説明

ナトリウム二次電池

【課題】放電容量の高いナトリウム二次電池を提供すること。
【解決手段】ナトリウムイオンでドープかつ脱ドープできる炭素材料を有する第1電極と、第2電極と、非水溶媒に電解質塩が溶解した非水電解液とを有するナトリウム二次電池であって、該非水電解液は、不飽和結合を含む環状炭酸エステル、またはフッ素を含有する環状炭酸エステル、または両方を、非水電解液に対して0.01体積%以上10体積%以下の範囲で含むナトリウム二次電池。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナトリウム二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
非水電解液を用いるナトリウム二次電池は、水系電解液の電池と比較して高い電圧を発生できるため、高エネルギー密度を有する電池として好適である。しかも、ナトリウムは資源量が豊富でしかも安価な材料であることから、これを実用化することにより、大型電源を大量に供給できることが期待されている。
【0003】
ナトリウム二次電池は、通常、ナトリウムイオンでドープかつ脱ドープできる正極活物質を含む正極と、ナトリウムイオンでドープかつ脱ドープできる負極活物質を含む負極と、非水溶媒に電解質塩が溶解した非水電解液とを有する。
【0004】
ナトリウム二次電池の非水電解液として、プロピレンカーボネートなどの飽和型環状炭酸エステルからなる非水溶媒に、過塩素酸ナトリウムからなる電解質塩が溶解した非水電解液を用いたナトリウム二次電池が検討されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−251283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このナトリウム二次電池は、放電容量という観点において充分とは言えなかった。本発明の目的は、放電容量の高いナトリウム二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は、ナトリウムイオンでドープかつ脱ドープできる炭素材料を有する第1電極と、第2電極と、非水溶媒に電解質塩が溶解した非水電解液とを有するナトリウム二次電池であって、該非水電解液は、不飽和結合を含む環状炭酸エステル、またはフッ素を含有する環状炭酸エステル、または両方を、非水電解液に対して0.01体積%以上10体積%以下の範囲で含むナトリウム二次電池を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、放電容量の高いナトリウム二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ナトリウム二次電池を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<ナトリウム二次電池>
ナトリウム二次電池は、ナトリウムイオンでドープかつ脱ドープできる炭素材料を有する第1電極と、第2電極と、非水電解液とを有し、通常、さらにセパレータを有する。第1電極はナトリウムイオンでドープかつ脱ドープできる炭素材料を有し、とくに第2電極がナトリウム金属またはナトリウム合金を有する場合には、第1電極は正極として作用し、第2電極が遷移金属化合物を有する場合には、第1電極は負極として作用する。
【0011】
ナトリウム二次電池は、通常、負極、セパレータ及び正極を、積層および巻回することによって電極群を得て、この電極群を電池缶内に収納し、非水電解液を電極群に含浸させることによって、製造することができる。
【0012】
ここでこの電極群の形状としては例えば、この電極群を巻回の軸に対して垂直方向に切断したときの断面が、円、楕円、長方形、角がとれたような長方形等となるような形状を挙げることができる。また、電池の形状としては、例えば、ペーパー型、コイン型、円筒型、角型などの形状を挙げることができる。
【0013】
<非水電解液>
ナトリウム二次電池に用いられる非水電解液は、非水溶媒に電解質塩が溶解した非水電解液であって、該非水電解液は、不飽和結合を含む環状炭酸エステル、またはフッ素を含有する環状炭酸エステル、または両方を、非水電解液に対して0.01体積%以上10体積%以下の範囲で含む。
【0014】
不飽和結合を含む環状炭酸エステルとしてはビニルエチレンカーボネート(VEC)、メチルビニレンカーボネート(MVC)、ジメチルビニレンカーボネート(DMVC)等が挙げられる。
【0015】
フッ素を含有する環状炭酸エステルとしては4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(以下、FECまたはフルオロエチレンカーボネートということがある。)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC:トランスまたはシス−4,5−ジフルオロ−1、3−ジオキソラン−2−オン)等が挙げられる。
【0016】
フッ素を含有する環状炭酸エステルとして、好ましくはフルオロエチレンカーボネートである。
【0017】
不飽和結合を含む環状炭酸エステルは1種類でもよいが、不飽和結合を含む環状炭酸エステルを2種類以上(例えば2〜4種類)組み合わせてもよい。フッ素を含有する環状炭酸エステルも同様に1種類でもよいが、フッ素を含む環状炭酸エステルを2種類以上(例えば2〜4種類)組み合わせてもよい。
【0018】
前記非水電解液に対して、不飽和結合を含む環状炭酸エステル、またはフッ素を含有する環状炭酸エステル、または両方が含まれる割合は0.01体積%以上、10体積%以下の範囲であり、好ましくは0.1体積%以上8体積%以下の範囲であり、より好ましくは0.5体積%以上5体積%以下であり、さらにより好ましくは0.7体積%以上2.5%以下の範囲である。
【0019】
<電解質塩>
非水電解液に用いられる電解質塩としては、NaClO4、NaPF6、NaAsF6、NaSbF6、NaBF4、NaCF3SO3、NaN(SO2CF32、低級脂肪族カルボン酸ナトリウム塩、NaAlCl4などが挙げられ、これらのうちの2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でもNaPF6、NaAsF6、NaSbF6、NaBF4、NaCF3SO3およびNaN(SO2CF32からなる群から選ばれた少なくとも1種を含むフッ素含有ナトリウム塩を用いることが好ましい。
【0020】
<非水溶媒>
非水電解液に用いられる非水溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、イソプロピルメチルカーボネート、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタンなどのカーボネート類;1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、ブチロニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;3−メチル−2−オキサゾリドンなどのカーバメート類;スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトンなどの含硫黄化合物が挙げられる。非水溶媒として、これらのうちの2種以上を混合して用いてもよい。
【0021】
非水電解液における電解質の濃度は、通常0.1〜2モル/L程度であり、好ましくは0.3〜1.5モル/L程度である。
【0022】
<第1電極>
ナトリウム二次電池に用いられる第1電極は、ナトリウムイオンでドープかつ脱ドープできる炭素材料を電極活物質として有する。第1電極は、集電体と、集電体の上に担持された、上記電極活物質を含む電極合剤とから構成される。電極合剤は、上記電極活物質に加えて必要に応じて導電材やバインダーを含む。
【0023】
第1電極の電極活物質は炭素材料に加えて、カルコゲン化合物(例えば酸化物、硫化物など)、窒化物、金属または合金などのナトリウムイオンでドープかつ脱ドープできる材料を含んでもよい。
【0024】
<炭素材料>
炭素材料は、非黒鉛化炭素材料(例えば、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維、有機材料焼成体など)などが挙げられる。炭素材料は、好ましくは非黒鉛化炭素材料(以下、ハードカーボンともいうことがある。)であり、例えば、非黒鉛化炭素材料からなるカーボンマイクロビーズを挙げることができ、具体的には、日本カーボン社製のICB(商品名:ニカビーズ)が挙げられる。
炭素材料を構成する粒子の形状としては、例えば天然黒鉛のような薄片状、メソカーボンマイクロビーズのような球状、黒鉛化炭素繊維のような繊維状、または微粒子の凝集体形状などが挙げられる。炭素材料を構成する粒子の形状が球状である場合、その平均粒径は好ましくは0.01μm以上30μm以下であり、より好ましくは0.1μm以上20μm以下である。
【0025】
非黒鉛化炭素材料は、好ましくは、賦活処理が行われていない非賦活型炭素材料であり、特に好ましくは、表面処理が行われた非賦活型炭素材料である。表面処理を行うことにより、得られる二次電池の充放電容量が向上する。
ここで、「賦活処理」とは、炭素材料の多孔質化および活性化を促進する処理を意味し、具体的な処理方法としては、薬品賦活方法やガス賦活方法が挙げられる。
「表面処理」とは、炭素材料の表面官能基を除去するための処理を意味し、具体的な処理方法としては、不活性ガス雰囲気下、600℃以上2000℃以下、好ましくは800℃以上1800℃以下、より好ましくは1400℃以上1800℃以下の温度で熱処理する方法が挙げられる。
非賦活型炭素材料は、賦活型炭素材料よりも、ナトリウムイオンでドープかつ脱ドープされ易く、非賦活型炭素材料を電極活物質として用いることにより二次電池の不可逆容量をより小さくすることができる。
【0026】
<有機材料焼成体>
前記有機材料焼成体としては、種々の有機材料の炭化(焼成)により得られる炭素材料のうち、ナトリウムイオンでドープかつ脱ドープできる炭素材料を用いればよい。好適な炭素材料である非黒鉛化炭素材料は、グラファイト結晶構造になりにくい有機材料を焼成して得ることができる。
該有機材料焼成体の原料となる有機材料としては、石油や石炭等の天然鉱物資源、これら資源を原料として合成した各種合成樹脂(熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂など)、石油ピッチ、石炭ピッチ、紡糸用ピッチなどの種々のプラント残渣油、木材等の植物由来の有機材料等を挙げることができ、これらを単独でまたは2種以上用いることが可能である。
【0027】
上記合成樹脂としては、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、シアネート樹脂、ケトン樹脂などを挙げることができ、これらを単独または2種以上用いることが可能である。これらの樹脂は硬化剤、添加剤を含有してもよい。硬化方法は、例えばフェノール樹脂を用いる場合では、熱硬化法、熱酸化法、エポキシ硬化法、イソシアネート硬化法などが挙げられる。エポキシ樹脂を用いた場合では、フェノール樹脂硬化法、酸無水物硬化法、アミン硬化法等が挙げられる。
【0028】
有機材料は、好ましくは芳香環を有する有機材料である。該有機材料を用いることにより、ナトリウムイオンでドープかつ脱ドープできる炭素材料を、収率よく得ることができる。これにより環境負荷が小さく、製造コストも小さくすることもでき、工業的な利用価値がより高い。
【0029】
芳香環を有する有機材料としては、例えば、上記合成樹脂の中で、フェノール樹脂(ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂など)、エポキシ樹脂(ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂など)、アニリン樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂を挙げることができ、これらを単独または2種以上用いることが可能である。これらの樹脂は、硬化剤、添加剤を含有してもよい。
【0030】
芳香環を有する有機材料としては、好ましくはフェノールまたはその誘導体とアルデヒド化合物とを重合させて製造された有機材料である。該有機材料は、芳香環を有する有機材料の中でも安価であり、工業的な生産量も多いことから、これを炭化して得られる炭素材料は好ましい炭素材料である。
【0031】
フェノールまたはその誘導体とアルデヒド化合物とを重合させて得られる有機材料としては、フェノール樹脂が挙げられる。フェノール樹脂は安価であり、工業的な生産量も多く、炭素材料の原料として好ましい。フェノール樹脂を炭化して得られる炭素材料を、本発明のナトリウム二次電池の電極活物質として用いた場合、ナトリウム二次電池の充放電容量、充放電を繰り返した際の放電容量が特に大きいため、フェノール樹脂を炭化して得られる炭素材料は好ましい。フェノール樹脂は、三次元架橋が発達した構造を有し、該樹脂を炭化して得られる炭素材料も、該構造に由来した特異な三次元架橋が発達した構造を有する炭素材料となっているものと推定される。これにより、前記の放電容量が特に大きくなるものと考えられる。
【0032】
フェノールまたはその誘導体としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、キシレノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、p−フェニルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール等を挙げることができ、これらを単独または2種以上用いることが可能である。
【0033】
アルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等を挙げることができ、これらを単独または2種以上用いることが可能である。
【0034】
フェノール樹脂は、例えば、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などが挙げられる。レゾール型フェノール樹脂は、フェノールまたはその誘導体とアルデヒド化合物とが塩基性触媒の存在下で重合することにより得ることができる。ノボラック型フェノール樹脂は、フェノールまたはその誘導体とアルデヒド化合物とが酸性触媒の存在下で重合することにより得ることができる。
【0035】
自硬性のレゾール型フェノール樹脂を用いる場合は、該レゾール型フェノール樹脂に、酸や硬化剤を添加してもよいし、硬化度を低下させるためにノボラック型フェノール樹脂を添加してもよい。これらを組合せて該レゾール型フェノール樹脂に添加してもよい。
【0036】
ノボラック型フェノール樹脂としては、メチレン基結合位置がオルソ位とパラ位とが同程度のランダムノボラックと呼ばれているタイプ(このタイプは、フェノールまたはその誘導体とアルデヒド化合物とを、公知の有機酸および/または無機酸の触媒を用いて、常圧100℃で数時間縮合反応させ、得られた縮合物から水および未反応モノマーを除去する方法により得られる。)と、オルソ位でのメチレン基結合の多いハイオルソノボラックと呼ばれているタイプ(このタイプは、フェノールまたはその誘導体とアルデヒド化合物とを、酢酸亜鉛、酢酸鉛、ナフテン酸亜鉛等の金属塩触媒を用いて、弱酸性下で付加縮合反応させ、直接あるいは酸触媒を添加して、さらに脱水しながら縮合反応を行い、必要に応じて未反応物を除去する方法により得られる。)が知られている。
【0037】
芳香環を分子構造中に有する有機材料としては、他にも多種多様な有機材料を利用することができる。
【0038】
合成樹脂は、モノマーが重合した高分子であることが一般的である。芳香環を有する有機材料として、数個〜数十個程度のモノマーが重合した有機材料を用いることもできる。
【0039】
フェノールまたはその誘導体とアルデヒド化合物とが重合する際には、副生物が生成したり、未重合物が残存したりする場合もある。これらの副生物、未重合物を、有機材料として、利用することもでき、廃棄物を減らすことにより環境負荷を低減できるとともに、炭素材料を安価に得ることができ、工業的な利用価値がより高い。
【0040】
植物由来の有機材料として、木材等を挙げることができる。これらを炭化して得られる木炭は、電極活物質に用いる炭素材料として好ましい。木材として、廃棄材木、おが屑等の木材加工プロセスにおいて発生する廃棄木材、森林の間伐木材等を利用することもできる。木材の構成成分としては一般にセルロース、ヘミセルロースおよびリグニンの3種が主成分として挙げられ、リグニンは、芳香環を有する有機材料であり、好ましい。
【0041】
木材としては、ソテツ類、イチョウ類、針葉樹類(スギ、ヒノキ、アカマツ等)、マオウ類等の裸子植物、広葉樹類(ミズナラ、ブナ、ポプラ、ハルニレ、カシ等)、草本植物、ヤシ類、竹類等の被子植物等が挙げられる。
【0042】
上記の木材の中でも、スギは建築材料として広く用いられており、その加工プロセスにおいてスギのおが屑が発生する。スギのおが屑は好ましい有機材料であり、環境負荷を低減できるとともに安価に炭素材料を得ることができる。カシを炭化して得られる備長炭も、電極活物質に用いる炭素材料として好ましい。
【0043】
電極活物質に用いる炭素材料として、プラント残渣油の炭化(焼成)により得られる炭素材料を用いることにより、資源を有効活用することができ、工業的な利用価値がより高い。
【0044】
プラント残渣油としては、エチレンなど各種石油化学製品の製造時に発生する各種残渣油を挙げることができる。より具体的には、蒸留残渣油、流動接触分解残渣油、それらの水素化脱硫油、あるいはそれらの混合油から成る石油系重質油を挙げることができる。これらの中でも、芳香環を有する石油化学製品の製造時に発生する残渣油が好ましく、具体的には、該残渣油としてレゾルシノール製造時に発生する残渣油を挙げることができる。
【0045】
電極活物質として用いられる炭素材料は、上述の種々の有機材料のうち、1種以上の有機材料を炭化(焼成)して得ることができる。この炭化段階で得られる炭素材料は、非賦活型炭素材料である。炭化の温度は、800℃以上2500℃以下であることが好ましい。炭化は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。有機材料をそのまま炭化してもよいし、有機材料を400℃以下の酸化性ガスの存在下で加熱して得られる加熱物を、不活性ガス雰囲気下で炭化してもよい。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、CO2などを挙げることができ、酸化性ガスとしては、空気、H2O、CO、O2などを挙げることができる。炭化は、減圧下で行ってもよい。これらの加熱、炭化は、例えば、ロータリーキルン、ローラーハースキルン、プッシャーキルン、多段炉、流動炉などの設備を用いて行えばよい。ロータリーキルンは、汎用的に用いられる設備である。
【0046】
炭化(焼成)して得られた炭素材料は、必要に応じて粉砕されてもよい。粉砕は、例えば、衝撃摩擦粉砕機、遠心力粉砕機、ボールミル(チューブミル、コンパウンドミル、円錐形ボールミル、ロッドミル)、振動ミル、コロイドミル、摩擦円盤ミルまたはジェットミルなどの微粉砕用の粉砕機を用いて行うことができる。ボールミルは、一般的に用いられる粉砕機である。粉砕時には、炭素材料への金属粉の混入を抑制するために、これらの粉砕機における炭素材料との接触部分は、アルミナ、メノウなど、非金属材料の材質で構成されていてもよい。粉砕により、炭素材料は、それを構成する粒子の平均粒径が、通常50μm以下、好ましくは30μm以下、とりわけ好ましくは10μm以下になるように、粉砕される。
【0047】
非賦活型炭素材料は、上述の条件で、表面処理されてもよい。また、粉砕により炭素材料の表面積を増大させた後、表面処理された炭素材料を第1電極の電極活物質として用いることで、得られる二次電池の充放電容量が更に向上する。
【0048】
<その他の第1電極における電極活物質>
その他の第1電極の電極活物質として、酸化物の例としては、Li4Ti512等が挙げられる。硫化物の例としては、TiS2、NiS2、FeS2、Fe34等が挙げられる。窒化物の例としては、Li3N、Li2.6Co0.4N等のLi3-xN(但し、Mは遷移金属元素、0≦x≦3)、Na3N、Na2.6Co0.4N等のNa3-xN(但し、Mは遷移金属元素、0≦x≦3)等が挙げられる。
これらの炭素材料、酸化物、硫化物、窒化物は、併用してもよく、結晶質または非晶質のいずれでもよい。これらの炭素材料、酸化物、硫化物、窒化物は、主に、集電体に担持されて、電極として用いられる。
第1電極の電極活物質としての金属の例として、具体的には、スズ金属、シリコン金属、ビスマス金属、ゲルマニウム金属などが挙げられる。合金の例としては、スズ金属、シリコン金属、ビスマス金属およびゲルマニウム金属からなる群から選ばれる2種以上の金属からなる合金が挙げられ、また、Si−Zn、CuSb、LaNiSnなどの合金が挙げられる。これらの金属、合金は炭素材料と併用して集電体に担持されて、電極活物質として用いられる。
【0049】
<バインダー>
第1電極のバインダーとしては、例えば、フッ素化合物の重合体が挙げられる。フッ素化合物としては、例えば、フッ素化アルキル(炭素数1〜18)(メタ)アクリレート、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート[例えば、パーフルオロドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロn−オクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロn−ブチル(メタ)アクリレート]、パーフルオロアルキル置換アルキル(メタ)アクリレート[例えばパーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート]、パーフルオロオキシアルキル(メタ)アクリレート[例えば、パーフルオロドデシルオキシエチル(メタ)アクリレート及びパーフルオロデシルオキシエチル(メタ)アクリレートなど]、フッ素化アルキル(炭素数1〜18)クロトネート、フッ素化アルキル(炭素数1〜18)マレート及びフマレート、フッ素化アルキル(炭素数1〜18)イタコネート、フッ素化アルキル置換オレフィン(炭素数2〜10程度、フッ素原子数1〜17程度)、例えばパーフロオロヘキシルエチレン、炭素数2〜10程度、及びフッ素原子の数1〜20程度の二重結合炭素にフッ素原子が結合したフッ素化オレフィン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレンなどが挙げられる。また、結合剤として、フッ素化合物と後述のフッ素原子を含まないエチレン性二重結合を含む単量体との共重合体を挙げることもできる。
【0050】
バインダーのその他の例示としては、非フッ素系重合体を挙げることができる。非フッ素系重合体は、フッ素を含まない重合体である。本発明における電極は、非フッ素系重合体を有することが好ましく、ナトリウム二次電池の初期不可逆容量を減少させることができる。非フッ素系重合体の例示としては、フッ素原子を含まないエチレン性二重結合を含む単量体の付加重合体が挙げられる。かかる単量体としては、例えば、(シクロ)アルキル(炭素数1〜22)(メタ)アクリレート[例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート等];芳香環含有(メタ)アクリレート[例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート等];アルキレングリコールもしくはジアルキレングリコール(アルキレン基の炭素数2〜4)のモノ(メタ)アクリレート[例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート];(ポリ)グリセリン(重合度1〜4)モノ(メタ)アクリレート;多官能(メタ)アクリレート[例えば、(ポリ)エチレングリコール(重合度1〜100)ジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(重合度1〜100)ジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシエチルフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等]などの(メタ)アクリル酸エステル系単量体;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド系誘導体[例えば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等]などの(メタ)アクリルアミド系単量体;(メタ)アクリロニトリル、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、2−シアノエチルアクリルアミド等のシアノ基含有単量体;スチレン及び炭素数7〜18のスチレン誘導体[例えば、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−ヒドロキシスチレン及びジビニルベンゼン等]などのスチレン系単量体;炭素数4〜12のアルカジエン[例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等]などのジエン系単量体;カルボン酸(炭素数2〜12)ビニルエステル[例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及びオクタン酸ビニル等]、カルボン酸(炭素数2〜12)(メタ)アリルエステル[例えば、酢酸(メタ)アリル、プロピオン酸(メタ)アリルおよびオクタン酸(メタ)アリル等]などのアルケニルエステル系単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有単量体;炭素数2〜12のモノオレフィン[例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−オクテンおよび1−ドデセン等]のモノオレフィン類;塩素、臭素またはヨウ素原子含有単量体、塩化ビニル及び塩化ビニリデンなどのフッ素以外のハロゲン原子含有単量体;アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル酸およびそのアルカリ塩;ブタジエン、イソプレンなどの共役二重結合含有単量体などが挙げられる。また、付加重合体として、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体またはエチレン・プロピレン共重合体などの共重合体でもよい。また、カルボン酸ビニルエステル重合体は、ポリビニルアルコールなどのように、部分的または完全にケン化されていてもよい。
【0051】
バインダーのその他の例示としては、例えば、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロースなどの多糖類及びその誘導体;フェノール樹脂;メラミン樹脂;ポリウレタン樹脂;尿素樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂;石油ピッチ;石炭ピッチなどが挙げられる。バインダーとしては複数種のバインダーを使用してもよい。
【0052】
本発明の電極におけるバインダーの配合割合としては、炭素材料100重量部に対し、通常0.5〜30重量部程度、好ましくは2〜20重量部程度である。
【0053】
<第1電極の製造方法>
第1電極の製造方法について説明する。第1電極は、例えば、ナトリウムイオンでドープかつ脱ドープできる炭素材料、バインダーおよび必要に応じて導電材等を含む電極合剤が、集電体に担持された電極であり、通常、シート状である。第1電極の製造方法としては、例えば、炭素材料、バインダーおよび導電材等に溶剤を添加した電極合剤ペーストを、集電体に、塗工して、または集電体を電極合剤ペーストに浸漬して、得られたものを乾燥する方法を挙げることができる。乾燥により、電極合剤ペーストにおける溶媒は除去され、集電体には、電極合剤が結着し、電極が得られる。
【0054】
前記電極合剤ペーストに用いられる溶剤としては、例えば、有機溶媒が挙げられる。有機溶媒は、極性溶媒、非極性溶媒のいずれでもよい。極性溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド類;イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコールなどのアルコール類;プロピレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などが挙げられる。非極性溶媒としてヘキサン、トルエンなどが挙げられる。また、溶剤として、水を用いることもでき、電極製造コストを抑えるためには水が好ましい。
【0055】
第1電極の集電体の材料としては、例えば、ニッケル、アルミニウム、チタン、銅、金、銀、白金、アルミニウム合金またはステンレス等の金属、例えば、炭素素材、活性炭繊維、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、銅、スズ、鉛またはこれらの合金をプラズマ溶射、アーク溶射することによって形成されたもの、例えば、ゴムまたはスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)など樹脂に導電材を分散させた導電性フィルムなどが挙げられる。集電体の形状としては、例えば、箔状、平板状、メッシュ状、ネット状、ラス状、パンチング状およびエンボス状であるもの並びにこれらを組み合わせたもの(例えば、メッシュ状平板など)等が挙げられる。集電体表面にエッチング処理により凹凸を形成させてもよい。
【0056】
第1電極の電極合剤ペーストを、集電体へ塗布する方法としては、特に制限されず、例えば、ドクターブレード法、スリットダイ塗工法、スクリーン塗工法、カーテン塗工法、ナイフ塗工法、グラビア塗工法、静電スプレー法等の方法が挙げられる。また、塗布後に行う乾燥としては、熱処理によって行ってもよいし、送風乾燥、真空乾燥などにより行ってもよい。熱処理により乾燥を行う場合には、その温度は、通常50〜150℃程度である。乾燥後にプレスを行ってもよい。プレス方法は、金型プレスやロールプレスなどの方法を挙げることができる。以上に挙げた方法により、第1電極を製造することができる。電極の厚みは、通常5〜500μm程度である。
【0057】
<第2電極>
第2電極は、例えば、金属ナトリウム、ナトリウム合金、又はナトリウムイオンでドープかつ脱ドープできる遷移金属化合物を電極活物質として含有する。
第2電極は、集電体と、集電体の上に担持された、上記電極活物質を含む電極合剤とから構成されてよい。電極合剤は、上記電極活物質以外にも必要に応じて導電材やバインダーを含む。
【0058】
第2電極がナトリウムイオンでドープかつ脱ドープできる遷移金属化合物を電極活物質として有する場合には、本発明のナトリウム二次電池の第1電極は負極として作用し、該第2電極は正極として作用する。この場合、該正極としては、ナトリウムイオンでドープかつ脱ドープできる遷移金属化合物を有する電極活物質を含む正極合剤を、正極集電体に担持した電極を用いることができる。
【0059】
<遷移金属化合物>
遷移金属化合物としては、ナトリウム遷移金属化合物が挙げられ、具体的には、次の化合物を挙げることができる:
NaFeO2、NaMnO2、NaNiO2およびNaCoO2等のNaM1a12で表される酸化物、Na0.44Mn1-a21a22で表される酸化物、Na0.7Mn1-a21a22.05で表される酸化物(M1は1種以上の遷移金属元素、0<a1<1、0≦a2<1);
Na6Fe2Si1230およびNa2Fe5Si1230等のNab2cSi1230で表される酸化物(M2は1種以上の遷移金属元素、2≦b≦6、2≦c≦5);
Na2Fe2Si618およびNa2MnFeSi618等のNad3eSi618で表される酸化物(M3は1種以上の遷移金属元素、2≦d≦6、1≦e≦2);
Na2FeSiO6等のNaf4gSi26で表される酸化物(M4は遷移金属元素、MgおよびAlからなる群より選ばれる1種以上の元素、1≦f≦2、1≦g≦2)
NaFePO4、NaMnPO、Na3Fe2(PO43等のリン酸塩;
NaFePOF、NaVPOF、NaMnPOF、NaCoPOF、NaNiPOF等のフッ化リン酸塩;
NaFeSOF、NaMnSOF、NaCoSOF、NaFeSOF等のフッ化硫酸塩;
NaFeBO4、Na3Fe2(BO43等のホウ酸塩;
Na3FeF6、Na2MnF6等のNah56で表されるフッ化物(M5は1種以上の遷移金属元素、2≦h≦3);等。
これらは1種あるいは2種以上を混合して使用することができる。
【0060】
これらの中でも、ナトリウム遷移金属化合物として、好ましくは、NaM12(M1は1種以上の遷移金属元素を示す。)で表される酸化物である。その好適な具体例としては、α−NaFeO2型の構造を有するNaMnO2、NaNiO2、NaCoO2およびNaFe1-p-qMnpNiq2(p、qは次の関係を満たす値である。0≦p+q≦1,0≦p≦1,0≦q≦1)等の酸化物が挙げられる。
【0061】
上記ナトリウム遷移金属化合物においては、発明の効果を損なわない範囲で、上記遷移金属元素の一部を、上記遷移金属元素以外の金属元素で置換してもよい。置換により、本発明の電池の特性が向上する場合がある。上記遷移金属元素以外の金属としてはLi、K、Ag、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ga、In、Zn、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Ho、Er、Tm、YbおよびLu等の金属元素が挙げられる。
【0062】
<正極集電体:第2電極が正極である場合>
正極集電体としては、導電性が高く薄膜に加工しやすいものであればよく、Al、Ni、ステンレス、Cuなどの金属などを用いることができる。正極集電体の形状としては、例えば、箔状、平板状、メッシュ状、ネット状、ラス状、パンチングメタル状およびエンボス状であるもの並びにこれらを組み合わせたもの(例えば、メッシュ状平板など)等が挙げられる。
【0063】
<正極合剤:第2電極が正極である場合>
正極合剤は導電材を含有してもよく、導電材としては炭素材料を用いることができる。炭素材料として黒鉛粉末、カーボンブラック、カーボンナノチューブなどの繊維状炭素材料などを挙げることができる。通常、電極合剤中の導電材の割合は、電極活物質100重量部に対して5〜20重量部である。導電材として上述のような、微粒の炭素材料、繊維状炭素材料を用いる場合には、この割合を下げることも可能である。前記の正極に用いられるバインダーとしては、前記本発明における第1電極に用いられるバインダーと同様のものが挙げられる。
【0064】
<正極の製造方法:第2電極が正極である場合>
正極は、ナトリウムイオンでドープかつ脱ドープできる正極活物質を含む正極合剤を、正極集電体に担持することで製造される。正極集電体に正極合剤を担持する方法としては、例えば、正極活物質、導電材、バインダーおよび溶媒からなる正極合剤ペーストを作製、混練し、得られた正極合剤ペーストを、集電体へ塗布、乾燥する方法が挙げられる。正極合剤ペーストを、集電体へ塗布する方法としては特に制限されない。例えば、スリットダイ塗工法、スクリーン塗工法、カーテン塗工法、ナイフ塗工法、グラビア塗工法、静電スプレー法等の方法が挙げられる。また、塗布後に行う乾燥としては、熱処理によって行ってもよいし、送風乾燥、真空乾燥などにより行ってもよい。熱処理により乾燥を行う場合には、その温度は、通常50〜150℃程度である。また、乾燥後にプレスを行ってもよい。プレス方法は、金型プレスやロールプレスなどの方法を挙げることができる。以上に挙げた方法により、電極を製造することができる。また、電極合剤の厚みは、通常5〜500μm程度である。
【0065】
<第2電極が負極である場合>
第2電極がナトリウム金属またはナトリウム合金を有する場合には、第2電極は、負極として作用し、第1電極は正極として作用する。この場合、ナトリウム金属またはナトリウム合金は、主に、単独で電極として用いられる(例えば箔状で用いられる)。
【0066】
<セパレータ>
セパレータとしては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、含窒素芳香族重合体などの材質からなる、多孔質フィルム、不織布、織布などの形態を有する材料を用いることができる。セパレータは、これらの材質を2種以上用いた単層または積層セパレータであってもよい。セパレータとしては、例えば特開2000−30686号公報、特開平10−324758号公報等に記載のセパレータを挙げることができる。セパレータの厚みは、電池の体積エネルギー密度が上がり、内部抵抗が小さくなるという点で、機械的強度が保たれる限り薄いほど好ましい。セパレータの厚みは一般に、5〜200μm程度が好ましく、より好ましくは5〜40μm程度である。
【0067】
セパレータは、好ましくは、熱可塑性樹脂を含有する多孔質フィルムを有する。二次電池においては、通常、正極−負極間の短絡等が原因で電池内に異常電流が流れた際に、電流を遮断して、過大電流が流れることを阻止する(シャットダウンする。)ことが重要である。したがってセパレータは、通常の使用温度を越えた場合に、できるだけ低温でシャットダウンする(セパレータが、熱可塑性樹脂を含有する多孔質フィルムを有する場合には、多孔質フィルムの微細孔を閉塞する。)こと、およびシャットダウンした後、ある程度の高温まで電池内の温度が上昇しても、その温度により破膜することなく、シャットダウンした状態を維持すること、換言すれば、耐熱性が高いことが求められる。セパレータとして、耐熱樹脂を含有する耐熱多孔層と熱可塑性樹脂を含有する多孔質フィルムとが積層された積層多孔質フィルムを有するセパレータを用いることにより、本発明の二次電池の熱破膜をより防ぐことが可能となる。ここで、耐熱多孔層は、多孔質フィルムの両面に積層されていてもよい。
【0068】
<積層多孔質フィルムセパレータ>
以下、耐熱樹脂を含有する耐熱多孔層と熱可塑性樹脂を含有する多孔質フィルムとが積層されてなる積層多孔質フィルムからなるセパレータについて説明する。ここで、このセパレータの厚みは、通常40μm以下、好ましくは20μm以下である。また、耐熱多孔層の厚みをA(μm)、多孔質フィルムの厚みをB(μm)としたときには、A/Bの値が、0.1〜1であることが好ましい。また更に、このセパレータは、イオン透過性の観点から、ガーレー法による透気度において、透気度が50〜300秒/100ccであることが好ましく、50〜200秒/100ccであることがさらに好ましい。このセパレータの空孔率は、通常30〜80体積%、好ましくは40〜70体積%である。
【0069】
<耐熱多孔層>
積層多孔質フィルムにおいて、耐熱多孔層は、耐熱樹脂を含有する。イオン透過性をより高めるために、耐熱多孔層の厚みは、1〜10μm、さらには1〜5μm、特に1〜4μmという薄い耐熱多孔層であることが好ましい。また、耐熱多孔層は微細孔を有し、その孔のサイズ(直径)は通常3μm以下、好ましくは1μm以下である。さらに、耐熱多孔層は、後述のフィラーを含有することもできる。
【0070】
耐熱多孔層に含有される耐熱樹脂としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリエステル、ポリエーテルサルホンおよびポリエーテルイミドを挙げることができ、耐熱性をより高めるためには、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホンおよびポリエーテルイミドが好ましく、ポリアミド、ポリイミドおよびポリアミドイミドがより好ましい。さらにより好ましくは、耐熱樹脂は、芳香族ポリアミド(パラ配向芳香族ポリアミド、メタ配向芳香族ポリアミド)、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド等の含窒素芳香族重合体であり、とりわけ好ましくは芳香族ポリアミドであり、特に好ましくはパラ配向芳香族ポリアミド(以下、パラアラミドということがある。)である。また、耐熱樹脂としては、ポリ−4−メチルペンテン−1および環状オレフィン系重合体を挙げることもできる。これらの耐熱樹脂を用いることにより、耐熱性を高めること、すなわち熱破膜温度を高めることができる。
【0071】
熱破膜温度は、耐熱樹脂の種類に依存するが、通常、熱破膜温度は160℃以上である。耐熱樹脂として、上記含窒素芳香族重合体を用いることにより、熱破膜温度を最大400℃程度にまで高めることができる。また、ポリ−4−メチルペンテン−1を用いる場合には最大250℃程度、環状オレフィン系重合体を用いる場合には最大300℃程度にまで、熱破膜温度をそれぞれ高めることができる。
【0072】
上記パラアラミドは、パラ配向芳香族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドとの縮合重合により得られるものであり、アミド結合が芳香族環のパラ位またはそれに準じた配向位(例えば、ビフェニレンにおける4,4’位、ナフタレンにおける1,5位、ナフタレンにおける2,6位、等)で結合される繰り返し単位から実質的になるものである。パラアラミドとしては、パラ配向型またはパラ配向型に準じた構造を有するパラアラミド、具体的には、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)、ポリ(パラベンズアミド)、ポリ(4,4’−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラフェニレン−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(パラフェニレン−2,6−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロ−パラフェニレンテレフタルアミド)、パラフェニレンテレフタルアミド/2,6−ジクロロパラフェニレンテレフタルアミド共重合体が例示される。
【0073】
上記芳香族ポリイミドとしては、芳香族の二酸無水物とジアミンの縮重合で製造される全芳香族ポリイミドが好ましい。二酸無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4―ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンおよび3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。ジアミンとしては、オキシジアニリン、パラフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン、3,3’−メチレンジアニリン、3,3’−ジアミノベンソフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォンおよび1,5−ナフタレンジアミンが挙げられる。また、溶媒に可溶なポリイミドが好適に使用できる。このようなポリイミドとしては、例えば、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの重縮合物のポリイミドが挙げられる。
【0074】
上記芳香族ポリアミドイミドとしては、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジイソシアネートの縮重合から得られるもの、芳香族二酸無水物および芳香族ジイソシアネートの縮重合から得られるものが挙げられる。芳香族ジカルボン酸の具体例としてはイソフタル酸およびテレフタル酸が挙げられる。また芳香族二酸無水物の具体例としては、無水トリメリット酸が挙げられる。芳香族ジイソシアネートの具体例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、オルソトリレンジイソシアネートおよびm−キシレンジイソシアネートが挙げられる。
【0075】
耐熱多孔層に含有されていてもよいフィラーは、有機粉末、無機粉末またはこれらの混合物のいずれから選ばれるものであってよい。フィラーを構成する粒子は、その平均粒子径が、0.01〜1μmであることが好ましい。フィラーの形状としては、略球状、板状、柱状、針状、ウィスカー状および繊維状が挙げられ、いずれの粒子も用いることができるが、均一な孔を形成しやすいことから、略球状粒子であることが好ましい。
【0076】
フィラーとしての有機粉末としては、例えば、スチレン、ビニルケトン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸メチル等の単独または2種類以上の共重合体;ポリテトラフルオロエチレン、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、4フッ化エチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド等のフッ素系樹脂;メラミン樹脂;尿素樹脂;ポリオレフィン;ポリメタクリレート等の有機物からなる粉末が挙げられる。有機粉末は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。これらの有機粉末の中でも、化学的安定性の点で、ポリテトラフルオロエチレン粉末が好ましい。
【0077】
フィラーとしての無機粉末としては、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物、炭酸塩、硫酸塩等の無機物からなる粉末が挙げられ、具体的に例示すると、アルミナ、シリカ、二酸化チタン、または炭酸カルシウム等からなる粉末が挙げられる。無機粉末は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。これらの無機粉末の中でも、化学的安定性の点で、アルミナ粉末が好ましい。フィラーを構成する粒子のすべてがアルミナ粒子であることがより好ましく、フィラーを構成する粒子のすべてがアルミナ粒子であり、かつその一部または全部が略球状のアルミナ粒子であることがさらにより好ましい。
【0078】
耐熱多孔層におけるフィラーの含有量は、フィラーの材質の比重にもよるが、例えば、フィラーを構成する粒子のすべてがアルミナ粒子である場合には、耐熱多孔層の総重量を100としたとき、フィラーの重量は、通常20〜95重量部、好ましくは30〜90重量部である。これらの範囲は、フィラーの材質の比重に依存して適宜設定できる。
【0079】
<多孔質フィルム>
積層多孔質フィルムにおいて、多孔質フィルムは、熱可塑性樹脂を含有する。この多孔質フィルムの厚みは、通常3〜30μmであり、さらに好ましくは3〜20μmである。多孔質フィルムは、上記耐熱多孔層と同様に、微細孔を有し、その孔のサイズは通常3μm以下、好ましくは1μm以下である。多孔質フィルムの空孔率は、通常30〜80体積%、好ましくは40〜70体積%である。非水電解質二次電池において、通常の使用温度を越えた場合には、多孔質フィルムは、それを構成する熱可塑性樹脂の軟化により、微細孔を閉塞する役割を果たす。
【0080】
多孔質フィルムに含有される熱可塑性樹脂としては、80〜180℃で軟化するものを挙げることができ、非水電解質二次電池における電解液に溶解しないものを選択すればよい。具体的には、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、熱可塑性ポリウレタンを挙げることができ、これらの2種以上の混合物を用いてもよい。より低温で軟化してシャットダウンさせるためには、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンが好ましい。ポリエチレンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状ポリエチレン等のポリエチレンを挙げることができ、超高分子量ポリエチレンを挙げることもできる。多孔質フィルムの突刺し強度をより高めるためには、熱可塑性樹脂は、少なくとも超高分子量ポリエチレンを含有することが好ましい。また、多孔質フィルムの製造面において、熱可塑性樹脂は、低分子量(重量平均分子量1万以下)のポリオレフィンからなるワックスを含有することが好ましい場合もある。
【実施例】
【0081】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、充放電試験用の電極およびナトリウム二次電池の作製方法は、下記の通りである。
【0082】
製造例1(非賦活型炭素材料Cの製造)
日本カーボン社製のICB(商品名:ニカビーズ)を焼成炉に導入し、炉内をアルゴンガス雰囲気下とした後、アルゴンガスを毎分0.1L/g(炭素材料の重量)の割合で流通させながら、室温から毎分5℃の速度で1600℃まで昇温し、1600℃で1時間保持した後、冷却した。表面処理された非賦活型炭素材料Cを得た。
【0083】
製造例2(非賦活型炭素材料Cの製造)
四つ口フラスコに、窒素気流下でレゾルシノール200g、メチルアルコール1.5L、ベンズアルデヒド194gを入れ氷冷し、攪拌しながら36%塩酸36.8gを滴下した。滴下終了後65℃に昇温し、その後同温度で5時間保温した。得られた反応混合物に水1Lを加え、沈殿を濾取し、濾液が中性になるまで水で洗浄し、乾燥後、テトラフェニルカリックス[4]レゾルシナレーン(PCRA)294gを得た。ロータリーキルンをアルゴン雰囲気下に置換して、1000℃で4時間加熱した。次いで、ボールミル(メノウ製ボール、28rpm、5分間)で粉砕した後、焼成炉に導入し、炉内をアルゴンガス雰囲気下とした後、アルゴンガスを毎分0.1L/g(炭素材料の重量)の割合で流通させながら、室温から毎分5℃の速度で1600℃まで昇温し、1600℃で1時間保持した後、冷却した。表面処理された非賦活型炭素材料Cを得た。
【0084】
製造例3(非賦活型炭素材料Cの製造)
環状炉中を窒素雰囲気下とした後、窒素ガスを毎分0.1L/g(フェノールフタレインの重量)の割合で流通させながら、室温から毎分5℃の割合で昇温して1000℃に到達するまでフェノールフタレイン(和光純薬工業(株)より購入した試薬特級)を加熱し、引き続き、窒素ガスを毎分0.1L/g(フェノールフタレインの重量)の割合で流通させながら、1000℃で1時間保持した後、冷却して炭素材料を得た。次いで、得られた炭素材料をボールミル(メノウ製ボール、28rpm、5分間)で粉砕した後、焼成炉に導入し、炉内をアルゴンガス雰囲気下とした後、アルゴンガスを毎分0.1L/g(炭素材料の重量)の割合で流通させながら、室温から毎分5℃の速度で1600℃まで昇温し、1600℃で1時間保持した後、冷却した。表面処理された非賦活型炭素材料Cを得た。
【0085】
製造例4(電極活物質Aの製造)
ポリプロピレン製ビーカー内で、蒸留水300mlに、水酸化カリウム44.88gを添加、攪拌により溶解し、水酸化カリウムを完全に溶解させ、水酸化カリウム水溶液(沈殿剤)を調製した。また、別のポリプロピレン製ビーカー内で、蒸留水300mlに、塩化鉄(II)四水和物21.21g、塩化ニッケル(II)六水和物19.02g、塩化マンガン(II)四水和物15.83gを添加、攪拌により溶解し、鉄−ニッケル−マンガン含有水溶液を得た。前記沈殿剤を攪拌しながら、これに前記鉄−ニッケル−マンガン含有水溶液を滴下したところ、沈殿物が生成したスラリーが得られた。次いで、該スラリーについて、ろ過・蒸留水洗浄を行い、100℃で乾燥させて沈殿物を得た。沈殿物と炭酸ナトリウムとをモル比でFe:Na=0.4:1となるようにして秤量した後、メノウ乳鉢を用いて乾式混合して混合物を得た。次いで、該混合物をアルミナ製焼成容器に入れ、電気炉を用いて大気雰囲気中900℃で6時間保持して焼成を行い、室温まで冷却し、電極活物質Aを得た。電極活物質Aの粉末X線回折分析を行った結果、α−NaFeO型の結晶構造に帰属されることがわかった。また、ICP−AESにより、電極活物質Aの組成を分析したところ、Na:Fe:Ni:Mnのモル比は1:0.4:0.3:0.3であった。
【0086】
第1電極Sの作製
製造例1の非賦活型炭素材料C、バインダーとしてポリアクリル酸ナトリウム(PAANa)(Wako製、重合度 22,000〜70,000)、溶媒として水を用いた電極合剤ペーストを作製した。該バインダーを水に溶解させたバインダー液を作製し、非賦活型炭素材料C:PAANa:水=97:3:150(重量比)の組成となるように秤量し、ディスパーマット(VMA−GETZMANN社製)を用い攪拌、混合することで、電極合剤ペーストを得た。回転羽の回転条件は、2,000rpm、5分間とした。得られた電極合剤ペーストを、銅箔にドクターブレードを用いて塗工し、60℃で2時間乾燥後、ロールプレスを用いて、125kN/mで圧延することで第1電極Sを得た。
【0087】
第1電極Sの作製
製造例1の非賦活型炭素材料C、バインダーとしてカルボキシメチルセルロース(CMC)(第一工業製薬株式会社製、セロゲン4H)とスチレン・ブタジエンラバー(SBR)(日本エイアンドエル社製、AL3001)、溶媒として水を用いた電極合剤ペーストを作製した。該バインダーを水に溶解させたバインダー液を作製し、非賦活型炭素材料C:CMC:SBR:水=97:2:1:150(重量比)の組成となるように秤量し、第1電極Sの作製と同様の操作にて、第1電極Sを得た。
【0088】
第1電極Sの作製
製造例1の非賦活型炭素材料C、バインダーとしてCMC(第一工業製薬株式会社製、セロゲン4H)、溶媒として水を用いた電極合剤ペーストを作製した。該バインダーを水に溶解させたバインダー液を作製し、非賦活型炭素材料C:CMC:水=97:3:150(重量比)の組成となるように秤量し、第1電極Sの作製と同様の操作にて、第1電極Sを得た。
【0089】
第1電極Sの作製
製造例2の非賦活型炭素材料C、バインダーとしてPAANa(Wako製、重合度 22,000〜70,000)、溶媒として水を用いた電極合剤ペーストを作製した。該バインダーを水に溶解させたバインダー液を作製し、非賦活型炭素材料C:PAANa:水=97:3:150(重量比)の組成となるように秤量し、第1電極Sの作製と同様の操作にて、第1電極Sを得た。
【0090】
第1電極Sの作製
製造例3の非賦活型炭素材料C、バインダーとしてPAANa(Wako製、重合度 22,000〜70,000)、溶媒として水を用いた電極合剤ペーストを作製した。該バインダーを水に溶解させたバインダー液を作製し、非賦活型炭素材料C:PAANa:水=97:3:150(重量比)の組成となるように秤量し、第1電極Sの作製と同様の操作にて、第1電極Sを得た。
【0091】
第2電極Dの作製
電極活物質として製造例4の電極活物質A1、導電材としてアセチレンブラック(HS100、電気化学工業株式会社製)、バインダーとしてフッ素樹脂(ダイキン工業株式会社製、VT471)を用いた。上記バインダーは、バインダー:NMP=5:95(重量比)の組成となるようにNMPに溶解させた後、使用した。電極活物質A1:導電材:バインダー:NMP=90:5:5:100の重量比を有する組成物を、T.K.フィルミックス30−25型(プライミクス株式会社製)を用い攪拌、混合することで、電極合剤ペーストを得た。回転羽の回転条件は、5,000rpm、3分間とした。得られた電極合剤ペーストを、厚さ20μmのアルミ箔にドクターブレードを用いて塗工し、60℃で2時間乾燥後、ロールプレスを用いて、200kN/mで圧延することで第2電極Dを得た。
【0092】
実施例1(ナトリウム二次電池Bの作製)
第1電極として第1電極Sを、第2電極として金属ナトリウム(アルドリッチ社製)を用い、図1に模式的に示す三電極セルを作製した。セパレータにはポリエチレン多孔質フィルム(厚み20μm)を用い、ニッケルリードの先端にナトリウム金属を付着させた電極を参照極としてセットした。1mol/LのNaPF/プロピレンカーボネート溶液(1M NaPF/PC)(キシダ化学株式会社製)と、フッ素を含有する環状炭酸エステルであるフルオロエチレンカーボネート(FEC)(キシダ化学株式会社製)を体積比で95.2:4.8とした混合溶液を非水電解液として用い、電極が浸漬するように滴下した後、SUS板で密閉することで、三電極式のナトリウム二次電池Bを作製した。なお、電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
【0093】
実施例2(ナトリウム二次電池Bの作製)
1M NaPF/PC(キシダ化学株式会社製)と、フッ素を含有する環状炭酸エステルであるFEC(キシダ化学株式会社製)を体積比で99.0:1.0とした混合溶液を非水電解液として用いた以外は、実施例1と同様の操作でナトリウム二次電池Bを作製した。
【0094】
比較例1(ナトリウム二次電池Eの作製)
1M NaPF/PC(キシダ化学株式会社製)を非水電解液として用いた以外は、実施例1と同様の操作でナトリウム二次電池Eを作製した。
【0095】
ナトリウム二次電池B、B、Eの充放電試験
充放電試験の前に、ナトリウム二次電池B、B、Eの作動を安定化させる処置(安定化処置1)を行った後、充放電試験(充放電試験1)を行った。
<安定化処置1>
参照電極に対する第1電極の電位をレストポテンシャルから0.005Vに達するまで、0.05Cレート(20時間で完全充電する速度)でCC−CV(コンスタントカレント−コンスタントボルテージ:定電流−定電圧、0.005C電流値到達で充電終了)充電を行った後、0.05Cレートで1.5Vに達するまでCC(コンスタントカレント)放電する通電処置を2サイクル行った。
<充放電試験1>
上記安定化処置1を行った後、以下の条件で充放電試験を行った。参照電極に対する第1電極の電位を0.005Vに達するまで0.1C(10時間で完全充電する速度)でCC−CV充電(0.01C電流値到達で充電終了)を行った後、0.1Cレートで1.5Vに達するまでCC放電する充放電試験を行った。表1にナトリウム電池B、B、Eの充放電試験の結果を示す。放電容量は比較例ナトリウム二次電池Eの放電容量(第1電極Sに含まれる電極活物質C1の重量あたりの放電容量)を100とした比容量で示す。表1より、フッ素を含有する環状炭酸エステルを含有させることにより、ナトリウム二次電池として放電容量が大きくなることがわかった。
【0096】
【表1】

【0097】
実施例3(ナトリウム二次電池Bの作製)
コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、直径14.5mmに打ち抜いた第1電極Sを置き、1mol/LのNaPF/プロピレンカーボネート溶液(1M NaPF/PC)(キシダ化学株式会社製)と、フッ素を含有する環状炭酸エステルであるフルオロエチレンカーボネート(FEC)(キシダ化学株式会社製)を体積比で98.0:2.0とした混合溶液を非水電解液として用い、セパレータとしてポリエチレン多孔質フィルム(厚み20μm)を、第2電極としての金属ナトリウム(アルドリッチ社製)を組み合わせて、ナトリウム二次電池Bを作製した。なお、電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
【0098】
実施例4(ナトリウム二次電池Bの作製)
1M NaPF/PC(キシダ化学株式会社製)と、フッ素を含有する環状炭酸エステルであるFEC(キシダ化学株式会社製)を体積比で95.2:4.8とした混合溶液を非水電解液として用いた以外は、実施例3と同様の操作でナトリウム二次電池Bを作製した。
【0099】
実施例5(ナトリウム二次電池Bの作製)
1M NaPF/PC(キシダ化学株式会社製)と、フッ素を含有する環状炭酸エステルであるFEC(キシダ化学株式会社製)と、不飽和結合を含む環状炭酸エステルであるビニレンカーボネート(VC)(キシダ化学株式会社製)を体積比で97.1:1.9:1.0とした混合溶液を非水電解液として用いた以外は、実施例3と同様の操作でナトリウム二次電池Bを作製した。
【0100】
比較例2(ナトリウム二次電池Eの作製)
1M NaPF/PC(キシダ化学株式会社製)を非水電解液として用いた以外は、実施例3と同様の操作でナトリウム二次電池Eを作製した。
【0101】
実施例6(ナトリウム二次電池Bの作製)
コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、直径14.5mmに打ち抜いた第1電極Sを置き、1M NaPF/PC(キシダ化学株式会社製)と、フッ素を含有する環状炭酸エステルであるFEC(キシダ化学株式会社製)を体積比で98.0:2.0とした混合溶液を非水電解液として用い、セパレータとしてポリエチレン多孔質フィルム(厚み20μm)を、第2電極としての金属ナトリウム(アルドリッチ社製)を組み合わせて、ナトリウム二次電池Bを作製した。なお、電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
【0102】
比較例3(ナトリウム二次電池Eの作製)
1M NaPF/PC(キシダ化学株式会社製)を非水電解液として用いた以外は、実施例6と同様の操作でナトリウム二次電池Eを作製した。
【0103】
実施例7(ナトリウム二次電池Bの作製)
コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、直径14.5mmに打ち抜いた第1電極Sを置き、1M NaPF/PC(キシダ化学株式会社製)と、フッ素を含有する環状炭酸エステルであるFEC(キシダ化学株式会社製)を体積比で98.0:2.0とした混合溶液を非水電解液として用い、セパレータとしてポリエチレン多孔質フィルム(厚み20μm)を、第2電極としての金属ナトリウム(アルドリッチ社製)を組み合わせて、ナトリウム二次電池Bを作製した。なお、電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
【0104】
比較例4(ナトリウム二次電池Eの作製)
1M NaPF/PC(キシダ化学株式会社製)を非水電解液として用いた以外は、実施例7と同様の操作でナトリウム二次電池Eを作製した。
【0105】
実施例8(ナトリウム二次電池Bの作製)
コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、直径14.5mmに打ち抜いた第1電極Sを置き、1M NaPF/PC(キシダ化学株式会社製)と、フッ素を含有する環状炭酸エステルであるFEC(キシダ化学株式会社製)を体積比で99.0:1.0とした混合溶液を非水電解液として用い、セパレータとしてポリエチレン多孔質フィルム(厚み20μm)を、第2電極としての金属ナトリウム(アルドリッチ社製)を組み合わせて、ナトリウム二次電池Bを作製した。なお、電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
【0106】
実施例9(ナトリウム二次電池Bの作製)
1M NaPF/PC(キシダ化学株式会社製)と、フッ素を含有する環状炭酸エステルであるFEC(キシダ化学株式会社製)を体積比で92.6:7.4とした混合溶液を非水電解液として用いた以外は、実施例8と同様の操作でナトリウム二次電池Bを作製した。
【0107】
比較例5(ナトリウム二次電池Eの作製)
1M NaPF/PC(キシダ化学株式会社製)を非水電解液として用いた以外は、実施例8と同様の操作でナトリウム二次電池Eを作製した。
【0108】
実施例10(ナトリウム二次電池B10の作製)
コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、直径14.5mmに打ち抜いた第1電極Sを置き、1M NaPF/PC(キシダ化学株式会社製)と、フッ素を含有する環状炭酸エステルであるFEC(キシダ化学株式会社製)を体積比で98.0:2.0とした混合溶液を非水電解液として用い、セパレータとしてポリエチレン多孔質フィルム(厚み20μm)を、第2電極としての金属ナトリウム(アルドリッチ社製)を組み合わせて、ナトリウム二次電池B10を作製した。なお、電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
【0109】
比較例6(ナトリウム二次電池Eの作製)
1M NaPF/PC(キシダ化学株式会社製)を非水電解液として用いた以外は、実施例10と同様の操作でナトリウム二次電池Eを作製した。
【0110】
ナトリウム二次電池B〜B10、E〜Eの充放電試験
充放電試験の前に、ナトリウム二次電池B〜B10、E〜Eの作動を安定化させる処置(安定化処置2)を行った後、充放電試験(充放電試験2)を行った。
<安定化処置2>
レストポテンシャルから0.005Vに達するまで、0.05Cレート(20時間で完全充電する速度)でCC−CV(コンスタントカレント−コンスタントボルテージ:定電流−定電圧、0.005C電流値到達で充電終了)充電を行った後、0.1Cレート(10時間で完全充電する速度)で1.5Vに達するまでCC(コンスタントカレント)放電する通電処置を2サイクル行った。さらに、0.005Vに達するまで0.1CでCC−CV充電(0.01C電流値到達で充電終了)を行った後、0.1Cレートで1.5Vに達するまでCC放電する通電処置を3サイクル行った。続いて、0.005Vに達するまで0.1CでCC−CV充電(0.01C電流値到達で充電終了)を行った後、0.2Cレートで1.5Vに達するまでCC放電する通電処置を2サイクル行った。
<充放電試験2>
上記安定化処置2の後、以下の条件で充放電試験を行った。0.005Vに達するまで0.1CでCC−CV充電(0.01C電流値到達で充電終了)を行った後、0.2Cレートで1.5Vに達するまでCC放電する充放電試験を行った。表2〜6に、それぞれ第1電極S〜Sを用いたセルの充放電試験の結果を示す。放電容量は各比較例ナトリウム二次電池E〜Eの放電容量(各ナトリウム二次電池における、第1電極S〜Sに含まれる電極活物質C〜Cの重量あたりの放電容量)を100とした比容量で示す。表2〜6より、フッ素を含有する環状炭酸エステルおよび/または不飽和結合を含む環状炭酸エステルを含有させることにより、ナトリウム二次電池として放電容量が大きくなることがわかった。
【0111】
【表2】

【0112】
【表3】

【0113】
【表4】

【0114】
【表5】

【0115】
【表6】

【0116】
実施例11(ナトリウム二次電池B11の作製)
コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、直径14.5mmに打ち抜いた第2電極Dを置き、1M NaPF/PC(キシダ化学株式会社製)と、フッ素を含有する環状炭酸エステルであるFEC(キシダ化学株式会社製)を体積比で99.5:0.5とした混合溶液を非水電解液として用い、セパレータとしてポリエチレン多孔質フィルム(厚み20μm)を、第1電極としての第1電極S(直径15.0mm)を組み合わせて、ナトリウム二次電池B11を作製した。なお、電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
【0117】
実施例12(ナトリウム二次電池B12の作製)
1M NaPF/PC(キシダ化学株式会社製)と、フッ素を含有する環状炭酸エステルであるFEC(キシダ化学株式会社製)を体積比で98.0:2.0とした混合溶液を非水電解液として用いた以外は、実施例11と同様の操作でナトリウム二次電池B12を作製した。
【0118】
実施例13(ナトリウム二次電池B13の作製)
1M NaPF/PC(キシダ化学株式会社製)と、フッ素を含有する環状炭酸エステルであるFEC(キシダ化学株式会社製)を体積比で95.2:4.8とした混合溶液を非水電解液として用いた以外は、実施例11と同様の操作でナトリウム二次電池B13を作製した。
【0119】
比較例7(ナトリウム二次電池Eの作製)
1M NaPF/PC(キシダ化学株式会社製)を非水電解液として用いた以外は、実施例11と同様の操作でナトリウム二次電池Eを作製した。
【0120】
ナトリウム二次電池B11〜B13、Eの充放電試験
充放電試験の前に、ナトリウム二次電池B11〜B13、Eの作動を安定化させる処置(安定化処置3)を行った後、充放電試験(充放電試験3)を行った。
<安定化処置3>
レストポテンシャルから3.2Vに達するまで、0.05Cレート(20時間で完全充電する速度)でCC充電を行った後、0.1Cレート(10時間で完全充電する速度)で2.0Vに達するまでCC(コンスタントカレント)放電する通電処置を1サイクル行った。さらに、3.8Vに達するまで0.05CレートでCC充電を行った後、0.1Cレートで2.0Vに達するまでCC放電する通電処置を1サイクル行った。続いて、4.0Vに達するまで0.05CレートでCC−CV充電(0.005C電流値到達で充電終了)を行った後、0.1Cレートで2.0Vに達するまでCC放電する通電処置を1サイクル行った。加えて、4.0Vに達するまで0.1CレートでCC−CV充電(0.02C電流値到達で充電終了)を行った後、0.2Cレートで2.0Vに達するまでCC放電する通電処置を1サイクル行った。
<充放電試験3>
上記安定化処置3の後、以下の条件で充放電試験を行った。4.0Vに達するまで0.1CレートでCC−CV充電(0.02C電流値到達で充電終了)を行った後、0.2Cレートで2.0Vに達するまでCC放電する充放電試験を行った。表7に、比較例7のナトリウム二次電池Eの放電容量(第2電極Dに含まれる電極活物質A1の重量あたりの放電容量)を100とした比容量を示す。表7より、フッ素を含有する環状炭酸エステルを含有させることにより、ナトリウム二次電池として放電容量が大きくなることがわかった。
【0121】
【表7】

【0122】
表1〜7より、本発明のナトリウム二次電池の非水電解液を用いることで、ナトリウム二次電池の放電容量を増大させることが可能であることがわかった。
【0123】
製造例5(積層多孔質フィルムの製造)
(1)耐熱多孔層用塗工スラリーの製造
NMP4200gに塩化カルシウム272.7gを溶解した後、パラフェニレンジアミン132.9gを添加して完全に溶解した。得られた溶液に、テレフタル酸ジクロライド243.3gを徐々に添加して重合し、パラアラミドを得て、さらにNMPで希釈して、濃度2.0重量%のパラアラミド溶液を得た。得られたパラアラミド溶液100gに、第1のアルミナ粉末2g(日本アエロジル社製、アルミナC,平均粒子径0.02μm)と第2のアルミナ粉末2g(住友化学株式会社製スミコランダム、AA03、平均粒子径0.3μm)とをフィラーとして計4g添加して混合し、ナノマイザーで3回処理し、さらに1000メッシュの金網で濾過、減圧下で脱泡して、耐熱多孔層用塗工スラリーを製造した。パラアラミドおよびアルミナ粉末の合計重量に対するアルミナ粉末(フィラー)の重量は、67重量%であった。
【0124】
(2)積層多孔質フィルムの製造および評価
多孔質フィルムとしては、ポリエチレン製多孔質フィルム(膜厚12μm、透気度140秒/100cc、平均孔径0.1μm、空孔率50%)を用いた。厚み100μmのPETフィルムの上に上記ポリエチレン製多孔質フィルムを固定し、テスター産業株式会社製バーコーターにより、該多孔質フィルムの上に耐熱多孔層用塗工スラリーを塗工した。PETフィルムと、塗工された該多孔質フィルムを一体にしたまま、貧溶媒である水中に浸漬させ、パラアラミド多孔質膜(耐熱多孔層)を析出させた後、溶媒を乾燥させて、PETフィルムをはがして、耐熱多孔層と多孔質フィルムとが積層された積層多孔質フィルムを得た。積層多孔質フィルムの厚みは16μmであり、パラアラミド多孔質膜(耐熱多孔層)の厚みは4μmであった。積層多孔質フィルムの透気度は180秒/100cc、空孔率は50%であった。積層多孔質フィルムにおける耐熱多孔層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察をしたところ、0.03〜0.06μm程度の比較的小さな微細孔と0.1〜1μm程度の比較的大きな微細孔とを有することがわかった。なお、積層多孔質フィルムの評価は、以下の(A)〜(C)のようにして行った。
【0125】
(A)厚み測定
積層多孔質フィルムの厚み、多孔質フィルムの厚みは、JIS規格(K7130−1992)に従い、測定した。また、耐熱多孔層の厚みとしては、積層多孔質フィルムの厚みから多孔質フィルムの厚みを差し引いた値を用いた。
(B)ガーレー法による透気度の測定
積層多孔質フィルムの透気度は、JIS P8117に基づいて、株式会社安田精機製作所製のデジタルタイマー式ガーレー式デンソメータで測定した。
(C)空孔率
得られた積層多孔質フィルムのサンプルを一辺の長さ10cmの正方形に切り取り、重量W(g)と厚みD(cm)を測定した。サンプル中のそれぞれの層の重量(Wi;iは1からnの整数)を求め、Wiとそれぞれの層の材質の真比重(g/cm3)とから、それぞれの層の体積を求めて、次式より空孔率(体積%)を求めた。
空孔率(体積%)=100×{1−(W1/真比重1+W2/真比重2+・・+Wn/真比重n)/(10×10×D)}
【0126】
本発明において、セパレータとして、製造例5により得られたような積層多孔質フィルムを用いれば、熱破膜をより防ぐことのできるナトリウム二次電池を得ることができる。
【符号の説明】
【0127】
11:SUS板、12:ポリテトラフルオロエチレン板、13:第2電極、14:セパレーター、15:第1電極、16:参照電極、17:非水電解液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナトリウムイオンでドープかつ脱ドープできる炭素材料を有する第1電極と、第2電極と、非水溶媒に電解質塩が溶解した非水電解液とを有するナトリウム二次電池であって、該非水電解液は、不飽和結合を含む環状炭酸エステル、またはフッ素を含有する環状炭酸エステル、または両方を、非水電解液に対して0.01体積%以上10体積%以下の範囲で含むナトリウム二次電池。
【請求項2】
前記フッ素を含有する環状炭酸エステルが、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンである請求項1に記載のナトリウム二次電池。
【請求項3】
前記炭素材料が非賦活型炭素材料である請求項1または2に記載のナトリウム二次電池。
【請求項4】
第1電極と第2電極との間に、さらにセパレータを有する請求項1または2に記載のナトリウム二次電池。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2013−62241(P2013−62241A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−182970(P2012−182970)
【出願日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】