿入されるようにデザインされており、以下の要素を具備している。
−剛体構造に固定して組み付けられるようにデザインされたフィッティングと、
−フィッティングを貫通したピンシステムと、
−2本の側方推進力対抗ロッドであって、それぞれが前記エンジンに接続される前端部と、後端部とを具備している側方推進力対抗ロッドと、
−側方推進力対抗ロッドの2つの後端部がヒンジ結合されたスプレッダビームであって、ピンシステムによって貫通されたスプレッダビームと、
−ピンシステムに組み付けられて且つスプレッダビームに支持された、上述のナットシステムと、である。
【0025】
好適に、その装置はピンシステムによってそのピンシステムの内部に支持されたピン延長デバイスを具備し、剛体パイロン構造上にエンジンを組み付ける工程の実施を補助するために使用され、それは後ほど記載されている。
【0026】
好適に、ピン延長デバイスはピンシステムに適合されたねじであり、そのねじはピンシステムの内部を貫通している。さらに、ナットシステムのねじデバイスは、ピン延長デバイスにねじ込まれており、好適に同心に配置されている。
【0027】
そのピンシステムは好適に内部ピンおよびその内部ピンと同心の外部ピンを具備し、内部ピンおよび外部ピンは互いに固定され、内部ピンは中空であって、ピン延長デバイスのためのハウジングとして作用することが可能である。
【0028】
また、好適に、ナットシステムのナットは外部ピンに組み付けられている。
【0029】
最終的に、上述のように、推進力対抗装置は、ナットシステムのナットと協働し且つナットとスプレッダビームとの間に挿入されたアンチローテーションワッシャを好適に具備している。
【0030】
本発明の別の目的は、受容アセンブリと上述され且つ受容アセンブリに組み付けられたナットシステムとを具備しアセンブリであって、主ねじは受容アセンブリ上に形成されたねじピッチp1を備えた相補的な主ねじにねじ込まれ、第2ねじは受容アセンブリ上に形成されたねじピッチp2を備えた相補的な第2ねじにねじ込まれる。
【0031】
本発明の別の目的は、航空機の翼とエンジンとの間に挿入されるようにデザインされたエンジンサスペンションパイロンであり、このパイロンは剛体構造と、その剛体構造上にエンジンを固定するための手段とを具備しており、これらの手段は上述のようにエンジンによって発生する推進力に対抗するための推進力対抗装置を具備している。
【0032】
本発明の他の利点および特徴は、以下に与えられた限定的でない実施例、詳細な記載においてより明らかにされるだろう。
【0033】
この記載は、添付の図を参照するとともに行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
第一に図7を参照すると、その図は本発明の方式によるナットシステム100を示しており、このナットシステム100は任意の受容アセンブリ102が組み付けられるためにデザインされている。
【0035】
そのシステム100は、主内部ねじ106が設けられたナット104を具備し、ナット104はナットの主軸にも相当するスクリュー軸108に沿って配置されている。主内ねじ106はねじピッチp1を備え、受容アセンブリ102のねじ端部110にねじ止めされる。受容アセンブリ102は、同様にねじピッチp1を備えた相補的な主外ねじ112を備えている。
【0036】
このナット104にはナットを閉鎖するためのキャップ114が設けられており、このキャップはスクリュー軸108に直交している。
【0037】
スクリュー軸108に沿って配置されたねじデバイス116も存在し、ねじのようにナット104のキャップに対して横方向に配置される。このねじデバイス116はこのナット104と自転するように連結され、好適にナット104に固定される。このことは図式的のみに示されたアンチローテーション手段118を使用することによって達成され、例えば、これらの手段はナットのキャップ114上に固定されて組み付けられたアンチローテーションプレートの形状であり、且つねじ116のヘッド120と協働している。
【0038】
さらに、このねじタイプのねじデバイス116は軸108に沿って配置された第2ねじ122を具備しており、その第2ねじはp1とは異なったねじピッチp2を備え、好適にp1よりも小さいピッチである。このねじ122は受容アセンブリ102のねじ端部110に形成され、且つ同様にねじピッチp2を備えた相補的な第2内ねじ124が設けられたたピンホール108内にねじ込まれる。
【0039】
2つのねじピッチp1とp2との数値の間の差によってナット104が緩むことを防止することが可能であるこのナットシステム100において、第一にねじデバイス116は受容アセンブリ102ねじ込まれ、それはこの同一のアセンブリ102にすでに組み付けられたナット104に固定される前に行われなければならない。
【0040】
図1は、航空機の翼2の下に固定されるようにデザインされた航空機エンジンアセンブリ1を示しており、明確化のために翼は破線によって概略的にのみ示されている。このアセンブリ1は、本発明の好適な実施形態によるサスペンションパイロン4と、このパイロン4の下に取り付けられるターボジェットのようなエンジン6とを具備している。
【0041】
全体的に、サスペンションパイロン4は、一次構造とも称されエンジン6のためのサスペンション手段を担持している剛体構造8を具備しており、これらのサスペンション手段には複数のエンジン取り付け部品10,12と、エンジン6によって発生する推進力に対抗するための装置14とが設けられている。
【0042】
案内のため、そのアセンブリ1は補助燃料タンク(図示略)によって囲まれるようにデザインされており、そのサスペンションパイロンは別のシリーズの取り付け部品16に適合されて、このアセンブリ1を航空機の翼2の下に懸架しているということを記しておく。
【0043】
これ以降の記載を通して、慣例的に、Xは装置4の長手方向を示しており、その方向はターボジェット6の長手方向と同じと考えられる。このX方向はこのターボジェット6の長手軸5と平行である。さらに、装置4の横方向はY方向と称され、ターボジェット6の横方向と同じと考えられる。Zは垂直方向、または高さ方向であり、これら3つのX,YおよびZ方向は互いに直交している。
【0044】
さらに、≪前方≫および≪後方≫の語は、ターボジェット6によって付加される推進力の結果として発生する、航空機の動きの方向に関して考慮されるべきものであり、この方向は矢印7によって概略的に図示されている。
【0045】
図1は2つのエンジンサスペンション10,12、取り付け部品16のシリーズ、推進力対抗装置14、および取り付け装置4の剛体構造8を示している。この装置4の図示されていない他の構成部品は、システムを分離し且つ保持する一方で航空力学的フェアリングを担持している二次構造のようなものであるが、それらは従来技術による部材と同一または類似した慣習的な部材であり、この主題において当業者には周知のものである。結果的に、それらの詳細な記載は行われない。
【0046】
さらに、ターボジェット6には前端部において大径ファンケーシング18が設けられ、このダクトは環状ファンダクト20を画定し、後方に向かうより小径の中心ケーシング22を具備し、このターボジェットの中心を含んでいる。ケーシング18および20は互いに明確に固定されている。
【0047】
図1に見られるように、装置4の2つのサスペンション10および12はそれぞれ前部エンジンサスペンションおよび後部エンジンサスペンションと称されている。
【0048】
本発明の好適な実施形態において、剛体構造8はほぼX方向に沿った方向において、後端から延在しているボックス形状である。
【0049】
したがってボックス8は、ターボジェットのサスペンションパイロンに関して通常見られるものと類似した形状であり、特に、横リブ(図示略)が設けられ、それぞれのリブは長方形であり、前部および後部スパーとサイドパネルとを接続しているという意味において類似している。
【0050】
好適な実施形態におけるサスペンション手段は、第一に前部エンジン取り付け部品10を具備し、その部品は剛体構造8の前端部とファンケーシング18または中心ケーシング22の上部との間に挿入されている。この主題において慣例的に当業者に周知の方式でデザインされた前部エンジン取り付け部品10は、剛体構造の第1の点P1に固定されている。
【0051】
第二に、後部エンジンサスペンションもこの主題において慣例的に当業者に周知の方式でデザインされており、剛体構造8と中心ケーシング22または後部ケーシング22aとの間に挿入されて、点P1から後方に配置された剛体構造8の第2の点P2に固定されている。
【0052】
さらに、概略的に示された推進力対抗装置14は剛体構造8の第3の点P3に固定され、第3の点P3は2つの点P1とP2との間に配置されている。この点において、上述の3点はサスペンションパイロン(図示略)の垂直中立面に好適に属している。
【0053】
さらに、案内のために、図1に示されたような側面図において、P1P3/P1P2の距離の比は0.1〜0.9の広い範囲を含んでいてもよいが、主に要求される状態は、推進力対抗装置14のスプレッダビーム(spreader beam)が、離脱されたときに他の2つの取り付け部品10および12によって妨げられることなく自由に動くことが可能であるような状態である。
【0054】
全体的に、以下に記載されている対抗装置14は2つの側方推進力対抗接続ロッド26(図1においては1つのみが見られている)を備え、これらのそれぞれのロッドは例えばターボジェット6の水平中立面上またはその近傍で中心ケース22に接続された前端部を具備している。
【0055】
図2を参照すると、それぞれの2つの側方ロッド26はこの推進力対抗装置14の後端部において、ピン30を介してスプレッダビーム28にヒンジ結合された後端部を備えている。
【0056】
スプレッダビーム28は装置14のアレンジメント33にヒンジ結合されており、このアレンジメント33は全体的に剛体構造8の下部スパー36に固定されて取り付けられたピン32とフィッティング34とのシステムを具備しているように図示されている。
【0057】
ここで図3aを参照すると、アレンジメント33はスプレッダビーム28(図示略)をサスペンションパイロン4の剛体構造8に接続するように適応されていることが記載されている。この図3aにおいて、アレンジメント33は、スプレッダビームがピンシステム32に取り付けられたときに、後者を取り付けたものと同一の形態であるように示されている。したがってより正確には、ピンシステム32は標準復元位置と称されている位置を占有し、その位置において、ピンシステム32はフィッティング34に関して十分に下方に突出し、スプレッダビームを十分に突出し、スプレッダビーム28と協働することが可能である。
【0058】
さらに図3aを参照すると、アレンジメント33は下部スパー36に固定されて取り付けられたフィッティング34を具備し、それは例えば剛体構造8の直接的に連続した2つのリブ(図示略)に取り付けられている。このフィッティング34はスパー36から下方に突出しており、第1の長手軸40に沿って延在したピンシステムの第1の経路38を具備している。好適に、軸40はXZ平面内に配置され、Z方向から傾斜して後方に延伸しており、剛体構造8から底部に向かって離間している。
【0059】
当然に、ピンシステム32はピンシステムの第1の経路38を通過しているので、軸40に関してすでに記載されたピンシステムと同一の傾斜を備えている。すなわち、ピンシステムは剛体構造から後方に向かって離間するように延伸している。さらに、犠牲摩擦リング42はピンシステム32とピンシステムの第1の経路38との間に挿入されてもよい。
【0060】
この配置の1つの特別な特徴は、ピンシステム32が第1の経路38の中に自由にスライドするように組み込まれ、第1の長手軸40に沿ってスライドすることが可能であることであり、ピンシステムは、第1の方向44に沿って、図3aに示された標準復元位置からフィッティング34内に収納されるいわゆる収納位置(図3b)までスライドし、それとは逆に第1の方向に対向した第2の方向46に沿って、収納位置から標準復元位置までスライドする。
【0061】
ピンシステム32は内部ピン48と内部ピン48に接続された外部ピン50とを好適に具備し、これらの2つのピン48,50は任意の手段を介して互いに固定されている。図示されたこの好適な実施形態において、主ピンと同じだけ制限された外部ピン50と、≪フェイルセーフ≫タイプのピンとして制限されてもよい内部ピン48との間のこの取り付け部品は、リミットストップとピン48の上端部に組み付けられたナット52との間の結合を利用して形成されており、ピン50の上端部に対して支持されている。上述のリミットストップは個々のピン48および50に設けられた肩部54,56によって得られ、ナット50がねじ込まれている間、ピン50からのピン48の上方への移動を停止することが可能であるように形成されている。一旦このことが達成されると、ピンシステム32は小型になり、アセンブリが第1の経路38内においてスライド可能なように固定される。
【0062】
ピンシステム32は図3aに示しているように標準復元位置において維持され、それはフィッティング34に関する第2の方向46において、移動を防止するために使用される停止手段を利用して行われる。ピンシステム32に属するこれらの停止手段は、好適に外部ピン50の上端部に設けられた肩部58の形状であり、したがって、この肩部58はフィッティング34の上部支持面59と協働している。
【0063】
一方で、アレンジメント33は、このシステムが標準復元位置を占有しているときに、フィッティンッグ34に関する第1の方向44に沿ってシステム32の並進移動を可能とするように明確にデザインされている。
【0064】
別の特別な特徴は、アレンジメント33がピンシステムの内部ピン48によって内部に担持されたピン延長デバイス60を具備していることであり、このデバイス60は第2の方向46に沿って第1の長手軸40に平行に移動されることが可能であり、その移動は図3aに示されたような内部ピンが収納される標準収納位置から、内部ピンがピンシステム32に固定され且つそこから突出する復元位置までであり、結果的に第1の方向44における復元位置から標準収納位置までである。以降に詳細に記載しているように、デバイス60の配置は、ピンシステム32が収容位置にある場合に、デバイスがスプレッダビーム内に設けられた経路を用意に突き抜けることを可能にしている。このように、ピン延長デバイス60はスプレッダビームのピンシステムを貫通し、好適にスプレッダビームを越えて延在することは把持デバイス、ストップデバイスなどを形成していてもよい。それは作業者によって容易にアクセスすることが可能であり、そこに適用される移動は同様にそこに固定されたピンシステム32に直接的に伝達される。結果的に、このようにピンシステム32が、デバイス60を単純に移動することによって、スプレッダビームのピンシステムの経路内に貫通させることを容易にしている。
【0065】
したがって、内部ピン48は中空であり、ピン延長デバイス60はその内部に収容されることが可能である。さらに、好適な場合において、デバイス60は単一のねじを構成し、内部ピン48はこのねじと協働するようにデザインされたねじを備えている。
【0066】
案内として、第1の長手軸40に沿って好適に配置されたねじ60の直径と、外部ピン50の直径と同一のピンシステム32の直径との間の比は、好適に0.2〜0.8の間であるということを記しておく。
【0067】
ここで、図3aと4とを一緒に参照すると、アレンジメント33はピンシステム32のためのガイドデバイス62を具備し、そのデバイスはフィッティング34に付加されて、そこに固定されている。より正確には、ガイドデバイス62はロッド/アーム形状であり、長手軸40からオフセットされて且つ平行に配置されている。そのデバイスはフィッティング34の上部から第1の方向44において突出し、ピンシステム32に固定されたプレート64に形成された開口部を貫通しており、例えばナット52と外部ピン50との間に配置されている。
【0068】
結果的に、ピンシステム32が移動中の場合、プレート64の開口部とガイドデバイス62との間の小さいクリアランスの協働は、システム32が軸40の方向に沿ってフィッティング32に対して移動することを保証するだけでなく、特に第1の長手軸40の周りにシステム32を回転することを防止している。
【0069】
さらに、剛体ボックス内に配置されたガイドデバイス62には停止部66が設けられ、第1の方向44においてフィッティング34に対するピンシステムの移動を防止することを可能にしている。この停止部66はロッドの上端部に配置され、そこでシステム32が第1の経路38から全体的に逸脱することを防止している。
【0070】
ここで図3bを参照すると、アレンジメント33は、≪形態I≫と称される標準のままの形態に相当する図3aに示された形態に対して、≪形態II≫と称される異なった形態をとっており、ピンシステム32は第1の方向44に沿って配置され、フィッティング34内にシステムが収容される収容位置内に移動する。ピン延長デバイス60は、ピン延長デバイスがピンシステム32内に収容される標準収容位置を依然として占有している。好適に、この形態において、ピンシステム32はフィッティング34からもはや下方に突出しないことが可能である。さらに、この形態は、第2の方向に沿ってフィッティング34に対してピンシステム32がスライドする移動を防止するための任意の手段を利用して、維持してもよいということが示されている。
【0071】
図3cを参照すると、その図ではアレンジメント33が≪形態III≫と称される別の形態をとっていることが示されており、ピンシステム32は依然として任意の手段によって維持された収容位置内にあり、その一方でピン延長システム60は軸40に沿って第2の方向46において移動され、ピンシステム32に固定され且つ下向きの方向においてピンシステムから突出した復元位置にある。当然に、ピン延長システム60は、ねじを緩めることによって第2の方向46において変位する。さらに、このねじのねじ山と内部ピン48のねじ山との間の協働は、同時に復元位置にねじを維持することを可能にしており、一方でこのピン延長デバイス60とピンシステム32とを共に固定している。
【0072】
最後に、図3dは≪形態IV≫と称される別の形態を示しており、ピンシステム32は標準復元位置に戻り、ピン50の肩部58と面59との間を接触させることによって保持され、一方で、ピン延長デバイス60は復元位置にとどまっている。
【0073】
これら全ての形態は、エンジンサスペンションパイロンの剛体構造に航空機エンジンを組み付ける方法を使用するときに、アレンジメント33によって交互に採用されることを意図されており、以下のそのような工程の詳細な記載を読むことで明らかになる。
【0074】
ここで図5を参照すると、その図はすでに記載されたアレンジメント33を含んで詳細に図示された推進力対抗装置14を示しており、したがって装置14は形態Iと同一の形態に完全に組み立てられた状態を示している。そこではスプレッダビーム28はピンシステム32と協働している。
【0075】
上述のように、推進力対向装置14は、アレンジメント33だけでなく2つの推進力対向側方ロッド26も具備しており、それぞれのロッドはエンジンに接続された前端部と、ピンシステムの第2の経路68を含んだスプレッダビーム28に接続された後端部とを具備している。したがって、この第2の経路68は第2の長手軸70に沿って延在しており、装置14が図示された形態に完全に組み立てられたときに、その長手軸は第1の長手軸40と一致している。さらに、アレンジメント33のピンシステム32は第2の経路68を明確に通過し、ピンシステム32と第2の経路68との間に犠牲摩擦リング71を設けることを再度可能にしている。
【0076】
装置14はピンシステム32の移動を防止するための除去可能な手段を具備し、第1の方向44での第1の経路38と第2の経路68とを介したピンシステムの並進移動を防止している。当然に、これらの手段は、ピンシステムが第2の経路68を通過して、装置14の組み立てが完成された後のみに、ピンシステム32に組みつけられる。
【0077】
好適に、除去可能な並進移動防止手段は、スプレッダビーム28の下側支持面74に支持された、外部ピン50の下端部にねじ込まれたナット104を具備している。したがって、一旦対抗装置14が完全に組み立てられると、ピンシステム32は軸40に沿って2つの方向44,46に移動することを防止され、それは肩部58と面59との間の協働によって、およびナット104と面74との間の協働によって実行される。明らかに、この防止は、スプレッダビーム28がピンシステム32を支持するフィッティング34と接触して支持されるときに得られるが、直接的に接触する必要はない。
【0078】
より正確には、図5aおよび5bに見られるように、除去可能な並進移動防止手段は、上述のようなナットシステム100の形状である。
【0079】
したがって、このシステム100は、ピンシステム32と延長デバイス60とを具備した受容アセンブリに組みつけられることを意図している。
【0080】
したがって、このことを達成するために、主内ねじ106が設けられたナット104は、軸40および70と一致したスクリューピン108に沿って配置されている。ねじピッチp1を備えたこの主内ねじ106は外部ピン50のねじ端部110にねじ込まれ、そのねじ端部は同様にねじピッチp1とされた相補的な主外ねじ112を備えている。
【0081】
同様にスクリュー軸108に沿って配置されるために、ナット104のキャップ114を貫通して配置された、ねじタイプのねじデバイス116がある。このねじデバイスは自転するようにこのナット104と連結され、好適にナット104に固定される。このことは、以下に図5bを参照してより正確に記載されたアンチローテーション手段118を使用して行われる。
【0082】
さらに、このねじタイプのねじデバイス116は、軸108に沿って配置され且つp1よりも好適に小さくp1と異なったねじピッチp2を備えた第2ねじ122を具備している。このねじ122はピン延長デバイス60の頭部に形成された軸108の穴にねじ込まれ、この穴には同様にねじピッチp2の相補的な第2内ねじが設けられている。
【0083】
より正確には、図5bを参照すると、アンチローテーションの鋸刃状のワッシャ130はナット104とスプレッダビーム(図示略)との間に挿入され、このワッシャのタブ132はナット104に設けられた突起134内を貫通するようにデザインされており、このナットの回転を防止している。
【0084】
さらに、上述のアンチローテーション手段はアンチローテーションプレート118の形状であり、デバイス116を介して、例えばねじ136を介してナット104のキャップ114上に固定されている。このプレート118は星型形状の開口部140を備え、スクリューヘッド120はその開口部内に収容され、回転を防止している。
【0085】
そのようなアレンジメントを伴うことで、外部ピン50が破損した場合に、そのピンはナット104によって維持され、ナット自身は延長デバイス60にねじ込まれたねじ116によって所定の位置に保持される。このねじ116は≪フェイルセーフ≫ねじとも称され、非常事態における機能を発揮する。
【0086】
それと類似して、内部ピン48が破損した場合、そのピンもナット104によって維持され、外部ピン50ににねじ込まれることによって所定の位置に保持されてとどまる。
【0087】
ここで図6a〜6dを参照すると、それらの図は、スプレッダビーム28をアレンジメント33に組み付けるためのステップにおけることなった作業の概略図を示しており、このステップは、エンジンサスペンションパイロンの剛体構造に航空機のエンジンを取り付けるための工程を実行する間に実施される。
【0088】
その方法を実行する第1のステップは、接続ロッド26を利用してスプレッダビーム28をエンジン6に好適に接続することであり、一方で、アレンジメント33は剛体構造8に明確に組みつけられて、形態Iを待っている。
【0089】
したがって、好適に、工程は慣例の手段を使用してエンジン6を垂直にパイロン4に向かって吊り上げることによって慣例的に開始し、このエンジンがパイロンに対する最終的な位置に到達するまで、または最終的な位置の近傍の位置に到達するまで吊り上げられる。
【0090】
最終的な位置に向かってエンジン6を垂直に変位させるのに与えられた間に、この同一のエンジンの移動に続いて、アレンジメント33のピンシステム32の下端部はスプレッダビーム28と接触するように支持される。この点に関して、吊り上げる前に、ガイドオリーブ78をシステム32の下端部に組み込むことが可能であり、それは図6aに見られるようなものであって、このオリーブは第2の経路68と合致して、これによって貫通しやすくなっている。このように、第2の経路68内に部分的に貫通し、第2の経路68と上端部と接触するオリーブ78の支持は、システム32が第1の方向44においてエンジン吊り上げの終端近傍に変位されることを意味している。結果的に、システム32は標準復元位置から収納位置までエンジンの垂直変位を介して自動的に変位され、それは単に移動するスプレッダビーム28と接触して支持することによって行われるということが理解できる。
【0091】
したがって、エンジンが最終的な位置にある、または最終位置近傍にあるときに、アレンジメント33はスプレッダビーム28によって形態IIの状態を維持しており、その様子は図6aに見られる。
【0092】
次に、前部エンジン取り付け部品を組み立てるステップは好適に実行され、そのステップは、サスペンションパイロンに後部エンジン取り付け部品を組み立てるステップとともに実行され、それはこの主題において当業者に主内の慣例的な様式である。
【0093】
したがって、スプレッダビーム28を組み立てるステップは、ピンシステム32が形態IIの状態にあるときに開始する。
【0094】
ここから開始するために、第1の作業はピン延長デバイスを第2の方向46に沿って、収納位置を占有しているピンシステム32に対して移動することから成り、そのデバイスが復元位置に到達するまでデバイスは第2の経路68を通過する。その様子は図6bに見られる。その後アレンジメント33は形態IIIとなり、延長デバイス60がスプレッダビームを越えて下向きの方向に十分に突出しているのが見られる。当然に、復元位置内のこの経路はねじ60を緩めることによって単純に形成され、収納位置に保持されたままとどまっているピンシステム32の変位を必要としない。
【0095】
次のステップはピン延長デバイス60を移動する作業であり、ピンシステム32を第2の方向46に沿って、第1の経路38および第2の経路68を通って変位させる。移動開始のこの作業は図6cおよび6dに図式的に示されており、例えば、スプレッダビーム28の部品に対向して、およびピン延長デバイス60の部品に対向して、≪ベル≫のように支持されるようにデザインされた工具を使用して行われてもよい。一旦このベル80が上述のように組み付けられると、次にねじ60はウォーム機能を発揮し、内部ピン48の第2の方向において、単純に内部ピン48の変位、すなわちピンシステムアセンブリ38の変位に起因して回転されることを必要とする。その様子は図6dに図式的に示されている。したがって、この回転の間、ねじ60は回転し、一方で方向40に沿ってスプレッダビーム28に対して確実に同じ位置にとどまり、ピンシステム32内を徐々に貫通して、第2の方向において移動する。
【0096】
最終的に、必要であれば、作業はピン延長デバイス60の変位に当てられることが可能であり、その変位は常に第1の方向44に沿って、標準復元位置を占有しているピンシステム32に対して行われ、標準収納位置内にデバイスを運ぶ。明らかに、この作業はベル80を収納した後に行われ、それまでの作業が標準収容位置内へデバイスを持ち込まない間にスクリュー60の回転が発生する場合に限られる。
【0097】
最終的に、ガイドオリーブが後退された後に、ナット除去システムタイプの移動防止手段100は、ピンシステム32に組み立てられ、最終的に関連付けられたサスペンションパイロンに完全に組み付けられたエンジンとなる。その様子は図5に示されている。
【0098】
明らかに、ここまでに記載され、単に限定的でない例として示された当業者はサスペンションパイロン4、推進力対抗装置14、およびナットシステム100に多様な改良を加えることが可能である。この点について、本発明は航空機の翼にエンジンを懸架することに使用されることに関して記載されているが、この翼の上にエンジンを配置することも可能であるということは、特別な価値があるということを記しておく。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明によるサスペンションパイロンを具備した航空機エンジンアセンブリの側面を示した図である。
【図2】図1に示されたサスペンションパイロンの部品を形成している推進力対抗装置を図式的に示した斜視図である。
【図3a】図2に示された推進力対抗装置の一部を形成しているアレンジメントの詳細図であり、このアレンジメントは対抗装置のスプレッダビームをサスペンションパイロンの剛体構造に接続するために適応された、異なった形態を示している。
【図3b】図2に示された推進力対抗装置の一部を形成しているアレンジメントの詳細図であり、このアレンジメントは対抗装置のスプレッダビームをサスペンションパイロンの剛体構造に接続するために適応された、異なった形態を示している。
【図3c】図2に示された推進力対抗装置の一部を形成しているアレンジメントの詳細図であり、このアレンジメントは対抗装置のスプレッダビームをサスペンションパイロンの剛体構造に接続するために適応された、異なった形態を示している。
【図3d】図2に示された推進力対抗装置の一部を形成しているアレンジメントの詳細図であり、このアレンジメントは対抗装置のスプレッダビームをサスペンションパイロンの剛体構造に接続するために適応された、異なった形態を示している。
【図4】図3a〜3dに示されたアレンジメントの上面を示した図である。
【図5a】図2に示された推進力対抗装置の詳細側面図であり、この装置は図3a〜3dに示されたようなアレンジメントを組み込んでいる。
【図5b】図5aに示された推進力対抗装置の部分分解斜視図を示している。
【図6a】スプレッダビームを図3a〜3dに示されたアレンジメントに組み付けるステップにおける、異なった作業を図式的に示した図であり、このステップは航空機エンジンをエンジンサスペンションパイロンの剛体構造に組み付ける工程を実施している間に行われる。
【図6b】スプレッダビームを図3a〜3dに示されたアレンジメントに組み付けるステップにおける、異なった作業を図式的に示した図であり、このステップは航空機エンジンをエンジンサスペンションパイロンの剛体構造に組み付ける工程を実施している間に行われる。
【図6c】スプレッダビームを図3a〜3dに示されたアレンジメントに組み付けるステップにおける、異なった作業を図式的に示した図であり、このステップは航空機エンジンをエンジンサスペンションパイロンの剛体構造に組み付ける工程を実施している間に行われる。
【図6d】スプレッダビームを図3a〜3dに示されたアレンジメントに組み付けるステップにおける、異なった作業を図式的に示した図であり、このステップは航空機エンジンをエンジンサスペンションパイロンの剛体構造に組み付ける工程を実施している間に行われる。
【図7】本発明の主題を示した横断面図である。
【符号の説明】
【0100】
1 航空機エンジンアセンブリ
2 翼
4 サスペンションパイロン
6 エンジン
8 剛体構造
10 前部エンジン取り付け部品(サスペンション)
12 後部エンジン取り付け部品(サスペンション)
14 推進力対抗装置
18 ファンケーシング
20 ファンダクト
22 中心ケーシング
26 側方推進力対抗接続ロッド
28 スプレッダビーム
32 ピンシステム
33 アレンジメント
34 フィッティング
36 下部スパー
38 ピンシステムの第1の経路
42,71 犠牲摩擦リング
48 内部ピン
50 外部ピン
60 ピン延長デバイス
62 ガイドデバイス
68 ピンシステムの第2の経路
100 ナットシステム
102 受容アセンブリ
104 ナット
106 主内ねじ
108 スクリュー軸
112 主外ねじ
114 キャップ
116 ねじデバイス
118 アンチローテーション手段
122 第2ねじ
124 第2内ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじピッチp1を備えた主ねじ(106)が設けられ、且つ該ナットのスクリュー軸(108)に沿って配置されたナット(104)を具備したナットシステム(100)において、
該ナットシステムは前記スクリュー軸(108)に関して、前記ナットとともに自転するように連結されたねじデバイス(116)も具備し、
該ねじデバイスは、前記主ねじから分離されて該主ねじ(106)にねじ込まれない第2ねじ(122)を具備し、
該第2ねじは前記ナットのスクリュー軸(108)に沿って配置され、且つ前記ねじピッチp1と異なったねじピッチp2を備えていることを特徴とするナットシステム。(100)
【請求項2】
前記主ねじ(106)はねじピッチp1を備えた相補的な主ねじ(112)にねじ込まれ、前記第2ねじ(122)はねじピッチp2を備えた相補的な第2内ねじ(124)にねじ込まれるようにデザインされていることを特徴とする、請求項1に記載のナットシステム(100)。
【請求項3】
前記ねじデバイス(116)は前記ナット(104)に固定されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のナットシステム(100)。
【請求項4】
前記ねじデバイス(116)は前記ナット(104)を貫通するねじであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のナットシステム(100)。
【請求項5】
前記ねじデバイス(116)はアンチローテーションプレート(118)を介して前記ナット(104)に固定され、前記アンチローテーションプレート(118)は前記ナット(104)に固定され、且つ前記ねじデバイス(116)のヘッド(120)と協働することを特徴とする、請求項4に記載のナットシステム(100)。
【請求項6】
受容アセンブリ(102)と
該受容アセンブリ(102)に組み付けられた、請求項1〜5のいずれか一項に記載のナットシステム(100)と、
前記受容アセンブリ(102)に形成された、ねじピッチp1を備えた相補的な主ねじ(112)にねじ込まれた主ねじ(106)と、
前記受容アセンブリ(102)に形成された、ねじピッチp2を備えた相補的な第2内ねじ(124)にねじ込まれた第2ねじ(122)と、
を具備していることを特徴とするアセンブリ。
【請求項7】
航空機エンジンによって発生した推進力に対抗するための装置(14)であって、前記装置は前記エンジン(6)と前記エンジンの前記サスペンションパイロン(4)の剛体構造(8)との間に挿入されるようにデザインされており、且つ
−前記剛体構造(8)に固定して組み付けられるようにデザインされたフィッティング(34)と、
−該フィッティング(34)を貫通したピンシステム(32)と、
−2本の側方推進力対抗ロッド(26)であって、それぞれが前記エンジンに接続される前端部と、後端部とを具備している側方推進力対抗ロッド(26)と、
−該側方推進力対抗ロッド(26)の2つの後端部がヒンジ結合されたスプレッダビーム(28)であって、前記ピンシステム(32)によって貫通されたスプレッダビーム(28)と、
−前記ピンシステム(32)に組み付けられて且つ前記スプレッダビーム(28)に支持された、請求項1〜5のいずれか一項に記載のナットシステム(100)と、
を具備していることを特徴とする推進力対抗装置(14)。
【請求項8】
前記ピンシステム(32)によって該ピンシステムの内部に支持されたピン延長デバイス(60)を具備していることを特徴とする、請求項7に記載の推進力対抗装置(14)。
【請求項9】
前記ピン延長デバイスは前記ピンシステム(32)に適合されたねじ(60)であり、該ねじは前記ピンシステムの内部を貫通していることを特徴とする、請求項8に記載の推進力対抗装置(14)。
【請求項10】
前記ナットシステム(100)のねじデバイス(116)は、前記ピン延長デバイス(60)にねじ込まれていることを特徴とする、請求項9に記載の推進力対抗装置(14)。
【請求項11】
前記ピンシステム(32)は内部ピン(48)および該内部ピンと同心の外部ピン(50)を具備し、前記内部ピン(48)および外部ピン(50)は互いに固定され、前記内部ピン(48)は中空であって、前記ピン延長デバイス(60)のためのハウジングとして作用することが可能であることを特徴とする、請求項7〜10のいずれか一項に記載の推進力対抗装置(14)。
【請求項12】
前記ナットシステムのナットは前記外部ピン(50)に組み付けられていることを特徴とする、請求項11に記載の推進力対抗装置(14)。
【請求項13】
前記推進力対抗装置(14)は、前記ナットと協働し且つ前記ナットと前記スプレッダビーム(28)との間に挿入されたアンチローテーションワッシャを具備していることを特徴とする、請求項7〜12のいずれか一項に記載の推進力対抗装置(14)。
【請求項14】
エンジン(6)のためのサスペンションパイロンであって、
該サスペンションパイロンは航空機の翼(2)と前記エンジン(6)との間に挿入されるようにデザインされ、
前記サスペンションパイロンは剛体構造(8)と、該剛体構造(8)上に前記エンジン(6)を固定するための手段とを具備し、
前記サスペンション手段は、エンジン(6)によって発生する推進力に対抗するための、請求項7〜13のいずれか一項に記載の推進力対抗装置(14)を具備していることを特徴とするサスペンションパイロン(4)。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−511336(P2009−511336A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535011(P2008−535011)
【出願日】平成18年10月10日(2006.10.10)
【国際出願番号】PCT/EP2006/067217
【国際公開番号】WO2007/042508
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(501446228)エアバス・フランス (93)